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表紙について 「四季折々の食卓を彩り、 おいしさと喜びをお届け したい。」 そんな想いを一年の人々 の生活とあたたかさを感 じさせる料理で表現しま した。 〒950-8735 新潟市東区津島屋七丁目77番地 TEL 025-270-7111(代表) https://www.ichimasa.co.jp 発行/2018年10月 見やすいユニバーサルデザイン フォントを採用しています。 環境保全のため、FSC ® 認証紙と植物油インキを 使用して印刷しています。 2 0 1 8 CSR報告書

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♥ 表紙について

「四季折々の食卓を彩り、おいしさと喜びをお届けしたい。」そんな想いを一年の人々の生活とあたたかさを感じさせる料理で表現しました。

〒950-8735 新潟市東区津島屋七丁目77番地

TEL 025-270-7111(代表)

https://www.ichimasa.co.jp

発行/2018年10月見やすいユニバーサルデザインフォントを採用しています。

環境保全のため、FSC®認証紙と植物油インキを使用して印刷しています。

2 0 1 8CSR報告書

「正しきことは正しく報われる」という創業者 野崎正平の信念を受け継ぎ私たちは「誠実」「謙虚」「感謝」の心ですべての方に幸せと喜びをお届けします。

①すべての事業分野において品質保証体制の強化を図り、お客さまに安全かつ安心できる商品・サービスの提供を行ってまいります。

②水産練製品・惣菜事業のマーケティング機能を強化することにより、お客さまに信頼され、愛され、感動される商品を開発、提供しブランド価値の向上を図ってまいります。

③きのこ事業の技術研究ならびに商品開発を強化し、事業規模および事業領域の拡大を目指してまいります。

人気商品のうなぎの蒲焼風練物「うなる美味しさ うな次郎」から生まれたキャラクター「うな次郎くん」は、今後もPR活動など精力的に活躍の場を広げていきます。

1 2018 CSR REPORT

一正蒲鉾は、1965年創業。半世紀を経て、創業者の想いを胸に世界を目指します。

女性だけでなく男性従業員も育児休業をとりやすいように制度を見直し、取得率の向上および期間の…伸長を目指しています。

水産練製品工場では魚のすり身を原料とする、様々な水産練製品の…製造過程で生じた動植物性残渣を肥料・飼料等に再利用しています。

カニ風味蒲鉾「オホーツク」。発売から30年以上愛され続け、その生産本数は累計100億本以上です。

本社工場、北海道工場、関西工場、…栽培センターでは主に地域の方々…を対象に工場見学を行っています。…各工場を当社従業員がご案内します。

減塩の取り組みを推進し、今後も…おいしい減塩商品の開発を通じて皆さまの健康に貢献します。

一部の工場および倉庫の屋根を…利用した太陽光発電によるCO2の削減に取り組んでいます。

ライフ・ワーク・バランス※2推進に…取り組み、働きやすい働きがいのある職場を目指しています。有給休暇の計画的な取得を推奨しています。

C o n t e n t s社是/経営理念/経営方針… ……………………………………1数字で見る一正/編集方針… …………………………………2Top…Message……………………………………………………3一正グループの価値創造…………………………………… 5一正グループのバリューチェーン………………………… 7一正グループの事業と売上構成…………………………… 9CSRマネジメント…………………………………………… 112017年の実績と2018年の目標… …………………… 13

編 集 方 針 本報告書では、一正グループに関する情報開示や、CSRに関する考え方および取り組みについて、その全体像をすべての…ステークホルダーの皆さまに対し、より広くご理解いただくことを目指しています。

報 告 対 象 期 間 原則として2017年7月から2018年6月、一部、当該期間以前もしくは以後の活動内容も含みます。

報 告 対 象 組 織 ◦一正蒲鉾株式会社◦株式会社イチマサ冷蔵◦マルス蒲鉾工業株式会社◦一正農業科技(常州)有限公司

発 行 時 期 2018年10月

参 考 に し た ガ イ ド ラ イ ン 編集にあたり、社会的責任の国際規格「ISO26000」を参考にしました。

■…環境保全のために……………………………………… 15■…お客さまのために……………………………………… 17■…誠実な取引のために…………………………………… 19■…従業員のために………………………………………… 20■…地域社会のために……………………………………… 23■…企業統治…~コーポレートガバナンス~… ………… 25■…株主・投資家の皆さまのために………………………… 28財務・非財務ハイライト…………………………………… 29会社概要…………………………………………………… 30

※1 ……単位の矢印アイコンは前年比5%以上の変動に対して上昇・下降を表しています。※2 ……一正グループでは「仕事(ワーク)の前に生活(ライフ)が優先されるべき」という想いを込め「ライフ・ワーク・バランス」という言葉を使っています。

2018 CSR REPORT 2

お客さまが求める「おいしさ」「健康」へのチャレンジが、一正グループの価値

 お客さまの声を大切にした商品開発から始まり、バリューチェーンの中でお取引先の皆さまにとって、なくてはならない会社として責任を果たしていきます。「お客さまに喜んでいただけるものづくり」から見出した「健康」というキーワードは、取り組むべき社会的な課題であり、重要な価値のひとつです。

一正グループは「健康」のなかでも、水産練製品の製造に欠かせない塩と高血圧や心疾患などとの関連性に着目し、「減塩」することでお客さまの健康的な食生活に貢献できると考えました。「減塩しながらも、減塩前のおいしさを損なわない」ことを念頭に開発に取り組み、おかげさまでお客さまに「一正の減塩はおいしい」とのご評価をいただき、「JSH 減塩食品 アワード」の第1回から第4回の金賞を受賞してい ます。

もう一つの「健康」へのアプローチとして、きのこ事業があります。舞茸は様々な健康効果が報告されており、その効果・効能を活かした商品の開発にも 取り組んでいます。

今後も「開発力」「生産力」「販売力」を強化し、お客さまが求める「おいしさ」「健康」にお応えする商品をお届けできるよう、一正グループは一丸となってチャレンジし続けます。

一正蒲鉾株式会社代表取締役社長 野崎 正博

Top Message

ない企業”として貢献し続けるために

「30年後のありたい姿」へバックキャスティングで描いたロードマップ

 社会がめまぐるしく変化していくなか、日本の少子高齢化・人口減少は急速に進んでいきます。現在 1億2,600万人の人口は、30年後には20%減り、1億人を下回ります。従来のビジネスモデルでは企業が存続できないことは明らかです。

こうした環境変化を認識し、一正グループが 目指す「30年後のありたい姿」が、「ICHIMASA30 ビジョン」です。そのキーワードはサスティナビリティ・環境・社会貢献・ガバナンスです。

海外にも視点を広げ、日本の食で世界に貢献していくグローバル企業でありたい。

科学的な食品バイオ加工技術を積極的に取り入れ、新しい食の領域を探求、発信する食品バイオ企業でありたい。

また、「食を通じて幸せと喜びをお届けする」と いう創業以来変わらない気持ちを、これからの若い世代にも引き継ぐあたたかい企業でありたい。

これら「30年後のありたい姿」を実現するためにバックキャスティング思考で、これからの30年を10年ごとの<成長基盤創り・発展・飛躍>の3ステージに区分しました。

現在進行しているファーストステージの10年は、「成長基盤創りの5年」と「成長軌道への5年」に区分し、「成長基盤創りの5年」の目標達成に向け中期 経営計画を策定し、様々な施策を展開しています。

「100年企業」への第二創業期業界リーダーとして荒波にもポジティブに

1965年に創業し、2015年にはおかげさまで50周年を迎えました。日頃よりご愛顧を賜り御礼申し上げます。

100年企業に向かう第二創業期に入り、日々お客さまやお取引先さまをはじめとするステークホルダーの皆さまから一正グループへの期待を感じています。

また、2014年の東京証券取引所第一部への上場後は、「企業として社会的課題に取り組む責任」をより一層強く感じています。

様々な課題を乗り越えながら第二創業期を迎えたなかで、少子高齢化・人口減少・女性の社会進出を背景とした食シーンの変化に対応することや伝統的な食文化の継承は、一正グループにとって重要な課題です。

世の中の急激な変化に正直戸惑うこともあります。しかし、「問題、課題があること=伸びしろがあること」と捉え、ポジティブシンキングで取り組むことが大切と考えています。

お客さまに喜んでいただける安全・安心な商品・サービスを提供し、「食」を通じて社会になくてはならない企業として貢献するという経営理念の実践とあわせ、サスティナブルな課題として国連の2030年までの達成アジェンダであるSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標をお取引先の皆さまとの アライアンスのもと取り組んでいきます。

“社会になくてはなら

3 2018 CSR REPORT2018 CSR REPORT 4

一正グループの価値創造

一正グループは創業より受け継ぐ「誠実」「謙虚」「感謝」の心と、培ってきた技術を活かし、安全・安心で確かな品質の商品・サービスを提供することにより、すべてのステークホルダーの皆さまに幸せと喜びをお届けします。

サスティナブルな課題

安全・安心な商品の提供

健全で正常な取引関係の深化

働きやすい働きがいのある職場

社会貢献活動

環境負荷に配慮した経営

安定した配当を継続

事業 戦略 目指す姿

信頼され、愛され、感動される商品の創出

コーポレートガバナンス 行動規範

中期経営計画 ICHIMASA30ビジョン

提供価値

持続的成長を

課題解決

社是・

支える基盤

に貢献

経営理念

水産練製品・惣菜事業 きのこ事業

成長基盤創り収益力強化・多様な人財が活躍できる組織体制の構築

お客さまが中心商品開発力の強化・

新カテゴリーの開拓・国内外への

ブランド発信3つの力

安全

健康

安心

環境

強み

お客さま 安全・安心 就業環境の整備

法令遵守 社会貢献 環境経営従業員 環境 株主・投資家の皆さま

お取引先 地域社会

お客さま 安全・安心 就業環境の整備

法令遵守 社会貢献 環境経営従業員 環境 株主・投資家の皆さま

お取引先 地域社会

お客さま 安全・安心 就業環境の整備

法令遵守 社会貢献 環境経営従業員 環境 株主・投資家の皆さま

お取引先 地域社会

お客さま 安全・安心 就業環境の整備

法令遵守 社会貢献 環境経営従業員 環境 株主・投資家の皆さま

お取引先 地域社会

お客さま 安全・安心 就業環境の整備

法令遵守 社会貢献 環境経営従業員 環境 株主・投資家の皆さま

お取引先 地域社会

お客さま 安全・安心 就業環境の整備

法令遵守 社会貢献 環境経営従業員 環境 株主・投資家の皆さま

お取引先 地域社会

価値創造 プロセス

「健康寿命」の伸長を支える“食”

環境負荷を低減する環境経営

食文化の継承と新たな“食”の創造

和食文化の海外への発信

3つの力 開発力 生産力 販売力

確かな品質

日本の“食”で貢献する

グローバル企業

技術を探求し“食”の情報を発信する

食品バイオ企業

“幸せ”と“喜び”をお届けする

あたたかい企業

5 2018 CSR REPORT2018 CSR REPORT 6

一正グループのバリューチェーン

水産練製品・惣菜事業

きのこ事業

〝真のバリューチェーン〟を目指し、

「安全・安心・健康・環境」の〝価値連鎖〟を実現

アイディアから始まり、コンセプト企画や商品設計、試作などを経て製造・販売されるまで時間をかけて商品が開発されます。その流れのなかでも常にお客さまの声を反映させながら検討していくことを大切にしています。商品化にいたるまでの各段階で様々なクリアすべき課題に対して、常にお客さま目線で取り組む姿勢を徹底しています。「お客さま目線での徹底した商品・サービスの提供」は中期経営計画の基本方針にもなっています。

新商品は発売がゴールではなく、手にとって召し上がっていただいたお客さまの声をさらに次のアイディアに活かすという商品開発のサイクルの始まりとしています。

お客さまの声を大切に開発に取り組んでいます商品開発における確認・検証

商品開発においては、商品価値の中で特に安全・安心について以下の確認・検証を行います。

製造工程設計左記で確認した結果をも

とに、商品配合の設計や各工程・作業の諸条件を設定し、社内承認システムを通じて工場に受け渡します。

材料検討新商品に必要な新規材料について、

微生物的危害、アレルギー原因物質の有無、残留農薬のリスクなどの化学的危害、異物などの物理的危害について、それぞれ確認・評価します。

試作検証求める商品を実現するための試

作においては、各工程段階での品質、商品形態での品質安定性や保存性などについて繰り返し評価・検証を行います。

アイディア構想

コンセプト企画

商品設計試作

製造・販売

お客さまの声

 契約どおりの購買はもちろんのこと、お取引先さまとは自主点検や視察も含めたコミュニケーションを密にとることで、適切な原材料調達の体制を構築しています。 年1回、「衛生講習会」をお取引先さまを対象に開催し、バリューチェーンを構築する上で重要な「安全・安心」のための管理についての認識の 共有を図っています。

2017年8月28日 衛生講習会仕入先・OEMのお取引先さまを対象に開催。多数のご参加を賜りました。

 日々の点検、自主監査により、食品製造に関連する法令遵守を徹底するとともに、お取引先さまによるチェックやISOなどの外部監査を通して、食品安全マネジメントシステムの運用状況を常に確認し、透明性の高い「開かれた工場」を目指していきます。 「開かれた工場」として本社工場をはじめ、北海道工場、栽培センターにおいても工場見学の受け入れを行い、生産現場にも「お客さまをお迎えしよう」とする意識や行動が確実に定着してきています。

 本社・各工場にある業務課、グループ会社の株式会社イチマサ冷蔵が、お取引先さまの物流会社と連携をとりながら、出荷、運送、納品を行っています。 品質にも大きく関わる温度管理についても、「安全・安心」を確保するためのシステムを構築しています。

 お客さまとの取引開始にあたっては、当社規程に基づき契約書を締結し、適切な取引を行っています。 また毎年、顧客満足度調査を実施し、その結果を商品開発や販売活動に繋げることで、サービスの向上に努めています。また回答の利便性を高めるため、Webを利用した調査を行うことでコミュニケーションの向上にも努めています。

関連する主なステークホルダー お取引先さま 安全・安心 就業環境の

整備法令遵守 社会貢献 環境経営環境 株主・投資家

の皆さま お取引先さま 安全・安心 就業環境の整備

法令遵守 社会貢献 環境経営環境 株主・投資家の皆さま従業員の皆さん 安全・安心 就業環境の

整備法令遵守 社会貢献 環境経営環境 株主・投資家

の皆さま お得意先さま 安全・安心 就業環境の整備

法令遵守 社会貢献 環境経営環境 株主・投資家の皆さま

社会や消費者から求められるものが大きく変化している現在、食品業界においても、食品衛生法改正、 食品関連企業のHACCP義務化、原産地表示の義務化が目前に迫っています。これからは原材料などを 納入していただくすべてのお取引先さまに対しても「安全・安心・健康・環境」を軸としたISO・HACCP・FSSC等の安全衛生基準へのご協力をお願いしていきます。強固なサプライチェーンを構築し、「扇」の

ロゴマークを付けた商品の安全性をより確固たるものとすることが、「私たちの大切な付加価値となる」と考え、新たな時代に向けて活動していきます。一正グループではお取引先さまとのアライアンスのもと、調達、開発・製造、出荷・物流、販売までのバリューチェーンを支えるための協働、サポート、技術・知見の共有化などに取り組んでいきます。

本社工場見学通路

2016年8月中京、2018年6月東北での新規配送デポ稼働によって、日本全国に合計6拠点を配置し、迅速かつ安定的で効率的な物流体制を確立しています。

調達 出荷・物流開発・製造 販売

7 2018 CSR REPORT2018 CSR REPORT 8

連結売上高

350億円その他

1.4%

水産練製品・惣菜事業

一正グループの事業と売上構成

いちまさのおいしい減塩日本人の食塩摂取量は、平均9.9g/日と、いまだ男女

とも各年代の目標値(男性8g/日・女性7g/日)を超えており、心疾患、がん、脳卒中など食塩の摂り過ぎにかかわる生活習慣病は、日本人の死亡原因の52%を占めています※。一正蒲鉾は、業界に先駆けて「おいしい減塩」の研究・開発に取り組んできました。一般的な水産練 製品と比較して大幅に減塩を実現し、 「おいしさそのまま、塩分カット」のラインナップで、お客さまの豊かな食生活と健康寿命を応援します。※厚生労働省 平成28年人口動態統計調査および平成28年国民健康・栄養調査より

和食文化の象徴 “おせち” 2013年12月にユネスコの無形文化遺産に登録認定された「和食、特に新年の祝賀のための日本の伝統的な食文化」。決め手となったのは、かまぼこ/伊達巻に代表される行事食としての「おせち」でした。 農林水産省食料産業局食文化・市場開拓課 和食室のレポートにおいて、「お正月・おおみそか」については約 9割の人が実施していると報告されています。※

※平成27年度「和食」の保護・継承推進検討会「食生活に関するアンケート調査」より

うな次郎の開発 「うなる美味しさ うな次郎」は、2018年夏に3シーズン目を迎えてますます好調です。一般社団法人日本記念日協会に2017年より毎年7月26日を「うな次郎の日」として登録し「夏の土用の丑の日」を盛り上げています。また、「うなる美味しさ うな次郎 長持ちパック」を2018年春から発売を開始しました。 賞味期限が長く、そのまま電子レンジで加熱可能で簡便性を強化しお客さまのニーズにお応えしています。

和食文化 すべてはお客さまのために

86.1%

錦玉子 純御蒲鉾 純 (紅・白) 伊達巻 純(大・小)

一正の減塩商品

鯛入り まめかま 赤・白

サラダスティック サラダファミリー

生でおいしい鯛入り太ちくわ

一正のさつま揚(6枚)

さつま揚(6枚)

ふんわりはんぺん

 すべての原料を国産にこだわった「国産原料100% 純 シリーズ」は、2017年には伊達巻、錦玉子に加えて、 おせち蒲鉾を新発売しました。日本全国より、選りすぐりの国産原料のみ8つの材料だけで、素材本来のおいしさを活かした、自然で飽きのこないおいしさが特長です。 新たな試みとして公式HP内に産地訪問レポートを 公開し、作り手の顔が見える情報をお客さまにお届けしました。

日本のおせちを伝えたい。だから、国産原料にこだわりました。

一正グループのコアコンピタンスである水産練製品は、毎日の食卓やお弁当の具材として、お客さまのあらゆるニーズにお応えできるよう、幅広い商品ラインナップで日本だけでなく、海外でも親しまれています。

世の中の健康志向と相まって、ヘルシーフーズに対する市場の拡大は加速しています。一正 グループでは、1996年より舞茸の生産販売 を行うバイオ事業を新たな柱として展開しています。

独自の技術を活かして毎日の食卓へ安定供給和食文化を支えるもうひとつの側面が郷土料理

です。秋田名物「きりたんぽ鍋」に欠かせない食材 「舞茸」は、豊かな“香り”と“旨み”に加え、シャキシャキとした肉厚のカサと、コリコリと歯ごたえのある茎のバランスが良く、

“歯切れの良さ”が特長です。

いちまさのまいたけは、 安全・安心の品質にこだわり、農

エイジングケア~食から美へ~食材としての舞茸は、低カロリーでありながら、

ミネラルや食物繊維のほか、ビタミンB群・ビタミンD、葉酸、β-グルカンなどの栄養素が豊富に含まれています。

また、新陳代謝や腸内環境などを整え、丈夫な身体を保つ働きがあるだけでなく、明るい表情を支えるのに不可欠なチロシナーゼ阻害物質や、潤いをもたらすトレハロースなども豊富で、美容面のサポートも期待されています。

自社栽培の舞茸をエキス化し、そのパワーを凝縮させ、美容業界注目の「ハトムギ」にプラスした、

「ハトムギCRDエキス+舞茸エキス」は、新たな商品分野としての可能性が期待されます。

薬や化学肥料などは一切使用していません。厳しい品質基準をクリアしたものだけを、新鮮な状態で、 安定してお届けします。徹底した品質管理体制のもと、これまでに蓄積された独自の技術に加え、常に新たな生産技術の研究開発にも取り組んでいます。

きのこ事業

12.5%

減塩への取り組み・評価

日本の食文化を継承し、お客さまの豊かで、健康的 な食生活の実現に貢献します。

9 2018 CSR REPORT2018 CSR REPORT 10

一正グループは、食文化を通じてステークホルダー の皆さまと価値を共有し、期待と信頼に応えます。

一正グループは世界中に“安全・安心”を基本として、“信頼され、愛され、感動される商品・サービスをお届けする社会になくてはならない企業”であることを目指し、すべてのステークホルダーの皆さまとの健全な関係の維持・発展に努め、社会的責任に十分配慮した事業活動を展開していきます。

一正グループのすべての役員・従業員は社是、経営理念の実現はもとより、CSRを理解し、あらゆる事業活動を通じて社会に貢献するために、常に行動規範に従い高い倫理感をもって行動します。

2016年7月にCSR推進室を設立し、従来の取り組みを体系化するとともに関連部門との連携を強化して きました。CSRの基盤となる「法令遵守」「安全・安心」「社会貢献」「環境経営」「就業環境の整備」の活動を 推進し、コーポレートガバナンス体制を強化することでステークホルダーの皆さまとの価値を共有し、期待と信頼にお応えします。

CSR基本方針 CSR推進の体制・体系

お客さま

安全・安心

就業環境の整備法令遵守

社会貢献

環境経営

コーポレート

ガバナンス

CSRの基盤CSRの基盤

ステークホルダーの皆さまとの価値の共有

ステークホルダーの皆さまとの価値の共有

従業員

環境 株主・投資家の皆さま

お取引先

地域社会

CSRマネジメント

11 2018 CSR REPORT2018 CSR REPORT 12

行動規範

法令遵守国内外の法令や社内規程を遵守し、従業員一人ひとりが社会に対して常に誠実であるよう倫理感をもった活動を行います。

法令遵守

人権の尊重企業活動に関わるすべての人々の人権を尊重し、人種、国籍、宗教、信条、性別、年齢、社会的身分、障がいの有無等を理由とする差別や不当な扱いは行いません。

就業環境の整備

公正な取引公正、透明、自由な競争ならびに適切な取引を行います。また、お取引先、業界、行政、政治に対して健全で正常な関係を保ちます。

法令遵守

商品・サービスの安全・安心

お客さまに安全・安心な商品・サービスをお届けすることを基本として、 食品に関連する法令遵守を徹底します。商品・サービスの安全のため、食品安全マネジメントシステムを構築・運用し 必要な情報は適時適切に開示します。安全性に関わる問題が生じた場合、速やかに原因を追及し再発防止策を講じます。

安全・安心

株主・投資家への責任

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努め、安定した収益還元を行います。また、適切な情報開示と透明性の確保を行うとともに株主の皆さまとの建設的な対話を行います。

法令遵守

持続可能な社会への貢献

企業活動のあらゆる場面で地球環境との共生を目指して持続可能な社会に貢献します。また、地域社会、国際社会における様々な社会的課題の解決に努めます。

社会貢献

環境経営

情報の保護と管理 情報資産の有効活用を図りながら、情報セキュリティの確保に努め、適切に管理します。 法令遵守

働きやすい職場環境

安全衛生・メンタルヘルスにも配慮した働きやすい働きがいのある職場環境の維持向上のため、労働災害や疾病の予防体制の構築や福利厚生に関する諸制度の充実に努めます。

就業環境の整備

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2017年の実績と2018年の目標

グローバルな課題達成のために一正グループは経営理念に基づいた事業を通じて、持続可能な社会の実現を目標とするSDGs※

の達成のために、ステークホルダーの皆さまとのアライアンスのもと、社会のサスティナブルな 課題の解決に取り組んでいます。

※SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。2015年9月、ニューヨーク国連本部で開催された

「国連持続可能な開発サミット」において掲げられた2030年までの国際目標。ミレニアム開発目標 (MDGs)の後継であり、17の目標と、その達成のための169のターゲットからなる。

項  目

環境(E)

環境保全のためにSDGs:

SDGs:7エネルギーをみんなにそしてクリーンに

当社の方針環境方針

地球温暖化に対する取り組み● CO2の削減 ● 使用電力の削減:省エネ活動・ 全工場のLED化の推進循環型社会への取り組み● 水質汚濁の防止:排水の三次処理設備 ● 自然エネルギーの活用:太陽光発電 ● 廃棄物のリサイクル ● 賞味期限の延長法的およびその他の要求事項の遵守● 新潟市との「公害防止協議書」の締結 ● 北海道工場においてISO14001(EMS)の取得(2020年2月)準備開始従業員への環境問題意識の啓発

社会(S)

お客さまのためにSDGs:

SDGs:2 飢餓をゼロに当社の取り組み賞味期限の延長

食料支援

フードロス削減への取り組み ● 主力商品の賞味期限延長を順次実施 「食」を通じた支援の実施● 被災地支援:新潟県と「災害時における物資供給に関する協定」を締結● 子ども食堂、福祉施設などへの食材提供 

SDGs:3すべての人に健康と福祉を

当社の取り組み減塩の取り組み

減塩商品の開発による健康増進への貢献● 減塩のいちまさを定着すべく、基本商品の減塩化に着手● JSH減塩食品アワード受賞(日本高血圧学会)

第1回 サラダスティック・鯛入りまめかま 第3回 サラダファミリー第2回 さつま揚げ(6枚) 第4回 ふんわりはんぺん

SDGs:12つくる責任つかう責任

当社の方針食品安全方針

トレーサビリティを考慮した新生産管理システム構築の開始HACCP義務化に向けての仕入先・OEM先との品質保証を含めたアライアンス強化● 年1回、仕入先・OEM先に向けた衛生講習会実施ISO22000の効果的活用● 品質管理体制の強化 ● リスク回避と品質向上の取り組み強化 ● 品質保証に関する要求事項の遵守● 製造委託先・サプライチェーンとの協働・サポート・継続的改善への取り組み● FSSC22000の考え方を取り入れた安全性確保のためのPDCAサイクルの実施

誠実な取引のためにSDGs:

SDGs:16 平和と公正をすべての人に

当社の取り組み価値を創出する

バリューチェーンの構築

仕入先との共存共栄● 安全・安心を担保した、高品質商品を提供● 時代に合った常にお客さまのニーズに対応することで食品メーカーとして社会に貢献● バリューチェーンをより強化し持続的に発展

従業員のためにSDGs:

SDGs:8働きがいも経済成長も

当社の方針LWB推進宣言健康経営宣言

働きやすい働きがいのある職場環境づくり● 有期雇用者の無期化(2018年4月)● 労働時間の短縮(全社定時退社運動、長時間勤務者へのアラート発信)● 育児・介護との両立(男性育休取得率向上、年休積立制度、再雇用制度)● 私傷病の両立(がん罹患者の短時間勤務制度、健康経営への取り組み、ストレスチェック)● 多様化(障がい者雇用率2.3%、65歳以上の嘱託制度)● 生産性向上(オフィスリニューアル、フリーアドレス化)

地域社会のためにSDGs:

SDGs:4質の高い教育をみんなに

当社の取り組み食育活動

工場見学の受け入れや料理教室を開催● 小学校社会科見学の受け入れ● 夏休み体験型工場見学の実施(揚げかまぼこづくり体験)● 従業員派遣講師による出前授業

ガバナンス(G)

コーポレートガバナンスSDGs:

SDGs:16平和と公正をすべての人に

当社の方針コーポレートガバナンス

に関する基本方針

「コーポレートガバナンスに関する基本方針」● 持続的な成長と中長期的な企業価値の向上 ● 経営環境に適したコーポレートガバナンス実現への取り組み● 先進企業の情報収集 ● 高度化に向けた不断の取り組み社外取締役のみで構成された独立社外役員会を活用したガバナンス強化● 取締役会の諮問機関としての機能

株主・投資家の皆さまのためにSDGs:

SDGs:16平和と公正をすべての人に

当社の方針ディスクロージャーポリシー

情報公開の方法およびフェア・ディスクロージャーへの取り組みはホームページで公開● 法定開示および適時開示規則に該当する情報は金融庁が提供するEDINETまたは東京証券取引所が提供する

TDnetを通じて開示● 法定開示ないし適時開示規則に該当しない情報についても、公平性かつ迅速性を確保するためホームページ等で適宜公表● 機関投資家等向けに実施した決算説明会等については、フェア・ディスクロージャーの観点から、ホームページに内容を掲載

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617

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2 3 12

Cons

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P.5、17~18、22消費者課題

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P.7~8、19公正な事業慣行

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13 2018 CSR REPORT2018 CSR REPORT 14

The

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環境

(年)

30

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100

200

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400

動植物性残渣リサイクル率推移 COs削減量[t-CO2]

38.839.2

46.9

273.8 263.0 275.343.0 252.4

2014 2015 2016 2017 2014 2015 2016 2017(年度) (年度)

一正グループは、食品メーカーとして環境経営を重視しています。環境に配慮する意識を高めることで、日々、環境負荷の低減に取り組んでいきます。

環境保全のために 環境負担の低減

動植物性残渣リサイクル率推移 CO2削減量

本社工場と東港工場は新潟市との間で「公害防止協議書」を締結し、事業活動による環境負担抑制に努めています。大気汚染や水質汚濁の原因となる物質については、法律や条例よりも厳しい数値基準を定め、工場から排出 さ れ る ば い煙、排水のモニタ リ ン グ を 定期 的 に 行 っ ています。

適切に管理された木材を使用し、適切な加工・流通を行っている証明であるFSC認証段ボールを商品の梱包に使用することで、違法伐採を抑制し、限られた森林資源の保護に貢献したいと考えています。また、本 誌 や ビ ジ ネ ス レポート(株主通信)にもFSC認証紙を使用しています。

2012年に新築移転した北海道工場は環境・周辺環境への負荷を配慮しているか、ランニングコストに無駄がないか、利用者にとって快適かなどの性能を客観的に評価する「CASBEE(キャスビー:建築環境総合性能評価システム)」において、Aランク工場の評価を受けています。構造的にも省エネルギーで環境に配慮した工場として稼働しています。

環境保全の一環として、本社工場では排水の三次処理設備により、清浄度の高い排水処理を行っています。

2014年7月に東港工場および倉庫の屋根に「太陽光発電パネル」を設置しました。発電した電力は、固定価格買取制度に基づき、全量を電力会社に売却し、 その収益によりエネルギー費用の削減を行っています。

■ ■ 公害防止協議書の締結

■ ■ FSC認証ダンボールの使用

■ ■ 北海道工場

■ ■ 排水の高度処理

■ ■ 太陽光発電

排水処理施設点検 三次処理施設(本社工場)

太陽光発電パネル(東港工場)FSC認証ダンボール

北海道工場 外観

太陽光発電モニター(本社PRセンター)

国内の水産練製品工場から発生した廃棄物のうち肥料・飼料等に再利用された割合

地球温暖化に対する取り組み地球温暖化防止に向けて、二酸化炭素の削減に取り組み、排出原単位当たりの資源・エネルギーの有効活用に努めます。●エネルギー効率の良い方法・機器を採用し使用電力等の

削減に努めます。●太陽光、風力等の再生可能エネルギーを有効利用します。

循環型社会への取り組み●廃棄物の削減とリサイクル推進に積極的に取り組みます。●製造工程のクリーン化や最新技術の研究により賞味期限

の延長に取り組みます。

法的およびその他の要求事項の遵守環境関連法令など、環境を守るための社会の要求事項を 遵守するとともに、環境汚染の予防に努めます。

従業員への環境問題意識の啓発従業員一人ひとりが、地球規模の環境・経済・社会に対して知識を深め、見識を持ち、持続可能な社会を目指した責任ある行動をとるように継続的に環境教育を行います。

一正グループは、グローバル企業を目指しているなか、永続企業として事業活動を展開できるのは、かけがえのない地球の限りある資源を利用することによってのみ可能であるということを十分認識し、 社会・経済の発展と地球環境との共生を目指す持続可能な社会の発展のため、サスティナビリティ(持続可能性)の課題を企業戦略と結び付け、循環型社会の

実現に向けて努力します。また、「環境活動の効果を定量的な測定に基づき

継続的に収集・分析・検討し、環境課題の着実な解決につなげること」を取り組みの基本姿勢とします。

一正グループは、このサスティナビリティ(持続可能性)の課題に取り組みつつ国内外の企業活動を行うにあたり、下記の項目を中心に取り組みます。

環境方針

15 2018 CSR REPORT2018 CSR REPORT 16

製造した商品の最終的な品質検査(微生物検査、放射性物質検査等)のほか、新商品の開発においても使用する新規材料の検査や試作品段階での品質検査、保存性検査を実施し、商品化までの評価・検証を行っています。

商品パッケージへのアレルギー表示については、表示義務のある7品目(えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生)に加えて推奨の20品目(あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、ま

つたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン)についても、原材料に含まれている場合は、アレルギー表示を行っています。

お客さまからのお申し出に対しても、スピーディで適切なコミュニケーションを図りながら誠実な心でお応えします。

お申し出内容の製造工場へのフィードバック、 その後の改善有効性の検証も重要な役割のひとつと考えています。

一般消費者向けならびに業務用食品製造業者としてフードチェーン全体での安全と安心を念頭に置き、 お客さまの要求や信頼に応えうるおいしい食品を衛生的かつ安定的に提供することで社会に貢献します。

廃棄される食品を削減するため、製品の賞味期限延長を可能とする技術開発に取り組んでいます。「うなる美味しさ うな次郎」は2018年2月より、

製造工程や包装形態を見直して賞味期限を延長した「長持ちパック」を発売しました。

今後も、積極的に包装技術を含めた賞味期限延長の技術開発に取り組むことでお客さまに喜んでいただけるだけでなく、サスティナビリティにも貢献できる商品をお届けします。

安全と安心を基本として、衛生的かつ安定的に商品を供給し、 お客さまに信頼いただけるおいしい食品の提供を目指しています。そのために、食品安全マネジメントシステムを構築し、有効性を継続的に改善することで、活動結果の定期的なレビューを実施しています。

食品安全マネジメントシステムを構築し、設備を整えると同時に管理・運用していく「人」が重要であると認識しています。各工場の品質管理担当者と品質保証部が適切に連携をとることで製造担当者への衛生教育をはじめとする様々な教育・指導を実践しています。

また、規格の認証取得が製造現場だけではなく全社的な食品安全意識の浸透・醸成につながっています。

食品の衛生管理システムであるHACCPに基づいて製造工程の管理を行っています。また、食品安全のマネジメントシステムとしての国際認証規格で あるISO22000の認証を取得し、さらなる食品安全への取り組みを進めるべく北海道工場で認証取得したFSSC22000の全社への展開を図っています。

食品安全に関連する法令、規制要求事項、顧客要求事項を遵守し、決められた仕事のやり方を守り、安全で高品質な食品を提供するために、食品安全マネジメントシステムを構築し、当社の経営資源を活用してその有効性を継続的に改善します。

従業員全員が食品安全方針と品質・食品安全目標を意識し理解するように努め、責任と権限および 手段を定め周知させ、実施し、維持徹底します。

食品安全チームならびに従業員全員の食品安全業務における力量が向上する活動を推し進めると同時に、食品安全システムの仕組みの改善が図られるよう毎年目標を設定し、その活動結果を定期的に評価・ 判定・レビューするような仕組みを導入・実施します。

お客さまのニーズや周囲の状況変化に対し、常に的確に対応できるようコミュニケーションに努め、

「スピーディ」な「決断・実行」を追求します。

食品安全方針

フードロスの削減

安全・安心を守る品質保証

品質保証体制

食品安全規格の認証取得

1 2

3 4

うなる美味しさ うな次郎Lうなる美味しさ うな次郎 長持ちパックL

安全・安心

マネジメントシステム

インフラストラクチャー

品質保証部 各工場

Cons

um e r I s

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消費者課題

一人ひとりが責任者の気持ちで、安全・安心なものづくりに努めています。その精神を継続し続けることが、何よりも重要だと考えています。

お客さまのために

北海道工場 外観

17 2018 CSR REPORT2018 CSR REPORT 18

Close UP!

LWB推進のための各種制度を広く従業員に周知することを目的として、ライフステージに合わせた制度をわかりやすく説明したハンドブックを発行しました。福利厚生関連規程の内容、申請方法などがイラスト・アイコン入りで掲載され、研修などで教科書としても活用されています。

一正グループは創業以来、社是「人生はやまびこ である」の精神に則り、ステークホルダーの皆さまから信頼される誠実な企業であることを常に心がけ、全従業員に対して「行動規範」の徹底を図るとともに お取引先さまにもご協力いただけるようにコミュニケーションの強化を図っています。

お取引先さまを対象に開催する衛生講習会では、昨今の経済のグローバル化やお客さまのニーズの多様化に伴い、「バリューチェーン全体」で取り組む法令遵守、環境保全、労働条件への配慮などに責任をもって取り組むことが、企業として求められているという認識を共有しています。

食品表示法の義務化や食品関連事業者のHACCP義務化への対応、原料原産地表示制度への対応はお取引先さまだけではなく、さらに原材料を調達される仕入先さまも、販売先へ納入されるまでの物流も含めたパートナーシップによって法令遵守を徹底します。

また、当社が取り組むサスティナブルな課題へ の取り組みも同様に「バリューチェーン全体」でアプローチする必要があると考え、お取引先さまにもSDGs・ESGといった観点からご理解・ご協力をいただいています。

一正グループの反社会的勢力排除体制は、「反社会的勢力対応マニュアル」を制定し、管理部を所管部署として運用しています。新規のお取引先さまについては、外部調査機関等を用いて情報収集を行い、事前にチェックを行います。継続のお取引先さまに

ついても、毎年1回は取引先全社の調査を行うことでお取引先さまとの取引が反社会的勢力との取引に 該当しないことを確認しています。お取引先さまと締結する基本契約書では、反社会的勢力排除条項を盛り込んでいます。

水産練製品の主原料である冷凍すり身の調達 について、国内のスケトウダラの漁獲量は魚種ご とに年間の漁獲可能量を定めたTAC制度(Total Allowable Catch)によって管理されています。 水産資源の持続的な有効利用のための資源評価と

しての推測値であるABC(生物学的許容漁獲量)を もとに毎年算出された制限漁獲量に従って原料を調達することで水産資源の適切な保存・管理に取り組んでいます。

全国のお取引先さまとの信頼構築は創業当初より引き継がれています。お取引先さまとの交流会である「やまびこ会」は、文字通り、社是「人生はやまびこである」の精神に則った信頼の構築を目的に開催し

ています。総会では著名人を講師としてお招きした講演会を行い、情報共有と親睦を深める場としています。

バリューチェーン全体で価値を創出する

反社会的勢力排除に対する取り組み

公正な原料(冷凍すり身)の調達

一正グループ LWB推進宣言

お取引先さまとのパートナーシップの強化 子育てサポートの推進により女性従業員の育児休業取得が 企業風土として定着したなかで、男性従業員も同様に育児休業が取得できるようなサポート体制を推進しています。配偶者が出産した従業員とその上司を対象にハンドブックを活用した案内や、取得後のフィードバックにより取得率の向上および取得期間の伸長を目指します。

男性従業員の育児休業取得環境づくり

工場勤務 Tさん

Q.

A.

A.

積極的に育児に参加するために、職場環境でどんな工夫をしましたか?また、周囲のサポートはどうでしたか?

Q. 育児休業を取得してよかったことは何ですか?

後輩パパたちへ一言(子育て、仕事との両立のアドバイスなど)

※フィードバックアンケートの一部抜粋

Fai r O

p er a t

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公正な事業慣行

Human Ri g

h ts / L a b o u r P

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人権・労働慣行

お取引先さまをはじめとする一正グループのバリューチェーンの構築に関わる方々と、公正、透明、自由な競争と適切な取引を通じて健全で正常な関係を保ちます。

企業発展の基盤は、従業員がいきいきと働くことができる職場環境にあると考え、「働きやすく働きがいのある職場づくり」に邁進しています。

誠実な取引のために 従業員のために

2017年9月10日に開催された第31回やまびこ会 講演会の様子

ライフ・ワーク・バランス ハンドブック

衛生講習会スライド

生活と仕事のバランスのとれた状況をすべての従業員が維持し、個々人の多様な働き方が実現できることを目指してLWB(ライフ・ワーク・バランス)を推進しています。生まれもった違い、社会的に獲

得した違い、ライフステージの違いそれぞれに合わせて利用できる制度や福利厚生制度を設け、すべての従業員にとって働きやすい働きがいのある職場を目指します。

■ ■ LWBの推進

■ ■ ライフ・ワーク・バランス ハンドブックの発行

19 2018 CSR REPORT2018 CSR REPORT 20

トップダウン ボトムアップ

健康経営推進委員会

全社安全衛生委員会

各工場安全衛生委員会

推進計画(案)および実行計画(案)の策定

推進計画および実行計画の承認と情報の水平展開

実行計画の実施

実施状況の把握

実施状況の報告と情報の水平展開

進捗確認と追加施策の検討

すべての人にとって働きやすい働きがいのある 職場とするために、障がい者就労支援にも力を入れています。就労におけるサポートとして、所定労働時間内にも休憩時間を設けたり、ジョブコーチ資格を取得したリーダーによる職場適応援助があります。勤務シフトや作業分担をチーム自身で管理することで自主性を尊重した業務を推進しています。作業内容も、営繕や受付対応など職域の拡大に努めています。

採用時に雇用トライアル期間を設けてジョブコーチによるサポートを行うことでモチベー

ションアップにも努めています。全社的なサポートを展開し、活躍の場の拡大・浸透

を図りながらダイバーシティの推進に取り組みます。

一正グループの経営理念である「安全・安心を基本として、ユーザーに信頼され、愛され、感動される商品・サービスを提供することで、社会になくてはならない企業として貢献します。」を実現し続けるためには、従業員一人ひとりが心身とも健康に働き続けられることが極めて重要であると考えています。

そのため、従業員の心と身体の健康を重要な経営

資源と捉え、健康管理を経営戦略の一環として実践することにより、従業員の健康の保持・増進に積極的に取り組みます。

また、行動規範にある「働きやすい働きがいのある職場環境の維持向上」のため、労働災害の防止、労務管理の徹底や福利厚生制度の充実などを進めていきます。

計画期間  2016年4月1日から2019年3月31日までの3年間

▼目標1 大学新卒採用者に占める女性比率を35%以上(3年間平均)とする。取組内容 2016年5月~ 公正な採用選考に向けたガイドライン作成 実施済

採用担当者向け研修の実施 実施済2017年5月~ 女性の技術系職種の積極採用 継続実施する。2018年5月~ 各支店の女性営業職複数体制への移行 継続実施する。

▼目標2

正社員の男女の勤続年数の差を3年後に3年以下とする。(3年間の新卒採用者控除、定年退職者算入の調整後)

取組内容 2016年7月~ 両立支援制度の周知徹底(ガイドブック作成・配布) 実施済2017年7月~ 育児休業期間、短時間勤務、育児休業者評価等の人事制度の見直し 実施済2018年7月~ “一人三役”互換性プログラムに基づく相互支援体制の実施 検討し、実施する。

▼目標3 選抜研修の受講者の30%以上(3年間平均)を女性とする。

取組内容 2016年4月~ 研修プログラムを決定 実施済2016年6月~ 女性社員を対象とした階層別研修を実施(以降、毎年実施) 継続実施する。

▼目標4

女性の年間1ランク昇進(職位・職制)比率を女性全体の10%以上(3年間平均)とする。(3年間の新卒採用者控除、定年退職者算入の調整後)

取組内容 2016年6月~ 女性社員を対象としたキャリアプラン研修を実施 継続実施中2017年4月~ 男性管理職向けの女性人財育成研修を実施 継続実施中

2018年4月~ 部門ごとの昇進状況のモニタリングと改善 状況を確認し、改善策を検討する。

一正グループにとって女性の活躍推進は、競争力向上を通じた企業価値の向上を実現するための、重要な戦略であることを強く認識し、女性が活躍できる雇用環境の整備を行うため、次のような行動計画を策定しています。

一正グループは、社員の健康を重要な経営資源と捉え、健康の保持・増進に積極的に取り組むために、健康経営を推進しています。上記の「一正蒲鉾 健康経営宣言」は、取組方針を社内外に広く浸透させる ために制定しました。

また、全社安全衛生委員会の上位に健康経営推進委員会(委員長:広報・CSR推進室管掌役員)を設置す

ることで、全社安全衛生委員会を機能させ、工場安全衛生委員会の指導強化を図っています。健康経営を全社的に円滑に推進するためには、安全衛生に関する情報の共有と水平展開が必要と考え、双方向のコミュニケーションを強化することで、各委員会の連携を図っています。

2018年5月19日に開催された第7回臨床高血圧フォーラムにて、「ふんわりはんぺん」が日本高血圧学会減塩委員会の「第4回 JSH減塩食品アワード」の「金賞」を受賞しました。第1回、第2回、第3回に続いて 4年連続の受賞となりました。

このアワードは、日本高血圧学会減塩委員会が紹介する「食塩含有量の少ない食品」

(JSH減塩食品リスト)の中から、減塩化の推進に優れた成果をあげた製品が審査・認定されるものです。

今後も皆さまの健康増進に貢献するため、美味しい減塩食品の開発に取り組んでい きます。

「第4回 JSH減塩食品アワード」の金賞を受賞しました

従業員のために

女性活躍推進

障がい者就労支援

一正蒲鉾 健康経営宣言

全社安全衛生委員会の開催

■ ■ 健康経営取り組み事例

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 20181.0

1.2

1.4

1.6

1.8

2.0

2.2

2.4

(%)

障がい者雇用率

(年)

法定雇用率▼

1.40 1.451.65

1.77

1.52

1.85

1.751.67

1.78

1.64

1.982.14

2.30

減塩食品アワードふんわりはんぺん

21 2018 CSR REPORT2018 CSR REPORT 22

Commun ity In

volvement and Development

コミュニティへの参画

社会支援活動をはじめとする社会貢献活動は、社会との結びつきの中で一正グループが大切にしていることのひとつです。感謝の気持ちを忘れず、これからも様々な活動を進めていきます。

地域社会のために

Close UP!

地域活動の一環として減塩セミナーを開催しています。県内各地域の食生活改善推進委員の皆さまにご好評をいただいており、減塩による健康推進活動のひとつとして取り組んでいます。出前授業も行っており、従業員が派遣講師として減塩に関する知識をわかりやすくお伝えしています。

減塩セミナーの開催

減塩セミナー

東日本大震災での津波の教訓から、2012年夏に新潟市東区の本社および本社工場の屋上に津波避難所を設置しました。

周辺地域には高層の建物がほとんどないことから、自治体とも連携し、2013年2月に「大形コミュニティ協議会」との間で、津波発生時に近隣住民が津波避難所とする協定を締結しました。

この協定では、4自治会約500世帯の利用を想定し、近隣住民の皆さまが実際の避難所へ避難する訓練も継続してサポートしています。避難所である本社工場の屋上は1,200名を収容できる施設となっています。

社会貢献活動

食 育

津波避難施設の設置

2018年4月~6月の期間に、レストランバスで新潟の食と文化を散策する「Niigataガストロノミーツアー」が開催・運行され、みなとまち堪能コースでは当社の製品を使ったお料理と工場見学を楽しんでいただきました。

レストランバスはキッチンを併設した食事を楽しめる日本初の2階建て観光バスです。旬の食材を使った現地の料理と観光を通じて参加者の皆さまに新潟の魅力を発信しています。

今後も地域振興に繋がる活動を推進します。 北海道工場では2013年秋から、本社工場では

2016年春から、積極的にお客さまをはじめ、小学生の工場見学の受け入れを行っています。

ホームページからの受付も開始し、小学校の課外授業や地域の町内会の社会見学など地域活動の一環として食育活動を行っています。

工場見学通路からの衛生面にも配慮した見学は、従業員が案内をしながら、パネルなども使って水産練製品の原料・種類・製造方法を映像を交えて楽しみながら学んでいただけます。

2018年6月期の工場見学者数は2,927名でした。  今後もより多くのお客さまにご来場いただけるように努めます。

2017年8月に本社工場にて体験型工場見学 を開催しました。11組36名の皆さまに参加いただき、当日は揚げかまぼこづくり体験や工場見学をとおしてかまぼこについての知識を楽しみながら深めていただくことができました。

地域の食育活動への支援として、新潟キッズキッチン協会の活動を応援しています。2017年12月にかまぼこを使ったおせち料理教室を開催しました。また、2018年6月は当社製品を使った巻寿司の料理教室を開催し、子どもたちが楽しみながら伝統的な「食」文化に触れ、学べるような場を提供しています。

スポーツをとおしての地域貢献として「一正蒲鉾杯争奪新潟市お父 さんバレーボール大会」を30年以上協賛しています。「第33回一正蒲鉾杯争奪新潟市お父さんバレーボール大会」(主催: 新

潟市バレーボール協会・主管: 新潟市社会人バレーボール連盟)は、2017年11月12日に新潟市の東総合スポーツセンターで開催されました。

■ ■ レストランバスの受け入れ

▶工場見学による食育

■ ■ 夏休み工場見学の開催

■ ■ 新潟キッズキッチン協会の活動を応援

■ ■ 一正蒲鉾杯争奪 新潟市お父さんバレーボール大会

うな次郎などを使ったレストランバスの料理

レストランバス

北海道工場/見学施設

夏休み工場見学(通路見学)

キッズ キッチン(2018年6月開催)

夏休み工場見学(かまぼこづくり体験)

キッズ キッチン(2017年12月開催)

一時津波避難所(本社工場屋上)

一正蒲鉾杯争奪新潟市お父さんバレーボール大会 開会式

23 2018 CSR REPORT2018 CSR REPORT 24

株主総会

監査報告(取締役の選任・報酬等への意見陳述)

相談・助言

相談・助言

諮問 答申

報告・連携

選解任・不再任の議案内容の決定

監査

監査等

監査監査

指示

指示監視

連携

連携

連携

会計監査人

顧問弁護士

顧問税理士

〈業務執行取締役〉

経営会議

代表取締役

全体幹部会議

各部署各関係会社

コンプライアンス委員会

リスク統括室

選任・解任 選任・解任

取締役会

〈非業務執行取締役〉

監査等委員会

報告

報告

指示

指示

報告

報告

報告

報告

独立社外役員会

Organi z

a ti o n a l G o v e

r nance

組織統治

コーポレートガバナンスはステークホルダーの皆さまに企業活動を通じたコミュニケーションを図るための根幹と位置づけ、独立性を維持した適切な体制を構築し管理しています。

企業統治 ~コーポレートガバナンス~

①取締役会取締役会は、原則として毎月1回、また必要に応じて臨時で

開催し、経営の基本方針、法令に定められた事項および経営に関する重要な事項を決定しています。

また、監査等委員である取締役が業務執行の適法性、妥当性の監査・監督機能を担うこととしています。

②監査等委員会2015年9月17日に監査等委員会設置会社へ移行し、原則

として毎月1回、監査等委員会を開催しています。監査等委員である取締役は取締役会に出席し取締役として

議決権を行使するとともに、業務の意思決定ならびに業務の執行状況について、法令・定款に違反していないかなどのチェックを行うとともに監査等委員会監査を定期的に実施し、代表取締役への監査報告を行っています。また、その内容は対象部門にフィードバックされ、問題点の改善状況について再度報告を求めています。

③独立社外役員会監査等委員である社外取締役3名全員で構成される独立社

外役員会を設置しています。自由で活発な議論の場が醸成され、独立かつ客観的な立場に基づく情報交換・認識共有が図られ、経営への助言、勧告等が行われています。

また、取締役会の諮問機関として、取締役の選任や報酬に関する事項およびその他の経営に関する重要事項について総合的見地から審議し、その結果を取締役会に答申しています 。

④経営会議業務執行取締役が出席する経営会議を毎週開催しており、

業務執行に関する重要事項の協議や決議を行っています。

 また、常勤の監査等委員である取締役も出席し、業務の意思決定ならびに業務の執行状況について、法令・定款に違反していないかなどのチェックを行っています。

⑤全体幹部会議業務執行取締役ならびに常勤の監査等委員である取締役が

出席する全体幹部会議を四半期ごとに開催し、部長、工場長・センター長、支店長、関係会社の長からの報告事項ならびに目標の進捗状況の確認を行うとともに、経営方針の徹底および重要な情報の伝達を行っています。

また、業務執行取締役および各部署の長が出席し毎週開催される定例会議においても、常勤の監査等委員である取締役が常に参加しており、業務の執行について監督しています。

⑥リスク統括室内部監査部門は、各業務執行部門の監査を定期的に実施し、

その結果を代表取締役に報告し、指摘事項の改善状況を管理しています。

⑦コンプライアンス委員会代表取締役を委員長とするコンプライアンス委員会を設置

し、グループ全役職員の法令遵守ならびに企業倫理の意識を強化させ、経営の透明性・健全性を確保し、コンプライアンス重視の経営を実践しています。

⑧会計監査人会計監査人は、有限責任監査法人トーマツです。会計監査人

は当社の監査を行うとともに、グループ各社の監査を定期的に実施しています。

一正グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、経営の透明性・効率性を高めるとともに、経営環境の変化に柔軟に対応し、適切かつ迅速な意思決定を行うことをコーポレートガバナンスの基本方針としています。

そのため、監査等委員会設置会社の形態により、複数の独立社外取締役を中心に構成される監査等委員会による監査・監督を行うなど様々な施策を講じる

ことで、コーポレートガバナンス体制を強化するとともに、取締役への大幅な権限委譲により迅速な意思決定を図っています。

また、取締役会の諮問機関として独立社外取締役で構成される独立社外役員会を設置し、独立した総合的見地からの審議により取締役会の機能の独立性・客観性を強化しています。

コーポレートガバナンスの基本的な考え方

コーポレートガバナンス体制図

コーポレートガバナンスの体制

期末および必要に応じて監査報告会を開催し、監査等委員会、会計監査人、内部監査部門(リスク統括室)は監査結果および内部統制に関する報告、意見交換を実施して連携を強化しています。

監査等委員会と内部監査部門は、監査状況、指摘事

項およびその改善状況について随時意見交換を行い、監査の有効性・効率性を高めることとしています。

内部監査部門は、会計監査人と内部監査および内部統制システムの運用管理に関して随時打ち合わせ、意見交換を実施しています。

監査等委員会、会計監査人、内部監査部門の連携

25 2018 CSR REPORT2018 CSR REPORT 26

リスク管理体制として製品の安全・品質、重大な災害、事故および違法行為等のリスクが発生した場合に、適切かつ迅速な対応を取ることができるように

「トータルリスクマネジメントシステム」を構築し、グループ全体のリスクを統括的に管理しています。

企業活動を脅かす事象が発生した場合には、代表取締役を本部長とする対策本部を設置し、速やかに関係者の招集を図り、組織的・集中的かつ的確に対応し、被害の最小化を図るため最大の努力をします。

プライバシーポリシーを策定し、行動規範に照らし合わせながら、従業員教育を通じて情報セキュリティの 確保に努めています。

1. 個人情報の管理について個人情報の重要性を認識し、個人情報に関する法令等を遵守するとともに、その管理・保護に努め、個人情報の保護を推進します。

2. 個人情報の収集・利用について事業遂行のために必要な範囲内でのみ、個人情報を収集・利用します。特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えた取扱いはしません。

3. 個人情報の第三者提供についてご本人の同意なく第三者に開示・提供することはありません。ただし、法令により開示を求められた場合、または裁判所、警察等の公的機関から開示を求められた場合には、開示・提供することがあります。

4. 個人情報の委託特定された利用目的の達成に必要な範囲内で、個人情報の一部を業務委託先に提供することがあります。その場合 は、「 機 密 保 持 契 約 」等 を 業 務 委 託 先 と 締 結 し、 業務委託先が適切に個人情報を取扱うように管理します。

5. 個人情報の管理について個人情報の漏えい、滅失、毀損等を防止するために、個人情報管理責任者を設置し、十分な安全保護に努め、適切な管理を行います。

6. 個人情報の照会、訂正または削除について お客さまから自らの個人情報について照会、訂正または削除の要請を受けた場合、その請求がお客さまご本人によるものであることを確認した後、合理的な範囲で必要な対応をします。

■ 情報公開の基本方針株主・投資家の皆さまをはじめとするすべてのステークホルダーの皆さまとの長期的な信頼関係を維持・発展させるため、金融商品取引法、その他法令および東京証券取引所の定める適時開示規則に沿って公平かつ適時、適切な情報開示を行います。また、法定開示ないし適時開示規則に該当しない情報についても、ステークホルダーの皆さまの当社への理解を深めていただくために必要あるいは有用と考えられる情報は、適切な方法により公平かつ積極的に公表していく方針です。

■ 情報公開の方法およびフェア・ディスクロージャーへの 取り組み 法定開示および適時開示規則に該当する情報は金融庁が提供するEDINETまたは東京証券取引所が提供するTDnetを通じて開示します。法定開示ないし適時開示規則に該当しない情報についても、公平性かつ迅速性を確保するためホームページ等で適宜公表します。なお、機関投資家等向けに実施した決算説明会等については、フェア・ディスクロージャーの観点から、ホームページに内容を掲載します。

■ 情報公開体制企業活動における透明性を高め、株主・投資家の皆さまをはじめとするステークホルダーの皆さまからより一層の信頼を得ることを目的に、情報取扱部署である経営企画部が社内規程に基づき情報公開に係る業務・活動を推進します。

■ 沈黙期間 四半期ごとの各決算期末日の翌日から各決算発表予定日までを沈黙期間とし、この期間内は業績に関するコメントやお問い合わせへのお答えを差し控えさせていただくほか、決算説明会やIRミ ー テ ィ ン グ の 開 催 を 控 え さ せ て い た だ き ま す。 ただし、沈黙期間中に業績予想が大きく変動する見込みが生じた場合には、適時開示規則に沿って情報開示を行います。なお、沈黙期間中であっても、既に公開されている情報や公開前の 確定的な決算情報に該当しない情報に関するお問い合わせには対応します。

■ 業績予想 業績予想は、発表日現在において入手可能な情報に基づき当社が判断した内容であり、潜在的リスクおよび不確実性が含まれます。従って、実際の業績は、様々な要因によって大きく異なる可能性があります。第三者機関による当社の業績予想については、いかなるものも支持することはしません。既に公開されている周知の事実あるいは一般的なビジネス環境や市場動向等の限られた情報についてのみ言及するものとします。

■ その他 当社Webサイトの情報は、投資勧誘を目的とするものではありません。また、当社Webサイト上での情報検索にあたっては、ディスクロージャーポリシーのほか、別途掲載している免責事項もあわせてご参照ください。

内部通報制度は、会社がリスクに直面しているにもかかわらず通常のルート(所属部署)を通じた解決が困難な場合に、専用の窓口から通報を受け付ける制度です。また同時に通報者が通報による不利益を受けないと定めています。窓口は社外の法律事務所

にも設置し、その独立性を高めています。社内のイントラネットを活用したもの(フリーエコー)やリスク統括室に直接通報など通報者が状況に応じて選択できるような配慮をしています。

リスク管理体制の整備状況

プライバシーポリシー

内部通報制度

企業統治~コーポレートガバナンス~

プライバシーポリシー

会社の財産状態・経営成績等の財務情報や、経営戦略・経営課題、リスクやガバナンスに係る情報等の非財務情報について、法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組み、株主・投資家の皆さまがその権利を適切に行使することができる環境の整備を進めています。

株主・投資家の皆さまのために

業績や配当性向、将来の事業展開などを総合的に勘案しながら安定的な配当を継続的に行うことを基本方針としています。

配当の状況 年間配当金 配当金総額 配当性向(連結)

2018年6月期 7円00銭 129百万円 23.2%

2019年6月期(予想) 7円00銭

毎年8月に公益社団法人日本証券アナリスト協会の会場で決算説明会を開催しています。また、投資家の皆さまとのコミュニケーションの場として個別IRミーティングも実施しています。今後も会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、建設的な対話に努め、積極的なIR活動を推進します。

株主さまへの還元

情報の開示

決算説明会・個別IRミーティング

決算説明会の様子

毎年6月30日現在の株主の皆さまに対し、以下の基準により、自社商品を贈呈します。1.贈呈基準 保有株式数100株以上の株主の皆さまに対し、自社商品を贈呈します。2.贈呈時期 9月中に株主の皆さま宛てに自社製品の発送を予定しています。

株主優待制度

一正グループは、近年の厳しい経済環境のなか、企業経営にとって迅速な情報収集、スピーディな意思決定が極めて重要な課題であると認識しています。

また透明性が高く効率的で健全な経営を行うことが、お客さま、お取引先さま、株主・投資家の皆さま、従業員に対する重要な責務と考えており、ホーム

ページやマスメディアを通じたタイムリーな情報開示と、国内外の法令を遵守し社会に対して常に誠実であるよう倫理観をもった活動を行うことなどを行動規範に含め、コンプライアンスの徹底に取り組んでいます。

コンプライアンス

2018 CSR REPORT 2827 2018 CSR REPORT

財務・非財務ハイライト

2014年6月期

2015年6月期

2016年6月期

2017年6月期

2018年6月期

売上高(百万円) 33,403 34,426 35,043 34,785 35,032  水産練製品・惣菜事業(百万円) 28,561 29,761 30,486 30,166 30,145  きのこ事業(百万円) 4,187 4,193 4,056 4,138 4,385営業利益(百万円) 1,222 382 798 1,331 1,018  水産練製品・惣菜事業(百万円) 666 222 612 1,062 537  きのこ事業(百万円) 486 4 65 123 336経常利益(百万円) 1,178 461 485 1,526 1,051親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 1,260 125 249 846 557純資産額(百万円) 8,842 9,663 9,542 10,279 10,911総資産額(百万円) 23,875 25,932 23,935 23,520 24,3321株当たり純資産額(円) 477.32… 521.64… 516.18… 556.01… 590.49…1株当たり当期純利益(円) 68.06… 6.78… 13.47… 45.79… 30.17…自己資本比率(%) 37.0… 37.3… 39.9… 43.7… 44.8…営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) 2,015 2,153 1,946 2,599 1,005投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) △3,195 △2,659 △207 △865 △700財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) 1,038 374 △1,940 △1,749 111株当たり配当金※1(円) 5.00… 7.50… 6.00… 6.00… 7.00…配当性向(%) 7.3 110.6 44.5 13.1 23.2

2014年6月期

2015年6月期

2016年6月期

2017年6月期

2018年6月期

従業員数(人) 878 891 947 968 971女性採用比率※2(%) 22.2 33.3 54.5 50.0 28.6障がい者雇用率(%) 1.78 1.64 1.98 2.14 2.30女性従業員育児休業取得率※3(%) – – 100 100 100男性従業員育児休業取得率※4(%) – – 45.5 100 57.1有給休暇取得率(%) – – 71.1 72.0 83.7月平均残業時間(時間) – – – 13 13※1 ……2015年6月期に株式分割を実施したため、2014年6月期は株式分割を考慮した額に調整して記載しています。また、2015年6月期では普通配当6円のほかに、…

東京証券取引所市場一部銘柄指定記念配当50銭、創業50周年記念配当1円が含まれています。※2 対象期間中の大卒新卒採用者における女性の割合です。※3 期間中に出産した女性従業員のうち育児休業を取得した人数の割合です。※4 ……期間中に育児休業を取得した男性従業員数を期間中に配偶者が出産した男性従業員数で除した割合です。

2013 2014 2015 2016 2017 (年度)

売上高

33,403 34,426 35,043 35,032

2013 2014 2015 2016 2017 (年度)

営業利益

1,222

382

798

1,018

2013 2014 2015 2016 2017(年度)

経常利益

1,178

461 485

1,051

2013 2014 2015 2016 2017 (年度)

親会社株主に帰属する当期純利益(単位:百万円) (単位:百万円) (単位:百万円) (単位:百万円)

1,260

125 249

557

34,785

1,331

1,526

846

29 2018 CSR REPORT

会社概要

一正グループでは、より多くの皆さまに新鮮でおいしい 商品を召し上がっていただくために、またお客さまの声を いち早くお聞きし、商品やサービスに活かすために、全国で様々なネットワークを築いています。

お客さまから信頼される企業であるために、人と人との コミュニケーションを大切にし、これからも必要なネットワークをつなげ続けていきます。

全国に広がる一正のネットワークより速く、より正確に、より良い商品をお届けする

北海道工場札幌支店札幌営業所

本社・本社工場聖籠工場東港工場山木戸工場栽培センター新潟支店新潟営業所

北東北営業所

仙台支店仙台営業所

北関東支店北関東営業所

東京支店東京営業所

関連会社株式会社イチマサ冷蔵マルス蒲鉾工業株式会社一正農業科技(常州)有限公司(中国)PT. KML ICHIMASA FOODS(インドネシア)

名古屋支店名古屋営業所

関西工場大阪支店大阪営業所

福岡支店福岡営業所

広島支店広島営業所

北信越営業所

商 号 一正蒲鉾株式会社

創 業 1965年1月

資 本 金 9億4千万円

代 表 者 代表取締役社長 野崎 正博

事 業 内 容 水産練製品の製造販売およびまいたけの生産販売

従 業 員 数 971名(連結)

本社所在地 〒950-8735 新潟市東区津島屋七丁目77番地 TEL 025-270-7111(代表)

会社概要(2018年6月30日現在)

社名の由来は、創業者と現社長の名前の一文字「正」と、 一番の「一」を組み合わせたもの。屋号とも言うべき社名で、作り手としての責任をしっかりと心に刻み、創業以来、お客さまを第一にものづくりに努めてきました。

いちまさ(一正蒲鉾)のロゴマークはかまぼこの切り口をイメージした扇型で、末広がりの縁起の良い形。お正月をはじめとする慶び事にふさわしく、お客さまの幸せを願う 気持ちを表しています。

いちまさレッドと呼ばれる赤は、生命力を意味する色。 食品をとおして人々の健康・生命力に貢献します。また、革新的な商品を生み出し続ける情熱の赤でもあります。そこには、日本の食を発展させていく強い意志がこめられています。

社名とロゴの由来

Ichimasa's brand story

2018 CSR REPORT 30