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構造設計一級建築士平成25年度修了考査
平成25年10月20日
①法適合(記述式)
(解答例)
1
[問題1]
鉄筋コンクリート造建築物の典型的な地震被害と耐震設計に関して、以下の〔No.1〕~〔No.3〕につ
いて解答せよ。
〔N0.1〕一部の腰壁・垂れ壁付き柱に、写真 1 のような被害が生じた。以下の設問に解答せよ。
写真 1 1985 年チリ地震による柱被害例
(出典)T.Paulay and M.J.N.Priestley “SEISMIC DESIGN OF REINFORCED CONCRETE
AND MASONRY BUILDINGS”JOHN WILEY &SONS,INC,1992
(ア)被害原因を、地震時架構応力と部材構造特性の面から述べよ。
【解答】腰壁あるいは垂れ壁により、柱部が短柱になりせん断に対して脆性的な
形状となった。D 値が高くなり地震時せん断力が集中したことから、変形能の
少ない短柱がせん断破壊した。さらにフープ間隔も大きいため柱中心部のコン
クリートも脱落し主筋も座屈した。
(イ)このような被害を生じさせないための、構造設計上の方策を述べよ。
【解答】柱を短柱にしないため腰壁、垂れ壁接続部にスリットを入れる。また柱
のフープや中子を密に配して内部コンクリートの拘束を図る。
(ウ)この柱の内法高さ ho と柱の幅 D の比率 ho/D を 1.5 と仮定した場合、柱の種別
を FC とするための条件を述べよ。
【解答】崩壊メカニズム時の軸方向応力度についてσo/Fc を 0.55 以下にする様、また
崩壊メカニズム時のせん断応力度について τu/Fc を 0.15 以下にする様、柱の断面積
を検討する。
柱のせん断スパンの柱せいに対すする比が非常に小さい場合には、いわゆる短柱となる。これは過去に地震被害の多い部材のうちで最も代表的なものである。多量のせん断補強を施しても・・・脆性的な破壊を生じやすい。
(技術基準解説書 p366)
告示第 1792 号の 4 の柱梁の部材種別表による。
2
〔No.2〕連層耐震壁をつなぐ境界梁に、写真 2 のような被害が生じた。以下の設問に解答せよ。
写真 2 1964 年アラスカ地震による境界梁被害例
(出典)T.Paulay and M.J,N.Priesley “SEISMIC DESIGN OF REINFORCED CONCRETE
AND MASONRY BUILDINGS”, JOHN WILEY &SONS,INC,1992
(ア)被害原因を、地震時の架構変形性状と部材構造特性の面から述べよ。
【解答】両側の連層耐震壁が、基礎に支持された 2 枚の片持壁のような形で、大き
な基礎変形+曲げ変形を起こして、地震時に境界梁接続部に上下変位が発生した。
この上下変位により境界梁が強制変形を受け、境界梁が短柱のようなせん断破壊
を起こしたものである。
(イ)このような被害を生じさせないため、境界梁の種別を FA とするための条件を
述べよ。
【解答】梁の長さが短いことから、短柱の設計に準じて、ho/D≧2.5 pt≦0.8%
τu/fc≦0.10 とする。具体的には梁せいを大きくしないようにして、主筋量も押
さえ、両梁端曲げ降伏に対応する地震時せん断応力度をτu/fc≦0.10 に納まるよ
う設計する。
建築物全体の設計としては、当該部基礎梁の剛性を大きくすることや、当該
部屋根梁の剛性を大きくすることにより、2 枚の連層耐震壁をスーパーラーメ
ン的に周囲拘束することも有効である。
3
〔N0.3〕平成 7(1995)年の兵庫県南部地震では、ピロティ型建築物の1階柱に多くの被害が発生し
た。このような被害を軽減するために、ピロティ型建築物に対する耐震設計上の留意点が「2007 年版
建築物の構造関係技術基準解説書」に示された。
1階ピロティ層で層崩壊する純ピロティ型鉄筋コングリート造5階建て建築物の耐震設計について、
以下の設問に解答せよ。
(ア)この建築物に対する構造特性係数 Ds および柱設計における設計条件(部材の
性能)について述べよ。
【解答】構造特性係数Ds:ピロティ階での層崩壊となる場合はDs=0.3以上とする。
柱設計条件:曲げ破壊のみを許容し、せん断破壊を許容しない。ho/D≧2.5
σo/Fc≦0.35 pt≦0.8% τu/fc≦0.10
(イ)柱圧縮軸力に対する制限を緩和するための方策と理由について述べよ。
【解答】すべての主筋を中子筋で拘束するか、あるいは柱断面内で 200mm 間隔以
下となる中子筋を設けることにより、σo/Fc≦0.35 が 0.55 まで緩和できる。
中子筋によって中間主筋を拘束すると、軸力比 2/3 程度でも十分な変形性能
を有することが確認されていることによる。
(ウ)この建築物では、剛性率による割増係数 Fs の値が 1.50 で、偏心率による割増
係数 Fe 値が 1.0 となった。この場合、ピロティ建築物としての損傷集中を考慮
した 1 層での Fs の値を求めよ。
【解答】5 階建の強度割増係数(αp)は 1.67 であり、通常計算の Fs 値 1.5 より大
きいため、1 階ピロテイ階の Fs 値は 1.67 とする。
純ピロティ階を有する建築物で、崩壊系がピロティ階での層崩壊となることが予想される場合の構造特性係数は 0.30 以上とする。
・・・崩壊系が全体曲げ形になることが期待される場合の構造特性係数は 0.40
以上とする。系が柱が引張降伏することによる全体曲げ系の崩壊型となる場合は 0.40 とする。
柱の性能については、付表1.6-1 による。
(技術基準解説書 p694)
ピロティ階の単独柱に作用する崩壊メカニズム時の軸方向応力度は一般的に非常に大きく、・・・その場合は(6)
構造規定で示されている仕様を満足すれば、この軸力条件は緩和されるとした。
(技術基準解説書 p697)
ピロティ階で層崩壊する純ピロティ型建築物の Fs は、剛性率による割増係数とピロティ階の強度割増係αp の大きい方の値を用いる。
(技術基準解説書 p695)
4
[問題2]
図のような鉄骨造事務所の建築物の設計に関して、以下の〔No.1〕~〔N0.3〕について解答せよ。
5
構造形式 X 方向・Y 方向ともに純ラーメン構造
構造計算ルート X 方向・Y 方向ともにルート 2
柱断面 1,2F C1 □-400×400×16×16 建築構造用冷間プレス成形角形鋼管 BCP325
梁断面 RF RG1 H-450×200×9×14 SM490A
RG2 H-450×200×9×14 SM490A
2F 2G1 H-440×300×11×18 SM490A
2G2 H-450×200×9×14 SM490A
柱脚形式 露出型柱脚形式
柱梁接合部形式 通しダイアフラム形式
断面性能
断面 塑性断面係数(mm3)
□-400×400×16×16 3,280,000
H-450×200×9×14 1,650,000
H-440×300×11×18 2,760,000
鉄骨の基準強度
材料強度 基準強度の 1.1 倍とする。
材料 F 値(N/mm2)
BCP325 325
SM490A 325
6
〔No.1〕梁断面寸法について、構造計算ルートに適合するかどうかを判定せよ。判定の根拠となる計
算も示すこと。
【解答】ルート 2 に適合させるには、局部座屈等の防止として、柱・梁がルート
2 の幅厚比(部材種別 FA と同値)を満たす必要がある。下記のように 2G1 梁の幅
厚比が FA を満足していないので、ルート 2 に適合していない 。
規定値 FLG:9√(235/F)=7.65
WEB:60√(235/F)=51.0
RG1,RG2,2G2:H-450*200*9*14
FLG:b/tf=100/14=7.14≦7.65
WEB: (d-2・tf)/tw=(450-28)/9=46.9≦51.0
2G1:H-440*300*11*18
FLG:b/tf=150/18=8.33>7.65 NG
WEB: (d-2・tf)/tw=(440-36)/11=36.8≦51.0
〔No.2〕2 階床レベルにおける柱と梁の耐力の大きさの比について、構造計算ル
ートに適合するかどうかを判定せよ。判定の根拠となる計算も示すこと。ただし、
本建築物では柱軸力が軸耐力に比べて十分に小さいため、柱の軸力による全塑性
モーメントの低下は考慮しなくてよい,
【解答】ルート 2 に適合させるには、冷間成形角形鋼管柱の耐力比確保等として、
柱梁各節点毎に∑Mpc≧1.5∑Mpb を満たす必要がある。
X 方向中柱の柱梁耐力比が、上記条件を満たしていないためルート 2 に適用し
ていない。
2G2:H-450*200*9*14
Mpb=Zp・σy=1650E3*325*1.1*E-6=590kNm
2G1:H-440*300*11*18
Mpb=Zp・σy=2760E3*325*1.1*E-6=987kNm
C1:□-400*400*16*16
Mpc=Zp・σy=3280E3*325*1.1=1173kNm
X 方向中柱:∑Mpc=2*1173kNm ∑Mpb=2*987=1974kNm
∑Mpc/∑Mpb=1.18<1.5 NG
X 方向外柱:∑Mpc=2*1173kNm ∑Mpb=987kNm
∑Mpc/∑Mpb=2.38≧1.5
Y 方向外柱:∑Mpc=2*1173kNm ∑Mpb=590kNm
∑Mpc/∑Mpb=3.98≧1.5
C1 C1
告示第 1791 号(平成 19 年告示第 595 号により改正)
により、ルート 2 における部材の幅厚比については、「当面の緩和値」が廃止された。
幅厚比の具体的求め方については技術基準解説書p586 参照
参考:柱の軸力の影響
Mpc=ν・σy・Zp
ここに ν(軸力比 n による低減係数)
=1-4n2/3 (n≦0.5)
=4(1-n)/3 (n>0.5)
(2008 冷間成形角形鋼管設計・施工マニュアル p41)
Mpb,PMc の計算については、ここでは柱梁共材料強度(1.1 倍)を用いる表記とした。
FLG:b/tf
WEB:(d-2・tf)/tw
tw
b b
tf
d
2G1 2G1
2G1 2G1
2G2
C1 C1 C1
C1 C1 C1
7
〔No.3〕X3 通りの大梁 2G2 の階段室部分には横補剛材が入っておらず、保有耐カ
横補剛を満足していない。構造計算ルート 2 を満足させるための対処方法を記述
せよ。
【解答】横補剛が均等に配置されていないので梁端部に横補剛を設ける方法によ
り検討する。具体的には Lb≦200*Af/h かつ Lb≦50*iy より最大横補剛間隔を求
め、端部よりその間隔の位置に横補剛を入れると共に、その位置における検討
用モーメント(両端が塑性状態にあるとしたモーメント分布に安全率1.1(490級)
を乗じたもの)が降伏モーメント以下であることを確認する。
プランとの納まりについては、階段のフロアレベル側の踊場に合わせて補剛
材を納める等が考えられる。
参考
1)梁全長にわたって均等間隔で横補剛を設ける方法
H-450*200*9*14 iy=44.3 横補剛箇所数 n=2
λy=L/iy=8000/44.3=181≧130+20・n=170 NG
2)主として梁端部に近い部分に横補剛を設ける方法
Lb≦200・Af/h =200*14*200/450=1240
Lb≦50・iy=50*44.3=2215 Lb=1240
H-450*200*9*14 の全塑性曲げモーメント
cf 降伏曲げモーメントは My=Z・σy=1460E3*325*E-6=475kNm
安全率α=1.1 として横補剛検討用曲げモーメント
横補剛位置 448 は My=475 より小さい。 OK
590
590
649
649
1240 5520 1240
8000
(162)
448
448
横補剛材
8
[問題3]
今までにあなたが実際に行った建築物の構造設計に関する業務(構造に関する工事監理、建築確認の審
査等を含む)で担当した代表的な建築物の一つに関して、以下の〔No1〕~〔No.3〕について解答せよ。
〔No.1〕建築物の構造種別、用途、規模(地上、地下の階数、概略延べ面積)を明
記したうえで、当該物件の構造的な特徴を最もよく表すと思われる代表的な架構
をスケッチし、その特徴および構造設計上の配慮や工夫について記述せよ。スケ
ッチには、建築物高さ、階高、スパン、部材などの概略寸法を記入すること。
(注)架構のスケッチは建築物の全体的な架構が理解でき、また構造的な特徴など
がよく表現されているものとすること。
構造種別:鉄筋コンクリート構造
用途:集合住宅
規模:地上 5 階 地下なし,延床面積 約 2500m2,軒高 14.3m
注記)図面はもっと簡略なものでよいと思われる。
2900
200 GL
6000 6000 6000 6000 6000 7500
37500
2800
5SL
4SL
3SL
RSL
2800
2800 2SL
1SL
2800
13000
柱 700*850(1,2F)
~600*850(3,4,5F)
大梁 600*750(2,3F)
~500*750(4,5,RF)
小梁 800*550
壁 t=180
床スラブ t=210
N
14300
9
【解答】
1 限られた居住面積に対して、家具等の納まりのよい空間を提供するため、桁
方向をラーメン構造,スパン方向を壁式構造として設計した。→戸境壁部に梁
型の露出しない躯体とすることができる。
2 居住性の確保のため、床スラブに対して学会の厚さ基準と軽衝撃・重衝撃の
検討を行い、t=210 の小梁のない一枚床として設計した。戸境壁は t=180 とした。
→長期的なたわみや隣戸との騒音トラブルを防止することができる。
3 北側の柱は袖壁の取付くものとなるが、これを耐震スリットで縁を切ること
を避け、袖壁付柱としてそのまま設計した。→強度に依存する設計が可能な中
低層建築物であることから、袖壁の剛性効果を出来るだけ失わないよう配慮し
た。
〔No.2〕上記建築物の構造設計における法規上の構造計算ルートを示し、その選
択理由、または採用根拠を記述せよ。
【解答】桁方向は、建築物の高さが 31m 以下であり、偏心率や剛性率が基準値に
納まることからルート 2-3 も選択できるが、保有耐力時の崩壊メカニズムを正
確に把握すべきであると考え、ルート 3 とした。
スパン方向は、建築物の高さや壁量がルート 1 の規定を満たし、さらに階数・
階高・壁厚・壁量が壁式鉄筋コンクリートの規定を満たすため、壁式構造とし
て設計した。
〔N0.3〕上記建築物の構造設計に関する業務において特に工夫・留意した点につ
いて、以下の(ア)~(ウ)の中から一つ選択し、スケッチおよび文章で説明せよ。
(ア)接合部・継手のディテールおよびその考え方
(イ)部材の靱性を確保するためのディテールおよびその考え方
(ウ)新規性のある材料、部材、接合方法などを開発または採用した場合、そのデ
ィテールおよび考え方
【解答】(イ)耐震スリットは柱の短柱化を防ぐ目的でのみ用いるものとした。袖
壁は柱と一体評価し、大梁から大梁に至る雑壁はその剛性を偏心率・剛性率等
の評価に反映し、いずれも耐震スリットによる縁切りをしないものとした。
告示第 1274 号により、耐震設計のルートは、建築物の方向毎に別のルートを使うことが出来る。
(ICBA QANo.66 に詳細説明あり)
耐震スリット 剛性評価(偏心率・剛性率)
袖壁評価
大梁
大梁 柱
10
鉄骨造の設計図書の抜粋(P7~P12←問題集でのページを指す。以下同様)をもとに次の問題4,問題5につい
て解答せよ。
11
12
13
[問題4]
P7~P10 の「1.建築概要」~「4.構造概要」をもとに本建築物の構造設計を行う上で特に注意すべき設
計方針、計算条件について〔No.1〕および〔No.2〕の設問に対して簡潔に記述せよ。
〔No.1〕上部構造設計上の特に注意すべき設計方針、計算条件について四つ挙げ
よ。
【解答】以下から 4 項目を記載する。
1 2 階がブレースを主体とした構造であり、1 階がラーメン構造であるので、
XY両方向とも剛性率を満たさず、地震エネルギーが 1 階に集中する恐れがあ
る。変形の計算をいろいろなケースについて慎重に行い、1 階の耐震余裕を高
めると共に、2 階のブレース(特にY方向の妻面ブレース)の剛性を必要以上
に高くしないように工夫する必要がある。
2 1 階柱が角形鋼管であり、2 階柱が H 形鋼であるので、鉄骨柱の上下連続性
に配慮が必要である。2 階にピン構造の建物が載っているような層間連成のな
い構造は基本的に避ける必要がある。
3 2 階Y方向は、妻面ブレース架構と中央の大スパン架構の変形バランスが悪
いので、基本的にはゾーニング設計で大スパン部の地震時応力と変形が安全で
あるかどうかを検討する。
4 1F 柱に冷間成形角型鋼管を用いているため、
各節点毎に柱梁耐力比∑Mpc≧1.5∑Mpb(ルート 2)
各層毎に柱梁または柱パネル耐力比∑Mpc≧∑min(1.5Mpb,1.3Mpp)(ルート 3)
を満たすように設計する。
5 露出型柱脚であるため応力解析では柱脚を回転バネで評価し、断面検討時に
は保有耐力接合等の検討を行う。
〔No.2〕下部構造(基礎)設計上の特に注意すべき設計方針、計算条件について一
つ挙げよ。
【解答】ボーリングデータによると、杭の周辺に圧密沈下の恐れのある軟弱な粘
性土が 24m 程度の深さまで続いている。既成コンクリート杭は断面積に対して
表面積が大きく、負の摩擦力に対して不利なため、負の摩擦力を考慮した杭の
設計をおこなう必要がある。
ルート 2:告示第 1791 号-2
ルート 3:告示第 594 号-4
露出柱脚の計算ルート別設計フロー(技術基準解説書 p599)
地盤沈下を生じている地域及びその可能性のある地域で、圧密層を貫いて打設される支持杭は、・・・杭周辺に下向きに作用する摩擦力を荷重として・・・・
(技術基準解説書 p273)
層間変形角・・・については、上下の床版に接する壁及び柱のすべてについて確かめなければならない(告示第 594 号-3)
14
15
[問題5]
鉄骨詳細図(P11 および P12)において、不適切と考えられる箇所について内容の異なる 5 項目を指摘せ
よ。なお、指摘については答案用紙の鉄骨詳細図上に不適切な箇所を 1~5 の番号を付与した雲マーク
で囲むとともに、その不適切な理由と対処方法をそれぞれの番号に応じて解答欄に記述せよ。
雲マークと番号の記入例 1
【解答】以下から 5 項目を記載する。
1 角形鋼管柱の通しダイヤフラムプレートは、取付く大梁のフランジ厚さの 2
サイズ UP 以上とする指導がある。→ダイヤフラムプレートを PL-28~30 と
する。
2 大梁の下フランジの柱端溶接は、上フランジと同じく突合溶接とする必要が
ある。→突合溶接とする。
3 2 階柱と 1 階柱の納まりが悪く、力の流れに不安がある。→縦リブを付ける
等により補強することになるが、本来は 2 階柱も 1 階柱の角形鋼管をそのま
ま伸ばす設計とすべきである。角形鋼管に求められる∑Mpc≧1.5∑Mpb 等の
運用も曖昧である。
4 露出柱脚におけるベースプレートとの溶接は、柱の全強耐力を伝達出来るも
のとする。→突合溶接とする。
5 アンカーボルトの長さが不足している。(630/42=15d)アンカーボルトの長さ
が短いと、耐力は満たしても伸び能力に劣る。→ルート 2 あるいはルート 3
設計であることから、アンカーボルトは ABR または ABM とし、長さは 20d
以上とする。
6 柱のダイヤフラムプレートについて、Z 方向破壊への配慮がなされていない。
→ダイヤフラムプレートを SN400C 材とする。
7 2 階 X 方向大梁の柱端にダイヤフラムプレートが設けられていない。
→柱に内ダイヤフラムプレート PL-19 を設ける。
告示第 1464 号 2-イ-2
通しダイヤフラムとはりの溶接部にあっては、梁フランジは通しダイヤフラムを構成する鋼板の厚みの内部で溶接しなければならない。
縦リブ
告示第 1456 号で規定されているようにアンカーボルトの定着長さは径の 20 倍以上を目安とし・・・
(技術基準解説書 p599)
ABM,ABR は 25d と 35d が販売されている。
SN-C 材:板厚方向に大きな引張応力を受ける部材または部位に使用する。(建築構造設計指針 p179)
16
1
1
2
3
4 5
6
6
6
6
7
6
17
1
1
2
4 5
6
6
6
6
7
6
以上
1
1
2
3
4
5
6
6
6
6
7
6