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「安全・環境・コンプライアンス」を最優先に、いかなる変化にも対応できる企業へ
4名の社外取締役に、リコーのコーポレート・ガバナンスや持続的成長に向けた課題などについて聞きました。
“IoT時代”をチャンスととらえ攻める、一方で“三現主義”も忘れずに
ICT、AI、IoT(InternetofThings)といった分野の技術は、我々
の想像をはるかに超えるスピードで進化しており、当社ビジネスと関
連が深いオフィスを取り巻く環境や構造そのものが大きく変化してい
ます。日米欧のような成熟した市場では、これらの分野での技術に
磨きをかけ、イノベーションを起こし、いかに顧客価値を創造し、高め
ていくかが問われています。一方、成長する新興国市場においては、
シンプルなシステムで顧客の生産性向上に寄与するといった地域戦
略が必要です。
私はこうした観点に立ち、リコーグループの強みを理解しつつ、取
締役会では自身の経験をもとにそれぞれの案件に対して意見を述べ
ることを心がけています。
また、変化に対応する中においても、常に「安全・環境・コンプライ
アンス」が最優先であることを述べつづけ、この文化を社員全員に根
づかせたいと考えています。私はリコーの社外取締役として、社員
がいきいきと働き、達成感が持てる企業風土づくりに貢献できればと
の思いで、今後も取締役会に臨んでまいります。現職株式会社小松製作所取締役会長、日本電気株式会社社外取締役
選任理由株式会社小松製作所の経営者として豊富な経験を有し、独立した立場から当社意思決定に対するチェックおよび助言を期待。活動状況2017年3月期の取締役会13回のうち12回出席。
野路 國夫
コンピュータ、通信、メモリの絶え間ない飛躍が、IoT社会を創り出
しました。さまざまなモノ・コトがインターネットにつながって情報を
やり取りし、新しい価値を世の中に提供する社会です。リコーもMFP
や360°カメラRICOHTHETAなどを中心に据え、IoTに取り組んで
います。これまでの製品やサービスは開発者のアイディア、発明を基
に作られてきましたが、それに対して、IoTではTHETAを何につなげ
るかは誰にでも考えられます。社員総がかりで斬新なサービスのア
イディアを出すことが求められ、やれそうなものにはすぐ着手する、そ
のような社内の風土づくりに貢献したいと思っています。
一方で、おろそかになりがちなのが“三現主義”です。これはホン
ダの創始者である本田宗一郎の基本哲学として知られていますが、
現場で現実に起こった現物のみを信じるという考え方です。これをそ
のまま現在に適用するのは無理がありますが、考えの本質は時代を
超えて通用するものです。企業の規模が大きくなると「現場」「現実」
「現物」に目が届かなくなるものです。この観点で経営を監督したい
と思っています。現職日本学術会議連携会員、清華大学(中国)顧問教授、TDK株式会社顧問財団法人東芝国際交流財団評議員
選任理由株式会社東芝の執行役専務および最高技術責任者、また、東京理科大学大学院イノベーション研究科教授の経験を有し、経営能力と技術戦略に関する幅広い知見に基づいた当社意思決定に対するチェックおよび助言を期待。活動状況2017年3月期の取締役会13回のうち13回出席。
東 実
社外取締役からのコメント
取締役会の実効性に関するコメント
昨年の実効性評価であがった取締役会の課題については改善が進んでおり、指名委員会、報酬委員会ともに機能しました。2018年3月期は、成長戦略やグローバル経営の強化など、リコーの再起動に向けて重要となる議論を一層深めていきたいと考えています。
取締役会の実効性に関するコメント
2017年3月期の取締役会においては、一年を通じて議題選定の適正化と報告事項の運営効率が行われた結果、中期経営計画の討議をしっかり行うことができました。これからは研究開発や新規事業など、当社の未来に向けた議論をさらに充実させていくことが必要と考えています。
53 Ricoh Group Sustainability Report 2017
広い視野と長い視程で、事業戦略策定と経営判断に貢献
ダイバーシティな視点と発想で事業成長とサステナビリティ向上の両立へ
社外取締役としての私の役割は、総合商社の経営で培った広い視
野と長い視程で、リコーグループの事業戦略策定と経営判断に貢献
することだと認識しています。
グローバル化した経済においては、事業展開の選択肢は飛躍的に
増えていますし、判断を下すための材料も無数に存在します。自らの
行動がおよぼす影響も広範におよび、予期せぬ障害や批判に直面し
てしまうこともあり得ます。そうした状況下で最善の判断を下し、危
機を回避していくためには、世界各国のさまざまな企業や人々をとら
える広い視野が欠かせないでしょう。
また、AIやIoT、ロボティクス等の分野を中心とする技術革新のバ
リエーションの広がりとインパクトの大きさを考えますと、新しい技術
を収益事業に結びつけていく、粘り強い取り組みが一段と重要になり
ます。企業の経営にあたっては、短期的な得失に固執し過ぎると、長
期的な企業価値の向上を阻害しかねません。私は社外取締役として、
その点には特に留意して、取締役会としての監督機能の発揮に貢献
してまいります。
飯島 彰己
現職三井物産株式会社代表取締役会長
選任理由 三井物産株式会社での経営者としての豊富な経験を有しており、独立性の高い立場から、当社意思決定に対するチェックおよび助言を期待。活動状況社外取締役に就任してからの2017年3月期の取締役会11回のうち10回出席。
グローバルな社会課題の解決に向けて、持続可能な開発目標
(SDGs)2030アジェンダへの取り組みが求められています。今後、
企業は、この地球規模の課題に積極的に取り組む俊敏性や、経営の
倫理観などが評価されることになるでしょう。リコーは、19次中期
経営計画にSDGsを踏まえた目標をいち早く設定した企業です。実
行には、コアビジネスや新規事業へのイノベーションをSDGsにアラ
インさせることも、重要となります。
私は社外取締役として、企業と大学の経験をもとに、社内とは異
なるダイバーシティな視点と発想で、イノベーションによる事業成長
とサステナビリティの向上の両立に取締役会を通して貢献していき
ます。
「Society5.0」が進み、常識が覆される時代へ突入します。世界
最大の小売店が店舗をもたない現在、会社はオフィスをもたない、と
いう時代がやってくるでしょう。リコーは「知の創造」の真のイノベー
ションにより、社会をグランドデザインし、さらに進展すると信じてい
ます。
波多野 睦子
現職東京工業大学工学院電気電子系教授、日本学術会議会員
選任理由 東京工業大学工学院電気電子系教授として、またその他多くの行政機関委員などの経験を有しており、独立性の高い立場から、当社意思決定に対するチェックおよび助言を期待。活動状況社外取締役に就任してからの2017年3月期の取締役会11回のうち10回出席。
取締役会の実効性に関するコメント
取締役会や指名、報酬の各委員会において、社外取締役や社内非執行取締役による自由闊達な議論が行われています。2018年3月期は監査や内部統制なども含めた全社視点でガバナンスを点検し、改善する取り組みを進めてまいりたいと思います。
取締役会の実効性に関するコメント
リコーの取締役会は、ガバナンスが働く中で、真剣勝負の活発な議論が行われています。19次中計の達成に向けては、グローバルな視野からのスピード感ある、透明性が高い審議と意思決定を、さらに進化させていく必要があると考えています。
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Value Creation Business Strategy Value Drivers Governance Data & Profile
Ricoh Group Sustainability Report 2017