Upload
vothien
View
217
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 22
反結合性軌道反結合性軌道
■■電子が核-核より外側:電子が核-核より外側: 核間の反発=核どうしを遠ざける核間の反発=核どうしを遠ざける
ψ-ψ+
節面
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 33
水素分子水素分子
QQ 水素分子イオン(水素分子イオン(HH22++)のポ)のポ
テンシャル図にならって水テンシャル図にならって水素分子(素分子(HH22)のポテンシャ)のポテンシャル図を描いてくださいル図を描いてください
■■エネルギー極小のときの核エネルギー極小のときの核間距離(=平衡核間距離)間距離(=平衡核間距離)は水素分子イオンより小は水素分子イオンより小
■■電子間反発電子間反発のため,極小のため,極小のエネルギーが水素分子のエネルギーが水素分子イオンのイオンの22倍より小さい倍より小さい
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 44
ジリチウム(ジリチウム(LiLi22)は存在する)は存在する
■■ジリチウム(ジリチウム(LiLi22)の)の結合次数:結合次数: 11
■■結合エネルギー結合エネルギー==2s2s軌道からで軌道からできる結合性軌道きる結合性軌道の安定化エネルの安定化エネルギーギー××22(電子の(電子の数):数): 105 105 kJ/molkJ/mol
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 55
pp軌道からつくられる分子軌道軌道からつくられる分子軌道
■■核間方向の核間方向のppxx軌道からの分子軌道=軌道からの分子軌道=σσ軌道軌道
■■ppyyととppzz軌道からの分子軌道=軌道からの分子軌道=ππ軌道軌道
■■反結合性には反結合性には『『**』』
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 66
軌道の安定性:重なり積分軌道の安定性:重なり積分
■■重なり積分(重なり積分(overlap integraloverlap integral)=)=
■■原子軌道(原子軌道(φφ11,,φφ22)の位相も含めて考)の位相も含めて考えると,えると,ppxxどうしの方がどうしの方がppyy((ppzz)どうしより)どうしよりも重なりが大きいも重なりが大きい
QQ ppxxととppyy((ppzz),),ppyyととppzz,,ssととppyy((ppzz)の重なり)の重なり積分を積分をpxpx軌道からできる軌道からできるσσ結合とくらべ結合とくらべてください=これらはすべててください=これらはすべてゼロゼロ
τφφ d21∫
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 77
等核等核22原子分子の例:原子分子の例: 酸素(酸素(OO22))
■■22つのつの2p2pππ**におなじ向きにおなじ向きのスピンの電子がのスピンの電子が11つずつずつ入るつ入る
■■結合次数:結合次数:
((1010--66))/2/2==22
■■二重結合なみの結合距二重結合なみの結合距離と結合エネルギーとい離と結合エネルギーという実験事実と合うう実験事実と合う
↑↓
↑↓
↑↓
↑↓
↑↓
↑↓↑↓
↑↑
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 88
酸素分子の常磁性酸素分子の常磁性
■■スピンが打ち消されていないので酸素分子は常磁性(電子がスピンが打ち消されていないので酸素分子は常磁性(電子が22個少ない窒素ではスピンが相殺されている)個少ない窒素ではスピンが相殺されている)
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 99
2s2sσσとと2p2pσσの相互作用による安定化の相互作用による安定化//不安定化不安定化
■■BB,,CC,,NNではでは2px2pxとと2s2sのエネルのエネルギーが近接=相互作用が大きいギーが近接=相互作用が大きい
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 1010
等核等核22原子分子(原子分子(BB22からからNeNe22まで)まで)
■■ホウ素と酸素がビラジカル(不対電子)ホウ素と酸素がビラジカル(不対電子)
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 1111
異核異核22原子分子(同周期の場合=エネルギー近接)原子分子(同周期の場合=エネルギー近接)
■■第第22周期の原子間の結合(グレーが異核)周期の原子間の結合(グレーが異核)
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 1212
異核異核22原子分子(異周期の場合=エネルギー差大)原子分子(異周期の場合=エネルギー差大)
■■1s1sどうしは相互作用どうしは相互作用困難=困難=Li 2sLi 2sととH 1sH 1sの相互作用の相互作用
■■Li 1sLi 1sは結合に関与しは結合に関与しないない
QQ 結合エネルギーはど結合エネルギーはどのくらいと推測されまのくらいと推測されますか.すか.
LiLi22:: 105 kJ mol105 kJ mol--11
HH22:: 454 kJ mol454 kJ mol--11
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 1313
異核異核22原子分子(異周期の場合=エネルギー差大)原子分子(異周期の場合=エネルギー差大)
■■1s1sどうしは相互作用どうしは相互作用困難=困難=Li 2sLi 2sととH 1sH 1sの相互作用の相互作用
■■Li 1sLi 1sは結合に関与しは結合に関与しないない
QQ 結合エネルギーはど結合エネルギーはどのくらいと推測されまのくらいと推測されますか=すか=244244 kJ molkJ mol--11
LiLi22:: 105 kJ mol105 kJ mol--11
HH22:: 454 kJ mol454 kJ mol--11
(105(105××454)454)1/21/2==218218
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 1414
LiHLiHにおける電子分布のかたよりにおける電子分布のかたより
■■上図:上図: 電子密度分布電子密度分布=全電子数は=全電子数は44
■■下図:下図: それぞれの原子それぞれの原子の電子密度の単純和かの電子密度の単純和からのずれらのずれ
■■水素側にリチウムの電水素側にリチウムの電子がひきつけられる=リ子がひきつけられる=リチウム側の結合電子もチウム側の結合電子もリチウム原子核側に近リチウム原子核側に近づくのでづくので全体として安定全体として安定化化
■■電気双極子が生じる電気双極子が生じる
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 1515
極性結合極性結合
■■異核異核22原子分子の分子軌道原子分子の分子軌道
ψψ((σσ)=)=aaφφAA++bbφφBB
ψψ((σσ**)=)=a'a'φφAA++b'b'φφBB
■■φφBBの方がエネルギーが小(安定)なら,の方がエネルギーが小(安定)なら,aa22<<bb22,, a' a' 22>>b' b' 22
■■LiHLiHの場合には,水素原子側に電子がかたよるの場合には,水素原子側に電子がかたよる
LiLiδδ++HHδδ--
■■かたよりのどあいを各原子の性質として評価=電気陰性度かたよりのどあいを各原子の性質として評価=電気陰性度((electronegativityelectronegativity):): MullikenMullikenによるもの(によるもの(χχMM)と)とPaulingPaulingによによるもの(るもの(χχPP)の)の22種類[種類[ χχMM ~~ 2.82.8χχPP ]]
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 1616
PaulingPaulingの電気陰性度の電気陰性度
■■結合に関与する電子(価電子)の原子軌道の安定性結合に関与する電子(価電子)の原子軌道の安定性
■■AA--AA,,AA--BB,,BB--BB分子の結合エネルギーから電子のかたよ分子の結合エネルギーから電子のかたよりによる安定化のどあいを見積りりによる安定化のどあいを見積り
■■安定化が安定化が22種の元素間の電気陰性度の差によるものとする種の元素間の電気陰性度の差によるものとする
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 1717
電気双極子モーメント(電気双極子モーメント(electric dipole momentelectric dipole moment))
■■++qqとと--q q の電荷が距離の電荷が距離rr だけ隔てて存在するときだけ隔てて存在するとき
μμ==q rq r
■■単位:単位: DebyeDebye((DD)=)=1010--1818 esuesu cmcm
■■単位電荷=単位電荷=4.804.80××1010--1010 esuesu
QQ 塩化水素(塩化水素(HClHCl)原子間距離が)原子間距離が0.127 nm0.127 nmで,完全なイオン結で,完全なイオン結合(合(HH++ClCl--)であるとすると,双極子モーメント)であるとすると,双極子モーメントμμ はいくらかはいくらか
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 1818
電気双極子モーメント(電気双極子モーメント(electric dipole momentelectric dipole moment))
QQ 塩化水素(塩化水素(HClHCl)原子間距離が)原子間距離が0.127 nm0.127 nmで,完全なイオン結で,完全なイオン結合(合(HH++ClCl--)であるとすると,双極子モーメント)であるとすると,双極子モーメントμμ はいくらかはいくらか
μμ=(=(1.271.27××1010--88 cmcm))××((4.804.80××1010--1010 esuesu)=)=6.10 D6.10 D
QQ 実際の塩化水素の双極子モーメントは実際の塩化水素の双極子モーメントは1.03 D1.03 Dである.塩化水である.塩化水素の結合のイオン性はいくらか素の結合のイオン性はいくらか
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 1919
電気双極子モーメント(電気双極子モーメント(electric dipole momentelectric dipole moment))
QQ 塩化水素(塩化水素(HClHCl)原子間距離が)原子間距離が0.127 nm0.127 nmで,完全なイオン結で,完全なイオン結合(合(HH++ClCl--)であるとすると,双極子モーメント)であるとすると,双極子モーメントμμ はいくらかはいくらか
μμ=(=(1.271.27××1010--88 cmcm))××((4.804.80××1010--1010 esuesu)=)=6.10 D6.10 D
QQ 実際の塩化水素の双極子モーメントは実際の塩化水素の双極子モーメントは1.03 D1.03 Dである.塩化水である.塩化水素の結合のイオン性はいくらか素の結合のイオン性はいくらか
イオン性=イオン性=100100××((1.03/6.101.03/6.10)=)=17%17%
■■0.17e0.17eずつの電荷のかたよりがあるずつの電荷のかたよりがある
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 2020
フッ化水素のイオン性フッ化水素のイオン性
QQ フッ化水素(フッ化水素(HFHF)の結合のイオン性はどのくらいか.ただし,塩)の結合のイオン性はどのくらいか.ただし,塩化水素(化水素(HClHCl),臭化水素(),臭化水素(HBrHBr),およびヨウ化水素(),およびヨウ化水素(HIHI)の結)の結合のイオン性はそれぞれ合のイオン性はそれぞれ17%17%,,15%15%およびおよび5%5%である.である.
2012/01/052012/01/05──環境物質科学基礎論環境物質科学基礎論II 2121
メールで送ってください.本文の各項目内は改行なしで...メールで送ってください.本文の各項目内は改行なしで...
20122012年年11月月55日(木)日(木) 1818::0000までまで
感想と意見感想と意見
toto:: [email protected]@cat.hokudai.ac.jp
subject:subject: ms20120105ms20120105--XXXXXXXXXXXXXXXX
名前名前《《改行改行》》
ニックネームニックネーム《《改行改行》》
感想・意見感想・意見《《改行改行》》
質問(もしあれば)質問(もしあれば)