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平成25年度 特許出願技術動向調査報告書(概要) 3Dプリンター 平成26年3月 問い合わせ先 特許庁総務部企画調査課 技術動向班 電話:03-3581-1101(内線2155)

平成25年度 特許出願技術動向調査報告書(概要) - jpo.go.jp3Dプリンター 平成26年3月 特 許 庁 問い合わせ先 特許庁総務部企画調査課 技術動向班

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Page 1: 平成25年度 特許出願技術動向調査報告書(概要) - jpo.go.jp3Dプリンター 平成26年3月 特 許 庁 問い合わせ先 特許庁総務部企画調査課 技術動向班

平成25年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)

3Dプリンター

平成26年3月

特 許 庁 問い合わせ先

特許庁総務部企画調査課 技術動向班 電話:03-3581-1101(内線2155)

Page 2: 平成25年度 特許出願技術動向調査報告書(概要) - jpo.go.jp3Dプリンター 平成26年3月 特 許 庁 問い合わせ先 特許庁総務部企画調査課 技術動向班

第1章

第1節

3D プリンター(付加製造技術)は、材料を付着することによって物体を

値表現から作成するプロセスを指す。多くの場合、層の上に層を積むことによって実現さ

れる。通常の紙に出力する

とから、日本では

に関する民間規格制定機関である

(Standard Terminology for Additive Manufacturi

Manufacturing

が普及している。本報告書では、この国際的な呼び方を踏まえ、表題や歴史的な記述等を

除き、「

Additive manufacturing

「材料を付着することによって物体を

多くの場合層の上に層を積むことによって実現され、除去的な製造

もの。」(

付加製造技術は、造形に用いる材料に関する技術、積層を行うための付加製造方式に関

する技術、装置の機構や制御方式を含むシステム化技術など、様々な要素技術が複合的に

関係し合う。技術の俯瞰を

3D プリンター

第1節 付加製造

プリンター(付加製造技術)は、材料を付着することによって物体を

値表現から作成するプロセスを指す。多くの場合、層の上に層を積むことによって実現さ

れる。通常の紙に出力する

とから、日本では

に関する民間規格制定機関である

Standard Terminology for Additive Manufacturi

Manufacturing(付加製造)との用語が

が普及している。本報告書では、この国際的な呼び方を踏まえ、表題や歴史的な記述等を

除き、「3D プリンター」の用語を用いることなく、「付加製造技術」と表記する。

Additive manufacturing

「材料を付着することによって物体を

多くの場合層の上に層を積むことによって実現され、除去的な製造

もの。」(ASTM F2792

付加製造技術は、造形に用いる材料に関する技術、積層を行うための付加製造方式に関

する技術、装置の機構や制御方式を含むシステム化技術など、様々な要素技術が複合的に

関係し合う。技術の俯瞰を

プリンター(付加製造技術)

付加製造に関する技術の俯瞰

プリンター(付加製造技術)は、材料を付着することによって物体を

値表現から作成するプロセスを指す。多くの場合、層の上に層を積むことによって実現さ

れる。通常の紙に出力する

とから、日本では 3D プリンターという用語が広く普及しているが、世界最大級の工業規格

に関する民間規格制定機関である

Standard Terminology for Additive Manufacturi

(付加製造)との用語が

が普及している。本報告書では、この国際的な呼び方を踏まえ、表題や歴史的な記述等を

プリンター」の用語を用いることなく、「付加製造技術」と表記する。

Additive manufacturing(付加製造):

「材料を付着することによって物体を

多くの場合層の上に層を積むことによって実現され、除去的な製造

ASTM F2792-12a より)

付加製造技術は、造形に用いる材料に関する技術、積層を行うための付加製造方式に関

する技術、装置の機構や制御方式を含むシステム化技術など、様々な要素技術が複合的に

関係し合う。技術の俯瞰を図

(付加製造技術)

に関する技術の俯瞰

プリンター(付加製造技術)は、材料を付着することによって物体を

値表現から作成するプロセスを指す。多くの場合、層の上に層を積むことによって実現さ

れる。通常の紙に出力する 2 次元(2D

プリンターという用語が広く普及しているが、世界最大級の工業規格

に関する民間規格制定機関である ASTM

Standard Terminology for Additive Manufacturi

(付加製造)との用語が

が普及している。本報告書では、この国際的な呼び方を踏まえ、表題や歴史的な記述等を

プリンター」の用語を用いることなく、「付加製造技術」と表記する。

(付加製造):

「材料を付着することによって物体を

多くの場合層の上に層を積むことによって実現され、除去的な製造

より)

付加製造技術は、造形に用いる材料に関する技術、積層を行うための付加製造方式に関

する技術、装置の機構や制御方式を含むシステム化技術など、様々な要素技術が複合的に

図 1 に示す。

図 1 付加製造技術の技術の俯瞰

- 1 -

(付加製造技術)に関する技術の概要

プリンター(付加製造技術)は、材料を付着することによって物体を

値表現から作成するプロセスを指す。多くの場合、層の上に層を積むことによって実現さ

2D)のプリンターとの対比で直観的にわかりやすいこ

プリンターという用語が広く普及しているが、世界最大級の工業規格

ASTM インターナショナルにおける

Standard Terminology for Additive Manufacturi

(付加製造)との用語が 2012 年に定義されており、国際的にはこの呼び方

が普及している。本報告書では、この国際的な呼び方を踏まえ、表題や歴史的な記述等を

プリンター」の用語を用いることなく、「付加製造技術」と表記する。

(付加製造):

「材料を付着することによって物体を 3 次元形状の数値表現から作成するプロセス。

多くの場合層の上に層を積むことによって実現され、除去的な製造

付加製造技術は、造形に用いる材料に関する技術、積層を行うための付加製造方式に関

する技術、装置の機構や制御方式を含むシステム化技術など、様々な要素技術が複合的に

に示す。

付加製造技術の技術の俯瞰

に関する技術の概要

プリンター(付加製造技術)は、材料を付着することによって物体を

値表現から作成するプロセスを指す。多くの場合、層の上に層を積むことによって実現さ

)のプリンターとの対比で直観的にわかりやすいこ

プリンターという用語が広く普及しているが、世界最大級の工業規格

インターナショナルにおける

Standard Terminology for Additive Manufacturing Technologies

年に定義されており、国際的にはこの呼び方

が普及している。本報告書では、この国際的な呼び方を踏まえ、表題や歴史的な記述等を

プリンター」の用語を用いることなく、「付加製造技術」と表記する。

次元形状の数値表現から作成するプロセス。

多くの場合層の上に層を積むことによって実現され、除去的な製造

付加製造技術は、造形に用いる材料に関する技術、積層を行うための付加製造方式に関

する技術、装置の機構や制御方式を含むシステム化技術など、様々な要素技術が複合的に

付加製造技術の技術の俯瞰

プリンター(付加製造技術)は、材料を付着することによって物体を

値表現から作成するプロセスを指す。多くの場合、層の上に層を積むことによって実現さ

)のプリンターとの対比で直観的にわかりやすいこ

プリンターという用語が広く普及しているが、世界最大級の工業規格

インターナショナルにおける

ng Technologies)において

年に定義されており、国際的にはこの呼び方

が普及している。本報告書では、この国際的な呼び方を踏まえ、表題や歴史的な記述等を

プリンター」の用語を用いることなく、「付加製造技術」と表記する。

次元形状の数値表現から作成するプロセス。

多くの場合層の上に層を積むことによって実現され、除去的な製造方法と対照的な

付加製造技術は、造形に用いる材料に関する技術、積層を行うための付加製造方式に関

する技術、装置の機構や制御方式を含むシステム化技術など、様々な要素技術が複合的に

プリンター(付加製造技術)は、材料を付着することによって物体を 3 次元形状の数

値表現から作成するプロセスを指す。多くの場合、層の上に層を積むことによって実現さ

)のプリンターとの対比で直観的にわかりやすいこ

プリンターという用語が広く普及しているが、世界最大級の工業規格

インターナショナルにおける ASTM F2792

)において Additive

年に定義されており、国際的にはこの呼び方

が普及している。本報告書では、この国際的な呼び方を踏まえ、表題や歴史的な記述等を

プリンター」の用語を用いることなく、「付加製造技術」と表記する。

次元形状の数値表現から作成するプロセス。

方法と対照的な

付加製造技術は、造形に用いる材料に関する技術、積層を行うための付加製造方式に関

する技術、装置の機構や制御方式を含むシステム化技術など、様々な要素技術が複合的に

次元形状の数

値表現から作成するプロセスを指す。多くの場合、層の上に層を積むことによって実現さ

)のプリンターとの対比で直観的にわかりやすいこ

プリンターという用語が広く普及しているが、世界最大級の工業規格

ASTM F2792 - 12a

Additive

年に定義されており、国際的にはこの呼び方

が普及している。本報告書では、この国際的な呼び方を踏まえ、表題や歴史的な記述等を

次元形状の数値表現から作成するプロセス。

方法と対照的な

付加製造技術は、造形に用いる材料に関する技術、積層を行うための付加製造方式に関

する技術、装置の機構や制御方式を含むシステム化技術など、様々な要素技術が複合的に

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

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- 2 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

本調査では、技術の俯瞰で示したとおり、付加製造技術を下記 6 つの要素技術に区分し

て整理を行う。

① 付加製造材料

② 付加製造方式

③ 共通システム技術

④ 方式別個別技術

⑤ アプリケーション技術(用途別)

⑥ アプリケーション技術(産業別)

また、これら以外の重要な周辺技術として、3D データの情報処理に関する技術が挙げら

れる。具体的には、造形物の元となる 3 次元データ(多くは CAD データを元にした STL と

いうファイル形式)を作成する処理や、そのデータを層状のスライスデータとして変換し

付加製造装置に読み込ませる処理等を行うためのソフトウエア関連技術である。本調査で

は、ソフトウエア関連技術の技術区分も作成し、付加製造技術に関するキーワード等で抽

出した特許文献、論文を分類した。

第2節 付加製造技術の概要

付加製造技術に関し、第1節で定義した分類にしたがってその概要を整理する。

1.付加製造材料 (Additive Manufacturing materials)

付加製造の方式や用途に応じて、様々な材料が開発・実用化されている。主材料として

は光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、金属、セラミックス、ワックス等が用いられる。また、

副材料としては結合剤噴射法で用いるバインダや、造形物に色をつけるための着色剤等が

挙げられる。

2.付加製造方式(Additive Manufacturing methods)

付加製造には、複数の方式が存在する。付加製造方式は、米国の標準化機関である ASTM

によって大きく 7 つの方式に分類されることが定義されており、本報告書ではこの分類に

基づいて整理を行なった。7 つの付加製造方式について以下の表 1 に概要を整理する。

3.共通システム技術(Common system techniques)

付加製造方式によらず、付加製造装置であれば必ず備えているべきシステム技術を指す。

例えば、造形物を載せるステージ、材料を供給するカートリッジ、ヘッドやこれらの動き

を制御する駆動系制御技術や造形チャンバ内の温度等の周辺環境を一定に保つ環境制御技

術などが挙げられる。ただし、これらの個別技術はそれぞれが単体で成立するものではな

く、付加製造装置を構成するハードウエアとしての機構類とそれらの動きを制御する制御

系ソフトウエアが高度にすりあわされることによって成立する、いわば複合的なシステム

技術であるということができる。

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付加製造方式

結合剤噴射

(Binder jetting)

指向性エネルギー堆積

(Directed energy

deposition)

材料押出

(Material extrusion)

材料噴射

(Material jetting)

粉末床溶融結合

(Powder bed fusion)

付加製造方式

結合剤噴射

(Binder jetting)

指向性エネルギー堆積

(Directed energy

deposition)

材料押出

(Material extrusion)

材料噴射

(Material jetting)

粉末床溶融結合

(Powder bed fusion)

概要

液状の結合剤を粉末床に噴

射して選択的に固化させる。

Z Corp.

Printing

した経緯があるため、

リンターという言葉を狭義

に捉え結合剤噴射方式を指

す場合もある。

指向性エネルギー堆積

材料を供給しつつ、ビーム等

を集中させることによって

熱の発生位置を制御し、材料

を選択的に溶融・結合させ

る。代表的な例としてレーザ

肉盛溶接、電子ビーム肉盛溶

接、アーク溶接が挙げられ

る。

(Material extrusion)

流動性のある材料をノズル

から押出し、堆積させると同

時に固化させる。代表的な例

としてストラタシス社の商

標 で あ る

Deposition Modeling)

挙げられる。

(Material jetting)

材料の液滴を噴射し、選択的

に堆積し固体化させる。代表

的な例としてインクジェッ

ト法が挙げられる。また、光

硬化性液体を噴射した上で

紫外線により光重合させる

方法も挙げられる。

(Powder bed fusion)

粉末を敷いたある領域を熱

エネルギーによって選択的

に溶融結合させる。

代表的な例としてレーザ焼

結法、選択的レーザ溶融法、

電子ビーム溶融法が挙げら

れる。

表 1 付加製造方式の概要

概要

液状の結合剤を粉末床に噴

射して選択的に固化させる。

Z Corp.社はこの方式を

Printing 技術と呼び製品化

した経緯があるため、

リンターという言葉を狭義

に捉え結合剤噴射方式を指

す場合もある。

材料を供給しつつ、ビーム等

を集中させることによって

熱の発生位置を制御し、材料

を選択的に溶融・結合させ

る。代表的な例としてレーザ

肉盛溶接、電子ビーム肉盛溶

接、アーク溶接が挙げられ

る。

流動性のある材料をノズル

から押出し、堆積させると同

時に固化させる。代表的な例

としてストラタシス社の商

標 で あ る

Deposition Modeling)

挙げられる。

材料の液滴を噴射し、選択的

に堆積し固体化させる。代表

的な例としてインクジェッ

ト法が挙げられる。また、光

硬化性液体を噴射した上で

紫外線により光重合させる

方法も挙げられる。

粉末を敷いたある領域を熱

エネルギーによって選択的

に溶融結合させる。

代表的な例としてレーザ焼

結法、選択的レーザ溶融法、

電子ビーム溶融法が挙げら

れる。

- 3 -

付加製造方式の概要

液状の結合剤を粉末床に噴

射して選択的に固化させる。

社はこの方式を

技術と呼び製品化

した経緯があるため、

リンターという言葉を狭義

に捉え結合剤噴射方式を指

す場合もある。

材料を供給しつつ、ビーム等

を集中させることによって

熱の発生位置を制御し、材料

を選択的に溶融・結合させ

る。代表的な例としてレーザ

肉盛溶接、電子ビーム肉盛溶

接、アーク溶接が挙げられ

流動性のある材料をノズル

から押出し、堆積させると同

時に固化させる。代表的な例

としてストラタシス社の商

標 で あ る FDM (Fused

Deposition Modeling)

挙げられる。

材料の液滴を噴射し、選択的

に堆積し固体化させる。代表

的な例としてインクジェッ

ト法が挙げられる。また、光

硬化性液体を噴射した上で

紫外線により光重合させる

方法も挙げられる。

粉末を敷いたある領域を熱

エネルギーによって選択的

に溶融結合させる。

代表的な例としてレーザ焼

結法、選択的レーザ溶融法、

電子ビーム溶融法が挙げら

付加製造方式の概要

概念図

液状の結合剤を粉末床に噴

射して選択的に固化させる。

社はこの方式を 3D

技術と呼び製品化

した経緯があるため、3D プ

リンターという言葉を狭義

に捉え結合剤噴射方式を指

材料を供給しつつ、ビーム等

を集中させることによって

熱の発生位置を制御し、材料

を選択的に溶融・結合させ

る。代表的な例としてレーザ

肉盛溶接、電子ビーム肉盛溶

接、アーク溶接が挙げられ

流動性のある材料をノズル

から押出し、堆積させると同

時に固化させる。代表的な例

としてストラタシス社の商

FDM (Fused

Deposition Modeling) 法が

材料の液滴を噴射し、選択的

に堆積し固体化させる。代表

的な例としてインクジェッ

ト法が挙げられる。また、光

硬化性液体を噴射した上で

紫外線により光重合させる

粉末を敷いたある領域を熱

エネルギーによって選択的

代表的な例としてレーザ焼

結法、選択的レーザ溶融法、

電子ビーム溶融法が挙げら

概念図

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

付加製造方式

シート積層

(Sheet lamination)

液槽光重合

(Vat

photopolymerization)

また、上記のシステム技術によって実現可能となる

これは、付加製造でこそ作ることができる特殊な形状・構造に関する技術を指している。

代表的な

(格子状のような形)状の表面形状を持つ生体適合材料(人工骨など)を付加製造装置で

製造すると、その形状の特性から通常の人工骨よりも人体との適合性が良くなり、高付加

価値な医療製品となる。

4.方式別個別技術

付加製造方式ごと

ー堆積、粉末床溶融結合、液槽光重合方式ではレーザや電子ビームが装置の性能を決める

重要なコンポーネントとなる。材料押出方式では、熱可塑性樹脂を液体にした上で、堆積

すると同時に固化させる必要があるため、材料に熱エネルギーを加えるヒータなどの可塑

化器や冷凍装置を有する。

5.アプリケーション技術

付加製造装置を使ったアプリケーション技術(応用技術)を指す。本報告書では大きく

用途別と産業別の

イピングと呼ばれる試作品製作向け、実際に製品として用いる部品・パーツを製造する実

部品製造向け、各種型を作るために用いる成形型製造向けの大きく

産業別については、製造業、創造産業・文化産業、医療・ヘルスケア産業の区分けで大き

く分類している。

付加製造方式

シート積層

(Sheet lamination)

液槽光重合

photopolymerization)

出典:新野俊樹,

また、上記のシステム技術によって実現可能となる

これは、付加製造でこそ作ることができる特殊な形状・構造に関する技術を指している。

代表的な AM 固有設計技術としてラティス・テクノロジーが挙げられる。例えば、ラティス

(格子状のような形)状の表面形状を持つ生体適合材料(人工骨など)を付加製造装置で

製造すると、その形状の特性から通常の人工骨よりも人体との適合性が良くなり、高付加

価値な医療製品となる。

方式別個別技術

付加製造方式ごと

ー堆積、粉末床溶融結合、液槽光重合方式ではレーザや電子ビームが装置の性能を決める

重要なコンポーネントとなる。材料押出方式では、熱可塑性樹脂を液体にした上で、堆積

すると同時に固化させる必要があるため、材料に熱エネルギーを加えるヒータなどの可塑

化器や冷凍装置を有する。

アプリケーション技術

付加製造装置を使ったアプリケーション技術(応用技術)を指す。本報告書では大きく

用途別と産業別の

イピングと呼ばれる試作品製作向け、実際に製品として用いる部品・パーツを製造する実

部品製造向け、各種型を作るために用いる成形型製造向けの大きく

産業別については、製造業、創造産業・文化産業、医療・ヘルスケア産業の区分けで大き

く分類している。

概要

(Sheet lamination)

紙、樹脂、金属箔等のシート

状の材料を接着させる。

photopolymerization)

タンクにためられた液状の

光硬化性樹脂を光重合によ

って選択的に硬化させる。

代表的な例として光造形法

が挙げられる。

出典:新野俊樹,”3D プリンターが拓く新しいものづくり-付加製造による生産の可能性-

また、上記のシステム技術によって実現可能となる

これは、付加製造でこそ作ることができる特殊な形状・構造に関する技術を指している。

固有設計技術としてラティス・テクノロジーが挙げられる。例えば、ラティス

(格子状のような形)状の表面形状を持つ生体適合材料(人工骨など)を付加製造装置で

製造すると、その形状の特性から通常の人工骨よりも人体との適合性が良くなり、高付加

価値な医療製品となる。

方式別個別技術(Techniques for each type)

付加製造方式ごとに個別に有する機構・要素技術を指している。例えば、指向エネルギ

ー堆積、粉末床溶融結合、液槽光重合方式ではレーザや電子ビームが装置の性能を決める

重要なコンポーネントとなる。材料押出方式では、熱可塑性樹脂を液体にした上で、堆積

すると同時に固化させる必要があるため、材料に熱エネルギーを加えるヒータなどの可塑

化器や冷凍装置を有する。

アプリケーション技術(Application techniques)

付加製造装置を使ったアプリケーション技術(応用技術)を指す。本報告書では大きく

用途別と産業別の 2 つに大別してい

イピングと呼ばれる試作品製作向け、実際に製品として用いる部品・パーツを製造する実

部品製造向け、各種型を作るために用いる成形型製造向けの大きく

産業別については、製造業、創造産業・文化産業、医療・ヘルスケア産業の区分けで大き

く分類している。

概要

紙、樹脂、金属箔等のシート

状の材料を接着させる。

タンクにためられた液状の

光硬化性樹脂を光重合によ

って選択的に硬化させる。

代表的な例として光造形法

が挙げられる。

プリンターが拓く新しいものづくり-付加製造による生産の可能性-

また、上記のシステム技術によって実現可能となる

これは、付加製造でこそ作ることができる特殊な形状・構造に関する技術を指している。

固有設計技術としてラティス・テクノロジーが挙げられる。例えば、ラティス

(格子状のような形)状の表面形状を持つ生体適合材料(人工骨など)を付加製造装置で

製造すると、その形状の特性から通常の人工骨よりも人体との適合性が良くなり、高付加

(Techniques for each type)

に個別に有する機構・要素技術を指している。例えば、指向エネルギ

ー堆積、粉末床溶融結合、液槽光重合方式ではレーザや電子ビームが装置の性能を決める

重要なコンポーネントとなる。材料押出方式では、熱可塑性樹脂を液体にした上で、堆積

すると同時に固化させる必要があるため、材料に熱エネルギーを加えるヒータなどの可塑

(Application techniques)

付加製造装置を使ったアプリケーション技術(応用技術)を指す。本報告書では大きく

つに大別している。用途別については、いわゆるラピッド・プロトタ

イピングと呼ばれる試作品製作向け、実際に製品として用いる部品・パーツを製造する実

部品製造向け、各種型を作るために用いる成形型製造向けの大きく

産業別については、製造業、創造産業・文化産業、医療・ヘルスケア産業の区分けで大き

- 4 -

紙、樹脂、金属箔等のシート

状の材料を接着させる。

タンクにためられた液状の

光硬化性樹脂を光重合によ

って選択的に硬化させる。

代表的な例として光造形法

が挙げられる。

プリンターが拓く新しいものづくり-付加製造による生産の可能性-

また、上記のシステム技術によって実現可能となる

これは、付加製造でこそ作ることができる特殊な形状・構造に関する技術を指している。

固有設計技術としてラティス・テクノロジーが挙げられる。例えば、ラティス

(格子状のような形)状の表面形状を持つ生体適合材料(人工骨など)を付加製造装置で

製造すると、その形状の特性から通常の人工骨よりも人体との適合性が良くなり、高付加

(Techniques for each type)

に個別に有する機構・要素技術を指している。例えば、指向エネルギ

ー堆積、粉末床溶融結合、液槽光重合方式ではレーザや電子ビームが装置の性能を決める

重要なコンポーネントとなる。材料押出方式では、熱可塑性樹脂を液体にした上で、堆積

すると同時に固化させる必要があるため、材料に熱エネルギーを加えるヒータなどの可塑

(Application techniques)

付加製造装置を使ったアプリケーション技術(応用技術)を指す。本報告書では大きく

る。用途別については、いわゆるラピッド・プロトタ

イピングと呼ばれる試作品製作向け、実際に製品として用いる部品・パーツを製造する実

部品製造向け、各種型を作るために用いる成形型製造向けの大きく

産業別については、製造業、創造産業・文化産業、医療・ヘルスケア産業の区分けで大き

概念図

紙、樹脂、金属箔等のシート

状の材料を接着させる。

タンクにためられた液状の

光硬化性樹脂を光重合によ

って選択的に硬化させる。

代表的な例として光造形法

プリンターが拓く新しいものづくり-付加製造による生産の可能性-

東京大学生産技術研究所

また、上記のシステム技術によって実現可能となる AM 固有設計技術も重要な要素である。

これは、付加製造でこそ作ることができる特殊な形状・構造に関する技術を指している。

固有設計技術としてラティス・テクノロジーが挙げられる。例えば、ラティス

(格子状のような形)状の表面形状を持つ生体適合材料(人工骨など)を付加製造装置で

製造すると、その形状の特性から通常の人工骨よりも人体との適合性が良くなり、高付加

(Techniques for each type)

に個別に有する機構・要素技術を指している。例えば、指向エネルギ

ー堆積、粉末床溶融結合、液槽光重合方式ではレーザや電子ビームが装置の性能を決める

重要なコンポーネントとなる。材料押出方式では、熱可塑性樹脂を液体にした上で、堆積

すると同時に固化させる必要があるため、材料に熱エネルギーを加えるヒータなどの可塑

(Application techniques)

付加製造装置を使ったアプリケーション技術(応用技術)を指す。本報告書では大きく

る。用途別については、いわゆるラピッド・プロトタ

イピングと呼ばれる試作品製作向け、実際に製品として用いる部品・パーツを製造する実

部品製造向け、各種型を作るために用いる成形型製造向けの大きく

産業別については、製造業、創造産業・文化産業、医療・ヘルスケア産業の区分けで大き

概念図

プリンターが拓く新しいものづくり-付加製造による生産の可能性-

東京大学生産技術研究所

固有設計技術も重要な要素である。

これは、付加製造でこそ作ることができる特殊な形状・構造に関する技術を指している。

固有設計技術としてラティス・テクノロジーが挙げられる。例えば、ラティス

(格子状のような形)状の表面形状を持つ生体適合材料(人工骨など)を付加製造装置で

製造すると、その形状の特性から通常の人工骨よりも人体との適合性が良くなり、高付加

に個別に有する機構・要素技術を指している。例えば、指向エネルギ

ー堆積、粉末床溶融結合、液槽光重合方式ではレーザや電子ビームが装置の性能を決める

重要なコンポーネントとなる。材料押出方式では、熱可塑性樹脂を液体にした上で、堆積

すると同時に固化させる必要があるため、材料に熱エネルギーを加えるヒータなどの可塑

付加製造装置を使ったアプリケーション技術(応用技術)を指す。本報告書では大きく

る。用途別については、いわゆるラピッド・プロトタ

イピングと呼ばれる試作品製作向け、実際に製品として用いる部品・パーツを製造する実

部品製造向け、各種型を作るために用いる成形型製造向けの大きく 3 つに分類する。また

産業別については、製造業、創造産業・文化産業、医療・ヘルスケア産業の区分けで大き

プリンターが拓く新しいものづくり-付加製造による生産の可能性-

東京大学生産技術研究所

固有設計技術も重要な要素である。

これは、付加製造でこそ作ることができる特殊な形状・構造に関する技術を指している。

固有設計技術としてラティス・テクノロジーが挙げられる。例えば、ラティス

(格子状のような形)状の表面形状を持つ生体適合材料(人工骨など)を付加製造装置で

製造すると、その形状の特性から通常の人工骨よりも人体との適合性が良くなり、高付加

に個別に有する機構・要素技術を指している。例えば、指向エネルギ

ー堆積、粉末床溶融結合、液槽光重合方式ではレーザや電子ビームが装置の性能を決める

重要なコンポーネントとなる。材料押出方式では、熱可塑性樹脂を液体にした上で、堆積

すると同時に固化させる必要があるため、材料に熱エネルギーを加えるヒータなどの可塑

付加製造装置を使ったアプリケーション技術(応用技術)を指す。本報告書では大きく

る。用途別については、いわゆるラピッド・プロトタ

イピングと呼ばれる試作品製作向け、実際に製品として用いる部品・パーツを製造する実

つに分類する。また

産業別については、製造業、創造産業・文化産業、医療・ヘルスケア産業の区分けで大き

プリンターが拓く新しいものづくり-付加製造による生産の可能性-”,

講演資料

固有設計技術も重要な要素である。

これは、付加製造でこそ作ることができる特殊な形状・構造に関する技術を指している。

固有設計技術としてラティス・テクノロジーが挙げられる。例えば、ラティス

(格子状のような形)状の表面形状を持つ生体適合材料(人工骨など)を付加製造装置で

製造すると、その形状の特性から通常の人工骨よりも人体との適合性が良くなり、高付加

に個別に有する機構・要素技術を指している。例えば、指向エネルギ

ー堆積、粉末床溶融結合、液槽光重合方式ではレーザや電子ビームが装置の性能を決める

重要なコンポーネントとなる。材料押出方式では、熱可塑性樹脂を液体にした上で、堆積

すると同時に固化させる必要があるため、材料に熱エネルギーを加えるヒータなどの可塑

付加製造装置を使ったアプリケーション技術(応用技術)を指す。本報告書では大きく

る。用途別については、いわゆるラピッド・プロトタ

イピングと呼ばれる試作品製作向け、実際に製品として用いる部品・パーツを製造する実

つに分類する。また

産業別については、製造業、創造産業・文化産業、医療・ヘルスケア産業の区分けで大き

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- 5 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第3節 付加製造に関する技術開発・実用化の歴史

1.小玉氏による付加製造技術の発明

付加製造技術は、1980 年代に名古屋市工業研究所の職員であった小玉秀男氏が半導体加

工技術と新聞の版下作成技術から着想を得て光造形法(ASTM における液槽光重合法の一種)

のコンセプトを産みだしたところから始まる。小玉氏は 1980 年 4 月に個人で光造形法の特

許を出願しており、当該出願は 1981 年 11 月に出願公開(特開昭 56-144478)となってい

る。なお、光造形法とは、CAD データから作成された断面データにもとづき、レーザを液

状の光硬化性樹脂の表面に照射して硬化させることで造形を行う方式である。

ただし、当時は光造形法に対する周囲の目は厳しく、評価も芳しくなかったこと等から、

小玉氏は出願した特許に対し審査請求は行わなかった。

2.丸谷氏らによる研究開発と 3D システムズ社による事業化1

小玉氏による発明とほぼ同時期である 1984 年に、当時の大阪府立工業技術研究所(現:

地方独立行政法人 大阪府立産業技術総合研究所)の研究員であった丸谷氏らが同じく光

造形法に関する特許出願(特開昭 60-247515)を行ない、その後特許権を取得している。

その後、3D システムズ社(米国)による事業化の知らせを受け、日本でも 1987 年から

三菱商事と丸谷氏が中心となり共同研究を行い、三菱商事にて商品化を行なっている。

一方、丸谷氏らが特許を出願したわずか 3 ヶ月後の 1984 年 8 月には、米国でチャック・

ハル氏が同じく光造形法の実用化に関する特許を米国で出願(US-A1-4575330)した。日本

では 1985 年に出願をしている。

ハル氏は 1980 年に Ultra Violet Products 社(米国)に入社して、その後まもなく光造

形のアイデアを着想し、その 4 年後に特許出願にまでこぎつけたが、Ultra Violet Products

社では経営上の理由から付加製造装置の事業化はできなかった。その後、1986 年に Ultra

Violet Products 社取締役のレイモンド・フリード氏とパートナーを組み、現在の 3D シス

テムズ社を設立、世界で初めて付加製造装置の実用機を販売し、事業化を行なった。

3.粉末焼結積層造形法(Selective Laser Sintering)の発明と事業化2

光造形法による付加製造という技術の息吹が芽生えた 1980 年代、同時に他の方式に関す

る発明や特許出願もなされていた。1986 年からは、米国テキサス大学で Joseph J. Beaman

教授を中心にした 5 名の教授・助教授(約 30 名の大学院生を含む)により粉末焼結積層造形

法(Selective Laser Sintering、ASTM における粉末床溶融結合の一種)に関する研究プロ

ジェクトが開始され、翌年の 1987 年には粉末焼結積層造形装置を製造販売する目的で DTM

社(米国)が設立された。出資者にはテキサス大学も名を連ねており、同大学で取得され

た粉末焼結積層造形法に関する特許は、すべて DTM 社に独占使用権が与えられていた。

DTM 社は、3D システムズ社が有する特許や同社が進める知財戦略の動向を見据えた上で、

1992 年に製品の製造販売を開始している。その後、DTM 社は 2001 年に 3D システムズ社に

よって買収され、現在に至っている。

1 丸谷洋二,早野誠治,今中瞑,”積層造形技術資料集”,オプトニクス社,2000 年 2 アスペクト社ホームページ,http://www.aspect-rp.co.jp/sls1.htm(2014 年 1 月アクセス)

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第2章

第1節

1.付加製造

(1) 2000

て次のように推計・予測されている

年代始めは約

2012

著しく、前年比

(約

で拡大すると予測されており、今後も継続的な市場拡大が期待されている。

製品とサービスの内訳は各年半々程度となっており、どちらも重要な市場といえる。

なお、「製品」には付加製造装置本体、材料、消耗品などの周辺パーツが含まれ、「サー

ビス」には、パーツ精算代行サービス、システム保守契約、研修・セミナー、広告・出

版、導入コンサルティングが含まれる。

(2) 日本国内における付加製造技術の市場規模(出荷台数・出荷金額ベース)を

す。国内においても、

国内出荷台数が

20,000

出典:「

1 Wohlers

3D プリンター(

第1節 市場環境

付加製造(装置・サービス等)の市場規模

世界市場

2000 年~2021

て次のように推計・予測されている

年代始めは約

2012 年には約

著しく、前年比

(約 4,000 億円、

で拡大すると予測されており、今後も継続的な市場拡大が期待されている。

製品とサービスの内訳は各年半々程度となっており、どちらも重要な市場といえる。

なお、「製品」には付加製造装置本体、材料、消耗品などの周辺パーツが含まれ、「サー

ビス」には、パーツ精算代行サービス、システム保守契約、研修・セミナー、広告・出

版、導入コンサルティングが含まれる。

日本市場

日本国内における付加製造技術の市場規模(出荷台数・出荷金額ベース)を

す。国内においても、

国内出荷台数が

20,000 台、出荷金額

図 2 付加製造

出典:「3D プリンタ市場に関する調査結果

Wohlers Associates, Inc.,

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

プリンター(付加製造

市場環境

(装置・サービス等)の市場規模

2021 年までの付加製造の世界市場規模については、

て次のように推計・予測されている

年代始めは約 6 億ドル(約

年には約 22 億ドル(約

著しく、前年比 20%~30

億円、2012 年比で約

で拡大すると予測されており、今後も継続的な市場拡大が期待されている。

製品とサービスの内訳は各年半々程度となっており、どちらも重要な市場といえる。

なお、「製品」には付加製造装置本体、材料、消耗品などの周辺パーツが含まれ、「サー

ビス」には、パーツ精算代行サービス、システム保守契約、研修・セミナー、広告・出

版、導入コンサルティングが含まれる。

日本国内における付加製造技術の市場規模(出荷台数・出荷金額ベース)を

す。国内においても、2010

国内出荷台数が 1,692 台、出荷金額は

台、出荷金額 240

付加製造の日本

プリンタ市場に関する調査結果

http://www.yano.co.jp/press/pdf/1189.pdf

Associates, Inc., ”Wohlers Report 2013

509

3,505

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

2010年度 2011

出荷台数

出荷金額

(台)

注 1:事業者売上高ベース

注 2:見込は見込値、予測は予測値

注 3:金額は、ハードウエア単体で算出し、別売のソフトウェアやアクセサリー、材料などは含まない。

付加製造技術)

(装置・サービス等)の市場規模

年までの付加製造の世界市場規模については、

て次のように推計・予測されている1

億ドル(約 600 億円)であったが、その後

億ドル(約 2,200 億円)となっている。特に

30%の割合で増加している。

年比で約 2 倍)、

で拡大すると予測されており、今後も継続的な市場拡大が期待されている。

製品とサービスの内訳は各年半々程度となっており、どちらも重要な市場といえる。

なお、「製品」には付加製造装置本体、材料、消耗品などの周辺パーツが含まれ、「サー

ビス」には、パーツ精算代行サービス、システム保守契約、研修・セミナー、広告・出

版、導入コンサルティングが含まれる。

日本国内における付加製造技術の市場規模(出荷台数・出荷金額ベース)を

2010 年度~2012

台、出荷金額は

240 億円にまで拡大すると予測している。

の日本市場規模

プリンタ市場に関する調査結果

http://www.yano.co.jp/press/pdf/1189.pdf

Wohlers Report 2013

6381,692

4,125

6,500

2011年度 2012年度

出荷台数

出荷金額

:事業者売上高ベース

:見込は見込値、予測は予測値

:金額は、ハードウエア単体で算出し、別売のソフトウェアやアクセサリー、材料などは含まない。

- 6 -

技術)を取り巻く環境

(装置・サービス等)の市場規模

年までの付加製造の世界市場規模については、1。製品とサービスを合わせた総額については、

億円)であったが、その後

億円)となっている。特に

%の割合で増加している。

倍)、2021 年には

で拡大すると予測されており、今後も継続的な市場拡大が期待されている。

製品とサービスの内訳は各年半々程度となっており、どちらも重要な市場といえる。

なお、「製品」には付加製造装置本体、材料、消耗品などの周辺パーツが含まれ、「サー

ビス」には、パーツ精算代行サービス、システム保守契約、研修・セミナー、広告・出

版、導入コンサルティングが含まれる。

日本国内における付加製造技術の市場規模(出荷台数・出荷金額ベース)を

2012 年度にかけて市場が拡大しており、

台、出荷金額は 65 億円であり、これが

億円にまで拡大すると予測している。

規模推移および予測

2013」、2013

http://www.yano.co.jp/press/pdf/1189.pdf

Wohlers Report 2013”

1,692

10,000

15,0006,500

15,000

20,000

年度 2013年度

(見込)

2014(予測)

:金額は、ハードウエア単体で算出し、別売のソフトウェアやアクセサリー、材料などは含まない。

を取り巻く環境

年までの付加製造の世界市場規模については、

。製品とサービスを合わせた総額については、

億円)であったが、その後

億円)となっている。特に

%の割合で増加している。将来的には、

年には 108 億ドル(約

で拡大すると予測されており、今後も継続的な市場拡大が期待されている。

製品とサービスの内訳は各年半々程度となっており、どちらも重要な市場といえる。

なお、「製品」には付加製造装置本体、材料、消耗品などの周辺パーツが含まれ、「サー

ビス」には、パーツ精算代行サービス、システム保守契約、研修・セミナー、広告・出

日本国内における付加製造技術の市場規模(出荷台数・出荷金額ベース)を

年度にかけて市場が拡大しており、

億円であり、これが

億円にまで拡大すると予測している。

および予測(2010

2013 年 12 月 11 日、矢野経済研究所を元に作成

http://www.yano.co.jp/press/pdf/1189.pdf

15,00018,000

20,00022,000

2014年度

(予測)

2015年度

(予測)

:金額は、ハードウエア単体で算出し、別売のソフトウェアやアクセサリー、材料などは含まない。

年までの付加製造の世界市場規模については、Wohlers Report

。製品とサービスを合わせた総額については、

億円)であったが、その後 10 年間で

億円)となっている。特に 2010 年

将来的には、2015

億ドル(約 1

で拡大すると予測されており、今後も継続的な市場拡大が期待されている。

製品とサービスの内訳は各年半々程度となっており、どちらも重要な市場といえる。

なお、「製品」には付加製造装置本体、材料、消耗品などの周辺パーツが含まれ、「サー

ビス」には、パーツ精算代行サービス、システム保守契約、研修・セミナー、広告・出

日本国内における付加製造技術の市場規模(出荷台数・出荷金額ベース)を

年度にかけて市場が拡大しており、

億円であり、これが 2016

億円にまで拡大すると予測している。

2010 年度-2015

日、矢野経済研究所を元に作成

http://www.yano.co.jp/press/pdf/1189.pdf(2014

20,000

24,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

年度

(予測)

2016年度

(予測)

(百万円)

:金額は、ハードウエア単体で算出し、別売のソフトウェアやアクセサリー、材料などは含まない。

Wohlers Report

。製品とサービスを合わせた総額については、

年間で 2~3 倍に増加し、

年~2012 年の成長が

2015 年には 40

1 兆 800 億円)にま

で拡大すると予測されており、今後も継続的な市場拡大が期待されている。

製品とサービスの内訳は各年半々程度となっており、どちらも重要な市場といえる。

なお、「製品」には付加製造装置本体、材料、消耗品などの周辺パーツが含まれ、「サー

ビス」には、パーツ精算代行サービス、システム保守契約、研修・セミナー、広告・出

日本国内における付加製造技術の市場規模(出荷台数・出荷金額ベース)を図

年度にかけて市場が拡大しており、2012

2016 年度には出荷台数

15 年度)

日、矢野経済研究所を元に作成

2014 年 1 月アクセス)

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000(百万円)

Wohlers Report におい

。製品とサービスを合わせた総額については、2000

倍に増加し、

年の成長が

40 億ドル

億円)にま

製品とサービスの内訳は各年半々程度となっており、どちらも重要な市場といえる。

なお、「製品」には付加製造装置本体、材料、消耗品などの周辺パーツが含まれ、「サー

ビス」には、パーツ精算代行サービス、システム保守契約、研修・セミナー、広告・出

図 2 に示

2012 年度は

年度には出荷台数

日、矢野経済研究所を元に作成

月アクセス)

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

(3) 付加製造装置の販売・出荷台数

付加製造装置は機種によって単価が 10 万~1 億円以上までと大きく異なる。そのため

本項では大きく産業向け高価格帯付加製造装置の出荷台数推移と、個人向け低価格帯付

加製造それぞれについて販売・出荷台数を示す。また、今後の普及が期待される金属用

付加製造装置についても販売・出荷台数を示す。

なお、本報告書では付加製造技術を用いた装置全般を付加製造装置と称して表記して

いるが、産業向け高価格帯の付加製造装置と、個人向け低価格帯の付加製造装置ではそ

の精度や用途等は大きく異なるため、市場環境動向を分析する上でも両者は分けて考え

る必要がある。”Wohlers Report 2013”ではこの区分けラインを装置価格 5,000 ドル(約

50 万円)であるとしているが、国内有識者からは、この区分けラインはおおよそ 1,000

万円程度であると考えるのが妥当であるとの見解が聞かれた。

① 高価格付加製造装置

産業向け(プロフェッショナル向け)付加製造装置の販売台数推移について、Wohlers

Associates 社の予測によると、今後数年間は大きな伸びが期待できるとされている。

2012 年にはおよそ 7,700 台程度であった販売台数は、2014 年には 11,000 台にまで増加

すると予測されている。また、この販売台数の増加分は、主として販売単価が 5,000 ド

ル~20,000 ドルの付加製造装置によるものであるとしている1。

② 低価格付加製造装置

2009 年に材料押出方式の基本特許が期限切れとなったことを受け2、近年、種々のメ

ーカが材料押出方式の付加製造装置を低価格で製品化、販売している(材料押出方式の

主なメーカ、製品については後述参照)。

世界における個人向け付加製造装置(5,000 ドル未満)の販売台数については、2009

年から販売台数が急増しており、2012 年は 35,508 台と対 2009 年比で約 20 倍にまで増

加している。

また、別の調査では 10 万ドル未満(約 1,000 万円未満)の付加製造装置について、2013

年における出荷台数は 56,507 台であり、前年比で 49%増加する見込みであると報告さ

れている。さらに、2014 年には、前年比 75%増の 98,065 台にまで伸びると予測されて

いる3。

③ 金属用付加製造装置

金属用付加製造装置については、2012 年の時点で年間約 200 台が販売されている。

2.材料の市場規模

2012 年の 1 年間で販売された材料は約 4.2 億ドル(約 420 億円)となっている。材料市

場については 2009 年を除き 2001 年以降、付加製造装置本体の販売増に伴い同様に拡大し

1 Wohlers Associates, Inc., ”Wohlers Report 2013” 2 RepRage

http://reprage.com/post/44316648000/why-did-reprap-pick-fdm-and-not-another-3d-printing/

(2014 年 1 月アクセス) 3 Gartner 社プレスリリース http://www.gartner.com/nwesroom/id/2600115(2014 年 1 月アクセス)

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

ている。

材料市場全体のうち、フォトポリマー(感光性樹脂)の販売額は 2012 年に 2.1 億ドル(約

210 億円)であり、全体の販売額の 50.1%を占めている。レーザ焼結向けポリマーについ

ては 2012 年に 1.1 億ドル(約 110 億円)、金属材料の販売額は 2012 年に 0.25 億ドル(約

25 億円)と推計されている。

3.ユーザ業種

付加製造技術装置のユーザ業種に関し、世界の付加製造装置メーカおよびユーザに対し

行ったアンケートによると1、付加製造装置のユーザのおよそ 6 割が製造業関連(自動車、

航空宇宙、産業機械、民生品(消費財・電子機器))となっている。特に、民生品(消費財・

電子機器)および自動車産業向けで全体の 4 割を占め、付加製造装置の主要なユーザとな

っている。

4.用途

付加製造装置市場における用途に関し、世界の付加製造装置メーカおよびユーザに対し

行ったアンケートによると 2、「嵌合・組立の検証」と「機能検証モデル」の合計が 46%を

占め、製造業における試作品製作(ラピッドプロトタイピング用途)のための利用が大半

を占める。一方で、近年は、製造業において金属部品の製造のために必要となる型を付加

製造装置により直接製造するニーズが高まっており、「金属の成形品向け型」が 11%を占

める。

5.地域別の導入台数

付加製造装置の地域別導入台数は、米国が約 4 割を占め、単年導入台数でも北アメリカ

が約 4 割を占めることから、米国において付加製造技術の開発や導入が盛んであることが

分かる。日本は第二の市場となっており、ドイツ、中国がそれに続く市場となっている。

第2節 主要プレイヤー

プロフェッショナル/産業向けの付加製造装置を開発・製造・販売しているメーカは世

界でおよそ 30 社程度存在する。最近では、低価格の付加製造装置を製造・販売する新興メ

ーカも出現しており、プレイヤーは拡大傾向にあるといえる。本節では、産業向け(プロ

フェッショナル向け)の付加製造装置を中心に主要な製造メーカの動向を整理する。

1.販売台数シェア

世界の主要な付加製造装置メーカにおける年間販売台数シェアについては、米国におけ

る 2 大メーカのシェアが大きく、オブジェットやソリッドスケープ等を買収したストラタ

シスは 50%超のシェアを占めてトップとなっている。また、Z コーポレーション等を買収し

た 3D システムズは 20%弱のシェアを占めて 2 位となっている 1。

なお、Wohlers Associates 社のレポートにおける販売台数シェアについては、1 台あた

りの価格が 5,000 ドル(約 50 万円)以上の付加製造装置を対象としたものである。付加製

1 Wohlers Associates, Inc., ”Wohlers Report 2013”

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第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

造装置は機種によって単価が数十万~1 億円以上までと大きく異なり、各社が主力とする

価格帯も異なることから、販売台数の大小から売上高の大小を推測することは困難である

ことに留意されたい。

2.主要プレイヤーと付加製造方式

前項で述べたような様々な付加製造装置メーカから、様々な造形方式による付加製造装

置が発売されている。これらの多様な製品について、方式ごとにその特徴、プレイヤーを

一覧にて整理した結果を表 2 に示す。

表 2 カテゴリ・方式ごとの概要と代表的プレイヤー

付加製造方式 代表的方式 代表的メーカ

結合剤噴射

バインダジェット法 3D システムズ(米国、旧 Z コーポレーション)

エックス・ワン(米国)

ボクセルジェット(ドイツ)

指向エネルギー

堆積

肉盛り溶接

(レーザ、電子ビーム)

アーク溶接

オプトメック(米国)

シアキー(米国)

トルンプ(ドイツ)

材料押出 熱溶解積層法(FDM 法) ストラタシス(米国)

材料噴射

インクジェット法 ストラタシス(米国)

(旧ソリッドスケープ、旧オブジェット)

粉末床溶融結合

レーザ焼結法

レーザ選択溶接法

電子ビーム溶接法

EOS(ドイツ)

3D システムズ(米国)

(旧 DTM, フェニックス・システムズ)

SLM ソリューションズ(ドイツ)

コンセプト・レーザ(ドイツ)

アーカム(スウェーデン)

松浦機械製作所

アスペクト

シート積層 シート積層造形法 ソリド(イスラエル)

エムコア・テクノロジーズ(アイルランド)

液槽光重合

光造形法 シーメット

3D システムズ(米国)

第3節 訴訟・ライセンス動向

1.近年の付加製造装置を巡る訴訟

複雑かつ多様な要素技術を 1 つの装置としてシステム化することで機能を実現する付加

製造装置は、その中に多くの特許が関連する装置でもある。近年、新興の消費者向け低価

格帯付加製造装置メーカが多く登場し販売台数を伸ばしてきたことから、3D システムズや

ストラタシスといった老舗メーカが新興メーカを相手取り特許侵害訴訟を起こす例が出て

いる。近年取り上げられている主な特許訴訟の概要について、表 3 に整理する。

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第6部

表 3 付加製造装置を巡る訴訟事例

原告 被告 概要(対象特許等)

3D システムズ1 Formlabs/

Kickstarter

2012 年 11 月、3D システムズは消費者向け低価

格帯付加製造装置メーカ Formlabs が発売する

Form1 という付加製造装置について、同社の特許を

侵害しているとしてサウスカロライナ州連邦地方

裁判所に訴えを起こした。

Form1 は光造形方式を取る付加製造装置であり、

対象となる特許は光造形における複数レイヤーの

同時カールに関するものである。(US5597520 A)

また、3D システムズは Formlabs を訴えると同時

に、Form1 を販売するクラウドファンディングサイ

トの Kickstarter も同時に提訴している。

ストラタシス2 Microboards

Technology, LLC,

2013 年 11 月、ストラタシスは消費者向け低価格

帯付加製造装置メーカ Microboards Technology,

LLC,が販売する Afinia H-Series について、同社

の特許を侵害しているとしてミネソタ州連邦地方

裁判所に損害賠償を求めて訴えを起こした。

この提訴では、ストラタシスが保有する 4 つの

特許を対象としている。1 つ目は制御多孔性 3 次元

モデリングに関するもの(US5653925A)、2 つ目は

押出加工をするためのシーケンスを算出するもの

(US5866058A)、3 つ目は所望のパターンを実現す

るために材料を凝固させる加熱機構を有する押出

ヘッドに関するもの(US6004124A)、4 つ目は立体

モデルの継ぎ目を目立たなくする方法に関するも

の(US8349239B2)である。

EOS3 Phenix Systems 2012 年 4 月、EOS は北米で Phenix Systems が販

売しているレーザ焼結タイプの付加製造装置につ

いて、同社の特許を侵害しているとしてイリノイ

州の連邦地方裁判所へ訴えを起こした。

この訴訟では、レーザ焼結方式において粉末材

料の層を連続的に固化する技術に関するもの

(US5753274A)、および積層時に用いるベースプレ

ートとそれを用いた積層方法に関するもの(US

6042774A)を対象としている。

1 3D システムズ,プレスリリース,

http://www.3dsystems.com/press-releases/3d-systems-announces-filing-patent-infringement-suit

-against-formlabs-and-kickstarter(2014 年 1 月アクセス) 2 ストラタシス,プレスリリース,http://investors.stratasys.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=809438

(2014 年 1 月アクセス) 3 EOS,プレスリリース,http://www.eos.info/press/press_releases/2012_120412(2014 年 1 月アクセス)

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

2.付加製造に関する最近の話題

(1) 付加製造装置を利用した実部品製造

1990 年代初頭から、主として製造業の開発・設計現場において試作品や機能確認モデ

ルを迅速に作成することを目的として付加製造装置が導入されてきた。その後、2000 年

代前半~半ば頃より、材料特性や造形精度の向上に伴い付加製造装置を用いて製造現場

における組立用治具や特注の部品を直接3D CADデータから製造する使われ方が増えてき

た。このように、実部品を付加製造装置で直接製造する手法は RP(ラピッド・プロトタ

イピング)と比較して RM(ラピッド・マニュファクチャリング)と呼ばれるようになり、

ストラタシス社はこれを独自に DDM(Direct Digital Manufacturing)と名付けている。

(2) 触感を表現するデジタルマテリアル技術

デジタルマテリアルとは、二種類の異なる造形材料を特定の濃度や構造で合成するこ

とで、目的とする特性(透明/色つき/不透明、硬質/軟質、耐熱性、靭性)を持たせ

ることが可能となる技術であり、オブジェット社が開発した複合樹脂材料のことである。

デジタルマテリアルとそれに対応する付加製造装置を用いて造形を行うことで、複数

パターンの特性を持つ試作品を一度に制作し、耐久試験やマーケティングに活用するこ

とができる。例えば、リモコンのボタンスイッチの押し具合について、デジタルマテリ

アルにより硬度を変えたボタンを用意してその機能やデザインを評価する、といった使

い方ができる。

(3) 医療分野での応用

付加製造装置を医療現場で活用する動きも広がっている。

代表的な応用事例として、医師の手術支援が挙げられる。CT スキャンによる患者の断

層撮影データを利用して半透明の臓器モデルを作成、医師が手術前に手にとって事前に

血管の方向や取り除くべき腫瘍の正確な位置を確認することで、手術の精度を上げるこ

とが可能となる。実際の手術前確認のためのみならず、経験の浅い外科医がスキルを向

上させるための手術シミュレーションとして、臓器モデルを用いることも想定されてい

る。

付加製造装置による造形物を人体の一部として移植する取り組みとして、カスタムメ

イド人工骨の作成が挙げられる。先天性疾患や事故により骨が損傷した場合には、現在

は患者自らの骨を健常部より摘出の上、患部へ移植する自家骨移植が行われている。た

だし自家骨移植は患者への負担が大きく、摘出量や審美性にも制限があることから、CT

画像データをもとに付加製造装置で人工骨を短時間のうちに造形し、患者へ移植する手

術を行う。この手法は特に形状が複雑な顔面の骨に対し有効であるとされ、国内では東

京大学と再生医療ベンチャーであるネクスト 21 が実用化へ向けて臨床試験を進めてい

る。

また将来技術として、骨だけでなく人間の細胞をプリントして臓器を作成し、患者へ

移植を行う「3D バイオプリンター」に関する研究も進められている。富山大学工学部生

命工学科の中村真人教授は生物の細胞を生きたまま、インクジェットタイプの付加製造

装置で打ち出し細胞組織をつくり上げる「バイオファブリケーション」に関する研究を

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

進めている1。バイオファブリケーションによって生きた臓器を製造し再生医療に応用さ

れるまでにはまだまだ超えるべき技術課題は多いが、2009 年には国際ジャーナルが創刊

されるなど、バイオファブリケーションの研究は世界的に盛んになっている2。

(4) 食品分野での応用

付加製造装置を用いて、食品をそのまま製造してしまおうという研究も行われている。

2013 年 10 月には、米国の NASA(アメリカ航空宇宙局)が食品用の付加製造装置を開発

するプロジェクトに出資したことが話題となった。この食品用付加製造装置の基本的な

概念は、水と小麦粉をベースにしたペーストを温めた皿の上に絞り出すことでピザを製

造する、といったもので、宇宙ステーションに長期滞在したり火星など他の惑星へ有人

探査を行なったりする宇宙飛行士が、過酷環境において食事を摂取するための有効な手

段として可能性を秘めているといえる。

付加製造装置大手メーカの 3D システムズも、食品用付加製造装置に注目している。

2013 年 8 月に、砂糖菓子のプリンティングを専門とする Sugar Labs を買収し、モノク

ロまたはフルカラーにて、砂糖で出来た造形物を出力できる ChefJet シリーズを発表し

た。ChefJet シリーズは、プロの菓子職人が利用することを想定し、本体に加えてデジ

タルレシピ集が付属されている。

(5) 付加製造装置を活用した活動(Fab Lab)

三次元 CAD や付加製造装置をはじめとするデジタル工作機械の低価格化が進み、ユー

ザの裾野が広がりつつある中で、誰もがものづくりのために使えるオープンな市民工房

としての Fab Lab(ファブラボ)が近年注目されている。

Fab Lab とは ”Fabrication Laboratory” の略で、「コミュニティ型実験工房」を意

味する。また「ファブ(Fab)」には「Fabrication(ものづくり)」と「Fabulous(素晴ら

しい)」の 2 つの意味が込められている。もともとは米国マサチューセッツ工科大学のニ

ール・ガーシェンフェルド教授が提唱し、教授がセンター長を勤める CBA(Center for

Bits and Atoms)という研究センターが市民団体や海外等と連携する過程で世界に広め

られてきた。Fab Lab は 2000 年に初めて誕生してから、2013 年現在では世界に約 250

箇所の Fab Lab が存在している。

一般的な Fab Lab では、付加製造装置やレーザカッターをはじめとするデジタル工作

機械を備え、市民がそれら機材を自由に利用し、個人でものづくり活動を行うことがで

きる。また各地の Fab Lab はグローバルな Fab Lab ネットワークに参加しており、Fab Lab

で生まれた成果やものづくり知識を世界規模で共有することが可能となっている。

我が国でも、2010 年に Fab Lab Japan が設立され、慶應義塾大学 SFC 研究所の田中浩

也准教授らが中心に活動し、2011 年には国内初の Fab Lab として FabLab Kamakura(神

奈川県鎌倉市)と FabLab Tsukuba(茨城県つくば市)がオープンした。その後、FabLab

Shibuya(東京都渋谷区)もオープンし、国内の各地でファブラボ設立に向けての検討が

1 富山大学 中村研究室・研究テーマ『機械で臓器が作れるか』

http://pse.eng.u-toyama.ac.jp/bio7A/index.html(2014 年 1 月アクセス) 2 サイエンスチャンネル「細胞から組織・臓器へ 再生医療の様々なアプローチ」(2013 年 10 月 3 日配信)

http://sc-smn.jst.go.jp/playprg/index/7007(2014 年 1 月アクセス)

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第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

進められている。

こうした活動は「パーソナルファブリケーション(個人製造)」や「DTF(デスクトッ

プファブリケーション)」と呼ばれ、従来からの大企業による大量生産やマーケットの論

理に制約されていたものづくりを中小企業や個人がより垣根なく行えるようにすること

で裾野が広がり、技術的なイノベーション創出を後押しする取り組みとして注目されて

いる。

第4節 政策動向

1.日本

安倍政権は日本再興戦略において、3D プリンターを重要な産業として位置付けており、

「素材や機械制御技術等の日本の強みを活かし、3 次元造形システムの研究開発を国家プ

ロジェクトとして推進する」などの構想を発表している。

2014 年 2 月には経済産業省が「新ものづくり研究会」の報告書を公表したほか、平成 26

年度の経済産業省予算案において、「三次元造形技術を核としたものづくり革命プログラム」

が盛り込まれ、40 億円が予算計上中である。付加製造に関連する技術開発プロジェクトは、

「次世代素材等レーザ加工技術開発プロジェクト」、「超精密三次元造形システム技術開発

プロジェクト」である(表 4)。

表 4 日本の技術開発プロジェクト

管 プロジェクト 期間

予算

(単年度) 対象技術

次世代素材等レーザ加工

技術開発プロジェクト

2010 年~

2013 年

8.92 億円1 チタン合金の粉末積層造形加工の基盤技

超精密三次元造形システ

ム技術開発プロジェクト

2013 年~

2018 年

1.5 億円 高速三次元(3D)積層造型技術の開発

耐熱積層鋳型による高融点金属鋳造技術

の開発

局所的冷却性能制御技術の開発

三次元造形技術を核とし

たものづくり革命プログ

ラム

2014 年~ 40 億円(予

算計上中)

金属等粉末開発及び粉末修飾技術

耐熱積層鋳型による高融点金属鋳造技術

周辺技術(高機能複合部材の開発、後加工、

未使用粉末の回収等技術)

次世代 3 次元内外計測の評価基盤技術開

2.米国

オバマ大統領が一般教書演説にて付加製造に言及するなど、米国政府自らが産官学連携

を促進し、産業界全体のイノベーションに繋げようとしている。

2012年 3月に政府は 10億ドルを投じて National Network for Manufacturing Innovation

1 3D プリンターの関連分野以外も含む

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第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

(NNMI)を設立した。これは Institution for Manufacturing Innovation(IMI)と呼ばれ

る各地域の研究機関によって構成されている積層技術の研究ネットワークで、企業・大学・

政府が共同で研究を行う。今後 15 の IMI を全米で設立する予定である。

2012 年 8 月には、3 千万ドルを投じて国防省、エネルギー省、商務省、NSF によって NNMI

のパイロット機関である NAMII がオハイオ州ヤングストンに設立された。2013 年 4 月の時

点で 74 の組織が NAMII のメンバーとなっている。NAMII のゴールは、政府・大学の研究と

民間企業への橋渡しを行い、付加製造技術の実用化を促進することである。この他、国防

省が主導した Digital Manufacturing and Design Innovation(DMDI)、Lightweight and

Modern Metals Manufacturing、エネルギー省が主導している Next Generation Power

Electronic Manufacturing(NGPEM)等が設立もしくは設立される予定である。NAMII は 2012

年 11 月に第 1 回プロジェクト公募を行い、電子ビームなどの開発プロジェクトに対し、950

万ドルを拠出している(表 5)。2013 年 8 月に第 2 回の公募が開始された。

表 5 米国の技術開発プロジェクト

所管 プロジェクト 対象技術・材料

American

Makes

Maturation of Fused Depositing

Modeling (FDM) Component

Manufacturing

高温ポリマーULTEMTM9085

Thermal Imaging for Process

Monitoring and Control of

Additive Manufacturing

電子ビーム直接製造

Rapid Qualification Methods for

Powder Bed Direct Metal

Additive Manufacturing

Processes

EOS レーザ焼結と Arcam Electron Beam

Melting (EBM®)の粉末積層プロセス

Fused Depositing Modeling (FDM)

for Complex Composites Tooling

ポリマー素材の複合製造技術開発

Manuration of High-Temperature

Selective Laser Sintering(SLS)

Technologies and

Infrastructure Seletive Laser

Sintering(SLS)

選択的レーザ焼結

3.中国

現在、中国では大学機関が大半の付加製造装置を所有しており、西安交通大学、華中科

技大学、清華大学の 3 つの大学が中心的な研究機関である。西安交通大学は光硬化技術の

研究を、華中科技大学はレーザ粉末焼結技術の研究を、清華大学はプラスチック積層技術

の研究を重点的に行っている。

政策面では、中国工業情報化部による技術開発計画(2012 年)、積層造形技術戦略計画

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第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

(2012 年)などの国の関連長期戦略の策定が行われている。

また、2012 年 10 月に国・大学・企業が共同出資し 3D プリンター技術産業連盟を立ち上

げた。同連盟は技術開発・実用化のほか、技術標準の制定を視野に入れている。大学では

北京航空航天大学、精華大学などが参加している。

この他、中国 3D プリンター研究所の設立として、2013 年 8 月に中国 3D プリンター研究

所(The 3D Printing Research Institute of China)が南京に設立された。医療、防衛、

航空宇宙、自動車産業など幅広い分野に導入できる付加製造の研究開発を行う。政府は今

後、合計 2 億元の予算で南京と同様の研究所を中国各地に 9 か所設立する方針を打ち出し

ている。

4.欧州

欧州では以前までは各国が独自に研究開発を進めていたが、2012 年頃から欧州連合(EU)

全体としての取り組みがなされるようになった。EU の政策としては、The European

Collaboration on Additive Manufacturing (ECAM)が各国の研究機関をまとめるコンソ

ーシアムを組織している。ECAM は欧州内で分散していた積層技術の関連機関を統合するこ

とで、製造業を強化し欧州経済の発展に貢献する目的のもとに設立された。これには

Siemens AG を始め、オランダ応用研究機構(TNO)、Fraunhofer、DTI、Materialise など、

欧州の企業、非営利組織などが参加している。2013 年 6 月 に Strategic Research Agenda

(SRA) 2013 for Additive Manufacturing を公開している。また、EU における科学技術

の研究・開発に対する財政的支援制度である第 7 次「フレームワークプログラム」(FP7)

が 2007 年 1 月から 2013 年まで実施された。さらに、FP7 の次のプログラムとして Horizon

2020 が 2014 年から開始されている。3D プリンターに関連する分野では、ナノテク素材に

関するプロジェクトが公募されている。

英国の政策として、2012 年 10 月 22 日、英国科学大臣 David Willetts は、積層技術の

革新のために 700 万ポンドの英国政府による投資を行う事を発表した。広範な商業的開拓

のため、付加製造の技術成熟度を上げることを特に重視しており、キーとなる技術適用分

野に航空宇宙、医療機器、インプラント、発電を挙げている。

2013 年 8 月に英国の技術戦略員会(TSB)は、18 の付加製造プロジェクトに合同で資金

提供するため、物理科学研究委員会(EPSRC)、経済社会研究委員会(ESRC)、芸術・人文科

学研究会議(AHRC)と協力して合計 840 万ポンドをプロジェクトへ投資することを決定し

た。英国の主要な付加製造装置メーカである 3T RPD が資金の受け取り手の一つで、整形外

科用インプラントの表面加工技術や色付部品を製造可能とする新素材の研究に取り組む。

オランダでは、オランダ応用研究機構(Netherlands Organization for Applied Scientific

Research:TNO)がオランダ政府からの資金提供を受け積層技術研究の主要な役割を担って

いる。同機構は科学技術分野における応用科学研究を行うことを目的としてオランダ議会

によって 1932 年に設立された、欧州では最大規模を誇る中立の総合受託試験研究機関。積

層技術に関しては高充填材料を用いたマイクロ光造形、インクジェット技術を用いた複数

材料印刷、付加製造における金属接続技術開発プログラムなどに取り組んでいる。

欧州における技術開発プロジェクトについて、表 6 に示す

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第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

表 6 欧州の技術開発プロジェクト

プロジェクト 期間 予算

(プロジェクト期間) 対象技術・材料

Reinforcing Additive

Manufacturing Research

cooperation between CMRDI

and the European Research

Area(FP7)

- 50 万ユーロ1

(約 6,600 万円)

チタン、コバルト、セラミ

ック素材

FastEBM(FP7)

2011 年

~2013

- 電子ビーム積層造形の生

産性向上にむけた高出力

電子ビームガンの開発

Additive Manufacturing

Aiming Towards Zero Waste &

Efficient Production of

High-Tech Metal Products

(FP7)

2013 年

~2017

1,879 万ユーロ

(約 24 億円)

金属素材

PhoCam(FP7) 2010 年

~2013

360 万ユーロ

(約 4.7 億円)

フォトポリマ素材を用い

た光造形技術

Horizon 2020

2013 年

~2015

6,600 万ユーロ(約 87 億

円)

ナノテク素材

高付加価値製造カタパルト(英

国)

2011 年

1 億 4,000 万ポンド(約

239 億円)2

医療機器、宝飾品、航空宇

宙産業

フラウンホーファー積層造形

アライアンス(ドイツ)

‐ ‐ 医療機器、航空宇宙産業

Direct Manufacturing

Research Center(DMRC)(ドイ

ツ)

2008 年 1,100 万ユーロ(約 14 億

円)

設計ルール、コスト分析、

リペア、複雑形状、材料開

発、強度評価

PENROSE(オランダ) ‐ ‐ 埋め込み型電子機器、人体

関連機器

EFRO-Raplab プロジェクト(ベ

ルギー)

2010 年

~2012

‐ -

Sirris(ベルギー) ‐ ‐ ヘルスケア、バイオテクノ

ロジー

Leuven-MRC(ベルギー) 2005 年

‐ 金属、セラミックス、ポリ

マー

1 1 ユーロ=132 円にて換算 2 1 ポンド=171 円にて換算

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第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

ドイツでは、フラウンホーファー研究機構が積層造形に関する産学官のアライアンスを

締結している。フラウンホーファー積層造形アライアンスは、付加製造方法、プロセスの

開発、応用、推進から成る付加製造プロセスチェーンを形成するため、ドイツ全土に拠点

を置く 11 機関を包括している。医用生体工学、マイクロシステム工学、航空宇宙工学、工

具製作などが研究対象となっている。 また、The Direct Manufacturing Research Center

(DMRC:2008 年に Boeing、EOS Electro Optical Systems、Evonik Industries、SLM Solutions

GmbH とパダーボーン大学により設立)で、直接製造に特化した多くのテーマでの研究を行

っている。

第5節 標準化動向

1.ASTM インターナショナルにおける取組み

ASTMインターナショナルにおいて、2009年に積層技術に関するF42委員会が設立された。

既に 100 を超える世界中の学界、産業界、政府関係者がメンバーになっており、欧米出身

者が最も多い。年に二回の会合を開いている。サブ委員会は試験方法(F42-01)、設計

(F42-04)、素材と製造過程(F42-95)、専門用語(F42-91)の 4 つで構成されている。2013

年 4 月の時点で、以下が制定されている。

①積層技術に関する用語

②座標系と試験方法

③STL ファイルフォーマットの代替である AMF ファイルフォーマット

④粉末床溶融結合方式(レーザ焼結タイプ)過程における Ti-6Al-4V の要求事項

⑤粉末床溶融結合方式(レーザ焼結タイプ)過程における Ti-6Al-4V-ELI の要求事項

その他、材料のトレーサビリティや適格性、粉末床溶融結合方式(レーザ焼結タイプ)

ポリマー、金属粉末床溶融結合材料/システム結合、エネルギー堆積過程などの規格が開発

中である。NIST の材料基準にもとづき積層技術の材料特性の計測法が検討されているなど、

ASTM の規格には NIST のメンバーが積極的に関与している。

2.国際標準化機構(ISO)における取組み

積層技術に関する ISO の技術委員会として、ISO TC261 が立ち上がっている。幹事国は

ドイツであり、日本、米国を含む 16 か国の参加国と 5 か国のオブザーバから構成され、用

語の定義、製造過程(ハードとソフト両面)、試験手順などの標準化について議論している。

ISO TC261 は 4 つのワーキンググループ(WG 1:専門用語/WG 2:方法、プロセス、素

材/WG 3:試験方法/WG 4:データ処理)から構成されている。

2013 年初めに ASTM F42 と ISO TC261 が規格開発のロードマップを共有すると発表し、

TC261 は、ASTM の規格をもとに以下の規格を発行した。

① 積層技術に関する用語

付加製造技術ファイルフォーマット(AMF)Version 1.1 の基本的な仕様を規定。

ASTM F2915-12 に基づいている。

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第4部

第5部

資料編

第6部

② ISO/ASTM 52921:2013 Coordinate system システムと試験方法に関する付加製造技術の専門用語を規定。

ASTM F2921-11 に基づいている。

3.各国(地域)における取組み

(1) SASAM(The Suport Action for Standardisation in AM)

2012 年 9 月に欧州委員会により設立され、欧州内での積層技術の標準化を推進してい

る 18 か月間のプロジェクト。TNO がリーダーを担っており、シーメンス、Sirris、

Materialise などの研究機関とメーカや、オランダ、フランス、スウェーデンの標準化

機構が参画している。また、CEN が積極的にサポートしている。

(2) BSI(British Standard Institution Committee AMT/8)

積層技術に関する英国標準化機構の委員会。専門用語、方法、プロセス、素材、試験

方法など以下の 5 つの標準を開発している。

4.付加製造に関する規制動向

付加製造の造形物を実部品として利用する際には、関連する規制への留意が必要となる。

主なものとしては、EU で化学物質(調剤中の物質も該当)を年間1トン以上製造又は輸入

する事業者に対し登録手続を義務付けているREACH規制、EU域内で電気電子機器類(家電、

コンピューター、通信機器など)について有害な化学物質の使用を禁止する RoHS 規制が存

在する。また、一般的に光造形で用いられる素材には生体への毒性があるため、医療用へ

の利用を検討する場合には留意が必要である。

粉末床溶融結合では材料として粉末が用いられるため、労働環境において粉じん対策が

求められる。日本では労働安全衛生法に基づき粉じん障害防止規則が定められており、生

産現場における対策が必要である。

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第3章

第1節

本調査では、出願年(優先権主張年)を基準に、

製造に関する特許文献を対象とした。データベースはトムソン・ロイターが提供する

(Derwent World Patent

この結果、抽出された

造とは関係のないものに関しては除外を行い、結果として

った。

今回調査した特許の出願先国は、日本、米国、欧州、中国、韓国、イスラエルへの出願

および国際特許出願(

出願(

た国への出願も対象とした。

付加製造

溶融結合、シート積層、液槽光重合)に関連するシステム技術、材料技術、個別要素技術

を調査対象として設定し、対応する検索式および技術解析軸を設定した。

第2節

全ての出願人国籍(日米欧中韓、その他国籍)による出願について、出願先国別の出願

件数推移を

2004 年に約

出願が全体の

注)2010

い可能性がある。

合計4,318件

欧州への

出願

1,305件

30.2%

中国への

出願

490件

11.3%

3D プリンター(

第1節 調査方法と調査対象特許

本調査では、出願年(優先権主張年)を基準に、

に関する特許文献を対象とした。データベースはトムソン・ロイターが提供する

Derwent World Patent

この結果、抽出された

とは関係のないものに関しては除外を行い、結果として

った。

今回調査した特許の出願先国は、日本、米国、欧州、中国、韓国、イスラエルへの出願

および国際特許出願(

出願(EPC 出願)だけでなく、

た国への出願も対象とした。

付加製造の各種方式(結合剤噴射、指向エネルギー堆積、材料押出、材料噴射、粉末床

溶融結合、シート積層、液槽光重合)に関連するシステム技術、材料技術、個別要素技術

を調査対象として設定し、対応する検索式および技術解析軸を設定した。

第2節 全体動向調査

全ての出願人国籍(日米欧中韓、その他国籍)による出願について、出願先国別の出願

件数推移を図 3

年に約 150

出願が全体の 30.2%

図 3 出願先国別出願件数推移(出願年(優先権主張年):

2010 年以降はデータベース収録の遅れ、

い可能性がある。

合計4,318件

米国への

韓国への

出願

219件

5.1%

プリンター(付加製造

調査方法と調査対象特許

本調査では、出願年(優先権主張年)を基準に、

に関する特許文献を対象とした。データベースはトムソン・ロイターが提供する

Derwent World Patents Index

この結果、抽出された 22,51

とは関係のないものに関しては除外を行い、結果として

今回調査した特許の出願先国は、日本、米国、欧州、中国、韓国、イスラエルへの出願

および国際特許出願(PCT 出願)である。欧州への出願については、欧州特許庁への広域

出願)だけでなく、

た国への出願も対象とした。

の各種方式(結合剤噴射、指向エネルギー堆積、材料押出、材料噴射、粉末床

溶融結合、シート積層、液槽光重合)に関連するシステム技術、材料技術、個別要素技術

を調査対象として設定し、対応する検索式および技術解析軸を設定した。

全体動向調査

全ての出願人国籍(日米欧中韓、その他国籍)による出願について、出願先国別の出願

3 に示す。日米欧中韓への出願は

150 件減少、その後はほぼ横ばいの傾向にある。累積出願件数では、欧州への

30.2%、次いで米国への出願

出願先国別出願件数推移(出願年(優先権主張年):

年以降はデータベース収録の遅れ、

い可能性がある。

日本への

出願

1,069件

24.8%

米国への

出願

1,235件

28.6%

付加製造技術)の特許出願

調査方法と調査対象特許

本調査では、出願年(優先権主張年)を基準に、

に関する特許文献を対象とした。データベースはトムソン・ロイターが提供する

Index)を使用し、検索式を設定して対象特許の抽出を行った。

22,516 件(ファミリー単位)の特許について分析を行った。

とは関係のないものに関しては除外を行い、結果として

今回調査した特許の出願先国は、日本、米国、欧州、中国、韓国、イスラエルへの出願

出願)である。欧州への出願については、欧州特許庁への広域

出願)だけでなく、EPC 加盟国のうち使用した特許検索データベースに収録され

た国への出願も対象とした。

の各種方式(結合剤噴射、指向エネルギー堆積、材料押出、材料噴射、粉末床

溶融結合、シート積層、液槽光重合)に関連するシステム技術、材料技術、個別要素技術

を調査対象として設定し、対応する検索式および技術解析軸を設定した。

全ての出願人国籍(日米欧中韓、その他国籍)による出願について、出願先国別の出願

に示す。日米欧中韓への出願は

件減少、その後はほぼ横ばいの傾向にある。累積出願件数では、欧州への

、次いで米国への出願

出願先国別出願件数推移(出願年(優先権主張年):

年以降はデータベース収録の遅れ、PCT

出願先国

出願件数

340

0

100

200

300

400

500

600

2001

日本への出願

- 19 -

技術)の特許出願

本調査では、出願年(優先権主張年)を基準に、

に関する特許文献を対象とした。データベースはトムソン・ロイターが提供する

)を使用し、検索式を設定して対象特許の抽出を行った。

件(ファミリー単位)の特許について分析を行った。

とは関係のないものに関しては除外を行い、結果として

今回調査した特許の出願先国は、日本、米国、欧州、中国、韓国、イスラエルへの出願

出願)である。欧州への出願については、欧州特許庁への広域

加盟国のうち使用した特許検索データベースに収録され

の各種方式(結合剤噴射、指向エネルギー堆積、材料押出、材料噴射、粉末床

溶融結合、シート積層、液槽光重合)に関連するシステム技術、材料技術、個別要素技術

を調査対象として設定し、対応する検索式および技術解析軸を設定した。

全ての出願人国籍(日米欧中韓、その他国籍)による出願について、出願先国別の出願

に示す。日米欧中韓への出願は 2003

件減少、その後はほぼ横ばいの傾向にある。累積出願件数では、欧州への

、次いで米国への出願 28.6%、日本への出願

出願先国別出願件数推移(出願年(優先権主張年):

PCT 出願の各国移行の

出願先国

491

536

2002 2003

日本への出願 米国への出願

技術)の特許出願動向

本調査では、出願年(優先権主張年)を基準に、2001 年から

に関する特許文献を対象とした。データベースはトムソン・ロイターが提供する

)を使用し、検索式を設定して対象特許の抽出を行った。

件(ファミリー単位)の特許について分析を行った。

とは関係のないものに関しては除外を行い、結果として 2,652

今回調査した特許の出願先国は、日本、米国、欧州、中国、韓国、イスラエルへの出願

出願)である。欧州への出願については、欧州特許庁への広域

加盟国のうち使用した特許検索データベースに収録され

の各種方式(結合剤噴射、指向エネルギー堆積、材料押出、材料噴射、粉末床

溶融結合、シート積層、液槽光重合)に関連するシステム技術、材料技術、個別要素技術

を調査対象として設定し、対応する検索式および技術解析軸を設定した。

全ての出願人国籍(日米欧中韓、その他国籍)による出願について、出願先国別の出願

2003 年にかけて急増し

件減少、その後はほぼ横ばいの傾向にある。累積出願件数では、欧州への

、日本への出願

出願先国別出願件数推移(出願年(優先権主張年):

出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

出願年(優先権主張年)

383405

422

2004 2005 2006

米国への出願 欧州への出願

年から 2011 年に出願された

に関する特許文献を対象とした。データベースはトムソン・ロイターが提供する

)を使用し、検索式を設定して対象特許の抽出を行った。

件(ファミリー単位)の特許について分析を行った。

2,652 件の論文が集計対象とな

今回調査した特許の出願先国は、日本、米国、欧州、中国、韓国、イスラエルへの出願

出願)である。欧州への出願については、欧州特許庁への広域

加盟国のうち使用した特許検索データベースに収録され

の各種方式(結合剤噴射、指向エネルギー堆積、材料押出、材料噴射、粉末床

溶融結合、シート積層、液槽光重合)に関連するシステム技術、材料技術、個別要素技術

を調査対象として設定し、対応する検索式および技術解析軸を設定した。

全ての出願人国籍(日米欧中韓、その他国籍)による出願について、出願先国別の出願

年にかけて急増し

件減少、その後はほぼ横ばいの傾向にある。累積出願件数では、欧州への

、日本への出願 24.8%の順となっている。

出願先国別出願件数推移(出願年(優先権主張年):2001-2011

ずれ等で全出願データを反映していな

出願年(優先権主張年)

422 417 415

2006 2007 2008

欧州への出願 中国への出願

年に出願された

に関する特許文献を対象とした。データベースはトムソン・ロイターが提供する

)を使用し、検索式を設定して対象特許の抽出を行った。

件(ファミリー単位)の特許について分析を行った。

件の論文が集計対象とな

今回調査した特許の出願先国は、日本、米国、欧州、中国、韓国、イスラエルへの出願

出願)である。欧州への出願については、欧州特許庁への広域

加盟国のうち使用した特許検索データベースに収録され

の各種方式(結合剤噴射、指向エネルギー堆積、材料押出、材料噴射、粉末床

溶融結合、シート積層、液槽光重合)に関連するシステム技術、材料技術、個別要素技術

を調査対象として設定し、対応する検索式および技術解析軸を設定した。

全ての出願人国籍(日米欧中韓、その他国籍)による出願について、出願先国別の出願

年にかけて急増し 536 件を数えたが

件減少、その後はほぼ横ばいの傾向にある。累積出願件数では、欧州への

の順となっている。

2011 年)

ずれ等で全出願データを反映していな

415366

320

2008 2009 2010

中国への出願 韓国への出願

優先権主張2001

年に出願された付加

に関する特許文献を対象とした。データベースはトムソン・ロイターが提供する DWPI

)を使用し、検索式を設定して対象特許の抽出を行った。

件(ファミリー単位)の特許について分析を行った。付加製

件の論文が集計対象とな

今回調査した特許の出願先国は、日本、米国、欧州、中国、韓国、イスラエルへの出願

出願)である。欧州への出願については、欧州特許庁への広域

加盟国のうち使用した特許検索データベースに収録され

の各種方式(結合剤噴射、指向エネルギー堆積、材料押出、材料噴射、粉末床

溶融結合、シート積層、液槽光重合)に関連するシステム技術、材料技術、個別要素技術

全ての出願人国籍(日米欧中韓、その他国籍)による出願について、出願先国別の出願

件を数えたが

件減少、その後はほぼ横ばいの傾向にある。累積出願件数では、欧州への

の順となっている。

ずれ等で全出願データを反映していな

223

2011

合計

優先権主張2001-2011年

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

調査対象期間全体(優先権主張年ベースで 2001 年~2011 年)における、出願先国別か

つ出願人国籍別の累積出願件数を図 4 に示す。日本国籍の出願先は、日本が 649 件と圧倒

的に多く、ついで米国への出願 135 件、欧州への出願 93 件、中国への出願 61 件と続く。

出願先国は日本、米国、欧州において自国籍の出願が最多であるが、中国および韓国への

出願は欧州国籍が最も多く、欧州国籍による自国および海外への出願双方のアクティビテ

ィの高さが伺える。

図 4 出願先国別-出願人国籍別出願件数(出願年(優先権主張年):2001-2011 年))

全ての出願人国籍(日米欧中韓、その他国籍)による出願について、出願人国籍別の PCT

出願件数推移を図 5 に示す。PCT 出願については、2001 年から 2011 年にかけて増加減少

を数年単位で繰り返している。累積出願件数では欧州国籍が 48.1%と約半数を占め、次い

で米国籍 33.3%、日本国籍 11.6%と続いている。欧州国籍による日米欧中韓への出願は 3

割程度であったのと対照的である。欧州国籍の PCT 出願意欲が日本国籍よりも色濃く反映

されている可能性がある。

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他

韓国への出願

出願人国籍

日本への出願

米国への出願

欧州への出願

中国への出願

出願先国

649

135

93

61

31

180

588

311

110

53

227

385

852

169

77

1

3

1

128

4

9

2

2

55

8

115

46

20

3

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- 21 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 5 出願人国籍別 PCT 出願件数推移(PCT 出願、出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

日米欧中韓への出願について、出願先国別かつ出願人国籍別の出願件数収支を図 6 に示

す。欧州への出願件数が 1,305 件と最も多く、次いで米国への出願が 1,235 件、日本への

出願が 1,069 件となっている。

日本国籍による出願件数は、自国(日本)への出願が 649 件と最も多く、次いで米国へ

の出願 135 件、欧州、中国、韓国の順となる。日本、米国、欧州への出願は自国籍からの

出願の占める割合がそれぞれ最も多いが、中国、韓国への出願はともに欧州国籍からの出

願の占める割合が最も多い。

図 6 出願先国別-出願人国籍別出願件数収支(出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

合計682件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

36

50

72

55

52

65

7784

60 58

73

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年

日本国籍

79件

11.6%

米国籍

227件

33.3%

欧州国籍

328件

48.1%

中国籍

3件

0.4%

韓国籍

5件

0.7%

その他

40件

5.9%

日本国籍

649件

60.7%

米国籍

180件

16.8%

欧州国籍

227件

21.2%

中国籍

1件

0.1%

韓国籍

4件

0.4%その他

8件

0.7%

日本国籍

31件

14.2%

米国籍

53件

24.2%欧州国籍

77件

35.2%

中国籍

0件

0.0%

韓国籍

55件

25.1%

その他

3件

1.4%日本国籍

61件

12.4%

米国籍

110件

22.4%

欧州国籍

169件

34.5%

中国籍

128件

26.1%

韓国籍

2件

0.4%

その他

20件

4.1%

日本国籍

93件

7.1%

米国籍

311件

23.8%

欧州国籍

852件

65.3%

中国籍

1件

0.1%

韓国籍

2件

0.2%

その他

46件

3.5%

日本国籍

135件

10.9%

米国籍

588件

47.6%欧州国籍

385件

31.2%

中国籍

3件

0.2%

韓国籍

9件

0.7%

その他

115件

9.3%

日本への出願1,069件

米国への出願1,235件

中国への出願490件

韓国への出願219件

欧州への出願1,305件

135件

180件

227件

93件

385件

311件

61件

1件 31件

4件

169件

1件

110件 3件

9件

53件

0件

2件

77件2件

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

日米欧中韓への出願について、出願先国別かつ出願人国籍別の登録件数収支を図 7 に示

す。米国での登録が 603 件と最も多く、次いで欧州、日本、中国、韓国の順となっている。

日本国籍による登録件数は、自国(日本)での登録が 249 件と最も多く、次いで米国、

欧州、中国、韓国の順となる。日本、米国、欧州、韓国は自国籍の出願人による登録の占

める割合が最も多い。一方、中国は欧州国籍の出願人による登録が最も多くなっている。

図 7 出願先国別-出願人国籍別登録件数収支(出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

第3節 技術区分別調査

1.技術区分別

(1) 付加製造材料

調査対象期間(優先権主張年ベース 2001 年~2011 年)における日米欧中韓への出願

について、「大分類:主材料」の中分類別の出願人国籍別出願件数を図 8 に示す。主材

料のうち、光硬化性樹脂の累積出願件数は 1,002 件であり 2 番目の熱可塑性樹脂のおよ

そ 2 倍を数える。光硬化性樹脂に関する出願の中では、日本の割合は 38%と最多の出願

件数を誇る。

日本国籍

16件

16.0%

米国籍

19件

19.0%欧州国籍

19件

19.0%

中国籍

0件

0.0%

韓国籍

44件

44.0%

その他

2件

2.0%

日本国籍

31件

5.9%

米国籍

120件

22.8%

欧州国籍

362件

68.7%

中国籍

0件

0.0%

韓国籍

0件

0.0%

その他

14件

2.7%

日本国籍

27件

12.1%

米国籍

47件

21.0%

欧州国籍

72件

32.1%

中国籍

69件

30.8%

韓国籍

2件

0.9%

その他

7件

3.1%

日本国籍

73件

12.1%

米国籍

307件

50.9%欧州国籍

150件

24.9%

中国籍

0件

0.0%

韓国籍

4件

0.7%

その他

69件

11.4%

日本国籍

249件

58.7%

米国籍

75件

17.7%

欧州国籍

97件

22.9%

中国籍

0件

0.0%

韓国籍

1件

0.2% その他

2件

0.5%

日本での登録424件

米国での登録603件

中国での登録224件

韓国での登録100件

欧州での登録527件

73件

75件

97件

31件

27件

0件 16件

1件

150件

120件

4件

19件

47件 0件19件

0件

72件

0件

0件

2件

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目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 8 中分類別-出願人国籍別出願件数

(日米欧中韓への出願、技術区分:付加製造材料、大分類:主材料、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

(2) 付加製造方式

調査対象期間(優先権主張年ベース 2001 年~2011 年)における日米欧中韓への出願

について、「技術区分:付加製造方式」の大分類別の出願人国籍別出願件数を図 9 に示

す。粉末床溶融結合の累積出願件数が 1,292 件と、液層光重合の 587 件、結合剤噴射の

283 件、材料押出の 264 件を引き離す。粉末床溶融結合において欧州は 57%と過半数を超

える一方、液層光重合においては日本が 49%とほぼ半数を占め、結合剤噴射および材料

噴射においては米国が独走している。出願国籍ごとに異なる造形方式に興味関心が向い

ていることが示唆される。中国も粉末床溶融結合において 45 件と比較的多数の出願を果

たしている。

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他

中分類

その他主材料

出願人国籍

光硬化性樹脂

熱可塑性樹脂

金属

セラミック

ワックス

376

46

105

47

1

34

220

198

141

56

5

68

324

270

138

67

6

97

18

20

36

12

4

20

15

2

11

8

1

49

21

16

3

4

13

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本編

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 9 大分類別-出願人国籍別出願件数

(日米欧中韓への出願、技術区分:付加製造方式、出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

調査対象期間(優先権主張年ベース 2001 年~2011 年)における日米欧中韓への出願

について、「技術区分:付加製造方式」の出願人国籍別出願件数推移を大分類別に図 10

から図 16 に示す。ほぼ全ての付加製造方式において 2000 年代初頭にピークを迎え、そ

の後横ばいないし減少傾向にある。

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他

大分類

液槽光重合

出願人国籍

結合剤噴射

指向エネルギー堆積

材料押出

材料噴射

粉末床溶融結合

シート積層

90

27

13

51

295

29

286

117

45

200

75

197

7

129

72

20

34

60

741

20

147

1

6

5

14

45

2

8

3

6

3

1

7

2

11

2

9

45

7

4

6

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- 25 -

本編

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 10 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:付加製造方式、大分類:結合剤噴射、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

図 11 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:付加製造方式、大分類:指向エネルギー堆積、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

12 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:付加製造方式、大分類:材料押出、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

注)2010 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

合計283件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

54

26

95

26

22

69

12

5

1216

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年

日本国籍

90件

31.8%

米国籍

117件

41.3%

欧州国籍

72件

25.4%

中国籍

1件

0.4%

韓国籍

3件

1.1%

その他

0件

0.0%

合計106件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

6

17

20

8

12

8 87

11

1

8

0

5

10

15

20

25

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年

日本国籍

27件

25.5%

米国籍

45件

42.5%

欧州国籍

20件

18.9%

中国籍

6件

5.7%

韓国籍

6件

5.7%

その他

2件

1.9%

合計264件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

30

19

17

11

20

26

28

37

31

26

19

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年

日本国籍

13件

4.9%

米国籍

200件

75.8%

欧州国籍

34件

12.9%

中国籍

5件

1.9%

韓国籍

3件

1.1%

その他

9件

3.4%

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- 26 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 13 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:付加製造方式、大分類:材料噴射、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

図 14 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:付加製造方式、大分類:粉末床溶融結合、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

図 15 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:付加製造方式、大分類:シート積層、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

注)2010 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

合計246件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

17

26

55

2023

19

14

18

14

25

15

0

10

20

30

40

50

60

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年日本国籍

51件

20.7%

米国籍

75件

30.5%

欧州国籍

60件

24.4%

中国籍

14件

5.7%

韓国籍

1件

0.4%

その他

45件

18.3%

合計1,292件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

80

188

101

121116

174

109124

107 102

70

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年日本国籍

295件

22.8%

米国籍

197件

15.2%欧州国籍

741件

57.4%

中国籍

45件

3.5%

韓国籍

7件

0.5%

その他

7件

0.5%

合計64件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

9 9

6

3 3

1

13

2

5

76

0

2

4

6

8

10

12

14

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年

日本国籍

29件

45.3%

米国籍

7件

10.9%

欧州国籍

20件

31.3%

中国籍

2件

3.1%

韓国籍

2件

3.1%

その他

4件

6.3%

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- 27 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 16 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:付加製造方式、大分類:液槽光重合、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

注)2010 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

(3) 共通システム技術

調査対象期間(優先権主張年ベース 2001 年~2011 年)における日米欧中韓への出願

について、「技術区分:共通システム技術」の大分類別の出願人国籍別出願件数を図 17

に示す。機構 994 件、駆動系制御 594 件、データ処理 556 件、後処理 424 件と比較的多

数の技術で 400 件を超えており、満遍なく出願されていることが分かる。欧米はいずれ

の技術においても 2 割~5 割程度のシェアを占める一方、日本は 1 割未満~4 割と技術別

の濃淡がよりはっきりしている。欧米と異なり、日本の出願が特定の技術に偏っている

可能性がある。

図 17 大分類別-出願人国籍別出願件数

(日米欧中韓への出願、技術区分:共通システム技術、出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

合計587件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

6057

66

71

83

49

58

48

44

36

15

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年

日本国籍

286件

48.7%

米国籍

129件

22.0%

欧州国籍

147件

25.0%

中国籍

8件

1.4%

韓国籍

11件

1.9%

その他

6件

1.0%

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他

大分類

その他

出願人国籍

機構

駆動系制御

環境制御

後処理

データ処理

AM固有設計

98

38

35

181

101

28

318

182

104

121

209

37

7

409

241

68

107

150

19

63

60

5

10

31

2

6

9

1

2

29

1

100

64

5

3

36

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- 28 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

(4) アプリケーション技術(用途別)

調査対象期間(優先権主張年ベース 2001 年~2011 年)における日米欧中韓への出願

について、「技術区分:アプリケーション技術(用途別)」の出願人国籍別出願件数推移

を大分類別に図 18 から図 20 に示す。実部品製造が 623 件と最多で、2 番目の成形型製

造 251 件、3 番目の試作品製作 153 件を引き離す。日本は 2005 年にかけ特に成形型製造

で活動が活発であったが、その後いずれの技術においても出願件数・累積件数シェアと

も減少傾向である。いずれの技術においても伸びている欧州と対照的であり、欧州にお

いてはより用途に寄り添った形での出願が活発化してきていると読み取れる。

図 18 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:アプリケーション技術(用途別)、大分類:試作品製作、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

図 19 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:アプリケーション技術(用途別)、大分類:実部品製造、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

注)2010 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

合計153件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

18

14

26

8

27

109

17

11

3

10

0

5

10

15

20

25

30

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年

日本国籍

14件

9.2%

米国籍

59件

38.6%

欧州国籍

59件

38.6%

中国籍

4件

2.6%

韓国籍

2件

1.3%

その他

15件

9.8%

合計623件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

49

29

99

46

61

47 47

94

64

50

37

0

20

40

60

80

100

120

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年

日本国籍

86件

13.8%

米国籍

229件

36.8%

欧州国籍

254件

40.8%

中国籍

15件

2.4%

韓国籍

1件

0.2%

その他

38件

6.1%

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- 29 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 20 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:アプリケーション技術(用途別)、大分類:成形型製造、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

注)2010 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

(5) アプリケーション技術(産業別)

調査対象期間(優先権主張年ベース 2001 年~2011 年)における日米欧中韓への出願

について、「技術区分:アプリケーション技術(産業別)」の大分類別の出願人国籍別出

願件数を図 21 に示す。医療・ヘルスケア 405 件、製造業 300 件、創造産業・文化産業

67 件を数える。

また、「技術区分:アプリケーション技術(産業別)」のうち「大分類:医療・ヘルス

ケア」の出願人国籍別出願件数推移を図 22 に示す。2005 年以降は特に医療・ヘルスケ

アの増加が顕著でありこれは欧米からの出願件数増に起因する。医療・ヘルスケアにつ

いては中国、韓国も 2001-2005 年から 2006 年-2011 年の累積出願件数はそれぞれ 2 件か

ら 11 件、1 件から 17 件と活発化してきていることが分かる。

図 21 大分類別-出願人国籍別出願件数

(日米欧中韓への出願、技術区分:アプリケーション技術(産業別)、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

合計251件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

20

29

42

13

19

15

5

35 36

14

23

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年

日本国籍

83件

33.1%

米国籍

47件

18.7%

欧州国籍

83件

33.1%

中国籍

14件

5.6%

韓国籍

15件

6.0%

その他

9件

3.6%

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他

大分類

その他

出願人国籍

製造業

創造産業・文化産業

医療・ヘルスケア

55

8

48

89

16

125

2

121

30

186

7

7

4

13

2

7

18

26

2

15

2

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- 30 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 22 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:アプリケーション技術(産業別)、

大分類:医療・ヘルスケア、出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

注)2010 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

(6) 課題分類表

調査対象期間(優先権主張年ベース 2001 年~2011 年)における日米欧中韓への出願

について、「大分類:本来性能向上」の出願人国籍別出願件数推移を図 23 に示す。大分

類の累積出願件数は本来性能向上(2,627 件)、コスト・効率向上(1,279 件)、使い勝手

向上(583 件)の順であるが、本来性能向上は 2003 年より横ばいないし減少傾向である。

図 23 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:課題分類表、大分類:本来性能向上、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

注)2010 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

合計405件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

39

28

18

37

29

47

38

69

4237

21

0

10

20

30

40

50

60

70

80

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年

日本国籍

48件

11.9%

米国籍

125件

30.9%

欧州国籍

186件

45.9%

中国籍

13件

3.2%

韓国籍

18件

4.4%

その他

15件

3.7%

合計2,627件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

243

345

390

224257

229 242

208194

169

126

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年

日本国籍

712件

27.1%

米国籍

661件

25.2%

欧州国籍

1,023件

38.9%

中国籍

82件

3.1%

韓国籍

41件

1.6%

その他

108件

4.1%

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- 31 -

本編

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

調査対象期間(優先権主張年ベース 2001 年~2011 年)における日米欧中韓への出願

について、「大分類:機器使い勝手向上」のうちの「中分類:メンテナンス性向上」の出

願人国籍別出願件数推移を図 24 に示す。中分類別に見ると、造形精度向上 1,057 件、

造形物の特性向上 977 件、その他コスト・効率向上 831 件、造形速度向上 543 件と続く。

日本は造形精度向上に関する出願が、中分類別最多の 379 件である。米欧とも各課題に

対して万遍なく出願している様子が伺える一方、日本においてはメンテナンス性向上の

課題に関する出願が(日本 2 件・米国 104 件・欧州 40 件)少ない。

図 24 出願人国籍別出願件数推移

(日米欧中韓への出願、技術区分:課題分類表、大分類:機器使い勝手向上、

中分類:メンテナンス性向上、出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

注)2010 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

2.技術と課題の組み合わせ別

出願人国籍別の付加製造方式に関する大分類別-課題別出願件数を図 25 に示す。各課

題に対しても液層光重合、粉末床溶融結合、結合剤噴射がトップ 3 で対応していることが

多い。その中でも特に、液層光重合は「造形精度向上」・「造形速度向上」に、粉末床溶融

結合は「造形物の特性向上」・「造形プロセス向上のための原料特性向上」で他造形方式を

抑えて最多となっており、造形方式によって異なる課題解決にアプローチされる傾向があ

る。

合計159件

出願人国籍

出願件数

出願年(優先権主張年)

1211

13

17

27

20

25

9

5

14

6

0

5

10

15

20

25

30

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他 合計

優先権主張2001-2011年

日本国籍

2件

1.3%

米国籍

104件

65.4%

欧州国籍

40件

25.2%

中国籍

4件

2.5%

韓国籍

1件

0.6%

その他

8件

5.0%

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第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 25 大分類別-課題別出願件数

(出願先:日米欧中韓、出願人国籍:日本、技術区分:付加製造方式、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

結合剤噴射 指向エネルギー堆積

材料押出 材料噴射 粉末床溶融結合

シート積層 液槽光重合

付加製造方式

メンテナンス性向上

周辺環境への配慮

その他機器使い勝手向上

低コスト化

省エネ化

その他コスト・効率向上

静音性向上

課題

造形精度向上

造形速度向上

後処理時間短縮

造形物意匠性向上

原料特性向上

造形物の特性向上

造形プロセス改善のための原料特性向上

小型・省スペース化

導入・設定簡易化

操作性向上

安全性向上

耐久性向上

その他

30

25

4

26

5

23

20

4

1

1

22

22

8

1

15

1

4

5

4

1

1

5

3

3

3

1

24

10

6

7

13

17

1

1

4

5

13

90

31

19

8

8

78

45

10

3

16

1

5

2

2

10

6

79

3

9

2

6

3

1

6

5

171

67

2

16

25

65

16

2

1

2

2

1

1

1

4

15

34

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第4節 出願人別動向調査

日米欧中韓への出願について、出願人別の出願件数上位ランキングを表 7 に示す。累積

出願件数は 3D システムズ(422 件)が最も多く、次いで EOS エレクトロ・オプティカル・

システムズ(317 件)、ストラタシス(247 件)の順となっている(全体トップ 3)。全体ト

ップ 10 のうち、欧州国籍の企業が 5 社、米国籍の企業が 3 社、日本国籍の企業が 2 社を占

めている。トップ 10 外ではイスラエルのオブジェット・ジオメトリーズ(14 位)や豪の

シルバー・ブルックルス(19 位)といった日米欧勢以外の企業名も散見される。全体トッ

プ 10 の合計累積出願件数は 1,791 件であり、全累積出願件数 4,318 件の 41%を占め、特定

の企業によって集中的に出願がされていることが分かる。

表 7 出願人別出願件数ランキング

(日米欧中韓への出願、出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

※)企業買収の反映としては、3D システムズとして 3D システムズ、ハンツマン・アドバンスト・マテリア

ルズ、Z コーポレーション、フェニックス・システムズ、DTM、デスクトップ・ファクトリーを集計し、

ストラタシスとしてストラタシス、オブジェット・ジオメトリーズ、ソリッドスケープ、メーカーボ

ットを集計した。なお、特段記載のない限り本調査では企業買収は反映せず出願人別に集計している。

順位 出願人 件数 順位 出願人 件数

1 3Dシステムズ(米国) 422 1 3Dシステムズ(米国) 514

2EOSエレクトロ・オプティカル・システムズ(ドイツ)

317 2EOSエレクトロ・オプティカル・システムズ(ドイツ)

317

3 ストラタシス(米国) 247 3 ストラタシス(米国) 283

4 パナソニック(日本) 177 4 パナソニック(日本) 177

5エボニック・デグサ(ドイツ)

151 5エボニック・デグサ(ドイツ)

151

6 DSM(オランダ) 115 6 DSM(オランダ) 115

7ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(スイス)

107 7ヒューレット・パッカード(米国)

106

8ヒューレット・パッカード(米国)

106 8ボクセルジェット・テクノロジー(ドイツ)

77

9ボクセルジェット・テクノロジー(ドイツ)

77 9 JSR(日本) 72

10 JSR(日本) 72 10エンビジョンテック(ドイツ)

68

11エンビジョンテック(ドイツ)

68 11 ソニー(日本) 66

12 ソニー(日本) 66 12 アーカム(スウェーデン) 63

12 Zコーポレーション(米国) 66 12 富士フイルム(日本) 57

14オブジェット・ジオメトリーズ(イスラエル)

65 14 ダイムラー(ドイツ) 53

15 アーカム(スウェーデン) 63 15 シーメット(日本) 43

16 富士フイルム(日本) 57 16シルバーブルック・リサーチ(オーストラリア)

38

17 ダイムラー(ドイツ) 53 17 ボーイング(米国) 37

18 シーメット(日本) 43 18 松浦機械製作所(日本) 35

19シルバーブルック・リサーチ(オーストラリア)

38 19 アルケマ(フランス) 34

20 ボーイング(米国) 37 20 エックス・ワン(米国) 34

全体 全体 (※)企業買収反映

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- 34 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

日米欧中韓への出願について、「技術区分:付加製造材料」「大分類:主材料」の中分類

別出願人別出願件数の上位ランキングを表 8 に示す。光硬化性樹脂においては 3D システ

ムズが 163 件、DSM が 106 件、熱可塑性樹脂においてはエボニック・デグサが 110 件、ス

トラタシスが 89 件、金属においてはパナソニックが 45 件と抜きん出ている。各社とも強

みとする主材料が異なると解釈できる。

表 8 中分類別-出願人別出願件数ランキング

(日米欧中韓への出願、技術区分:付加製造材料、大分類:主材料、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

順位 出願人 件数 順位 出願人 件数 順位 出願人 件数

1 3D SYSTEMS(米国) 163 1EVONIK DEGUSSA(ドイツ)

110 1 パナソニック(日本) 45

2 DSM(オランダ) 106 2 STRATASYS(米国) 89 2GENERAL ELECTRIC(米国)

13

3 JSR(日本) 69 3EOS ELECTROOPTICAL SYSTEMS(ドイツ)

55 3 ALSTOM(スイス) 11

4HUNTSMAN ADVANCEDMATERIALS(スイス)

62 4 ARKEMA(フランス) 34 3 STRATASYS(米国) 11

5 シーメット(日本) 41 5 3D SYSTEMS(米国) 24 3 EX ONE(米国) 11

6 ENVISIONTEC(ドイツ) 40 6 VALSPAR(米国) 18 3EVONIK DEGUSSA(ドイツ)

11

7 ソニー(日本) 38 7 BOEING(米国) 9 7 BOEING(米国) 10

8日本特殊コーティング(日本)

29 7HEWLETT-PACKARDDEV(米国)

9 8KONINK PHILIPSELECTRONICS(オランダ)

9

9 富士フィルム(日本) 27 7ELF ATOCHEM(フランス)

9 8UNIV QUEENSLAND(オーストラリア)

9

10 ナブテスコ(日本) 23 10 群栄化学工業(日本) 8 8 三菱電機(日本) 9

- - - - - - 8 IHI(日本) 9

- - - - - - 8UNIV HUAZHONG SCI &TECHNOLOGY(中国)

9

光硬化性樹脂 熱可塑性樹脂 金属

順位 出願人 件数 順位 出願人 件数 順位 出願人 件数

1HEWLETT-PACKARDDEV(米国)

14 1 3D SYSTEMS(米国) 4 1HEWLETT-PACKARDDEV(米国)

23

2IVOCLAR VIVADENT(スイス)

10 1FRAUNHOFER GESFOERDERUNGANGEWANDTEN(ドイツ)

4 2 DAIMLER(ドイツ) 20

2 3D SYSTEMS(米国) 10 3SILVERBROOK RES(オーストラリア)

2 3HUNTSMAN ADVANCEDMATERIALS(スイス)

14

2ROLLS-ROYCE(イギリス)

10 4 DAIMLER(ドイツ) 1 4VOXELJETTECHNOLOGY(ドイツ)

12

5 Z(米国) 9 4OBJET GEOMETRIES(イスラエル)

1 5 VANTICO(スイス) 9

6 DAIMLER(ドイツ) 7 4 瑞穂工芸(日本) 1 6BEGO BREMERGOLDSCHLAEGEREI(ドイツ)

8

7 EX ONE(米国) 6 4UNIV SOUTH CHINATECHNOLOGY(中国)

1 7 3D SYSTEMS(米国) 7

7 ナカキン(日本) 6 4UNIV SOUTHCAROLINA(米国)

1 7 THERICS(米国) 7

7 FOCKELE M(ドイツ) 6 4GUANGZHOU RITONLASER TECHNOLOGY(中国)

1 7 AFBS(米国) 7

7 EXTRUDE HONE(米国) 6 4KRITCHMAN E M(イスラエル)

1 10 ソニー(日本) 6

- - - 4UNIV SHAANXI SCI &TECHNOLOGY(中国)

1 10MTU AERO ENGINES(ドイツ)

6

- - - 4UNIVSOONCHUNHYANG(韓国)

1 - - -

- - - 4XIAMEN TECH INST(中国)

1 - - -

- - - 4DIEZ FERNANDEZ R(スペイン)

1 - - -

- - - 4

UNIVSOONCHUNHYANG INDACAD COOP FOUNDA(韓国)

1 - - -

その他主材料セラミック ワックス

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- 35 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

付加製造方式では、他方式と比較し粉末床溶融結合の出願が目立つ。特に EOS エレクト

ロ・オプティカル・システムズの 240 件、パナソニックの 161 件、エボニック・デグサの

127 件が抜きん出ており、いずれも各社の出願件数の 7 割以上を占める。一方、材料押出

に関して、全体出願件数は多くないもののストラタシスが 161 件と 2 番の 3D システムズ

の 12 件を大きく引き離している。

表 9 大分類別-出願人別出願件数ランキング

(日米欧中韓への出願、技術区分:付加製造方式、出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

順位 出願人 件数 順位 出願人 件数 順位 出願人 件数 順位 出願人 件数

1HEWLETT-PACKARDDEV(米国)

64 1 HONEYWELL INT(米国) 10 1 STRATASYS(米国) 161 1 STRATASYS(米国) 32

2 Z(米国) 31 2 三菱電機(日本) 9 2 3D SYSTEMS(米国) 12 2OBJET GEOMETRIES(イスラエル)

29

3 3D SYSTEMS(米国) 29 2 IHI(日本) 9 3HEWLETT-PACKARDDEV(米国)

7 3 3D SYSTEMS(米国) 25

3 富士フィルム(日本) 29 4NORSK TITANIUMCOMPONENTS(ノルウェー)

7 3 ARBURG(ドイツ) 7 4HEWLETT-PACKARDDEV(米国)

23

5HUNTSMAN ADVANCEDMATERIALS(スイス)

24 4 POM GROUP(米国) 7 5COLOPSTEMPELERZEUGUNGSKOPEK(オーストリア)

6 5 キーエンス(日本) 12

6VOXELJETTECHNOLOGY(ドイツ)

20 6 STARCK H C(米国) 6 5KROP IMPRINTER MFGSKERPEEK(オーストリア)

6 6 ソニー(日本) 10

7 VANTICO(スイス) 19 7産業技術総合研究所(日本)

5 7SILVERBROOK RES(オーストラリア)

4 6 VANTICO(スイス) 10

8 ソニー(日本) 18 7MATERIALS &ELECTROCHEMICALRES(米国)

5 7 MARSAC N(フランス) 4 8HUNTSMAN ADVANCEDMATERIALS(スイス)

9

9 コニカミノルタ(日本) 13 7 SIJテクノロジ(日本) 5 9VOXELJETTECHNOLOGY(ドイツ)

3 8VOXELJETTECHNOLOGY(ドイツ)

9

9 THERICS(米国) 13 10GENERAL ELECTRIC(米国)

4 9OBJET GEOMETRIES(イスラエル)

3 8日立プリンティングソリューションズ(日本)

9

- - - 10 INESS TECH(韓国) 4 9 HEHL K(ドイツ) 3 8 OPTOMEC(米国) 9

- - - 10 INSSTEK(韓国) 4 9VICTAULIC OFAMERICA(米国)

3 - - -

結合剤噴射 指向エネルギー堆積 材料押出 材料噴射

順位 出願人 件数 順位 出願人 件数 順位 出願人 件数

1EOS ELECTROOPTICAL SYSTEMS(ドイツ)

240 1 XEROX(米国) 6 1 3D SYSTEMS(米国) 89

2 パナソニック(日本) 161 1 小山田 昇(日本) 6 2 JSR(日本) 50

3EVONIK DEGUSSA(ドイツ)

127 3BLUEPRINTER APS(デンマーク)

5 3 ソニー(日本) 36

4 3D SYSTEMS(米国) 74 3FINITE ENGSOLUTIONS(アイルランド)

5 4 DSM(オランダ) 34

5 ARCAM(スウェーデン) 61 3 セイコーエプソン(日本) 5 5 ENVISIONTEC(ドイツ) 28

6 松浦機械製作所(日本) 35 3 富士通(日本) 5 6 富士フィルム(日本) 25

7CLSCHUTZRECHTSVERWALTUNGS(ドイツ)

29 3BRUPLINTER(デンマーク)

5 7 シーメット(日本) 24

8VOXELJETTECHNOLOGY(ドイツ)

28 3MCOR TECHNOLOGIES(アイルランド)

5 8 DWS(イタリア) 20

9CONCEPT LASER(ドイツ)

21 33D PRINTER APS(デンマーク)

5 9 ナブテスコ(日本) 17

10 BEGO MEDICAL(ドイツ) 20 10SOLIDIMENSION(イスラエル)

4 10

NEDERLANDSE ORGTOEGEPASTNATUURWETENSCH(オランダ)

16

- - - 10 SOLIDO 3D(イスラエル) 4 - - -

- - - - - - - - -

シート積層 液槽光重合粉末床溶融結合

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- 36 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

日米欧中韓への出願について、「技術区分:共通システム技術」の大分類別出願人別出願

件数の上位ランキングを表 10 に示す。共通システム技術においては、全体トップ 3 のア

クティビティが高く上位に集中している。特に機構では 3 社とも 100 件を超える出願を果

たし、機構全体の 33%を占める。

表 10 大分類別-出願人別出願件数ランキング

(日米欧中韓への出願、技術区分:共通システム技術、出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

順位 出願人 件数 順位 出願人 件数 順位 出願人 件数 順位 出願人 件数

1 STRATASYS(米国) 113 1 STRATASYS(米国) 88 1 3D SYSTEMS(米国) 49 1 パナソニック(日本) 50

2EOS ELECTROOPTICAL SYSTEMS(ドイツ)

109 2 3D SYSTEMS(米国) 37 2 ARCAM(スウェーデン) 18 2 3D SYSTEMS(米国) 34

3 3D SYSTEMS(米国) 108 3OBJET GEOMETRIES(イスラエル)

33 3 STRATASYS(米国) 15 3 STRATASYS(米国) 27

4OBJET GEOMETRIES(イスラエル)

42 4VOXELJETTECHNOLOGY(ドイツ)

31 4 パナソニック(日本) 13 4EOS ELECTROOPTICAL SYSTEMS(ドイツ)

20

5VOXELJETTECHNOLOGY(ドイツ)

41 5EOS ELECTROOPTICAL SYSTEMS(ドイツ)

15 5EOS ELECTROOPTICAL SYSTEMS(ドイツ)

10 5 キーエンス(日本) 11

6SILVERBROOK RES(オーストラリア)

36 6MTT TECHNOLOGIES(イギリス)

14 6 THERICS(米国) 8 6 BASF SE(ドイツ) 9

7 Z(米国) 32 7 富士フィルム(日本) 12 7 SIEMENS(ドイツ) 7 6 松浦機械製作所(日本) 9

7HEWLETT-PACKARDDEV(米国)

32 7SILVERBROOK RES(オーストラリア)

12 7 POM GROUP(米国) 7 6 コニカミノルタ(日本) 9

9 ENVISIONTEC(ドイツ) 23 7 フジノン(日本) 12 7 AFBS(米国) 7 9BEGO BREMERGOLDSCHLAEGEREI(ドイツ)

8

10HUNTSMAN ADVANCEDMATERIALS(スイス)

21 10UNIV HUAZHONG SCI &TECHNOLOGY(中国)

11 10COSTABEBER E M(イタリア)

6 9ROLLS-ROYCE(イギリス)

8

- - - - - - 10 松浦機械製作所(日本) 6 - - -

- - - - - - 10HOWMEDICAOSTEONICS(米国)

6 - - -

- - - - - - 10 Z(米国) 6 - - -

- - - - - - 10NORSK TITANIUMCOMPONENTS(ノルウェー)

6 - - -

機構 駆動系制御 環境制御 後処理

順位 出願人 件数 順位 出願人 件数 順位 出願人 件数

1 3D SYSTEMS(米国) 56 1 パナソニック(日本) 21 1 3D SYSTEMS(米国) 4

2 STRATASYS(米国) 42 2SMITH & NEPHEW(米国)

9 2 STRATASYS(米国) 1

3EOS ELECTROOPTICAL SYSTEMS(ドイツ)

19 3HEWLETT-PACKARDDEV(米国)

8 2 SIMONIS S F(米国) 1

4OBJET GEOMETRIES(イスラエル)

18 3 SIEMENS(ドイツ) 8 2EDISON WELDING INST(米国)

1

5HERAEUS KULZER(ドイツ)

16 5 STRATASYS(米国) 5 - - -

5 BOEING(米国) 16 5UNIV ILLINOIS FOUND(米国)

5 - - -

7 ENVISIONTEC(ドイツ) 11 7EOS ELECTROOPTICAL SYSTEMS(ドイツ)

4 - - -

7BESPOKEINNOVATIONS(米国)

11 7BEGO BREMERGOLDSCHLAEGEREI(ドイツ)

4 - - -

9GENERAL ELECTRIC(米国)

10 9

NEDERLANDSE ORGTOEGEPASTNATUURWETENSCH(オランダ)

3 - - -

9ALIGN TECHNOLOGY(米国)

10 9NORTHROP GRUMMAN(米国)

3 - - -

9 DTM(米国) 10 9 EX ONE(米国) 3 - - -

- - - 9GENERAL MOTORS(米国)

3 - - -

- - - 9 EXTRUDE HONE(米国) 3 - - -

AM固有設計 その他データ処理

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- 37 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

日米欧中韓への出願について、「技術区分:アプリケーション技術(産業別)」の大分類

別出願人別出願件数の上位ランキングを表 11 に示す。アプリケーション技術(産業別)

においては、製造業で SILVERBROOK RES、創造産業・文化産業で NIKE、医療・ヘルスケア

では WIDEX と全体トップ 10 に見当たらない特徴的な企業がトップとなっている。また、医

療・ヘルスケアの全体トップ 10の件数は 39 件と当該技術の全体累積出願件数 405 件の 10%

程度を占めるに留まっている。トップ企業に偏らず、幅広い企業によって出願されている

と考えられる。

表 11 大分類別-出願人別出願件数ランキング

(日米欧中韓への出願、技術区分:アプリケーション技術(産業別)、

出願年(優先権主張年):2001-2011 年)

順位 出願人 件数 順位 出願人 件数 順位 出願人 件数 順位 出願人 件数

1SILVERBROOK RES(オーストラリア)

23 1 NIKE(米国) 11 1 WIDEX(デンマーク) 24 1MTU AERO ENGINES(ドイツ)

3

2GENERAL ELECTRIC(米国)

17 2EOS ELECTROOPTICAL SYSTEMS(ドイツ)

8 2 3D SYSTEMS(米国) 22 2OBJET GEOMETRIES(イスラエル)

2

3 BOEING(米国) 14 3ADVANCED MFRTECHNOLOGY CENTCHINA ACAD(中国)

4 3HERAEUS KULZER(ドイツ)

16 2 SIEMENS(ドイツ) 2

4 SIEMENS(ドイツ) 13 3 MARSAC N(フランス) 4 4DREVE OTOPLASTIK(ドイツ)

14 2 PROMETAL RCT(ドイツ) 2

5MTU AERO ENGINES(ドイツ)

11 3ELECTROLUX(スウェーデン)

4 5IVOCLAR VIVADENT(スイス)

13 5 STRATASYS(米国) 1

6 3D SYSTEMS(米国) 10 3

CHINA ACADMACHINERY SCI &TECHNOLOGY AD(中国)

4 6 DEGUDENT(ドイツ) 11 5BAGAVATH-SINGH V(米国)

1

7 AIRBUS(フランス) 9 7CLSCHUTZRECHTSVERWALTUNGS(ドイツ)

3 6 BEGO MEDICAL(ドイツ) 11 - - -

7 トヨタ自動車(日本) 9 7IUC KARLSKOGA(スウェーデン)

3 6BESPOKEINNOVATIONS(米国)

11 - - -

7 三菱電機(日本) 9 7CONCEPT LASER(ドイツ)

3 9 パナソニック(日本) 9 - - -

7 IHI(日本) 9 7PARTICULAR(スウェーデン)

3 9KONINK PHILIPSELECTRONICS(オランダ)

9 - - -

- - - - - - 9HOWMEDICAOSTEONICS(米国)

9 - - -

- - - - - - 9SMITH & NEPHEW(米国)

9 - - -

製造業 創造産業・文化産業 医療・ヘルスケア その他

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第4章

第1節

本調査では、

する学術論文を対象とした。データベースは

用し、検索式を設定して対象論文の抽出を行った。この結果、抽出された

について分析を行った。

2,652

国籍別の集計に関しては、筆頭著者の所属機関の国籍のみを集計対象とした。

第2節

発行年ベースで

籍別論文発表件数推移及び論文発表件数比率を

毎年増加傾向にある。また、累積の論文発表件

欧州国籍が最も多く、米国籍、中国籍の順となった。日本国籍からの発表件数は

る。なお、欧州とその他の国籍については、その内訳を

合計2,652件

中国

384件

14.5%

韓国

173件

6.5%

3D プリンター(

第1節 調査方法と調査対象

本調査では、2001

する学術論文を対象とした。データベースは

用し、検索式を設定して対象論文の抽出を行った。この結果、抽出された

について分析を行った。

2,652 件の論文が集計対象となった。

国籍別の集計に関しては、筆頭著者の所属機関の国籍のみを集計対象とした。

第2節 全体動向調査

発行年ベースで

籍別論文発表件数推移及び論文発表件数比率を

毎年増加傾向にある。また、累積の論文発表件

欧州国籍が最も多く、米国籍、中国籍の順となった。日本国籍からの発表件数は

る。なお、欧州とその他の国籍については、その内訳を

図 26

合計2,652件

日本

115件

4.3%

その他

532件

20.1%

プリンター(付加製造

調査方法と調査対象

2001 年から

する学術論文を対象とした。データベースは

用し、検索式を設定して対象論文の抽出を行った。この結果、抽出された

について分析を行った。付加製造

件の論文が集計対象となった。

国籍別の集計に関しては、筆頭著者の所属機関の国籍のみを集計対象とした。

全体動向調査

発行年ベースで 2001 年から

籍別論文発表件数推移及び論文発表件数比率を

毎年増加傾向にある。また、累積の論文発表件

欧州国籍が最も多く、米国籍、中国籍の順となった。日本国籍からの発表件数は

る。なお、欧州とその他の国籍については、その内訳を

研究者所属機関国籍別論文発表件数推移及び論文発表件数比率

米国

502件

18.9%

欧州

946件

35.7%

付加製造技術)

調査方法と調査対象

年から 2012 年までに主要国際論文誌で発表された

する学術論文を対象とした。データベースは

用し、検索式を設定して対象論文の抽出を行った。この結果、抽出された

付加製造とは関係のないものに関しては除外を行い、結果として

件の論文が集計対象となった。

国籍別の集計に関しては、筆頭著者の所属機関の国籍のみを集計対象とした。

年から 2012 年の間に発表された論文について、研究者所属機関国

籍別論文発表件数推移及び論文発表件数比率を

毎年増加傾向にある。また、累積の論文発表件

欧州国籍が最も多く、米国籍、中国籍の順となった。日本国籍からの発表件数は

る。なお、欧州とその他の国籍については、その内訳を

研究者所属機関国籍別論文発表件数推移及び論文発表件数比率

(論文発行年:

筆頭著者国籍

件数

135

0

50

100

150

200

250

300

350

400

2001

発表年2001-2012

- 38 -

技術)の研究開発動向

年までに主要国際論文誌で発表された

する学術論文を対象とした。データベースは Thomson Reuters

用し、検索式を設定して対象論文の抽出を行った。この結果、抽出された

とは関係のないものに関しては除外を行い、結果として

国籍別の集計に関しては、筆頭著者の所属機関の国籍のみを集計対象とした。

年の間に発表された論文について、研究者所属機関国

籍別論文発表件数推移及び論文発表件数比率を図

毎年増加傾向にある。また、累積の論文発表件数について研究者所属機関国籍別にみると、

欧州国籍が最も多く、米国籍、中国籍の順となった。日本国籍からの発表件数は

る。なお、欧州とその他の国籍については、その内訳を

研究者所属機関国籍別論文発表件数推移及び論文発表件数比率

(論文発行年:2001 年~

筆頭著者国籍

160

189

156

2002 2003 2004

日本 米国

発表年2012年

の研究開発動向

年までに主要国際論文誌で発表された

Thomson Reuters

用し、検索式を設定して対象論文の抽出を行った。この結果、抽出された

とは関係のないものに関しては除外を行い、結果として

国籍別の集計に関しては、筆頭著者の所属機関の国籍のみを集計対象とした。

年の間に発表された論文について、研究者所属機関国

図 26に示す。論文発表件数は

数について研究者所属機関国籍別にみると、

欧州国籍が最も多く、米国籍、中国籍の順となった。日本国籍からの発表件数は

る。なお、欧州とその他の国籍については、その内訳を表 12

研究者所属機関国籍別論文発表件数推移及び論文発表件数比率

年~2012 年)

発表年

156

176193

2004 2005 2006

欧州 中国

年までに主要国際論文誌で発表された

Thomson Reuters の Thomson Innovation

用し、検索式を設定して対象論文の抽出を行った。この結果、抽出された

とは関係のないものに関しては除外を行い、結果として

国籍別の集計に関しては、筆頭著者の所属機関の国籍のみを集計対象とした。

年の間に発表された論文について、研究者所属機関国

に示す。論文発表件数は

数について研究者所属機関国籍別にみると、

欧州国籍が最も多く、米国籍、中国籍の順となった。日本国籍からの発表件数は

12 に示した。

研究者所属機関国籍別論文発表件数推移及び論文発表件数比率

年)

発表年

188

234

2007 2008

中国 韓国

年までに主要国際論文誌で発表された 3D プリンターに関

Thomson Innovation

用し、検索式を設定して対象論文の抽出を行った。この結果、抽出された 12,732 件の論文

とは関係のないものに関しては除外を行い、結果として

国籍別の集計に関しては、筆頭著者の所属機関の国籍のみを集計対象とした。

年の間に発表された論文について、研究者所属機関国

に示す。論文発表件数は 2001

数について研究者所属機関国籍別にみると、

欧州国籍が最も多く、米国籍、中国籍の順となった。日本国籍からの発表件数は 4.2%

に示した。

研究者所属機関国籍別論文発表件数推移及び論文発表件数比率

276254

345

2009 2010 2011

その他 合計

プリンターに関

Thomson Innovation を使

件の論文

とは関係のないものに関しては除外を行い、結果として

年の間に発表された論文について、研究者所属機関国

年以降、

数について研究者所属機関国籍別にみると、

4.2%であ

345 346

2011 2012

合計

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- 39 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

表 12 研究者所属機関国籍(欧州及びその他の内訳)(論文発行年:2001 年~2012 年)

論文発表件数と特許出願件数の推移を図 27 に示す。2001 年以降、論文発表件数は増加

傾向にあるが、特許出願件数は全体的に横ばい傾向である。

図 27 論文発表件数と特許出願件数の推移

(特許:日米欧中韓への出願、

出願年(優先権主張年)2001 年~2011 年、論文発行年:2001 年~2011 年)

注)2010 年以降はデータベース収録の遅れ、PCT 出願の各国移行のずれ等で全出願データを反映していな

い可能性がある。

順位 筆頭著者国籍 件数

1 イギリス 2462 ドイツ 1773 イタリア 944 フランス 705 ベルギー 426 オランダ 397 ポルトガル 328 スイス 298 スペイン 2910 オーストリア 27

欧州内訳

順位 筆頭著者国籍 件数

1 シンガポール 1032 台湾 1003 インド 714 カナダ 555 ブラジル 346 オーストラリア 297 イラン 258 アフリカ 199 ロシア 1510 タイ 10

その他内訳

特許出願件数

論文件数

0

50

100

150

200

250

300

350

0

100

200

300

400

500

600

700

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

特許出願件数 論文件数

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- 40 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第3節 技術区分別調査

「技術区分:付加製造方式」に関する大分類別-研究者所属機関国籍別論文発表件数を

図 28 に示す。

図 28 大分類別-研究者所属機関国籍別論文発表件数

(研究者所属機関国籍:日米欧中韓その他、技術区分:付加製造方式、

論文発行年:2001 年~2012 年)

「大分類:主材料」に関する中分類別-研究者所属機関国籍別論文発表件数を図 29 に

示す。金属に関する発表件数が最も多かった。その他、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、セ

ラミックに関する発表件数が同程度あった。

図 29 中分類別-研究者所属機関国籍別論文発表件数

(研究者所属機関国籍:日米欧中韓その他、技術区分:付加製造材料、大分類:主材料、

論文発行年:2001 年~2012 年)

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他

大分類

液槽光重合

研究者所属機関国籍

結合剤噴射

指向エネルギー堆積

材料押出

材料噴射

粉末床溶融結合

シート積層

3

4

2

7

36

2

40

7

49

53

17

95

15

116

6

54

69

56

264

32

214

4

51

33

7

102

12

50

1

6

15

1

12

16

53

7

35

66

21

140

19

93

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他

中分類

その他主材料

研究者所属機関国籍

光硬化性樹脂

熱可塑性樹脂

金属

セラミック

ワックス

23

9

42

13

1

12

72

55

124

48

3

44

114

127

231

125

12

73

30

32

131

56

1

26

28

51

18

16

1

22

62

67

112

47

5

35

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

「技術区分:アプリケーション技術(産業別)」に関する大分類別-研究者所属機関国籍

別論文発表件数を図 30 に示す。特に、医療・ヘルスケア分野に関する研究発表が多く、

製造業に関する発表も行われている。

図 30 大分類別-研究者所属機関国籍別論文発表件数

(研究者所属機関国籍:日米欧中韓その他、技術区分:アプリケーション技術(産業別)、

論文発行年:2001 年~2012 年)

日本国籍 米国籍 欧州国籍 中国籍 韓国籍 その他

大分類

その他

研究者所属機関国籍

製造業

創造産業・文化産業

医療・ヘルスケア

8

45

1

49

10

167

3

73

20

357

6

28

7

116

3

13

1

75

34

10

158

2

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第4節 研究者所属機関別動向調査

筆頭著者ならびに Corresponding author(論文の問合せ先となっている代表著者)に関

する研究者所属機関別論文発表件数上位ランキングの上位 10 位を表 13 に示す。西安交通

大学(中国)が全体の 1 位、ラフバラー大学(イギリス)が 2 位、シンガポール国立大学

(シンガポール)が 3 位となった。日本の研究機関としては、大阪大学が 35 件で 7 位にラ

ンキングされている。

表 13 研究者所属機関別論文発表件数上位ランキング

(論文発行年:2001 年~2012 年)

第5節 著名なコンファレンス等に基づく中核研究者・機関の抽出

付加製造の専門家の中で高い位置づけにある Solid Free Form Symposium(SFFS)並び

に、付加製造技術に特化した専門雑誌(Rapid Prototyping Journal:RPJ)に基づき、付

加製造技術そのものに関する中核研究者・中核機関を抽出した。

具体的には、SFFS の組織委員会メンバー、RPJ のエディター並びにアドバイザリーボー

ドの氏名・所属をリストアップした。

以下に抽出結果を示す。ここで、黄色は、RPJ と SFFS の両者で名前が挙がっている研究

者である。

順位 機関名 件数

1 西安交通大学(中国) 66

2 ラフバラー大学(イギリス) 50

3シンガポール国立大学(シンガポール)

48

4ナンヤン理工大学(シンガポール)

45

5 テキサス大学(米国) 40

6 華中科技大学(中国) 38

7 大阪大学 35

8カトリック大学ルーヴェン(ベルギー)

34

9 POSTECH(韓国) 30

9 清華大学(中国) 30

全体

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- 43 -

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

表 14 著名研究者・研究機関リスト(著名コンファレンス等に基づく)

RPJ SFFS 研究者名 所属 国

○ Ian Gibson School of Engineering, Deakin

University

オーストラ

リア

○ Tim Sercombe The University of Western Australia オーストラ

リア

○ Jean-Pierre Kruth Katholieke Universiteit Leuven ベルギー

○ Jorge Ramos Grez Pontificia Universidad Católica de

Chile チリ

○ Jukka Tuomi Aalto University フィンラン

○ Alain Bernard Ecole Centrale de Nantes フランス

○ B. Ravi IIT Bombay インド

○ U. Chandrasekhar Gas Turbine Research Establishment,

Bangalore インド

○ ○ Toshiki Niino University of Tokyo 日本

○ Sung-Hoon Ahn Seoul National University, 韓国

○ Olaf Diegel Massey University ニュージー

ランド

○ Paulo Jorge da Silva

Bártolo Polytechnic Institute of Leiria ポルトガル

○ Chua Chee Kai Nanyang Technological University シンガポー

○ Jerry Fuh National University of Singapore シンガポー

○ Deon de Beer Vaal University of Technology 南アフリカ

○ Gideon N. Levy TTA Technology Turn Around スイス

○ Ian Campbell Loughborough University 英国

○ ○ Phill Dickens University of Nottingham 英国

○ Richard Bibb Loughborough University 英国

○ ○ Brent Stucker University of Louisville 米国

○ Carl Hauser TWI Technology Centre 米国

○ Carolyn Conner Seepersad University of Texas at Austin 米国

○ ○ David Bourell University of Texas at Austin 米国

○ ○ David Rosen Georgia Institute of Technology 米国

○ Denis Cormier Rochester Institute of Technology 米国

○ Frank Liou Missouri University of Science &

Technology 米国

○ Harris Marcus University of Connecticut at Storrs 米国

○ Joseph Beaman University of Texas at Austin 米国

○ Kent Firestone Solid Concepts, Inc. 米国

○ ○ Khershed Cooper Naval Research Laboratory 米国

○ Ming Leu Missouri University of Science &

Technology 米国

○ Neil Hopkinson Sheffield University 米国

○ Ralph Wachter National Science Foundation 米国

○ Richard Crawford University of Texas at Austin 米国

○ Ryan Wicker University of Texas at El Paso 米国

○ Suman Das Georgia Institute of Technology 米国

○ Terry Wohlers Wohlers Associates, Inc. 米国

○ Xiaochun Li University of California at Los Angeles 米国

○ ○ Wei Sun Drexel University/ Tsinghua University 米国/中国

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第5章

第1節

付加製造技術は

小玉秀男氏が

開昭 56

のコンセプトに関して特許(特公昭

シーメットを設立)が丸谷洋二氏との共同研究により光造形法の付加製造装置を商品化し、

1989 年にはソニーと

品化を行った。一方、米国ではチャック・ハル氏が

形法に関する特許(

1988 年からは光造形法の付加製造装置を商品化した。カール・デッカード氏は

月の特許出願に基づいてレーザ溶融焼結積層法(

結合法の一種)に関する特許(

いて商品化した。また、ストラ

特許出願に基づいて熱溶融積層法(

許(US

そして、それらの装置は

や機能確認モデルを迅速に作成すること(ラピッド・プロトタイピング)を目的に導入が

進められ、加えて

実部品を直接

が進められている(市場環境調査)。

付加製造技術の分野においては、装置、材料、サービスの面から関与する者が存在する。

Wohlers

は 2012

億円)に拡大すると予測されている。付加製造技術は今後さらなる活用が期待される状況

にある(市場環境調査)。

日本、米国、欧州、中国

は 2001

籍が主であり、市場環境調査とも符合する結果となっている。

計 400

いることが推察される。なお、各国(地域)の登録特許件数と特許出願件数の割合はほぼ

同数にあり、特許率に差は伺えない。また、ピークとなっている

願件数が上位の出願人をみると米国のヒ

件と多くの出願をしており、ピークの一因となっていることがわかる。

自国(地域)以外への特許出願行動について検討すると、米国、欧州は日本よりも自国

以外への出願割合が高く、国際特許出願(

海外市場をより意識した特許出願戦略をとっていることが伺える。付加製造装置の累積導

入台数では、米国、欧州に次いで日本、中国が多くなっており(市場環境調査)、特許出願

総合分析

第1節 全体的な技術開発動向、知的財産活用状況について

付加製造技術は

小玉秀男氏が 1980

56-144478)し、また丸谷洋二氏が

のコンセプトに関して特許(特公昭

シーメットを設立)が丸谷洋二氏との共同研究により光造形法の付加製造装置を商品化し、

年にはソニーと

品化を行った。一方、米国ではチャック・ハル氏が

形法に関する特許(

年からは光造形法の付加製造装置を商品化した。カール・デッカード氏は

月の特許出願に基づいてレーザ溶融焼結積層法(

結合法の一種)に関する特許(

いて商品化した。また、ストラ

特許出願に基づいて熱溶融積層法(

US-A1-5121329

そして、それらの装置は

や機能確認モデルを迅速に作成すること(ラピッド・プロトタイピング)を目的に導入が

進められ、加えて

実部品を直接製造すること(ラピッド・マニュファクチュアリング)も目的として、導入

が進められている(市場環境調査)。

付加製造技術の分野においては、装置、材料、サービスの面から関与する者が存在する。

Wohlers Report

2012 年で約 22

億円)に拡大すると予測されている。付加製造技術は今後さらなる活用が期待される状況

にある(市場環境調査)。

日本、米国、欧州、中国

2001 年から 2011

籍が主であり、市場環境調査とも符合する結果となっている。

400 件前後で推移しており、これらの国(地域)において継続して技術開発が行われて

いることが推察される。なお、各国(地域)の登録特許件数と特許出願件数の割合はほぼ

同数にあり、特許率に差は伺えない。また、ピークとなっている

願件数が上位の出願人をみると米国のヒ

件と多くの出願をしており、ピークの一因となっていることがわかる。

自国(地域)以外への特許出願行動について検討すると、米国、欧州は日本よりも自国

以外への出願割合が高く、国際特許出願(

海外市場をより意識した特許出願戦略をとっていることが伺える。付加製造装置の累積導

入台数では、米国、欧州に次いで日本、中国が多くなっており(市場環境調査)、特許出願

全体的な技術開発動向、知的財産活用状況について

付加製造技術は 1980 年代から技術開発・商品化が行われている技術である。日本では、

1980 年 4 月に光造形法(液槽光重合法の一種)のコンセプトを特許出願(特

)し、また丸谷洋二氏が

のコンセプトに関して特許(特公昭

シーメットを設立)が丸谷洋二氏との共同研究により光造形法の付加製造装置を商品化し、

年にはソニーと JSR(後にディーメックを設立)が光造形法による付加製

品化を行った。一方、米国ではチャック・ハル氏が

形法に関する特許(US-A1-4575330

年からは光造形法の付加製造装置を商品化した。カール・デッカード氏は

月の特許出願に基づいてレーザ溶融焼結積層法(

結合法の一種)に関する特許(

いて商品化した。また、ストラ

特許出願に基づいて熱溶融積層法(

5121329)を取得し、その後商品化を行った(技術概要、市場環境調査)。

そして、それらの装置は 1990

や機能確認モデルを迅速に作成すること(ラピッド・プロトタイピング)を目的に導入が

進められ、加えて 2000 年代には、材料特性や造形精度の向上に伴い付加製造装置を用いて

製造すること(ラピッド・マニュファクチュアリング)も目的として、導入

が進められている(市場環境調査)。

付加製造技術の分野においては、装置、材料、サービスの面から関与する者が存在する。

2013 によれば、付加製造装置、材料、サービスに関する世界の市場規模

22 億ドル(約

億円)に拡大すると予測されている。付加製造技術は今後さらなる活用が期待される状況

にある(市場環境調査)。

日本、米国、欧州、中国、韓国において出願された付加製造技術に関する特許出願件数

2011 年の期間で

籍が主であり、市場環境調査とも符合する結果となっている。

件前後で推移しており、これらの国(地域)において継続して技術開発が行われて

いることが推察される。なお、各国(地域)の登録特許件数と特許出願件数の割合はほぼ

同数にあり、特許率に差は伺えない。また、ピークとなっている

願件数が上位の出願人をみると米国のヒ

件と多くの出願をしており、ピークの一因となっていることがわかる。

自国(地域)以外への特許出願行動について検討すると、米国、欧州は日本よりも自国

以外への出願割合が高く、国際特許出願(

海外市場をより意識した特許出願戦略をとっていることが伺える。付加製造装置の累積導

入台数では、米国、欧州に次いで日本、中国が多くなっており(市場環境調査)、特許出願

全体的な技術開発動向、知的財産活用状況について

年代から技術開発・商品化が行われている技術である。日本では、

月に光造形法(液槽光重合法の一種)のコンセプトを特許出願(特

)し、また丸谷洋二氏が

のコンセプトに関して特許(特公昭 63

シーメットを設立)が丸谷洋二氏との共同研究により光造形法の付加製造装置を商品化し、

(後にディーメックを設立)が光造形法による付加製

品化を行った。一方、米国ではチャック・ハル氏が

4575330)を取得し、

年からは光造形法の付加製造装置を商品化した。カール・デッカード氏は

月の特許出願に基づいてレーザ溶融焼結積層法(

結合法の一種)に関する特許(US-A1-

いて商品化した。また、ストラタシス(米国)のスコット・クランプ氏は

特許出願に基づいて熱溶融積層法(Fused Deposition Modeling

)を取得し、その後商品化を行った(技術概要、市場環境調査)。

1990 年代には主として製造業の開発・設計現場における試作品

や機能確認モデルを迅速に作成すること(ラピッド・プロトタイピング)を目的に導入が

年代には、材料特性や造形精度の向上に伴い付加製造装置を用いて

製造すること(ラピッド・マニュファクチュアリング)も目的として、導入

が進められている(市場環境調査)。

付加製造技術の分野においては、装置、材料、サービスの面から関与する者が存在する。

によれば、付加製造装置、材料、サービスに関する世界の市場規模

億ドル(約 2,200 億円)であり、

億円)に拡大すると予測されている。付加製造技術は今後さらなる活用が期待される状況

、韓国において出願された付加製造技術に関する特許出願件数

年の期間で 4,318

籍が主であり、市場環境調査とも符合する結果となっている。

件前後で推移しており、これらの国(地域)において継続して技術開発が行われて

いることが推察される。なお、各国(地域)の登録特許件数と特許出願件数の割合はほぼ

同数にあり、特許率に差は伺えない。また、ピークとなっている

願件数が上位の出願人をみると米国のヒ

件と多くの出願をしており、ピークの一因となっていることがわかる。

自国(地域)以外への特許出願行動について検討すると、米国、欧州は日本よりも自国

以外への出願割合が高く、国際特許出願(

海外市場をより意識した特許出願戦略をとっていることが伺える。付加製造装置の累積導

入台数では、米国、欧州に次いで日本、中国が多くなっており(市場環境調査)、特許出願

- 44 -

全体的な技術開発動向、知的財産活用状況について

年代から技術開発・商品化が行われている技術である。日本では、

月に光造形法(液槽光重合法の一種)のコンセプトを特許出願(特

)し、また丸谷洋二氏が 1984 年 5

63-040650)を取得した。

シーメットを設立)が丸谷洋二氏との共同研究により光造形法の付加製造装置を商品化し、

(後にディーメックを設立)が光造形法による付加製

品化を行った。一方、米国ではチャック・ハル氏が

)を取得し、1986

年からは光造形法の付加製造装置を商品化した。カール・デッカード氏は

月の特許出願に基づいてレーザ溶融焼結積層法(

-4863538)を取得し、

タシス(米国)のスコット・クランプ氏は

used Deposition Modeling

)を取得し、その後商品化を行った(技術概要、市場環境調査)。

年代には主として製造業の開発・設計現場における試作品

や機能確認モデルを迅速に作成すること(ラピッド・プロトタイピング)を目的に導入が

年代には、材料特性や造形精度の向上に伴い付加製造装置を用いて

製造すること(ラピッド・マニュファクチュアリング)も目的として、導入

付加製造技術の分野においては、装置、材料、サービスの面から関与する者が存在する。

によれば、付加製造装置、材料、サービスに関する世界の市場規模

億円)であり、

億円)に拡大すると予測されている。付加製造技術は今後さらなる活用が期待される状況

、韓国において出願された付加製造技術に関する特許出願件数

4,318 件であった

籍が主であり、市場環境調査とも符合する結果となっている。

件前後で推移しており、これらの国(地域)において継続して技術開発が行われて

いることが推察される。なお、各国(地域)の登録特許件数と特許出願件数の割合はほぼ

同数にあり、特許率に差は伺えない。また、ピークとなっている

願件数が上位の出願人をみると米国のヒューレット・パッカード(米国)が

件と多くの出願をしており、ピークの一因となっていることがわかる。

自国(地域)以外への特許出願行動について検討すると、米国、欧州は日本よりも自国

以外への出願割合が高く、国際特許出願(PCT 出願)を多く活用しており、米国、欧州は

海外市場をより意識した特許出願戦略をとっていることが伺える。付加製造装置の累積導

入台数では、米国、欧州に次いで日本、中国が多くなっており(市場環境調査)、特許出願

全体的な技術開発動向、知的財産活用状況について

年代から技術開発・商品化が行われている技術である。日本では、

月に光造形法(液槽光重合法の一種)のコンセプトを特許出願(特

5 月に特許出願した

)を取得した。

シーメットを設立)が丸谷洋二氏との共同研究により光造形法の付加製造装置を商品化し、

(後にディーメックを設立)が光造形法による付加製

品化を行った。一方、米国ではチャック・ハル氏が 1984 年 8

1986 年に 3D

年からは光造形法の付加製造装置を商品化した。カール・デッカード氏は

月の特許出願に基づいてレーザ溶融焼結積層法(Selective Laser Sintering

)を取得し、1992

タシス(米国)のスコット・クランプ氏は

used Deposition Modeling

)を取得し、その後商品化を行った(技術概要、市場環境調査)。

年代には主として製造業の開発・設計現場における試作品

や機能確認モデルを迅速に作成すること(ラピッド・プロトタイピング)を目的に導入が

年代には、材料特性や造形精度の向上に伴い付加製造装置を用いて

製造すること(ラピッド・マニュファクチュアリング)も目的として、導入

付加製造技術の分野においては、装置、材料、サービスの面から関与する者が存在する。

によれば、付加製造装置、材料、サービスに関する世界の市場規模

億円)であり、2021 年には約

億円)に拡大すると予測されている。付加製造技術は今後さらなる活用が期待される状況

、韓国において出願された付加製造技術に関する特許出願件数

件であった。出願人は、日本国籍、米国籍、欧州国

籍が主であり、市場環境調査とも符合する結果となっている。

件前後で推移しており、これらの国(地域)において継続して技術開発が行われて

いることが推察される。なお、各国(地域)の登録特許件数と特許出願件数の割合はほぼ

同数にあり、特許率に差は伺えない。また、ピークとなっている

ューレット・パッカード(米国)が

件と多くの出願をしており、ピークの一因となっていることがわかる。

自国(地域)以外への特許出願行動について検討すると、米国、欧州は日本よりも自国

出願)を多く活用しており、米国、欧州は

海外市場をより意識した特許出願戦略をとっていることが伺える。付加製造装置の累積導

入台数では、米国、欧州に次いで日本、中国が多くなっており(市場環境調査)、特許出願

全体的な技術開発動向、知的財産活用状況について

年代から技術開発・商品化が行われている技術である。日本では、

月に光造形法(液槽光重合法の一種)のコンセプトを特許出願(特

月に特許出願した 2 ビームでの光造形法

)を取得した。1988 年には三菱商事(後に

シーメットを設立)が丸谷洋二氏との共同研究により光造形法の付加製造装置を商品化し、

(後にディーメックを設立)が光造形法による付加製

8 月の特許出願に基づいて光造

3D システムズ(米国)を設立、

年からは光造形法の付加製造装置を商品化した。カール・デッカード氏は

Selective Laser Sintering

1992 年に DTM

タシス(米国)のスコット・クランプ氏は

used Deposition Modeling、材料押出法の一種)の特

)を取得し、その後商品化を行った(技術概要、市場環境調査)。

年代には主として製造業の開発・設計現場における試作品

や機能確認モデルを迅速に作成すること(ラピッド・プロトタイピング)を目的に導入が

年代には、材料特性や造形精度の向上に伴い付加製造装置を用いて

製造すること(ラピッド・マニュファクチュアリング)も目的として、導入

付加製造技術の分野においては、装置、材料、サービスの面から関与する者が存在する。

によれば、付加製造装置、材料、サービスに関する世界の市場規模

年には約 108 億ドル(約

億円)に拡大すると予測されている。付加製造技術は今後さらなる活用が期待される状況

、韓国において出願された付加製造技術に関する特許出願件数

。出願人は、日本国籍、米国籍、欧州国

籍が主であり、市場環境調査とも符合する結果となっている。2003 年のピーク後は各年合

件前後で推移しており、これらの国(地域)において継続して技術開発が行われて

いることが推察される。なお、各国(地域)の登録特許件数と特許出願件数の割合はほぼ

同数にあり、特許率に差は伺えない。また、ピークとなっている 2003 年に関して、特許出

ューレット・パッカード(米国)が

件と多くの出願をしており、ピークの一因となっていることがわかる。

自国(地域)以外への特許出願行動について検討すると、米国、欧州は日本よりも自国

出願)を多く活用しており、米国、欧州は

海外市場をより意識した特許出願戦略をとっていることが伺える。付加製造装置の累積導

入台数では、米国、欧州に次いで日本、中国が多くなっており(市場環境調査)、特許出願

年代から技術開発・商品化が行われている技術である。日本では、

月に光造形法(液槽光重合法の一種)のコンセプトを特許出願(特

ビームでの光造形法

年には三菱商事(後に

シーメットを設立)が丸谷洋二氏との共同研究により光造形法の付加製造装置を商品化し、

(後にディーメックを設立)が光造形法による付加製造装置の商

月の特許出願に基づいて光造

システムズ(米国)を設立、

年からは光造形法の付加製造装置を商品化した。カール・デッカード氏は 1986

Selective Laser Sintering、粉末床溶融

DTM 社(米国)にお

タシス(米国)のスコット・クランプ氏は 1989 年

、材料押出法の一種)の特

)を取得し、その後商品化を行った(技術概要、市場環境調査)。

年代には主として製造業の開発・設計現場における試作品

や機能確認モデルを迅速に作成すること(ラピッド・プロトタイピング)を目的に導入が

年代には、材料特性や造形精度の向上に伴い付加製造装置を用いて

製造すること(ラピッド・マニュファクチュアリング)も目的として、導入

付加製造技術の分野においては、装置、材料、サービスの面から関与する者が存在する。

によれば、付加製造装置、材料、サービスに関する世界の市場規模

億ドル(約 1 兆

億円)に拡大すると予測されている。付加製造技術は今後さらなる活用が期待される状況

、韓国において出願された付加製造技術に関する特許出願件数

。出願人は、日本国籍、米国籍、欧州国

年のピーク後は各年合

件前後で推移しており、これらの国(地域)において継続して技術開発が行われて

いることが推察される。なお、各国(地域)の登録特許件数と特許出願件数の割合はほぼ

年に関して、特許出

ューレット・パッカード(米国)が 2003

件と多くの出願をしており、ピークの一因となっていることがわかる。

自国(地域)以外への特許出願行動について検討すると、米国、欧州は日本よりも自国

出願)を多く活用しており、米国、欧州は

海外市場をより意識した特許出願戦略をとっていることが伺える。付加製造装置の累積導

入台数では、米国、欧州に次いで日本、中国が多くなっており(市場環境調査)、特許出願

年代から技術開発・商品化が行われている技術である。日本では、

月に光造形法(液槽光重合法の一種)のコンセプトを特許出願(特

ビームでの光造形法

年には三菱商事(後に

シーメットを設立)が丸谷洋二氏との共同研究により光造形法の付加製造装置を商品化し、

造装置の商

月の特許出願に基づいて光造

システムズ(米国)を設立、

1986 年 10

、粉末床溶融

社(米国)にお

年 10 月の

、材料押出法の一種)の特

)を取得し、その後商品化を行った(技術概要、市場環境調査)。

年代には主として製造業の開発・設計現場における試作品

や機能確認モデルを迅速に作成すること(ラピッド・プロトタイピング)を目的に導入が

年代には、材料特性や造形精度の向上に伴い付加製造装置を用いて

製造すること(ラピッド・マニュファクチュアリング)も目的として、導入

付加製造技術の分野においては、装置、材料、サービスの面から関与する者が存在する。

によれば、付加製造装置、材料、サービスに関する世界の市場規模

兆 8,000

億円)に拡大すると予測されている。付加製造技術は今後さらなる活用が期待される状況

、韓国において出願された付加製造技術に関する特許出願件数

。出願人は、日本国籍、米国籍、欧州国

年のピーク後は各年合

件前後で推移しており、これらの国(地域)において継続して技術開発が行われて

いることが推察される。なお、各国(地域)の登録特許件数と特許出願件数の割合はほぼ

年に関して、特許出

2003 年に 78

自国(地域)以外への特許出願行動について検討すると、米国、欧州は日本よりも自国

出願)を多く活用しており、米国、欧州は

海外市場をより意識した特許出願戦略をとっていることが伺える。付加製造装置の累積導

入台数では、米国、欧州に次いで日本、中国が多くなっており(市場環境調査)、特許出願

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本編

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

でも日本への出願が多い状況となっている。また、米国、欧州は、日本が行うよりも多く

の件数を中国に特許出願しており、日本市場だけでなく中国市場を意識して特許出願を行

っていると考えられる。

特許出願件数のランキングでは、欧米企業の 3D システムズ(米国)、EOS エレクトロ・

オプティカル・システムズ(ドイツ)、ストラタシス(米国)が上位 3 者を占め、パナソニ

ックが次いで 4 位となっている。3D システムズ(米国)は 5 つの付加製造方式(主に液槽

光重合、粉末床溶融結合)、ストラタシス(米国)は 3 つの付加製造方式(主に材料押出)

について特許出願を行っており、近年では装置メーカ等の買収を積極的に行っている(市

場環境調査)。また、EOS エレクトロ・オプティカル・システムズ(ドイツ)は 2005 年頃

から出願件数が増加している。その他、付加製造方式ごとに主要な欧米企業が存在してお

り、技術開発や事業化において障害となる特許(出願)がないか調査する際には、各方式

の注目特許に加えて、これらの企業から調査することが効率的と考えられる。

また、近年中国特許庁に対する特許出願件数が急増しているが、本分野においては日本、

米国、欧州に比べて中国籍の特許出願件数は少ない。一方で、中国には既に付加製造装置

を製造する企業が存在し(市場環境調査)、また論文発表件数で上位を占める西安交通大学、

華中科技大学、清華大学は中国政府の施策において付加製造技術の研究拠点としての後押

しを受けていることから(政策動向調査)、今後、特許出願が増加する可能性がある。引き

続き留意が必要と考えられる。

第2節 産業用付加製造装置の技術開発について

2013 年現在の高精度を実現する付加製造装置において、樹脂材料の付加製造装置では造

形サイズでは 1,500×750×550mm 程度迄、積層ピッチでは 0.01mm 程度迄、付加製造方式は

材料噴射、液槽光重合が採用されている。また、金属材料の付加製造装置では造形サイズ

では 400×400×300mm 程度迄、積層ピッチでは 0.02mm 程度迄、付加製造方式は粉末床溶融

結合が採用されている(市場環境調査)。

付加製造方式別の特許出願件数を見ると、結合剤噴射、材料押出、材料噴射、粉末床溶

融結合、液槽光重合が多い。ここで、結合剤噴射は 2002-2005 年にヒューレット・パッカ

ード(米国)が集中して特許出願していた結果であり、材料押出は主に個人用付加製造装

置に用いられる方式であることを踏まえると、特許出願動向は産業用付加製造装置の商品

化状況と符合しており、製品に係る特許出願がなされていることが推測される。

材料噴射は、ストラタシス(米国)やオブジェット・ジオメトリーズ(イスラエル、2012

年にストラタシスが買収)の特許出願件数が多いが、3D システムズ(米国)には被引用回

数が多い特許が存在するため、技術開発や事業化においては留意する必要がある。

粉末床溶融結合は、7 つの付加製造方式において最も特許出願が多く、各年 100 件程度

が維持されており、技術開発が継続して行われていることが伺える。特許出願件数のラン

キングでは、EOS エレクトロ・オプティカル・システムズ(ドイツ)、パナソニック、3D

システムズ(米国)、アーカム(スウェーデン)、松浦機械製作所等の装置メーカが名を連

ねる。粉末床溶融結合の方式別要素技術を見ると、日本は米国、欧州と比較して粉末床溶

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本編

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

融結合と切削加工との組合せに関して積極的に技術開発を行っており、技術優位性を有し

ている可能性がある。一方、粉末床溶融結合におけるレーザと電子ビームに関しては、欧

州が日本、米国よりも多くの特許出願を行っており、電子ビームよりもレーザの特許出願

が多いことから、2000 年代に亘り、電子ビームよりもレーザを用いて技術開発を行ってき

たことが伺える。そのような中、電子ビームに関しては欧州が日本、米国よりも 100 件以

上多く特許出願を行っており、その内訳を調べると主にアーカム(スウェーデン)、EOS エ

レクトロ・オプティカル・システムズ(ドイツ)の出願となっている。被引用回数に基づ

いて注目特許を抽出すると、被引用率上位 20 件中 8 件がアーカム(スウェーデン)による

出願であり、電子ビームを用いた粉末床溶融結合においてアーカム(スウェーデン)が先

行して優位な地位を築いている可能性がある。技術開発や事業化においては留意が必要と

考えられる。

液槽光重合においては、日本の特許出願件数が全体の 49%を占めており、技術の蓄積を

有していると考えられる。各年の特許出願件数をみると、2005 年のピーク後は各年 50 件

程度を維持しており、継続して技術開発が行われていることが伺える。

付加製造装置の本来性能向上に関して、日本、米国、欧州ともに造形精度向上、造形速

度向上、造形物の特性向上(靭性、強度、歪み・カール低減等)の特許出願件数が多く、

本技術分野の基本的な課題となっていることが伺える。造形速度については、現在の付加

製造装置では造形精度、造形サイズ等によって異なるが 1 ㎝/h 程度とも言われており、付

加製造技術が多品種少量生産に向いているとされる一因となっている。

共通システムに関して、日本は米国、欧州と比較して後処理に関する特許出願が多く、

特にサポート剤除去、未固化材料除去、表面処理等において技術の蓄積を有することが伺

える。また、日本は機器使い勝手向上に関しては小型・省スペース化を課題とする特許出

願の割合が高い。一方、米国は環境制御に関して温度制御の特許出願が多く、欧州は環境

制御に関して雰囲気制御(不活性ガス、真空で半々程度)の特許出願が多い。

これまでの各国(地域)の技術の蓄積を考慮しつつ、今後の技術開発を進めることが効

率的である。

第3節 個人用付加製造装置の技術開発について

2013 年現在、個人用付加製造装置は材料押出法による低価格製品が主流である。近年、

個人用付加製造装置がひとつのブームとなった背景には、ストラタシスが保有していた熱

溶融積層法(Fused Deposition Modeling、材料押出法の一種)の特許(US-A1- 5121329)

が 2009 年に権利切れを迎えたことや、材料押出法が比較的簡易な方式であって個人が購入

できる程度の低価格製品を供給できたこと等が挙げられる。Wohlers Report 2013 による

と、個人用付加製造装置の販売台数は増加していくことが予測されており、市場規模は拡

大する見込みである(市場環境調査)。

材料押出の特許出願について見ると、米国、特にストラタシス(米国)による特許出願

が多く、被引用回数に基づいて注目特許を抽出すると被引用率上位 20 件中 16 件がストラ

タシス(米国)となっている。近年、ストラタシス(米国)による個人用付加製造装置メ

ーカの買収や(市場環境調査)、特許出願件数の増加が見られ、さらにストラタシス(米国)

が個人用付加製造装置のメーカを特許侵害で提訴するケースも発生しているため(市場環

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

境調査)、材料押出の技術開発や事業化においてはこれらの特許にも留意が必要と考えられ

る。

また、本調査を進める中においては、個人での付加製造装置の活用を促進するために、

3D モデリングの簡易化や不要化等、ユーザを支援する環境の構築も大切であるとの意見が

聞かれた。

第4節 付加製造装置の材料開発について

付加製造技術における特許出願人を見ると、装置メーカだけではなく、材料メーカが付

加製造装置での利用を想定して材料の特許出願をしている。

3D システムズ(米国)は材料メーカを買収しており(市場環境調査)、幅広い製品ライ

ンナップだけではなく材料開発等も行っていることが伺える。付加製造技術においては他

の加工技術に比べて材料の溶融凝固特性や流体特性等、材料特性への依存が大きいことか

ら、用途に応じて求められる造形物特性を得るためには装置の専門家と材料の専門家が密

に連携することが効率的であり、装置メーカと材料メーカが分かれている場合においては、

両者が共同で技術開発を行うことも必要と考えられる。

現在の付加製造装置では装置メーカが指定する材料を購入、使用する場合が多く、付加

製造材料を開発して消耗品ビジネスを展開することができれば、継続的な収益源とするこ

とができ、新たな技術開発資金を調達することが可能になる。

本調査を進める中においては、現在の付加製造装置で利用できる材料種別はまだ十分で

はなく、実部品製造という点では、例えば、エンジニアリングプラスチックや金属、セラ

ミックスにおける材料の多様化が望まれるとの意見や、2000 年代初頭、日本でも付加製造

技術の産業への本格的な活用が検討されたことはあるものの、当時は付加製造装置の市場

規模が十分な大きさではなく、材料メーカは本格的な参入が難しかったとの見解が聞かれ

た。

第5節 付加製造装置の用途について

付加製造はそのほとんどが層を積み重ねて造形する方式である。そのため、複雑な形状

や肉抜き形状等の造形が可能であり、例えば、これまで複数の部品を組合せていた構造で

あっても一体成型することが可能である。それにより、軽量な部品や従来製作ができなか

った造形物等、付加価値の高い造形物を製作することができる。一方で、造形に時間がか

かる点や造形物の製作コストが高い点といった課題が存在する。したがって、付加製造装

置の用途はこれらの長所と短所を踏まえた検討が必要と考えられる。

付加製造装置は、航空機部品や自動車用、金型製造等、次第に応用範囲を拡大している

(市場環境調査)。用途に関する特許出願では、日本では実部品製造と同様に成形型製造へ

の意識が強く、米国、欧州においては実部品製造が試作品製作等より意識されており、上

位出願人にはボーイング(米国)やゼネラル・エレクトリック(米国)が存在する。

米国、欧州の特許出願は製造業よりも医療・ヘルスケアを意識したものが多く、米国は

医療系、欧州は歯科系への意識が強い。論文発表においても医療・ヘルスケアを意識した

ものが多く、用途を見据えた技術開発が行われていることが伺える。造形物の特性として

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

の生体適合性に関しては、特許出願はまだ少ないものの、論文発表ではまとまった数が存

在していることから大学において研究されていることが伺える。また、バイオ付加製造の

技術開発も行われており、生体材料(細胞)に関する特許出願は未だ数件程度であるが、

今後伸びる可能性がある。

フードプリンタのような用途も検討されており、店舗において装置を用意し、特別な造

形を施した菓子等を販売するといった応用も広がることが考えられる(市場環境調査)。こ

のような高付加価値化への応用も有望な展開の方向として考えられる。

第6節 その他(ユーザ育成等)について

現時点では付加製造技術に馴染みのあるユーザは多くないと考えられる。公設試験研究

機関における付加製造装置の利用や 3D モデリングの研修といった公的な取り組みや、民間

における指導や普及啓発が行われており(市場環境調査)、付加製造技術を活用できるユー

ザの増加が重要と考えられる。

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第6章

本調査における調査結果・分析結果に基づき以下の提言を行う。

【提言1】戦略的な技術開発及び知的財産戦略の実行

付加製造技術は

有望な技術である。特許出願件数をみると、日本、米国、欧州が世界で先行して技術開発

を行っており、日本の技術競争力は欧米と拮抗していることが伺える。そのような中、日

本は液槽光重合に多くの特許出願があり、また粉末床溶融結合では欧州の特許出願が多い

ものの切削加工との組合せに多くの特許出願がある等、技術の蓄積を有する。一方で、材

料押出や粉末床溶融結合等においては主要な欧米企業がまとまった特許出願を行っており、

ポートフォリオが形成されて

今後の技術開発においては、主要な欧米企業の技術開発動向や保有特許に留意しつつ、

日本が欧米勢に比べて強みとする技術を活かすことや、将来の市場を見据えた海外出願を

行うことを視野に入れた、戦略的な技術開発及び知的財産

【提言2】付加製造装置

付加製造技術は他の加工技術に比べて造形物の特性が材料の特性に依存する要素が大き

く、材料開発が重要な位置付けとなる。今後、付加製造で造形できる材料の多様化(高融

点金属やエンジニアリングプラスチック等)が望まれる。そして、そのような材料を対象

に既存の付加製造装置とは異なった設計思想での新たな付加製造装置の開発を進めること

ができれば、我が国の付加製造技術の更なる発展を見込むことができる。

また、欧米では付加製造装置メーカが材料メーカを買収する動きがあり、これまで付加

製造技術が本格的な普及に至らなかった経緯を踏

置メーカ

することが望まれる。その際、製造プロセスに総合的な知見を有する公的研究機関を仲立

ちとすること等も視野に入れて一体的な技術開発を行うことが望まれる。

【提言3】用途を見据えた技術開発

付加製造技術は、複雑な形状や肉抜き形状等の造形が可能となる等、産業界にとって大

きな可能性を秘めた技術である。まだ解決すべき課題があり、既存の加工技術をすべて代

替するものではな

価が発揮される可能性がある。また、欧米では航空機や軍用部品等の領域を初期市場と捉

える動きが見られるところ、欧米勢は医療・ヘルスケアに関して特許出願が多く、今後は

個々のカスタマイズが付加価値の源泉となる医療系・歯科系の市場が拡大する可能性があ

る。

用途により求められる造形物特性は異なるため、今後の技術開発においては用途を明確

化させ、技術開発を効率的に進めることが望まれる。

提言

本調査における調査結果・分析結果に基づき以下の提言を行う。

【提言1】戦略的な技術開発及び知的財産戦略の実行

付加製造技術は

有望な技術である。特許出願件数をみると、日本、米国、欧州が世界で先行して技術開発

を行っており、日本の技術競争力は欧米と拮抗していることが伺える。そのような中、日

本は液槽光重合に多くの特許出願があり、また粉末床溶融結合では欧州の特許出願が多い

ものの切削加工との組合せに多くの特許出願がある等、技術の蓄積を有する。一方で、材

料押出や粉末床溶融結合等においては主要な欧米企業がまとまった特許出願を行っており、

ポートフォリオが形成されて

今後の技術開発においては、主要な欧米企業の技術開発動向や保有特許に留意しつつ、

日本が欧米勢に比べて強みとする技術を活かすことや、将来の市場を見据えた海外出願を

行うことを視野に入れた、戦略的な技術開発及び知的財産

【提言2】付加製造装置

付加製造技術は他の加工技術に比べて造形物の特性が材料の特性に依存する要素が大き

く、材料開発が重要な位置付けとなる。今後、付加製造で造形できる材料の多様化(高融

点金属やエンジニアリングプラスチック等)が望まれる。そして、そのような材料を対象

に既存の付加製造装置とは異なった設計思想での新たな付加製造装置の開発を進めること

ができれば、我が国の付加製造技術の更なる発展を見込むことができる。

また、欧米では付加製造装置メーカが材料メーカを買収する動きがあり、これまで付加

製造技術が本格的な普及に至らなかった経緯を踏

置メーカ、材料メーカ

することが望まれる。その際、製造プロセスに総合的な知見を有する公的研究機関を仲立

ちとすること等も視野に入れて一体的な技術開発を行うことが望まれる。

【提言3】用途を見据えた技術開発

付加製造技術は、複雑な形状や肉抜き形状等の造形が可能となる等、産業界にとって大

きな可能性を秘めた技術である。まだ解決すべき課題があり、既存の加工技術をすべて代

替するものではな

価が発揮される可能性がある。また、欧米では航空機や軍用部品等の領域を初期市場と捉

える動きが見られるところ、欧米勢は医療・ヘルスケアに関して特許出願が多く、今後は

個々のカスタマイズが付加価値の源泉となる医療系・歯科系の市場が拡大する可能性があ

用途により求められる造形物特性は異なるため、今後の技術開発においては用途を明確

化させ、技術開発を効率的に進めることが望まれる。

本調査における調査結果・分析結果に基づき以下の提言を行う。

【提言1】戦略的な技術開発及び知的財産戦略の実行

付加製造技術は 1980 年代から技術開発が行われており、今後さらなる活用が期待される

有望な技術である。特許出願件数をみると、日本、米国、欧州が世界で先行して技術開発

を行っており、日本の技術競争力は欧米と拮抗していることが伺える。そのような中、日

本は液槽光重合に多くの特許出願があり、また粉末床溶融結合では欧州の特許出願が多い

ものの切削加工との組合せに多くの特許出願がある等、技術の蓄積を有する。一方で、材

料押出や粉末床溶融結合等においては主要な欧米企業がまとまった特許出願を行っており、

ポートフォリオが形成されて

今後の技術開発においては、主要な欧米企業の技術開発動向や保有特許に留意しつつ、

日本が欧米勢に比べて強みとする技術を活かすことや、将来の市場を見据えた海外出願を

行うことを視野に入れた、戦略的な技術開発及び知的財産

【提言2】付加製造装置・プロセス・材料

付加製造技術は他の加工技術に比べて造形物の特性が材料の特性に依存する要素が大き

く、材料開発が重要な位置付けとなる。今後、付加製造で造形できる材料の多様化(高融

点金属やエンジニアリングプラスチック等)が望まれる。そして、そのような材料を対象

に既存の付加製造装置とは異なった設計思想での新たな付加製造装置の開発を進めること

ができれば、我が国の付加製造技術の更なる発展を見込むことができる。

また、欧米では付加製造装置メーカが材料メーカを買収する動きがあり、これまで付加

製造技術が本格的な普及に至らなかった経緯を踏

材料メーカ、並びに付加製造プロセスの専門家

することが望まれる。その際、製造プロセスに総合的な知見を有する公的研究機関を仲立

ちとすること等も視野に入れて一体的な技術開発を行うことが望まれる。

【提言3】用途を見据えた技術開発

付加製造技術は、複雑な形状や肉抜き形状等の造形が可能となる等、産業界にとって大

きな可能性を秘めた技術である。まだ解決すべき課題があり、既存の加工技術をすべて代

替するものではないものの、

価が発揮される可能性がある。また、欧米では航空機や軍用部品等の領域を初期市場と捉

える動きが見られるところ、欧米勢は医療・ヘルスケアに関して特許出願が多く、今後は

個々のカスタマイズが付加価値の源泉となる医療系・歯科系の市場が拡大する可能性があ

用途により求められる造形物特性は異なるため、今後の技術開発においては用途を明確

化させ、技術開発を効率的に進めることが望まれる。

本調査における調査結果・分析結果に基づき以下の提言を行う。

【提言1】戦略的な技術開発及び知的財産戦略の実行

年代から技術開発が行われており、今後さらなる活用が期待される

有望な技術である。特許出願件数をみると、日本、米国、欧州が世界で先行して技術開発

を行っており、日本の技術競争力は欧米と拮抗していることが伺える。そのような中、日

本は液槽光重合に多くの特許出願があり、また粉末床溶融結合では欧州の特許出願が多い

ものの切削加工との組合せに多くの特許出願がある等、技術の蓄積を有する。一方で、材

料押出や粉末床溶融結合等においては主要な欧米企業がまとまった特許出願を行っており、

ポートフォリオが形成されている可能性がある。

今後の技術開発においては、主要な欧米企業の技術開発動向や保有特許に留意しつつ、

日本が欧米勢に比べて強みとする技術を活かすことや、将来の市場を見据えた海外出願を

行うことを視野に入れた、戦略的な技術開発及び知的財産

・プロセス・材料

付加製造技術は他の加工技術に比べて造形物の特性が材料の特性に依存する要素が大き

く、材料開発が重要な位置付けとなる。今後、付加製造で造形できる材料の多様化(高融

点金属やエンジニアリングプラスチック等)が望まれる。そして、そのような材料を対象

に既存の付加製造装置とは異なった設計思想での新たな付加製造装置の開発を進めること

ができれば、我が国の付加製造技術の更なる発展を見込むことができる。

また、欧米では付加製造装置メーカが材料メーカを買収する動きがあり、これまで付加

製造技術が本格的な普及に至らなかった経緯を踏

、並びに付加製造プロセスの専門家

することが望まれる。その際、製造プロセスに総合的な知見を有する公的研究機関を仲立

ちとすること等も視野に入れて一体的な技術開発を行うことが望まれる。

【提言3】用途を見据えた技術開発

付加製造技術は、複雑な形状や肉抜き形状等の造形が可能となる等、産業界にとって大

きな可能性を秘めた技術である。まだ解決すべき課題があり、既存の加工技術をすべて代

、生産プロセスの中に付加製造技術を位置づけることでその真

価が発揮される可能性がある。また、欧米では航空機や軍用部品等の領域を初期市場と捉

える動きが見られるところ、欧米勢は医療・ヘルスケアに関して特許出願が多く、今後は

個々のカスタマイズが付加価値の源泉となる医療系・歯科系の市場が拡大する可能性があ

用途により求められる造形物特性は異なるため、今後の技術開発においては用途を明確

化させ、技術開発を効率的に進めることが望まれる。

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本調査における調査結果・分析結果に基づき以下の提言を行う。

【提言1】戦略的な技術開発及び知的財産戦略の実行

年代から技術開発が行われており、今後さらなる活用が期待される

有望な技術である。特許出願件数をみると、日本、米国、欧州が世界で先行して技術開発

を行っており、日本の技術競争力は欧米と拮抗していることが伺える。そのような中、日

本は液槽光重合に多くの特許出願があり、また粉末床溶融結合では欧州の特許出願が多い

ものの切削加工との組合せに多くの特許出願がある等、技術の蓄積を有する。一方で、材

料押出や粉末床溶融結合等においては主要な欧米企業がまとまった特許出願を行っており、

いる可能性がある。

今後の技術開発においては、主要な欧米企業の技術開発動向や保有特許に留意しつつ、

日本が欧米勢に比べて強みとする技術を活かすことや、将来の市場を見据えた海外出願を

行うことを視野に入れた、戦略的な技術開発及び知的財産

・プロセス・材料の一体的な技術開発

付加製造技術は他の加工技術に比べて造形物の特性が材料の特性に依存する要素が大き

く、材料開発が重要な位置付けとなる。今後、付加製造で造形できる材料の多様化(高融

点金属やエンジニアリングプラスチック等)が望まれる。そして、そのような材料を対象

に既存の付加製造装置とは異なった設計思想での新たな付加製造装置の開発を進めること

ができれば、我が国の付加製造技術の更なる発展を見込むことができる。

また、欧米では付加製造装置メーカが材料メーカを買収する動きがあり、これまで付加

製造技術が本格的な普及に至らなかった経緯を踏

、並びに付加製造プロセスの専門家

することが望まれる。その際、製造プロセスに総合的な知見を有する公的研究機関を仲立

ちとすること等も視野に入れて一体的な技術開発を行うことが望まれる。

付加製造技術は、複雑な形状や肉抜き形状等の造形が可能となる等、産業界にとって大

きな可能性を秘めた技術である。まだ解決すべき課題があり、既存の加工技術をすべて代

生産プロセスの中に付加製造技術を位置づけることでその真

価が発揮される可能性がある。また、欧米では航空機や軍用部品等の領域を初期市場と捉

える動きが見られるところ、欧米勢は医療・ヘルスケアに関して特許出願が多く、今後は

個々のカスタマイズが付加価値の源泉となる医療系・歯科系の市場が拡大する可能性があ

用途により求められる造形物特性は異なるため、今後の技術開発においては用途を明確

化させ、技術開発を効率的に進めることが望まれる。

本調査における調査結果・分析結果に基づき以下の提言を行う。

【提言1】戦略的な技術開発及び知的財産戦略の実行

年代から技術開発が行われており、今後さらなる活用が期待される

有望な技術である。特許出願件数をみると、日本、米国、欧州が世界で先行して技術開発

を行っており、日本の技術競争力は欧米と拮抗していることが伺える。そのような中、日

本は液槽光重合に多くの特許出願があり、また粉末床溶融結合では欧州の特許出願が多い

ものの切削加工との組合せに多くの特許出願がある等、技術の蓄積を有する。一方で、材

料押出や粉末床溶融結合等においては主要な欧米企業がまとまった特許出願を行っており、

いる可能性がある。

今後の技術開発においては、主要な欧米企業の技術開発動向や保有特許に留意しつつ、

日本が欧米勢に比べて強みとする技術を活かすことや、将来の市場を見据えた海外出願を

行うことを視野に入れた、戦略的な技術開発及び知的財産戦略

(第5章の

の一体的な技術開発

付加製造技術は他の加工技術に比べて造形物の特性が材料の特性に依存する要素が大き

く、材料開発が重要な位置付けとなる。今後、付加製造で造形できる材料の多様化(高融

点金属やエンジニアリングプラスチック等)が望まれる。そして、そのような材料を対象

に既存の付加製造装置とは異なった設計思想での新たな付加製造装置の開発を進めること

ができれば、我が国の付加製造技術の更なる発展を見込むことができる。

また、欧米では付加製造装置メーカが材料メーカを買収する動きがあり、これまで付加

製造技術が本格的な普及に至らなかった経緯を踏まえて、国等の支援のもとで付加製造装

、並びに付加製造プロセスの専門家を包含する研究開発体制を構築

することが望まれる。その際、製造プロセスに総合的な知見を有する公的研究機関を仲立

ちとすること等も視野に入れて一体的な技術開発を行うことが望まれる。

付加製造技術は、複雑な形状や肉抜き形状等の造形が可能となる等、産業界にとって大

きな可能性を秘めた技術である。まだ解決すべき課題があり、既存の加工技術をすべて代

生産プロセスの中に付加製造技術を位置づけることでその真

価が発揮される可能性がある。また、欧米では航空機や軍用部品等の領域を初期市場と捉

える動きが見られるところ、欧米勢は医療・ヘルスケアに関して特許出願が多く、今後は

個々のカスタマイズが付加価値の源泉となる医療系・歯科系の市場が拡大する可能性があ

用途により求められる造形物特性は異なるため、今後の技術開発においては用途を明確

化させ、技術開発を効率的に進めることが望まれる。

本調査における調査結果・分析結果に基づき以下の提言を行う。

年代から技術開発が行われており、今後さらなる活用が期待される

有望な技術である。特許出願件数をみると、日本、米国、欧州が世界で先行して技術開発

を行っており、日本の技術競争力は欧米と拮抗していることが伺える。そのような中、日

本は液槽光重合に多くの特許出願があり、また粉末床溶融結合では欧州の特許出願が多い

ものの切削加工との組合せに多くの特許出願がある等、技術の蓄積を有する。一方で、材

料押出や粉末床溶融結合等においては主要な欧米企業がまとまった特許出願を行っており、

今後の技術開発においては、主要な欧米企業の技術開発動向や保有特許に留意しつつ、

日本が欧米勢に比べて強みとする技術を活かすことや、将来の市場を見据えた海外出願を

戦略の実行が望まれる。

章の第1,2,3

の一体的な技術開発

付加製造技術は他の加工技術に比べて造形物の特性が材料の特性に依存する要素が大き

く、材料開発が重要な位置付けとなる。今後、付加製造で造形できる材料の多様化(高融

点金属やエンジニアリングプラスチック等)が望まれる。そして、そのような材料を対象

に既存の付加製造装置とは異なった設計思想での新たな付加製造装置の開発を進めること

ができれば、我が国の付加製造技術の更なる発展を見込むことができる。

また、欧米では付加製造装置メーカが材料メーカを買収する動きがあり、これまで付加

国等の支援のもとで付加製造装

を包含する研究開発体制を構築

することが望まれる。その際、製造プロセスに総合的な知見を有する公的研究機関を仲立

ちとすること等も視野に入れて一体的な技術開発を行うことが望まれる。

(第5章の

付加製造技術は、複雑な形状や肉抜き形状等の造形が可能となる等、産業界にとって大

きな可能性を秘めた技術である。まだ解決すべき課題があり、既存の加工技術をすべて代

生産プロセスの中に付加製造技術を位置づけることでその真

価が発揮される可能性がある。また、欧米では航空機や軍用部品等の領域を初期市場と捉

える動きが見られるところ、欧米勢は医療・ヘルスケアに関して特許出願が多く、今後は

個々のカスタマイズが付加価値の源泉となる医療系・歯科系の市場が拡大する可能性があ

用途により求められる造形物特性は異なるため、今後の技術開発においては用途を明確

(第5章の

年代から技術開発が行われており、今後さらなる活用が期待される

有望な技術である。特許出願件数をみると、日本、米国、欧州が世界で先行して技術開発

を行っており、日本の技術競争力は欧米と拮抗していることが伺える。そのような中、日

本は液槽光重合に多くの特許出願があり、また粉末床溶融結合では欧州の特許出願が多い

ものの切削加工との組合せに多くの特許出願がある等、技術の蓄積を有する。一方で、材

料押出や粉末床溶融結合等においては主要な欧米企業がまとまった特許出願を行っており、

今後の技術開発においては、主要な欧米企業の技術開発動向や保有特許に留意しつつ、

日本が欧米勢に比べて強みとする技術を活かすことや、将来の市場を見据えた海外出願を

が望まれる。

1,2,3節に基づく)

付加製造技術は他の加工技術に比べて造形物の特性が材料の特性に依存する要素が大き

く、材料開発が重要な位置付けとなる。今後、付加製造で造形できる材料の多様化(高融

点金属やエンジニアリングプラスチック等)が望まれる。そして、そのような材料を対象

に既存の付加製造装置とは異なった設計思想での新たな付加製造装置の開発を進めること

ができれば、我が国の付加製造技術の更なる発展を見込むことができる。

また、欧米では付加製造装置メーカが材料メーカを買収する動きがあり、これまで付加

国等の支援のもとで付加製造装

を包含する研究開発体制を構築

することが望まれる。その際、製造プロセスに総合的な知見を有する公的研究機関を仲立

ちとすること等も視野に入れて一体的な技術開発を行うことが望まれる。

章の第4節に基づく)

付加製造技術は、複雑な形状や肉抜き形状等の造形が可能となる等、産業界にとって大

きな可能性を秘めた技術である。まだ解決すべき課題があり、既存の加工技術をすべて代

生産プロセスの中に付加製造技術を位置づけることでその真

価が発揮される可能性がある。また、欧米では航空機や軍用部品等の領域を初期市場と捉

える動きが見られるところ、欧米勢は医療・ヘルスケアに関して特許出願が多く、今後は

個々のカスタマイズが付加価値の源泉となる医療系・歯科系の市場が拡大する可能性があ

用途により求められる造形物特性は異なるため、今後の技術開発においては用途を明確

章の第5節に基づく)

年代から技術開発が行われており、今後さらなる活用が期待される

有望な技術である。特許出願件数をみると、日本、米国、欧州が世界で先行して技術開発

を行っており、日本の技術競争力は欧米と拮抗していることが伺える。そのような中、日

本は液槽光重合に多くの特許出願があり、また粉末床溶融結合では欧州の特許出願が多い

ものの切削加工との組合せに多くの特許出願がある等、技術の蓄積を有する。一方で、材

料押出や粉末床溶融結合等においては主要な欧米企業がまとまった特許出願を行っており、

今後の技術開発においては、主要な欧米企業の技術開発動向や保有特許に留意しつつ、

日本が欧米勢に比べて強みとする技術を活かすことや、将来の市場を見据えた海外出願を

が望まれる。

に基づく)

付加製造技術は他の加工技術に比べて造形物の特性が材料の特性に依存する要素が大き

く、材料開発が重要な位置付けとなる。今後、付加製造で造形できる材料の多様化(高融

点金属やエンジニアリングプラスチック等)が望まれる。そして、そのような材料を対象

に既存の付加製造装置とは異なった設計思想での新たな付加製造装置の開発を進めること

また、欧米では付加製造装置メーカが材料メーカを買収する動きがあり、これまで付加

国等の支援のもとで付加製造装

を包含する研究開発体制を構築

することが望まれる。その際、製造プロセスに総合的な知見を有する公的研究機関を仲立

に基づく)

付加製造技術は、複雑な形状や肉抜き形状等の造形が可能となる等、産業界にとって大

きな可能性を秘めた技術である。まだ解決すべき課題があり、既存の加工技術をすべて代

生産プロセスの中に付加製造技術を位置づけることでその真

価が発揮される可能性がある。また、欧米では航空機や軍用部品等の領域を初期市場と捉

える動きが見られるところ、欧米勢は医療・ヘルスケアに関して特許出願が多く、今後は

個々のカスタマイズが付加価値の源泉となる医療系・歯科系の市場が拡大する可能性があ

用途により求められる造形物特性は異なるため、今後の技術開発においては用途を明確

に基づく)

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

Page 51: 平成25年度 特許出願技術動向調査報告書(概要) - jpo.go.jp3Dプリンター 平成26年3月 特 許 庁 問い合わせ先 特許庁総務部企画調査課 技術動向班

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部