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2断層のモデル化
1)検討対象とする断層の抽出
検討対象範囲を設定し、その領域内にかかる断層のうち「日本陸域の主な起震断層と地震
の表」(松田ほか(2000)1)からマグニチュードM7(長さLが20km)以上となる断層
を抽出する。
断層の長さLは、断層の始点と終点を結んだ距離とする。なお、断層の始点と終点は、地
震調査委員会の「長期評価」等2を参照する。
(注)本資料において、マグニチュードMは、気象庁マグニチュードを意味する。
2)断層の形状(近似)
抽出した震源断層をモデル化するにあたり、震源断層をできるだけ少数の矩形断層に分割し近似する。
近似の仕方は以下のとおり。
断層の分割:断層帯のトレースを、出来るだけ少数の線分で近似し、それぞれの線分ご
とに断層を分割する。
走向:上記の線分でもって、分割した断層の走向とする。
・傾斜角:分割した断層ごとに傾斜角を設定する。傾斜角の設定は次の通り。
①ほぼ垂直に近いとされているものは、90度とする。
②45度より高角と思われるが、上記①と異なるものは、60度とする。
③45度より低角と思われるものは、30度とする。
④45度前後と思われるもの、あるいは傾斜角が不明なものは、45度とする。
ただし、断層傾斜角について、ほぼ共通の値が用いられているものについては、その値を
用いる(琵琶湖西岸断層帯、上町断層帯、花折断層帯南東部の傾斜は70度)。
断層の上端:深さ4kmあるいは「地震基盤(Vs=3,000m/s)+2km」のいずれかの深
い方とする。
断層の下端:地震調査委員会の記述を参照して設定する。
・断層の幅:断層上端と下端から傾斜角を考慮して算出する。ただし、断層幅は最大30km
とする(※1)。
横ずれと逆断層の接続の仕方:横ずれ断層の上端に逆断層の上端を一致させる。
断層面が交差した場合の処理:分割した断層が交差した場合には、その交差線でもって
断層を区分して近似する。
1松田時彦,塚崎朋美,萩谷まり,2000,日本陸域の主な起震断層と地震の表,活断層研究,19,33-54.
2地震調査研究推進本部地震調査委員会による各断層の「長期評価」や「全国を概観した地震動予測地図」
3小田切聡子,島崎邦彦,2001,歴史地震と起震断層との対応,地震2,54,47-61.
2-1
を参照した。
※1
|
I
断層幅は最大30kmとする。
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ll
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川川川
11
ⅢⅢkkO032
幅幅
↑↑
▼
●
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〒す号」●● 針~
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断層幅伽
毎色
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●;横ずれ地震(
●:縦ずれ地震(
●:横ずれ地震(
⑧:縦ずれ地震(
国内)
国内)
国外)
国外)103
103 104
断層長さ(m)
105 106
図2.21断層の長さと断層幅の関係g
武村(1998)4とWellsandCoppersmith(1994)5データリストより作成。
この図から断層幅が広いものでも20~30km程度と考えられる。
4武村雅之,1998,日本列島における地殻内地震のスケーリング則~地震断層の影響および被害地震との関連,地
震2,51,211-218.
5Wens,D.L、,andK.J.Coppersmith,1994,Newempiricalrelationshipamongmagnitude,rupturelength,rupturewidth,rupturearea,andsurfacedisplacement,BullSeismol.Soc.Am.,84,974-1002.
2-2
’11
平面図
A'A
■/▼
断層面
近似した断屈の地表トレース
|断面図|近似した断層の地表トレースA地表 K A'
、
4kmまたは
地震基盤+2km
地震発生層下限一.■■一一一-一一一一一一一一一一ーー
↓断層上端の位腫
…
A
殴定した逆断層〆から想定した地表I,レース
横ずれ断層
A
断層面
ロ断面図
A地表 八近似した断層の地表トレース
ゾ 。,、
I,
4kmまたは、、』地震基盤+2kml
横ずれ断層
__狸肇蝿]m_I
▲〆 断層上端の位置
a)逆断層のみまたは横ずれ断層のみでb)横ずれ断層と逆断層からなる断層帯の場合
モデル化した場合
図22.2断層の置き方の概念図
図223逆断層のみから構成さ
れる断層帯の例(生駒断層帯)
2-3
奉“。一一
野X・画▽~
■・・・畠一色やー
。ごzー吾
謹凋Kr,"輔感f・悸池市皇一 ~・喝.申画
図2.2.4逆断層と横ずれ断層の双方か
ら構成される断層帯の例(花折断層帯)
3)断層の巨視的なパラメータ
○断層の長さとマグニチュード及びモーメントマグニチュード(※2)
・断層の長さLOKm)とマググニチュードMの関係式(松田式,19756)
logL=0.6M-2.9
モーメントマグニチュードMwとマグニチュードMの関係式(中央防災会議20047)
Mw=0.88M+0.54
断層長さとモーメントマグニチュードの関係式
皿〃=0.88. )C鶚"÷0.54○地震モーメントと断層の面積および平均変位量
・モーメントマグニチュードと地震モーメントの関係式
logMo=1.5Mw+9.1
・地震モーメントMoと断層面積S(km2)及び断層平均変位量D(m)の関係式
Mo="DS
必:剛性率
○平均応力パラメータ
・断層全体の平均応力パラメータは3MPaとする。
○震源断層のセグメント分け(※3)
・震源断層を分割した断層をもって、セグメントとする。ただし、震源断層がひとつの矩
形で近似された場合には、地表断層の形状等からその断層は2つのセグメントに分割す
る。
○小断層による断層の近似
・震源断層は、セグメントごとに2km×2km程度の小断層で近似する。
○破壊伝播速度及びfma
・破壊伝播速度職化m/s)は、次式から算出した。ただし、S波速度Vsは3_5km/sとした。
Vr=0.72Vs
hnaxは、兵庫県南部地震から推定された値、6Hzとした。
6松田時彦,1975,活断層から発生する地震の規模と周期について,地震2,28,269-283.
7中央防災会議2004,第12回「首都直下地震対策専門調査会」資料2-2「地震ワーキンググ
ループ報告書」.
2-4
M畑a一三Mw Mjma-Mw
’ ’ ’ |
に
0
●●
..。彫:‘Mw=0.88M+0.54畠基zI1聯騨絶典八輪I岬
8 8畠言ユー1琳狸符上人兼l岬
//
●
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● ●
・ 11・=…●
:域1 ●_函 X X x x X X 画●●
●
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銘
/
/
4 4-一。
9/’
6 8
気象庁マグニチュードM
4 4 6
気象庁マグニチュードM
8
図2.3.1気象庁マグニチュードMとモーメントマグニチュードMwとの関係
左:内陸地震については、M>5に対して、M>Mw
濃尾地震を除くM5以上の地震に対し、主成分分析により回帰直線を求めた。
右:海満型地震
2-5
Mw=M
※2地震モーメント(Mo)と断層の長さ(L)及び面積(S)との関係
表2.3.1地震モーメントと断層長さの関係式
本調査会
jmc●
n
町jm
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一勺
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1
,
×y
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825
252
QQ、
二二×
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OO/I
l1
Shim丹冤月ki
(1986)
logL=1/31ogMo-7.28(Mo<7.5×1025dyn・cm)
logL=1/21ogMo-11.82(7.5×1025dyn・cm≦Mo≦2×1027dyn・cm)
武村
(1998)
jO1一一β7
4mj
剛訟亜
いい伽
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Jノ
28
咋如
○
1
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--
M
O
Mく
Fujii&
Matsu'11rg
(2000)
表2.3.2地震モーメントと断層面積の関係式
武村
(1998)
logL=2/31ogMo-14.74(Mo<7.5×1025dyn・cm)
logS=1/21ogMo-10.71(7.5×1025dyn.CIn≦Mo2×1027dyn.cm)
S=4.59×10-11Mo'/2
伽o≦1×1028dyn.cm)
T1・ikllra
etal.(2004)
Log(S)=-3.49+0.91・Mw(4.8<Mw<7.9)Wens&
Coppersmith
(1994)
宅一一一
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cc
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66220011
32Jj2100
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11口ロ0011
3422●■
24
一一一一
SS
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8.0
7.8
7.6
42086
77766
ユー州卜Ⅱ、催圭八式I卯
Aぺ ◆本澗在会
壷
▲武村(斯廟面額)
■武村(断層長さ)
▲sh§m”免崎
●Fujii&MatsU'ura
■胚ikuraetal.
kl-
L/=
や6.4
--1--ト6.2
I…=
6.0
壇緊蝉而ヨ軽匿驫 醐 裂 埠 拝 剛 甑 三 座 田 繧ヨ廻職捧庖無上|剥悟輯桿麗拒緋伺識誕川鐸卿歸異脳叩慨延環蝋照{"NH趣黛.g一
図2.3.2各式で計算されたモーメントマグニチュード
2-6
モーメントマグニチュード
6.06.57. 0 7.51
■武村(1998)によるデータ
ー武村(1998)
-Shimazaki(1996)
1000
胃 蕊I
① 尚L」打’
100
●FLjiiandMatsu'uraによる
データ
ーーーFUjiiandMatau'ura(2000)
(Eご他略蛭塞
-ー一一一日ーー一■マーー
鋪 WeⅡsand
Coppersmith(1994)10
■11
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「1~I11ill'II_J#|川lllllllllllll,lllllllllll1
1.00E+251.00E+261.00E+27
地震モーメント(dyne.cm=107Nm)
1.00E+281.00E+24
図2.3.3地震モーメントと断層長さの関係(既存の研究の比較)
MW 7.57.0
■
詞 芦 ■Ⅱ0ⅡHⅡ1Ⅱ・111■
0
00
(Eご扣雌皿壷
一:本謂香会
一:武村(1998)
-:Shimazaki(1986)
-:Fujii&Matsu.ura(2000)
-=:Wells&Coppersmith
10
1.0OOE+26 1.00E+27
地震モーメント(dyne・cm=107Nm)
図2.3.4地震モーメントと断層長さの関係(本調査会と既存の研究との比較)
2-7
9
邸巳縊‐
蕊…
筆
hP
=
拳I。
モーメントマグニチュード
6 , 0 6 . 5 7.0 7.5
10000 ■武村(1998)によるデータ||||IIIIIII|
H職
l『『●汁君 -武村(1998)
罰罰
謹雪鍔●
1000
霧●WelIsandCoppersmith
によるデータ
ーーーWelisand
Coppersmith(1994)
・--Irikuraet.al.(2004)
●鐘冒
鱸●
暇(園長)騨腫
100
灘Gbe
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111臣』ヒレ‐
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4
1
1
1.00E+251.00E+261.00E+27
地震モーメント(dyne.cm=107Nm)
1.00E+281.00E+24
図2.3.5地震モーメントと断層面積の関係(既存の研究の比較)
Mw 7.57.0
I l
/
11J■■111.
1111 ■:本調査会
■:首都直下
一:武村(1998)
-:Wells&Coppersmith(1994)
-:Irikuraetal.(2004)
<参考>
-:Shimazaki(1986)
--:Fujii&Matsu'ura(2000)
葦一
=
〆 垣磯__I’1000
(国Eご鰹庖
=
耳〆~弓戸
Z■■
差ロ忽 十フー「■一室
l■
ロ
D BU800
’IllI
100
1.CO0E+261.00E+27
地震モーメント(dyne・cm=107Nm)
図2.3.6地震モーメントと断層長さの関係(本調査会と既存の研究との比較)
2-8
※3震源断層のセグメント分けの例
震源断層を分割した断層をもって、セグメントとする。 ただし、震源断層がひとつの矩形で近
地表断層の形状等からその断層は2つのセグメント に分割する。似された場合には
★:破壊開始点
☆:アスペリテイまたはセグメントの
破壊開始点
35.2
、罐JO
灘 剛ノL
篝 35.0
鷺、労、一一34.8
/、
:、'"j〆
。〈
$~7悪二一
戸か〆メ
一一一
=▲一
蝿傷藍多町マー可一一
137,21B6.8 137.0、
図2.3.7加木屋断層帯のセグメント分け
35.0
、、I
段、_らム
IL
例一、
34、8
八〆
ノ14.6
2
、
}
』13晟6135.7135.8135.9、6.0
加木屋断層の南端付近を境界とし
て、セグメント分けした。
図2.3.8奈良盆地東縁断層帯のセグメント分け
2-9
35.0
綴&
34.8
34-6
7‘/型
1
/鍵
gIU
I
、~
蟇」
へ
列一
ル睡1
135.6135.7135.8135.9136.0
断層中央部に位置する生駒断層の北端付
近を境界として、セグメント分けした。
図2.3.9生駒断層帯のセグメント分け
35.0
/、八一
ず、へ
ーノ
34.8
’
34.6
、ヘ,
一戸~"~一 /辺
3●4.4
卜
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』I'L
wtW/
’
へ
心
サ1
し
で
」_鐘136.2136.‘1136.6
小山断層南部付近を境として、セグメン
ト分けした。
図2.3.10布引山地断層帯のセグメント分け
2-10
4)アスペリティの設定
①アスペリテイは、各セグメントの中心部にひとつ配置する(※4)。
②アスペリテイは小断層からなる矩形とする。
③アスペリテイの上端は、震源断層を近似した小断層の上端から2列目とする(※5)。
④アスペリテイの深さ方向の幅は、断層幅の50%程度とする(※6)。
⑤アスペリティの面積は各セグメント面積に対して20%よりやや大きな値となるようアスペ
リティを設定する小断層を調整する(※7)。
⑥アスペリテイの平均変位唾は断層の平均変位の2倍とする(※8)。
⑦アスペリテイの総モーメント恥aは、アスペリテイの面積Saと平均変位皿より次式から
求める。
Wba=似mSa
〃:剛性率
⑧アスペリテイが複数ある場合、個々のアスペリテイのモーメント紬aiは、それぞれのア
スペリティの面積Saiの3/2乗の重みで振り分ける。
Mai=Ma・Sai3/2/ZSai3/2
※4
アスペリテイは、変位速度が大きな領域にあるとされていることから、変位速度が大き
い場所が明確に判明している場合にはそこにアスペリティをおくことが望ましいが、今
回はそのような知見が得られていないことから、各セグメントの中心部にひとつ配置す
る。
注l)セグメントとアスペリテイの小断層の走向方向の数の都合で、アスペリテイが完全にセグ
メントの中心とならない場合には、基本的に断層全体の中心から見て外側にアスペリテイ
が位置する方向にずらす。
注2)上町断層帯については、断層北端は地形的に不明瞭であり、第四紀後期の活動が不活発で
ある可能性もあることより、北部セグメントのアスペリテイを内側にずらした。
2-11
※5
アスペリテイの上端は、震源断層を近似した小断層の上端から2列目とする。
←上端1列目は背景とする
断層内のすべり量やモーメントの分布をまとめたMaietal.(2005)8のデータベース9をもと
に、アスペリテイの特徴を調査した(増田.横田,2006)10。その結果をから、断層の深さ方向
にすべり量の分布をみると、概ね上端から5%程度まではすべり量が小さいことが分かる(図
2.4.1)。従って、断層モデルの上端1列目は背景領域とし、アスペリテイとする要素断層の上端
は、断層モデル上端から2列目とする。この結果アスペリテイの上端は、断層上端から断層幅の
10~17%に位置することとなる。
0
0.4
0.8
0
旨
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町0.0月
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(〕.1 1,.15 ().2
図2.4.1アスペリティの深さ方向の位置の分布
横軸:出現頻度
縦軸:アスペリティの位置
(断層幅で規格化)
8Maietal.(2005):HypocenterLocationsinFimte-SourceRuptureModels,BSSA,Vol、95,No.3,pp.965-980.
9個々のデータ(すべり量等解析結果)の解析範囲の設定によるばらつきを抑えるために、
Somerville(1999)に倣ってトリミングを施した。
10増田徹・横田崇,2006,アスペリテイの特徴,日本地震学会講演予稿翼2006年度秋季大会),D011.
2-12
※6
アスペリティの深さ方向の幅は、断層幅の50%程度とする。
kr41
アスペリティの幅は
断層幅の50%程度
Maietal.(2005)8のデータベースをもとにまとめた結果(増田・横田,2006)10から、断層の
深さ方向にすべり量の分布をみると、アスペリテイ(すべり量の比較的大きい領域)は概ね断層
幅の50%程度であることが分かる(図2.4.2)。
N=17N=7272trm N=28 N=27
4
将alongdipn=72 ’ 深n=17
’I
3星
ゆぐ
2
一一
1
000.4・0.800.40.800.40.800.40.8
資料全体最大変位が浅い場合最大変位が中央付近最大変位が深い場合
の場合
図2.4.2断層変位の深さ分布(断層変位は走行方向の平均)
アスペリテイの位置は、最大変位が断層幅の1/3以下の浅い場合、最大変位が断層幅の2/3
以上の深い場合、最大変位が断層幅の1/3~2/3の中央付近の場合の3タイプに区分できる。
いずれの場合もアスペリティの幅は約50%である。
横軸:断層の深さ方向の位置(断層の幅で規格化)
縦軸:走向方向に平均をとった断層変位の深さ分布(断層平均変位で規格化)
赤い太線:それぞれの平均の分布。
2-13
’
’’
A 〆、
■
、,
、。 ’』
秒は
多彩
崖鏡
戸一一死
垂=:
『
〆
約50%約50% 約50%
※7
アスペリテイの面積は各セグメント面積に対して20%よりやや大きな値となるようアス
ペリティを設定する小断層を調整する。
11.
Somervnleetal.(1999)11によるとアスペリテイの面積は断層総面積の22%である。Maietal.
(2005)8のデータベースをもとにまとめた結果(増田・横田,2006)10によると、アスペリテイ
(平均変位の1.5倍以上の変位をもつ領域)の総面積は、断層総面積の20~30%に分布する(図
2.4.3)。
-
■。
|N=721
一
20
1■■10
111
』
|
’11 ’
1■■0
0.20 0.4
図2.4.3アスペリテイ面積率の度数
横軸:アスペリティ面積/断層面積
縦軸:出現度数
11Somervilleeta1.,1999,CharacterizingCrustalEarthquakeSlipModelsfbrthePredictionof
StrongGround,Seism.Res.Letters,Vblume70,1.2-14
※8
’アスペリティの平均変位は断層の平均変位の2倍とする。
Somervineetal.(1999)によるとアスペリテイのすべり量は断層の平均すべり
る。Maietal.(2005)8のデータベースをもとにまとめた結果(増田・横田,2006)
アスペリテイでの平均変位は断層全体の平均変位の2倍程度である(図2.4.4.)。
量の2倍であ
10によると、
一一一
9↑ID↑と
匪画
土if◆
20
~■10
!上00 2 4
図2.4.4アスペリテイの平均変位
横軸,アスペリティの平均変位/断層平均変位
縦軸:出現度数
2-15
【参考】
Manighettietal.(2005)12によると、アスペリテイは断層のどちらかの端に偏って分布するこ
とが多い。従ってセグメントを1つと設定した断層においても、長期評価などの記述をもとに、
セグメント分けを行い、それぞれのセグメントにひとつのアスペリティをおく。これにより、い
ずれの断層においても大きさの異なる2個以上のアスペリテイをおくこととなり、変位量分布は
断層のどちらかに偏ることとなる。
図10-1に、上町断層帯の断層モデルより計算した地殻変動量の分布を示し、図10-2に
上町断層の近く変動量とManighettietal.(2005)による地表で計測されたすべり量の分布(統計
データ)との比較を示す。地殻変動量(m)
OO響511.52
0
l l1
-断面線に沿った地殻変動量
野面鐘
一一一一副99“‐野
、20000
、34
、34.45
~ ~ 30000
11:W、6
’(E)溌圏
》写逢冨
40000q■■一一~一一一一34.4 ーー--4■■一---
1秘&Q1.65l訓
50000
一一
■■■■■■■■■
一
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、ノ◆
60000
’|’
34。30----4-弓4-
135.15′
’ ー000
-0.§0.ロ0.9
地殻変動量
135.30′
=
1.q1.5
(m)
135.45'
図2.4.5上町断層帯の断層モデルより計算した地殻変動分布図
左:断層モデル図、中:平面分布図、右:断面線に沿った地殻変動分布
12Mamghettietal.(2005):EvidencefbrselfLsimilar,triangularslipdistributionsonearthquakesImplicamonsfbrearthquakeandfaultmechamcs,JGR,Vol.110,B05302.
2-16
〈.
認
’銀
#
声
へ。
ノー
〆雪
_馳一
ノ戸
」
《
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地殻
変動
量(
、)
00
.5
11
.5
2
0
l1
断面
線に
沿っ
た地
殻変
動量
D畑a剛創
→$唾
“
寺苦 蝸 。 S 淵 寓 畔 細 が 庁 に ぷ び 号 丙 罰 ’ バ ラ が 。 何 s 図 肝 ご 片 ヨ 雪 顕 兼 S 宣 畔 劃 た
び 峠 〃 い き 峠 削 呵 で 成 乞 労 う 何 代 強 め 号 が 。
図 P 一 つ 寄 三 答 禺 丘 呉 里 . S 州 代 与 計 琴 祁 諺 ワ S 苦 珊 覇 S 淵 向 伽 S
今 針 庁 廿 雪 覇 叩 甜 S 肇 刷 巾 弧 寺 針 逗 理 軸 で 計 苦 難 淵 埋 め 計 図 S 澆 鐵 。
●1
00
00
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、。 p 粕
、悶 需 ( 日 )
30
00
0
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5)背景領域の地震モーメント等について
①背景領域の地震モーメントMobは、断層全体の地震モーメントMoからアスペリテイの地震モーメントMoaを引いて求める。
Mob=Mo-Moa
②背景領域の平均変位量Dbは、背景領域の地震モーメントMobから次式より求める。
Db=Mob/("・Sb)
似:剛性率
Sb:背景領域の面積
③背景領域の平均応力パラメータは、アスペリテイの平均応力パラメータの0.2倍とする。
6)破壊開始点について
破壊開始点は、防災上の観点より、比較的人口の多いところの震度が大きくなるようにアスペ
リテイの下端に接する背景領域におくこととする(※9)。
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★:破壊開始点☆:アスペリティの破壊開始点
※9
Maietal
(図2.6.1)。
(2005)の統計データによると、アスペリテイは、震源(破壊開始点)の近くにある
したがって、破壊開始点は、アスペリティに接する背景領域におく。
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震源とアスペリティまでの距離(Maieta1.,2005)
マグニチュードによらずアスペリ
イは震源に近いところに位置する。
縦軸:規格化した距離
横軸:モーメントマグニチュード
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