平成22年度危険物コンテナ運送セミナー

社団法人 日本海事検定協会

H22-NKKK資料

NKKKの公益目的事業　安全技術室担当　　

〇　危険物の海上運送規則に関する講習

　　　　危険物海上運送規則トレーニングコース

　　　　危険物コンテナ運送セミナー

〇　危険物の海上運送に関する調査研究

　　　　国連危険物輸送専門家小委員会（国連勧告）

　　　　IMO DSC小委員会（IMDGコード）

　　　　等への対応検討

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ご説明項目

１．危険物リストの主要な改正　（１）自動車等

　（２）電池関係（ニッケル水素電池）

　（３）新規エントリー等

２．少量危険物マークの様式変更

３．SP 274が新たに適用される品名

４．その他の改正事項

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1974年のSOLAS条約　第Ⅶ章　 A部　容器に収納した危険物の運送

　Carriage of Dangerous Goods In Packaged Form

2004年1月1日、SOLAS条約第Ⅶ章が改正されIMDGコードは強制化された。（それ以前は勧告であった。）

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SOLAS条約　第Ⅶ章　 A部第3規則　　危険物の運送に関する要件

３　容器に収納した危険物の運送は、

　　国際海上危険物規程（IMDGコード）の

　　関連規定に従わなければならない。

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IMDGコード第35‐10回改正2012年1月1日実施

危規則一部改正2011年1月1日施行

航空、欧州道路、鉄道2011年1月1日実施

国連勧告16訂版（2009年）に基づく海・陸・空　国際規則の改正実施時期

（1年間）

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１．（１）　自動車等　　主たる要件

国連番号：UN 3166 及び　UN 3171　　

品　 名：自動車、エンジン

分　 類：クラス 9（有害性物質）

動力源：引火性液体類、引火性高圧ガス、燃料電池、電池

SP 312：自動車等エントリーの適用

SP 240：電気自動車エントリーの適用

SP 961：非危険物として運送する要件

SP 962：危険物として運送する要件H22-NKKK資料

自動車等のタイプ

UN 3166

VEHICLE, FUEL CELL, FLAMMABLE GAS /LIQUID POWERED 　　　　　（燃料電池駆動）

VEHICLE, FLAMMABLE GAS /LIQUID POWERED

（プロパンガス、ガソリン駆動）

UN 3171　　VEHICLE, BATTERY POWERED

（電池駆動）

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自動車等の品名　（その1　燃料電池自動車）

UN 3166

VEHICLE, FUEL CELL, FLAMMABLE GAS POWERED

燃料電池自動車（引火性高圧ガスを燃料とするもの）

VEHICLE, FUEL CELL, FLAMMABLE LIQUID POWERED

燃料電池自動車（引火性液体類を燃料とするもの）

ENGINE, FUEL CELL, FLAMMABLE GAS POWERED

燃料電池エンジン（引火性高圧ガスを燃料とするもの）

ENGINE, FUEL CELL, FLAMMABLE LIQUID POWERED

燃料電池エンジン（引火性液体類を燃料とするもの）

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SP312 自動車等品名の適用

燃料電池エンジンで駆動する自動車等

燃料電池と内燃機関の両方で駆動するハイブリッド電気自動車であって、湿式蓄電池、ナトリウム蓄電池又はリチウム電池が搭載された状態で運送されるものを含む。

UN 3166,

VEHICLE, FUEL CELL, FLAMMABLE GAS POWERED

VEHICLE, FUEL CELL, FLAMMABLE LIQUID POWERED

ENGINE, FUEL CELL, FLAMMABLE GAS POWERED

ENGINE, FUEL CELL, FLAMMABLE LIQUID POWERED

将来の燃料電池エンジンのハイブリッド車

この品名で運送

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自動車等の品名　（その2　ガソリン、プロパン車等）

UN 3166　

VEHICLE, FLAMMABLE GAS POWERED：

自動車（引火性高圧ガスを燃料とするもの）

VEHICLE, FLAMMABLE LIQUID POWERED：

自動車（引火性液体類を燃料とするもの）

ENGINE, INTERNAL COMBUSTION：

内燃機関

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SP312　自動車等品名の適用

内燃機関を内蔵する他の自動車

内燃機関と湿式蓄電池、ナトリウム蓄電池又はリチウム電池の両方で駆動するハイブリッド電気自動車であって、それら電池が搭載された状態で運送されるものを含む。

UN 3166

VEHICLE, FLAMMABLE GAS POWERED

VEHICLE, FLAMMABLE LIQUID POWERED

ENGINE, INTERNAL COMBUSTION

現状のハイブリッド車

この品名で運送

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自動車等の品名　（その3　電気自動車）

UN 3171

BATTERY-POWERED VEHICLE ：

自動車（蓄電池を動力源とするもの）

BATTERY-POWERED EQUIPMENT：

装置（蓄電池を動力源とするもの）

電気自動車、草刈り機、車椅子及びその他移動補助器具

Electrically-powered cars, lawnmowers, wheelchairs and

other mobility aids.

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SP240　電気自動車等の品名の適用　　

電気自動車等

専ら湿式蓄電池、ナトリウム蓄電池又はリチウム電池で駆動する自動車等であって、これら電池が装備された状態で運送されるものに限って適用される。

UN 3171

BATTERY-POWERED VEHICLE

BATTERY-POWERED EQUIPMENT

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SP961　非危険物として運送する場合の要件　(その1)

（１）ロールオン/ロールオフ船に積載される場合

　　

　蓄電池、エンジン、燃料電池、圧縮ガスシリンダー若しくはアキュムレータ又は燃料タンクからの漏洩の跡がないことが条件。

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SP961　非危険物として運送する場合の要件　(その2)

．1　引火性液体類を動力源とする自動車等(FLAMMABLE LIQUID POWERED)

　「燃料タンクが空」　であり、　　かつ、

　内蔵された　「蓄電池が短絡保護」　されている。

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SP961　非危険物として運送する場合の要件　(その2)

（続き）

．2　引火性高圧ガスを動力源とする自動車(FLAMMABLE GAS POWERED)

燃料タンク内の液化ガス又は圧縮ガスが排出され、

「タンク内の圧力が2バール（ゲージ圧）以下」であり、

燃料の「遮断弁又は分離弁がしっかりと閉鎖され」、かつ、

内蔵された「蓄電池が短絡から保護」されている。

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SP961　非危険物として運送する場合の要件　（その2）

（続き）

．3　電気自動車等 (BATTERY-POWERED )

湿性若しくは乾性の蓄電池又はナトリウム蓄電池のみを動力源とする電気自動車等であって、

その蓄電池が「短絡から保護」されている。

　

○リチウム金属電池又はリチウムイオン電池はここに含まれていない。

○短絡保護なら非危険物

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SP962　危険物として運送する場合の要件　（その1）

SP961の条件に適合しない自動車等は、クラス9の危険物として運送する。

その場合は、次の要件にも適合しなければならない。

.1 燃料等の漏洩の跡がない。

.2 FLAMMABLE LIQUID POWEREDは、燃料タンク内の「引火性液体類の量を最大容量の4分1以下」にしなければならず、かつ、いかなる場合にもその「合計が250リットルを超えてはならない。」

（次へ）H22-NKKK資料

SP962　危険物として運送する場合の要件　(その1)

（続き）.3 FLAMMABLE GAS POWEREDは、「引火性高圧ガスの燃料タンクの燃料遮断弁が確実に閉鎖。」

.4 リチウムイオン電池又はリチウム金属電池は、国連勧告の試験方法及び判定基準手引書の第III部第38.3節の要件に適合するものでなければならない。

.5 消火器、圧縮ガスアキュムレータ、エアバックインフレータ等の自動車等を運行するために要求される危険物は、自動車等に確実に取り付けられていなければならない。

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SP962　危険物として運送する場合の要件　(その2)

○　表示、標札及び標識は要らない。

同一国連番号の危険物を総質量4000キログラムを超えて一のコンテナに収納して運送する場合の国連番号の表示も要らない。

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自動車等をクラス9 の危険物として運送する場合まとめ

○　識別 ：

　例： 「UN 3166, VEHICLE FLAMMABLE LIQUIDE POWERED, Class9, PG ー」等

○　SP962 の安全要件確認

○　容器包装：　無外装

○　発送手続：　表示、標札、標識は要らない。

○　危険物明細書、危険物コンテナ明細書：　提出

○　積載方法：　Ａ

○　隔離：　クラス9　故に他の危険物と隔離の必要なし。

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１．（２）ニッケル水素電池エントリーの新設

UN 3496

BATTERIES, NICKEL-METAL HYDRIDE

Class 9, PG –

SP117：海上運送の場合に限って危険物とされる。

SP963： （次へ）

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SP963（１）　ニッケル水素電池エントリーの適用

①　ニッケル水素ボタン電池　　又は装置と共に収納若しくは装置に内蔵されたニッケル水素セル若しくはニッケル水素電池は、本コードの規定の適用を受けない。 　非危険物

②　上記①以外のニッケル水素セル又はニッケル水素電池は、容器にしっかりと収納され、かつ、短絡から保

護されていなければならない。

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SP963（１）　ニッケル水素電池エントリーの適用

（続き）③　貨物輸送ユニット（コンテナ）に収納されて運送される②のニッケル水素電池の輸送物の総質量が100 kg未満の場合は、

非危険物

④　貨物輸送ユニット（コンテナ）に収納されて運送されるニッケル水素電池の輸送物の総質量が100 kg以上の場合は、

クラス9の危険物

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SP963（２）　ニッケル水素電池クラス9の危険物として運送する場合の要件

標札、表示、標識は要らない。

（書類）

危険物コンテナ明細書の提出（荷送人）

危険物積荷一覧書の備付（船長）

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SP963（２）　ニッケル水素電池クラス9の危険物として運送する場合の要件

（続き）

（積載方法）

Ａ　（旅客船、非旅客船、甲板下積載、甲板上積載　いずれも可。）

　“Away from” source of heat.　発火源となる設備及び熱源から水平距離で３メートル以上離れた場所に積載すること。

（隔　離）

　クラス9である故に他の危険物と隔離の必要なし。

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２.　少量危険物マークの様式変更

（改正）（現行）

UN1993

国連番号の表示は要らない！

（輸送物用）

（輸送物・コンテナ用）

同じ！「LIMITED QUANTITIES」又は　「LTD QTY」の表示

（コンテナ用）

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改正　少量危険物マーク

寸　法：輸送物用は、100 mm×100 mm以上

コンテナ用は、寸法：250 mm×250 mm以上（四側面に）

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航空輸送用の少量危険物マーク

　　　　　　　　　　　（ “Y”の文字は、ICAO航空危険物輸送技術　　　　　　　　　　　　指針の第4章第3部の規定を満足するもの

　　　　　　　　　　　　であることを示す。）

航空機で輸送が予定されている又は輸送された“Y”文字付き少量危険物マークの輸送物は、海上運送におてはIMDGコードの少量危険物マークを表示しているものとみなされる。

Y

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３.　SP 274が新たに適用される品名

SP 274

正式品名を危険物運送書類に記載する場合及び輸送物に表示する場合には、その正式品名は化学名を追記すること（IMDGコード3.1.2.8.1）。

（ 大 部 分 の 包 括 的 品 名 又 は N.O.S. 品 名 に はSP274が割り当てられている。）

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SP 274が適用される品名の書き方

（　）括弧書きする化学的及び技術的名称は、科学、技術のハンドブック、雑誌及び教科書において現在用されているような公認の化学名でなければならない。商品名を使用してはならない。

化学名は、単一の又は複数の危険性の最も有効な要因となる二つを超えない成分名を記載する。

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危険物明細書の基本的記載事項Dangerous goods description

SP274の場合

（例）

　UN 3440,

SELENIUM COMPOUND, LIQUID, N.O.S.

(Contains A and B ),

Class 6.1,

PGⅠ

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輸送物(組合せ容器)への品名表示例SP274の場合

UN 3440un

SELENIUM COMPOUND, LIQUID, N.O.S.

(Containing A and B )

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平成22年度危険物コンテナ運送セミナー

正確な危規則及び同危告示の改正内容については、

本年12月中に公布予定の官報等でご確認下さい。

ご清聴を感謝いたします。

完

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