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1 4熱力学第2法則 The Second Law of Thermodynamics 熱力学法則の要約 熱力学 圓山重直 4熱力学第2法則 ニューコメンの熱機関 熱力学 圓山重直

第4章 熱力学第2法則 - ifs.tohoku.ac.jp

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第4章 熱力学第2法則

The Second Law of Thermodynamics

熱力学法則の要約

熱力学 圓山重直

第4章 熱力学第2法則

ニューコメンの熱機関

熱力学 圓山重直

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第4章 熱力学第2法則

ニューコメンの熱機関

熱力学 圓山重直

第4章 熱力学第2法則

ニューコメンの熱機関

熱力学 圓山重直

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第4章 熱力学第2法則片平まつりイベント風景

ニューコメンの熱機関

熱力学 圓山重直

第4章 熱力学第2法則片平まつりイベント風景

ニューコメンの熱機関

熱力学 圓山重直

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第4章 熱力学第2法則

熱力学第2法則

The Second Law of Thermodynamics

熱効率に限界はあるか?ニューコメンの熱機関

熱力学 圓山重直

現代の火力発電プラント

第4章 熱力学第2法則

熱力学第2法則

The Second Law of Thermodynamics

熱効率に限界はあるか?

熱力学 圓山重直熱効率の歴史的変遷

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第4章 熱力学第2法則

カルノー

Nicolas Leonard Sadi Carnot

熱力学 圓山重直

1803 18301824年「火の動力、およ

び、この動力を発生させるに適した機関についての考察」発表

第4章 熱力学第2法則

カルノーの疑問

(1)(1)

(2)

(3)

熱力学 圓山重直

(3)

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6

第4章 熱力学第2法則

カルノーの定式化

1) (等温過程と断熱過程)

2))

3)

実用的な熱機関のデ 化

熱力学 圓山重直

モデル化

=単純化

第4章 熱力学第2法則

カルノーが得た結果

(1)

(2)

(3)

熱力学 圓山重直

(3).

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第4章 熱力学第2法則

熱機関の熱効率(thermal efficiency)

熱力学第1法則より

H LL Q Q

熱力学 圓山重直

H LQ Q

第4章 熱力学第2法則

冷凍機(refrigerator)とヒートポンプ(heat pump)

動作係数(coefficient of performance)COP,成績係数とも言う

熱力学 圓山重直

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第4章 熱力学第2法則

冷凍機(refrigerator)とヒートポンプ(heat pump)

電気ヒートポンプの動作係数は通常1より大きく,

冷房熱量

(a)冷房

電気

放熱

つまり、ヒートポンプとは,1の仕事を入力することによって3~6倍の熱を汲み上

熱力学 圓山重直

暖房熱量

(b)暖房

エアコンの動作

吸熱

よって3~6倍の熱を汲み上げることができる環境負荷の小さい装置である.

電気ヒーターで暖房する場合は1の電気入力で1の熱量しか得られない

第1章 概 論

熱力学の質問これが説けたら講義を受ける必要なし

・熱って何だろう

・電気エネルギーと熱エネルギーはどちらが得か?

・電気ヒーターとエアコンで暖房するのではどちらが得か?

熱力学 圓山重直

・一般にディーゼルエンジンとガソリンエンジンではどちらが単位燃料当たりに多く走るか?

・宇宙のエントロピーは増大している(なんだこれは)

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第4章 熱力学第2法則

カルノーサイクル (Carnot cycle)

サイクルビデオ

熱力学 圓山重直

第4章 熱力学第2法則

カルノーサイクル (Carnot cycle)

・1→2の過程:等温膨張・1→2の過程:等温膨張(絶対温度TH (K)の熱源から熱量を受ける)

・2→3の過程:断熱膨張

・3→4の過程:等温圧縮(絶対温度TL (K)の熱源に熱量を捨てる)

熱力学 圓山重直

(絶対温度TL (K)の熱源に熱量を捨てる)

・4→1の過程:断熱圧縮

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第4章 熱力学第2法則

理想気体のカルノーサイクル

・等温膨張1→2:(4.16)

・断熱膨張2→3:

・等温圧縮3→4:

・断熱圧縮4→1:

(4.16)

(4.17)

(4.18)

(4.19)

熱力学 圓山重直

(4.20)

第4章 熱力学第2法則

理想気体のカルノーサイクル

4 3Carnot

2 1

ln1 1

lnLL

H H

mRT V VQ

Q mRT V V

(4.20) 2 1H HQ

理想気体の断熱過程から

(4.24)

熱力学 圓山重直

( . )

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第4章 熱力学第2法則

理想気体のカルノーサイクル

逆カルノーサイクルによる冷凍機とヒートポンプの理論最大動作係数

(4.25)

熱力学 圓山重直

(4.26)

第4章 熱力学第2法則

エントロピー(entropy)

カルノーサイクルの効率より

(4.24)

右図の記号を使うと(4.24)は、1

熱力学 圓山重直

または 2

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第4章 熱力学第2法則

一般に、下図のような断熱変化に挟まれた等温変化を考えると

3

3

2

2

1

1

T

Q

T

Q

T

Q revrevrev

微小変化に対するエントロピー

系から出る熱に負号を付けるとN個の熱源と作用するサイクルは

1 2

11 2

0n

n i

in i

Q Q Q Q

T T T T

微小変化に対する ント

の定義は

熱力学 圓山重直

または は可逆変化を表すrevQ

第4章 熱力学第2法則

エントロピー(entropy)

Q Q

カルノーサイクルでは

1 2

1 2

0rev revQ QS

T T

一般の可逆サイクルでは

つまり

2Q2

熱力学 圓山重直

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第4章 熱力学第2法則

エントロピー(entropy)

一般の可逆サイクルでは

つまり

熱力学 圓山重直

エントロピーは変化の経路によらず決まるので

第4章 熱力学第2法則

熱力学第2法則

・Clausiusの表現:

自然界に何らの変化も残さないで,

熱を低温から高温の物体へ継続して移動させる装置を作ることは不可能である

熱力学 圓山重直

第2法則に反する装置

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第4章 熱力学第2法則

熱力学第2法則

Kelvin-Planckの表現:

自然界に何らの変化を残さないで一定温度の熱源の熱を継続して仕事に変換する装置を作ることは不可能である

熱力学 圓山重直

第2法則に反する装置

第4章 熱力学第2法則

熱力学第2法則

熱力学 圓山重直

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第4章 熱力学第2法則

不可逆サイクル

Carnot 1 LT(可逆サイクル) Carnot

HT( )

Carnot1 1L Lir

H H

Q T

Q T(不可逆サイクル)

0H LQ Q

T T (不可逆サイクル) (4.31)

系から熱が流出する場合を負に取ると

<0

熱力学 圓山重直

H LT T

第4章 熱力学第2法則

不可逆サイクル

一般のサイクルでは

Q Q0H L

H L

Q Q

T T (4.32)

N個の熱源と作用するサイクル

1 2

11 2

0n

n i

i i

Q Q Q Q

T T T T

熱力学 圓山重直

11 2 in iT T T T

連続変化を考えると (Clausius inequality)

(4.42) が導かれる

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第4章 熱力学第2法則

不可逆過程におけるエントロピー生成

2 1rev 0

Q Q Q (4 47)

Qrev

1 2

0T T T

(4.47)

2rev

2 1

1

QS S

T

(4.46)

2

2 1

QS S

T

熱力学 圓山重直

2 1

1 Tエントロピー輸送  エントロピー変化

非状態量  状態量

(4.49)

第4章 熱力学第2法則

不可逆過程におけるエントロピー生成

エントロピー生成(entropy generation あるいは entropy production)py g py p

(4.49)

熱力学 圓山重直エントロピー増加の原理あるいはエントロピー最大の原理

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第2法則のまとめ

自然現象はすべてエントロピー生成が発生する方向に進む.つまり の過程のみ起きつまり の過程のみ起き,この原理に反する現象は不可能である.

ある平衡状態で定まるエントロピーは状態量であり,その平衡状態に達するまでの過程に依存しない.

理想化した可逆過程では エントロピー生成はゼロになる

0genS >

熱力学 圓山重直

理想化した可逆過程では,エントロピー生成はゼロになる

エントロピー変化を計算するためには,どのような経路によっても計算することが可能である.

第4章 熱力学第2法則

エントロピー変化の式

準静的過程の熱力学の第1法則の式

d dQ U p V

rev dQ T S

rev d dQ U p V

熱力学 圓山重直

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第4章 熱力学第2法則

理想気体のエントロピー変化

d dd

u p v d dd

TRv

dp

sT T

d dd

h ps

T T

v

ds c RT

vd d

d p

T ps c R

T p

理想気体が状態1 から状態2 に変化した場合の比エントロピー変化量

1 1 1, ,p Tv 2 2 2, ,p Tv

熱力学 圓山重直

場合 比 ン 変化量

第4章 熱力学第2法則

液体,固体のエントロピー変化

固体や液体の場合は,体積変化が気体に比べ無視できるほど小さい つまり定圧比熱と定積比熱のできるほど小さい.つまり定圧比熱と定積比熱の区別は必要無くなり となる.

pc c c v

熱力学 圓山重直

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第4章 熱力学第2法則

エントロピー生成

2

gen 2 1

1

0Q

S S ST

(4 49)(4.49)

22 1

1

lnT

S S cmT

(4.70)

熱力学 圓山重直

第4章 熱力学第2法則

エントロピー生成

2 1 2 1 genlnS S mc T T S (4 72)(4.72)

(a)エントロピー変化は熱移動に伴うエントロピー輸送だけとなり、

熱力学 圓山重直

(b)状態変化はすべて攪拌という不可逆過程によってなされている最終状態は可逆過程による(a)と同じなので

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第4章 熱力学第2法則

2物体の接触によるエントロピー生成

cm

TH ,

cm

TL ,それぞれのエントロピー変化

cm, cm,

Q系全体のエントロピー変化

1H 1L

熱力学 圓山重直

cm

TT LH

,

,/)( 2cm

TT LH

,

,/)( 2LH

LH TTTT

2

より2H 2L

第4章 熱力学第2法則

第4章終わり

熱力学 圓山重直