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サブジェクト・ライブラリアン
1. 英米の図書館員の要件と地位
2. サブジェクト・ライブラリアン
2.1 定義
2.2 懐疑論
2.3 形態
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米国の図書館員の一般的要件
• 米国労働省労働統計
”Occupational Outlook Handbook”
「通常は、図書館学修士(Master of Library Science, MLS)」
• ACRL (Association of College and Research Libraries) “Statement on the Certification & Licensing of Academic Librarians”
「米国図書館協会 (American Library Association, ALA)によって認可された高等教育機関のMLS」
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米国の図書館員の地位(status)
• ファカルティ・ステータス(faculty status)
教授(professor)、準教授(associate professor)、助教授(assistant professor)、講師(lecturer)等、教員と同じ身分体系を持つ
• アカデミック・ステータス(academic status)
専門職として独立した身分体系を持つ
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ファカルティ・ステータス オハイオ州立大学
• 図書館員(librarian)として採用されると通常、講師か助教授の身分が与えられる。
• 図書館員は1日2時間、週8時間まで勤務時間中に研究を行うことが許されている。
• 6年目に準教授への昇進についての審査。
審査に合格→準教授+テニュア
審査に不合格→辞職
• 準教授への審査の基準 1. 教育活動。勤務成績など
2. 研究活動。論文や学会発表による評価
3. 大学が学協会に対する貢献
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アカデミック・ステータス エール大学
”Performance and Promotion Criteria for Yale
University Librarians”
・Librarian I
・Librarian II
・Librarian III
・Librarian IV
・Librarian V
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英国の図書館員認定試験
• 1885年 図書館員認定試験開始 英国図書館協会(Library Association, 以下LA)
• 1893年 図書館員認定試験講習会開始
• 1904年 図書館員認定試験通信教育開始
• 1982年 図書館員認定試験廃止
↓ 以降、大学院の図書館(情報)学課程が教育の中心に
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英国の図書館員の要件
• 図書館・情報専門家協会(Chartered Institute of Library and Information Professionals, CILIP)
–公認会員(Master of CILIP, MCLIP)
–特別研究員(Fellow of CILIP, FCLIP)
*2002年4月、LA(英国図書館協会)と英国情報専門家協会(Institute of Information Scientist, IIS)が統合→CILIP
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MCLIPの要件
1. MCLIPに必要な要件を定めた附則の条件を満たしているか、評議会によって定められた規程を満たしていること
・CILIPによって認可された図書館学や情報管理に関するコースを修了していること
・1年以上CILIPの会員であること、など
2. 定められたプログラムを修了すること A. 1年コース
B. 2年コース
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英国の図書館員の地位
• “Salary Guide; Higher Education”
CILIP, 2002.4
A. 組織長(Head of Service)
B. 第2レベル(Second Tier Staff)
C. 第3レベル(Third Tier Staff)
D. 他の図書館スタッフ
(Other Library Staff)
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サブジェクト・ライブラリアンの定義
• 「ある特定の主題分野において、図書館の技術的業務あるいはレファレンス・サービスを発展させるために任命された図書館スタッフのひとり」
ハンフリーズ(Kenneth Humphreys, 英国バーミンガム大学図書館員)
於IFLA第32回総会の国立・大学図書館セクション(1966)
↓
実際には、国や図書館によってさまざま
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サブジェクト・ライブラリアンの同義語
• Subject librarians
• Subject bibliographers
• Link librarians
• Academic librarians
• Information librarians
• Liaison librarians
• Liaison/specialist librarians
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サブジェクト・ライブラリアン懐疑論
• 主題のエキスパートであることよりも、目録等の技術的スキルを持つことが図書館員として重要(ヘーゼルタイン)
• サブジェクト・ライブラリアンにさく人員がない(特に小規模大学)
↓
サブジェクト・ライブラリアンの消滅
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主題情報専門家に関する実態調査
• 1996年、マーティン(レスター大学図書館員)らによる英国の大学図書館を対象とした調査
• 59機関の内、45機関から回答
• 第1回の調査は、1981年に行われている
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サブジェクト・ライブラリアン配置形態
1. 機能中心型(Functional)
2. 二元型(Dual)
3. 混成型(Hybrid)
4. 三階層型(Three-tier)
5. 主題中心型(Subject divisional)
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サブジェクト・ライブラリアンの欠如が
大学図書館にもたらしたもの
• 主題知識がなければ行えない業務が、無視、縮小、個人の努力により個別実現というのが現状
↓
• 利用者:図書館は単に資料を蓄積する書庫程度のもの。期待しない
• 図書館側:無力感とあきらめ、専門性の欠如
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• 養成→研修・教育
• 図書館員の専門性
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図書館学教育の理想像のために
満足さるべき条件
①優れた資質をもつ専任教員
②研究、調査、実験の促進、充実及びそれを可能にする条件の整備
③総合大学における大学院課程の設置
④学問的に他の専門分野と匹敵しうる研修
⑤後継者の育成
⑥学会、研究会活動の促進
⑦研究、教育内容に関する国際的交流
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「帝国大学事務官、官立大学事務官、帝国大学司書官及び帝国大学司書特別任用令」
• 明治41(1908)年
• 京都帝国大学に置く職員として、「総長、書記官、事務官、学生監、司書官、書記、司書」が掲げられてる。
• 昭和21(1946)年廃止
→文部教官・文部事務官・文部技官
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サブジェクト・ライブラリアンの必要性
1. メディアがハイブリッド(紙+デジタル)である時代においては、図書館員が情報・知識・知恵に関わる役割を果たすのが効率的
2. 情報・知識・知恵に携わるものとして、サブジェクトを切り離して考えることはできない。
↓
サブジェクト・ライブラリアンの必要性
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サブジェクト・ライブラリアンの確立に向けて
• 図書館のミッション・ステートメントの確立 – 大学の運営方針
– ミッションを実行するために必要とされる図書館員像・要件の確立
• 大学図書館員に求められる基本的資質に関する基準の必要性
• サブジェクト・ライブラリアンに関する制度の確立
– サブジェクトに関する研究や情報収集を継続的にできる環境の整備
– 大学や社会の認知→教官との連携
– 人的資源の配分