151
vii- 1 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である. 我々は,人間の身体機能を補助・拡張・増幅する「ロボットスーツ」の開発を行ってき た.当該ロボットスーツを用いると,筋力が低下した高齢者や運動機能障害を有する方 の自立生活支援,重労働でもある介護支援などの分野へ広く展開することが可能である. このように,人支援技術の研究開発は,少子高齢時代を迎える我が国にとって極めて重 要な社会的意義を有するものである. 我々は,世界に先駆けて人間の意思通りに身体運動機能を拡張・増幅・補助する「ロ ボットスーツ HAL(Hybrid Assistive Limb)の開発に成功した.ロボットスーツ HAL は単 なるパワーアシストという概念ではなく,生体電位信号を活用し思い通りに操作するこ とができる「随意制御」と,人間の運動特性を反映した運動パターンを自律的に生成す る「ロボット的自律制御」を有するハイブリッドシステムであり,サイバニクス技術(人 間・機械・情報系の融合複合技術)を駆使した世界初のサイボーグ型ロボットである. 本プロジェクトでは,本技術を革新的なブレークスルーとして活用した.大きな技術ブ レークスルーを基盤とした実用化技術の研究開発に際しては,個別案件に応じた研究推 進が重要であり,本プロジェクトでは,実用技術として展開する際に必要となる課題を 抽出し個別対応した.本プロジェクトでは,要介護者の自立の意思を尊重し,日常生活 における要介護者の自立動作支援を実現するために,人間支援型ロボット実用化基盤技 術開発事業の一環として,「自立動作支援ロボット及び実用化技術の開発 ロボットス ーツ HAL の実用化基盤技術の研究開発」に係る研究開発を行うことを目的とする. 本プロジェクトで開発するロボットスーツ HAL は下肢の運動機能に障害を有する方に 装着し,ロボットの機能により装着者の下肢運動機能を支援する装着型のロボットであ る.福祉現場や一般家庭の中での使用を想定すると,開発要求として以下の項目が考え られる. 装着型であるため,軽量・コンパクトで運用性が優れていること. 機能障害を有する方の体型,症状や部位に対応可能であること. HAL と装着者が接触して動作するため設計段階から安全性を考慮すること. HAL の操作が容易であること. 当該プロジェクトでは,HAL の実用化基盤技術の開発を目的とし,福祉分野での実用化 の要となる「小型軽量化,及び,汎用性の向上」,「安全性」,「操作性の向上」を開発項 目とした. 1) 小型軽量化,及び汎用性の向上 小型軽量化では,アクチュエータ,フレーム部材に対して強度計算に基づいた設計に より,可能な限り軽量化,及び,各種電装系及びバッテリーシステムに対しては常時小 型化とともに,配置の省スペース化を目標とした.外装(カバー)ではメンテナンス性, 強度と共にコンパクト化を目標とした.また,汎用性の向上として,機能障害を有する

3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

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vii- 1

3.7 ロボットスーツ HAL の開発

(1)研究概要及び目標の達成度

高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

我々は,人間の身体機能を補助・拡張・増幅する「ロボットスーツ」の開発を行ってき

た.当該ロボットスーツを用いると,筋力が低下した高齢者や運動機能障害を有する方

の自立生活支援,重労働でもある介護支援などの分野へ広く展開することが可能である.

このように,人支援技術の研究開発は,少子高齢時代を迎える我が国にとって極めて重

要な社会的意義を有するものである.

我々は,世界に先駆けて人間の意思通りに身体運動機能を拡張・増幅・補助する「ロ

ボットスーツ HAL(Hybrid Assistive Limb)の開発に成功した.ロボットスーツ HAL は単

なるパワーアシストという概念ではなく,生体電位信号を活用し思い通りに操作するこ

とができる「随意制御」と,人間の運動特性を反映した運動パターンを自律的に生成す

る「ロボット的自律制御」を有するハイブリッドシステムであり,サイバニクス技術(人

間・機械・情報系の融合複合技術)を駆使した世界初のサイボーグ型ロボットである.

本プロジェクトでは,本技術を革新的なブレークスルーとして活用した.大きな技術ブ

レークスルーを基盤とした実用化技術の研究開発に際しては,個別案件に応じた研究推

進が重要であり,本プロジェクトでは,実用技術として展開する際に必要となる課題を

抽出し個別対応した.本プロジェクトでは,要介護者の自立の意思を尊重し,日常生活

における要介護者の自立動作支援を実現するために,人間支援型ロボット実用化基盤技

術開発事業の一環として,「自立動作支援ロボット及び実用化技術の開発 ロボットス

ーツ HAL の実用化基盤技術の研究開発」に係る研究開発を行うことを目的とする.

本プロジェクトで開発するロボットスーツ HAL は下肢の運動機能に障害を有する方に

装着し,ロボットの機能により装着者の下肢運動機能を支援する装着型のロボットであ

る.福祉現場や一般家庭の中での使用を想定すると,開発要求として以下の項目が考え

られる.

・ 装着型であるため,軽量・コンパクトで運用性が優れていること.

・ 機能障害を有する方の体型,症状や部位に対応可能であること.

・ HAL と装着者が接触して動作するため設計段階から安全性を考慮すること.

・ HAL の操作が容易であること.

当該プロジェクトでは,HAL の実用化基盤技術の開発を目的とし,福祉分野での実用化

の要となる「小型軽量化,及び,汎用性の向上」,「安全性」,「操作性の向上」を開発項

目とした.

1) 小型軽量化,及び汎用性の向上

小型軽量化では,アクチュエータ,フレーム部材に対して強度計算に基づいた設計に

より,可能な限り軽量化,及び,各種電装系及びバッテリーシステムに対しては常時小

型化とともに,配置の省スペース化を目標とした.外装(カバー)ではメンテナンス性,

強度と共にコンパクト化を目標とした.また,汎用性の向上として,機能障害を有する

Page 2: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

vii- 2

方の体型,症状や部位に応じたロボットスーツの開発を目的とし,体型に応じた各種調

節機構の実現,1関節ごと動作支援を可能とするユニット構造の実現を目標とした.

本研究開発項目に関する成果を以下に示す.

(a) 基本仕様

本 HAL の外観と立体図,三面図を図 1から図 3に示す.本 HAL では,装着者一人一人

の体型に合わせるため,金属パーツをそれぞれ数種類用意し,その組み合わせによって

全体サイズを決定した.個人差の大きい部分はフィッティングパーツで作成し,身体と

の密着感を高める.各関節での内外転角度を装着者の脚の状態(X 脚,O脚等)に合わせて

内外転角度を調整することができる.

(b) 本体構成

本 HAL は,腰部モジュールと脚部モジュールという2つのモジュールと,骨組みとな

る各種フレーム,そして装着者の体型に合わせる為の各種フィッティングパーツにて構

成される.各モジュールにはそれぞれの機能を持ったユニット群が配置される.脚部モ

ジュールに配置されるユニット(大腿部ユニット,下腿部ユニット,足首部ユニット)は,

制御モジュール,駆動モジュール,センサモジュールからなる同一の構成をとる.腰部

モジュールと脚部モジュールは切り離すことが可能である.また,搭載する各ユニット

を,装着者の障害部位に合わせて選択することにより,両脚型,単脚型,膝関節型等を

容易に構成することができる.

i) 腰部モジュール

腰部モジュールは,装着者の腰に固定し,各種スイッチ等ユーザーインターフェース

を提供すると共に,HAL の動きを装着者に伝える.腰部モジュールは,骨組みとなる腰フ

レームと,HAL を装着者の骨盤を中心とした腰回りに固定する為の背面パット,側面パッ

トによって構成され,電装系の統合制御を行うコントロールユニット,HAL の操作や設定

パラメータの調整を行うスイッチやバッテリーを搭載したサイドユニットを配置した.

ii) 脚部モジュール

脚部フレームは,装着者の脚部(両脚もしくは単脚)の外側に固定し,制御指令に基づ

いたパワーユニットの動作により脚部のパワーアシストを行う.骨組みとなる脚部フレ

ームと大腿部,下腿部に固定する為の半月板によって構成され,大腿部ユニット,下腿

部ユニット,足首ユニットを配置した.脚部フレームは装着者の大腿/下腿長,X 脚/O

脚などの特性に合わせ,長さ,股関節/膝関節の開き角度を調整することが可能である.

iii) コントロールユニット

各ユニットの電装系を制御するメインユニットを図 4に示す.各種の計測データ(生体

電位信号や関節角度など)がこのコントロールユニットへ転送される.

iv) サイドユニット

サイドユニットには上部にバッテリー収納スペースが配置されている.

以上により,本研究開発項目に関して,小型軽量化では,パワーユニット,フレーム

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vii- 3

部材,及び電装系の小型化軽量化を行い,両脚型システムで 12 [Kg]の重量にすることが

できた.これにより,装着や運用時の負担を軽減した.汎用性では,動作支援機能をユ

ニット化し,ユニットを組み合わせることで,両脚型,単脚型,膝関節型等,装着者の

支援に必要な症状・部位に合わせた構成を可能とした.また,ロボットスーツのサイズ

を XL,L,Mサイズとし,大腿長,下腿長,腹囲,大腿囲,下腿囲を微調整する機構を開

発することで,装着者の個々の体型に合わせた装着を可能とした.以上より,本研究開

発項目の目標を十分達成した.

2) 操作支援機能の開発

操作性支援機能の開発では,装着者及びオペレータが簡単に操作できる機能の開発を目

標とした.

本研究開発項目に関する成果を以下に示す.

HAL 本体での操作用のインタフェースとして,図 5に示す通りコントロールユニットに,

HAL 本体に主電源スイッチ,制御電源スイッチ,状態表示用ディスプレイを配置した.ま

た,リモート PC から GUI ベースによる HAL の起動・停止操作,アシスト率の調整,制御

パラメータの調整をオペレータが遠隔で行う操作が可能となった.

HAL 本体に,起動,停止を行うボタン,アシスト率を調整するチューナを取り付けるこ

とで,装着者が HAL を容易に操作することが可能なシステムとなり,また,リモート PC

から GUI ベースによる HAL の起動・停止操作,アシスト率の調整に加え,制御パラメータ

の調整を行うアプリケーションを採用することで,オペレータからの操作が容易なシステ

ムとなった.以上の成果より,本研究項開発項目では目標を十分達成することができた.

3) 安全機能の開発

安全機能の開発では,多重な安全機能の構築及び,オペレータが動作状態をリアルタ

イムで把握するシステムの構築を目標とする.

本研究開発項目に関する成果を以下に示す.

(a) 多重安全機能

i) 角度リミッタ設定機能

角度リミッタ設定機能として,ハードウェアでのリミッタとソフトウェアでのリミッ

タの設定機能を設け,二重の安全を確保する.ハードウェアリミッタとしては,ユーザ

側でハードストッパを自由に変更できる機構を設ける.実際に動かした範囲を可動範囲

として自動的に設定することも可能である(図 6).

ii) 制御リミッタ機能

制御リミッタ機能として, 大角速度, 大トルク,電流のリミッタ制御をソフトウ

ェアに搭載する.ソフトウェアでは計測値が設定値を超えた場合には,超過分を打ち消

す方向のトルクを発生する.

iii) 過電流防止機能

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vii- 4

過電流防止機能として,ハードヒューズ,電流計によるソフトヒューズを設け,二重

の安全を確保する.過電流状態が一定時間続いた場合には,これらのヒューズが機能し,

焼損防止のために供給電源を切断する.

iv) 出力抑制機能

出力抑制機能として,制御開始時にサイドユニットに設置されているトルク調整つま

みの値を検知する機能を搭載する.

v) 故障検知機能

故障検知機能として,各種センサの値やモータドライバのステータスを監視し,故障

を検知した場合には,速やかに制御を停止する機能を搭載する.故障検知時にはログを

保存し,故障時の状態を後から解析することが可能である.異常検知機能

異常報知機能として,HAL にて異常が発生した場合にオペレータへ報知する機能を搭載

する.

(b) リアルタイムモニタリング機能

HAL から送信された情報を受け取り,GUI を用いたユーザーインターフェースにより,

各種センサ情報,HAL の内部状態,異常発生情報等を表示する.

安全機能として i)〜vi)による多重な安全機能を構築した.また,オペレータが常時 HAL

の動作状態の把握し,異常状態を伝えるためのリアルタイムモニタリングシステムを構築

した.以上の成果より,本研究項開発項目では目標を達成することができた.

4) 制御機構の開発

制御機構の開発では,機能障害を有する方の症状に応じた制御を実施するため,動作

支援制御機構,及び補償制御機構を HAL に実装することを目標とする.

本研究開発項目に関する成果を以下に示す.

i) 随意的制御機構

随意制御機構として,生体信号を基にパワーユニットのトルクをコントロールする制

御を搭載する.

ii) 自律的制御機構

自律制御機構として,各動作の Phase 毎に基本パターンを用意し,それらに基づきト

ルクをコントロールする制御を搭載する.各 Phase の切り替え条件には,各ユニットに

搭載されるセンサ群の値が使用される.

iii) キャリブレーション制御機構

従来から開発を進めてきた生体電位を安定して活用するために必要となるキャリブレー

ション機構を,当該ロボットスーツ用に再構築し,HAL の随意制御時のパラメータを自動

的に設定することも可能とした.

iv) 粘性補償機構

HAL の回転軸回りの速度(角速度)に対する抵抗を増減する制御を搭載する.制御機構の

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vii- 5

開発として,i)〜iv)の制御機構を HAL に実装した.本制御機構は実証試験で有用性が確

認された.これにより,本研究開発項目の目標を達成することができた.

5) プロトタイプの実証試験

本実証試験では,2 名の被験者を対象にロボットスーツによる動作支援を実施し,装着者

の運動機能の向上を定量的に捉えることを目標とした.

(a) 被験者 A

i) 症状

脳出血後右片麻痺(52 歳男性,Brunnstrom Recovery stage 下肢 IV),杖,短下肢装具に

よる歩行.股関節と分離した右膝屈曲動作が困難,右下肢は表在覚(温・痛覚,触覚),深

部覚(関節位置覚)ともに重度鈍麻.

ii) 方法

右膝関節屈曲動作補助にもとづく歩行動作支援を行う.右片側麻痺の動作支援であるた

め,図 7のように HAL を右片側用として使用した.週 1 回のペースで,計 4 回実施した.

まず,HAL の動作に慣れてもらうため,立位姿勢での膝関節伸展位からの屈曲動作のみの

アシスト動作を行った.アシスト動作に慣れてもらった後,平行棒内での歩行動作支援を

実施した.平行棒内での歩行動作支援では,歩行膝関節屈曲時のアシスト率,アシストタ

イミングを調節した.平行棒内での歩行動作支援に十分慣れてもらった後,杖での歩行支

援を実施した.評価方法として,5m 大歩行速度,及び,右膝関節の屈曲角度を用いた.

iii) 結果

立位姿勢での膝関節伸展位からの屈曲動作の支援の様子を図 8,及び膝関節の角度推移

を図 9に示す.立位姿勢での膝関節屈曲動作が行われているのがわかる.また,膝関節屈

曲動作補助にもとづく歩行動作支援の様子を図 10に,HAL による歩行動作支援が実施され

ている時と HAL を装着していない時の歩行時の膝関節の角度の推移を図 11に示す.これ

らより,HAL の動作支援により膝関節屈曲動作を伴った歩行動作が実現していることがわ

かる.さらに,HAL による歩行動作支援が実施されている時と HAL を装着していない時の

歩行時の 5m 大歩行速度を図 12に示す.HAL による歩行動作支援により,歩行速度が

23[m/min]から 31[m/min]へと顕著に向上したことがわかる.

(b) 被験者 B

i) 症状

頚椎椎間板ヘルニヤによる両下肢不全麻痺(36 歳男性),日常は車いすによる移動.

ii) 方法

HAL の随意制御にもとづく立ち上がり,座り動作支援を行う.両下肢の動作支援を行う

ため,図 13のように両下肢用に HAL を構成した.実施期間は,2 週に 1 回のペースで 3 回

実施した.被験者 A と同様,HAL の動作に慣れるまで,座位姿勢での膝関節屈曲・伸展動

作のみの動作支援を実施し,その後,平行棒内での立ち上がり,座り動作支援を実施した.

評価方法として Borg 指数(修正指数),アシスト感に関する VAS 評価を用いた.また,定

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vii- 6

量的な評価指標として床反力値を用いた.平行棒を利用して立ち上がり,座り動作を行う

場合,平行棒にかけた力が反力として身体に作用し動作が行われる.その際,平行棒にか

けた力が増加すれば,動作中の床反力値は減少する.逆に,HAL による動作支援により平

行棒に頼らず動作が実施された場合,平行棒に力が作用しない分,床反力は増加する.こ

のことから,床反力値を評価することにより,動作支援が効果的に実施されているかどう

かを定量的に把握することができる.

iii) 結果

HAL による立ち上がり,座り動作の様子を図 14,図 15に,HAL の動作が実施されてい

る時と実施されていない時の立ち上がり,座り動作の床反力の推移を図 16,図 17に示す.

HAL の動作が実施されている時の床反力値は,動作が実施されていない時と比べ増加して

いる.この結果より,HAL の動作時は平行棒に頼らず,HAL により動作支援が実施されて

いることがわかる.また,動作支援後の Borg 指数は 3 点となり良好な結果を得た.アシス

ト感に関する VAS に対しては,立ち上がり動作 7.5 点,座り動作 4.5 点であり,立ち上がり

動作に関しては良好であった.座り動作に関しては,HAL の動作に慣れる必要があり,さ

らに試験日数をこなすことで評価が向上するものと考えている.

実証試験では,2 名の方を対象に開発したロボットスーツによる歩行,立ちあがり,座り

動作支援を実施し,定量的評価による検証にて,両被験者ともロボットスーツの動作支援

による効果が確認された.以上より,本研究開発項目の目標を達成することができた.

(2)成果の意義

従来より研究開発を進めてきたロボットスーツ HAL の基礎研究ならびに試験研究の成果

をもとに,人間支援型ロボットの実用化を推進するために研究開発を行った.本研究開発

成果の意義は,不特定多数の利用者への適用を可能とするため,HAL の関節毎に,駆動,制

御,センサモジュールとして構築し随意的制御機構と自律的制御機構のハイブリッド制御

として実装・ユニット化することにより,両脚,片脚,膝関節のみなど,HAL を様々な対象

者の支援部位に応じた構成とすることが可能としたことである.これにより,システム構

成が容易に行えるようになるため,ユニット/モジュールごとに構成されるロボットスー

ツ HAL の構築が円滑に実現できることになる.従って,量産性,メンテナンス性を高度に

向上させることができ,社会への成果の還元として,実際に役立つ実用化システムの開発

が実現できたという重要な意義もある.また,随意的制御機構と自律的制御機構の2つの

制御手法からなるハイブリッド制御によって駆動させている,装着者の症状に応じた動作

支援や運動訓練を含む自立動作支援の展開に大きく貢献するものである.

本研究成果により,要介護者の自立動作を拡大することで,介護費用・介護作業の軽減,

労働力確保・向上から,活力に満ちた自立社会への展開が期待され,超高齢社会に直面す

る我が国にとって一つの突破口になるものと考えられる.

更に,本研究成果は,医療福祉分野への展開のみではなく,重作業支援分野やエンター

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vii- 7

テインメント分野など様々な展開が可能であるため,世界初の当該サイボーグ型ロボット

「ロボットスーツ HAL」は新しい科学技術の分野展開へも貢献できるものと期待されている.

また,HAL は様々な要素技術から構成されていることから,非常に広範な産業を包括した

ものであり,本研究成果の実用化展開により,既存産業の活性化はもとより,ロボット分

野の発展や新規産業の創出も見込まれ,経済産業の活性化への大きな貢献が期待される.

(3)知的財産権等の取得

従来より研究開発を進めてきた数多くの基本技術のほとんどは国際特許として申請して

いるが,当該研究開発成果に関する関連特許についても現在申請準備を進めている.

(4)成果の普及

本研究開発成果に関して,刊行物やホームページ等による情報提供はもとより,展示会,

講演,閣僚への紹介,国内外の省庁関係者の見学対応など広く情報発信を行ってきた.主

な講演,展示会などを以下に示す.

学会発表 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者 1 2008/3/19 電子情報通信学

会 総合大会

【招待/特別講演】 サイバニクス:人・機械・

情報系の融合複合

山海 嘉之

2 2007/12/2 四国理学療法士

学会 【招待/特別講演】 先端技術と

リハビリテーション

山海 嘉之

3 2007/11/27 UCS 2007(International Symposium on Ubiquitous Computing Systems)

【招待/特別講演】 Augmenting Human Capabilities with Hybrid Assistive Limbs and Ubiquitous Sensor Networks

山海 嘉之

4 2007/11/26 the International Symposium of Robotics Research (ISRR) 2007

【招待/特別講演】 HAL: Hybrid Assistive Limb based on Cybernics

山海 嘉之

5 2007/11/23 第37回日本臨床

神経生理学会学

術大会

【招待/特別講演】 HAL: Hybrid Assistive Limbs

山海 嘉之

6 2007/11/17 人 間 福 祉 学 会2007

【招待/特別講演】 夢拓く人と技術との共生 ーHALの開発を通して

山海 嘉之

7 2007/11/9 第 42 回 日本脊髄障害医

学会

【招待/特別講演】 ロボットスーツ HAL を 中心とした工学機器の 開発と将来への展望

山海 嘉之

8 2007/10/29 The National Taiwan

【招待/特別講演】 Leading Edge of HAL

山海 嘉之

Page 8: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

vii- 8

University Hospital (NTUH) symposium

9 2007/10/18 第35回日本救急

医学会総会学術

集会

【招待/特別講演】 サイバニクス 前線: サイボーグ型ロボット 技術と人間支援

山海 嘉之

10 200710/10

感性工学と感情

研究の国際会議2007(KEER2007)

【招待/特別講演】 "HAL: Hybrid Assistive Limb"

山海 嘉之

11 2007/10/2 第 5 回生活支援

工学系学会連合

大会

【招待/特別講演】 人の活動を支援する ロボットスーツ HAL

山海 嘉之

12 2007/9/27 日本機械学会茨

城講演会 【招待/特別講演】 人支援と 次世代ロボット技術

山海 嘉之

13 2007/9/11 日本機械学会 2007 年度年次学

【招待/特別講演】 サイバニクス 前線: 医療福祉を支える 次世代テクノロジー

山海 嘉之

14 2007/7/21 日米センサ応用

会議(JST 主催)

【招待/特別講演】 Cybernics: fusion of man, machine and information system --- Cybernic Medicare System, Robot Suit HAL ---

山海 嘉之

15 2007/7/21 第26回日医用画

像高学会大会 【招待/特別講演】 高齢化時代を支援する ロボットスーツ

山海 嘉之

16 2007/7/2 電気学会センサ

マイクロマシン

準部門

【招待/特別講演】 ロボットスーツの現状と 今後の展開

山海 嘉之

17 2007/6/15 日本 SGI ソリュ

ーション・キュ

ービック 2008/ロボット・フォ

ーラム

【招待/特別講演】 ロボットスーツ「HAL」 実用化へ

山海 嘉之

18 2007/6/14 第57回日本病院

学会 【招待/特別講演】 少子高齢社会を支える 新技術「サイバニクス」

ロボットスーツ HAL, そして,統合メディケアへ

山海 嘉之

19 2007/5/24 第24回建設用ロ

ボットに関する

技術講習会(土

木学会)

【招待/特別講演】 ロボットスーツ HAL (Hybrid Assistive Limb)に

ついて

山海 嘉之

20 2007/5/9 IEEE/International Conference on Mechatronics

【招待/特別講演】 A New Academic Frontier

山海 嘉之

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vii- 9

“Cybernics” : Robot Suit HAL

21 2007/4/20 DRT4ALL (International Congress on Domotics , Robotics and Remote-assistance for All)

【招待/特別講演】 HAL: Hybrid Assistive Limb

山海 嘉之

22 2007/4/8 第27回日本医学

会総会2007大阪

夢シンポジウム

【招待/特別講演】 人間とロボットの融合: ロボットスーツHAL

山海 嘉之

23 2007/3/26 電子情報通信学

【招待/特別講演】 生体機能支援

- 装着型ロボットスーツ

HAL -

山海 嘉之

24 2006/10/29 CAS/CADM 合同大

会(第 15 回日本

コンピュータ外

科学会/第16回

コンピュータ支

援 画 像 診 断 学

会)

【招待/特別講演】 医工融合と

ロボットスーツ

山海 嘉之

25 2006/10/20 Korea Robot

Conference 2006

(KRC 2006)

【招待/特別講演】 ロボットと描く未来社会

山海 嘉之

26 2006/10/19 SICE-ICASE 2006 【招待/特別講演】 Leading Edge of Cybernics: Robot Suit HAL

山海 嘉之

27 2006/9/16 第24回日本ロボ

ット学会学術講

演会付随行事人

間支援型ロボッ

トシンポジウム

【招待/特別講演】 人間の身体機能を 拡張・増幅する ロボットスーツHAL

山海 嘉之

28 2006/6/1 第43回日本リハ

ビリテーション

医学会学術集会

【招待/特別講演】 ロボットスーツ(HAL)

山海 嘉之

29 2006/4/20 第25回日本神

経超音波学会

【招待/特別講演】 装置の原理・登録方法

山海 嘉之

30 2005/12/15 SI2005 【招待/特別講演】 サイバニクス技術で 加速するロボットスーツ HAL 開発 前線

山海 嘉之

31 2005/11/9 第34回医療福

祉設備学会

【招待/特別講演】 医療・介護に役立つか? ロボットスーツ 前線

山海 嘉之

その他協会・団体等 招待講演/特別講演 1 2008/2/26 社団法人民間活 イノベーションとは何か 山海 嘉之

Page 10: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

vii- 10

力開発機構 (経

済産業省所管法

人)

2 2007/10/11 健康福祉分野に

おけるテクノロ

ジー活用セミナ

ロボットスーツ『HAL』

実用化へ

--- 医療・福祉分野に活

かすロボット技術 ---

山海 嘉之

3 2007/10/6 次世代の動作補

助ロボットスー

ツ・HAL

第 42 回日本理学療法士

協会全国学術研修大会

山海 嘉之

4 2007/9/14 イノベーション

ジャパン 2007

身体機能を拡張するロ

ボットスーツ HAL

山海 嘉之

5 2007/9/7 カシオ計算機C

ASIO TE

CHNO PO

WER 2007

ロボットスーツ「HA

L」の開発について

山海 嘉之

6 2007/7/31 おかやま・もの

づくりフォーラ

夢・情熱・愛で取り組む

ものづくり

山海 嘉之

7 2007/7/25 つくばサイエン

ス ア カ デ ミ ー

SAT フォーラム

2007

サイバニクス:人・ロボ

ット・情報系の融合複合技

山海 嘉之

8 2007/7/25 日立技術フォー

ラム 2007

サイバニクス:人・ロボ

ット・情報系の融合複合技

山海 嘉之

9 2007/7/24 シ ン ポ ジ ウ ム

「未来学ルネサ

ンス」

【パネルディスカッショ

ン】

ロボット化社会 — ロボ

ットの人間化 vs 人間のロ

ボット化—

山海 嘉之

10 2007/7/21 日米センサ応用

会議

Cybernics: fusion of man, machine and information system --- Cybernic Medicare System, Robot Suit HAL ---

山海 嘉之

11 2007/7/10 第45回全国保健

管理協会関東甲

信越地方会

ロボット技術の健康支援

への応用

山海 嘉之

12 2007/6/25 日本 SGI ソリュ

ーション・キュ

ービック 2008/

ロボット・フォ

ーラム

ロボットスーツ「HAL」実

用化へ

山海 嘉之

13 2007/5/29 静岡県看護協会

(静岡県厚生部

主催)

ロボットスーツHALの医療

福祉分野への展開につい

山海 嘉之

14 2007/5/15 国際福祉健康産

業展 ウェルフ

医療・福祉分野に活かすロ

ボット技術 ロボットス

山海 嘉之

Page 11: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

vii- 11

ェア ーツHAL開発者の観点

から

15 2007/5/16 HIMSS AsiaPac'07 Conference & Exhibition

Leading Edge of Cybernics:Robot Suit HAL

山海 嘉之

16 2007/5/7 九州電力 筑波大学発ベンチャー

『CYBERDYNE 株式会社』の

挑戦

山海 嘉之

17 2007/4/12 岡山県総合教育

センター開所記

夢・情熱・人 山海 嘉之

18 2007/3/25 The Student Day

2007

ロボット技術 前線〜ロ

ボットで変わる人々の生

活〜

山海 嘉之

19 2007/3/25 丸の内政経懇話

会3月例会

ロボットのフロンティア 山海 嘉之

20 2007/3/15 新松戸北中学校

教育講演会

ロボットスーツが福祉を

変える!?

山海 嘉之

21 2007/3/1 産学官連携総合

交流会

ロボットスーツHAL実用化

へ〜遠隔リハビリテーシ

ョンモデル事例

山海 嘉之

22 2007/2/28 財)南西地域産

業活性化センタ

サイボーグ技術開発の現

状と未来~沖縄の可能性

について~

山海 嘉之

23 2007/2/17 茨城県臨床検査

技師会「 第12

回 臨床検査フ

ォ-ラム 」

ロボットスーツ HAL の福

祉・医療分野における役割

山海 嘉之

24 2006/11/28 福岡労災保険指

定病院協会

高齢化社会を支える 新

テクノロジー 〜ロボッ

トスーツ HAL〜

山海 嘉之

25 2006/11/23 第2回ぼくもわ

た し も 歩 け る

よ!未来シンポ

ジウム

ロボットスーツHALを用い

た二分脊椎の歩行の未来

山海 嘉之

26 2006/11/18 脳梗塞セミナー ロボットスーツによる脳

卒中診療への挑戦

山海 嘉之

27 2006/11/11 つくば市立

桜中学校

夢の技術が現実に〜ロボ

ットスーツ開発 前線〜

山海 嘉之

28 2006/11/7 オランダ経済省 Development and projects in the new research field Cybernics

山海 嘉之

29 2006/11/3 名古屋工業大学

100周年記念

国際フォーラム

ロボットスーツ HAL 山海 嘉之

30 2006/10/28 地域 I CT 未来フ

ェスタ2006inに

いがた

ロボットスーツとロボッ

ト技術の実用化

山海 嘉之

Page 12: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

vii- 12

31 2006/10/26 ロボットシンポ

ジ ウ ム 名 古 屋

2006

ロボットスーツHALの開発 山海 嘉之

32 2006/10/9 脊髄損傷者支援

イベント「Walk

Again 2006」

人体密着型ロボットスー

ツ HAL の実用化

山海 嘉之

33 2006/9/6 FIT2006 第 5 回

情報科学技術フ

ォーラム

パワードスーツ 山海 嘉之

34 2006/8/30 SuperH オープン

フォーラム

人間の身体機能を増幅・拡

張する装着型ロボットス

ーツ HAL(Hybrid Assistive Limb)

山海 嘉之

35 2006/7/14 いばらき産業大

県フェア 2006

パワーアシストロボット

スーツ HAL

山海 嘉之

36 2006/7/11 土浦協同病院内

講演会

ロボット工学と医療 山海 嘉之

37 2006/5/30 茨城県医薬関連

研究機関協議会

明日を拓く新技術-山海研

究室の挑戦-

山海 嘉之

38 2006/3/22 BioTsukuba 健康増進と次世代医療の

機器開発

山海 嘉之

39 2006/3/14 BESTJAPAN 「HAL」の開発ー身体機能

を拡張・増幅する機械

山海 嘉之

展示会 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者 1 2007/3/14 情報処理学会第

70 回全国大会 山海 嘉之

2 2006/12/1 四国理学療法士

学会 山海 嘉之

3 2006/11/10 第 20 回全国健康

福祉祭 いばらき大会 ねんりんぴっく

茨城 2007

山海 嘉之

4 2006/11/3 全国生涯学習 フェスティバル

まなびピア岡山 2007

山海 嘉之

5 2006/10/28 地域ITC未来

フェスタ in 新潟 山海 嘉之

6 2006/10/10 感性工学と感情

研究の国際会議2007

山海 嘉之

7 2006/10/5 第 42 回日本理学

療法士協会全国

学術研修大会」

山海 嘉之

8 2006/8/5 札幌商工会議所 山海 嘉之

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vii- 13

創立百周年 記念事業 「こども未来博

9 2006/7/13 いばらき産業大

県フェア 2006 山海 嘉之

10 2006/7/5 YOTEC ヨコハ

マ・ヒューマン&

テ ク ノ ラ ン ド2007

山海 嘉之

11 2006/6/16 第 6回産学官連携

推進会議 山海 嘉之

12 2006/6/14 第 57 回日本病院

学会 山海 嘉之

13 2006/3/31 いのち 人 夢

EXPO2007 in 大

山海 嘉之

14 2005/11/30 国際ロボット展 山海 嘉之 15 2005/11/26 アキバ・ロボット

文化祭 2005 山海 嘉之

16 2005/11/19 つくば産業フェ

ア 山海 嘉之

17 2005/11/16 Business Link商賣

繁盛 at TOKYO DOME

山海 嘉之

(5)安全・倫理について

安全性,倫理に関する成果として,本プロジェクト期間中の安全性・倫理の取り組みを

具体的に記す.

(a) 安全性・倫理の検討方法

i) 安全性

平成 18 年

2 月 国際水準の品質,製造,安全管理体制の構築及び準備を進める.

平成 19 年

1 月 安全 WG の指導のもと,リスクアセスメントを実施.以降,リスクアセス

メントを繰り返しながら,設計に反映させる.

3 月 7 日 第1回現地調査.安全 WG による安全性検討チェックリストをもとに,安

全性検討状況等について質疑応答,開発したプロトタイプに関する安全性

の確認.

平成 20 年

1 月 9 日 第 2 回現地調査.プロトタイプの安全性の達成状況調査.

ii) 倫理

平成 18 年

6 月 24 日 第三者組織として,「サイバニクス臨床研究推進のための倫理検討委員

会」を設立.専門医で構成されるメーリングリストを準備し,運用試

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vii- 14

験に伴うコメントを得る体制を整える.

8 月 実証試験機関として検討していた 2 施設の内,1 施設について倫理委員

会にて認証を得る.

11 月 もう 1 施設である筑波大学附属病院倫理委員会にて承認を得る.

平成 19 年

1 月 倫理 WG の指導のもと,NEDO 倫理審査書類作成を開始.

6 月 13 日 第 1 回 NEDO 倫理審査書類を提出.

7 月 19 日 第 2 回 NEDO 倫理審査書類を提出,第 1 回 NEDO 倫理審査 WG 開催.

9 月 1日 「サイバニクス臨床研究推進のための倫理検討委員会」を拡大し,従来

の工学,医学,社会科学,法律の専門化メンバーに加え,安全リスクマ

ネジメント,ヒューマンインターフェース,情報セキュリティ分野の世

界的権威者を加えた拡大組織を結成.「サイバニクス有識者委員会/サ

イバニクス倫理検討委員会」として発足.

9 月 18 日 第 3 回 NEDO 倫理審査書類を提出.

10 月 18 日 第 2 回 NEDO 倫理審査 WG 開催.

11 月 1 日 第 4 回 NEDO 倫理審査書類を提出.

11 月 8 日 NEDO 倫理審査 WG にて承認.

11 月 15 日 第 1 回筑波大学システム情報工学研究科倫理審査書類を提出.

平成 20 年

1 月 10 日 筑波大学システム情報工学研究科倫理委員会開催.

1 月 15 日 第 2 回筑波大学システム情報工学研究科倫理審査書類を提出.

2 月 22 日 筑波大学システム情報工学研究科倫理委員会にて承認を得る.

(b) 安全性・倫理の検討結果

安全性,倫理に関する具体的な対応を以下に記す.

i) 安全性

第 1 回,第2回の現地調査に従って,リスクアセスメントを繰り返すことで,より細か

なリスク分析を実施し,システムとして安全性を高めると共に,残留リスクに関しては文

章,口頭で被験者に危害の可能性として説明することで実証試験の運用に関する安全性を

向上させた.

ii) 倫理

第 1 回 NEDO 倫理審査 WG での主な指摘事項(事前提出における指摘事項を含む)は,

1) スクリーニングにおける判断基準項目を増やし,被験者を限定させる.

2) 「仮説」,「エンドポイント」を明確に定義すること.

3) 実証試験には医療専門家(医師,PT)が立ち会うこと.

これに対し,本コンソーシアムでは以下のように対処した.

Page 15: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

vii- 15

1) 被験者のスクリーニング方法を三段階に分けて実施.

2) 仮説を「1)対象となる運動機能障害を有する方が,HAL の動作支援を受けるこ

とにより,下肢機能動作を容易に行えるようになる,2)対象となる運動機能障

害を有する方が,下肢機能動作を行えるように,HAL が支援動作を実施すること

ができる.」とし,エンドポイントを,「歩行機能,起立・着席機能,自覚的な運

動強度,被験者の満足度,動作の変化,ロボット及び装着者から得られる情報に

基づいた評価」とした.

3) 実証試験機関,及び共同実施機関の医師,PT を実証試験担当者として登録.

第 2 回 NEDO 倫理審査 WG での主な指摘事項は(事前提出における指摘事項を含む)

1) 仮説についてのエンドポイントを明示し,観測事実,判断基準の関係を整理する

こと.

2) 仮説を二つ設定することによって,証明関係を複雑にしている.上記の仮説2)

は実証せず,仮説 2)を実証するためのデータ(ロボット及び装着者から得られる

情報)は今後の参考として蓄積するべき.

3) 被験者に危害を与える可能性がある場合の訓練プロセスの明記.

4) 臨床研究指針に従い,筑波大の病院,工学系の両者の倫理審査が必要.

であった.これに対し,本コンソーシアムでは以下のように対処した.

1) 指摘事項に従い,エンドポイントを明示し,観測事実,判断基準の関係を整理し

た.

2) 指摘事項に従い,仮説 2)は実証せず,将来の問題解決のためデータは残すことと

した.

3) 実証試験では必要に応じて平行棒,歩行器,杖などを使用する.転倒の可能性が

あると認められた場合,必ず装着者に着用したハーネスを介護リフトにつなぎ,

介護リフトによる懸垂で転倒防止を実施することとした.

4) 工学系倫理委員会の開催を依頼し,承認を得ることとした.

残された課題として,開発物自体の性能評価,被験者への効果に対する評価は,共に重

要であり,研究開発の段階に応じて,これら二つの評価の実証試験を通して検証する方法

を開拓していくことが挙げられる.

Page 16: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

vii- 16

Ⅳ 実用化,事業化の見通しについて

(1)成果の実用化可能性

本年の12月を目処に,実用化モデルの販売を行う計画である.

(2)事業化までのシナリオ

当該プロジェクト終了後,以下の計画で実用化モデルの製造に向けた準備を開始した.

4月16日 生産施設の建設を開始

10月1日 当該生産施設の竣工式

10月30日 実証フィールドのオープニング

これ以降,12月頃から,実用化モデルの出荷を徐々に拡大する

とともに,ユーザーからのコメントをフィードバックし,改善を推進

【シナリオ1】

・ 実用化のため,装着性を向上させる.

【シナリオ2】

・ 機械系ユニットに対して, 終的な安全強度解析と安全確認試験を行うととも

に,リスクアセスメントを徹底し,実用化モデル全体の改良・修正を行う.

【シナリオ3】

・ 組み上げ後の機器としての全体バランスを検討し,微修正を施す.

【シナリオ4】

・ 当該ロボットスーツ HAL の利用者/運用者の教育を実施する.

【シナリオ5】

・ 実際の活用を通して,コメントをフィードバックしてもらい,次の改善情報と

する.

【シナリオ6】

・ 日本だけではなく,グローバル展開のために,諸外国の状況を検討し,当該ロ

ボットスーツ HAL を進化させる.

(3)波及効果

福祉用具/福祉機器としての活用を通して,以下のような展開が期待できる.

【適用分野拡大への波及効果】

1) 脳卒中などの片麻痺の方への適用

2) 筋ジストロフィー,ALS などの神経難病などによる運動機能障害を有する

方への適用

3) 顕著な筋力低下を有する方への適用

4) 加齢に伴う身体機能低下を有する方への適用

5) 運動訓練分野への展開

6) 在宅での種々の活用

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vii- 17

図 1 両脚型 HAL 外観

図 2 HAL 立体図(背面)

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vii- 18

図 3 HAL の三面図

図 4 コントロールユニット

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vii- 19

主電源スイッチ

コントロールユニット背面に取り付けられる主電源

スイッチにより,HAL の主電源を切入することがで

きる.

制御電源スイッチ

コントロールユニット側面に取り付けられる制御電

源スイッチにより,HAL のシステム起動/停止を行

うことができる.

状態表示用ディスプレイ

コントロールユニット正面に取り付けられるディス

プレイにてバッテリーの電圧,消費電流,動作を確

認することができる.

図 5 コントロールユニット内各種インタフェース

図 6 ソフトウェアリミット設定画面

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vii- 20

図 7 右片脚用 HAL

(a) (b) (c)

(e) (f) (g)

図 8 膝関節伸展位からの屈曲動作の支援

Page 21: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

vii- 21

図 9 立位姿勢での屈曲動作支援時の膝関節角度推移

(a) (b) (c)

(d) (e)

図 10 歩行動作支援

Page 22: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

vii- 22

図 11 歩行動作支援が実施されている時と実施されていない時の膝関節角度の推移

図 12 歩行動作支援が実施されている時と実施されていない時の 5m 大歩行速度

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vii- 23

図 13 両脚用 HAL

(a) (b) (c)

(d) (e) (f)

図 14 立ち上がり動作支援

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vii- 24

(a) (b) (c)

(d) (e) (f)

図 15 座り動作支援

図 16 立ち上がり動作支援が実施されている時と実施されていない時の床反力の推移

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vii- 25

図 17 座り動作支援が実施されている時と実施されていない時の床反力の推移

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ⅷ-1

3.8 排泄介護総合支援ロボット「トイレアシスト」の開発

(1)研究概要及び目標の達成度

本開発事業は,高齢者や障害者の排泄介護作業を対象として,トイレ技術とロボット技

術を融合することにより,排泄介護負担を軽減するための総合的な支援ロボット「トイレ

アシストシステム」(以下,トイレアシスト)を開発することを目的とした.トイレアシス

トは被介護者のトイレへのアプローチ支援機能,被介護者の着座支援機能,被介護者の姿

勢保持支援機能,介護者の行う洗浄・清拭動作支援機能等を併せ持ち,排泄介護動作を総

合的に支援するシステムである.機能を発揮するための各要素について,ニーズや課題を

把握し,設計と評価を安全性およびカスタマイズ性の向上を図りながら進め,さらには統

合した実証機を開発し,実証試験を通じてその有効性を評価した.

下記に,本研究開発の 終成果である第二次実証機に関する研究成果を中心に,その概

要と目標の達成度に関して記述する.

① RT 機能の研究開発

①-1 トイレアシストの統合システム開発

1)目的

排泄介護時における介護動作の分析および介護施設での現場調査,有識者のヒアリング

等を行うことで,排泄介護支援システムにとって必要な機能を洗い出し,個別技術開発の

内容を明確にすると共に,トイレアシストの統合システムを構築することを目的とする.

2)開発目標

ⅰ)介護支援に必要な技術開発と詳細仕様の決定する.

ⅱ)第一次実証機を製作し第一次実証試験を行い,ヒアリングを行う.介護施設でのニー

ズと課題の再調査を行う.

ⅲ)第二次実証機を製作し,第二次実証試験を行う.第二次実証機のトイレアシスト本体

は基本外形幅 700mm×奥行き 900mm×高さ 1000mm 程度,重量は 80kg 程度に収める.

3)開発の成果

介護動作の分析および介護施設でのアンケートの結果から,トイレアシストの基本仕様

を定め,それを基に,これらの機能のみをフレーム上に構築した機能コンポーネントを製

作した.図1に機能コンポーネントの写真を示す. この機能コンポーネントを介護現場に

持ち込み,現場検証,課題の整理を行うことでより具体的に課題を理解した.併せて介護

現場の実態に精通しているコンソーシアム外部有識者にもコンセプトを提示して,様々な

意見をいただいた.

また,この機能コンポーネントにおいて,ハードウェアの検証,ソフトウェアの検証を

行った.そして,その他の基礎検討として平面移動機能に必要な自律移動システムの研究,

移動アシストシステムの開発,介護者が容易に操作できるようにするための操作コントロ

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ⅷ-2

ールシステムの開発を行った.機能コンポーネントにおいて検証を行った要素技術やデザ

イン検討結果を反映し,音声認識モジュール等も搭載した「トイレアシスト本体」と,座

位姿勢で被介護者が安定した姿勢を保持するための「昇降前方ボード」を製作した.図2

にトイレアシスト本体,図3に昇降前方ボードを示す.これら2つをあわせて第一次実証

機と称す.

さらに,第一次実証機を用いた実証試験の結果および再委託先の排泄介護に関する調査

結果から,「移乗と立ち座り支援」,「立位安定保持」,「座位安定保持」,「臀部洗浄の自動

化」が排泄介護動作支援機能として重要であるという知見を得た.そこで,第一次実証機

で有効な機能については更に改良を加え,また十分な効果が得られない部分についてはシ

ステム全体の見直しを行った第二次実証機を製作した.第二次実証機は「トイレアシスト

本体」,「昇降前方ボード」,「車いすシャトル台車」の3つで構成される.それぞれを図4,

図5,図6に示す.

4)達成度

介護動作の分析,課題調査,実証試験を繰り返すことにより,随時仕様の見直しを行い,

第二次実証機において達成すべき目標を以下のように達成することができた.

ⅰ)86[%]以上の介護者が介護動作の負担が軽減されると判断した.(NEDO 基本計画に

おける達成目標は 50[%]以上)

ⅱ)90[%]以上の介護者が支援に有効であると認定した.(NEDO 基本計画における達成

目標は 50[%]以上)

ⅲ)89[%]以上の介護者がトイレアシストの操作性が容易であると認定した.(NEDO 基

本計画における達成目標は 80[%]以上)

定量評価の詳細は,「⑥介護動作評価システムの開発及び現場実証試験」にて述べる.

①-2 移動機能

1)目的

介護施設のトイレは複数の被介護者が利用し,その被介護者の状態,つまり体格や体力,

麻痺の度合い等は様々に異なるので,便器の固定された空間では,手すり等のトイレ空間

の設備によって便器へのアプローチ方向が限られる.図7に右麻痺,左麻痺の被介護者に

対応したトイレルームのレイアウトを示す.被介護者が右麻痺の場合,トイレに向かって

左側からアプローチし立位保持用の手すりを掴ませる.逆に,被介護者が左麻痺の場合は,

右側からのアプローチとなる.現状では,広いトイレ空間に 2 通りのレイアウトのトイレ

を用意するか,別々のトイレ空間に勝手違いのトイレを用意しておくか,あるいは,介護

者が被介護者を抱え上げ,体をねじらせて手すりに対して適切な位置に被介護者を移動さ

せるという手法をとっている.既存の介護施設では,1フロアに複数のトイレ空間が存在し

ているが,2つの便器が入る大きなトイレ空間をそれぞれに確保することは困難である.よ

って,近いトイレのアプローチ方法が被介護者と合わない場合,介護者が被介護者を離れ

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ⅷ-3

た位置にあるトイレまで運ぶか,もしくは無理な姿勢で被介護者を抱え上げるという方法

がとられ,このため排泄介護時間や介護者の肉体的な負担の増加を招いている.

1 つのトイレ空間で,被介護者が右麻痺の場合は左側に,左麻痺の場合は便器が 90 度首

を振り,右側に介護スペースを確保することができれば,被介護者の麻痺側がどちらであ

ったとしても,介護者は麻痺側に立つことができる.また,被介護者の健側の手で壁面に

取り付けられた手すりをつかめるため,立位を取るときに被介護者自身の力を使うことも

でき,介護者の負担を軽減することができる.そこで,第一次実証機では水平面内を移動

可能とする移動機構を開発することとした.

しかしながら,この方法では,介護者は被介護者を抱えた状態での回転動作をなくすこ

とが出来ず,介護負荷軽減効果が十分であるとはいえない.そこで,第二次実証機として,

被介護者が立位を保っている間に自動で車いすとトイレアシスト本体を入れ替えるシステ

ムを開発することとした.これにより,被介護者は足の踏み替えなしで移乗が完了するた

め,介護者,被介護者双方の負担が軽減される.

2)開発目標

第一次実証機では,トイレルーム入室前に使用する被介護者の情報を受け,被介護者の

身体状況に合わせた向きに移動,停止し,移動時間は 30 秒以内,位置決め誤差は左右方向

で 30mm 以下,前後方向で 60mm 以下とした.

第二次実証機では,15 秒以内にトイレアシスト本体と車いすとを入れ替え,位置決め誤

差は 30mm 以下とした.

3)開発の成果

第一次実証機では,2つの駆動輪と補助輪(キャスタ)を有し,駆動輪を独立に制御す

ることで,信地旋回に近い移動を実現した.この移動機能と「②-1 室内自律移動シス

テムの開発」で述べる軌跡の制御を用いて,被介護者の身体状況に合わせて本体の向きを

調節する移動装置を開発した.被介護者の身体状況は,トイレルーム入室前に介護者の持

つ無線タグによって本体に通知され,入室時には移動を完了する.図8に移動の軌跡を示

す.なるべく壁面近くに移動できるよう,一度経由点まで移動し切り返しを行ってから目

標点に移動する.入室前に自律移動を終了し,入室後は自律での移動を行わないことで,

介護者,被介護者のリスクを低減した.

第二次実証機では,移動機構に4輪オムニホイールを用いることにより,姿勢角を保っ

たままの移動を可能とし,切り返しの時間をなくすことで短時間での入れ替えを可能とし

た.また,切り返しがなくなったことから位置決め精度も向上した.

4)達成度

第一次実証機は,実験室内での試験により,30 秒以内での移動完了,左右位置決め誤差

30mm 以内,前後位置決め誤差 40mm 以内を達成した.第二次実証機において,入れ替え時間

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ⅷ-4

15秒以内,位置決め誤差30mm以内を達成し,介護施設における第二次実証試験で実証した.

①-3 便座昇降機能

1)目的

介護者が被介護者をトイレに移乗させるときには,被介護者の両脇から腕を回し,全身

で抱きかかえるような動作で,便座に乗せている.便座から抱えあげるときも,同様の姿

勢をとるが,このとき介護者は腰をかがめ,スクワットのような姿勢で下から抱え上げる

動作を行う.いずれの動作についても,介護者に与える肉体的負担は大きい.被介護者を

便座へ着座させるための抱え下ろし動作,便座から被介護者を抱え上げる動作において,

便座が昇降動作を行い被介護者の体重を支えることが可能となれば,介護者の負担を軽減

できる.さらに,介護施設では複数の被介護者が同一のトイレを使用するが,このとき,

被介護者の体の状態の違いにより,それぞれの被介護者によって 適な上昇量や角度など

が異なる.そこで,便座の高さや角度をさまざまに調整できる便座昇降機構を開発する.

2)開発目標

被介護者の体重を支えながら上昇,降下し,かつ体格寸法に合わせた位置で停止する,

便座昇降機構を開発する.被介護者の想定体重は 80kg とする.

第一次実証機において,便座の昇降範囲は垂直方向に 200mm 程度,傾き角は 大 15 度,

便座の 低高さは 440mm 以下とする.

第二次実証機において,便座の昇降範囲は垂直方向に 300mm 程度,傾き角は 大 20 度,

便座の 低高さは 300mm とする.

3)開発の成果

昇降動作は位置制御のアクチュエータを用いることにより,制御コンピュータから位置,

移動速度ともに制御が可能なシステムとした.

第一次実証機では,被介護者の体重を支えながら,被介護者の体格寸法に応じて昇降,

傾斜,前後スライドする昇降装置を搭載した.便座の昇降範囲は垂直方向に 190mm,傾き角

は 大 15 度,便座の 低高さは 410mm である.ただし,傾き角の変更はリンクの支点を変

更する機構であり,これは,被介護者が便座に着座する前に決定する.すなわち着座後は

垂直上昇位置と傾き角は従属関係にあり,上昇および降下の軌跡を独立して変更すること

は出来ない.

第二次実証機では,昇降範囲が垂直方向に 300mm,傾き角は 大 20 度,便座の 低高さ

は 300mm の便座昇降装置を搭載した.また,傾き角に関して,着座時の重心点付近に回転

軸を配置し,その後方をアクチュエータ 2 本で動作させる機構に変更したことにより,傾

き角を独立で動作させることが可能となった.

4)達成度

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ⅷ-5

実証試験において,あらかじめ入力された被介護者の情報を,タッチパネル上に示され

た被介護者名を選択することによりロードする方法で,被介護者に合わせた動作を実現し,

機器の定量的な性能としても目標仕様を達成した.

①-4 手すり昇降機能

1)目的

従来便器は一定場所に設置,固定式され,それに応じて手すりなどの姿勢保持器具が壁

面等に固定されている.しかしながら,介護施設では被介護者の体格差により高さや距離

が相対的に変わり,すべての被介護者に対して姿勢安定の機能を十分に果たしているとは

言いがたい.被介護者が安定した座位姿勢をとることができないと介護者は常に目をかけ

ていなくてはならず,排泄介護動作のひとつである交換用のパットの準備や清拭の準備な

どを並行して行うことができない.しかし,被介護者が安定した座位を取ることのできる

機構があると,介護者は短時間であれば被介護者から目を離すことができ,他の作業を行

うことが可能となる.

そこで被介護者の体を安定して支え,かつ移乗時には邪魔にならない位置に退避させる

ことができる手すり昇降機構を開発する.この手すりは座位姿勢の左右の安定の保持と転

落防止を目的とし,排泄時,腹圧をかけるため前に寄りかかる体を支える機能は昇降前方

ボードが行う.

2)開発目標

排泄時,被介護者の体格寸法に合わせた高さで停止し被介護者の体を支え,移乗時には,

邪魔ならないよう後方に跳ね上がる手すり昇降機構を開発する.

3)開発の成果

第一次実証機において,左右独立して高さを設定できる肘掛装置を搭載した.この肘掛

は,肘置きと,体が傾いた場合より高い安定性を確保できる肩当てを装備している.調整

範囲は肘置きの高さが 525~675mm,耐加重は 20kg(軸力)である.

また,この肘掛は平行リンクにより支えられ,被介護者の移乗時には,図2に示すよう

に後方に退避し,移乗を行う空間を確保する.使用時には少し持ち上げながら引き出すこ

とで肘掛は前方に移動する.

4)達成度

第一次実証機には搭載したが,第二次実証機では,前方昇降ボードに機能を統合し,本

体には搭載しなかった.

①-5 便座スライド機能

1)目的

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ⅷ-6

被介護者の臀部を清拭する動作において,便器内に介護者の手が入るスペースを確保し

被介護者の臀部を拭くことが可能となれば,介護者は不自然な姿勢で被介護者の体重を支

える必要がなくなり負担の軽減となる.このアクセスする空間は,後方にあることが望ま

しい.そこで,被介護者の臀部を清拭する動作において,後方から被介護者の臀部にアク

セスし易くするための便座スライド機構を開発する.

2)開発目標

便座後方に介護者の手を入れることが可能な切り欠きを備え,清拭時に被介護者をのせ

たまま 大 100mm 前方にスライドする,便座スライド機構を開発する.

3)開発の成果

清拭時,トイレアシスト本体に搭載の操作ボタンを押すことで前方にスライドする,後

方に切り欠きを備えた便座スライド装置を搭載した.ストローク量は 大 100mm,速度は

大 20mm/s である.さらに,無励磁ブレーキを装備し,必要時以外は動作しない機構とした.

4)達成度

第一次実証試験や実験室における試験において,この装置を使用した模擬動作で介護者

の 80%がこの装置は有効であると認定した.そこで,第二次実証機に搭載したが,第二次実

証試験では清拭動作を行わなかったため使用しなかった.

①-6 便座開動機能

1)目的

従来の便座の開口部は成人を基準としており,通常の開口部寸法は 200[mm]である.し

かしながら被介護者,特に女性は体の小さな方が多く,また臀部が痩せていることにより

便座内に落ち込んでしまい体を支えることが困難である.現状では,便器前側に座らせる

ことにより腰を支えているが,これでは姿勢が不安定となる.また尿が便器外に漏れてし

まうこともあり,この場合,着替えや便器周りの清掃など通常では必要のない介護動作を

増やすこととなる.また,開口部の広さを調節する方法として現状ではサポート便座のよ

うな開口部を狭くした便座を通常便座の上にのせるタイプのものはあるが,介護施設のよ

うな様々な体格の人が使うトイレにおいては,それぞれの体格に応じた便座を準備しなく

てはならず使いづらい.しかも,便座の上に乗せることとなるので座面が高くなり,被介

護者の足が床から浮いてしまい,被介護者の座位が不安定になる.

そこで,被介護者の体格にあわせ自動的に開口部の広さおよび中心位置を調整する便座

開動機構を開発する.

2)開発目標

左右の便座が独立して動作し,開口部の幅を調節する便座街道機構を開発する.可動距

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ⅷ-7

離は 大 100mm 程度とする.

3)開発の成果

左右の便座が独立して動作する便座開動機構を開発した.ただし調整範囲は健常者によ

る実験結果から 160~210mm で十分であったので,それぞれの便座の可動距離は 25mm で左

右あわせて 50mm の調整範囲を確保することとした.作動用のモータはあえて出力の低い 2W

のモータを使用し,着座時は動作しない機構とした.

4)達成度

第一次実証機において,左右独立で動作する便座開動機構を搭載した.しかしながら,

第二次実証機では便座自体を高機能化したこと,便座を第一次実証機よりも低くすること

が可能となったこと,手すりが昇降前方ボードとしてトイレアシスト本体から独立し,オ

フセットの調整も必要なくなったことなどから,この機能は搭載しなかった.

② 操作コントロールシステムの研究開発

②-1 室内自律移動システムの開発

1)目的

従来,水平面内を移動する便器として,介護用のポータブルトイレが存在する.しかし

ながら,それらのトイレは介護者自身がトイレを移動させなければならないので,介護負

担の軽減になっていない.

そこで,介護の手間を増加することなく,介護者の身体的負荷を軽減するため,被介護

者に合わせて介護者が介護しやすい位置に自動的に移動する室内自律移動システムを開発

する.

2)開発目標

環境(部屋)側に特別な負担をかけず自己位置同定を行い,本体に装備された移動機構

で 15 秒以内にトイレアシスト本体と車いすとを入れ替え,位置決め誤差は 30mm 以下を目

標とした.

3)開発の成果

トイレアシスト本体が自動で移動し,正確な位置決めを行うには,自律移動するトイレ

アシスト本体自体が作業環境内における自己位置を正確に認識している必要がある.そこ

で,トイレアシスト本体にレーザレンジセンサによる自己位置推定を行わせることにした.

センサは北陽電機株式会社製の URG-04LX を使用した.このセンサは,半導体レーザを

周囲 240 度の物体に照射し,その反射波の位相差を検出することによってセンサと物体と

の距離と角度を計測する.このレーザレンジセンサを 2 つ,互いに背面を向けて組み合わ

せることにより,周囲 360 度の作業環境を常に見渡すことが可能となる.

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ⅷ-8

このセンサデータから,図9に示すトイレルーム内壁面の情報を得ることができる.こ

の情報を,画像処理ソフト HALCON を利用したテンプレートマッチング技術で処理するこ

とにより,自己位置を推定する.このシステムで,繰り返し誤差 10mm 以内の自己位置推

定を可能とした.

トイレルーム内壁面を自己位置推定の基準とすることで,部屋が変わっても 初に一度

基準データを取り直すだけで自己位置推定が可能となり,利用場所を限定せず,多様な使

用環境に対応した利用が可能である.

自己位置推定を行うには,2つのセンサで十分であるが,トイレアシスト本体にはセン

サの設置場所を低くし,かつ死角を無くすために,前方に1つ,後方2つの計3台を搭載

した.トイレルーム内壁の情報で,繰り返し誤差 10mm 以内の自己位置同定を行い,目的地

点まで,車輪アクチュエータを操作する自律移動システムを搭載した.

4)達成度

第一次実証機において,実験室内での試験により,30 秒以内,左右誤差 30mm 以内,前後

誤差 40mm 以内を達成した.

第二次実証機において,入れ替え時間 15 秒以内,誤差 30mm 以内を達成し,介護施設に

おける第二次実証試験で実証した.

②-2 操作インタフェースの開発

1)目的

介護支援ロボットの操作において,介護者が「操作が難しい」,「操作が面倒」と感じて

しまえば,身体的に介護負担を軽減したとしても使われない機器となる.そこで介護者に

とって使いやすい操作インタフェースを開発する.

2)開発目標

介護者が直感的で使いやすい操作インタフェースを構築し,介護者の80%以上の者が,

ロボットの使用に関して通常のトレーニング以外に特別な訓練や教育等がなくても一人で

容易に操作することが可能であると認定する操作性を実現する.

3)開発の成果

第一次実証機では,なるべく現状の介護施設で行われている介護方法を変えずに,介護

負担を軽減する使用方法を開発した.図10に第一次実証機を利用した介護の流れを示す.

左側が介護者,被介護者の動作,右側が第一次実証機の動作である.現状の介護方法に従

うことで,介護者が容易に操作を覚えることを可能とした.また動作中はその動作を継続

中か,終了したかを音または音声で介護者に伝えた.

図11に第二次実証機を利用した介護の流れを示す.左側が介護者,被介護者の動作,

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ⅷ-9

右側が第二次実証機の動作である.

具体的には,介護者は図12に示すトイレアシスト本体上面のタッチパネルから,被介

護者を選択する.被介護者が選択されると,トイレアシストは,その被介護者に対応した

昇降前方ボードの高さや,便座の高さをロードし,次のスイッチによる指示を待つ.この

とき選択された被介護者名は音声により介護者に通知され,誤選択を防止する.また,次

の指示は降下ボタンの押下による昇降前方ボードの前方へのスライドであるが,このとき

図13に示すスイッチボックスの降下ボタンが点灯し,押下を促す.また,その他のスイ

ッチを押しても反応しない.

介護者が行う第二次実証機の操作は,タッチパネルかスイッチボックスのどちらかに限

られる.次の動作はタッチパネル上に表示され,かつ指示を待つボタンは点灯する操作コ

ントロールシステムを構築することで,介護者にとって直感的で使いやすい操作コントロ

ールシステムを構築した.

4)達成度

第二次実証試験において 89%以上の介護者がトイレアシストの操作性が容易であると認

定し,目標を達成した.

③ 安全なスーパバイザの研究開発

1)目的

トイレアシストに要求される様々な安全条件に対して,安全システムが 適に機能する

ように安全防護の階層化を図り,多様な安全制御を実現できる防護階層化安全制御システ

ムの開発を行う.

2)開発目標

リスクアセスメントを実施して,その結果に基づく安全防護のシステム仕様を決定し,

スーパバイザを中核とした防護階層化安全制御システムを構築する.

3)開発の成果

第一次実証機,第二次実証機それぞれにリスクアセスメントを実施して,その結果に基

づく,安全防護のシステム仕様を決定した.

異種多重 PLC を中核として,緊急停止スイッチ(EMS),バンパを備え,電源制御回路,

モータドライバ,制御コンピュータが階層的に安全制御を行う防護階層化安全制御システ

ムを構築した.図14に第二次実証機のシステムブック図を示す.通常,各種センサやモ

ータドライバ,電源管理回路はメイン PC により制御される.また,モータドライバや電源

管理回路はそれぞれ独自で自身の安全管理は行っている.PLC は各種センサと緊急停止スイ

ッチ,メイン PC の Wachdog 出力を監視し,異常を検知した場合,それぞれの保護回路を動

作させることで安全を確保する.

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ⅷ-10

4)達成度

安全防護システムにより,実証試験において安全に試験を実施することが出来た.

④ 臀部洗浄装置の研究開発

④-1 臀部洗浄装置(第一次実証機)

1)目的

従来の温水洗浄便座のおしり洗浄機能は,健常者の局部洗浄として開発されたものであ

る.高齢者は便失禁などで臀部が広く汚れてしまうため洗浄・清拭が大変であり,広い範

囲を洗える洗浄装置が欲しいとの声が現場ヒアリングを通じて得られている.そこで通常

の局部洗浄装置に加え,失禁やおむつ使用者の臀部を広範囲に洗浄可能な洗浄装置を新た

に研究開発し,トイレアシストに搭載する.

2)目標

失禁やおむつ使用者の臀部汚れの範囲や固着度合いなどの実態調査を行い,目標値を決

定する.施設介護職員のヒアリングを行い,臀部汚れの実態から下記の情報を得た.

ⅰ)汚れの範囲としては,前後については男女差があり女性の方が前方へ広く汚れる.

左右については座骨結節までの範囲.

ⅱ)汚れの固着度合いについては,失禁により付着するのは軟便であり,長時間放置さ

れ乾燥固着することは考えにくい.水勢は弱め.むしろ,強い水勢は余計な刺激として

苦痛となる.

社内保有の洗浄装置を調査し,汚れた臀部を洗浄するために適した社内技術を調査・検

討し,目標値を決定する.具体的には,熱交換器及び各種洗浄ノズルを組み合わせての吐

水温度,吐水形状,吐水流量(洗浄時間),吐水圧力,汚水の飛び跳ね防止,汚れ落ちなど

の観点から 適な洗浄方法を検討する.

3)開発の成果

ヒアリングの情報や技術検討から,仮仕様を設定した.

ⅰ)洗浄水勢を 0.029[N],流量を 270[cc/min]とした.

ⅱ)洗浄範囲は左右を座骨結節以内(~120[mm]),前後は肛門~100[mm]とし,ロールム

ーブ方式を採用した.

この構造で試作機を設計・製作した.ノズルの動作仕様を図15に示す.

4)達成度

この試作機を用いて,洗浄範囲および洗浄性能を評価した結果,目標の洗浄範囲をクリ

アできた.以上の水勢と洗浄範囲の評価結果より,ロールムーブノズル式の洗浄装置の仕

様を決定できた.また,この方式は市販品の自社温水洗浄便座の軽微な仕様変更で実現で

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ⅷ-11

きるため,操作性・安全性の問題なく,第一次実証機に搭載可能と判断した.

④-2 臀部洗浄装置(第二次実証機)

1)目的

第一次実証試験では,広範囲洗浄用ロールムーブノズル自体の課題は少ないと判断し仕

様は踏襲した.また介護者へのヒアリングでは,温水洗浄便座での臀部洗浄以外に,狙っ

た部分を集中して洗えるノズルも欲しいとの要望があり,現状の広範囲洗浄装置に加えて,

ハンディ式洗浄装置を追加開発することとした.

2)目標

失禁やおむつ使用者の臀部汚れの範囲や固着度合いなどの実態を把握し,陰部洗浄ボト

ルの吐水形状,吐水流量(洗浄時間),吐水圧力,汚水の飛び跳ね防止などの観点からハン

ディノズル洗浄形態を検討する.また温水洗浄便座に接続出来る形態を併せて検討し仕様

を決定する.

まず,ハンディノズルの仮仕様目標を下記に設定した.

ⅰ)洗浄水勢,流量:ロールムーブノズルと同様に F=0.03[N],Q= 300[cc/min]とした.

ⅱ)給水:温水洗浄便座から取り出せるように,内蔵ノズルとハンディ式ノズルの 2 系

統の切替構造とした.

ⅲ)サイズ・質量:温水洗浄便座とホース接続され,片手で持って使用できること.

ⅳ)操作:手元で吐水 ON/OFF が出来ること.

上記仮仕様を前提に原理モデルとして温水洗浄便座ウォシュレットのノズル(以下 WL

ノズルと記載)を流用したものと,スプレーガン 2 種(ビデ吐水仕様・スプレーミスト仕

様)を利用したものを試作,評価した.

WL ノズルを流用したものはローラークランプによるピンチバルブでの流量調整や開閉

動作で十分な止水性能が得られなかったため採用を見送った.スプレーガン 2 タイプはど

ちらも使い勝手がよく優劣の判断ができなかったため,2 つを付け替えて使用できる構成と

した.

3)開発の成果

以下のように仕様を決定した.

ⅰ)ロールムーブノズル:F=0.03[N],Q= 300[cc/min],洗浄範囲左右 120[mm],前後 100[mm]

ⅱ)ハンディノズル:F=0.03[N],Q= 300[cc/min],温水洗浄便座からはホース接続され片

手で使用可能,手元で吐水の ON/OFF 可能.

ⅲ)上記 2 系統の切り替え操作は標準リモコンにて可能.

以上の仕様にて第二次実証機用の洗浄装置とし,温水供給のために洗浄便座との組み合

わせ構造を決定した.全体構成図を図16に示す.得られた試作部分を用いて,洗浄試験

を実施した.基準を十分満足し,また,使い勝手もよいと判断,第二次実証機への搭載に

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ⅷ-12

進めた.

4)達成度

安全,倫理上の観点から,実証現場である介護施設現場では,本装置を用いた洗浄試験

の実施は見合わせたものの,社内試験では目標をクリアすることができた.

⑤ 便座の素材に関する研究開発

⑤-1 便座素材(第一次実証機)

1)開発目的 福祉介護用便座を考えた場合,失禁やおむつ使用など便座そのものが汚れる可能性が極

めて高く,汚れた際には便座を取り外し洗剤などで水洗いできることが望ましい.しかし

ながら従来の温水洗浄便座は構造上の理由から便座そのものを水洗いできるものではない.

そこで本研究開発では便座表層部が便座本体から容易に着脱でき,水洗いが可能,かつ座

位安定性に富む便座(表層部)形状,更に冬場でも着座時の冷たさを感じさせないなど便

座表層部として適した素材の検討を行い,トイレアシストの便座として組み込む.

2)目標 事前調査として,電気ヒータを使用しないでも冬場の着座時に,便座接触部に冷たさを

感じさせない素材を調査し,試験サンプルにて,汚れの付きにくさや汚れた際の洗浄性,

及び保温性等を試験し素材候補を選定する.

対象候補サンプルとして,EVA(エチレンビニルエステート)樹脂発泡材,低反発ウレタ

ンフォームを選定,比較用として通常便座とやわらか補高便座を用いて各性能評価試験に

て絞込みを行った. ⅰ)保温性:低温(5[℃])下にて脱衣状態でサンプルに着座し,主観申告によるアンケ

ートと熱流束計を用いた人体とサンプル間との熱の授受計測にて評価した.

ⅱ)洗浄性:サンプルに擬似汚物を均一厚みで塗布し,散水にて擬似汚物が完全に落ち

るまでの時間を計測,併せて汚れ残りや色の染み付きを目視確認した.

ⅲ)乾燥性:水洗後,無風大気中にて自然乾燥した場合の水分含有量の経時変化を計量

した.

ⅳ)表面清掃性:擬似汚物を塗布乾燥後,たわし・スポンジ・布を使用して水洗いし,

汚れ落ち,表面荒れを確認した.

ⅴ)耐薬品性:社内基準に沿って評価した. 評価結果を基に材質を選定し便座表層部を設計・製作,川田工業開発の機能コンポーネ

ントと組合せて便座装置として完成させた.

3)開発の成果

評価結果を基に,EVA 樹脂発泡材(エチレンビニルエステート)を選定した.

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4)達成度

保温性,洗浄性,乾燥性,表面清掃性,耐薬品性試験の結果より,EVA 素材を用いて製

作する便座は,仕様を満足するという評価が得られ,目標をクリアした.便座のデザイン

図及び試作した便座を図17に示す.

⑤-2 便座素材(第二次実証機)

1)目標

第一次実証では介護者から,柔らかく冷たくない点が排泄時間の長い高齢者に効果的で

あると評価された.第二次実証機では,便座の開動機構を搭載しないこととなったため,

座り心地の観点から,よりフィットして痛くないような形状の見直しを行うことを目標と

した.

2)開発の成果

座り心地に関与する因子は,肌触りや温熱感,圧力分散などが挙げられ,素材や形状の

相互作用で決定される.形状による圧力分散および姿勢保持の効果を探ることを目的に,

現状の問題点を把握することからはじめ,座面設計に必要な人体寸法等の計測を実施し,

適切形状の仮説立案,主観評価と体圧分布計測装置を用いて,試作品評価を実施した.そ

の結果を基に,臀部や大腿部の位置を誘導できるような便座形状を決定した.

今回製作した EVA 製便座の効果を評価するため,通常便座との座圧分布比較を行った結

果,通常便座に比べ EVA 製便座では圧力を受けている範囲が広く,また圧力の絶対値が小

さい.臀部を広い面で接触させることで座圧の分散がはかれ,狙いの効果を得ることがで

きた.便座のデザイン図及び試作した便座を図18に示す.

3)達成度

安全,倫理上の観点から,実証現場である介護施設現場では,実際に脱衣は行わない模

擬動作状態での試験としたため,被介護者の主観評価は得られなかったものの,実使用上

の要求仕様を達成することができた.

⑥ 介護動作評価システムの開発及び現場実証試験

1)目的

トイレアシストシステムが介護動作の負担軽減に寄与することと安全で効率的に動作す

ることを定性・定量的に検証するための介護動作評価システムの開発を目的とした.

2)目標

トイレアシストを用いた介護動作中の生体情報を計測するシステムを開発し,実証試験

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ⅷ-14

においてデータ収集・解析を行うこと,さらにその定量的データと主観アンケートにより,

介護負荷軽減効果を実証することを目標とした.

3)成果

介護者の下肢および体幹の筋電図,介護者の頚部および腰部の加速度,介護者の肘関節

の介護動作中の 大角度,被介護者の頚部加速度を計測する評価システムを開発し,実証

現場での計測を行った.第二次実証試験における評価結果の一例を以下に示す.

本評価試験は,トイレアシスト第二次実証機を用いて,介護施設筑波園における実際の

入居者が模擬的に排泄動作を行うところを職員が介護するという排泄介護状況を設定し,

行った.生理信号計測試験については,実証現場である筑波園にて勤務する介護職員 3 名

と入居者 2 名に対して行った.測定項目はトイレアシストを用いた介護動作中の生体情報

(介護者の下肢および体幹の筋電図・介護者の頚部および腰部の加速度・被介護者の頚部

加速度)とした.また,介護職員 11 名(男性 2 名,女性 9 名),入居者 2 名(男性 1 名,

女性 1 名)をそれぞれ対象とした主観アンケート結果により,機器を利用することで排泄

介護の身体負荷が軽減可能であったかどうかを確認した.

計測対象区分としては,標準型トイレでの介護動作を A 群,トイレアシストを用いた介

護動作を B 群とした.まず,筋電による身体負荷計測結果まとめを表1に示し,代表デー

タを基に考察する.筋肉の負担(背中,大腿の表裏の筋電図)については,図19(車い

すからの起立),図20(便座に着座),図21(便座から起立),図22(車いすへ着座)

の結果より,下肢および体幹については A 群と比べ B 群は背筋および大腿前面の筋活動が

減少した.標準型の排泄介護動作と比較して低減していることが示された.特に立ち上が

りをサポートする時の背筋活動,着座をサポートする時の大腿部表(屈曲)筋の活動が顕

著に減少する傾向が見られた.これは引き上げ動作と降ろし動作に直接作用する筋活動が

減少しているため,機器のサポートによる効果であると考えられる.

また立ち上がり,しゃがみのアシストだけでなく前方ボードによる立位姿勢の支持が効

果的である.また,移乗動作がないために回転を介助することもなく,標準型と比べ明ら

かな筋活動の減少が見られた.

次に不意な動き,衝撃を表す頚部および腰部の加速度について,代表データである図2

3(便座⇔車いす移動時)を基に考察する。A 群と比べ B 群は 1/3 から 1/2 程度まで減少

した.これは も身体への加速度が生じる移乗動作がなく,また着座や離座でも座面が近

くにあることから介護者の身体が受ける加速度は減少したものと思われる.これは,便座

昇降や回転動作を無くしたことにより,動作速度/動作範囲が減少したため,介護動作と

して省力化が為された可能性がある.さらに動作詳細に分けて分析を行う必要がある.

続いて無理な/不自然な姿勢を表す肘部関節角度について代表データである図24(便

座から車いす)を基に考察する。肘関節の介護動作中の 大角度については,A 群と B 群

は同程度となった.衣類操作やボタン操作において,上肢は 100 度程屈曲するためにアシ

スト機能を用いても同程度となった.また着座時腕の曲げ伸ばし動作はほとんど違いは無

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ⅷ-15

かった.先の結果と合わせて考えると,動作範囲(動作そのもの)は変わっていないもの

と思われる.

以上より,標準型のトイレ使用時と比べ,トイレアシストにより介護動作が明らかに変わ

り,被介護者の動きも大きく変化した.その結果,介護者の筋活動と身体へ加わる加速度

は減少した.本機の使用による介護負担軽減が生体情報からも確認することができ,排泄

介助の労働負担軽減に効果的である.

主観アンケート結果からは,機器を利用してみての身体負荷や精神負荷軽減に関しては

被験者である介護職員の 8 割以上の人が効果を実感していただけたとともに,操作性につ

いても 8 割が操作しやすいとの結果であった.

NEDO 基本計画における目標値は,

ⅰ)50[%]以上の介護者が介護動作の負担が軽減されると判断する.

ⅱ)0[%]以上の介護者が支援に有効であると認定する.

ⅲ)80[%]以上の介護者がトイレアシストの操作性が容易であると認定する.

となっているが,それぞれ 86[%],90[%],89[%]という高い評価を得ることができた.

まず身体的・精神的負担については,両方とも 8 割以上がトイレアシストを使った方が

楽になりそうという結果であった.この理由として,現状の排泄介護が負担のかかる動作

であり,機器によるサポートによって大きな効果を感じられるためと考えられる.なお,

精神的負荷に比べて身体的負荷の方を選んだ人数の方が多く,これは通常トイレでは車い

すから便器への移乗時に身体的負荷を感じているという意見が多く,第二次実証機では移

乗時の回旋動作が不要である点から身体負荷の大幅な軽減を感じて頂けたためと想定され

る.また通常トイレでの脱着衣時には,高齢者が立位時に不安定になりやすいために,介

護者はそれを支えながら服を脱がさねばならなかったが,今回の試作では前方にある広い

ボード面に身体を預けてもらえることで,高齢者の安定度も上がり,その分介護職員への

負担も軽減可能であると感じていただけたことが考えられる.一方,精神的負荷に関して

は排泄介護のフローの中で,清拭動作時に負担がかかりやすいが,今回の実験では実際に

排泄は行っていただいていないため,楽になりそうではあるが,判断しかねるようなコメ

ントが得られた.よって,この点に関しては別途試作機を作成し,実際に排泄介護をして

頂いた後に評価する必要性があると考える.

次に,操作性については,8 割以上が操作性に関して使いやすいという印象を感じている

という結果であった.コメントを見ると,操作の際に入居者から目を離さないといけない

ために不安であるとの声や,何度も操作するたびに入居者から離れなければならないのが

心配といった声からも分かるように,操作自体がしにくいという理由よりも,操作という

アクションが増えることで,入居者から手や目が離れることを問題視している様子が見受

けられた.

4)達成度

各種生体情報を計測するシステムを開発し,介護現場にて身体負荷に関する計測試験を

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行うことができた.第一次実証機で問題であった回旋動作,立位保持を補助する機能を追

加した第二次実証機を製作し,実際に介護施設にて実証試験を行った結果,前記問題を解

決することが可能となり,NEDO 基本計画における目標を達成することができた.

⑦ リスクアセスメントに基づく安全技術構築に関する研究開発

⑦-1 実証試験タイミングに合わせたリスクアセスメントと3ステップ法の実施

本研究開発項目は,第1次実証機および第2次実証機の仕様決定に先駆け,FMEA手

法の修正適用を図りながら,トイレアシストの使用にまつわるリスクにつき,網羅的かつ

効率的に解析を行い,リスクアセスメントを行うことを目的とした.具体的には,危険源

の同定,リスクの見積もりと評価,保護方策によるリスクの低減法の検討,さらに残留リ

スクに関する情報の開示(以上,いわゆる3ステップ法の実施)を行うこと,第一次実証

機使用時にさらに洗い出されたリスクにとくに注目し,その評価と対策を行うこと,第二

次実証現場でのトイレアシスト使用時を想定した第二次実証機のリスクアセスメントを実

施し,保護方策により可能な限りのリスク低減を図るための仕様提案および残留リスクの

提示を行うことを目標とした.これら目標を達成すべく第一次実証機,第二次実証機を対

象にリスクアセスメントを行い,その結果を機器の仕様へ反映し,さらに残留リスクに関

しては運用上の安全方策としてまとめ,2回に渡る実証試験に臨んだ.その結果,実証試

験期間中に怪我等の事故は発生することなく,無事に実証試験を終えることができた.さ

らに,実証試験期間中は,事故・インシデント情報収集を行うことにより,成果機諸機能

の安全性評価を行った.このように,実証試験のプロセスに従って適切なリスクアセスメ

ントを行うことができたため,目標を達成できたと考えている.

⑦-2 安全かつ実用的な力制御系等の開発

本研究開発項目は,トイレアシストの力センサ信号処理系を 2 out of 3 論理規範に従っ

て高信頼化することを目的として行った.具体的には,FSAGC(フェースセーフアナログ回

路)をトイレアシストのプロトタイプ機に搭載し,力覚センサやコンピュータの故障に対

する故障診断機能を付加することを目標とした.さらに, FSAGC による故障検出手法を応用

し,力センサの二重化構成の代わりに,片方のチャンネルを外乱オブザーバによる仮想的

なセンサ出力で二重化構成した新たな高信頼化力制御系を構成することを目標とした.

試作した FSAGC に入力される2つの制御指令値間に差が生じたとき,FSAGC がこれを故障

と判断し実験用のモータの電流を遮断できることが分かった.FSAGC をトイレアシストプロ

トタイプ機に搭載し行った擬似故障の実験では,FSAGC が力覚センサやコンピュータの故障

を判断しトイレアシストプロトタイプ機の電源を遮断したことが確認できた.また,外乱

オブザーバにより仮想的なセンサ出力で二重化構成した場合においても FSAGC が故障の発

生を検知し,トイレアシストの駆動電源を遮断したことが確認できた.さらに,開発した

故障検出手法を応用し,本質的に安全な受動型車いすシャトル台車のためのセンサ系の二

重化設計を行い,故障検出機能を搭載した.

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以上により,提案した力制御系の信頼性について,第一次実証機での機能検証を行うこ

とができたため,目標を達成できたと考えている.

⑦-3 便器の転倒・衝突回避に関する研究開発

本研究開発項目は,便器の転倒や外界との衝突による事故を未然に防ぐため,トイレア

シストに各種内界・外界センサを搭載しリスク検知を図り,それに応じて事故を回避する

手法についての研究開発を行うことを目的として行った.

便器の転倒については,各種センサを搭載したプロトタイプ機を作成し,さまざまな方

向への転倒可能性を検証し,それらを未然に防ぐ制御手法を確立することを目標とした.

検討した結果,第一次実証機,第二次実証機共に,移動機構の暴走や人間の寄りかかりな

どによる転倒が発生することがないことが確認できたため,制御手法の検討については行

わなかった.便器の衝突については,衝突危険性の高いトイレアシスト前方及び後方の障

害物をカバーできるように,外界センサとしてレーザレンジセンサを搭載し,人間を含む

障害物との衝突を回避する手法を確立することを目標とした.検討の結果,障害物までの

距離や接近速度情報に基づく衝突危険度を見積もる手法を提案し,さらに見積もられた危

険度に応じた車輪駆動制御を行うことで,トイレスペース内移動の安全性を高める手法を

提案した.本手法については車輪型移動式のプロトタイプ機により実験的な検証を行い,

その有効性を確認することができた.

さらに, 終年度には,前年度までの技術検証で蓄積した自律移動技術を応用し,便器

と車いすの自動入れ替え機能に関する研究開発を行った.特に,車いす側の移動機構やそ

の制御技術に関する研究開発を行い,その成果については第二次実証機に車いすシャトル

台車として組み込まれたため,以下に詳述する.

1)車いすシャトル台車の開発目標

車いすシャトル台車は,手動車いすの車輪のみを本体上に乗せた状態で被介護者の着座

位置と待避位置の 2 地点間のシャトル移動を行うものである.シャトル台車に求められる

機能は,①容易に介護者が被介護者の乗った車いすを台車上に上げることができること(低

床化),②2 地点間のシャトル移動動作を高精度に行うことができること(高精度化,高信

頼化),③トイレ空間の形状に合わせてフレキシブルにシャトル走行軌道が変更できること

(軌道設計の柔軟性),④万が一の場合でも被介護者に重篤な被害を与えない安全性が十分

に確保されていること(高い安全性),が必要条件として挙げられる.これらの機能を盛り

込んだ車いすシャトル台車を開発することを目標とした.

2)車いすシャトル台車の仕様

車いすのシャトル移動を実現するには,もし固定の軌道で良ければレール上を動く台車

に車いすを載せるなどの方法が考えられる.しかしこの方法は既存の施設への導入を考え

た場合に大掛かりな工事が必要になる.また臨機応変に軌道を変更できないという問題も

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ある.そこで,車いすシャトル台車自体に移動機能を持たせることとし,移動機構として

は人間共存環境で移動するシステムに用いられることの多い左右独立駆動車輪を採用した.

開発した車いすシャトル台車のハードウェア構成を図6に,主要な仕様を表2に示す.図

6に示すように,手動車いすの車輪部のみを乗せる台車であり,左右中央部に配置されて

いる独立駆動車輪により台車を動かすことができる.モータは 20[W]のモータを用いており,

万が一暴走した場合でも重篤な被害を生じないように考慮した.前後左右の角には板バネ

で支持されたオムニホイルが取り付けられており,路面との接触抵抗を低減する役割を果

たしている.中央部前方には暴走防止用のストッパが取り付けられており,停止位置より

も過度に前方に進むと実証試験で敷設したストッパに衝突するため,それ以上前方に行く

のを阻止する安全装置である.台車中央部上面には車いす転落防止用溝があり,その部分

に車いすの車輪がはまることで用意に台車上から転落しないような仕組みになっている.

台車後方には車いすの乗り上げを容易にするためのスロープが取り付けられている.この

スロープは台車と蝶番により取り付けられており,特に車いすの前方キャスタ部が台車に

乗り上がるのを容易にするものである.以上の溝及びスロープについては,第二次実証試

験中に介護者,有識者などからの意見をフィードバックして改良した部分である.

センサは車輪回転角度を検知するロータリーエンコーダ,実証試験においてカーペット

の下に敷設された磁気式ガイドテープを検知し,そのテープからの横方向のずれを検知す

る磁気式ガイドセンサが台車中央部に,同じくカーペットの下に敷設された磁気マークを

検知し,縦方向のずれを検知する磁気式ポジショニングセンサが左側ボックス内前方に取

り付けられている.本台車に信頼性の高いシャトル移動機能を持たせるため,磁気テープ

を走行軌道の一部に貼り,それをランドマークとして用いる方法を提案した.本手法は,

軌道の直線部分のみに磁気式ガイドテープを貼り,それを磁気センサにより左右方向の座

標として検知し,さらに軌道中の 2 箇所に磁気マークを貼ることで前後方向の離散的な情

報として検知する方法である.自律移動の信頼性を確保しつつ軌道の変更が容易に行える

という特徴を持つ.制御ブロック図を図25に示すが,このように車輪エンコーダによる

オドメトリをベースに,カルマンフィルタにより磁気センサからの前後左右方向の絶対位

置情報を融合する手法で自己位置同定を行っている.

コントローラ部には,バッテリ残量レベルを表示するインジケータ,台車の走行ソフト

ウェアが正常に起動しているかどうかを確認するための LED,バッテリ切れを警告するた

めの LED,台車ソフトウェアのシャットダウンを行うためのスイッチ,暴走等の緊急時に

モータをフリーにするための緊急停止スイッチが搭載されている.また,前方の 2 箇所に

も緊急停止スイッチが搭載されており,3 つのどの緊急停止スイッチを押してもモータがフ

リーになる.

4)基礎実験結果および第二次実証試験での信頼性検証結果

本提案手法の繰り返し精度などを検証するため,直線と円弧による組み合わせで構成し

た走行軌道のシャトル移動実験を行った.磁気式ガイドテープはx軸上に 1.6[m]から 1.0[m]

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の間に 1 枚,磁気マークを 1.2[m]と 1.6[m]の 2 地点にそれぞれ 1 枚ずつ貼った.図26に目

標軌道と磁気式ガイドテープ及び磁気マークの位置を示す.このように,磁気テープは前

方ボードに近い前方部のみに貼ったが,これは磁気テープを貼り直さなくても後方の軌道

をトイレスペースの形状に合わせて自由に設計できるようにするためである.図27はシ

ャトル台車の x,y 座標の移動軌跡,図28はシャトル台車の前方の停止位置を実測したも

のを示す.図27より目標軌道と自己位置同定による計測軌道の差は x,y 方向共に前方ボ

ードから離れた後方で 大[3cm]程度であることが分かる.この計測軌道は実測軌道ではな

いため,この差は制御により生じた偏差である.回数を重ねるごとに値が収束していった

ことから,再現性はあることが確認できる.図28は前方停止位置をプロットしたもので

あるが,この結果から x,y 方向の誤差が 1[cm]の円内に入っていることが分かる.この誤

差は,磁気式ガイドテープを検知するガイドセンサの分解能が 1[cm]であり,センサの性能

に起因するものと思われる.車いすのフットレスト幅と人間の両足幅には左右に数[cm]程度

の余裕があるため,実使用に耐えうる十分な精度があることが確認でき,再現性もあるこ

とがわかった.本手法は軌道の一部に磁気テープを貼るだけで高精度の軌道追従を実現で

きる手法であり,シャトル移動軌道を環境に合わせてフレキシブルに変更可能であるとい

う特徴を持つものである.

機器の信頼性検証については,車いすシャトル台車は第二次実証試験中,暴走すること

は一度もなく,目標シャトル軌道に沿って動き,位置決め精度も実使用に問題のないレベ

ルで実現できている(実験室内の環境では 1[cm]以内の精度を実現)ことが確認できた.実

使用で一番問題となるのは,被介護者に向かってアクセスして止まる際の精度になるが,

車いすのフットレスト幅と人間の両足幅には左右に数[cm]程度の余裕があるため,被介護者

が指定の位置で立っていれば,実使用に耐えうる十分な精度があることが確認でき,再現

性もあることがわかった.第二次実証試験に生じた不具合としては,①介護動作中に介護

者が誤って緊急停止スイッチを押したことで動作しなかった(第二次実証試験中 1 度発生),

②動き出してすぐに止まった(第二次実証試験中 1 度発生),③電源オフ時のシャットダウ

ンシーケンスを操作者が誤り,つぎに起動する際に動作しなかった(第二次実証試験中 1

度発生)ことが挙げられるが,②の不具合については原因が特定できていないものの,そ

れ以外はヒューマンエラーに起因するものである.

なお,位置決め精度については,磁気式ガイドテープを検知するガイドセンサの分解能

が 1[cm]であり,センサの見直しを図ることで更なる精度向上も図ることが可能である.本

手法は軌道の一部に磁気テープを貼るだけで高精度の軌道追従を実現できる手法であり,

シャトル移動軌道を環境に合わせてフレキシブルに変更可能であるという特徴を持ち,さ

らに精度や信頼性も高い技術であり,有効な手法であることが実証された.

5)目標の達成度

本研究開発項目を行う上で設定した目標である,①容易に介護者が被介護者の乗った車

いすを台車上に上げることができること(低床化),②2 地点間のシャトル移動動作を高精

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度に行うことができること(高精度化,高信頼化),③トイレ空間の形状に合わせてフレキ

シブルにシャトル走行軌道が変更できること(軌道設計の柔軟性),④万が一の場合でも被

介護者に重篤な被害を与えない安全性が十分に確保されていること(高い安全性)につい

て下記に述べる.①の低床化については,モータや計算機,バッテリなどの各部品を左右

の本体内に搭載することで低床化を実現している.台車上面を水平にした時の踏面地上高

は 2[cm]であり,かつ後方には車いすの乗り上げを容易にするためのスロープが取り付けら

れている.実証試験において介護職員の方々にも車いすの乗り上げを行っていただいたが,

スロープを取り付けたことで乗り上げが容易になったことを確認したため,目標が達成で

きたと考えている.②の高精度化,高信頼化については,位置決め精度について 1[cm]以内

の繰り返し精度を実現し,高精度位置決め機能が確認できた.左右車輪モータ軸にロータ

リーエンコーダ,本体中央部及び本体左側に磁気センサ(マコメ研究所製,GS-2744B 及び

LP-1903)を搭載しており,AGV 等で使用されている信頼性の高いセンシング技術を用いて

おり,実証試験中一度も暴走することなく稼動し,システムとしての高い信頼性を確認で

きた.さらに,実証試験においても,車いすのフットレストが被介護者の足に接触するこ

となく位置決めができることを確認したため,目標が達成できたと考えている.③の軌道

設計の柔軟性については,シャトル台車はモータ駆動車輪が左右に取り付けられており,

前後 4 箇所を板バネで支持された小型受動オムニホイルで受ける構造になっている.その

ため,車輪は独立に駆動されるため前後進や操舵制御が行え,真横への移動はできないも

ののフレキシブル走行軌道を設計できる.実証試験では,直線軌道及び直線と曲線の組み

合わせ軌道の2種類の軌道について自律移動が実現できることを確認し,実際の運用でも

2種類を軌道を用いた入れ替え試験を行ったため,目標が達成できたと考えている.④の

安全性については,車いすが乗り上がる面には凹みを設けることで移動中の本体上からの

ずり落ちを防ぐ構造を取ったこと,中央部前方にストッパを取り付けたこと,必要 小限

の出力のモータを使用していること,緊急停止スイッチを 3 箇所に設けたことなどにより,

安全面での充分な配慮を行った.実証試験において,車いすのずり落ちや暴走は一度も発

生することがなく,機器の安全性が確認できたため,目標が達成できたと考えている.

さらに,本シャトル台車にはボードパソコンが搭載されており,ロボットの走行軌道,

各種センサ情報等が記録できるようになっている.図21,22の実験結果に示すように,

取得した走行軌道データと目標軌道を比較することで,ロボットの動作評価が可能である.

NEDO 基本計画における達成すべき目標である,「ロボット及び周辺機器の動作を記録し,ロ

ボットの動作評価が可能であること」に関して,達成できたものと考えている.また,本

シャトル台車は重量約 20[kg]であり容易に運搬が可能なシステムである.精度の良いシャ

トル移動を行うためには,磁気テープを床面あるいは床下に敷設する必要があるが,容易

に環境設定を行うことが可能である.さらに,走行軌道をフレキシブルに変更可能であり,

個々のトイレ空間に合わせたシャトル軌道設計が可能である.NEDO 基本計画における達成

すべき目標である,「容易にロボットの移動や運搬を行える構造とし,利用場所を限定せず,

多様な使用環境に対応した利用を可能とすること」を達成できたと考えている.

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⑦-4 便座による被介護者の転落検知に関する研究開発

本研究開発項目では,力センサの出力パターンから被介護者の体勢を検知し,被介護者

の転落のリスクを介護者に通知する方法についての研究開発を行うことを目的とした.具

体的には,便座面上に力センサを複数配置してその出力パターンから被介護者の体勢を検

知し,被介護者の転落のリスクを介護者に通知する手法を構築することを目標として設定

した.研究開発を行った結果,便座上に 24 個の 3軸力センサを配置した力計測ユニット試

作機を製作するとともに,同試作機を用いて得られる力データを収集し,連続した静止画

(簡易アニメーション)の形で表示するプログラムを製作した.また,力計測ユニット試

作機に用いられているプローブを改良し,プローブに印加された外力が解除された後の振

動をより明確に捉えることができるようにした.これらによって被介護者の姿勢変化に伴

う,便座上の各位置に加わる力の 3 次元的な変化を計測する基本的な環境を構築し,転落

リスク見積もりが行える見通しが得られた.本研究開発成果はセンサのサイズなどの影響

で実証試験機に搭載することはできなかったものの,介護者の便座面からの転落を予見で

きる可能性を示すことができたという意味で,ほぼ目標は達成できたものと考えている.

⑦-5 手すりを用いた上体支持に関する技術開発

本研究開発項目では,便座と車いすの移乗時,また便座に座っている 中に転落の危険

性を軽減する機能を持つトイレアシストの手すりの開発を目的とした.具体的には,身体

保持実験用試作機を用いて,トイレアシストの便座高さ,手すりの可動部の仕様を決める

際に必要なデータを取得すること,トイレアシストを用いた介護動作の負担軽減と排泄時

の安全性を配慮した身体保持法を検討するため,座位時にトイレアシストに装着する手す

りや便部にかかる接触部や接触する力のデータを取得し,座位時,移乗時の手すりによる

安全性のセンシング機能向上を行うこと,被介護者の排泄時の姿勢や手すりの利用時のリ

スクを解析し安全性を配慮した手すり部を開発することを目標とした.研究開発の結果,

便座高さ,手すり可動部の移動量についてデータを取得し,トイレアシスト試作機にセン

サを装着しての座位時のセンシング機能実験では,空気圧を用いて手すりを体型に合わせ

て体側面で変形させることで座位時の姿勢を安定しやすくし,排泄時には左右の手すり部

が体前方に倒れることを予防できる手すり部を開発した.本研究開発成果は手すりやアク

チュエータのサイズなどの影響で実証試験機に搭載することはできなかったものの,転落

リスクの少ない新しいタイプの手すりを提案したという意味で,ほぼ目標は達成できたも

のと考えている.

⑧身体保持機能向上のための周辺部材の開発

⑧-1 昇降前方ボード(第一次実証機)

1)目的

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介護者の負荷軽減には車いすから便器への移乗の際や,座位姿勢で被介護者が安定した

姿勢を保持していられることが重要である.これは本事業で開発するトイレアシスト便器

本体に搭載する機能のみでは実現困難な部分も含んでおり,そのためにはトイレ空間全体

の機能として捉える必要がある.逆に,身体保持機能向上による座位姿勢安定を充実させ

ることで,トイレアシストがより積極的に使用されるようになり,その利便性をはかる上

で重要と位置付ける.そのため,座位姿勢安定を目的とした前方ボード手すりの 適寸法・

構造と共に,収納/取り出し機構や高さ調整機構について耐荷重を考慮して設計・製作す

ることを目的とした.

2)目標 前方ボード手すりの目標値を下記に設定した. ⅰ)高さ調整:垂直方向へ電動昇降(ストローク:120[mm])すること. ⅱ)ボード部分を標準タイプ/幅広タイプの 2 種類に取替出来る構造とすること.

3)開発の成果

まず,壁に設置しトイレアシスト本体の肩当て/肘掛けの昇降に合わせて高さ調整でき

る昇降機構付き手すりを検討・試作した.図3に試作した昇降機構付き手すりを示す. 駆動装置にはTOTOで製造しているトイレリフトにて実績がある電動アクチュエータ

を流用した.ボード回転軸にもTOTOで製造している前方ボード付手すりを流用し,手

すりパイプのスライド部には摺動摩擦低減のため,樹脂製リングを追加した上で改造を図

った.前方ボード手すりについてはボード部分を着脱できる構造とした(ボード幅変更可

能).手すりパイプを前方ボード付手すりの支持脚部外径(φ34)に合わせボルト取り合い

にした(SUS304 表面バフ仕上げ).さらに,ボードの姿勢制御用にスライドガイド(型番:

SSELBZ16-230…MISUMI)を左右 2 セット使用し,水平方向の回転を抑制しスライド方向

の摺動性を向上させた.ボードの昇降ストロークは改造の制約から床面から 530~650[mm]

となった.なお,前方ボード付き手すりの標準ボード高さは 560[mm]である.得られた試

作品を使用して,姿勢安定評価や構造計算を行い仕様を決定した.得られた試作品を使用

して,姿勢安定評価や構造計算を行い,仕様を決定した.

4)達成度

製作関係者間の評価では,製作した座位安定用昇降機構付き前方ボード手すりは,転落

防止や排泄姿勢保持に有効との感触が得られた.また問題点としては,ボード取付け壁と

便器との位置関係上,便器の正面に位置していないため,片側に落ちてしまいそうな印象

を受けた点が挙げられた.立位姿勢も支えるべきとの意見もあった.

⑧-2 昇降前方ボード(第二次実証機) 1)目的

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ⅷ-23

第一次実証試験に供試した座位姿勢安定用昇降式前方ボード手すりは,座位姿勢安定

を目的としていたが,第二次実証試験では便器と車いすの入れ替え動作を行うため,被

介護者の状態に合わせた 適な立位サポート機構が重要である.昇降機能により,立位

時および座位時の姿勢安定に適した位置へ自動で移動し,さらに便座昇降機能と連動・

協調させることで,立ち座り動作のアシスト機能の実現も目指した.

2)目標 起立動作及び姿勢安定性に有用な昇降便座と前方ボードを可動させることで,高齢者の

立ち上り動作に有効であるかを検討するとともに,立位/座位姿勢時の 適高さを見出す

ために,試験機を用いて動作軌道, 適位置/動作範囲,速度の仕様を設定した.

姿勢安定の基準として,支持基底面に着目した. 今回用いる前方ボードを利用した場合,

利用しない場合に比べて支持できる範囲が広がり,その結果,バランスをとりやすくなっ

ていると思われる.なお,その際安定して動くためには,身体の重心が支持基底面内にあ

ることが重要である.ここでは前方ボードにより支持基底面を拡げて立位・座位の安定を

向上することと,加えて,重心を支持基底面内に誘導しながら立ち上がりをアシストする

前方ボードの動きをについて検討した.試験は健常者の被験者において,負荷計測,重心

位置を測定しながら評価を行い, 適軌道を設定,さらに対象者の身長等を考慮して,軌

道の調整範囲を決定することを目標とした.

3)開発の成果

検討の結果,以下の仕様を決定した.

ⅰ)前方ボードの 下点高さについては,車いすからの前方ボードのみ利用での立ち上

りを想定し設定した.姿勢の限界として車いす座面を 下点ポイントとし,市販の車いす

座面高さを調査した結果,前方ボード 下点は地上高 450[mm]とした.

ⅱ)前後のストロークについては,実証試験においてはは足位置は変わらないため,座

位から立位への姿勢変化での前方移動量より設定し,前後ストローク必要量は 400[mm]と

した.

ⅲ)立位時の前方ボード高さの範囲を 800~1050[mm](座位 550~750[mm])とした.

ⅳ)移動速度を現行トイレリフトの移動速度 15[mm/s]より若干速い 20[mm/s]とした.

また,使い勝手を考慮し,ボード部分を,全面ボードタイプ/水平グリップタイプの 2

種類を取替えできる構造とすること,使用者の正面に位置取るように正面壁付け構造とす

ることとした.製作した昇降付き前方手すりを図5に示す.

4)達成度

製作した前方ボード手すりを用い関係者間で評価を行い,設定した目標をクリアする性

能を確認できたため,第二次実証機として採用した.

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ⅷ-24

(2)成果の意義

①RT 機能

トイレアシストは,便器と車イスが自動で入れ替わることを特徴とする介護者軽減効果

により,介護者の役割が被介護者の安全確保と立ち上がり,座りの補助的な介助となるた

め,飛躍的な介護負担軽減効果を実現できる.本システムを提案し,さらには実際の介護

現場で技術の実証を行い,現場からのフィードバックを反映させて機器をブラッシュアッ

プすることにより,従来にはないRTを活用した排泄介護システムを構築することができた.

排泄介護における介護負担は,介護者の腰痛や精神的ストレス,QOL の低下を引き起こし,

間接的に被介護者の安全性の低下にまでつながっている可能性があり,本提案システムに

より排泄介護作業の負荷が軽減できると,介護者の腰痛などの疾病リスクの低減,日々従

事する介護者のストレスの軽減,ひいては安全性も向上するという意味で社会的な意義が

非常に大きい成果であると考える.さらに,本提案システムは,便器と車いすの自動入れ

替えなどにおいて,我が国が得意とする所の RT 技術を盛り込んだシステムであり,RT 技

術の福祉分野への応用可能性を示したという点でも,大変意義のある研究開発成果である

と考えている.

RT に関する個別要素技術としては,自己位置同定をレーザレンジセンサを用いることで

行うことにより,施設のインフラ整備を行うことなく,どのような環境でも対応すること

が可能となった.このことにより,将来的にこのような高機能トイレを居室内に配置する

ことを考えた場合,部屋を限定することなく使用することが出来る.

さらに,トイレアシストの各機能は協調動作を行うが,それぞれがモジュール化されて

いる.そのため,個々の機能を独立して使用可能であり,単機能での商品化も可能である

という点も強調すべき成果であると考える.

しかし一方で,トイレが動くことに対して,現場の考え方や環境といった受け入れの問

題と,技術レベルの問題が残ったことは事実である.まず,介護スタッフや施設経営者サ

イドからの意見として,①トイレと車いすが入れ替わるために通常の車いす用のトイレ空

間よりもかなり大きなスペースを必要とすること,②重量感のあるトイレが被介護者に近

づいてくることに対する介護者の恐怖感があること,③動くことによる高コスト化が避け

られないという否定的な意見をいただいた.以上については,トイレに移動機能を備える

限り避けることのできない本質的な問題であり,トイレを動かすことなく立ち座り動作の

みで便器と車いす間の移乗ができるようなシステムを構築することが考えられる.一方,

技術的には,④トイレと車いすの入れ替わりに時間がかかるため従来の人手による移乗の

時よりも被介護者が立っている時間が長いこと,⑤重いトイレが被介護者に衝突すること

などの重篤なハザードに対する安全が充分に担保できないことなどが原因として挙げられ

る.④の入れ替わり時間に関しては移動方式や自己位置同定法を改善することによりトイ

レの移動速度を上げることで解決可能ではあるが,そうすることで②で挙げた恐怖感が増

すためこれらはトレードオフの関係にあり,解決が困難な問題である.⑤に関しては,充

分な安全を担保するためにはセンサを余分に付加したり2重系を構成したりと高コスト化

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が避けられず,これについては③で挙げた問題とトレードオフになる.

上記の諸問題に対処し得る方策の提言については,「本質安全」を目指すという方法が考

えられる.もともと,トイレアシストは,{水洗+洗浄}機能を搭載した便器本体を動かす

ことを目的として開発を行ってきたため,ハイパワーの駆動源を備えたことにより,重く

大きい移動体となった.しかし,本体がもっと小型・軽量化されれば,スペースもとらず,

高スピードで動いても,人体との衝突時に大きな衝撃力を生まないため,より安全にもな

ると期待される.

②臀部洗浄装置

必要洗浄範囲や洗浄に適した吐水形態の把握を行い目標値を設定し,洗浄試験の結果,

目標を満足する装置仕様が決定出来た.その結果,便失禁やおむつの使用で広く汚れてし

まう範囲を洗える洗浄装置の仕様が定まり,商品化検討ステップに入ることが出来た.

③便座の素材

EVA 素材を用いた便座において,保温性,洗浄性,乾燥性,表面清掃性,耐薬品性試験

などの素材の評価により目標仕様を満足し,また臀部や大腿部の位置を誘導し座圧の分散

効果のある形状検討を通じて,狙いの効果という評価が得られ,目標をクリアした. その

結果,便座表層部が便座本体から容易に着脱し水洗いが可能で,更に冬場でも着座時の冷

たさを感じさせない素材,かつ座位安定性に富む便座形状が見出され,福祉介護用便座と

して一つの提案仕様が確立した.

④車いすシャトル台車

車いすシャトル台車は,車いすとトイレアシスト本体の入れ替えを実現するための要素

機器であるが,トイレ空間で車いすをシャトル移動させる場面での利用だけではなく,車

いすからの移乗や車いすへの移乗を行う際に車いすを一時的に別の場所に自動的に移動さ

せたい場合にも利用可能な機器であるため,今後汎用性の高い機器としての活用が見込ま

れる.さらに,今回構築した高精度かつ高信頼な自律走行技術は,人間と接触する機器を

自律移動させる場合に大変効果的な手法であり,本手法を提案したと共に実環境でその効

果を実証したという点においても意義のある研究成果であると考えている.

⑤昇降前方ボード

動作軌道, 適位置/動作範囲,速度などの仕様を設定して製作した昇降式前方ボード

を用いた実証試験の結果,昇降式前方ボードを用いることにより,被介護者の座位及び立

位姿勢時での前後・左右の安定性が向上し,結果,介護者の身体的・精神的負荷が軽減す

ることが示唆された.また車いす上での立ち座り動作においても,次の動作に対して安定

して重心を移動させる(姿勢を誘導)に有効であることが示唆された.更には便座上での

立ち座り動作において,便座と昇降式前方ボードとが協調連動動作を行うことにより,さ

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らにその効果は顕著であることが示唆された.

その結果,立位時および座位時の姿勢安定に適した位置へ自動で移動し,さらに便座

昇降機能と連動・協調する昇降式前方ボードは立ち座り動作アシストに有効であること

が示され,商品化検討に繋げる知見を得ることが出来た.

⑥現場実証試験 二度の実証試験を実際に介護施設にて行った結果,仮説として設定した課題を解決する

ことができ,当初の目標を達成することができた.その結果,トイレアシストシステム及

び個々の機能が介護動作の負担軽減に寄与し,安全で効率的な動作十分検討ことが検証出

来たことから,「移乗の支援」「姿勢安定の支援」「排泄ケアを楽にする」という点を実現し

たトイレアシストシステムは,条件が整えば,将来的に実用化する意義があることが見出

された.

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(3)知的財産権等の取得の取組

①RT 機能

第一次実証機,第二次実証機の仕様の策定,設計,製作において,2件の特許出願を実

施,権利化推進を進める.

②移動・移乗支援機器

本検討の中で得られた「重心を支持基底面内に残した状態で,重心を上下動させる」

「前方支持部材を設けて支持基底面を拡げる」といった技術思想を基に,9件の出願を

実施,権利化推進を進める.

③広範囲洗浄装置

「臀部を広範囲に洗浄する」ための一方式として,本 PJ の中で検討した方式のバリエー

ションを含め,2件の出願を実施,権利化推進を進める.

④車いすシャトル台車

手動車いすを電動化するユニットとして,1件の特許出願を実施,権利化推進を進め

る.

(4)成果の普及

これまで学会発表,論文発表,展示会出展等を積極的に行ってきたが,今後も引き続

き成果の普及に努めたい.トイレアシストのシステムとしての成果はもちろんのこと,

移動・移乗支援機器,広範囲洗浄装置,車いす電動化ユニットなど,個別要素技術に関

しても,今後福祉機器に関する展示会への出展等を通じて成果普及を図る予定である.

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(5)安全・倫理について

①安全性の検討

トイレアシストは,介護者や被介護者に対して,機能的にアクティブに作用して,身体

に直接的な効用をもたらすものであるので,言うまでもなく,彼らと直接,不具合な干渉

をきたす状況が容易に想定される.加えて,われわれの事業の目的は,介護施設等に提案

する機器を持ち込み,現場で実際に高齢者ならびに彼らを介護する介護職員の方々に使っ

て頂いて,その有用性や安全性を評価するというものであるから,当然,トイレアシスト

は試作開発段階のものである.したがって,アクチュエータ系の暴走も製品レベルのもの

と比べると頻度が高いと予想することは決して不適切ではないし,あるいはそれよりも運

用時等における人間側の過誤などにより,保守要員も含めて,トイレアシストに関わる人

間が重篤な傷害を被る危険性が比較的高いと考えられる.

そこで,以下に述べるような手順により,安全性に関する問題の検討を行った.

1)本事業におけるリスクアセスメントの対象

本事業では,トイレアシストを利用する開発段階の状況を対象として,その安全性向上

を図るため,段階的にリスクアセスメントを実施して行った.すなわち,機能コンポーネ

ントの開発段階においては,その段階における仕様上の機能と定められていたトイレアシ

ストそのものの移動機構,トイレアシストの便座の昇降移動・前後移動・開動機構,さら

に,洗浄装置を対象としたリスクアセスメントを行った.次の設計段階,すなわち第一次

実証機の設計段階では,トイレアシストの機能仕様として,機能コンポーネントの段階と

比べて,開動機構を除き,便座のチルト機構と手動の横手すりを加えた仕様に対して,リ

スクアセスメントを実施した.さらに, 終的な第二次実証機の設計段階では,トイレア

シストの本体機能仕様として,第一次実証機の移動方式を両輪独立駆動移動方式から全方

向移動方式に変更したもの,加えて,手動車いすを搭載した車いすシャトル台車,さらに,

上下前後移動が可能な前方昇降ボードの 3 つの要素で構成されるトイレアシストシステム

を第二次実証機と名づけ,これを対象としてリスクアセスメントを行った.

このリスクアセスメント実施関連において,本報告書で特筆すべき新規的かつ特徴的な

研究開発スキームは,第一に,リスクアセスメントの網羅性およびアセスメント精度を向

上させるために,排泄介護シナリオや清掃・保守シナリオを適正に定めて,これに基づい

てリスクアセスメントを行ったことにある.またツールとしては,FMEA 手法に基づいた

リスクアセスメント・シートを用意し,これに,それぞれ該当する危険源(以下,ハザー

ド)に対応したリスクに関する記述を行いながら,シートそのもの改良適用も図りながら,

リスクアセスメントを行った.新規的な試みのその二として,リスクアセスメントの見積

もり対象として,トイレアシストに関わる被介護者,介護者,そして,保守要員のそれぞ

れを掲げ,状況に応じて,相互のリスクの差異を考慮できるフォーマットとなるように工

夫をした点を掲げておく.

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2)リスクアセスメントの方針

研究開発事業では,第一次および第二次の 2 回にわたる実証試験を計画・実行した.以

下本稿では,第一次実証試験に供する第一次実証機に対するリスクアセスメントプロセス

の適用およびリスクアセスメント低減方策の実施を経て,第二次実証試験用の第二次実証

機に対するリスクアセスメントおよびリスク低減の施策がなされたので,これらを中心と

して事前に実施したリスクアセスメントに述べる.

いずれの段階におけるトイレアシストのリスクアセスメントについても,以下の前提の

下に行うことにした,すなわち,

ⅰ)実証試験におけるトイレアシスト運用時および介護者による保守時(清掃,運搬に

限定)を考える.

ⅱ)危険源は,主にトイレアシストとの相互作用を考える.

ⅲ)起動時操作,教示操作,移動,介護時動作,清掃・トラブル処理・保守作業の各タ

スク時に想定される危険源を分析するため,JIS9702(ISO-14121)で示される危険源リ

ストに基づいてリスクの洗い出しを行う.

ⅳ)原則的に,機械の一次故障,人間の初動エラーまでを考える(多重故障は当該項目

該当分(9.危険源の組み合わせ)でしか考えない)

である.

3)3ステップ法の実施

第一次実証機や第二次実証機の仕様決定に先駆け,改良式 FMEA 手法によって,トイレ

アシストの実証試験運用や清掃・保守にまつわる許容しがたいリスクの洗い出しを行った.

その後,1)本質安全設計,2)保護方策および付加保護方策,さらに3)残留リスクに

関する情報の開示,による,リスクの低減法の検討(以上,いわゆる 3 ステップ法の実施)

を行った.具体的には,リスクレベルの高い項目を対象に,安全方策として残留リスクを

除外するための本質安全設計,および,保護方策および付加保護方策を提案した.そして,

これらの方策によって,どれだけリスクが低減できるかを評価し,特別な条件の下で許容

可となるまでリスクの低減を図った.特別な条件とは,実践に即せば,残留リスクの提示

による運用段階での安全管理による事故の未然防止である.

4)第二次実証試験のリスクアセスメント

平成 19 年度には,平成 18 年度に実施した第一次実証試験の結果を踏まえて,トイレア

シスト第二次実証機のシステム構成や,第二次実証機の使用に関するシナリオの大幅な見

直しを行った.それに伴って,リスクアセスメントを再度実施した.具体的な実施方法は,

平成 18 年度に準じた.リスクアセスメントの結果,要介護高齢者の転倒などの,どうして

も許容水準まで低減できないリスクについては,安全管理マニュアルを作成し,使用者(介

護職員)に対する教育を行うこととした.安全管理マニュアルは介護シナリオに沿ったも

のとし,介護職員が内容を理解しやすいように配慮して作成した.また,有識者の意見を

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受けて,注意点を網羅しつつ簡潔なものとなるよう,安全管理マニュアルの改訂を行った

上で,第二次実証試験実施時に使用した.

プロトタイプ機,第一次実証機をそれぞれ対象としたリスクアセスメントを経て,数多

くのアセスメント項目とリスク低減のための安全方策の提案を行ってきたが, 終的に第

二次実証試験を対象としたリスクアセスメントにおいても,これに加えて,想定されたい

まだ許容できないリスクに対して,リスク低減のための 19 の安全技術方策と,15 の安全管

理方策を提案することになった.

②倫理問題への対応

1)倫理問題への対応方針

トイレアシストを用いて達成しようとする作業の本質上,

ⅰ)介護職員と要介護高齢者という,特性の異なる二つのユーザ群が存在すること.

ⅱ)排泄という もプライバシーへの配慮が必要な場面を扱うこと.

の 2 点が倫理問題を考える上での大きな要素となる.

ⅰ)の二つのユーザ群が存在する問題に関しては,同意説明文書の準備にあたって以下

のような配慮を行った.

(a)リスクアセスメントの段階で,介護職員に関するリスクと被介護者に関するリスクを

分けて検討することによって,被介護者を無用なリスクにさらされることを極力避ける.

(b)同意説明文書を介護職員用と被介護者用の二通り準備する.

(c)被介護者に対しては,本人に加えて家族からの同意を要件とする.

ⅱ)のプライバシーへの配慮については,個人情報の取得および管理について慎重に行

うことで対応することとした.

2)機関内,施設内倫理審査への対応

本プロジェクトにおける機関内倫理審査は以下の体制で行われた.

(TOTO) 人間工学・生理学実験審査委員会

(川田工業) 人を対象とする研究審査委員会

(産総研) 人間工学実験審査委員会

産総研においては,各年度ごとに開催される人間工学実験審査委員会に審査書類を提出

し,書面および質疑応答をもって審議された.他 2 社においては,第一次実証試験,第二

次実証試験それぞれの準備段階で,倫理審査を受けた.TOTOにおいては,書面審査お

よび試験現場の確認により審議された.また川田工業においては,書面および社内での実

機確認により審議された.

施設内倫理委員会(特別養護老人ホーム「筑波園」倫理審査委員会)では,第一次実証

試験,第二次実証試験それぞれの準備段階で,実証試験受け入れの可否について倫理・安

全面を中心とした審議がなされた.

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3)倫理 WG の指導に対する対応

本研究開発事業の遂行にあたっては,(社)日本ロボット工業会内に設置された,「ロボ

ット倫理問題及び安全性の検討専門委員会倫理問題審査ワーキンググループ(以下倫理

WG)による倫理面での助言を受けた.倫理 WG に対しては,平成 18 年度および平成 19 年

度に,それぞれ機関内倫理審査についての資料を提出し,WG の審議を受けた.倫理 WG

の審議結果を受けて,コンソーシアム側で倫理審査資料等の修正を行うなど,誠実な対応

をするよう努力した.

4)倫理審査結果

研究実施機関における倫理審査では,機器の安全性の再確認,研究の実施方法の明確化,

プロジェクト全体の計画と各社の実証試験内容の関係の明確化などの指摘があった.これ

らの指摘に対して,リスクアセスメントの見直しや,研究実施計画書における研究実施方

法の明確化,各機関の試験実施範囲の明確化,などの対応を行った.また記載不備等の指

摘を受け,これに対する修正を行った.

実証試験実施機関における倫理審査では,介護職員および入居者の安全対策,装置の機

能,被験者からの除外条件,損害保険の内容等に関する質疑を受け,必要な説明を行うと

ともに,被験者からの除外条件については同意説明文書に明記した.また提出資料の誤記

について指摘を受け,修正を行った.

倫理 WG からは,フォーマットの統一,医師の関与,コンソーシアムメンバーを被験者

とすることへの疑義,プロトコルの明確化(証明しようとする仮説および仮説を立証する

ための方法の具体化)等の指摘を受けた.これに対して,コンソーシアムへの医師の参画,

プロトコルの明確化などの対応を行った.

5)問題点,残された課題等

研究実施機関における倫理審査では,各機関が独自に審査を行うため,多重チェックが

実現できるというメリットがあった.しかしながら,それぞれの修正意見への対応に長時

間を要し,結果として研究スケジュールに影響が及ぶという問題が生じた.

今回選定された実証試験実施機関は,一般の特別養護老人ホームであり,被験者実験を

受け入れる経験および体制がこれまで全くなかった.施設長を初めとする施設側の大きな

熱意と,研究実施機関からの倫理審査委員会設置に関する情報提供とによって倫理審査委

員会を立ち上げ,運営していただいたが,通常業務を行いながら倫理審査委員会の運営を

していただくことは,施設側にとって大きな負担であったと思われる.

同意説明文書に関する問題点としては,特に要介護高齢者の方に読んでいただく文書の

場合,標準的な同意説明文書のフォーマットの記載内容では分量が多すぎて読むこと自体

が負担となりかねないという指摘があった.

本プロジェクトは,排泄という もプライバシーへの配慮が必要な場面を扱うものであ

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ったが,実証試験は模擬排泄動作の範囲にとどまり,実際の排泄は行わなかったため,倫

理上の深刻な問題は生じなかった.しかしながら,本プロジェクト終了後,実用化に向け

てのいずれかの段階においては,実際にトイレアシストを排泄に使用する実験が不可避で

あるため,その際に必要となる倫理的配慮については,引き続き検討を要する課題である.

また,本プロジェクトのように多機関が関与する研究において,個人情報管理の方法が

組織によって異なることが問題となった.統一的な対応をどのように実現すべきかという

課題についても検討が必要である.

③保険適用に関する検討

現場および研究機関内で実施する実証試験に際し,万が一の事故に備えて賠償責任保険

に加入し,事後責任に備えることとした.まず,保険会社に対して,実証試験の主旨・実

施内容を伝え,今回の目的に合致した保険種別を選定するべく情報交換した.保険の特徴,

不担保条件,賠償金額などを明確にして,対応する保険種別の検討を依頼した.賠償保険

種別としては,損害賠償責任保険は生産物賠償責任保険(PL 保険)ではなく,施設賠償責

任保険とした.この理由は,生産物賠償責任保険(PL 保険)の対象は,製造・販売した製

造物の欠陥が原因で生じた事故や仕事の結果に起因して発生した事故により,法律上負担

する賠償責任を補填するものとなっており,今回製作する実証機(検証用ブースを含む)

に起因する事故に限定される内容であったため,例えば実証計測試験に用いる計測器の漏

電事故や,計測員の不手際による人為的な不具合に起因するものを含める意味で「施設」

賠償責任保険の方が適切であると考えたからである.

賠償条件については,先例と照合し,社内及びコンソーシアム内で協議を行った結果,

妥当と判断した賠償条件にて決定した.なお,今回のケースにおいて,被保険者となる各

法人・企業の使用人(従業員)が,本試験によって身体に害を受けた場合には本賠償責任保険

では保険金支払いの対象とはならない.必要に応じ,別途傷害保険や労災保険等に加入す

ることとした.加入した保険の内容は下記の通りである.

ⅰ)第一次実証試験

保険期間:2007 年 1 月 14 日~2007 年 4 月 14 日(3 ヶ月間)

実証試験実施施設:社会福祉法人恵愛会「筑波園」,社会福祉法人うらら「みずべの苑」,

社会医学技術学院の計 3 箇所

ⅱ)第二次実証試験

保険期間:平成 19 年 11 月 19 日~平成 20 年 2 月 29 日

実証試験実施施設:社会福祉法人恵愛会「筑波園」,川田工業株式会社,TOTO株式会

社 計 3 箇所

主な免責事項:

・契約者や被保険者の故意による事故

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・従業員の業務従事中の死亡やケガ,疾病等

・他人から借りたり預かったりしているものなどの滅失やき損,汚損

・被保険者の管理下にある財物の滅失,き損,汚損など

施設賠責保険条件:

・保険契約者:TOTO(株)

・記名被保険者:TOTO(株)

・追加被保険者:7 名(川田工業(株),(財)日本リハビリテーション振興会(社会医学技

術学院),茨城県立医療大学,千葉大学教育学部,東洋大学,(独)労働安全衛生総合研究所,

(独)産業技術総合研究所)

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Ⅳ 実用化,事業化の見通しについて

トイレアシストシステムは,「移乗の支援」「姿勢安定の支援」「排泄ケアを楽にする」

という点を実現した統合機器としては概ね完成形であると考える.将来的に市場が十分に

広がれば,今回のプロトタイプの量産品質を確保していくことで実用化の可能性があると

考える.しかしながら,今回得られた知見をいち早くあらゆる生活の場面で活用するため

に,機能を切り出して個別に市場投入していく活動を進めたい.

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図2 トイレアシスト本体(第一次実証機)

幅794 [mm]

奥行き939 [mm]

高さ1022 [mm]

重量:120 [Kg]

移動機構

開動機構

昇降機構

肘掛機構

メイン PC

便座

スライド機構

図1 機能コンポーネント

幅684.5 [mm]

奥行き964 [mm]

高さ626.5 [mm]

重量:105 [Kg]

便座

開動機構

スライド機構

移動機構

肘掛機構

昇降機構

メイン PC

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図4 トイレアシスト本体(第二次実証機)

移動機構

メイン PC

スライド機構

幅740 [mm]

奥行き941 [mm]

高さ939 [mm]

重量:120 [Kg]

便座

昇降機構

図3 昇降前方ボード(第一次実証機)

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幅 1200[mm]

奥行き 850[mm]

高さ 1800[mm]

前方暴走防止用ストッパ

車いす転落防止用溝

コントローラ オムニホイール(前後4箇所)

駆動車輪車いす乗り上げ用スロープ

850mm

350m

m

420mm

図6 車いすシャトル台車

図5 昇降前方ボード(第二次実証機)

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ⅷ-38

図8 左右転換の移動経路

目標位置

経由点

初期位置

左側が健常な方

を介助する場合

手すり

第一次実証機

手すり

右側が健常な方

を介助する場合

第一次実証機

は第一次実証機の車輪間中心

512pixel

4m

8m

図9 マップ画像の作成

512p

ixel

8m

変換

レーザレンジセンサ1検出範囲トイレルーム

壁面

レーザレンジセンサ2検出範囲

トイレルーム

壁面

レーザレンジセンサ

図7 トイレルームレイアウト

右麻痺の方用トイレ

手すり

左麻痺の方用トイレ

介護者の位置

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ⅷ-39

RFIDによりトイレ使用を通知

トイレへ移動,入室

介護者・被介護者

車いすからの抱き上げ,脱衣

着座

排泄・洗浄

離座 着衣

車いすへの着座

トイレから退出

清拭

受け入れ態勢:

介護しやすい位置,便座高さで待機

平面移動中はチャイム音を鳴らす

トイレへ移乗:

便座昇降装置による体重のサポート

音声入力&力センサによる自動降下

排泄:

座位保持,姿勢安定

清拭:

便座スライド装置の利用(女性のみ)

離座:

便座昇降装置による体重のサポート

音声入力&力センサによる自動上昇

一次実証機

図10 一次実証機を利用した介護方法

ホームで待機:

タッチパネル入力による便座の降下

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ⅷ-40

トイレへ移動,入室

被介護者の選択

介護者・被介護者

シャトル台車に乗せ,足を下ろす

降下指令

前手すりに捕まらせ,降下指令

起立・立位保持・入替え指令

脱衣・便座に着座・降下指令

排泄

前座りにさせてから,上昇指令

被介護者のデータ呼び出し

降下ボタン 前手すり降下

上昇ボタン 前手すり上昇

便座上昇

入替えボタン 車いすと便座の入替え

二次実証機

降下ボタン 前手すり降下

便座降下

降下ボタン 前手すり降下,引き出す

図11 二次実証機を利用した介護方法

清拭

上昇指令・着衣

立位保持・入替え指令

車いすに着座・降下指令

指令座りなおし・上昇・退室

上昇ボタン 前手すり上昇

便座上昇

入替えボタン 車いすと便座の入替え

降下ボタン

着座後,車いすに足を乗せてから,

前手すり降下

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ⅷ-41

図13 スイッチボックス

青:便座上昇ボタン

黄:便座降下ボタン

赤:入替えボタン

図12 トイレアシスト本体上面

タッチパネル

スピーカ

駆動電源ランプ(緑)

コーションランプ(赤)

便座強制上昇スイッチ

主電源スイッチ

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ⅷ-42

図14 第二次実証機システムブロック図

EMS

第二次実証機

メイン PC

アクチュエータ

入力インタフェース ランプ

電源管理回路

モータドライバ

PLC

各種センサ

アクチュエータ

モータドライバ スイッチ

前方昇降ボード

電源管理回路

回転灯・携帯型コールチャイム

シャトル台車無線 LAN

CAN

有線

流調、流路切替用ステッピングモータ

左右スイング用ステッピングモータ

前方繰り出し用ステッピングモータ

図15 ロールムーブノズルの動作仕様

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ⅷ-43

WL給水継手PISCO 継手が直接入る様な形状に作り替え (試作)

給水タンク

EVA便座

WL

ハンディノズル

熱交換器

WLノズル(ロールム ーブ)

トイレアシス ト本体(外装カバー)

PISCO継手

PISCOTUBEPISCO

TUBE

PISCO継手

PISCO継手(R1/4×TUBE)

シリコンチューブ

シリコンゴムチューブ(現行品流用)

継手(試作)(R1/4×タケノコ)

PISCO継手

チューブ支持材防振対策及びチューブの支持を目的とした部材(試作)

給水ポンプ支持材防振対策及びポンプ(吊り下げ)の支持を目的とした部材(試作)

給水ポンプ

PISCOハンドハ ゙ルブ

PISCOTUBE

三方電磁弁

全体構成図

図16 第二次実証機WL部の全体構成図

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ⅷ-44

図17 第一次実証機用便座

a)3次元デザイン

b)製作した便座

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ⅷ-45

a)3次元デザイン

a)3次元デザイン

b)製作した便座

図18 第二次実証機用便座

課題 背筋 膝伸展筋 膝屈筋 考察

A群90%~140%MVC

50%~80%MVC

30%~80%MVC

B群10%~60%MVC

20%~30%MVC

10%~30%MVC

四肢および体幹の筋電図

・A群と比べB群は背筋および大腿前面の筋活動が減少・背筋活動は標準型と比べ80%程度減少した例もあり,大腿前面の筋活動においても20-40%程度減少した.立ち上がり,しゃがみのアシストだけでなく前手すりにより立位姿勢の支持が効果的である.また,移乗動作がないために回転を介助することもなく,標準型と比べ明らかな筋活動の減少になった.

表1 第二次実証試験結果 現場計測(1)(筋電図)

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viii-46

図19 第二次実証試験結果(車いすからの起立時の筋負担)

図20 第二次実証試験結果(便座に着座時の筋負担)

太もも後面は約 20%減少

背筋は約 80%以上減少

太もも後面は約 10%減少

背筋は約 10%減少

太もも前面は約 70%減少

便座に着座するときの背筋活動量

0

5

10

15

20

25

30

35

40

標準             2次実証

%大

随意

筋活

便座に着座するときの膝屈筋活動量

0

5

10

15

20

25

30

35

40

標準             2次実証

%大

随意

筋活

便座に着座するときの膝伸筋活動量

0

20

40

60

80

100

標準             2次実証

%大

随意

筋活

車いすから起立するときの背筋活動量

0

20

40

60

80

100

標準             2次実証

%大

随意

筋活

車いすから起立するときの膝屈筋活動量

0

5

10

15

20

25

30

35

40

標準             2次実証

%大

随意

筋活

車いすから起立するときの膝伸筋活動量

0

10

20

30

40

50

60

標準             2次実証

%大

随意

筋活

太もも前面は約 30%減少

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viii-47

図22 第二次実証試験結果(車いすへ着座時の筋負担)

太もも後面は約 60%減少

背筋は約 90%減少

太もも前面は約 60%減少

太もも後面は約 15%減少

背筋は約 30%減少

便座から起立するときの背筋活動量

0

20

40

60

80

100

120

140

標準             2次実証

%大

随意

筋活

便座から起立するときの膝屈筋活動量

0

10

20

30

40

50

60

70

80

標準             2次実証

%大

随意

筋活

便座から起立するときの膝伸筋活動量

0

10

20

30

40

50

60

70

80

標準             2次実証

%大

随意

筋活

車いすへ着座するときの膝伸筋活動量

0

20

40

60

80

100

標準             2次実証

%大

随意

筋活

車いすへ着座するときの背筋活動量

0

10

20

30

40

50

60

標準             2次実証

%大

随意

筋活

車いすへ着座するときの膝屈筋活動量

0

5

10

15

20

25

30

35

40

標準             2次実証

%大

随意

筋活

太もも前面は約 90%減少

図21 第二次実証試験結果(便座から起立時の筋負担)

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viii-48

表2 車いすシャトル台車仕様

移動方式 左右車輪独立駆動方式アクチュエータ DCサーボモータ(20W)×2減速比 1/66サイズ(全長×全幅×全高) 42cm×85cm×35cm計算機 PC-104バスボードコンピュータ+AD,DA,カウンタボード重量 20kg

センサ・ロータリエンコーダ(500pulse/rot)×2・磁気式ガイドセンサ(デジタル出力、分解能1cm)・磁気式ポジショニングセンサ(アナログ出力)

バッテリ リチウムイオンバッテリ(24V、3.7Ah)×2

便座から車いす着座までの肘関節角度

60

70

80

90

100

110

標準       2次実証

角度

便座から車いす着座までの肘関節角度

70

80

90

100

110

120

130

標準       2次実証

角度

図23 第二次実証試験結果 (便座⇔車いす移動時)腰部加速度

図24 第二次実証試験結果 (便座→車いす移動時)肘部関節角度

身体への衝撃は約 1/3 身体への衝撃は約 1/2

車いすから便座着座までの加速度(腰)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

標準           2次実証

安静

立位

にて

標準

便座から車いす着座までの加速度(腰)

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

標準           2次実証

安静

立位

にて

標準

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viii-49

磁気式ガイドセンサ(GS-2744B)

V デッドレコニング

目標軌道

左右車輪ロータリエンコーダ

左右車輪モータ

ωR, ωLKL

L

L

φ

φ

+

-

VRカルマンフィルター

目標速度

左右車輪モータ電圧

+

++

++

xM

xD,yD,φD

xK, YK, φK

磁気式ポジショニングセンサ(LP-1903)

YM

KLD

KY

KYD

+

++

VL

ωR, ωL:左右車輪回転角速度

xD,yD,φD:デッドレコニングにより計算されたシャトル台車の位置・方位

xM,YM:磁気センサにより得られるシャトル台車のx,y座標

xK, YK, φK:カルマンフィルターにより推定されたシャトル台車の位置・方位

L:目標軌道とシャトル台車の 短距離φ:目標軌道の方向とシャトル台車の方位との差

図25 車いすシャトル台車の自律移動制御ブロック図

目標軌道

磁気テープ

磁気マーク

x

y

図26 車いすシャトル台車実験走行軌道

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viii-50

-0.20

0.20.40.60.8

11.21.41.61.8

-0.3-0.2-0.100.1y [m]

x [m

]1回目third5回目7回目9回目目標軌道

3回目

図27 軌道追従実験結果

1.5

1.52

1.54

1.56

1.58

1.6

-0.04-0.03-0.02-0.0100.01

y [m]

x [m

]

目標位置

firstsecondthirdfourthfifthsixthseventheighthninthtenth

1回目

2回目

3回目

4回目

5回目

6回目

7回目

8回目

9回目

10回目

図28 停止位置での位置計測結果

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A-1

添付資料1 出願特許 [1] リハビリ支援ロボット及び実用化技術の開発

[1]-1 筋力向上トレーニングロボット

国内出願 番号 出願日 出願番号 名称 発明者 1 2006/3/3 2006-057092 トレーニングシステム 石井博(日立

製作所)他 2 2008/3/19 2008-72084 トレーニング装置,及びトレー

ニング装置の制御方法 石井博(日立

製作所)他 3 2008/3/19 2008-72082 トレーニング支援システム,ト

レーニング支援方法 石井博(日立

製作所)他 4 2008/3/19 2008-71672 トレーニングシステム 石井博(日立

製作所)他 外国出願 なし [1]-2 脳卒中片麻痺患者用上肢リハビリ支援ロボット

出願特許 なし [1]-3 MR流体ブレーキを応用した下肢支援ロボット

出願特許 なし [1]-4 上肢・手指リハビリ支援ロボット

出願特許 国内出願 番号 出願日 出願番号 名称 発明者 1 2006/9/13 2006-248416 上肢手指機能回復訓練装置

国立大学法人・

岐阜大学,

㈱丸富精工 2 2007/8/31 2007-226236

トルクセンサ及びトルクセン

サ付モータ 毛利哲也,

川崎晴久,

㈱丸富精工,

㈱ダイニチ 3 2008/3/18 2008-70421 手拇指運動支援装置

国立大学法人・

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A-2

岐阜大学,

安倍基幸,

(株)丸富精工 外国出願 なし [2] 自立動作支援ロボット及び実用化技術の開発

[2]-1 下肢麻痺者用歩行支援ロボット

国内出願 番

号 出願日 出願番号 名称 発明者

1 2006/11/2 2007-298364 動力補助機構付き長下

肢装具 アスカ株式会社

株式会社ティムス

2 2008/2/19 2008-037312 体幹サポート機構付き

長下肢装具 アスカ株式会社 株式会社ティムス

外国出願 なし

[2]-2 上肢機能支援ロボット

国内出願

番号 出願日 出願番号 名称 出願人 1 2007/10/23 意願 2007-29033 タオル保持具 セコム(株)

外国出願 なし

[2]-3 ロボットスーツ HAL 出願特許 なし(出願準備中)

[3] 介護動作支援ロボット及び実用化技術の開発 [3]-1 排泄介護総合支援ロボット「トイレアシスト」

国内出願 特許については、トイレアシストの構造等に関して14件出願済

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B-1

添付資料2 [1] リハビリ支援ロボット及び実用化技術の開発

[1]-1 筋力向上トレーニングロボット

学会発表 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者 1 2006/3/9 電気学会産業計測

制御研究会 負荷指令に基づく自動負

荷調整システムによる反

作用力の制御

長岡技術科学大学

後藤直也

2 2006/5/26 電子情報通信学会

技術研究報告 運動機能向上のための短

期トレーニングでの筋疲

労効果

新潟大学 馬場裕子

3 2006/9/16 日本ロボット学会 介護予防のための筋力向

上トレーニングロボット

の開発

(株)日立製作所 石井博

4 2006/9/23 生体医工学シンポ

ジウム06 表面筋電図を用いた短期

筋力トレーニング時にお

ける個人適合プロセスに

向けた運動機能評価

新潟大学 馬場裕子

5 2006/10/4 にいがた産学技術

交流フェア06 介護予防のための筋力向

上トレーニングロボット

の開発(原理試作ロボット

用評価装置)

新潟県工業技術総

合研究所 大野宏

6 2006/11/17 第21回生体・生

理工学シンポジウ

アシスト制御のある健康

増進機器のためのウェラ

ブル運動機能計測・制御ユ

ニットの開発

新潟大学 木竜徹

7 2006/12/7 第9回日本電気生

理運動学会 表面筋電図を用いた筋力

トレーニング時の負荷設

定の可能性

新潟大学 馬場裕子

8 2007/5/25 電子情報通信学会

技術研究報告 筋疲労状態の推移を評価

するグラフィカルユーザ

インタフェースの開発

新潟大学 木竜 徹

9 2007/10/14 福岡県理学療法士

会理学療法基礎系

研究部会 EBM セ

ミナー~入門編~

筋力向上トレーニングマ

シンの基礎研究 九大病院 上島隆秀

10 2007/11/27 計測自動制御学

会,システム・情

報部門学術講演会

繰り返し運動時での筋骨

格モデルと表面筋電図を

用いた筋疲労出現様式評

価法

新潟大学 木竜 徹

11 2008/6/6 第 45 回日本リハビ

リテーション医学

会学術集会ランチ

ョンセミナー

次世代の介護予防リハビ

リテーション展望 ~新しい多関節トレーニ

ング紹介~

九大病院 高杉紳一郎

12 2008/6/21 第6回福岡スポー

ツ研究会 腸腰筋と前脛骨筋を強化

できるトレーニングマシ

ンの開発

九大病院 高杉紳一郎

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B-2

13 2008/7/6 第8回ひろしま転

倒予防セミナー 通所高齢者の転倒予防 ~新開発マシン2機種の

紹介~

九大病院 高杉紳一郎

論文 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者 1 2007/3/10 生体医工学,Vol.

45, No. 1 表面筋電図を用いた短期

筋力トレーニング時にお

ける個人対応プログラム

に向けた運動機能評価

新潟大学 馬場裕子

プレス発表等 なし 展示会 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者 1 2008/6/26 ヨコハマ・ヒュー

マン&テクノラン

ド展示会

筋力向上トレーニングロ

ボット 日立製作所 石井博

[1]-2 脳卒中片麻痺患者用上肢リハビリ支援ロボット

学会発表 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者

1 2006/9/13 福祉工学シンポジ

ウム 2006

パワーアシストスーツの

技術を応用した脳卒中片

麻痺患者用上肢訓練支援

ロボットの開発

植田慶輔

2 2007/11/11 第28回バイオメカ

ニズム学会学術講

演会

空気圧ゴム人工筋による

脳卒中片麻

痺上肢のセルフトレーニ

ングシステム

中川昭夫

3 2007/4/10-14 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA2007) 10-14 April 2007,Roma,Italy

Pinpointed control of muscles by using power-assisting device

Jun Jun Ueda

論文 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者

1 2006/11 日本機械学会論文

集 C 編, 掌面の接触状態遷移を用

いた物体操作の慣れと疲

れの評価

近藤誠宏

2 2007/7 日本フルードパワ

ーシステム学会誌

空気圧ゴム人工筋による

リハビリ支援ロボット 中川昭夫

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B-3

3 2007/10/1-3 福祉工学シンポジ

ウム 2007

空気圧ゴム人工筋の張力

測定によるパワーアシス

ト装具の姿勢推定

中村大介

4 2007/12/20-22 計測自動制御学会

SI2007(広島)

2007.12

パワーアシスト装具と補

助対象筋肉との相互作用

の解

植良諭

5 2007/9/13-15 第25回日本ロボッ

ト学会(千葉)

2007.9

パワーアシスト装具を用

いた局所的な筋力制御の

ためのソフトウェア MAS

の開発

丁明

プレス発表等 番号 発表日 発表先 題名 発表者

1 2005 年 10月

16 日 朝日新聞 夕刊(東京版,大阪版)

2 2006 年 9 月

27 日 日本経済新聞

3 2006 年 10 月

5 日

朝日新聞,毎日新

聞,東京新聞,産経

新聞,フジサンケイ

ビジネスアイ

4 2006 年 12 月

29 日 日本経済新聞

5 2007年 1月 1

日 日経産業新聞

6 2007年 1月 4

フジサンケイビジ

ネスアイ

7 2007年 1月 6

日 読売新聞 関西版 夕刊

8 2007 年 11 月

大 阪 市 機 関 誌

b-platz

9 2007 年 11 月

6 日号 Time Magazine

10 2007 年 11 月

13 日号

Time Magazine

Asia

11 2007 年 12 月

2 日号 モノマガジン

12 2006 年 9 月

27 日 NHK ニュース

国際福祉機器展

HCR2006

13 2007年 7月 5

日 神奈川

ヨコハマ・ヒューマン&テ

クノランド 2007

14 平成 19 年 9

月 13 日

NHK 神戸局ニュー

サン TV ニュース

国際フロンティア

産業メッセ 2007

15 平成 19 年 10

月 3 日 NHK ニュース

国際福祉機器展

HCR2007

16 平成 19 年 11

月 28 日 NHK ニュースほか 2007 国際ロボット展

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B-4

17 平成 19 年 12

月 8 日

NHK ニュース

サン TV ニュース

こうべロボット夢工房

2008,神戸青少年科学館

展示会 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者

1 2006 年 9 月

27 日

国際福祉機器展

HCR2006

2 2007年 7月 5

ヨコハマ・ヒュー

マン&テクノラン

ド 2007

3 2007 年 9 月

13 日

国際フロンティア

産業メッセ 2007

4 2007 年 10 月

3 日

国際福祉機器展

HCR2007

[1]-3 MR流体ブレーキを応用した下肢支援ロボット

学会発表 番号 発表年月日 発表媒体 発表タイトル 代表発表者

1 2007/11/16 第 23 回日本義肢装具

学会学術大会講演集,

日本義肢装具学会誌,

Vol.23 特 別 号 ,

152-153, 2007

MR ブレーキを応用した底背屈

制御機構組込足継手部の試作

開発

富山弘基

2 2007/11/10 第28回バイオメカニズ

ム学術講演会予稿集,

245-246, 2007.

MRF ブレーキ組込短下肢装具

の制御に用いる圧縮・曲げモー

メントセンサの試作

森本正治

3 2007/11/3 第 55 回レオロジー討

論 会 講 演 論 文 集 ,

pp.340-341 (2007.11,

金沢大学角間キャンパ

ス).

微小ギャップせん断型 MR ブレ

ーキの開発と下肢装具への応

菊池 武士

4 2007/10/1 福祉工学シンポジウム

2007 講 演 論 文 集 ,

pp.215-217

(2007.10.1-10.3,茨城

産総研つくばセンター)

せん断型コンパクト MR ブレーキ

(SCMRB)を用いたインテリジェ

ント AFO の制御

菊池武士

5 2007/9/14 日本ロボット学会誌,

(第24回日本ロボット

学会学術講演会 特集

号)2007 年 9 月号

せん断型コンパクト MR ブレーキ

を用いたインテリジェント下肢装

具の研究開発(第1報) せん断

型コンパクト MR ブレーキの開発

と制御型短下肢装具への応用

古荘純次

6 2007/8/7 第 20 回 バイオメカニ

ズム・シンポジウム前

刷, 377-384, 2007.

MRブレーキ組込み下肢装具

足継手部の試作開発

富山弘基

Page 82: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-5

7 2007/6/14 Proceedings of IEEE

International

Conference on

Rehabilitation Robotics

2007 (USB Memory),

pp.89-94 (2007.6 in

Noordwijk, the

Netherlands).

Development of Shear Type

Compact MR Brake for the

Intelligent Ankle-Foot Orthosis

and Its Control (Research and

Development in NEDO for

Practical Application of Human

Support Robot)

Takehito Kikuchi

8 2007/6/25 Proceedings of 2007

IEEE/ICME

International

Conference on

Complex Medical

Engineering-CME2007

(CD-ROM),

pp.1283-1287 (2007.6

in Beijing, China).

Development of Shear-type MR

Brakes and their Application to

Ankle-Foot Orthoses

Junji Furush

9 2007/5/25 平成 19 年春季フルー

ドパワーシステム講演

会 講 演 論 文 集 ,

pp.61-63 (2007.5, In

Toyo).

せん断型コンパクトMRブレーキ

(SCMRB)の開発に関する基

礎研究

菊池武士

10 2007/5 /11 日本機械学会 2007 年

ロボティクス/メカトロニ

クス講演会講演論文集

( DVD ) , 1A1-K05

(2007.5, In Akita).

せん断型 MR 流体ブレーキを用

いたインテリジェント下肢装具の

開発およびその制御

菊池武士

11 2007/4/27 第46回日本生体医工

学 会 大 会 ( 旧 日 本 エ

ム・イー学会)講演論文

集 ( CD-R ) , PS3-9-4

(2007.4, In Sendai,

Miyagi).

インテリジェント下肢装具のため

のせん断型 MR 流体ブレーキの

研究開発

古荘純次

12 2006/12/ 計 測 自 動 制 御 学 会 ,

SI2006 講 演 予 稿 集

(CD-ROM) ,

pp.720-721, 2006.

インテリジェント下肢装具のため

のせん断型 MR 流体ブレーキの

開発およびその制御(NEDO 人

間支援型ロボット実用化基盤技

術開発における研究開発)

古荘純次

13 2006/11/26 第 49 回自動制御連合

講演会

6 軸力覚センサの原理と応用 津村 稔

14 2006/10/28 第27回バイオメカニズ

ム 学 術 講 演 会

(SOBIM2006)予稿集,

pp.21-24

インテリジェント下肢装具のため

のせん断型MR流体ブレーキ第

2号機の研究開発(NEDO人間

支援型ロボット実用化基盤技術

開発における研究開発)

古荘純次

15 2006/10/28 第 27 回バイオメカニズ

ム学術講演会-オーガ

ナイズドセッション-

6 軸力覚センサの原理と応用 津村 稔

16 2006/9/14 第 24 回日本ロボット学

会講演会 2006 講演予

稿集(CD-ROM),1I22,

2006.

せん断型 MR 流体ブレーキを用

いたインテリジェント下肢装具の

基礎研究開発-NEDO 人間支

援型ロボット実用化基盤技術開

古荘純次

Page 83: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-6

発における研究開発-

17 2006/9/14 第 24 回日本ロボット学

会講演会 2006 講演予

稿集(CD-ROM), 2A14,

2006

インテリジェント下肢装具用微小

ギャップせん断型MR流体ブレ

ーキに関する基礎研究 (NED

O人間支援型ロボット実用化基

盤技術開発における研究開発)

古莊純次

18 2006/9/13 日本機械学会 福祉工

学シンポジウム 2006 講

演 論 文 集 , 257-258,

2006.

対麻痺者用の制御型下肢装具

の開発研究―MRブレーキを応

用した背屈制御機構組込足継

手部の試作開発(第3報)―

森本正治

19 2006/8/26 第 21 回リハ工学カンフ

ァレンス講演論文集,

245-246, 2006.

MR ブレーキを応用した背屈制

御機構組込足継手部の試作開

富山弘基

20 2006/6/8 第 24 回日本ロボット学

会学術講演会付随行

事 人間支援型ロボッ

トシンポジウム講演概

要集, 6-8, 2006

リハビリ支援ロボット及び実用化

技術の開発研究-MR流体ブ

レーキを応用した下肢装具シス

テムの開発-

森本正治

21 2006/2/21 けいはんな研究成果技

術交流セミナー

下肢障害者の身体運動機能補

綴への 工学技術の関わり-

MR 流体ブレーキを応用した下

肢装具の開発-

森本正治

22 2005/12/8 福祉工学シンポジウム

2005 講 演 論 文 集 ,

21-22, 2005

対麻痺者用の制御型下肢装具

の開発研究 -MR ブレーキを

応用した背屈制御機構組込足

継手部の試作開発(第2報)

森本正治

23 2005/11/26 第8回日本電気生理運

動 学 会 大 会

(JSEK2005)倉敷

対麻痺者用下肢装具の 制御

型足継手部の開発 -MR ブレ

ーキを応用した背屈制御機構

の試作-

森本正治

24 2005/11/18 第 21 回日本義肢装具

学会学術講演会

日本義肢装具学会誌,

Vol.21 特 別 号 ,

222-223, 2005

対麻痺者用歩行補助装具の開

発-メカニカル記憶機構組込膝

継手の開発-

橋本泰典

25 2005/11/18 第 21 回日本義肢装具

学会学術講演会

日本義肢装具学会誌,

Vol.21 特 別 号 ,

286-287, 2005

MR ブレーキを応用した背屈制

御機構組み込み式足継手部の

試作開発

橋本泰典

論文 番号 発表年月日 発表媒体 発表タイトル 代表発表者

1 2008/9 バイオメカニズム学会

編, バイオメカニズム

19, 慶応義塾大学出

版会, 151-161, 2008.

MRブレーキ組込み下肢装具

足継手部の試作開発

富山弘基

Page 84: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-7

2 2007/9/1 日本ロボット学会誌,

Vol.25, No.6,

pp.867-873, 2007.

せん断型コンパクト MR ブレーキ

を用いたインテリジェント下肢装

具の研究開発(第1報)せん断

型コンパクト MR ブレーキの開発

と制御型短下肢装具への応用

古荘純次

プレス発表等 番号 発表日 発表先 題名

1 2007/12/8 NHKニュースサン TV

ニュース

こうべロボット夢工房 2008,神戸青少年科学館

2 2007/11/28 NHKニュースほか 2007 国際ロボット展

3 2007/10/3 NHKニュース 国際福祉機器展 HCR2007

4 2007/9/13 NHK神戸局ニュース

サン TV ニュース

国際フロンティア産業メッセ 2007

5 2007/7/5 神奈川 ヨコハマ・ヒューマン&テクノランド 2007

6 2006/9/27 NHKニュース 国際福祉機器展 HCR2006

7 2007/12/2 モノマガジン

8 2007/11/13 Time Magazine Asia

9 2007/11/6 Time Magazine

10 2007/11/1 大阪市機関誌 b-platz

11 2007/1/6 読売新聞 関西版 夕刊

12 2007/1/4 フジサンケイビジネスア

13 2007/1/1 日経産業新聞

14 2006/12/29 日本経済新聞

15 2006/10/5 朝日新聞,毎日新聞,

東京新聞,産経新聞,

フジサンケイビジネスア

16 2006/9/27 日本経済新聞

17 2005/10/16 朝日新聞 夕刊(東京版,大阪版)

展示会 番号 発表日 発表先 題名 出展者

1 2008/6/26 ヨコハマ・ヒューマン&

テクノランド 2008

MRF ブレーキ組込下肢装具ロ

ボット

橋本義肢製作(株)

2 2007/12/8 こうべロボット 夢工房

2008,神戸青少年科学

MRF ブレーキ組込下肢装具ロ

ボット

橋本義肢製作(株)

3 2007/9/13 国際フロンティア産業メ

ッセ 2007

MRF ブレーキ組込下肢装具ロ

ボット

橋本義肢製作(株)

4 2007/7/5 ヨコハマ・ヒューマン&

テクノランド 2007

MRF ブレーキ組込下肢装具ロ

ボット

橋本義肢製作(株)

[1]-4 上肢・手指リハビリ支援ロボット

学会発表 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者 1 2006/ 7/26 Proc. of World Hand Rehabilitation Suppor Haruhisa Kawasaki,

Page 85: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-8

Automation Congress

(WAC)

t

System Based on Self-Motio

n Control, with a Clinical

Case Report

Hiroki Kimura,

Satoshi Ito,

Yutaka Nishimoto,

Hiroyuki Hayashi,

Hirofumi Sakaeda 2 2006/ 9/1 日本VR医学会講演会

概要集

バーチャルリアリティを応用

した手指リハビリ支援システ

ムの開発

川﨑晴久,伊藤聡,

西本裕,栄枝裕文,

毛利哲也,石榑康彦 3 2006/9/15 日本ロボット学会学術

講演会予稿CD-RO

リハビリテーション教育訓練

用ロボットハンドの研究開発

毛利哲也,川崎晴久,

梅林克哉,西本 裕,

下村尚之,石榑康彦 4 2006/ 9/15 日本ロボット学会学術

講演会 予稿CD-ROM

ハンドリハビリ支援システム

の研究開発

石榑康彦,川崎晴久,

夏目昌寿,伊藤聡,

毛利哲也,西本裕 5 2007/ 5/11 ROBOMEC2007

予稿集

リハビリテーション教育訓練

用ロボットハンドの制御

毛利哲也, 棚橋真人,川

崎晴久, 青木隆明,

西本裕 6 2007/ 3/28 Proc. of Fourth

International

Symposium on

Mechatronics and its

Applications(ISMA07

)

A Design of Fine Motion

Assist Equipment for a

Disabled Hand in Robotic

Rehabilitation System

Satoshi Ito,

Haruhisa Kawasaki,

Yasuhiko Ishigure,

Masatoshi Natsume,

Tetsuya Mouri,

Yutaka Nishimoto 7 2007/6/12 Proc. of the 2007

IEEE 10th Intern.

Conf.on Robot

Rehabilitation

(ICORR 2007)

Development of Hand Motio

n Assist. Robot for Rehabili

tationTherapyby Patient Sel

f-Motion Control

H. Kawasaki, S. Ito,

Y. Ishigure,

Y. Nishimoto,

T. Aoki, T. Mouri,

H. Sakaeda, M. Abe 8 2007/ 9/15 第25回日本ロボット

学会学術講演会予稿集

手指リハビリテーションに

おける拇指CM関節内外転運動

補助機構の検討

伊藤聡, 川崎晴久,

石榑康彦, 石原康司,

三浦昌幸, 西本裕 9 2007/ 9/14 第25回日本ロボット

学会学術講演会予稿集

ロボットハンド用トルク

センサの研究開発

毛利哲也, 川﨑晴久

10 2007/9/20 日本バーチャル

リアリティ学会

第12回大会論文集

手指上肢リハビリ支援システ

ムのプログラムとそのGUI

開発

上木諭,西本裕,

川崎晴久,伊藤聡

11 2007/10/29 Proc. of the 2007

IEEE/RSJ Intern.

Confon Intelligent

Robots and Systems

Development of Robot Hand

for Therapist Education/Trai

ningon Rehabilitation

Tetsuya Mouri,

Haruhisa Kawasaki,

Yutaka Nishimoto,

Takaaki Aoki,

Yasuhiko Ishigure

Page 86: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-9

12 2007/ 11/1

0

第28回バイオメカ

ニズム学術講演会

予稿集

セラピストによるリハビリテ

ーション教育訓練用ロボット

ハンドの評価

棚橋真人,毛利哲也,

青木隆明,川﨑晴久,

西本裕 13 2007/12/5 Proc. of Intern. Conf.

of Mechatronics and

Information Technology

2007

Parallel controller construction

for a multi-DOF hand

rehabilitation equipment

Satoshi Ito, Satoshi

Ueki, Koji Ishihara,

Masayuki Miura,

Haruhisa Kawasaki,

Yasuhiko Ishigure,

Yutaka Nishimoto 14 2007/12/20 第8回システムインテグ

レーション部門講演会

(SI2007)予稿集

関節トルクセンサを有する

リハビリ教育訓練用ロボット

ハンド

毛利哲也,川崎晴久,

西本裕,青木隆明,

石榑康彦 15 2008/8/20 Proc. of the 30th

Annual Intern.Conf. o

f

the IEEE Eng. In

Medicine and Biology

Society

Development of Virtual Rea

lity Exercise of Hand Motio

n

Assist Robot for Rehabilitat

ion Therapy by Patient

Self-Motion Control

Satoshi UEKI,

Yutaka NISHIMOTO,

Motoyuki ABE

Haruhisa KAWASAKI,

Satoshi ITO,

Koji ISHIGURE,

Jun MIZUMOTO,

Takeo OJIKA 論文 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者

1 2006/ 8/20 日本機械学会論文

C編, 72巻, 720号

手指リハビリテーション支援

システムの研究 (第1報 概念

と1例試験報告)

川﨑晴久,

木村宏樹,

伊藤聡,西本裕,

林浩之, 栄枝裕文 2 2007/ 3/19 VR医学, Vol. 5,

No. 1

バーチャルリアリティを応用

した手指リハビリ支援システ

ムの研究

川﨑晴久,

栄枝裕文,

岩村真事,

藤崎昌人,

木村宏樹,西本裕,

伊藤聡 プレス発表等 番号 発表日 発表先 題名 発表者 1 2007/5 岐阜大学工学部

ニュース 匠

人間に優しい未来型ロボット

の実現と21世紀の新しい

科学と工学の創造を目指して

川崎晴久,

毛利哲也

2 2007/7/18 日刊工業新聞 片まひ患者の手指のリハビリ

一人で楽しんで機能回復

川崎晴久,伊藤聡,

西本裕 , 毛利哲

也,

㈱丸富精工

3 2007/7/18 毎日新聞 楽しんで手指リハビリ 画面 川崎晴久,伊藤聡,

Page 87: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-10

見ながら「じゃんけん」 西本裕 , 毛利哲

也,

㈱丸富精工

4 2007/7/18 読売新聞 手指リハビリ支援システム

世界初 岐阜大など開発

川崎晴久,伊藤聡,

西本裕 , 毛利哲

也,

㈱丸富精工

5

2007/7/18 中日新聞 手指リハビリ自分で 岐阜大

工学部 システム開発,実証実

験へ

川崎晴久,伊藤聡,

西本裕 , 毛利哲

也,

㈱丸富精工

6 2007/7/18 岐阜新聞 半身まひ,リハビリ支援 患者

一人で手指動作訓練

川崎晴久,伊藤聡,

西本裕 , 毛利哲

也,

㈱丸富精工

7 2007/7/18 フジサンケイ 片麻痺患者のリハビリ支援

岐阜大などがシステム開発

川崎晴久,伊藤聡,

西本裕 , 毛利哲

也,

㈱丸富精工

8 2007/7/18 Yahoo!ニュース 手指のリハビリ 画面を

見て「じゃんけん」

岐阜大など開発

川崎晴久,伊藤聡,

西本裕 , 毛利哲

也,

㈱丸富精工

9 2007/12 整形爛漫 手指リハビリ支援システム 川崎晴久

10 2008/6/24 中部経済新聞 丸富精工 手指リハビリ装置

開発

川崎晴久

㈱丸富精工

11 2008/6/24

岐阜新聞 リハビリ機器,出展へ 川崎晴久

㈱丸富精工

展示会 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者 1 2007/7/17 岐阜大学 手指上肢リハビリ支援システ

ムのマスコミ向け公開デモン

ストレーション

川崎晴久,伊藤聡,

西本裕 , 毛利哲

也,

㈱丸富精工

2 2008/2/28 岐阜大学技術交流研

究会

リハビリ教育用ロボットハン

ドのポスター展示

川崎晴久

3 2008/6/26-28 ヨテック 2008 福祉を支える人とテクノロジ

ーの総合展

川崎晴久,伊藤聡,

上木諭,

㈱丸富精工

[2] 自立動作支援ロボット及び実用化技術の開発

[2]-1 下肢麻痺者用歩行支援ロボット

学会発表 番

号 発表日 発表先 題名 代表発表者

1 2008/3/18 第35回知能システ

ムシンポジウム ヒューマノイドロボット

の転倒条件を考慮した歩

容軌道生成

小島拓郎,香川

高弘,宇野洋二

2 2008/5/22 第81回日本整形外

科学会学術総会,

対麻痺者の歩行再建-装具

(Primewalk)からロボット

才藤栄一,鈴木

Page 88: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-11

北海道厚生年金会

館 (WPAL)まで

3 2008/6/6 第45回日本リハビ

リテーション医学

会学術集会, パシ

フィコ横浜

ロボット(WPAL: Wearable

Power-Assisted

Locomotor)による歩行再

建(1)-開発の経緯とコン

セプト

鈴木亨, 才藤栄

一, 村岡慶裕,

清水康裕, 加藤

正 樹 , 土 本 友

香, 窪田慎治,

園田茂, 武満知

4 2008/6/6 第45回日本リハビ

リテーション医学

会学術集会, パシ

フィコ横浜

ロボット(WPAL: Wearable

Power-Assisted

Locomotor)による歩行再

建(2)-装具による歩行再

建とエネルギー消費の比

較-

清水康裕, 才藤

栄一, 鈴木亨,

村岡慶裕, 加藤

正 樹 , 土 本 友

香, 窪田慎治,

園田茂, 武満知

5 2007/12 第 12 回日本 FES研究会学術講演会

特別講演

対麻痺者の歩行再建 -装

着型ロボット時代の幕開

けー

村岡慶裕

6 2007/11/28 (社)計測自動制

御学会システム情

報部門学術講演会

2007

下肢麻痺社用歩行補助ロ

ボットのヒューマンイン

タフェースの開発と評価

香川高弘,宇野

洋二,神谷俊光,

河村耕三,村岡

慶裕,才藤栄一

7 2007/11 第28回バイオメカ

ニズム学術講演会 対麻痺者のための装着型

歩行補助ロボットの開発

-第 3 次試作機-

村岡慶裕,才藤

栄一,田辺茂雄,

鈴木亨,藤野宏

紀,伊藤実和 8 2007/11 東海ものづくり創

生プロジェクトあ

いち健康長寿産業

クラスター形成事

業,藤田保健衛生

大学・研究成果・

技術シーズ発表会

歩行関連機器開発 村岡慶裕,才藤

栄一,鈴木亨,

武満知彦

9 2007/9 平成19年度電気関

係学会東海支部連

合大会

起立動作における負荷と

安定性の解析 川津信介,福村

直博,香川高弘,

宇野洋二 10 2007/8 the 4th World

Congress for International Society of Physical and Rehabilitation Medicine

Development of a wearable power assist locomotor (prototype-I) for the paraplegics

Y.Muraoka, E.Saitoh, S.Tanabe, H.Higuchi, T.Kagawa, M.Hayashi, K.Sawada, M.Ito, H.Fujino, T.Suzuki, K.Ohtsuka, K.Nakamura, T.Takemitsu, Y.Uno

Page 89: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-12

11 2007/6/28 Motor Control 研究会

下肢麻痺者の歩行補助

ロボットにおけるセン

サ・制御系開発

香川高弘,宇野

洋二

12 2007/6/15 The 3rd International Symposium on Measurement, Analysis and Modeling of Human Functions

A human interface predicting intended strides for a paraplegic locomotor device

T. Kagawa, Y. Uno, Y. Muraoka, E. Saitoh

13 2007/3 電子情報通信学会

NC 研究会 立位姿勢制御における

運動自由度の学習制御モ

デル

植松顯治,福村

直博,宇野洋二

14 2007/1 第 5 回東三河産学

官技術交流会 生体情報処理の観点か

らの下肢麻痺患者歩行補

助ロボットの研究開発

福村直博

15 2006/12/8 第39回自立分散シ

ステム部会研究会

招待講演

ヒトの運動制御の計算

モデルと歩行再建システ

ムへの応用

宇野洋二

16 2006/11/24 日本設計工学会東

海支部,特別講演

と設計フォーラム

「最近の福祉関連

支援技術」

下肢麻痺者の歩行再建

システムの研究開発 宇野洋二

17 2006/11/19 第21回生体生理工

学シンポジウム 対麻痺者の歩行補助の

ための重心運動解析 香川高弘,山科

秀貴,宇野洋二

18 2006/11/19 第21回生体生理工

学シンポジウム 下肢麻痺者の装具歩行

における杖の動作解析 堀場幸生,香川

高弘,宇野洋二

村岡慶裕,藤野

宏紀,才藤栄一

19 2006/10 あいち健康長寿ク

ラスター形成事

業,「豊橋技術科学

大学・健康長寿関

連研究シーズ発表

会」

下肢麻痺患者用歩行補

助ロボットの研究開発 福村直博

20 2006/9/19 日本神経回路学会

第 16 回全国大会 加速度センサを用いた

滑らかさの規範に基づく

手先移動距離の推定

香川高弘,宇野

洋二,村岡慶裕,

才藤栄一 21 2006/9/16 第24回日本ロボッ

ト学会付随行事・

人間支援型ロボッ

トシンポジウム

下肢麻痺者用歩行補助

ロボット WPAL の開発 宇野洋二

22 2006/6 第43回日本リハビ

リテーション医学

会学術集会シンポ

ジウム

歩行補助ロボットの開

発と臨床 村岡慶裕

23 2005/12/11 第 27 回臨床歩

行分析研究会 招

待講演

計算論からみた歩行 宇野洋二

Page 90: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-13

24 2005/9/7 第 20 回生体生

理工学シンポジウ

対麻痺者に対する足底

圧提示装置の開発 香川高弘,福田

浩士,宇野洋二,

藤野宏紀,村岡

慶裕,才藤栄一

25 2005/9/3 27th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society

Analysis of trunk movement in orthotic gait of paraplegics

T. Kagawa, H. Fukuda, Y. Uno

論文

号 発表日 発表先 題名 代表発表者

1 2007/11 Electrical Engineering in Japan, vol. 161 no. 3, pp. 10-21.

A kinematic and dynamic analysis on orthotic gait of paraplegics

T. Kagawa, H. Fukuda, Y. Uno

2 2007/1 The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine, vol. 44, No. 1, pp.29-35.

リハビリテーション工

学の進歩と応用 歩行補助

ロボットの開発と臨床

村岡慶裕,田辺

茂雄,才藤栄一,

香川高弘,宇野

洋二

3 2007/9 PO アカデミージ

ャーナル,vol. 15, no.2, pp. 77-82.

対麻痺者の歩行再建-装

着型ロボット時代の幕開

け-

村岡慶裕,才藤

栄一,田辺茂雄

4 2006/10 Medical and Biological Engineering and computing, vol. 44, No. 10, pp.907-917.

Stability analysis of paraplegic standing while wearing an orthosis

T. Kagawa, H. Fukuda, Y. Uno

5 2006/5 電気学会論文誌

C vol. 126, no. 5, pp. 579-588.

対麻痺者の装具歩行の

運動学的,動力学的解析 香川高弘,福田

浩士,宇野洋二

6 2005/12 電気学会論文誌

C vol. 125, no.12, pp. 1861-1870.

Forward-propagation則による実ロボットの逆

モデル学習

森裕紀,大濱吉

紘,福村直博,

宇野洋二 7 2005/5 Systems and

Computers in Japan, vol. 36, no. 5, pp. 1-12.

Study of the stability of a standing posture using a dynamics model of paraplegia

T. Kagawa, H. Fukuda, Y. Uno

プレス発表等

号 発表日 発表先 題名

1 2007/5/9 日刊工業新聞 身障者用歩行補助ロボ 来月から臨床試験

藤田保健衛生大 装着型,リハビリ利用 2 2008/1 focus NEDO 27 号 特集ここにもあそこにも NEDO のシンボ

Page 91: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-14

ルマーク アスカが開発した下肢麻

痺者用の歩行補助ロボット「WPAL」(ウー

パル)人間支援型ロボットの最前線 3 2008/1/24 中部経済新聞 アスカ 歩行補助ロボット開発 下肢麻痺者

を支援 藤田保衛大などと連携 3 年後市

販化へ 4 2008/1/24 日刊工業新聞 名古屋でクラスター展示会 産業振興の成

果一堂に 5 2008/4/1 愛知県,名古屋市,

財団法人人工知能

研 究 振 興 財 団

URL :

http://www.robotconso.jp/robot/syoukai_5.html

ヒューマンロボットコンソーシアム

6 2008/5/8 中日新聞東海本社

朝刊 車いす教授の鈴木さん 歩行補助ロボットを

共同開発中 7 2008/5/9 中日新聞名古屋本

社夕刊 歩行ロボット開発に車いす教授奔走

8 2008/6/3 中日新聞 自立した生活を支援 ウェルフェア 2008 9 2008/6 イ ン プ レ ス 社

Robot Watch 記事

URL :

http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/06/27/1145.html

NEDO,「人間支援型ロボット実用化基盤技

術開発プロジェクト」の成果を発表 ~「ヨッテク 2008」内スペシャルゾーンに

展示会

号 発表日 発表先 題名 出展者

1 2007/9/11,12 ロボットビジネス

フォーラム 2007 下肢麻痺者用の歩行補

助ロボット WPAL

アスカ株式会社

2 2008/1/23,24 グレーター・ナゴ

ヤ クラスターフ

ォーラム 2008

下肢麻痺者用の歩行補

助ロボット WPAL

アスカ株式会社

3 2008/3/7,8 健康長寿シーズ・

ニーズ交流・展示

下肢麻痺者用の歩行補

助ロボット WPAL

アスカ株式会社

4 2008/6/5-7 welfare2008 第 11回 国際福祉健康

産業展

下肢麻痺者用の歩行補

助ロボット WPAL

アスカ株式会社 藤田保健衛生大学

5 2008/6/26-28 YOTEC ヨ コ ハ

マ・ヒューマン&

テクノランド 2008

下肢麻痺者用の歩行補

助ロボット WPAL

アスカ株式会社

Page 92: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-15

[2]-2 上肢機能支援ロボット

学会発表

番号 発表日 発表先 題名 代表発表者 1 2008/6/21 第 42 回日本

作業療法学会 「上肢機能支援ロボッ

ト開発におけるニーズ

調査の報告」

横浜市総合リハビリ

テーションセンター

櫻井緑 展示会

番号 発表日 発表先 題名 代表発表者 1 2007/7/5 ヨコハマヒューマ

ンテクノランド2

007

上肢機能支援ロボット

※パネルのみ展示

セコム(株)開発セ

ンターメディカル1

チーム 石井純夫

2 2008/6/26 ヨコハマヒューマ

ンテクノランド2

008

上肢機能支援ロボット セコム(株)開発セ

ンターメディカル1

チーム 石井純夫

[2]-3 ロボットスーツ HAL

学会発表 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者 1 2008/3/19 電子情報通信学

会 総合大会

【招待/特別講演】 サイバニクス:人・機械・

情報系の融合複合

山海 嘉之

2 2007/12/2 四国理学療法士

学会 【招待/特別講演】 最先端技術と リハビリテーション

山海 嘉之

3 2007/11/27 UCS 2007(International Symposium on Ubiquitous Computing Systems)

Augmenting Human Capabilities with Hybrid Assistive Limbs and Ubiquitous Sensor Networks

山海 嘉之

4 2007/11/26 the International Symposium of Robotics Research (ISRR) 2007

HAL: Hybrid Assistive Limb based on Cybernics

山海 嘉之

5 2007/11/23 第 37 回日本臨

床神経生理学会

学術大会

【招待/特別講演】 HAL: Hybrid Assistive Limbs

山海 嘉之

6 2007/11/17 人 間 福 祉 学 会

2007 【招待/特別講演】 夢拓く人と技術との共生 ーHALの開発を通して

山海 嘉之

7 2007/11/9 第 42 回 【招待/特別講演】 山海 嘉之

Page 93: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-16

日本脊髄障害医

学会 ロボットスーツ HAL を 中心とした工学機器の 開発と将来への展望

8 2007/10/29 The National Taiwan University Hospital (NTUH) symposium

Leading Edge of HAL 山海 嘉之

9 2007/10/18 第 35 回日本救

急医学会総会学

術集会

【招待/特別講演】 サイバニクス最前線: サイボーグ型ロボット 技術と人間支援

山海 嘉之

10 200710/10

感性工学と感情

研究の国際会議

2007(KEER2007)

【招待/特別講演】 "HAL: Hybrid Assistive Limb"

山海 嘉之

11 2007/10/2 第 5 回生活支援

工学系学会連合

大会

【招待/特別講演】 人の活動を支援する ロボットスーツ HAL

山海 嘉之

12 2007/9/27 日本機械学会茨

城講演会 【招待/特別講演】 人支援と 次世代ロボット技術

山海 嘉之

13 2007/9/11 日本機械学会 2007 年度年次

学会

【招待/特別講演】 サイバニクス最前線: 医療福祉を支える 次世代テクノロジー

山海 嘉之

14 2007/7/21 日米センサ応用

会議(JST 主催)

【招待/特別講演】 Cybernics: fusion of man, machine and information system --- Cybernic Medicare System, Robot Suit HAL ---

山海 嘉之

15 2007/7/21 第 26 回日医用

画像高学会大会

【招待/特別講演】 高齢化時代を支援する ロボットスーツ

山海 嘉之

16 2007/7/2 電気学会センサ

マイクロマシン

準部門

【招待/特別講演】 ロボットスーツの現状と 今後の展開

山海 嘉之

17 2007/6/15 日本 SGI ソリュ

ーション・キュ

ービック 2008/ ロボット・フォ

ーラム

【招待/特別講演】 ロボットスーツ「HAL」 実用化へ

山海 嘉之

18 2007/6/14 第 57 回 日本病院学会

【招待/特別講演】 少子高齢社会を支える 最新技術「サイバニクス」 ロボットスーツ HAL, そして,統合メディケアへ

山海 嘉之

Page 94: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-17

19 2007/5/24 第 24 回建設用

ロボットに関す

る 技 術 講 習 会

(土木学会)

【招待/特別講演】 ロボットスーツ HAL (Hybrid Assistive Limb)について

山海 嘉之

20 2007/5/9 IEEE/International Conference on Mechatronics

【招待/特別講演】 A New Academic Frontier “Cybernics” : Robot Suit HAL

山海 嘉之

21 2007/4/20 DRT4ALL (International Congress on Domotics ,Robotics and Remote-assistance for All)

【招待/特別講演】 HAL: Hybrid Assistive Limb

山海 嘉之

22 2007/4/8 第 27 回日本医

学会総会 2007大阪 夢シンポジウム

【招待/特別講演】 人間とロボットの融合: ロボットスーツHAL

山海 嘉之

23 2007/3/26 電子情報通信学

【招待/特別講演】 生体機能支援

- 装着型ロボットスーツ

HAL -

山海 嘉之

24 2006/10/29 CAS/CADM 合同大

会(第 15 回日本

コンピュータ外

科学会/第16回

コンピュータ支

援 画 像 診 断 学

会)

【招待/特別講演】 医工融合と

ロボットスーツ

山海 嘉之

25 2006/10/20 Korea Robot

Conference 2006

(KRC 2006)

【招待/特別講演】 ロボットと描く未来社会

山海 嘉之

26 2006/10/19 SICE-ICASE 2006 【招待/特別講演】 Leading Edge of

Cybernics: Robot Suit HAL

山海 嘉之

27 2006/9/16 第24回日本ロボ

ット学会学術講

演会付随行事人

間支援型ロボッ

トシンポジウム

【招待/特別講演】 人間の身体機能を

拡張・増幅する

ロボットスーツHAL

山海 嘉之

28 2006/6/1 第43回日本リハ

ビリテーション

医学会学術集会

【招待/特別講演】 ロボットスーツ(HAL)

山海 嘉之

29 2006/4/20 第25回日本神

経超音波学会

【招待/特別講演】 装置の原理・登録方法

山海 嘉之

30 2005/12/15 SI2005 【招待/特別講演】 サイバニクス技術で

加速するロボットスーツ

山海 嘉之

Page 95: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-18

HAL 開発最前線

31 2005/11/9 第34回医療福

祉設備学会

【招待/特別講演】 医療・介護に役立つか?

ロボットスーツ最前線

山海 嘉之

その他協会・団体等 招待講演/特別講演 1 2008/2/26 社団法人民間活

力開発機構 (経

済産業省所管法

人)

イノベーションとは何か 山海 嘉之

2 2007/10/11 健康福祉分野に

おけるテクノロ

ジー活用セミナ

ロボットスーツ『HAL』

実用化へ

--- 医療・福祉分野に活

かすロボット技術 ---

山海 嘉之

3 2007/10/6 次世代の動作補

助ロボットスー

ツ・HAL

第 42 回日本理学療法士

協会全国学術研修大会

山海 嘉之

4 2007/9/14 イノベーション

ジャパン 2007

身体機能を拡張するロ

ボットスーツ HAL

山海 嘉之

5 2007/9/7 カシオ計算機C

ASIO TE

CHNO PO

WER 2007

ロボットスーツ「HA

L」の開発について

山海 嘉之

6 2007/7/31 おかやま・もの

づくりフォーラ

夢・情熱・愛で取り組む

ものづくり

山海 嘉之

7 2007/7/25 つくばサイエン

ス ア カ デ ミ ー

SAT フォーラム

2007

サイバニクス:人・ロボ

ット・情報系の融合複合技

山海 嘉之

8 2007/7/25 日立技術フォー

ラム 2007

サイバニクス:人・ロボ

ット・情報系の融合複合技

山海 嘉之

9 2007/7/24 シ ン ポ ジ ウ ム

「未来学ルネサ

ンス」

【パネルディスカッショ

ン】

ロボット化社会 —ロボッ

トの人間化 vs 人間のロボ

ット化—

山海 嘉之

10 2007/7/21 日米センサ応用

会議

Cybernics: fusion of man, machine and information system --- Cybernic Medicare System, Robot Suit HAL ---

山海 嘉之

11 2007/7/10 第45回全国保健

管理協会関東甲

信越地方会

ロボット技術の健康支援

への応用

山海 嘉之

12 2007/6/25 日本 SGI ソリュ

ーション・キュ

ロボットスーツ「HAL」実

用化へ

山海 嘉之

Page 96: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-19

ービック 2008/

ロボット・フォ

ーラム

13 2007/5/29 静岡県看護協会

(静岡県厚生部

主催)

ロボットスーツHALの医療

福祉分野への展開につい

山海 嘉之

14 2007/5/15 国際福祉健康産

業展 ウェルフ

ェア

医療・福祉分野に活かすロ

ボット技術 ロボットス

ーツHAL開発者の観点

から

山海 嘉之

15 2007/5/16 HIMSS AsiaPac'07 Conference & Exhibition

Leading Edge of Cybernics:Robot Suit HAL

山海 嘉之

16 2007/5/7 九州電力 筑波大学発ベンチャー

『CYBERDYNE 株式会社』の

挑戦

山海 嘉之

17 2007/4/12 岡山県総合教育

センター開所記

夢・情熱・人 山海 嘉之

18 2007/3/25 The Student Day

2007

ロボット技術最前線〜ロ

ボットで変わる人々の生

活〜

山海 嘉之

19 2007/3/25 丸の内政経懇話

会3月例会

ロボットのフロンティア 山海 嘉之

20 2007/3/15 新松戸北中学校

教育講演会

ロボットスーツが福祉を

変える!?

山海 嘉之

21 2007/3/1 産学官連携総合

交流会

ロボットスーツHAL実用化

へ〜遠隔リハビリテーシ

ョンモデル事例

山海 嘉之

22 2007/2/28 財)南西地域産

業活性化センタ

サイボーグ技術開発の現

状と未来~沖縄の可能性

について~

山海 嘉之

23 2007/2/17 茨城県臨床検査

技師会「 第12

回 臨床検査フ

ォ-ラム 」

ロボットスーツ HAL の福

祉・医療分野における役割

山海 嘉之

24 2006/11/28 福岡労災保険指

定病院協会

高齢化社会を支える最新

テクノロジー 〜ロボッ

トスーツ HAL〜

山海 嘉之

25 2006/11/23 第2回ぼくもわ

た し も 歩 け る

よ!未来シンポ

ジウム

ロボットスーツHALを用い

た二分脊椎の歩行の未来

山海 嘉之

26 2006/11/18 脳梗塞セミナー ロボットスーツによる脳

卒中診療への挑戦

山海 嘉之

27 2006/11/11 つくば市立桜中

学校

夢の技術が現実に〜ロボ

ットスーツ開発最前線〜

山海 嘉之

28 2006/11/7 オランダ経済省 Development and projects in the new

山海 嘉之

Page 97: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-20

research field Cybernics 29 2006/11/3 名古屋工業大学

100周年記念

国際フォーラム

ロボットスーツ HAL 山海 嘉之

30 2006/10/28 地域 I CT 未来フ

ェスタ2006inに

いがた

ロボットスーツとロボッ

ト技術の実用化

山海 嘉之

31 2006/10/26 ロボットシンポ

ジ ウ ム 名 古 屋

2006

ロボットスーツHALの開発 山海 嘉之

32 2006/10/9 脊髄損傷者支援

イベント「Walk

Again 2006」

人体密着型ロボットスー

ツ HAL の実用化

山海 嘉之

33 2006/9/6 FIT2006 第 5 回

情報科学技術フ

ォーラム

パワードスーツ 山海 嘉之

34 2006/8/30 SuperH オープン

フォーラム

人間の身体機能を増幅・拡

張する装着型ロボットス

ー ツ HAL(Hybrid Assistive Limb)

山海 嘉之

35 2006/7/14 いばらき産業大

県フェア 2006

パワーアシストロボット

スーツ HAL

山海 嘉之

36 2006/7/11 土浦協同病院内

講演会

ロボット工学と医療 山海 嘉之

37 2006/5/30 茨城県医薬関連

研究機関協議会

明日を拓く新技術-山海研

究室の挑戦-

山海 嘉之

38 2006/3/22 BioTsukuba 健康増進と次世代医療の

機器開発

山海 嘉之

39 2006/3/14 BESTJAPAN 「HAL」の開発ー身体機能

を拡張・増幅する機械

山海 嘉之

論文 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者 1 2007/1/9 Advanced

Robotics, Vol.21, pp. 1441 – 1469, No.13

Intention-Based Walking Support for Paraplegia Patients with Robot Suit HAL

K.Suzuki, G.Mito, H.Kawamoto, Y.Hasegawa, Y.Sankai

2 2006/12/16 第7回計測自動制御学会システムインテグレーション部門学術講演会(SI2006)

人間の動作特性を

考慮したロボットスーツ

HALによる立ち上がり

動作支援に関する研究

河本浩明,

塚原淳,

山海嘉之

3 2006/10/19 SICE-ICASE International Joint Conference 2006(SICE-ICCAS 2006), Plenary talk

Leading Edge of Cybernics: Robot Suit HAL

Y. Sankai

4 2006/11 Advanced A multi-link system H.Toda,

Page 98: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-21

Robotics, Vol.20, No.6, pp.661-679

control strategy based on biological reaching movement

T.Kobayakawa, Y.Sankai

プレス発表等 番号 発表日 発表先 題名 発表者

1 2008/3/17 AERA 「人間を守る」使命を 山海 嘉之 2 2008/3 現代思想 サイボーグ患者宣言

山海嘉之+松原洋子 山海 嘉之

3 2008/2

国立大学発 特色ある取組紹

ロボットスーツ HAL 筑波大学

山海 嘉之

4 2008/2 オルタナ ミゼットからロボットへ 山海 嘉之 5 2008/2 最新図説政経 この人に聞く! 筑波大

学大学院教授 山海嘉之

さん

山海 嘉之

6 2008/1/4 読売新聞 障害者も自力歩行 山海 嘉之 7 2008/1/1 シティオペラ 2008 年ロボット新時代 山海 嘉之 8 2007/12/24 キカイはどこま

で人の代わりが

できるか?職人

ロボットから医

療ロボットまで

人の暮らしを変

えたキカイたち

キカイが変える人の未来 生体信号を利用したパワ

ースーツ「HAL」は未来を

どう変える?

山海 嘉之

9 2007/12/10 生命科学の冒険 生殖・クローン・

遺伝子・脳

サイボーグを思わせる ロボットスーツ「HAL」

山海 嘉之

10 2007/12/3 日経ビジネス オンライン

「正義」こそ日本エンジニ

アの生きる道 進化の目覚ましい弱者向

け技術(3)

山海 嘉之

11 2007/12/2 茨城新聞 つくばは何処へ 検証・市誕生 20 年 市内定着財源が課題

山海 嘉之

12 2007/12 つくば研究成 果発見ガイド

身体能力を拡張する ロボットスーツ HAL の開

発 着て使う力持ちロボット

山海 嘉之

13 2007/12 小学三年生 重い荷物もこれでへっち

ゃら!ロボットスーツ

HAL

山海 嘉之

14 2007/11/29 茨城新聞 次世代へ成熟の街づくり

つくば市制施行 20 周年 山海 嘉之

15 2007/11/13 茨城新聞 福祉機器展など視察 常陸宮ご夫妻

山海 嘉之

16 2007/11/5 山陽新聞 ロボットスーツ装着 まなびピア岡山

山海 嘉之

17 2007/11/4 毎日新聞 ロボット研究と軍事転用

科学者の倫理とは 第 3 部 「悪用」防ぐ責任

山海 嘉之

Page 99: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-22

18 2007/11

碧い風

人間の身体機能を サポートするロボット

山海 嘉之

19 2007/10/25 日本経済新聞(夕

刊) 目からウロコの投資塾 産業分析・パートナーロボ

ット編 3 レスキュー・介護もお任せ

山海 嘉之

20 2007/10/25 Medical Tribune 〜ロボットスーツ HAL〜

運動機能の客観的評価指

標に

山海 嘉之

21 2007/10/13 朝日新聞 be on Saturday

フロントランナー 筑波大学大学院教授 山海嘉之さん

山海 嘉之

22 2007/10/10 サービス産業に

おけるイノベー

ションと生産性

向上に向けて

サービス分野における科

学的・工学的アプローチの

拡大 ロボットスーツ

山海 嘉之

23 2007/9 EHEALTHCOM Roboteranzug als Bewegungshilfe fur Gelahmte

山海 嘉之

24 2007/9 BCN ランキング 着ればあなたもサイボー

山海 嘉之

25 2007/9/27 nature 医療・福祉・生活分野で人

と共存する ”次世代ロボ

ット”の開発が進んでいる

山海 嘉之

26 2007/8 関東経済産業局

広報誌 いっとじゅっけ

「TAMA プロジェクト」 「ロボットスーツ HAL」が経済産業大臣賞を受

賞!

山海 嘉之

27 2007/8 蛍雪時代 筑波大学 ロボットスーツ HAL の開

発が「経済産業大臣賞」を

受賞

山海 嘉之

28 2007/7/4 速報つくば 山海嘉之教授の 「身体機能を拡張するロ

ボットスーツ HAL」の 開発が第5回産学官連携 功労者表彰において経済

産業大臣賞を受賞

山海 嘉之

29 2007/6/10

こども写真ひゃ

っか ロボット大集合

まさに SF の世界が ここに! ロボットスーツ HAL

山海 嘉之

30 2007/5/20 読売ウィークリ

量産ロボットスーツが 救う少子高齢化ニッポン

山海 嘉之

31 2007/5/17 朝日新聞 ロボットスーツで夢実現 山海 嘉之 32 2007/5/17 人間科学と福祉

工学

第 3 章 福祉機器 山海 嘉之

33 2007/5/4 De Ingenieur ELET GEEFT STEUN 山海 嘉之 34 2007/5/1 WHAT'S UP?

2007-2008 Elementary

Wear a Robot? 山海 嘉之

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B-23

35 2007/4/25 パブリックセキ

ュリティ 社会の

安全と市民の安

心を求めて

筑波大学のパワースーツ HAL

山海 嘉之

36 2007/4/24 ヒトと機械のあ

いだ ヒト化する機械

と機械化するヒ

山海 嘉之

37 2007/4/20 日経産業新聞 歩行支援スーツ量産へ 山海 嘉之 38 2007/4/10 日本物流新聞 インタビュー

テクノロジーだけで 終わらず,育てて守って いく必要がある

山海 嘉之

39 2007/4/1 日刊工業新聞 高齢社会の住まい追求 山海 嘉之 40 2007/4 発明 パワー支援スーツ 山海 嘉之 41 2006/12/31 The Japan Times Shaping our future along

with robots 山海 嘉之

42 2006/12/26 Peru21(ペルー

紙)特別版

Esqueleto bionico:HAL-5 山海 嘉之

43 2006/10/29 読売新聞 ロボットスーツ実用化 筑

波大学発,介護などに期待

山海 嘉之

44 2006/10/23 日本経済新聞 リハビリ補助 ロボット

スーツ量産 筑波大発 VB

拠点新設,年産 400 体に

山海 嘉之

45 2006/10/13 朝日新聞夕刊 「グッドデザイン」大賞

は?

山海 嘉之

46 2006/8/8 朝日新聞 ロボスーツでおんぶ ア

ルプス4千メートル峰へ

山海 嘉之

47 2006/8/5 信濃毎日新聞 ロボットスーツ登山

夢のアルプス挑戦控え「幸

せ」

山海 嘉之

48 2006/6/15 Cabi ネット 総合科学技術会議の開催

怪力マンだね

山海 嘉之

49 2006/6/7 日経産業新聞 ロボットで身体機能拡張 山海 嘉之 50 2006/4/11 朝日新聞 「ロボットスーツ」歩行

支援用商品化

山海 嘉之

51 2006/4/6 朝日新聞 ロボット着ておんぶ登山 山海 嘉之 52 2006/4/4 (スイス)新聞 Gelahmter will mit

Roboter huckepack aufs

Breithoron 20minuten

山海 嘉之

53 2006/4/3 読売新聞 夢背負うロボットスーツ 山海 嘉之 54 2006/2/16 産經新聞 介護ロボ開発支援 山海 嘉之 55 2006/2/16 日本経済新聞 ロボットスーツ参入発表 山海 嘉之 56 2006/2/15 日本経済新聞,

特集面

ロボット開発

ベンチャー通じ実用化

山海 嘉之

57 2006/2/4 ロボットライフ 世界が注目する日本の

ロボティクス最前線

ロボットスーツ HAL-5

山海 嘉之

58 2006/2/2 モノ・マガジン 日本初世界基準 2007 年 山海 嘉之

Page 101: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-24

更なる飛躍

CYBERDYNE HAL

59 2006/1/12 毎日新聞 ロボットスーツ:

おかえり HAL-5

山海 嘉之

60 2006/1/1 琉球新報 動き出したロボット

ビジネス

山海 嘉之

61 2006/1/1 朝日中学生ウィ

ークリー

ロボットスーツ開発に

わくわく

山海 嘉之

62 2006/1/1 日本経済新聞 ロボットが生活の

身近に小型・省エネ・

高機能化進む

山海 嘉之

展示会 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者

1 2007/3/14 情報処理学会第

70 回全国大会 山海 嘉之

2 2006/12/1 四国理学療法士

学会 山海 嘉之

3 2006/11/10 第 20 回全国健康

福祉祭 いばらき大会 ねんりんぴっく

茨城 2007

山海 嘉之

4 2006/11/3 全国生涯学習 フェスティバル

まなびピア岡山 2007

山海 嘉之

5 2006/10/28 地域ITC未来

フェスタ in 新潟 山海 嘉之

6 2006/10/10 感性工学と感情

研究の国際会議

2007

山海 嘉之

7 2006/10/5 第 42 回日本理学

療法士協会全国

学術研修大会」

山海 嘉之

8 2006/8/5 札幌商工会議所 創立百周年 記念事業 「こども未来博」

山海 嘉之

9 2006/7/13 いばらき産業 大県フェア 2006

山海 嘉之

10 2006/7/5 YOTEC ヨコハ

マ・ヒューマン&

テ ク ノ ラ ン ド

2007

山海 嘉之

11 2006/6/16 第6回産学官連携

推進会議 山海 嘉之

12 2006/6/14 第 57 回日本病院

学会 山海 嘉之

13 2006/3/31 いのち 人 夢 山海 嘉之

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B-25

EXPO2007 in 大阪

14 2005/11/30 国際ロボット展 山海 嘉之 15 2005/11/26 アキバ・ロボット

文化祭 2005 山海 嘉之

16 2005/11/19 つくば産業フェ

ア 山海 嘉之

17 2005/11/16 Business Link 商

賣 繁 盛 at TOKYO DOME

山海 嘉之

[3] 介護動作支援ロボット及び実用化技術の開発

[3]-1 排泄介護総合支援ロボット「トイレアシスト」

学会発表 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者

1 2006/9/16 人間支援型ロボットシンポ

ジウム(第24回日本ロボット

学会学術講演会付随行事)

排泄介護動作支援ロ

ボット「トイレアシ

スト」の研究開発~

移動式トイレの自己

位置推定技術~

松本治(産

総研)

2 2006/11/10 日本機会学会関東支部埼玉ブ

ロック大会 2006 レーザレンジセンサ

を用いた移動ロボッ

トの自己位置推定

前 田 宏 樹

(東洋大)

3 2007/3/15 第 12 回ロボティクス・シンポ

ジア 実用的なパワーアシ

スト機器のための 2 out of 3 論理に基づ

く自己診断機能の提

市 川 和 宏

( 宇 都 宮

大)

4 2007/3/16 日本機械学会関東支部 第 13期総会講演会

レーザレンジセンサ

を用いた移動ロボッ

トの走行制御

前 田 宏 樹

(東洋大)

5 2007/3/16 日本機械学会関東支部 第 13期総会講演会

リスク比較分析に

基づく人間支援型ロ

ボットのリスク評価

-トイレアシスト第

1 次試作機を対象と

して-

斎藤剛(安

衛研)

6 2007/5/12 日本機械学会ロボティクス・メ

カトロニクス講演会 2007 レーザレンジセンサ

と画像テンプレート

マッチングによる自

己位置推定

前 田 宏 樹

(東洋大)

7 2007/9/12 日本機械学会 2007 年度年次大

会 排泄介護支援ロボ

ットの研究開発~昇

降アシスト便座~

鈴 木 利 明

( 川 田 工

業) 8 2008/3/14 日本機械学会関東支部関東学

生会第 47 回学生員卒業研究発

表講演会

全方向移動型トイ

レロボットの位置決

め精度検証実験

杉 江 広 葵

(東洋大)

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B-26

9 2008/5/17 The Sixth

IARP-IEEE/RAS-EURON Joint Workshop on Technical Challenges for Dependable Robots in Human Environments

A NEDO Project Report on The Development of “Toilet- Assists”

山 田 陽 滋

(産総研)

10 2008/6/7 日本機械学会ロボティクス・メ

カトロニクス講演会 2008 排泄介護支援シス

テム「トイレアシス

ト」における車いす

シャトル台車の開発

松本治(産

総研)

11 2008/6/7 日本機械学会ロボティクス・メ

カトロニクス講演会 2008 排泄介護支援システ

ム「トイレアシスト」

における位置決め精

度の検証

杉 江 広 葵

(東洋大)

展示会 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者

1 2007/7/5-7 ヨコハマ・ヒュー

マン&テクノラン

ド(YOTEC)2007

排泄介護支援システム「ト

イレアシスト」第1次実証

試験機

小野栄一(産総

研)

2 2008/6/26-28 ヨコハマ・ヒュー

マン&テクノラン

ド(YOTEC)2008

排泄介護総合支援ロボッ

ト「トイレアシスト」第2

次実証試験機

松本治(産総研)

[4] プロジェクト全体(NEDOとりまとめ分) 学会発表 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者

1 2007/11/15

日本ロボット学会

誌,Vol. 25, No. 8

人間と共存するロボット

の安全性-NEDO ロボ

ット開発プロジェクトで

の取り組み-

NEDO技術開発

機構 草田晃司 堀野正也

2 2007/12/18 WEB Journal ,

Vol. 13, No. 6 人間支援型ロボット開発

の現状 NEDO技術開発

機構 堀野正也

3 2008/09/18 (予定)

第 6 回生活支援工

学系学会連合大会 NEDO における人間支

援型ロボット開発に関す

る取り組みについて

NEDO技術開発

機構 堀野正也

4 2008/11/28 (予定)

日本生活支援工学

会誌, Vol. 8, No. 2

NEDO における人間支

援型ロボットの開発 NEDO技術開発

機構 堀野正也

展示会 番号 発表日 発表先 題名 代表発表者

Page 104: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

B-27

1 2008/06/27 ~29

ヨコハマ・ヒュー

マン&テクノラン

ド 2008 (ヨッテク 2008)

NEDO「人間支援型ロボ

ット実用化基盤技術開

発」成果展示

NEDO技術開発

機構 堀野正也 及び全委託先

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2-2

2.分科会における説明資料

本資料は、分科会において、プロジェクト実施者がプロジェクトを説明する

際に使用したものである。

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参考資料1 評価の実施方法

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参考資料 1-1

本評価は、「技術評価実施規程」(平成 15 年 10 月制定)に基づいて研究評価

を実施する。

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)における研究

評価の手順は、以下のように被評価プロジェクト毎に分科会を設置し、同分科

会にて研究評価を行い、評価報告書(案)を策定の上、研究評価委員会において確

定している。 「NEDO 技術委員・技術委員会等規程」に基づき研究評価委員会を設置 研究評価委員会はその下に分科会を設置

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推進部署評価結果の事業等への反映

NEDO

評価報告書(案)審議・確定

理事長

評価書報告

評価報告書(案)作成

実施者プロジェクトの説明

国 民

評価結果公開

推進部署

分科会B 分科会D

分科会A 分科会C

事務局

研究評価部

研究評価委員会

推進部署評価結果の事業等への反映

Page 137: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

参考資料 1-2

1.評価の目的 評価の目的は「技術評価実施規程」において、

業務の高度化等の自己改革を促進する。 社会に対する説明責任を履行するとともに、経済・社会ニーズを取

り込む。 評価結果を資源配分に反映させ、資源の重点化及び業務の効率化を

促進する。 としている。 本評価においては、この趣旨を踏まえ、本事業の意義、研究開発目標・計画

の妥当性、計画と比較した達成度、成果の意義、成果の実用化の可能性等につ

いて検討・評価した。 2.評価者 技術評価実施規程に基づき、事業の目的や態様に即した外部の専門家、有識

者からなる委員会方式により評価を行う。分科会委員選定に当たっては以下の

事項に配慮して行う。 科学技術全般に知見のある専門家、有識者 当該研究開発の分野の知見を有する専門家 研究開発マネジメントの専門家、経済学、環境問題その他社会的ニ

ーズ関連の専門家、有識者 産業界の専門家、有識者

また、評価に対する中立性確保の観点から事業の推進側関係者を選任対象か

ら除外し、また、事前評価の妥当性を判断するとの側面にかんがみ、事前評価

に関与していない者を主体とする。 これらに基づき、分科会委員名簿にある7名を選任した。 なお、本分科会の事務局については、独立行政法人新エネルギー・産業技術

総合開発機構研究評価部が担当した。 3.評価対象 平成17年度に開始された「人間支援型ロボット実用化基盤技術開発」プロ

ジェクトを評価対象とした。 なお、分科会においては、当該事業の推進部署から提出された事業原簿、プ

ロジェクトの内容、成果に関する資料をもって評価した。

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参考資料 1-3

4.評価方法 分科会においては、当該事業の推進部室及び研究実施者からのヒアリングと、

それを踏まえた分科会委員による評価コメント作成、評点法による評価及び実

施者側等との議論等により評価作業を進めた。 なお、評価の透明性確保の観点から、知的財産保護の上で支障が生じると認

められる場合等を除き、原則として分科会は公開とし、研究実施者と意見を交

換する形で審議を行うこととした。 5.評価項目・評価基準 分科会においては、次に掲げる「評価項目・評価基準」で評価を行った。こ

れは、研究評価委員会による『各分科会における評価項目・評価基準は、被評

価プロジェクトの性格、中間・事後評価の別等に応じて、各分科会において判

断すべきものである。』との考え方に従い、第1回分科会において、事務局が、

研究評価委員会により示された「標準的評価項目・評価基準」(参考資料1-7

頁参照)をもとに改訂案を提示し、承認されたものである。 プロジェクト全体に係わる評価においては、主に事業の目的、計画、運営、

達成度、成果の意義や実用化への見通し等について評価した。各個別テーマに

係る評価については、主にその目標に対する達成度等について評価した。

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参考資料 1-4

評価項目・評価基準

1.事業の位置付け・必要性について

(1)NEDOの事業としての妥当性 ・ 21世紀ロボットチャレンジプログラム(平成 16・02・03 産局第 16 号)

の目標達成のために寄与しているか。 ・ 民間活動のみでは改善できないものであること、又は公共性が高いことに

より、NEDOの関与が必要とされる事業か。 ・ 当該事業を実施することによりもたらされる効果が、投じた予算との比較

において十分であるか。

(2)事業目的の妥当性 ・ 内外の技術開発動向、国際競争力の状況、エネルギー需給動向、市場動向、

政策動向、国際貢献の可能性等から見て、事業の目的は妥当か。 2.研究開発マネジメントについて

(1)研究開発目標の妥当性 ・ 内外の技術動向、市場動向等を踏まえて、戦略的な目標が設定されている

か。 ・ 具体的かつ明確な開発目標を可能な限り定量的に設定しているか。 ・ 目標達成度を測定・判断するための適切な指標が設定されているか。

(2)研究開発計画の妥当性 ・ 目標達成のために妥当なスケジュール、予算(各個別研究テーマ毎の配分

を含む)となっているか。 ・ 目標達成に必要な要素技術を取り上げているか。 ・ 研究開発フローにおける要素技術間の関係、順序は適切か。 ・ 継続プロジェクトや長期プロジェクトの場合、技術蓄積を、実用化の観点

から絞り込んだうえで活用が図られているか。

(3)研究開発実施の事業体制の妥当性 ・ 適切な研究開発チーム構成での実施体制になっているか。 ・ 真に技術力と事業化能力を有する企業を実施者として選定しているか。 ・ 研究管理法人を経由する場合、研究管理法人が真に必要な役割を担ってい

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参考資料 1-5

るか。 ・ 全体を統括するプロジェクトリーダー等が選任され、十分に活躍できる環

境が整備されているか。 ・ 目標達成及び効率的実施のために必要な実施者間の連携が十分に行われ

る体制となっているか。 ・ 実用化シナリオに基づき、成果の受け取り手(ユーザー、活用・実用化の

想定者等)に対して、関与を求める体制を整えているか。 (4)情勢変化への対応等 ・ 進捗状況を常に把握し、社会・経済の情勢の変化及び政策・技術動向に機

敏かつ適切に対応しているか。 ・ 計画見直しの方針は一貫しているか(中途半端な計画見直しが研究方針の

揺らぎとなっていないか)。計画見直しを適切に実施しているか。

3.研究開発成果について

(1)目標の達成度 ・ 成果は目標値をクリアしているか。 ・ 全体としての目標達成はどの程度か。 ・ 目標未達成の場合、目標達成までの課題を把握し、課題解決の方針が明確

になっているか。

(2)成果の意義 ・ 成果は市場の拡大或いは市場の創造につながることが期待できるか。 ・ 成果は、世界初あるいは世界 高水準か。 ・ 成果は、新たな技術領域を開拓することが期待できるか。 ・ 成果は汎用性があるか。 ・ 投入された予算に見合った成果が得られているか。 ・ 成果は他の競合技術と比較して優位性があるか。

(3)知的財産権等の取得及び標準化の取組 ・ 知的財産権等の取り扱い(特許や意匠登録出願、著作権や回路配置利用権

の登録、営業機密の管理等)は事業戦略、または実用化計画に沿って国内

外に適切に行われているか。 ・ 標準規格・技術や事実上の標準となっている審査方法などの活用により、

技術成果の汎用性確保に努めているか。

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参考資料 1-6

(4)成果の普及 ・ 論文の発表は、研究内容を踏まえ適切に行われているか。 ・ 成果の受取手(ユーザー、活用・実用化の想定者等)に対して、適切に成

果を普及しているか。また、普及の見通しは立っているか。 ・ 一般に向けて広く情報発信をしているか。

4.実用化、事業化の見通しについて

(1)成果の実用化可能性 ・ 産業技術としての見極め(適用可能性の明確化)ができているか。 ・ 実用化に向けて課題が明確になっているか。課題解決の方針が明確になっ

ているか。 ・ 標準規格・技術の活用により、国内外での事業化プロセスの円滑化が図ら

れているか。

(2)事業化までのシナリオ ・ NEDO 後継プロジェクト、NEDO 実用化助成、企業内研究等、プロジェ

クト終了後の事業化までの道筋は明確か。 ・ コストダウン、競合技術との比較、導入普及、事業化までの期間、事業化

とそれに伴う経済効果等の見通しは立っているか。

(3)波及効果 ・ 成果は関連分野への技術的波及効果及び経済的・社会的波及効果を期待で

きるものか。 ・ プロジェクトの実施自体が当該分野の研究開発や人材育成等を促進する

などの波及効果を生じているか。

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参考資料 1-7

標準的評価項目・評価基準(事後評価) 2008.3.27

【事後評価 標準的評価項目・評価基準の位置付け(基本的考え方)】

標準的評価項目・評価基準は、第17回研究評価委員会(平成20年3月2

7日付)において以下のとおり定められている。(本文中の記載例による1・・・、

2・・・、3・・・、4・・・が標準的評価項目、それぞれの項目中の(1)・・・、(2)・・・

が標準的評価基準、それぞれの基準中の・ ・・・が視点)

ただし、これらの標準的評価項目・評価基準は、研究開発プロジェクトの事

後評価における標準的な評価の視点であり、各分科会における評価項目・評価

基準は、被評価プロジェクトの性格等に応じて、各分科会において判断すべき

ものである。

1.事業の位置付け・必要性について

(1)NEDOの事業としての妥当性

・ 特定の施策(プログラム)、制度の下で実施する事業の場合、当該施策・

制度の目標達成のために寄与しているか。

・ 民間活動のみでは改善できないものであること、又は公共性が高いことに

より、NEDOの関与が必要とされる事業か。

・ 当該事業を実施することによりもたらされる効果が、投じた予算との比較

において十分であるか。

(2)事業目的の妥当性

・ 内外の技術開発動向、国際競争力の状況、エネルギー需給動向、市場動向、

政策動向、国際貢献の可能性等から見て、事業の目的は妥当か。

2.研究開発マネジメントについて

(1)研究開発目標の妥当性

・ 内外の技術動向、市場動向等を踏まえて、戦略的な目標が設定されている

か。

・ 具体的かつ明確な開発目標を可能な限り定量的に設定しているか。

・ 目標達成度を測定・判断するための適切な指標が設定されているか。

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参考資料 1-8

(2)研究開発計画の妥当性

・ 目標達成のために妥当なスケジュール、予算(各個別研究テーマ毎の配分

を含む)となっているか。

・ 目標達成に必要な要素技術を取り上げているか。

・ 研究開発フローにおける要素技術間の関係、順序は適切か。

・ 継続プロジェクトや長期プロジェクトの場合、技術蓄積を、実用化の観点

から絞り込んだうえで活用が図られているか。

(3)研究開発実施の事業体制の妥当性

・ 適切な研究開発チーム構成での実施体制になっているか。

・ 真に技術力と事業化能力を有する企業を実施者として選定しているか。

・ 研究管理法人を経由する場合、研究管理法人が真に必要な役割を担ってい

るか。

・ 全体を統括するプロジェクトリーダー等が選任され、十分に活躍できる環

境が整備されているか。

・ 目標達成及び効率的実施のために必要な実施者間の連携 and/or 競争が

十分に行われる体制となっているか。

・ 実用化シナリオに基づき、成果の受け取り手(ユーザー、活用・実用化の

想定者等)に対して、関与を求める体制を整えているか。

(4)情勢変化への対応等

・ 進捗状況を常に把握し、社会・経済の情勢の変化及び政策・技術動向に機

敏かつ適切に対応しているか。

・ 計画見直しの方針は一貫しているか(中途半端な計画見直しが研究方針の

揺らぎとなっていないか)。計画見直しを適切に実施しているか。

3.研究開発成果について

(1)目標の達成度

・ 成果は目標値をクリアしているか。

・ 全体としての目標達成はどの程度か。

・ 目標未達成の場合、目標達成までの課題を把握し、課題解決の方針が明確

になっているか。

(2)成果の意義

・ 成果は市場の拡大或いは市場の創造につながることが期待できるか。

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参考資料 1-9

・ 成果は、世界初あるいは世界 高水準か。

・ 成果は、新たな技術領域を開拓することが期待できるか。

・ 成果は汎用性があるか。

・ 投入された予算に見合った成果が得られているか。

・ 成果は、他の競合技術と比較して優位性があるか。

(3)知的財産権等の取得及び標準化の取組

・ 知的財産権等の取扱(特許や意匠登録出願、著作権や回路配置利用権の登

録、品種登録出願、営業機密の管理等)は事業戦略、または実用化計画に

沿って国内外に適切に行われているか。

・ 国際標準化に関する事項が計画されている場合、得られた研究開発の成果

に基づく国際標準化に向けた提案等の取組が適切に行われているか。

(4)成果の普及

・ 論文の発表は、研究内容を踏まえ適切に行われているか。

・ 成果の受取手(ユーザー、活用・実用化の想定者等)に対して、適切に成

果を普及しているか。また、普及の見通しは立っているか。

・ 一般に向けて広く情報発信をしているか。

4.実用化、事業化の見通しについて

(1)成果の実用化可能性

・ 産業技術としての見極め(適用可能性の明確化)ができているか。

・ 実用化に向けて課題が明確になっているか。課題解決の方針が明確になっ

ているか。

・ 国際標準化に関する事項が計画されている場合、国際規格化等、標準整備

に向けた見通しが得られているか。

(2)事業化までのシナリオ

・ NEDO後継プロジェクト、NEDO実用化助成、企業内研究等、プロ

ジェクト終了後の事業化までの道筋は明確か。

・ コストダウン、競合技術との比較、導入普及、事業化までの期間、事業

化とそれに伴う経済効果等の見通しは立っているか。

(3)波及効果

・ 成果は関連分野への波及効果(技術的・経済的・社会的)を期待できるも

Page 145: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

参考資料 1-10

のか。

・ プロジェクトの実施自体が当該分野の研究開発や人材育成等を促進する

などの波及効果を生じているか。

Page 146: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

参考資料 1-11

※ 基礎的・基盤的研究及び知的基盤・標準整備等の研究開発の場合は、以

下の項目・基準による。

*基礎的・基盤的研究開発の場合

3.研究開発成果について

(1)目標の達成度

・ 成果は目標値をクリアしているか。

・ 全体としての目標達成はどの程度か。

・ 目標未達成の場合、目標達成までの課題を把握し、課題解決の方針が明確

になっているか。

(2)成果の意義

・ 成果は市場の拡大或いは市場の創造につながることが期待できるか。

・ 成果は、世界初あるいは世界 高水準か。

・ 成果は、新たな技術領域を開拓することが期待できるか。

・ 成果は汎用性があるか。

・ 投入された予算に見合った成果が得られているか。

・ 成果は、他の競合技術と比較して優位性があるか。

(3)知的財産権等の取得及び標準化の取組

・ 知的財産権等の取扱(特許や意匠登録出願、著作権や回路配置利用権の登

録、品種登録出願、営業機密の管理等)は事業戦略、または実用化計画に

沿って国内外に適切に行われているか。

・ 国際標準化に関する事項が計画されている場合、得られた研究開発の成果

に基づく国際標準化に向けた提案等の取組が適切に行われているか。

(4)成果の普及

・ 論文の発表は、研究内容を踏まえ適切に行われているか。

・ 成果の受取手(ユーザー、活用・実用化の想定者等)に対して、適切に成

果を普及しているか。また、普及の見通しは立っているか。

・ 一般に向けて広く情報発信をしているか。

4.実用化の見通しについて

(1)成果の実用化可能性

・ 実用化イメージ・出口イメージが明確になっているか。

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参考資料 1-12

・ 実用化イメージ・出口イメージに基づき、開発の各段階でマイルストーン

を明確にしているか。それを踏まえ、引き続き研究開発が行われる見通し

は立っているか。

・ 国際標準化に関する事項が計画されている場合、国際規格化等、標準整備

に向けた見通しが得られているか。

(2)波及効果

・ 成果は関連分野への波及効果(技術的・経済的・社会的)を期待できるも

のか。

・ プロジェクトの実施自体が当該分野の研究開発や人材育成等を促進する

などの波及効果を生じているか。

*知的基盤・標準整備等の研究開発の場合

3.研究開発成果について

(1)目標の達成度

・ 成果は目標値をクリアしているか。

・ 全体としての目標達成はどの程度か。

・ 目標未達成の場合、目標達成までの課題を把握し、課題解決の方針が明確

になっているか。

(2)成果の意義

・ 成果は市場の拡大或いは市場の創造につながることが期待できるか。

・ 成果は、世界初あるいは世界 高水準か。

・ 成果は、新たな技術領域を開拓することが期待できるか。

・ 成果は汎用性があるか。

・ 投入された予算に見合った成果が得られているか。

・ 成果は公開性が確保されているか。

(3)知的財産権等の取得及び標準化の取組

・ 研究内容に新規性がある場合、知的財産権等の取扱(特許や意匠登録出願、

著作権や回路配置利用権の登録、品種登録出願、営業機密の管理等)は事

業戦略、または実用化計画に沿って国内外に適切に行われているか。

・ 国際標準化に関する事項が計画されている場合、得られた研究開発の成果

に基づく国際標準化に向けた提案等の取組が適切に行われているか。

Page 148: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

参考資料 1-13

(4)成果の普及

・ 論文の発表は、研究内容を踏まえ適切に行われているか。

・ 成果の受取手(ユーザー、活用・実用化の想定者等)に対して、適切に成

果を普及しているか。また、普及の見通しは立っているか。

・ 一般に向けて広く情報発信をしているか。

4.実用化の見通しについて

(1)成果の実用化可能性

・ 整備した知的基盤についての利用は実際にあるか、その見通しが得られて

いるか。

・ 公共財として知的基盤を供給、維持するための体制は整備されているか、

その見込みはあるか。

・ 国際標準化に関する事項が計画されている場合、国際規格化等、標準整備

に向けた見通しが得られているか。

・ JIS化、標準整備に向けた見通しが得られているか。注)国内標準に限る

・ 一般向け広報は積極的になされているか。

(2)波及効果

・ 成果は関連分野への波及効果(技術的・経済的・社会的)を期待できるも

のか。

・ プロジェクトの実施自体が当該分野の研究開発や人材育成等を促進する

などの波及効果を生じているか。

Page 149: 3.7 ロボットスーツ HAL の開発 (1)研究概要及び … 1 3.7 ロボットスーツHAL の開発 (1)研究概要及び目標の達成度 高齢者,運動機能障害者の介護問題は,現在そして未来の大きな社会的問題である.

参考資料2 評価に係る被評価者意見

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参考資料 2-1

研究評価委員会(分科会)は、評価結果を確定するに当たり、あらかじめ当

該実施者に対して評価結果を示し、その内容が、事実関係から正確性を欠くな

どの意見がある場合に、補足説明、反論などの意見を求めた。研究評価委員会

(分科会)では、意見があったものに対し、必要に応じて評価結果を修正の上、

終的な評価結果を確定した。 評価結果に対する被評価者意見は全て反映された。

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本研究評価委員会報告は、独立行政法人新エネルギー・産業技術

総合開発機構(NEDO)研究評価広報部が委員会の事務局とし

て編集しています。

平成21年3月

NEDO研究評価広報部 統括主幹 竹下 満 主幹 寺門 守

担当 森山 英重

*研究評価委員会に関する情報はNEDOのホームページに掲載してい

ます。

(http://www.nedo.go.jp/iinkai/kenkyuu/index.html)

〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310番地

ミューザ川崎セントラルタワー16F

TEL 044-520-5161 FAX 044-520-5162