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2018/5/15
2017年度
イノベーション人材育成研究会活動報告
研究会主査 大原茂之
2018年5月16日
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研究会メンバー
主 査 株式会社 オプテック
副 主 査 株式会社 ベリサーブ
メ ン バ アドソル日進 株式会社
イーソルトリニティ 株式会社
株式会社 豊田自動織機
株式会社 ソニックライン
オブザーバ 一般社団法人 組込みシステム技術協会
独立行政法人情報処理推進機構 IT人材育成本部
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1.研究会の活動目的と目標
目的
ETSS(組込みスキル標準)をベースにした人材の育成および人材の活用を図るための方策を提案する。
本研究会の具体的な目標
1)ETSSによるスキル評価を客観化する手法・ツールの提案
2)ETSSのスキル情報を活用するマネージメント手法の提案
3)人材育成・活用成功の鍵「環境(人、開発、保守、運用など)」の定義と評価の提案
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2017年度の研究活動目標
2017年度の活動
ETSSレベル4(イノベーションスキル)を明らかにすべく、上記3)のイノベーション人材の育成・活用環境に焦点を絞って研究を進めた。
個別目標
1)イノベーションの定義と推進モデルの研究
シュンペータのイノベーションとキャズムの構造化
2)環境を含むモデルの活用に関する研究
モデルベース思考とデザイン思考の連携
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資本主義経済成長プロセス(創造的破壊)のSMAモデル
言葉の補足 市場:製品・サービスと顧客を売買
で結びつける空間 市場の状態:市場の売買規模 状態の活性化:新しい経済構造の
誕生と拡大をきっかけに、他の状態も活性化
状態の並行性:各状態は顧客のクラスに応じて並行して進行(顧客のクラスに応じて、経済構造の創造と破壊の位相が異なってくる)
状態の多重性:経済構造の新たな創造に対して、破壊される構造のサイクルは速い
下記プロセスでは、新経済構造と旧経済構造は多重になっている。 このプロセスは数十年から数百年掛けて展開
【参考文献】1)「資本主義、社会主義、民主主義?」、ヨーゼフ・シュンペーター著、大野一訳、日経BP、2016.72)「経済発展の理論」(上)(下)、シュムペーター著、塩野谷・中山・東畑共訳、岩波文庫、1977.9
新しい経済構造
B
古い経済構造
A
資本主義の推進力1) 新しい消費財2) 新しい生産方式3) 新しい輸送方式4) 新しい市場5) 新しい産業組織形態追加) 高い信用
創造
破壊
衰退期
最盛期
発展期
不連続的に創造と破壊を生起する力
吸収・消滅
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資本主義経済成長プロセス(創造的破壊)のモデル
新しい経済構造
B
古い経済構造
A
資本主義の推進力1) 新しい消費財2) 新しい生産方式3) 新しい輸送方式4) 新しい市場5) 新しい産業組織形態追加) 高い信用
創造
破壊
衰退期
最盛期
発展期
不連続的に創造と破壊を生起する力
吸収・消滅
・新しい経済構造が出現した後、・単純に発展期の次は最盛期、その次は衰退期へと変化していくのではなく、・発展期、最盛期、衰退期は市場や経済規模の大きさが同時に変化していき、・最後に古い経済構造の破壊につながる。・創造的破壊はこの変化時間が急激
時間軸方向に各期の比重が変化していく。
時間軸
T1
T2
T3
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イノベーション+イノベーター理論 (SMA I2 モデル)
古い経済構造の取捨選択加速局面
アーリーアダプタ(オピニオンリーダ)特性:トレンドに敏感で、積極的に行動
13.5%
アーリーマジョリティ特性:新しいものに慎重。ただし平均より先取り指向
34%
キャズム(大規模な溝)乗り越えるには:安心感(リスクが少なく、効果的な使用事例)を提供この溝を越えると大きな市場が広がっている。
クラック(小規模な溝)乗り越えるには:細かいことを理解しなくても使い易い、安心感(含:周りから取り残される不安感の解決)を提案
ここまで
購入側:エベレット・M・ロジャースのイノベーター理論をモデル化
購入者となるペルソナを定義することで、適切な製品・サービスの提供が可能になる。
クラック(小規模な溝)乗り越えるには:新しさに加えて、実利に結びつく革新的価値の提供
発展状態
上昇状態
下降状態
レイトマジョリティ特性:新しいものに懐疑的で、技術への興味は消極的、
周りの状況をみて行動34%
イノベータ特性:新しいものを積極的に試行
2.5%
イノベーション推進力1) 新しい品質の財貨の生産2) 新しい生産方式(商品取扱いの新しい方法)
3) 新しい販路の開拓4) 原料や半製品の新しい供給源の獲得
5) 新しい組織の実現追加1) 高い信用追加2)旧資源の始末
新市場(スタートアップ状態)
未確定状態
枯渇市場
提供側:シュンペータのイノベーションのモデル化
ラガード特性:保守的で、採用が極めて遅い
16%
イノベーションに向けた市場の状態・動向、ペルソナの状況・嗜好等に関するモニタリング情報
最初のクラックを乗り越えた程度ではイノベーションと言えない
ここまで到達してイノベーションが起きたと言えるが、もはや新製品ではない。
・キャズムやクラックを乗り越えていく技術と市場に対する持続的な改善改良の努力(スキル)が必要・新製品がイノベーションを起こすわけではない。
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ETSSによるイノベーションスキルの育成へ向けて
レベル1(初級):支援のもとに作業を遂行できる(半人前)(一人では既定の工程に沿った行動ができない)
レベル2(中級):自律的に作業を遂行できる(1人前)(既定の工程に沿った行動ができる)
レベル3(上級):作業を分析し改善・改良できる(1.5人前以上)(後進を指導でき、既定の工程での想定外の事象に対応できる)
レベル4(最上級):新たな技術(知識)を開発できる(創造者)(これまでの知識を超えた新しい知識を創造できる)
異なる次元へ
創造的破壊型イノベーション型
離
破
守
スキルの期待値
イノベーション型
イノベーションスキルを育成・活用する場(環境)
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SMAイノベーション思考ツール<モデルベース思考とデザイン思考の連携>
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SMAイノベーション思考ツール<モデルベース思考とデザイン思考の連携>
経営課題① 少子高齢化の加速② キャディ-の補充は不安定
③ ①②を解決したい
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SMAイノベーション思考ツール<モデルベース思考とデザイン思考の連携>
解決策キャディ-の役割以上のサービスを提供できるシステム例:安心・安全・精度の高いアドバイス
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SMAイノベーション思考ツール<モデルベース思考とデザイン思考の連携>
解決策キャディ-の役割以上のサービスを提供できるシステム例:安心・安全・精度の高いアドバイス
AI による対話システム会話が無いと客の満足度は大きくダウン
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活動のまとめ
創造的破壊、イノベーション、キャズムのSMA I2モデルを提唱
新製品や新技術でイノベーションが起きるのではなく、市場と連携した改善改良の努力によって起きることを説明
創造的破壊型スキル、イノベーション型スキルをETSSのスキル構造の中に位置づけられることを説明。
こうした人材を育成・活用するには適切な場が必要
イノベーションを起こすツールとしてモデルベース思考とデザイン思考の連携を説明
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2018年度の研究活動目標
1)創造的破壊、イノベーションに関するSMA I2モデルをブラシアップして、SMA会員企業での試用を推進
2)SMAイノベーション思考ツールをブラシアップして、SMA会員企業での試用を推進
3)イノベーション型スキルを育成・活用する企業環境のアセスメント項目の策定と実施