12
2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人 日本労働安全衛生コンサルタント会 農作業安全アドバイザー 労働安全コンサルタント 片山昌作 Vol.2a 20.07.16 片山安心コンサルタント 教習所に於いて 1 片山安心コンサルタント合同会社 半歩ずつ前進しています 人が制御できるのは「危険事象」に至る前まで 2 1.災害発生の流れ 片山安心コンサルタント合同会社 できない 回避 訓練 ヒヤリハット (運よく・・・) 危害の重大性 危険源に人が 関われば危険 状態になる 危険源 (ハザード) 危険 状態 危険事象 不安全状態 不安全行動 発生の可能性 作業 回避できた 災害 発生 危険予知 KY(危険を避ける) リスクアセスメント RA(危険源の除去・低減) 作業計画に反映させる 修正 ‘20.6.17 タイトル枠 「危険事象」に至る要素(不安全状態・不安全行動)を無くす、 減らすことが肝心です。 3 1-1.災害防止の流れ 片山安心コンサルタント合同会社 ヒヤリハット (運よく・・・) 危険予知 KY(危険を避ける) 修正 ‘20.6.17 タイトル枠 リスクアセスメント RA(危険源の除去・低減) 作業の計画段階で、現場の配置図・進行・ 人員を加味し、進行を妨げる要素を排除し 必要な機材・資材を準備する。保護具は 予備を持つ 作業開始直前に、作業計画の確認と、不足の 調査、機材の破損品の排除、その日の天候等 外乱による計画の遅れの予想と対応 作業後、現場で起こったヒヤリハットを聴取し、原 因箇所を確認して出来る範囲で対策します -2.危険度(リスクレベル)の考え方 4 修正 ‘20.6.14 農作業事故用 あまり起きない よ く 起 きる 発生の 可能性 青の部分許容できる領域 リスクを受け入れられる、 又は抑えられている状態 赤枠の部分許容できない領域 危害の 重篤度 (重大性) リスクレベル安全衛生の問題、 ほとんど無い リスクレベル安全衛生の 問題が多少ある リスクレベル安全衛生の 問題が有る リスクレベル安全衛生の 重要な問題がある 片山安心コンサルタント合同会社

1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

  • Upload
    others

  • View
    5

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

2020/7/16

1

刈払機作業のリスクアセスメント

一般社団法人

日本労働安全衛生コンサルタント会

農作業安全アドバイザー

労働安全コンサルタント 片山昌作

Vol.2a ’20.07.16

片山安心コンサルタント 教習所に於いて

1片山安心コンサルタント合同会社

半歩ずつ前進しています

人が制御できるのは「危険事象」に至る前まで

2

1.災害発生の流れ

片山安心コンサルタント合同会社

できない

人回避訓練

ヒヤリハット(運よく・・・)

危害の重大性

危険源に人が関われば危険状態になる

危険源(ハザード)

危険状態

危険事象

不安全状態不安全行動

発生の可能性

作業

回避できた

災害発生

危険予知KY(危険を避ける)

回避

リスクアセスメントRA(危険源の除去・低減)

作業計画に反映させる

修正 ‘20.6.17 タイトル枠

「危険事象」に至る要素(不安全状態・不安全行動)を無くす、減らすことが肝心です。

3

1-1.災害防止の流れ

片山安心コンサルタント合同会社

ヒヤリハット(運よく・・・)

危険予知KY(危険を避ける)

修正 ‘20.6.17 タイトル枠

リスクアセスメントRA(危険源の除去・低減)

作業の計画段階で、現場の配置図・進行・人員を加味し、進行を妨げる要素を排除し必要な機材・資材を準備する。保護具は予備を持つ

作業開始直前に、作業計画の確認と、不足の調査、機材の破損品の排除、その日の天候等外乱による計画の遅れの予想と対応

作業後、現場で起こったヒヤリハットを聴取し、原因箇所を確認して出来る範囲で対策します

1-2.危険度(リスクレベル)の考え方

4

修正 ‘20.6.14農作業事故用

あまり起きない よ く起きる発生の可能性

青の部分は許容できる領域

リスクを受け入れられる、又は抑えられている状態

赤枠の部分は許容できない領域

ひどい

大したことない

危害の重篤度(重大性)

リスクレベルⅠ

安全衛生の問題、ほとんど無い

リスクレベルⅡ安全衛生の

問題が多少ある

リスクレベルⅢ安全衛生の問題が有る

リスクレベルⅣ安全衛生の

重要な問題がある

片山安心コンサルタント合同会社

倉庫酸欠

墜落

転倒

切れ

挟まれ

巻込まれ

電熱感電

爆発

用水転落

飛来

火傷

薬症

倒壊

凍傷

火災

熱中症

躓き

マダニ

Page 2: 1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

2020/7/16

2

改善

効果

より安全=リスクを抑える、又は低減する

危険な作業の廃止・変更より危険有害性の低い材料への代替え等

工学的対策(隔離・停止の原則)

管理的対策(ルール=マニュアル、立ち入り禁止措置、教育、訓練、暴露管理等)

個人用保護具の使用(安易に保護具に頼らない、他の対策と併用)

②③④

⑤⑥

5

対策優先

順位

低い

修正 ‘20.7.07 文章

本質安全危険な状態が無い

安全防護危険に近づけない触れられない確認型安全装置

情報・表示危険箇所注意銘板立入禁止、運転席表示

保護具・保護衣

②③④

機械安全農作業・建設・製造・化学・他の作業安全

法令に定められた事項の確実な実施

暴露: 農薬を浴びる濃度と時間

農業機械や設備の

付加保護方策危険を人の操作で回避する

追加の保護危険に至らない追加措置

小さい

無い

高 ①

片山安心コンサルタント合同会社

組織的管理・訓練危険の認識・手順・合図

⑤⑥

改善

効果

機械安全、農業機械のリスク低減

6

修正 ‘20.7.07 文章

本質安全危険な状態が無い

安全防護危険に近づけない触れられない確認型安全装置

情報・表示危険箇所注意銘板立入禁止,運転席表示

組織的管理・訓練危険の認識・手順・合図

保護具・保護衣

小さい

機械安全農業機械や設備の

付加保護方策人の操作で危険回避

追加の保護危険に至らない追加措置

①本質安全は、機械で怪我病気が起きない-切れ擦れ押し潰しせん断 (例:隙間に指や手、足を入れる)

-巻き込まれ (例:回転物に身体が触れてる)

-他、衝突・突き刺し・高温・噴出・感電・振動・騒音・他ただし、運転者の脇見操縦他や故意の事故は含まれない

⑧付加保護方策の内容-非常停止 (例:農機は緊急停止釦、非常停止釦、非常停止紐)

-閉じ込めの避難及び救出 (例:鍵解除釦、開放ハンドル、照明)

-機械への安全な接近 (例:ステップ、梯子、手摺)

-機械及びその重量構成部品の容易で安全な取扱いのための備え (例:アイボルト、交換クレーン、分割カバー、ガイドバー)

-分離及びエネルギ放散 (例:クラッチ、残空圧抜き)

⑨追加の保護は、使用者が行う-進入禁止措置 (例: 圃場周囲のバリケード)

-警告表示 (例: 作業中の看板)

-機械への安全な接近 (例:踏み台)

-他 (例:監視人、他)

無い

②離す③カバー④止める

⑤教育・訓練⑥手順・合図

注⑤が2つ有るのは、メーカー側で取説を作り、ユーザー側がそれで教育訓練を行う為

7

1-3.保護具の使用について

片山安心コンサルタント合同会社

作成 ‘18.8.19

保護具は、次の事で防ぎきれない危険・有害から身を守る為

ものです。

①危険有害作業の廃止・変更

②工学的対策 (触れさせない、近づけない、他)

③管理的対策 (人が離れる、表示をする、手順を守る、他)

「保護具に頼ってはいけない」とは、危険有害源を無くせない

低減できないなかで、保護具の使用はいつも危険源に曝され

ており、保護具の使用を間違うと危害を受けるからです。

改めて「保護具ありき」や「注意の集中」だけに頼るやり方に

は限界がある事を知り、このままで続けると保護具のトラブルや

注意力の低下で危険源に接触してしまい、ケガや病気になると

思う事です。

危害の程度

8片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.7.06 図差し替え

危害を受けた時、必要な作業が出来るか、出来ないかを基準にして、作業出来ない日数がどれだけ長くなるかで判断します。

刺し虫に刺され、半日後に腫れた右腕

捻挫で腫れた左足(1日目)

足親指を切った

数値化

記号法

危害(ケガ病

気)の程度作業中断日数

10

極めて重大×

死亡、切断、両眼失明粉砕骨折

以後、作業できない

6重大△

単純骨折・その他

4日以上の中断

3重大△

捻挫、脱臼、

ギックリ腰・腰痛・化膿・めまい・耳鳴り

1日以上

の作業中断(仕事を休む)

1軽微〇

打撲、擦り刺し傷、虫刺され

作業を続けられる

危害の程度

右足を切った

危害(ケガ病気)の程度は各自の

感覚で決めて良い。問題は、作付や収穫に作業中断日数があると、経営面に影響します。

Page 3: 1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

2020/7/16

3

危険の可能性を高める要因

9片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.7.07 文章

物(場所)

固い地面、固まった土

空き瓶・ビニル・板切れ

刈り倒した草(スリップ)

用水付近(川水・ため池)

電柱・支持線、杭・立木

コンクリート壁(用水縁)

斜面

環境 直射日光・高温

強風 小雨、大雨

用水の増水

泥濘(ぬかるみ)

水溜り 虫(蜂)・熊・他

人(作業)

地面をたたく

(紐式)

円盤刃が地面に刺さり走る

屈んで覗き込む

人と接近作業になる

後ろへ下がる

刈刃を大きく振る

(エンジン)高回転で作業

人 耳栓 長袖・長ズボン

減振手袋

長靴(鉄心入り)・

ヘルメット

防災面、ゴ-グル・

物(道具)

充電式・電動刈払機

エンジン26cc以上・未満

円盤刈刃(チップソー)

ひも式(ナイロンカッター)

背負い式刈払機

パイプ式刈払機

肩掛けベルト

腰ベルト

危険の可能性を高める要因

可能性

ほとんどない 1ほとんど起こらない〇

可能性が有る2 可能性が高い4 確実である 6かなり起こる×たまに起こる △

(保護具の未使用)メガネスパイク

危険の可能性を高める要因

10片山安心コンサルタント合同会社

修正’20.7.06 図差し替え

物 固い地面、固まった土

空き瓶・ビニル・板切れ

刈り倒した草

用水付近(川水・ため池)

電柱・支持線、杭・立木

コンクリート壁(用水縁)

斜面(20゚以上は急斜面)

物・環境・人(保護具の未使用)の要素か

ら、ケガをする可能性の高い危険の要因がそろっているかでリスクレベルを判断します。

固まった泥

排水のコンクリートブロック

巻きついたビニル

畦に置かれた板

用水と敷地のコンクリート

用水際の畦道脇の電柱

コンクリート畦

標識と用水

大きく急な斜面

コンクリとの境目

危険性を高める要因

イヤーマーフ

2300円

危険の可能性を高める要因

11片山安心コンサルタント合同会社

修正‘20.7.09 配置

人(作業)

地面をたたく(紐式)

円盤刃が地面に刺さり走る

屈んで

覗き込む

接近作業 後ろへ下がる

刈刃を大きく振る

(エンジン)高回転で作業

人(保護具の未使用)

耳栓 長袖・長ズボン

減振手袋 長靴(鉄心入り)・スパイク

ヘルメット 防災面

メガネ・ゴ-グル

120円

11000円

かぶり防災面クリアータイプ

2200円3000円

3800円

危険性を高める要因

ビニル(PVC)

2100円

危害を受ける可能性を下げる要素

片山安心コンサルタント合同会社12

作成 ‘18.8.28

2. リスクアセスメント手法、危険を見つけ危害の程度で対策を立てる

2018.4.20 南砺市年代

Page 4: 1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

2020/7/16

4

2. リスクアセスメント 色々な手法

数値化による方法

13片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.7.06 記号法図

記号による方法 リスクマトリックス評価

危険が起きる頻度

危険を受けた重篤度

リスクグラフ法回避困難

居合せる確率日常的

重篤度重大

困難

日常的

開始

可能

まれ

重篤度軽傷

まれ

可能

高リスク

低リスク

危害を受ける可能性

可能性(発生度合い)の見積り基準

表示

記号 数値

ほとんど起きない

農繁期(1ヶ月)の前5年間で1回以下 ○ 1

たまに起きる農繁期(1ヶ月)の2年間で1回起きる △ 2

かなり起きる農繁期(1ヶ月)に

1回以上起きる × 3

ケガ・病気が起きるか起きないかの判定

2-1.危険性又は有害性の見積り

補足: ○でもない、×でもない、それが△です

注意: 季節的な周期性のある作業に特化している。

14片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.6.17 文章

危害ケガの程度重大性

重大性(重篤度)の見積り基準

表示

記号 数値

軽 微 その日の仕事を続けられる ○ 1

重 大 1日以上仕事を休む △ 2

極めて重大死亡及び重大な障害

が残る災害 × 3

ケガ・病気の程度が重いか軽いかの判定

注意: 季節的な周期性のある作業に特化している。

15片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.6.19 項目変更

危険性又は有害性の見積り

重大性(重篤度)

軽 微 ○ 1(その日の仕事を続けられる災害)

重 大 △ 2(1日以上仕事を休む災害)

極めて重大× 3(死亡・元に戻らない傷害を受ける)

○ 1ほとんど起きない(前5年に1回程度)

○○ 1極めて小さい

○△ 2小さい

○× 3大きい

△ 2たまに起きる

(2年に1回程度)

△○ 2小さい

△△ 4より大きい

△× 6かなり大きい

× 3かなり起きる

(1ヶ月に1回程度)

×○ 3大きい

×△ 6かなり大きい

×× 9極めて大きい

危険性又は有害性の評価 1/2

(記号表現と数値表現の併記)

可能性(度合い)

重大性 × 可能性 = 評価注意: 季節的な周期性のある作業に特化している。

16片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.6.19 項目変更

Page 5: 1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

2020/7/16

5

重大性可能性

軽 微(その日の仕事を続けられる災害)

重 大(1日以上仕事を休む災害)

極めて重大(死亡・元に戻らない傷害を受ける)

ほとんど起きない(特に注意していなくても、ケガ・病気がほとんどない)

極めて小さい有効な対策有れば実施する

小さい対策を見つけた時点で行う

大きい対策を考えて次の農繁期前に行う

たまに起きる(うっかりするとケガをする

かもしれない)

小さい ・・対策を見つけた時点で行う

より大きい農繁期の

今、対策する

かなり大きい明日の作業前までに対策する

かなり起きる(よほど注意していないと

ケガをする)

大きい対策を考えて次の農繁期前に行う

かなり大きい明日の作業前までに対策する

極めて大きい作業を止めて即座に対策

可能性

危険減

注意: 季節的な周期性のある作業に特化し、対策には保護具の着用を含まない。

17片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.6.19 項目

危険性又は有害性の評価 2/2(リスクアセスメントの評価)

2-2. 刈払機のRA例1 リスク抽出

リスクの発見(抽出) 危害を受ける

可能性

受けた危害の

重大性

評価

対策後の 可能性

重大性

危険有害性の

再評価危険予知は、危ない事を見つける ケガの程度 対策内容

1.(畔左側面から刈り上げて)

チップソーが地面に

刺さり刈刃が手前に走り右足に当たる (背負式刈払機)

右足土踏まずから甲まで切り出血多量で死亡

× × 極めて大きい

エンジン回転数を下げて作業する

×△かなり大きい

ひもを使う(ナイロンカッター)

×〇大きい

右足親指の筋まで切る

× △ かな大 パイプ式

腰ベルト型を使う

△×かなり大きい

右足親指を1cm切る

× 〇 大きい

(金具入り)

長靴を履く××極めて

大きい慌て下がり、後側溝へ転倒し頭を打ち死亡する

× × 極めて大きい

草刈機使う 〇×大きい

除草剤使う 〇〇極小

18

修正 ‘20.7.07 構成

緑色枠線がリスクアセスメント

重篤なもの

その後の危険も予測できれば書く

後側溝転倒の時は×にする

赤色枠線は最大リスクを選んだ

「どの様な時に怪我をするのか」が危険予知

重大性(重篤度)

軽 微 ○ 1(その日の仕事を続けられる災害)

重 大 △ 2(1日以上仕事を休む災害)

極めて重大× 3(死亡・元に戻らない傷害を受ける)

○ 1ほとんど起きない(前5年に1回程度)

△ 2たまに起きる

(2年に1回程度)

× 3かなり起きる

(1ヶ月に1回程度)

2-2.刈払機のRA例1 評価

(記号表現と数値表現の併記)

可能性(度合い)

重大性 × 可能性 = 評価注意: 季節的な周期性のある作業に特化している。

19片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.7.08 記変

回転するチップソー

RAリスクアセスメントにより、

刈払機チップソーによる作業には「極めて大きい」危険がある

2-2. 刈払機のRA例1 リスク対策リスクの発見(抽出)

危害を受ける

可能性

受けた危害の

重大性

評価

対策後の 可能性

重大性

危険有害性の

再評価対策内容 対策理由危険予知は、

危ない事を見つける ケガの程度

1.(畔左側面から刈り上げて)

チップソーが

地面に刺さり刈刃が手前に走り右足に当たる(背負式刈払機)

右足土踏まずから甲まで切り出血多量で死亡

× × 極めて大

回転数を下げ作業5500rpm

回転数を落とすと草も切れ難くなるが、身体も切れ難い

×△ かなり大きい

紐を使う(ナイロンカッター)

紐は長靴を切れず足も切れない

×〇 大きい

右足親指の筋も切る

× △ かなり大

パイプ式腰ベルト型を使う

刈刃の可動範囲を固定し、足に刈刃を当らなくする (刈範

囲は狭くなる)

△×かなり大きい

右足親指を1cm切る

× 〇 大きい

(金具入り)

長靴履くチップソーの回転は存在し、足の甲やすねも切れる

××極めて大きい

慌て下がり、後側溝へ転倒し頭を打ち死亡する

× × 極大

草刈機使 刈払機から変わるが、回転刈りは同じ

〇×大きい

除草剤使 刈る草が無くなる 〇〇 極小

20

修正 ‘20.7.07 構成

重篤なもの

片山安心コンサルタント合同会社

後側溝転倒の時は×になる

同様な危険

Page 6: 1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

2020/7/16

6

2-2. 刈払機のRA例1 重大抽出と対策リスクの発見(抽出) 危害

を受ける

可能性

受けた危害の

重大性

危険有害性の

評価

対策後の 可能性

重大性

危険有害性の

再評価対策内容丸数字は対策の順序

危険予知は、危ない事を見つける ケガの程度

⑤エンジン回転数を下げて作業

× × 極めて大きい1.(背負式刈払機で、

畔左側面から刈り上

げ、) チップソーが

地面に刺さり刈刃が手前に走って右足に当たり、 右足土踏

まずから甲まで切り、出血多量で死亡する

×× 極めて大きい

(ナイロンカッター)

①ひもを使う× 〇 大きい

③回転刃にガードを掛ける

× △ かなり大きい

④衝撃センサで当たると止まる

× △ かなり大きい

②パイプ式で腰ベルト型使う

△ ×かなり大きい

(金具入り)

⑦長靴を履く××極大

①草刈機使う 〇 ×大きい

①除草剤使う 〇 〇 極小21

修正 ‘20.7.07 構成

本質安全 安全防護 付加保護方策

情報・表示 追加の保護

組織的管理・訓練

保護具

危険作業の

廃止・変更①

工学的対策(隔離・停止の原則)

① ②③④ ⑧

管理的対策

⑤⑨

個人で対策(保護具) ⑦

法令 免許、講習、作業主任者・指揮者、安全パトロール

使用の指示と着用義務

22片山安心コンサルタント合同会社

製造販売社(メーカー)による機械的対策

作業的対策

修正 ‘20.7.08 教育用文章

2-2.「回転刃で足を切る」対策の程度

(保護)

使用者(ユーザー)の対策

⑦保護具☆(金具入り)

長靴を履く

④保護装置☆衝撃センサーでショックを検出し回転にブレーキを掛ける☆紐(ナイロンカッター)

を使用する

③直接保護☆回転刈刃にガードを掛ける

刈刃が足元から遠ざかる

⑤注意表示☆なし (作業マニュアルと警告銘板)

⑥ルール☆エンジン回転数を下げて作業する

⑧リスクを回避☆パイプ式腰ベルト固定型刈払機を使用する

①リスク取り☆草刈り機使う

②離隔保護☆パイプ式腰ベルト固定型(回転体から離れる)

製造者

2-3. 刈払機のRA例2 抽出と対策リスクの発見(抽出)

危害を受ける

可能性

受けた危害の

重大性

評価

対策後の 可能性

重大性

危険有害性の

再評価対策内容 対策理由危険予知は、

危ない事を見つける ケガの程度

2. (ナイロンカッターを使い、)

地面の小石他を弾いて顔に当たる

注意: 目に入っ

た異物を放置したら最悪失明する

右目に当たり片目が失明する

× × 極めて大

回転数を下げ作業5500rpm

回転数を落とすと草も切れ難くなるが、飛散威力は小さい

××極めて大きい

円盤使う(チップソー)

石飛びは少なくなる

××極めて大きい右目に入り

ゴロゴロするが痛くない、視力低下する

× △ かなり大

飛散防止ネットを持ってもらう

周囲の飛散はおさえられるが、作業者には飛来物当たる。ネット持つ人に飛来物当たる

×△ かなり大きい

頬や額、喉に小石が当たり、腫れ傷になる

× 〇 大きい

クリア防災面を使う

飛散した物が直接顔面に当たらない

×△かなり大きい紐も外れて周

囲の作業者に当たる

△ 〇 小さい 草刈機を

使う刈払機から変わるが、回転刈りは同じ

△×かなり大きい

振動で手がしびれる

× 〇 大き 除草剤使 刈る草が無くなる 〇〇 極小

23

修正 ‘20.7.16 文章

保険では両目失明で×

思いつく危険書いて良い

この対策でも同様な危険ある

手順では、重大性を変えられない

防止ネット本来の使用目的とは異なるが教育用に掲載した

重大性(重篤度)

軽 微 ○ 1(その日の仕事を続けられる災害)

重 大 △ 2(1日以上仕事を休む災害)

極めて重大× 3(死亡・元に戻らない傷害を受ける)

○ 1ほとんど起きない(前5年に1回程度)

△ 2たまに起きる

(2年に1回程度)

× 3かなり起きる

(1ヶ月に1回程度)

2-3.刈払機のRA例2 評価

(記号表現と数値表現の併記)

可能性(度合い)

重大性 × 可能性 = 評価注意: 季節的な周期性のある作業に特化している。

24片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.7.08 記変

回転するナイロンカッター

RAリスクアセスメントにより、

刈払機ナイロンカッターの作業には「極めて大きい」危険がある

Page 7: 1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

2020/7/16

7

2-3. 刈払機のRA例2 重大抽出と対策リスクの発見(抽出) 危害

を受ける

可能性

受けた危害の

重大性

危険有害性の

評価

対策後の 可能性

重大性

危険有害性の

再評価対策内容丸数字は対策の順序

危険予知は、危ない事を見つける ケガの程度

⑥エンジン回転数を下げて作業

△ × かな大2. (ナイロンカッターを使

い、)地面の小石

他を弾いて顔に当たり、

注意: 目に入った異物を

放置したら最悪失明する

右目を失明する

△ × かなり大きい

(チップソー)

①円盤を使う△ × かなり

大きい

③回転紐の上にガード掛ける

△ △ より大

⑨飛散防止ネットを持ってもらう

× × 極めて大きい

⑦防災面使う 〇 ×大きい

⑦ゴーグル使う 〇 ×大きい

①草刈機使う 〇 ×大きい

①除草剤使う 〇 〇 極小

25

修正 ‘20.7.07 構成

手順では、重大性を変えられない

本質安全 安全防護 付加保護方策

情報・表示 追加の保護

組織的管理・訓練

保護具

危険作業の

廃止・変更①

工学的対策(隔離・停止の原則)

① ②③④ ⑧

管理的対策

⑤ ⑨ ⑥

個人で対策(保護具) ⑦

法令 免許、講習、作業主任者・指揮者、安全パトロール

使用の指示と着用義務

26片山安心コンサルタント合同会社

製造販売社(メーカー)による機械的対策

作業的対策

修正 ‘20.7.08 教育用文章

2-3.「飛んだ石が目に入る」対策の程度

(保護)

使用者(ユーザー)の対策

⑥ルール☆エンジン回転数を落とし作業する

⑦保護具1.防災面の使用2.ゴーグルの使用

③保護☆紐の上に飛散防止カバーを掛ける

①リスク取り☆草刈り機使う☆除草剤を使う

ヘルメット+防災面+日除け+喉の網 防災面(クリアー) ゴーグル

⑨追加の保護☆防護ネットを持ってもらう

注意:本来の使用目的と異り、教育用に掲載した

①リスク取り☆円盤刃(チップソー)を使用する

⑧付加保護方策☆パイプ式の離脱紐注意: 例2と関係ないが教育用に掲載した

②離す 離隔保護③カバーする 直接保護④止める 保護装置

製造者 ⑧付加保護方策

☆エンジンストップSW注意: 例2と関係ないが教育用に掲載した

2-4. 刈払機のリスクアセスメント

27片山安心コンサルタント合同会社

作成 ‘18.8.29

次ページの「リスクの発見」1項と2項は相反する内容です。作業する場所の環境に合わせて、道具と保護具を選びます。

左の写真の場所で草刈り作業の、計画時のリスクアセスメントを前頁も含めたもので行ないます。草丈15~30cm程度泥畔で小石は多くない畔幅60cm有る(寸法は気にしなくて良い)

60cm

50cm25cm

刈払機、作業計画リスクアセスメント 1/3

リスクの発見(抽出)

可能性

重大性

評価 対策後の 可能性

重大性

危険有害性の

再評価対策内容 対策理由、説明

1. チップソーが地

面に刺さり刈刃が手前の右足に当たり、右足親指を切る(背負式刈払機)

×△ かなり大きい

①ナイロンカッターを使う

チップソーは足を切るが、紐式は長靴を切れず足も切れない

×〇 大きい

②パイプ式腰ベルト型を使う

刈刃の可動範囲を固定し、足先に刈刃を当たらなくする

△ △ より大きい

⑦(金具入り)長靴を履く

チップソーの回転はそのまま存在し、足の甲やすねを切る

× △ かなり大きい

⑥エンジンの回転数を下げる

回転数を落とすことで草も切れにくくなるが身体も切れ難い

×△ かなり大きい

2. ナイロンカッ

ターが地面の小石を弾いて目に入り、目がごろごろする

×△ かなり大きい

①チップソーを使用する

チップソーは紐式と比較し、地面を叩かず小石の飛び少ない

○△ 小さい

⑥エンジン回転数を下げる

回転が遅くなれば飛ばした石の威力も低下し、飛散量も少なくなる

× △ かなり大きい

⑦防災面を使う(大型クリアーシールド)

顔全体に泥や小石が当たらず、風通し有りあまり暑くない

△ △ より大きい

28片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.7.08 文章

注意 対策内容の①~⑨は、P.5の対策の順序です

Page 8: 1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

2020/7/16

8

刈払機、作業計画リスクアセスメント 2/3リスクの発見

(抽出)

可能性

重大性

評価 対策後の 可能性

重大性

危険有害性の

再評価対策内容 対策理由、説明

3. 刈り倒した草で

右足を滑らせて下の田に転倒し、右足をくじく

△〇 小さい

⑦長靴に着脱スパイクを履く

草刈り時はスパイクで滑り止めし、道路は長靴だけで歩く

○ 〇 極めて小さい

⑥草は田に入れ畔に残さない

刈刃の振りは大きくなり、田に水が有れば草は枯れない

△ ○ 小さい

⑥すり足で進行する

草はそのまま存在し、危険源は残ったままである

△ ○ 小さい

⑥草丈が20cmで草刈する

草丈は短く滑らないが、草刈りは短時間だが回数が増える

〇 ○ 極小

②ナイロンカッターで草を粉砕する

草が粉砕され滑らないが、ミミズが増えて土が柔らかくなる

〇 ○ 極小

4. 水口(みなくち)や

水尻(みなしり)のコンクリート構造にチップソー刈刃が当たり、跳ね返って足を切る

×△ かなり大きい

①ナイロンカッターを使用する

チップソーは足を切るが、紐式は長靴を切れず足も切れない

○ ○ 極小

⑥エンジン回転数を下げる

回転が遅くなれば跳ね返りも小さく足に当たらない

× △ かなり大きい

⑦長靴を履く(金具入り)

チップソーの回転はそのまま存在し、足の甲やすねを切る

× △ かなり大きい

29

修正 ‘20.7.08 文章

刈払機、作業計画リスクアセスメント 3/3

リスクの発見(抽出)

可能性

重大性

評価 対策後の 可能性

重大性

危険有害性の

再評価対策内容 対策理由、説明

5. 畔を後退した時

に足元が空を切り後ろに倒れて、

a.頭を打つ、b.泥水を被る、c.刈刃が自身の腿に当たり切る(重篤なc.を検討する)

△×かなり大きい

③パイプ式刈払機を使う

草刈り時はスパイクで滑り止めして、道路は長靴だけで歩く

○ × 大きい

⑥畔幅を振り向き確認して後退

後を振り向くので刈刃の振りが思いがけない所に向く

△ × より大きい

⑥前進のみで進行する

前進だけで行う様にして、方向転換時はゆっくり動く

〇 × 大きい

⑦足にすね当て・プロティクターを付ける

すね当ては足元が重くなり疲れ易い。プロティクターは重く動きづらく、通気性悪く暑い

△ × かなり大きい

6. 水口(みなくち)や

水尻(みなしり)の穴に足が嵌り転倒し、a.頭胸を打つb.足を捻挫する

△△ より大きい

⑤棒を立て穴の目印にする

先に穴の周囲を刈り払えて、注意が集中できる

○ △ 小さい

③穴にコンクリート製蓋を置く

蓋に刈刃が当たり、刈刃の跳ね返りが起きる

△ △ より大きい

30片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.7.08 文章

泥田の石15cm

等に頭をぶつけても大事ない

目に入った泥水は洗い流して大事ない

頭と胸を泥で打っても大事ない

重篤なケガを検討する

重篤なケガを検討する

前4頁の「水尻のコンクリート構造に刈刃が当った」と同じリスク(刈刃が弾かれる)が新たに発生する事になる

2-4. 作業計画のリスクアセスメント結果

31片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.7.08 文章

60cm

50cm25cm

この畔は、ナイロンカッターで防災面を使用して低速で作業する

(主に保護具による対策)

予測される危険(リスク)危険源への対策

刈払機 チップソー

ナイロンカッター

低回転数

防災面パイプ式 背負式

1.回転刃で足を切る 〇 ◎ 〇2.飛んだ石が目に入る 〇 ◎ ◎

3.草で足を滑らせる ◎

4.コンクリートで反バツ ◎ 〇

5.後退して転倒 ◎

6.穴に足を取られ転倒 ( 棒で目印を付ける )

計画時のリスクアセスメントを行った結果は以下で、

その結果を総合すると、次の写真になる。リスク対策に、◎が最良、○は良

草を生えさせない様にする対策は色いろ有る

a.防草シートb.コンクリート他

修正 ‘20.7.07文章

片山安心コンサルタント合同会社32

硬くしまった畦

水田に水が無い

田に水を張った畔草刈は、

①水しぶきが掛かり服が濡れる

②泥混じりの水が顔に掛り目に入る

③水に草が隠れ刈残しが多くなる

④水があるので枯れずに根を張り繁殖する

田に水が無い畔草刈は、①水しぶきは無い

②泥は硬くの刈り刃がダッシュして自身の足に当たり切り易い

③草が露出し刈残しは少ない④草は乾いて枯れる

3.畦草刈り前の危険予知水田に水が有る

Page 9: 1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

2020/7/16

9

水田の畔草刈り修正 ‘20.7.09 文章

片山安心コンサルタント合同会社33

この写真の場合、排水溝に下りて下半分を刈り、後で上部を刈るべきです

畦下に足場が確保され、水田に入らずに刈れる。下段から上段へ順に刈る

この幅約80cmは

広く、刈刃を大きく振り上げる必要ある 畔下を刈る為に、肩

ベルトの範囲で 前傾姿勢をしている。

前屈みは転倒し易く、腰痛になる

1m

水田の畔草刈り 背負い式修正 ‘20.7.09 文章

片山安心コンサルタント合同会社34

1m

法面と体の間にパイプを入れて、前進で刈り降ろす。草は田に落とす

体の前にパイプ

を置き、前進して刈り降ろす。草は田に落とす

体と腕の振りに注目する。

動作範囲を少なくする方が疲れも少ない

☆エンジンの背負い高さで疲れ方が変わる

水田の畔草刈り ハンドルパイプ式修正 ‘20.7.09 文章

片山安心コンサルタント合同会社35

1m

法面にパイプを入れ体は外に置き、前進して刈り降ろしている。草は田に落とす

1m

体の前にパイプを

置き、後退しながら刈り降ろす。草は田に落とす

後退しながら刈進めると、危険源に気付けない

前進しながらは、危険源に気付ける

法面と刈刃面は角度が付く

水田の畔草刈り修正 ‘20.7.09 文章

片山安心コンサルタント合同会社36

後退法面の上から下の草を刈ると、無理な姿勢になります

なんとか

刈刃は下にとどいている

その足元はどうか?

Page 10: 1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

2020/7/16

10

河川縁の畔草刈の危険予知修正 ‘20.7.07 文章

片山安心コンサルタント合同会社37

① 法面の泥で滑り転倒し、

川に転落する

②川縁の草を落とさない様に

堤防の上側へ刈る

(一斉草刈りは、刈り落とした草で川

水を堰き止め、決壊して一度に流

れると災害になる)

③刈り倒した草で足を滑らせ

川へ転落する。刈りながら

横へ運び、足元に草が無

い状態にする

④草を踏まない様、下段から

刈り、上段に進む

⑤畔の草は終わりに刈る当たり前ですが、雨風(小雨含む)の日には草刈りを行わないことが賢明です

河川縁の畔草刈り修正 ‘20.7.09文章・サイズ

片山安心コンサルタント合同会社38

① 川に背を向けず、川に前向きか横向きを意識する

②川縁は、転落の恐れ無ければ

草を川に落とさない様、上側へ刈り上げる

(一斉草刈り時は、刈り落した草が川水を堰き止める。決壊で濁流となり越水して災害になる)

③草を刈り倒しながら横へ運び、足元には草が無い状態が良い

④下段から刈り上段に進む

越水(えっすい): 増水した河川の水が堤防の高さを越えてあふれ出すこと

黄色線の部分は、転落するぐらいなら刈り残すこと

4. 作業終了後のヒヤリハット報告

39

ヒヤリハット報告は、重要な安全情報です作業中にヒヤリ(ヒヤッ)とする、ハットした事がたまに起こります。作業が終った後にその情報を記録します。それは今後の ①重大災害を予防し

②疲労の原因を低減させる為の安全資源です。

情報には出来るだけ、重量・大きさ・長さ・形、高さや気温と雨風の状態、他を記入しておくことで、後で見て分かるものになります。また、③上手くいった要因は特に重要で、今後の作業効率を上げる鍵になります

片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.7.08 文章

(作業)~をしていた時 ~でヒヤッとした (原因は) ~であった (対策) ~する

排水路法面(斜度約20゚)の草刈りで、前傾で(屈んで)下の草を刈ろうとした時、

腰が冷たくなった。混合油(約10cc)が

こぼれて腰に掛った

刈払機の燃料キャップがゆるんでいて、こぼれ出た。

☆給油後、キャップを締めた後に指差し呼称して締め確認をする

残量から推測する

日頃から斜度を意識する

ヒヤリハット報告書の例 1/3

40

修正 ‘20.7.08 文章

(作業)~をしていた時、

~でヒヤッとした (原因は) ~であった。 (対策) ~する

1 傾斜面で草刈りしていた時、

足が滑り転びそうになった

傾斜と刈り倒した草で滑った。

☆ナイロンカッターで草を粉砕する

☆長靴に脱着スパイクを取り付ける

2 草丈が伸びていたのでアクセルを吹かして刈っていた時、

人が近付いて声を掛けられたのを知らずに、刈刃が当たりそうになりヒヤットした

エンジン音で接近や声を掛けられたのが分からなかった。

☆エンジン回転を下げ、効率は悪くなるが安全作業をする

☆近づく人に、正面から離れて笛を吹く

3 畔の草刈りをしていた時に、

絡み付いた草を手で取ろうとした時に刈刃が回転しだした

刈刃を引き寄せた際に、アクセルワイヤーが曲り引っ張られてエンジン回転が上がった。

☆エンジンを止めて絡まった草を取る

上面に出ていた石に円盤刃(チップソー)が当たり、

弾じいて刃が自身の右足に当たった

円盤刃が石に当たったから。

☆石を取り除く

何所の場所など、注釈や数値の記入あると後で分かる

Page 11: 1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

2020/7/16

11

ヒヤリハット報告書の例 2/3

41片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.7.08 文章

(作業)~をしていた時

~でヒヤッとした (原因は) ~であった (対策) ~する

3 畔の側面から草刈りしていた時、

刈払機を振り、畔の上面に円盤刃(チップソー)が

刺さり、その回転で足に向かって走り当たり、足を切りそうになった

円盤刃が地面に刺さったから。

☆ナイロンカッターで草刈りをする

☆ゴム長靴等を履き、直接足に当たらない様にする(なるべく軽く丈夫な物)

泥と小石を撥ねて顔に掛かった

☆斜面(法面)は雨で

泥が流れて小石が露出し、その石を弾いたから。

☆防災面を使用する

☆春に畔塗機で畔を整える

水を張った水田の畔を草刈りして、刈刃で水を撥ねて顔に掛った

☆水田に水を張った、有ったから。

☆水の無い時に草刈りをする(水が有ると草刈りは上手く出来ない)

☆防災面を使用する

ヒヤリハット報告書の例 3/3

42

修正 ‘20.7.08 文章

(作業)~をしていた時

~でヒヤッとした (原因は) ~であった (対策) ~する

4 民家の裏(野焼の所)の畔草を刈った時、

針金が刈刃に巻き付いて、更に自分の足に当たった

焼却のゴミの中に針金があった。

☆無し(草で見えず)

☆家人に野焼きを行わない様にお願いする

5 背負い式を地面に置いてエンジンを始動させた時に、

刈刃が回転しながら(シャフトが)急に動き出してヒヤッとした

刈刃が地面に当たっていたから。

☆シャフトを伸ばし、刈刃を天に向けてエンジンを始動する

人が刈刃に近づいたのでヒヤットした

エンジンを掛ける事に集中していたから。

☆人が近づけない場所と向きに刈刃を置き、周囲を確認して一呼吸おいてエンジン始動する

6 土手の草刈りをしていた時、

蔦が絡まり振りほどこうと刈払機を引いたが蔦が取れず反動で土手の斜面を少し滑り落ちた

蔦を力任せに引っ張ったから。

☆エンジンを止めて絡まりを解く

☆チップソーの場合、大地と刃の角度を変えて蔦を切る

片山安心コンサルタント合同会社43

修正 ‘20.7.08 枠

5. 災害事例

畔の左側面を背負い式で刈り払った時、チップソーが畔の上に刺さり、刈刃の回転で足に向かって走り当たった。長靴を切り、右足の親指に切り込んだ。

左手の安全レバーは刈刃を靴から引き離そうとして握ったままで、手は離せない。(回転は止められなかった)

長さ16mm深さ 4mm

44片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.7.08 枠

右足を半歩前進させた時、このタイミングで回転刃が地面に刺さって走り出し、それを右足が受けて親指を切った

畔の上部を刈り払う

写真の流れパイプの動き

Page 12: 1.災害発生の流れ 刈払機作業のリスクアセスメントansin39.com/b312.200716.pdf · 2020. 7. 16. · 2020/7/16 1 刈払機作業のリスクアセスメント 一般社団法人

2020/7/16

12

45片山安心コンサルタント合同会社

修正 ‘20.7.08 枠

畔の側面を刈り払う参考

写真の流れ

ご安全に !!

教習所のご案内

片山安心コンサルタント合同会社

南砺市福野駅から

福野行政センター南側を、となみ野農協苗島カントリー方向に走行して右手に有り(川田工業殿資材置き場付近)

砺波IC

南砺スマートIC

教習所

46

福野駅

教習所

安全衛生講習を引き受けます(出張含む)

写真の教室は1研修38人まで可能です

なんとし ふくの

修正 ‘20.7.08 記変

http://tabi-nanto.jp/

富山県南砺市の紹介

http://www.tabi-nanto.jp/event/

「なんと市 観光」で検索なん と

47