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2018年度(平成30年度)に行った電気工作物事故情報の分析等に
関する取組について
2019年(平成31年)3月15日(金)
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)
産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会第19回電力安全小委員会 資料6
1
2018年度のNITE取組項目◆ NITEは、電力安全に関する技術支援機関(TSO)として事故情報の整理・分析に関する支援業務を特に期待され、 2016年度より関連業務を開始
◆ 前年度以前よりの継続業務である、事故情報の分析(保安統計とりまとめ・重大事故報告書[詳報]分析)・情報システム(詳報データベース)の進捗を報告
◆ あわせて、新たに実施する事故実機調査(資料2も参照)について紹介
取組項目
Ⅰ.事故情報の整理・分析1. 電気保安統計のとりまとめ等2. 重大事故(特に感電死傷)過年度比較
Ⅱ.NITEが行う技術支援3. 詳報データベースの進捗4. 事故実機調査業務の開始
Ⅰ .事故情報の整理・分析(保安統計・重大事故分析)
2
9,494 9,642
12,677 12,769
14,999
13,246 12,652
11,378 11,302
13,781
604 467 590 525 681 641 584 478 412 471
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
2008
H20
2009
H21
2010
H22
2011
H23
2012
H24
2013
H25
2014
H26
2015
H27
2016
H28
2017
H29
件
数
事故発生年度 3
1.電気保安統計とりまとめ等(2019年3月経済産業省HP公表)
◆ 2017年度(平成29年度)発生事故分について、引き続き、電気保安統計を作成– 電力会社等の事業用電気工作物設置者からの事故数は、自然災害起因が増(主に、高圧配電線路)
– 自家用電気工作物設置者からの重大事故数は、自然災害起因が増(主に、太陽電池発電所)
◆ また、電気保安統計とりまとめや重大事故分析の知見を活かし、統計のもとである報告表の改善案を経済産業省に提案(例:波及事故分析(昨年度電安小委報告)に基づく表改正)
• 自家用電気工作物の重大事故数集計に係る経済産業省内規は、2018年12月20日に改正
• 省令(電気関係報告規則)改正が必要な事業用電気工作物報告については、経済産業省が進める事業者等との調整に協力中
【参考】2017年度主な自然災害・九州北部豪雨・台風18,21,22号
事業用(重大事故以外も含む)
自家用(重大事故のみ)
増2,479件中大部分が、高圧配電線路(架空)での増2,445件(電線での風雨起因事故が主)が影響
3 3 1 2 2 2 4 5 6 12
356292
338 346 374 355292 291
199 191
6 5
102
121
161 127117 129
92 112
186 211
5
4
66
8 6
79 9
7
97
76
10483
89 89
8987
7474
563
496
610
564590 581
484504
480500
0
100
200
300
400
500
600
700
2008
H20
2009
H21
2010
H22
2011
H23
2012
H24
2013
H25
2014
H26
2015
H27
2016
H28
2017
H29
件
数
事故発生年度
2-1.重大事故件数の年度推移◆ 2017年度(平成29年度)発生事故分についても、重大事故の分析を実施
2016年度より主要電気工作物破損事故が増大傾向だが、他事故も引き続き同程度
◆ 特に、死傷事故は過去含め横ばい状況
報告条件変更
死傷事故
電気火災事故
主要電気工作物の破損事故(2016年度以降、対象要件拡大)
発電支障事故(2016年度以降、項目追加)
供給支障事故(2016年度以降、自然災害起因事故対象外)
その他事故
➢ 2014年度以前の重大事故の件数については、経済産業省から提供された「電気事故報告書管理システム」のデータ(個別の重大事故を経済産業省が整理したデータ)を用いた。
➢ 2015年度以降の重大事故の件数については、経済産業省から提供された個別の詳報をNITEが整理したデータを用いた。
➢ 1件で複数事故要件該当の事故については、電気関係報告規則での要件列挙の順で先に出てくる要件[死傷事故が最上位]のみで計上した(別件数として計上すべきとの議論もあるが、過年度比較をするため、今回は従前の計上ルールと合わせている。)。
➢ 追加報告や再度見直結果等により、過去年度においても件数から変動しているものあり。
NITE分析4
5
2-2.死傷事故の過年度比較◆ NITEが重大事故報告の整理・分析を開始して3年度分の情報が蓄積しているため、現在、過年度比較(2015-2017年度発生事故)を実施中
◆ 今回、死傷事故の中でも継続的に7割超の割合となっている感電死傷事故について、充電部状況(工作物側状況)・保護具状況(作業者側状況)という2つの観点から、過年度比較概要を報告
6658 53
17
13 20
4
3 1
87
74 74
0
20
40
60
80
100
2015
H27
2016
H28
2017
H29
件
数
事故発生年度
その他
アークによる
死傷
接触による
感電死傷
177
75%
50
21%
8
4%
3年度分計
235件
死傷事故
接触による感電死傷
アークによる死傷
その他
OR
⇩・充電部状況という観点での過年度比較・保護具状況という観点での過年度比較
(約76%)(約78%)
(約72%)
6
2-2.死傷事故の過年度比較(感電死傷-充電部状況)
◆ 感電死傷発生設備の充電部状況は、非保護状態で露出している部位が継続的に太宗
◆ 保護対策を改めて措置検討すること、あるいは、非保護箇所をよく把握しつつ作業を実施していくことが、やはり事故対応には特に資する。
充電部露出
保護材
なし
保護材
あり&
欠陥等
接触による感電死傷(充電部状況)
OR
OR
充電部非露出
5041 47
1617 6
6658
53
0
20
40
60
80
2015
H27
2016
H28
2017
H29
件
数
事故発生年度
充電部
非露出
充電部
露出
138
78%
39
22%
3年度分計
177件
充電部露出の内訳
4235 38
8
69
50
41
47
0
10
20
30
40
50
60
2015
H27
2016
H28
2017
H29
件
数
事故発生年度
保護材
(あり
&欠陥等)
保護材
(なし)
115
83%
23
17%
3年度分計
138件
アクリル板、端子カバー、保護キャップ等で遮へいされていない
電気工作物に、身体(装備含む)や工具等
道具が接触等
7
2-2.死傷事故の過年度比較(感電死傷-保護具状況)
◆ 感電死傷発生時の保護具状況は、装備していない場合が太宗
◆ 危険認識不足・確認不足によるものが原因であるため、作業時の安全確認には念には念をいれた注意を払うことが大切
保護具なしの内訳
49 48 42
4 2 7
138 4
6658
53
0
20
40
60
2015
H27
2016
H28
2017
H29
件
数
事故発生年度
不明
保護具
あり
保護具
なし139
79%
13
7%
25
14%
3年度分計
177件
保護具なし
保護具あり
接触による感電死傷(保護具状況)
不明
OR
OR
電気作業
危険認識低
その他作業
危険認識低
電気作業
非活線と誤認
2521 24
11
89
1319 9
49 48
42
0
10
20
30
40
50
2015
H27
2016
H28
2017
H29
件
数
事故発生年度
その他作業
(危険認識低)
電気作業
(非活線と誤認)
電気作業
(危険認識低)
70
50%
28
20%
41
30%3年度分計
139件
慣れた作業であったため、軽装のまま作業し感電
・作業ついでに予定外の別作業を十分な保護具なく実施し、
感電等
ただし、過去3年中の13件中の12件が、死傷部位を保護するに足る保護具ではなかった。
Ⅱ .NITEが行う技術支援(詳報データベース構築・事故実機調査)
8
9
3.詳報データベース構築の進捗状況◆ 事故からより多くの教訓等を得るには、個々事故で分析が深まり、その情報が蓄積・適切に水平展開されることが重要。その支援となるように詳報データベース構築を進めている所。
◆ 2020年度までを目処とした詳報データベースの構築は、順調に進捗中。引き続き、各ユーザのメリットを意識しつつ順次調整の上で、構築を着実に進めていく。
本省、監督部、NITE
電子媒体
電気工作物設置者
事業者等
発生した事故の内容に合わせて、できるだけ簡単に、漏れ抜けなく、必要な事項を詳報に記載できるようにする。
電子化した詳報の内容を体系的に整理、保存、共有できる。
結果の一部を外部に公表する。
様々な観点から分析できるようデータを抽出、並び替えできる。自家用電気工作物集計表の自動作成ができる。
詳報作成支援システム 詳報管理システム
詳報データを電子化して保存できる。
公表されたデータを検索、閲覧できる。
紙
詳報公表システム
NITEの構築する3システム(総称:詳報データベース)
(一体として構築)
(2018年度)昨年度構築したプロトタイプ版の試用を受け、改修
(2019年度)初版公表※必要な機能改善を順次行いつつ、以後継続的に運用していく。
(2018年度)構築開始
(2019年度)経済産業省による試用を行い必要な機能改修を実施する。また、公表方法について関係者等調整を進める。
電気設備の重大事故
or繋がりうる事故依頼に応じNITEが
機器調査
調査報告書の提出
機器ハード面で原因究明に苦慮する案件
4.事故実機調査業務の開始◆ 重大事故発生数は横ばい傾向。機器ハード面において、手段・余力等が無く原因不明でとどまっている事故報告が存在。
◆ 資料2にもある通り経済産業省からの要請を受け、事故実機調査が必要な案件につき、事故原因の分析等の調査業務を開始する。
◆ この際、事業者自主保安という規制前提・業界状況・社会要請等に十分留意しつつ関係者とよく協議し、電力安全の維持・向上に資するよう業務を実施していく。
10
個別事故対応を着実に行うほか、調査を通じて判明した傾向や対策必要事項については、個人情報等機微情報の取り扱りには厳に留意しつつ経済産業省や電力安全小委員会に適宜共有
11
4.参:2018年度試行した区分開閉器調査等での例
X線透過装置による残渣物の確認
電子顕微鏡や拡大鏡を用いた観察
X線CT装置を用いた観察
落雷による一部溶融