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原子力発電 湿 湿 -溶解槽洗浄原子力技術研究所 次世代サイクル原子力技術研究所 次世代サイクル■研究の目的 (本研究は、EU超ウラン元素再処理工場の使用済燃料溶解工程原子力技術研究所 次世代サイクルン(Mo)とルコニム(Zr)し、・(H 2 O) 2 )の沈殿物(スラッジ)が生成し、るために定期的な洗浄を行う必要があを用いて洗浄することとしている。わが(H 2 O 2 )を含む硝酸による洗浄技術をこいた試験等が行われてきた。本研究で際の使用済燃料を用いたスラッジ生成検証試験■主な成果 1. 使用済燃料を用いた試験に先立ち、MoとZrの試薬を添加して加熱する試した さらに これらのスラッジは過酸化 したさらにこれらのスラッジは過酸化 2. 燃焼度60MWd/tの実使用済PWR燃MoとZrによりスラッジが生成するこ水素により溶解した。さらに、過酸化混在した状態でも、十分にスラッジ■特長 わが国で開発された新しいスラッジ解液から生成したスラッジに適用し、そ■成果の使われ方 洗浄後の余剰な過酸化水素を処理再処理工場へ適用可能な技術となる。 A23 術の開発 - 上席研究員 塚田 毅志 領域 主任研究員 宇佐見 究所との共同研究で実施) おいて、いったん硝酸に溶解したモリブ ブデ 領域 主任研究員 宇佐見 ブデルコニム(Mo 2 ZrO 7 (OH) 2 解槽の壁面等に付着する。蓄積を避け 、これまでは、硝酸や水酸化ナトリウム では、二次廃液の少ない過酸化水素 までに開発し、模擬ウラン燃料等を用 、欧州超ウラン元素研究所において実 験および過酸化水素による洗浄技術 照射MOX燃料を溶解・調整した溶液に においてスラッジが生成することを確認 化水素により溶解することを確認した 化水素により溶解することを確認したを溶解した場合にも、燃料に含まれる を確認した。これらのスラッジは過酸化 素の分解が懸念される不溶解残渣が 溶解できることを確認した。 浄・除去技術を、実際の使用済燃料溶 有効性を初めて検証した。 る方法等を確立することにより、六ヶ所

A23 · A23 術の開発-域上席研究員塚田毅志 領域主任研究員宇佐見剛 究所との共同研究で実施) おいて、いったん硝酸に溶解したモリブ

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Page 1: A23 · A23 術の開発-域上席研究員塚田毅志 領域主任研究員宇佐見剛 究所との共同研究で実施) おいて、いったん硝酸に溶解したモリブ

原子力発電

湿 式 再湿 式 再-溶解槽洗浄技

原子力技術研究所 次世代サイクル領

原子力技術研究所 次世代サイクル領

■研究の目的 (本研究は、EU超ウラン元素研

再処理工場の使用済燃料溶解工程に

デ ジ ウ が 応

原子力技術研究所 次世代サイクル領

デン(Mo)とジルコニウム(Zr)が反応し、モ

・(H2O)2)の沈殿物(スラッジ)が生成し、溶

るために定期的な洗浄を行う必要があり

を用いて洗浄することとしている。わが国

(H2O2)を含む硝酸による洗浄技術をこれ

いた試験等が行われてきた。本研究では

際の使用済燃料を用いたスラッジ生成試

の検証試験を行った。の検証試験を行 た。

■主な成果

1. 使用済燃料を用いた試験に先立ち、未

MoとZrの試薬を添加して加熱する試験

した さらに これらのスラッジは過酸化した。さらに、これらのスラッジは過酸化

2. 燃焼度60MWd/tの実使用済PWR燃料

MoとZrによりスラッジが生成すること

水素により溶解した。さらに、過酸化水

混在した状態でも、十分にスラッジが

■特長

わが国で開発された新しいスラッジ洗

解液から生成したスラッジに適用し、その

■成果の使われ方

洗浄後の余剰な過酸化水素を処理す

再処理工場へ適用可能な技術となる。

再 処 理

A23

再 処 理技術の開発 -

領域 上席研究員 塚田 毅志領域 主任研究員 宇佐見 剛

研究所との共同研究で実施)

において、いったん硝酸に溶解したモリブ

ブデ 酸ジ ウ

領域 主任研究員 宇佐見 剛

モリブデン酸ジルコニウム(Mo2ZrO7(OH)2

溶解槽の壁面等に付着する。蓄積を避け

り、これまでは、硝酸や水酸化ナトリウム

国では、二次廃液の少ない過酸化水素

れまでに開発し、模擬ウラン燃料等を用

は、欧州超ウラン元素研究所において実

試験および過酸化水素による洗浄技術

未照射MOX燃料を溶解・調整した溶液に

験においてスラッジが生成することを確認

化水素により溶解することを確認した化水素により溶解することを確認した。

料を溶解した場合にも、燃料に含まれる

とを確認した。これらのスラッジは過酸化

水素の分解が懸念される不溶解残渣が

が溶解できることを確認した。

洗浄・除去技術を、実際の使用済燃料溶

の有効性を初めて検証した。

する方法等を確立することにより、六ヶ所

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Page 2: A23 · A23 術の開発-域上席研究員塚田毅志 領域主任研究員宇佐見剛 究所との共同研究で実施) おいて、いったん硝酸に溶解したモリブ

■キーワード:再処理、溶解工程、スラッジ、洗浄、過

図1 未照射MOX燃料溶

(a)未照射MOX燃料溶解液試験に用いた装置

(使用済燃料試験でも同様な装置をホットセル

(a) 燃料溶解液中で生成したスラッジ

(左)洗浄試験前

図2 使用済燃料溶

(c) ジルコニウム試験片上の

過酸化水素 A23

(b) MOX溶液中で生成したスラッジ

(c) MOX溶液中スラッジの過酸化水素

解液試験の様子

ル内で用いた)

による洗浄試験の様子

(b) 不溶解性残渣を含む燃料溶解液中スラッジ洗浄試験の様子

(右)洗浄試験後

溶解液試験の様子

のスラッジのSEM写真

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