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TX テクノロジー・ショーケース in つくば 2010 はじめに 現在、免許を保有したドライバの高齢化に伴い、高齢ド ライバの増加が予想され、その高齢ドライバを対象とした 研究も数多く行われ始めている(1-3)。高齢者ドライバは、 一般的に運転能力にばらつきが大きいと言われ、安全で 効率的な移動手段を確保する上で運転支援は重要であり、 運転が苦手なドライバを含めた運転弱者への支援システ ムは、重要性がさらに増すものと考えられる。また、機器等 に不慣れな高齢者にとっては、なるべくシンプルで使いや すいものが期待されている。 本研究では、高齢者向けの支援システムとして、リアル タイムに誘導を行う駐車支援(以後 駐車誘導支援)と、教 育的に駐車の操作指示支援(以後 駐車教育支援)の有 効性に関する結果と、運転者特性把握のための運転スタ イルチェックシートおよび運転負担感受性チェックシート (文献(4)により提案、以後 それぞれDSQWSQ)による分 類、駐車支援に関するアンケート等のすべての結果を複 合的に分析することにより、高齢ドライバの運転支援シス テム受容性に対する一考察を述べる。 高齢被験者による実験 被験者は、運転免許を保有し、現在でも自動車を運転 する65歳以上の高齢者とした。 実験の流れを図1に示す。 まず、高齢被験者の通常の駐車動作を記録する。次に、 被験者に普段の運転やシステムに関するアンケートを実 施する。この際DSQ WSQ を算出する ための設問にも答 えてもらい、被験者 DSQ WSQの分 類を行う。次にそれ ぞれ駐車誘導支援 の実験(5)、 駐車教 1 研究の流れ 育支援の実験を行い(6)、最後にそれぞれの支援システム に関するアンケートを実施する。これらの結果を総合的に 分析し、支援システムに関しての分析を行う。 まとめと今後の予定 本研究では、様々な被験者において、駐車支援を行う システムの体験結果やアンケート結果、運転スタイルと運 転負担感受性チェックシートの結果を合わせて、分析を行 ったところ、システムの有効性と性別や運転スタイル、利 用料の要望等の分類において興味深い結果が得られた。 例えば、運転頻度が高い人ほど、誘導・教育支援システム による駐車が改善されにくいという結果などが得られた。 今後支援が必要とされると予想されうる高齢ドライバの支 援においては一般的な性別などの問題に加えて、さまざ まな高齢ドライバの特徴を考慮して、必要な支援システム の構築を行うことが重要であると考える。 参考文献 (1) 鎌田 実, 高齢者の移動, Proceedings of ITS Symposium, (2003), pp.11-16. (2) 蓮花 一己, 高齢ドライバの特徴,Proceedings of ITS Symposium, (2003), pp.17-23. (3) 所 正文,高齢ドライバー激増時代,芸文社, (2007). (4) 石橋基範,大桑政幸,赤松幹之, 運転者特性把握 のための運転スタイル・運転負担感受性チェック シートの開発, 春季大会学術講演会前刷集, No.55-02(2002)pp.9-12. (5) 橋本 尚久,加藤 晋,津川 定之,外部の駐車支援 システムにおける音声誘導の検討 -高齢ドライバ による実験評価-,電気学会論文誌D産業応用部門 誌,129-22009pp.222-227(6) 橋本 尚久,加藤 晋,津川 定之,高齢被験者にお ける駐車操作の向上のためのシステム検討,自動 車技術会論文集,39-62008pp.271-276情報通信技術 高齢者のための支援システムにおける 受容性に関する検討 代表発表者 独立行政法人 産業技術総合研究所 知能システム研究部門 問合せ先 305-8568 つくば市梅園 1-1-1 つくば中央第 2 TEL: 029-861-7029, FAX:029-861-7029 [email protected] ■ キーワード: (1) 高齢者 (2) モビリティ (3) 移動支援システム 1. System logs each driver’s parking 2. Questionnaire as to system, DSQ and WSQ 5. Questionnaire as to system 3. Experiments with guidance application 4. Experiments with education application Analysis from results of Questionnaires, two experiments, DSQ and WSQ P-92 -94-

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TX テクノロジー・ショーケース in つくば 2010

■ はじめに

現在、免許を保有したドライバの高齢化に伴い、高齢ド

ライバの増加が予想され、その高齢ドライバを対象とした

研究も数多く行われ始めている(1-3)。高齢者ドライバは、

一般的に運転能力にばらつきが大きいと言われ、安全で

効率的な移動手段を確保する上で運転支援は重要であり、

運転が苦手なドライバを含めた運転弱者への支援システ

ムは、重要性がさらに増すものと考えられる。また、機器等

に不慣れな高齢者にとっては、なるべくシンプルで使いや

すいものが期待されている。 本研究では、高齢者向けの支援システムとして、リアル

タイムに誘導を行う駐車支援(以後 駐車誘導支援)と、教

育的に駐車の操作指示支援(以後 駐車教育支援)の有

効性に関する結果と、運転者特性把握のための運転スタ

イルチェックシートおよび運転負担感受性チェックシート

(文献(4)により提案、以後 それぞれDSQ、WSQ)による分

類、駐車支援に関するアンケート等のすべての結果を複

合的に分析することにより、高齢ドライバの運転支援シス

テム受容性に対する一考察を述べる。

■ 高齢被験者による実験

被験者は、運転免許を保有し、現在でも自動車を運転

する65歳以上の高齢者とした。 実験の流れを図1に示す。

まず、高齢被験者の通常の駐車動作を記録する。次に、

被験者に普段の運転やシステムに関するアンケートを実

施する。この際DSQとWSQを算出する

ための設問にも答

えてもらい、被験者

のDSQ、WSQの分

類を行う。次にそれ

ぞれ駐車誘導支援

の実験(5)、 駐車教 図1 研究の流れ

育支援の実験を行い(6)、最後にそれぞれの支援システム

に関するアンケートを実施する。これらの結果を総合的に

分析し、支援システムに関しての分析を行う。 ■ まとめと今後の予定

本研究では、様々な被験者において、駐車支援を行う

システムの体験結果やアンケート結果、運転スタイルと運

転負担感受性チェックシートの結果を合わせて、分析を行

ったところ、システムの有効性と性別や運転スタイル、利

用料の要望等の分類において興味深い結果が得られた。

例えば、運転頻度が高い人ほど、誘導・教育支援システム

による駐車が改善されにくいという結果などが得られた。

今後支援が必要とされると予想されうる高齢ドライバの支

援においては一般的な性別などの問題に加えて、さまざ

まな高齢ドライバの特徴を考慮して、必要な支援システム

の構築を行うことが重要であると考える。

■ 参考文献

(1) 鎌田 実, 高齢者の移動, Proceedings of ITS Symposium, (2003), pp.11-16.

(2) 蓮花 一己, 高齢ドライバの特徴,Proceedings of ITS Symposium, (2003), pp.17-23.

(3) 所 正文,高齢ドライバー激増時代,芸文社,(2007).

(4) 石橋基範,大桑政幸,赤松幹之, 運転者特性把握のための運転スタイル・運転負担感受性チェックシートの開発, 春季大会学術講演会前刷集,No.55-02,(2002),pp.9-12.

(5) 橋本 尚久,加藤 晋,津川 定之,外部の駐車支援システムにおける音声誘導の検討 -高齢ドライバによる実験評価-,電気学会論文誌D産業応用部門誌,129-2,2009,pp.222-227.

(6) 橋本 尚久,加藤 晋,津川 定之,高齢被験者における駐車操作の向上のためのシステム検討,自動車技術会論文集,39-6,2008,pp.271-276.

情報通信技術

高齢者のための支援システムにおける 受容性に関する検討

代表発表者 �� ������� ����� 所 属 独立行政法人 産業技術総合研究所

知能システム研究部門

問合せ先 〒305-8568 つくば市梅園 1-1-1 つくば中央第 2

TEL: 029-861-7029, FAX:029-861-7029 [email protected]

■ キーワード: (1) 高齢者 (2) モビリティ (3) 移動支援システム

1. System logs each driver’s parking

2. Questionnaire as to system, DSQ and WSQ

5. Questionnaire as to system

3. Experiments with guidance application

4. Experiments with education application

Analysis from results of Questionnaires, two experiments, DSQ and WSQ

P-92

-94-