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作成基準日:2020年12月30日 発 刊 日 :2021年 1月15日 マンスリー通貨レポート 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用 出所)FactSetデータ等をもとに明治安田アセットマネジメント作成 為替レートと為替市場における当面のテーマ 為替レート(対円) (下段:前月末比) 為替市場における当面のテーマ 直近の強弱 6ヵ月先予測 米ドル 103.50 (-0.38%) 次期政権の大型財政出動期 待で、下落圧力が弱まるか カナダ・ドル 80.83 (+1.10%) 「中銀は緩和強化には慎重」と の見方で、下落しにくいか ユーロ 126.95 (+2.07%) 米独金利差の拡大観測で、落しやすくなるか 英国ポンド 139.82 (+0.92%) 感染力の強いコロナ変異種の 感染拡大で、軟調か スイス・フラン 117.15 (+1.90%) 感染の再拡大への警戒から、 堅調となりやすいか 豪ドル 78.84 (+2.51%) 失業率低下を目指すRBAの 緩和強化で、上昇しにくいか NZドル 74.12 (+1.38%) コロナ封じ込めによる景気回復 期待で、下落しにくいか 中国・人民元 15.88 (+0.38%) 景気の持ち直し期待で、堅調と なりやすいか メキシコ・ペソ 5.19 (±0.00%) 国債格下げによる海外資金流 出を警戒し、軟調か ブラジル・レアル 19.90 (+2.26%) コロナ禍の経済対策を巡る財 政不安で、軟調か トルコ・リラ 13.97 (+5.91%) 利上げによる通貨防衛姿勢に 転じ、下落しにくくなるか 南ア・ランド 7.04 (+3.23%) 国債格下げによる海外資金の 流出懸念で、軟調か 2021年1月号 - 1 - ●当資料は、明治安田アセットマネジメント株式会社がお客さまへの情報提供を目的として作成したものであり、投資勧誘を目的とするものではありま せん。また、法令にもとづく開示書類(目論見書等)ではありません。●当資料は、信頼できると判断した情報等にもとづき作成していますが、内容 の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料の内容は作成基準日における筆者の個人的見解に基づいており、将来の運用の成果を 示唆あるいは保証するものではありません。また予告なしに変更することもあります。●投資に関する最終的な決定は、お客さま自身の判断でなさるよ うにお願いいたします。 情報提供資料 筆者:チーフストラテジスト 杉山 修司 東京大学経済学部卒、ロンドン大学LSE修士 日本銀行 調査統計局、為替課勤務のち、 格付会社S&P、ドイチェ・アセット・マネジメントを経て、 2016年から現職

2020 12 30 2021 1 15 マンスリー通貨レポート...作成基準日:2020年12月30日 発刊日:2021年1月15日 マンスリー通貨レポート ※為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用

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  • 作成基準日:2020年12月30日発 刊 日 :2021年 1月15日

    マンスリー通貨レポート

    ※ 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用出所)FactSetデータ等をもとに明治安田アセットマネジメント作成

    為替レートと為替市場における当面のテーマ

    為替レート(対円)※

    (下段:前月末比)為替市場における当面のテーマ 直近の強弱 6ヵ月先予測

    米ドル103.50

    (-0.38%)次期政権の大型財政出動期待で、下落圧力が弱まるか ⇒ ⇒

    カナダ・ドル80.83

    (+1.10%)「中銀は緩和強化には慎重」との見方で、下落しにくいか ⇗ ⇒

    ユーロ126.95

    (+2.07%)米独金利差の拡大観測で、下落しやすくなるか ⇗ ⇘

    英国ポンド139.82

    (+0.92%)感染力の強いコロナ変異種の感染拡大で、軟調か ⇗ ⇘

    スイス・フラン117.15

    (+1.90%)感染の再拡大への警戒から、堅調となりやすいか ⇗ ⇗

    豪ドル78.84

    (+2.51%)失業率低下を目指すRBAの緩和強化で、上昇しにくいか ⇗ ⇒

    NZドル74.12

    (+1.38%)コロナ封じ込めによる景気回復期待で、下落しにくいか ⇗ ⇒

    中国・人民元15.88

    (+0.38%)景気の持ち直し期待で、堅調となりやすいか ⇒ ⇗

    メキシコ・ペソ5.19

    (±0.00%)国債格下げによる海外資金流出を警戒し、軟調か ⇒ ⇘

    ブラジル・レアル19.90

    (+2.26%)コロナ禍の経済対策を巡る財政不安で、軟調か ⇗ ⇘

    トルコ・リラ13.97

    (+5.91%)利上げによる通貨防衛姿勢に転じ、下落しにくくなるか ⇗ ⇒

    南ア・ランド7.04

    (+3.23%)国債格下げによる海外資金の流出懸念で、軟調か ⇗ ⇘

    2021年1月号

    - 1 -

    ●当資料は、明治安田アセットマネジメント株式会社がお客さまへの情報提供を目的として作成したものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。また、法令にもとづく開示書類(目論見書等)ではありません。●当資料は、信頼できると判断した情報等にもとづき作成していますが、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料の内容は作成基準日における筆者の個人的見解に基づいており、将来の運用の成果を示唆あるいは保証するものではありません。また予告なしに変更することもあります。●投資に関する最終的な決定は、お客さま自身の判断でなさるようにお願いいたします。

    情報提供資料

    筆者:チーフストラテジスト 杉山 修司東京大学経済学部卒、ロンドン大学LSE修士日本銀行 調査統計局、為替課勤務のち、格付会社S&P、ドイチェ・アセット・マネジメントを経て、2016年から現職

  • 米ドル ~次期政権の大型財政出動期待で、下落圧力が弱まるか~

    - 2 -

    ●当資料は、明治安田アセットマネジメント株式会社がお客さまへの情報提供を目的として作成したものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。また、法令にもとづく開示書類(目論見書等)ではありません。●当資料は、信頼できると判断した情報等にもとづき作成していますが、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料の内容は作成基準日における筆者の個人的見解に基づいており、将来の運用の成果を示唆あるいは保証するものではありません。また予告なしに変更することもあります。●投資に関する最終的な決定は、お客さま自身の判断でなさるようにお願いいたします。

    為替レート(対円)※1

    (下段:前月末比)政策金利

    国債信用力(格付)※2

    103.50(-0.38%)

    0.00~0.25%(2020年3月~)

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    ※1 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用※2 格付はムーディーズの自国通貨建長期債(2020年12月末現在)出所)FactSetデータ、各国統計局等より明治安田アセットマネジメント作成

    景気動向・金融政策

    先行き展望

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    07/12 09/12 11/12 13/12 15/12 17/12 19/12

    対円為替レートの推移(期間:2007年12月~2020年12月末)(円)

    (相場材料)▼新型コロナウイルス感染の急拡大で11月の小売売上高が2ヵ月連続で前月比マイナスとなり個人消費が鈍ったこと。▼FRB(米連邦準備制度理事会)が12月会合で国債等を購入している量的緩和策の長期化を示唆したこと。▼FRBの金融緩和策強化や財務省短期証券の需給逼迫で「米短期債利回りは来年、ゼロ%へ低下する」との観測。△米議会で与野党が数ヵ月の協議を経てようやく失業給付拡充の延長等を盛り込んだ追加経済対策を可決したこと。

    新型コロナウイルス感染者数が年初時点の累計で2000万人超と2ヵ月程で倍増、ワクチン接種も効果発揮に時間を要し、新型コロナ禍の深刻化で次期政権でも大型財政出動が見込まれます。

    米ドルは、新型コロナ感染の急拡大による深刻なコロナ禍での景気悪化懸念等が下落要因の一方、「バイデン次期政権の大型財政出動でFRBが金融緩和を強化する必要性が薄れる」との観測等に下支えされ、下落圧力は弱まりそうです。

    12月の動き 対円で概ね横ばいとなりました

    情報提供資料

    作成基準日:2020年12月30日発 刊 日 :2021年 1月15日

    カナダ・ドル ~「中銀は緩和強化には慎重」との見方で、下落しにくいか~

    12月の動き 対円でやや上昇しました

    景気動向・金融政策

    先行き展望

    (相場材料)△「ワクチン接種が進めば世界景気の持ち直しが早まる」との需要回復期待等による主力産品の原油市況の改善。△予想外に改善した11月の失業率等を受けた「カナダ中央銀行は金融緩和の強化には慎重になる」との観測。▼感染力の強いコロナ変異種を警戒しカナダを始め各国が渡航制限を強化、「世界景気の回復を遅らせる」との警戒。▼ほぼ前月並みとなった11月の小売売上高を受けた「これまで持ち直してきた個人消費の勢いが鈍っている」との懸念。

    昨秋まで景気持ち直しが続いていましたが、感染再拡大で今年1-3月期は景気悪化も懸念されます。政策を据え置いたカナダ中央銀行12月会合を市場は「最近の通貨高にもかかわらず緩和強化の気配が乏しい」と受け止めました。

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    07/12 09/12 11/12 13/12 15/12 17/12 19/12

    対円為替レートの推移(期間:2007年12月~2020年12月末)(円)

    (年/月)

    為替レート(対円)※1

    (下段:前月末比)政策金利

    国債信用力(格付)※2

    80.83(+1.10%)

    0.25%(2020年3月~)

    Aaa

    ※1 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用※2 格付はムーディーズの自国通貨建長期債(2020年12月末現在)出所)FactSetデータ、各国統計局等より明治安田アセットマネジメント作成

    カナダ・ドルは、感染再拡大に伴う世界エネルギー需要回復の遅れによる原油安への懸念等が下落要因の一方、カナダ景気の持ち直し期待を背景とする「カナダ中銀はマイナス金利政策採用に慎重」との見方等で、下落しにくいとみられます。

    (年/月)

  • ユーロ ~米独金利差の拡大観測で、下落しやすくなるか~

    - 3 -

    ●当資料は、明治安田アセットマネジメント株式会社がお客さまへの情報提供を目的として作成したものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。また、法令にもとづく開示書類(目論見書等)ではありません。●当資料は、信頼できると判断した情報等にもとづき作成していますが、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料の内容は作成基準日における筆者の個人的見解に基づいており、将来の運用の成果を示唆あるいは保証するものではありません。また予告なしに変更することもあります。●投資に関する最終的な決定は、お客さま自身の判断でなさるようにお願いいたします。

    ※1 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用※2 格付はムーディーズの自国通貨建長期債(2020年12月末現在)出所)FactSetデータ、各国統計局等より明治安田アセットマネジメント作成

    景気動向・金融政策

    先行き展望

    (相場材料)△「ECB(欧州中央銀行)が金融緩和を強化する姿勢はFRBほど強くない」との見方による「ECB高官が口先介入で牽制してもドル安・ユーロ高の流れは止めにくい」との観測。△金融緩和強化の内容はほぼ織り込み済みで「ECBは12月会合でユーロ高を牽制しなかった」との市場の受け止め。△ドイツ製造業での企業景況感が12月も堅調だったこと。▼感染力の強いウイルス変異種も警戒される中、新型コロナ感染再拡大で各国が経済活動の制限を強化したこと。

    新型コロナ感染再拡大や感染力の強い変異種への警戒で各国は経済活動の制限を強化、サービス産業中心に景気悪化が再び懸念されます。ワクチン接種も効果発揮に時間を要し、当面、景気持ち直しは難しいとみられます。

    ユーロは、中国向け自動車生産などドイツ製造業の持ち直し観測等が下支え要因の一方、米国次期政権の大型財政出動を期待した米独金利差の拡大観測や、新型コロナ感染再拡大による景気悪化懸念等で、下落しやすくなりそうです。

    12月の動き 対円で上昇しました

    情報提供資料

    作成基準日:2020年12月30日発 刊 日 :2021年 1月15日

    英国ポンド ~感染力の強いコロナ変異種の感染拡大で、軟調か~

    12月の動き 対円でやや上昇しました

    景気動向・金融政策

    先行き展望

    (相場材料)△EU(欧州連合)の欧州委員会フォンデアライエン委員長が「非常に狭い道かも知れぬが英国との合意に向けた道筋ができている」と発言、「合意が近い」との市場の期待。△「合意なき離脱は最終的に回避される」との楽観的見方。▼首都ロンドンがロックダウン(都市封鎖)される等、感染力が強い新型コロナウイルス変異種の感染拡大への警戒。▼イングランド銀行(中央銀行)高官が「コロナ禍から景気を回復させるにはマイナス金利政策も必要」と示唆したこと。

    再度の経済封鎖で景気回復が困難となり、失業率は更なる悪化が見込まれます。イングランド銀行は「直近の経済活動制限は予想外に厳しいため2021年1-3月にかけて景気を悪化させかねない」(12月会合)と警戒します。

    ※1 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用※2 格付はムーディーズの自国通貨建長期債(2020年12月末現在)出所)FactSetデータ、各国統計局等より明治安田アセットマネジメント作成

    英国ポンドは、新たな通商合意で合意なきEU離脱が回避されたことや「ワクチン接種が進めば景気悪化は軽減される」との期待等が下支え要因の一方、感染力の強いコロナ変異種の感染拡大や更なる雇用悪化等で軟調が見込まれます。

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    対円為替レートの推移(期間:2007年12月~2020年12月末)(円)

    (年/月)

    為替レート(対円)※1

    (下段:前月末比)政策金利

    国債信用力(格付)※2

    126.95(+2.07%)

    0.00%(2016年3月~)

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    07/12 09/12 11/12 13/12 15/12 17/12 19/12

    対円為替レートの推移(期間:2007年12月~2020年12月末)(円)

    (年/月)

    為替レート(対円)※1

    (下段:前月末比)政策金利

    国債信用力(格付)※2

    139.82(+0.92%)

    0.10%(2020年3月~)

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  • スイス・フラン ~感染の再拡大への警戒から、堅調となりやすいか~

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    ●当資料は、明治安田アセットマネジメント株式会社がお客さまへの情報提供を目的として作成したものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。また、法令にもとづく開示書類(目論見書等)ではありません。●当資料は、信頼できると判断した情報等にもとづき作成していますが、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料の内容は作成基準日における筆者の個人的見解に基づいており、将来の運用の成果を示唆あるいは保証するものではありません。また予告なしに変更することもあります。●投資に関する最終的な決定は、お客さま自身の判断でなさるようにお願いいたします。

    景気動向・金融政策

    先行き展望

    (相場材料)△7-9月期経済成長率が前四半期の大幅マイナスから記録的なプラス成長に転じ景気が急速に持ち直し始めたこと。△米財務省が半期の為替報告書でスイスを為替操作国に指定、スイス国立銀行SNB(中央銀行)は「自国通貨売りの市場介入をしづらくなる」との一部の観測。▼「外為市場介入は金融政策の一環として必要」とSNBが米財務省に反論、ジョルダン総裁が「より強力な外為市場介入の用意がある」とフラン高阻止に強い姿勢を示したこと。

    コロナ禍で落ち込んだ景気は急速に持ち直しつつありましたが再び感染が急拡大しています。大幅な経済活動制限の緩和は見込み薄となり、今年1-3月期にかけて景気悪化が見込まれ、失業率の悪化も不可避な情勢です。

    スイス・フランは、SNBの自国通貨高回避への強い姿勢等が下落要因の一方、感染拡大が続く各国で職場復帰できない大量の失業者が世界景気の悪化要因視される情勢下、リスク回避通貨としての根強い需要で堅調が見込まれます。

    12月の動き 対円で上昇しました

    情報提供資料

    作成基準日:2020年12月30日発 刊 日 :2021年 1月15日

    豪ドル ~失業率低下を目指すRBAの緩和強化で、上昇しにくいか~

    12月の動き 対円で上昇しました

    景気動向・金融政策

    先行き展望

    (相場材料)△予想外に改善した11月の失業率等で「欧米と比べ豪州はコロナ感染抑制に成功しており、豪州準備銀行RBAが金融緩和の規模を縮小するのも欧米より早い」との観測。△中国の鉄鋼生産向け需要や産地の悪天候に伴う供給不安で主力産品の鉄鉱石市況が一段と上昇したこと。▼「中国商務省が反ダンピング調査対象の豪州産ワイン輸入業者に対し税関へ保証金を納めコスト高とする値上げ促進策を発動」との報道を受けた豪中関係悪化への警戒。

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    対円為替レートの推移(期間:2007年12月~2020年12月末)(円)

    為替レート(対円)※1

    (下段:前月末比)政策金利

    国債信用力(格付)※2

    117.15(+1.90%)

    -0.75%(2015年1月~)

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    ※1 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用※2 格付はムーディーズの自国通貨建長期債(2020年12月末現在)出所)FactSetデータ、各国統計局等より明治安田アセットマネジメント作成

    (年/月)

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    07/12 09/12 11/12 13/12 15/12 17/12 19/12

    対円為替レートの推移(期間:2007年12月~2020年12月末)(円)

    為替レート(対円)※1

    (下段:前月末比)政策金利

    国債信用力(格付)※2

    78.84(+2.51%)

    0.10%(2020年11月~)

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    ※1 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用※2 格付はムーディーズの自国通貨建長期債(2020年12月末現在)出所)FactSetデータ、各国統計局等より明治安田アセットマネジメント作成

    新型コロナ感染の抑制で景気持ち直しが続いています。前月7%だった失業率が11月に6.8%へ改善、市場では早くもRBAの緩和縮小観測が出始めましたが、失業率は2022年末でも6%程度とみられ雇用情勢はなお深刻です。

    豪ドルは、景気持ち直しで先行する中国の需要による堅調な鉄鉱石市況等が下支え要因となる一方、大量の失業者の早期復職を支援するため金融緩和の更なる強化も辞さないRBAの強い姿勢等で、上昇しにくくなりそうです。

  • NZドル ~コロナ封じ込めによる景気回復期待で、下落しにくいか~

    - 5 -

    ●当資料は、明治安田アセットマネジメント株式会社がお客さまへの情報提供を目的として作成したものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。また、法令にもとづく開示書類(目論見書等)ではありません。●当資料は、信頼できると判断した情報等にもとづき作成していますが、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料の内容は作成基準日における筆者の個人的見解に基づいており、将来の運用の成果を示唆あるいは保証するものではありません。また予告なしに変更することもあります。●投資に関する最終的な決定は、お客さま自身の判断でなさるようにお願いいたします。

    景気動向・金融政策

    先行き展望

    (相場材料)△約3年ぶりの水準に改善した12月の企業景況感等を受けた「ニュージーランドは他国と比べ新型コロナ封じ込めに成功しており景気持ち直しも早い」との見方。△景気持ち直しが続き「ニュージーランド準備銀行RBNZによるマイナス金利政策の採用は遠のいた」との観測。△ニュージーランド主力産品の乳製品国際入札価格上昇。▼財務相が「高騰する住宅価格も考慮すべき」として求めていた利上げに、RBNZ総裁が否定的見解を示したこと。▼最近の通貨高はデフレ圧力で「利上げは困難」との観測。

    ニュージーランド・ドルは、「新型コロナ対策の渡航制限による観光業の打撃等で失業率の悪化が続く」との警戒等が下落要因の一方、「ニュージーランドは新型コロナ封じ込めに成功している」との見方等が下支え要因となり、下落しにくそうです。

    12月の動き 対円でやや上昇しました

    情報提供資料

    作成基準日:2020年12月30日発 刊 日 :2021年 1月15日

    中国・人民元 ~景気の持ち直し期待で、堅調となりやすいか~

    12月の動き 対円で概ね横ばいとなりました

    景気動向・金融政策

    先行き展望

    (相場材料)△11月の輸出や製造業企業の景況感が約3年ぶりの高水準となる等、他国に先行して景気回復が続いていること。△「中国で金融政策の正常化が始まれば米中金利差はさらに拡大、海外資金が流入する」との観測。▼中国経済への悪影響を避けるため人民元の急速な上昇が続けば「当局は行き過ぎた元高を抑制する」との観測。▼トランプ米政権が中国の全人代(国会に相当)メンバー14人に制裁を発動、バイデン次期大統領も「中国への制裁関税をすぐ撤廃する考えはない」と発言したこと。

    新型コロナ禍の影響が和らぎ景気持ち直しが続いています。経済成長率は昨年は2%前後と主要国では唯一のプラス成長とみられ、今年は8%台の成長が見込まれています。

    ※1 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用※2 格付はムーディーズの自国通貨建長期債(2020年12月末現在)出所)FactSetデータ、各国統計局等より明治安田アセットマネジメント作成

    中国・人民元は、「中国当局は行き過ぎた人民元高は抑制する」との観測や、米国バイデン次期政権の対中政策を巡る思惑等が下落要因の一方、他国に先行する中国景気の持ち直し期待等に下支えされ、堅調になりやすいとみられます。

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    対円為替レートの推移(期間:2007年12月~2020年12月末)(円)

    為替レート(対円)※1

    (下段:前月末比)政策金利

    国債信用力(格付)※2

    74.12(+1.38%)

    0.25%(2020年3月~)

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    (年/月)

    感染封じ込めで他国より早く景気は持ち直しつつあります。しかしRBNZは「観光業に打撃となっている各国の渡航制限が続く限り失業率の悪化は止まらない」と慎重姿勢です。

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    対円為替レートの推移(期間:2007年12月~2020年12月末)(円)

    為替レート(対円)※1

    (下段:前月末比)政策金利※2

    国債信用力(格付)※3

    15.88(+0.38%)

    3.85%(2020年4月20日~)

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    ※1 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用※2 事実上の政策金利である最優遇貸出金利(LPR)のうち1年物を表示※3 格付はムーディーズの自国通貨建長期債(2020年12月末現在)出所)FactSetデータ、各国統計局等より明治安田アセットマネジメント作成

    (年/月)

  • メキシコ・ペソ ~国債格下げによる海外資金流出を警戒し、軟調か~

    - 6 -

    ●当資料は、明治安田アセットマネジメント株式会社がお客さまへの情報提供を目的として作成したものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。また、法令にもとづく開示書類(目論見書等)ではありません。●当資料は、信頼できると判断した情報等にもとづき作成していますが、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料の内容は作成基準日における筆者の個人的見解に基づいており、将来の運用の成果を示唆あるいは保証するものではありません。また予告なしに変更することもあります。●投資に関する最終的な決定は、お客さま自身の判断でなさるようにお願いいたします。

    ※1 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用※2 格付はムーディーズの自国通貨建長期債(2020年12月末現在)出所)FactSetデータ、各国統計局等より明治安田アセットマネジメント作成

    景気動向・金融政策

    先行き展望

    (相場材料)△「ワクチン接種が進めば世界景気の持ち直しが早まる」との需要回復期待等による主力産品の原油市況の改善。△耐久消費財の需要が旺盛な北米向け自動車輸出などメキシコの工業生産は持ち直しの動きが続いていること。▼新型コロナ感染再拡大でメキシコ市が最も高い警戒レベルへ戻す等、再度の経済活動制限での景気悪化懸念。▼新型コロナ対策や経営難の国営石油会社救済による深刻な財政悪化に伴うメキシコ国債の格下げへの警戒。

    昨秋まで景気持ち直しが続きましたが、首都メキシコ市の再度の経済活動制限等、感染再拡大で景気悪化が懸念されます。雇用回復に数年を要すとみられ、「メキシコ中央銀行の利下げ局面は終わっていない」との観測もあります。

    メキシコ・ペソは、「メキシコ中央銀行の追加利下げ余地は少なくなりつつある」との観測等が下支え要因の一方、新型コロナ対策や経営難の国営石油会社救済による財政悪化に伴うメキシコ国債の格下げ警戒等で、軟調が見込まれます。

    12月の動き 対円で概ね横ばいとなりました

    情報提供資料

    作成基準日:2020年12月30日発 刊 日 :2021年 1月15日

    ブラジル・レアル ~コロナ禍の経済対策を巡る財政不安で、軟調か~

    12月の動き 対円で上昇しました

    景気動向・金融政策

    先行き展望

    (相場材料)△ブラジル中央銀行が12月会合で金融政策に関するフォワードガイダンス(先行き指針)を解除する可能性を示唆、「金融緩和を縮小し始める兆候」と受け止められたこと。△ブラジル中銀が外為市場介入でレアルを買い支えたこと。▼新型コロナ新規感染者数が日次で昨夏のピークを超える中、企業景況感の持ち直しの動きが11月に鈍化したこと。▼「2022年に大統領選を控えボルソナロ大統領が大衆迎合的に財政支出を拡大しかねない」との財政悪化懸念。

    昨秋まで持ち直しつつあった景気は、感染再拡大で下振れが懸念されます。ブラジル中銀がインフレを警戒しフォワードガイダンス解除という金融緩和縮小を示唆し始める一方、財政悪化でコロナ禍の経済対策も難しい情勢です。

    ※1 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用※2 格付はムーディーズの自国通貨建長期債(2020年12月末現在)出所)FactSetデータ、各国統計局等より明治安田アセットマネジメント作成

    ブラジル・レアルは、中国の需要による鉄鉱石輸出等が下支え要因の一方、新型コロナ禍への経済対策による財政悪化懸念に加え、「ボルソナロ大統領が次期大統領選を控え財政再建に消極的になる」との警戒等で、軟調が見込まれます。

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    対円為替レートの推移(期間:2007年12月~2020年12月末)(円)

    (年/月)

    為替レート(対円)※1

    (下段:前月末比)政策金利

    国債信用力(格付)※2

    5.19(±0.00%)

    4.25%(2020年9月~)

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    07/12 09/12 11/12 13/12 15/12 17/12 19/12

    対円為替レートの推移(期間:2007年12月~2020年12月末)

    (円)

    為替レート(対円)※1

    (下段:前月末比)政策金利

    国債信用力(格付)※2

    19.90(+2.26%)

    2.00%(2020年8月~)

    Ba

    (年/月)

  • トルコ・リラ ~利上げによる通貨防衛姿勢に転じ、下落しにくくなるか~

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    ●当資料は、明治安田アセットマネジメント株式会社がお客さまへの情報提供を目的として作成したものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。また、法令にもとづく開示書類(目論見書等)ではありません。●当資料は、信頼できると判断した情報等にもとづき作成していますが、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料の内容は作成基準日における筆者の個人的見解に基づいており、将来の運用の成果を示唆あるいは保証するものではありません。また予告なしに変更することもあります。●投資に関する最終的な決定は、お客さま自身の判断でなさるようにお願いいたします。

    ※1 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用※2 1週間物レポ金利に変更(適用は2018年6月1日以降)※3 格付はムーディーズの自国通貨建長期債(2020年12月末現在)出所)FactSetデータ、各国統計局等より明治安田アセットマネジメント作成

    景気動向・金融政策

    先行き展望

    (相場材料)△11月のインフレ率が上昇、新総裁率いるトルコ中央銀行が前回会合に続き12月会合でも「利上げする」との観測。△トルコ中銀が12月会合で市場予想を上回る大幅利上げを決定、「インフレには利上げで対処する欧米諸国で普遍的な金融政策が実施され始めた」と受け止められたこと。▼エルドアン大統領との関係を重視するトランプ米大統領が先送りしてきた、ロシア製ミサイルを導入したトルコへの制裁を米政府が発動、対米関係の悪化が懸念されたこと。▼東地中海のガス田権益を巡るEUとの関係悪化懸念。

    昨秋までの景気持ち直しの勢いは、感染再拡大で鈍っています。2会合連続で利上げしたトルコ中銀は「インフレが持続的に低下するまで金融引き締めを続ける」と表明しました。

    トルコ・リラは、これまでの通貨安によるインフレ圧力や米ドル建て債務返済負担増への警戒、欧米諸国との関係悪化への懸念等が下落要因の一方、トルコ中央銀行が利上げに転じ信認を回復しつつあること等で、下落しにくくなりそうです。

    12月の動き 対円で大幅に上昇しました

    情報提供資料

    作成基準日:2020年12月30日発 刊 日 :2021年 1月15日

    南ア・ランド ~国債格下げによる海外資金の流出懸念で、軟調か~

    12月の動き 対円で上昇しました

    景気動向・金融政策

    先行き展望

    (相場材料)△プラチナなど景気回復が続く中国の工業生産向けとみられる商品市況の改善による南ア経常黒字の拡大見通し。△「ワクチン接種が進めば世界景気持ち直しが早まる」として市場心理が好転した局面で新興国通貨が買われたこと。▼感染力が強い新型コロナウイルス変異種の感染が拡大している南アからの渡航制限を各国が強化、持ち直しつつあった「南ア景気が再び悪化する」との懸念。▼コロナ対策に伴う南ア財政不安や更なる格下げ懸念。

    新型コロナ禍発生前を大幅に下回る経済活動の水準で景気持ち直しが概ね続いていましたが、昨年12月以降は景気改善の動きが鈍っています。コロナ変異種の感染拡大もあって大量の失業者が減少しにくい厳しい経済情勢です。

    ※1 為替レートはTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用※2 格付はムーディーズの自国通貨建長期債(2020年12月末現在)出所)FactSetデータ、各国統計局等より明治安田アセットマネジメント作成

    南アフリカ・ランドは、中国の工業品向け需要等を背景に主力産品の貴金属輸出等が下支え要因の一方、コロナ変異種の感染拡大による景気悪化やコロナ禍対策での財政悪化による国債の格下げ懸念等で、軟調が見込まれます。

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    対円為替レートの推移(期間:2007年12月~2020年12月末)(円)

    為替レート(対円)※1

    (下段:前月末比)政策金利※2

    国債信用力(格付)※3

    13.97(+5.91%)

    17.00%(2020年12月~)

    B

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    対円為替レートの推移(期間:2007年12月~2020年12月末)(円)

    (年/月)

    為替レート(対円)※1

    (下段:前月末比)政策金利

    国債信用力(格付)※2

    7.04(+3.23%)

    3.50%(2020年7月~)

    Ba

    (年/月)

  • 金融政策決定会合(決定日)

    カナダ中央銀行(20日)

    ブラジル中央銀行(20日)

    日本銀行(21日)

    ECB(欧州中央銀行)(21日)

    トルコ中央銀行(21日)

    南アフリカ準備銀行(21日)

    FRB(米連邦準備制度理事会)(27日)

    マンスリー通貨レポート

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    ●当資料は、明治安田アセットマネジメント株式会社がお客さまへの情報提供を目的として作成したものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。また、法令にもとづく開示書類(目論見書等)ではありません。●当資料は、信頼できると判断した情報等にもとづき作成していますが、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料の内容は作成基準日における筆者の個人的見解に基づいており、将来の運用の成果を示唆あるいは保証するものではありません。また予告なしに変更することもあります。●投資に関する最終的な決定は、お客さま自身の判断でなさるようにお願いいたします。

    (ご参考)実質GDP成長率見通し(IMF)

    出所)IMF(国際通貨基金)『World Economic Outlook』(2020年10月改訂版)より明治安田アセットマネジメント作成。当資料における先進国・新興国はIMFの定義に基づく分類。※上記予測は、将来における各地域、各国の実質GDP成長率を保証するものではありません。

    2019年2020年(予測)

    2021年(予測)

    米国 +2.2% -4.3% +3.1%

    カナダ +1.7% -7.1% +5.2%

    ユーロ圏 +1.3% -8.3% +5.2%

    英国 +1.5% -9.8% +5.9%

    オーストラリア +1.8% -4.2% +3.0%

    ニュージーランド +2.2% -6.1% +4.4%

    メキシコ -0.3% -9.0% +3.5%

    ブラジル +1.1% -5.8% +2.8%

    トルコ +0.9% -5.0% +5.0%

    南アフリカ +0.2% -8.0% +3.0%

    中国 +6.1% +1.9% +8.2%

    スイス +1.2% -5.3% +3.6%

    日本 +0.7% -5.3% +2.3%

    1月の主な経済・政治関連日程

    明治安田アセットマネジメント株式会社金融商品取引業者関東財務局長(金商)第405号加入協会:一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会

    情報提供資料

    出所)各種報道資料等をもとに明治安田アセットマネジメント作成

    2.8

    -4.4

    5.2

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    2019年 2020年(予測) 2021年(予測)

    世界 先進国 新興国(%)

    作成基準日:2020年12月30日発 刊 日 :2021年 1月15日

    経済・政治関連

    ドイツ 12月CPI(消費者物価指数)(6日)

    米国 12月雇用統計(8日)

    米国 12月CPI(消費者物価指数)(13日)

    米国 12月小売売上高(15日)