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霊性の評価について

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精神世界を好む人たちの傾向として、人を霊的(スピリチュアル)なレベルで評価・判断しようとする人が多いように見受けられます。人にはそれぞれ異なる霊性があるのは事実だと思います。それを見極めることは悪いことではないと思いますが、人を差別的に評価するための基準として用いるのは間違いだと思います。

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二〇一二年六月二十九日

霊性の評価について

ある指導者の霊的なレベルを占ってほしいという

相談を受けたのですが、それならまずあなたのレベ

ルはどの程度なのかと聞いてみたところ、その相談

者は答えることができませんでした。自分のことも

わからないのに他人のことなど評価できるでしょう

か。精

神世界を好む人たちの傾向として、人を

スピリチュアル

的な

レベルで評価・判断しようとする人が多いように見

受けられます。

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「あの人は霊的に優れている」

「あの人の霊性は低レベルだから……」

「後光が差して見える」

「オーラを発している」

などと自分なりに人の霊性を判断し、レベルが高

い人を尊敬し、低い人は軽蔑するといったような傾

向もあるのではないでしょうか。その判断力を「霊

感」と呼んだりもします。

仮にその判断力=霊感が正確であったとしても、

それによって人を評価し、上下のランク付けをした

り、付き合う相手を変えたりするような行為は好ま

しいものとは思えません。もしそのようなことがあ

るならば、霊感の強い人の前では常に何かを見透か

されているように感じ、自分がどのような評価をさ

れるのかとびくびくと怯えることになるでしょう。

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私は、そんな霊能者と付き合いたいとは思いませ

ん。人

にはそれぞれ異なる霊性があるのは事実だと思

います。それを見極めることは悪いことではないと

思いますが、人を差別的に評価するための基準とし

て用いるのは間違いだと思います。

人の霊性を見極めたならば、それに合わせて自分

の霊性も変化させることで良好な人間関係を築くこ

とができるでしょう。それが調和と呼ばれるもので

あり、精神世界の目指す理想なのだと思います。

精神世界を好む人たちの多くが勘違いしているの

は、霊感を超能力か何かのように特別で素晴らしい

力だと考え、それによる超常的な現象や神秘体験を

得ること目的としてしまっていることです。神秘的

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な体験をすることで一時的な幸福感を得られること

から、その麻薬のような快楽に中毒してしまってい

るのではないでしょうか。霊的に優れている人物を

崇拝したがるのも、その快楽を与えてくれる期待感

があるからかもしれません。これではいつまでたっ

ても調和など得られるはずもありません。

「あなたの霊的なレベルは今どの程度なのかご説

明いただけますか?」

それを言葉にすることができるならば、その人が

そのレベルに到達していることの証明にもなるで

しょう。

ブッダやイエスといったような霊性の高みに到達

したような人たちでさえ、私たちに理解できるよう

な人間の言葉でその霊性について語ってくれまし

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た。それが彼らのもたらした調和であり、神秘体験

の源と言ってもいいでしょう。

私たちもまた、自分がどのレベルにいようとも、

それを人に伝える言葉を持たなければなりません。

相手がまだ自分よりも低い位置にいると思うので

あれば、身をかがめて相手と同じ目線で話せば、あ

なたの言葉を伝えることができます。

相手があなたよりも高い位置にいるのなら、その

人の霊的なレベルを見極めようなどと思う必要すら

ありません。その人はあなたの目線まで下りてきて

話してくれるでしょう。

それが、調和であり、

それが、愛なのだと思います。

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タロット占い師 アポロ