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【はじめに】 介護保険制度は、急速に加速する高齢社会の「介護問題」に、わが国全体の問題として取り組むと いう目的から、平成12年4月から市町村を保険者としてスタートした社会保障制度です。 つまり、加齢などにより介護を要する状態になっても、高齢者の選択により、できる限り自立した 日常生活をおくることができるように、必要な介護サービスを総合的かつ一体的に提供するしくみで す。そして、介護サービスは、要介護状態又は要支援状態の軽減あるいは悪化の防止をする観点から、 またその方の心身の状況や生活環境に応じて提供されます。 介護サービスの給付の対象(被保険者)は、65 歳以上の要介護状態又は要支援状態の者と、要介護 状態又は要支援状態にある 40 歳以上 65 歳未満の特定疾病の基準を満たす者となっています。 また、介護保険制度については、平成 17 6 月に法律の一部が改正され平成18年4月より制度全 般に対する見直しが行われることとなりましたが、この中で特に要支援、要介護1といった軽度者に 対するサービスの内容や提供方法については、「新予防給付」を創設し、より「自立支援」に資するも のとなるよう、改められました。 要介護認定の手法についても、新予防給付の対象者を選定する観点から見直しが行われました。 【認定の基準】 要介護認定の審査判定は、「介護の手間に係る審査判定」と「状態の維持・改善可能性に係る審査判 定」の2つに分けることができます。 まず「介護の手間に係る審査判定」ですが、これは介護サービスがどのくらい必要であるか、すな わち、介護の手間を客観的に判断するものです。したがって、その方の病気の重症度や、「介護が大変 そうだ。」などのような主観により決めるものではありません。 「介護の手間に係る審査判定」では、介護の手間を「介護にかかる時間」で表すこととしており、 実際の介護の現場における介護時間調査(1分間タイムスタディ)の結果をもとに、5つの分野(「直 接生活介護」、「間接生活介助」、「問題行動関連行為」、「機能訓練行為」及び「医療関連行為」)を合計 した「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)を“ものさし”としています。 要介護度を表すには、さまざまな“ものさし”があります。その中で、現状では最も客観的である と考えられるものが「介護にかかる時間」であることから、全国共通の“ものさし”としています。 このため、「介護の手間に係る審査判定」において、精神的負担感や家族構成などの、「介護に係る 時間」以外の観点から審査判定を行うことは、公平公正の観点からのみならず、適正給付の観点から も適当ではないとされています。 介護の手間に係る審査判定で「要介護1相当」とされた者に対しては、続いて「状態の維持・改善 可能性に係る審査判定」を行います。具体的には「要介護1相当」とされたもののうち、新予防給付 の適切な利用が見込まれない状態像の者を「要介護1」と判定して、新予防給付の対象から除外し、 残りの者を「要支援2」と判定します。 これについても、介護保険制度施行以降の要介護認定のデータを活用し、全国共通の基準を設け、 それに基づきコンピュータによる支援が行われています。その方の持つ傷病や年齢などで、一律に判 定せず、後述する審査判定の流れにそって公平公正な審査判定が行われます。 Ⅰ.要介護認定について

Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

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Page 1: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

【はじめに】 介護保険制度は、急速に加速する高齢社会の「介護問題」に、わが国全体の問題として取り組むと

いう目的から、平成12年4月から市町村を保険者としてスタートした社会保障制度です。 つまり、加齢などにより介護を要する状態になっても、高齢者の選択により、できる限り自立した

日常生活をおくることができるように、必要な介護サービスを総合的かつ一体的に提供するしくみで

す。そして、介護サービスは、要介護状態又は要支援状態の軽減あるいは悪化の防止をする観点から、

またその方の心身の状況や生活環境に応じて提供されます。 介護サービスの給付の対象(被保険者)は、65 歳以上の要介護状態又は要支援状態の者と、要介護

状態又は要支援状態にある 40 歳以上 65 歳未満の特定疾病の基準を満たす者となっています。 また、介護保険制度については、平成 17 年 6 月に法律の一部が改正され平成18年4月より制度全

般に対する見直しが行われることとなりましたが、この中で特に要支援、要介護1といった軽度者に

対するサービスの内容や提供方法については、「新予防給付」を創設し、より「自立支援」に資するも

のとなるよう、改められました。 要介護認定の手法についても、新予防給付の対象者を選定する観点から見直しが行われました。

【認定の基準】

要介護認定の審査判定は、「介護の手間に係る審査判定」と「状態の維持・改善可能性に係る審査判

定」の2つに分けることができます。

まず「介護の手間に係る審査判定」ですが、これは介護サービスがどのくらい必要であるか、すな

わち、介護の手間を客観的に判断するものです。したがって、その方の病気の重症度や、「介護が大変

そうだ。」などのような主観により決めるものではありません。

「介護の手間に係る審査判定」では、介護の手間を「介護にかかる時間」で表すこととしており、

実際の介護の現場における介護時間調査(1分間タイムスタディ)の結果をもとに、5つの分野(「直

接生活介護」、「間接生活介助」、「問題行動関連行為」、「機能訓練行為」及び「医療関連行為」)を合計

した「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)を“ものさし”としています。

要介護度を表すには、さまざまな“ものさし”があります。その中で、現状では最も客観的である

と考えられるものが「介護にかかる時間」であることから、全国共通の“ものさし”としています。

このため、「介護の手間に係る審査判定」において、精神的負担感や家族構成などの、「介護に係る

時間」以外の観点から審査判定を行うことは、公平公正の観点からのみならず、適正給付の観点から

も適当ではないとされています。

介護の手間に係る審査判定で「要介護1相当」とされた者に対しては、続いて「状態の維持・改善

可能性に係る審査判定」を行います。具体的には「要介護1相当」とされたもののうち、新予防給付

の適切な利用が見込まれない状態像の者を「要介護1」と判定して、新予防給付の対象から除外し、

残りの者を「要支援2」と判定します。

これについても、介護保険制度施行以降の要介護認定のデータを活用し、全国共通の基準を設け、

それに基づきコンピュータによる支援が行われています。その方の持つ傷病や年齢などで、一律に判

定せず、後述する審査判定の流れにそって公平公正な審査判定が行われます。

Ⅰ.要介護認定について

Page 2: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

【申請から認定までの流れ】

※認定調査および介護認定審査会による審査・判定は、公平公正にまた客観的に行う必要があり、

全国一律の基準が設定されています。

第1号被保険者(65 歳以上) 第2号被保険者(40~64 歳の医療保険加入者)

で特定疾病(16疾病)の基準を満たす者

調査員による認定調査※ 調査項目の判断基準に関する研修を

受講した認定調査員が実施

介護認定審査会による審査・判定 (二次判定)※

(保健、医療、福祉に関する学識経験のある委員で構成)

介護サービス の利用が可能

要介護1~5

介護や支援が必要な状態になった場合

特記事項

非該当

要介護認定の申請 (市町村窓口)

主治医意見書

介護予防事業 の活用

介護予防サービス

の利用が可能

一次判定結果

基本調査(79項目+3項目)

要支援1・2

Page 3: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

1 要介護認定等基準時間の推計

要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

しています。一次判定でははじめに認定調査の結果から要介護認定等基準時間を推計します。 ①認定調査の結果のうち、極めてまれな組み合わせに警告が出ます。(警告コード) 心身の状況に関する67項目の調査結果のうち、異なる2つの調査項目において同時に出現する

ことが極めてまれである組み合わせがあった場合、調査結果記入上のミスがないかどうかを確認

するため、調査結果を一次判定ソフトに入力すると、警告が出る仕組みとなっています。

②心身の状況に関する調査67項目の調査結果から、中間評価項目得点を算出する。 中間評価項目とは、心身の状況に関する調査67項目の調査結果の傾向を統計的に分析し、同様の

結果が出やすい項目を7つの群に区分したものです。 個別の調査項目の傾向と67項目全体の傾向との関係の深さに応じて、調査項目の選択肢を統計

的に点数化してあり、各群の調査結果が全て【1.できる】【1.自立】であった場合、基本的には合

計得点が 100 点となるように配点されています。 認定調査の結果から、対象者の中間評価項目得点を群ごとに算出します。

群 調査項目

第1群 麻痺・拘縮に関連する項目 麻痺等の有無 など

第2群 移動等に関連する項目 寝返り、起きあがり、歩行 など

第3群 複雑な動作等に関連する項目 立ち上がり、洗身 など

第4群 特別な介護等に関連する項目 食事摂取、排尿、排便 など

第5群 身の回りの世話等に関連する項目 清潔保持、衣服着脱 など

第6群 コミュニケーション等に関連する項目 意思の伝達、記憶・理解 など

第7群 問題行動に関連する項目 不潔行為、火の不始末の有無 など

【中間評価項目計算例】

調査の結果が網掛け部分であった場合、 の部分の点数を合計して算出する。

寝返り できる 14.5 つかまれば可 3.8 できない 0.0

起き上がり できる 14.2 つかまれば可 2.2 できない 0.0

座位保持 できる 16.0 自分で支えれば可 10.0 支えが必要 2.6 できない 0.0

両足での立位 できる 14.3 支えが必要 3.1 できない 0.0 2群合計

歩行 できる 12.3 つかまれば可 1.8 できない 0.0

移乗 自立 14.8 見守り等 6.5 一部介助 2.0 全介助 0.0 55.6

2

群 移動

移動 自立 13.9 見守り等 4.7 一部介助 1.4 全介助 0.0

一次判定のしくみ

Page 4: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

③樹形図を使って要介護認定等基準時間を推計する。 樹形モデルは、認定調査項目と中間評価項目を分岐点として構成されています。つまり樹形モデルは、

調査結果に従って「1分間タイムスタディ・データ」の中から、対象者の心身の状況が最も近いデータを

探し出し、要介護認定等基準時間を推計するためものです。 樹形モデルは、平成 13 年 2~3 月に実施した「高齢者介護実態調査(施設調査)」での1分間タイムスタ

ディ(※)によって得られた結果に基づいて作成されており、またその妥当性は、平成13年6月に実施した

「高齢者介護実態調査(在宅調査)」の結果からも確認されています。 【樹形図の例】

「4-3食事摂取」が【1.自立】であり、「第5群 身の回りの世話等に関連する項目」の中間評価項

目合計得点が【60.6 点】の事例の場合、直接生活介助(食事)の要介護認定等基準時間は 0.7 分と

なります。

食事摂取

身の回り

調査項目(囲いなし)

ときどきある ある

19.7 以上 19.6 以下

3.1 0.7

中間評価項目 (囲いあり)

食事

自立 見守り等

第5群中間評価項目(身の回り)の 合計得点(例:60.6)

※1分間タイムスタディ※

一人の高齢者に対し、提供した介護サービスの内容(現場の実態)を1分間毎に詳細に記録し、サ

ービス提供に要する時間と提供回数を介護サービスの種別毎に記録したものです。上記の「高齢

者介護実態調査」の施設調査では 4,478 名(67 施設)、在宅調査では 1,126 名を対象に実施されま

した。

35.0 以下

身の回り

35.1 以上

えん下

食事の樹形図で得られた 要介護認定等基準時間

特別介護

●樹形図は、1分間タイムスタディ(施設調査)4,478 名の対象者をひとつの集団としてとらえ、その集団

を要介護認定等基準時間が同様であるグループに分類してゆく仕組みです。つまり樹形図の分岐点に

は、その集団を要介護認定等基準時間で、統計的に最も大きく異なる2つのグループに分類可能な、調

査項目(中間評価項目)と選択肢(中間評価項目得点)が使われています。

●樹形図の結果得られる要介護認定等基準時間は、1分間タイムスタディの対象者でこのグループに分

類された者に提供された介護サービス時間の平均値です。そのため、それぞれのグループには少なくと

も 40 名程度の対象者データが含まれるようにしてあり、1 人の個別事情による特異なデータに結果が

左右されないようになっています。

●調査項目のみが樹形図の分岐となった場合、特定の項目の調査結果に一次判定が左右されやすいなど

の問題があるため、中間評価項目を調査項目と同様に樹形図の分岐点とすることで、安定した一次判定

が得られています。

Page 5: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

 

項目

麻痺の種類 ない 16.0 いずれか一肢のみ 13.3 両下肢のみ 2.5 左上下肢または右上下肢のみ 3.5 その他の四肢の麻痺 0.0

拘縮(肩関節) ない 15.8 ある 0.0

拘縮(肘関節) ない 21.9 ある 0.0

拘縮(股関節) ない 16.3 ある 0.0

拘縮(膝関節) ない 10.5 ある 0.0

拘縮(足関節) ない 19.5 ある 0.0

寝返り できる 14.5 つかまれば可 3.8 できない 0.0

起き上がり できる 14.2 つかまれば可 2.2 できない 0.0

座位保持 できる 16.0 自分で支えれば可 10.0 支えが必要 2.6 できない 0.0

両足での立位 できる 14.3 支えが必要 3.1 できない 0.0

歩行 できる 12.3 つかまれば可 1.8 できない 0.0

移乗 自立 14.8 見守り等 6.5 一部介助 2.0 全介助 0.0

移動 自立 13.9 見守り等 4.7 一部介助 1.4 全介助 0.0

立ち上がり できる 39.4 つかまれば可 9.1 できない 0.0

片足での立位 できる 31.7 支えが必要 6.0 できない 0.0

洗身 自立 28.8 一部介助 28.9 全介助 5.9 行っていない 0.0

じょくそう ない 11.8 ある 0.0

皮膚疾患 ない 1.9 ある 0.0

えん下 できる 21.1 見守り等 7.5 できない 0.0

食事摂取 自立 18.8 見守り等 9.0 一部介助 5.3 全介助 0.0

飲水 自立 19.4 見守り等 9.7 一部介助 5.4 全介助 0.0

排尿 自立 13.6 見守り等 4.2 一部介助 2.5 全介助 0.0

排便 自立 13.4 見守り等 4.1 一部介助 2.6 全介助 0.0

口腔清潔 自立 11.0 一部介助 6.4 全介助 0.0

洗顔 自立 11.1 一部介助 6.3 全介助 0.0

整髪 自立 10.3 一部介助 6.2 全介助 0.0

つめ切り 自立 7.2 一部介助 1.4 全介助 0.0

上衣の着脱 自立 10.9 見守り等 5.7 一部介助 4.4 全介助 0.0

ズボン等の着脱 自立 10.5 見守り等 5.1 一部介助 4.2 全介助 0.0

薬の内服 自立 11.4 一部介助 4.7 全介助 0.0

金銭の管理 自立 8.3 一部介助 2.3 全介助 0.0

電話の利用 自立 8.5 一部介助 3.3 全介助 0.0

日常の意思決定 できる 10.8 特別な場合を除いてできる 6.4 日常的に困難 2.9 できない 0.0

視力 普通 13.7 1m先が見える 1.6 目の前が見える 2.3 ほとんど見えず 0.6 判断不能 0.0

聴力 普通 15.1 やっと聞える 3.4 大声が聞える 1.4 ほとんど聞こえず 0.1 判断不能 0.0

意思の伝達 できる 13.3 ときどきできる 7.7 ほとんど不可 3.5 できない 0.0

指示への反応 通じる 12.7 ときどき通じる 4.6 通じない 0.0

毎日の日課を理解 できる 5.9 できない 0.0

生年月日をいう できる 7.7 できない 0.0

短期記憶 できる 6.0 できない 0.0

自分の名前をいう できる 11.1 できない 0.0

今の季節を理解 できる 6.8 できない 0.0

場所の理解 できる 7.7 できない 0.0

被害的 ない 5.2 ときどきある 2.5 ある 0.0

作話 ない 6.0 ときどきある 3.3 ある 0.0

幻視幻聴 ない 4.9 ときどきある 2.5 ある 0.0

感情が不安定 ない 4.0 ときどきある 1.8 ある 0.0

昼夜逆転 ない 3.4 ときどきある 1.8 ある 0.0

暴言暴行 ない 5.5 ときどきある 3.2 ある 0.0

同じ話をする ない 3.9 ときどきある 1.7 ある 0.0

大声をだす ない 5.2 ときどきある 3.1 ある 0.0

介護に抵抗 ない 4.6 ときどきある 2.7 ある 0.0

常時の徘徊 ない 6.2 ときどきある 4.2 ある 0.0

落ち着きなし ない 6.1 ときどきある 3.9 ある 0.0

外出して戻れない ない 6.1 ときどきある 4.3 ある 0.0

一人で出たがる ない 7.0 ときどきある 4.3 ある 0.0

収集癖 ない 6.3 ときどきある 4.7 ある 0.0

火の不始末 ない 3.2 ときどきある 0.5 ある 0.0

物や衣類を壊す ない 7.9 ときどきある 5.9 ある 0.0

不潔行為 ない 5.2 ときどきある 3.6 ある 0.0

異食行動 ない 6.5 ときどきある 5.4 ある 0.0

ひどい物忘れ ない 2.8 ときどきある 0.4 ある 0.0

 中間評価項目得点

群 配点

麻痺拘縮

1

複雑動作

3

2移動

5

身の回り

4

特別介護

6

意思疎通

問題行動

7

Page 6: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

食 事食事摂取

えん下

自立見守り等

一部介助全介助

3.1

できない

食事摂取

できる見守り等

身の回り

一部介助

飲水

12.7以下

介護に抵抗

全介助

ときどきあるある

ない

飲水

自立見守り等一部介助

問題行動

一部介助

麻痺の種類

95.8以下

その他の四肢の麻痺

感情が不安定

ないいずれか一肢のみ

両下肢のみ左上下肢あるいは右上下肢のみ

ある

麻痺拘縮

ないときどきある

74.6以上

74.5以下

95.9以上

自立見守り等

飲水

12.8以上

自立見守り等

一部介助全介助

意思疎通

全介助

問題行動

34.3以下

皮膚疾患

86.2以上

ある

聴力

ない

麻痺拘縮

大声が聞えるほとんど聞えず判断不能

44.4以上

意思疎通

44.3以下

1.1以上

1.0以下

視力

普通やっと聞える

1m先が見える目の前が見えるほとんど見えず判断不能

普通

86.1以下

飲水

34.4以上

意思の伝達

全介助

ほとんど不可できない

できるときどきできる

自立見守り等一部介助

19.7以上

特別介護 身の回り

35.0以下

3.1

35.1以上

19.6以下

35.3以下

特別介護

35.4以上

ひどい物忘れ

54.1以下

ときどきあるある

麻痺拘縮

ない

85.3以上

85.2以下

54.2以上

身の回り

31.040.8

38.2

51.5 46.0

46.3 43.4

46.7

60.153.4

14.65.7

33.216.0 23.8

24.8

16.4

15.7

26.6 19.9

4.3

15.2 0.7

6.6

8.2 13.8

6

Page 7: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

排便

ズボン等の着脱

全介助全介助自立

見守り等一部介助

自立見守り等一部介助

全介助自立

見守り等一部介助

ないときどきある

ある

自立見守り等

一部介助全介助

排尿身の回り

身の回り 問題行動

身の回り

身の回り

特別介護 麻痺拘縮

移 動 麻痺拘縮

麻痺拘縮

特別介護

問題行動

今の季節を理解複雑動作

ズボン等の着脱

47.3以上

47.2以下

23.1

31.6 27.3

22.6 17.7

35.9以上

35.8以下

10.7

3.0排尿

えん下

75.8以上

75.7以下

移乗 0.5

一部介助全介助

自立見守り等

自立一部介助

14.4

移乗移 動 外出して戻れない

できないできる見守り等

えん下

特別介護

特別介護 麻痺拘縮

全介助

洗顔

できる 自立

2.4

見守り等一部介助全介助

見守り等できない

8.74.8

自立見守り等一部介助全介助

16.924.8

35.0以下

35.1以上

整髪整髪

できる できない

全介助自立一部介助

麻痺の種類

座位保持 意思の伝達

53.0以上

52.9以下

21.6

問題行動皮膚疾患

麻痺拘縮 飲水

98.7以上

98.6以下

18.721.6

できないできる

ときどきできるほとんど不可

18.2

22.8以上

22.7以下

あるない

21.0

一部介助全介助

自立見守り等

23.928.1

自分で支えれば可支えが必要できない

できる

20.1

83.9以上

ときどきあるある

83.8以下

21.3

一部介助全介助

自立

暴言暴行

22.6

ない

移 動

42.8以上

23.5

42.7以下

問題行動

16.8以上

26.3

16.7以下

60.5以上

23.719.8

60.4以下

麻痺拘縮

39.8以上

麻痺の種類20.5

39.7以下

いずれか一肢のみ両下肢のみ左上下肢あるいは右上下肢のみ

21.7 24.2

ない97.7以上

26.732.3

97.6以下

ズボン等の着脱10.5

麻痺拘縮

一部介助

12.4

自立見守り等

87.0以上

18.113.7

86.9以下

20.4以上

21.9 25.3

20.3以下

39.8以上

26.7

39.7以下

7.8

52.5以上

52.4以下

6.4

94.0以上

93.9以下

3.1

63.4以上

63.3以下

18.0

62.7以上

62.6以下

21.4

ないいずれか一肢のみ

両下肢のみ左上下肢あるいは右上下肢のみ

その他の四肢の麻痺

12.8以上

12.7以下

17.7

31.8以下

31.9以上

97.6以下

97.7以上

排 泄

7

Page 8: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

移 動

移乗

座位保持

身の回り特別介護

意思疎通問題行動

問題行動

移 動

移 動

意思疎通

意思疎通

身の回り

身の回り

特別介護

指示への反応

外出して戻れない

麻痺拘縮

特別介護

麻痺拘縮

特別介護

特別介護 拘縮(肩関節)

麻痺の種類麻痺の種類

火の不始末

飲水

移動

食事摂取意思の伝達

意思の伝達

立ち上がり

移乗

移乗

落ち着きなし

被害的両足での立位

排尿

排便

特別介護

身の回り

洗顔

上衣の着脱片足での立位

移動

視力

えん下

視力

移乗

移乗

一部介助全介助

自立見守り等

できないできる支えが必要

見守り等一部介助全介助

自立

ほとんど見えず判断不能

普通1m先が見える目の前が見える

できないできる見守り等

1m先が見える目の前が見える

普通

一部介助全介助

見守り等

見守り等一部介助全介助

自立

62.0以上

61.9以下

65.6以上

65.5以下

57.0以上

56.9以下

12.8以上

12.7以下

31.8以上

31.7以下

78.3以上

78.2以下

93.4以上

93.3以下

13.2以上

13.1以下

74.1以上

74.0以下

86.4以上

86.3以下

28.9以上

28.8以下

42.1以上

42.0以下

68.4以上

68.3以下

ときどき通じる通じない

通じる

ときどきあるある

ない

93.4以上

93.3以下

52.0以上

51.9以下

15.6以上

15.5以下

72.2以上

72.1以下

14.2以上

14.1以下

61.6以上

61.5以下

あるない

ないいずれか一肢のみ両下肢のみ

左上下肢あるいは右上下肢のみ

その他の四肢の麻痺

ないいずれか一肢のみ両下肢のみ

左上下肢あるいは右上下肢のみその他の四肢の麻痺

ないときどきある

ある

自立見守り等一部介助

全介助

できる自分で支えれば可

支えが必要

できない

自立見守り等

一部介助全介助

自立見守り等一部介助

全介助できるときどきできる

ほとんど不可

できない

できるときどきできる

ほとんど不可できない

できるつかまれば可

できない

一部介助 全介助

見守り等 一部介助全介助

ないときどきある

ある

ない ときどきあるある

できる 支えが必要できない

自立見守り等一部介助

全介助

自立見守り等

一部介助全介助

一部介助全介助

自立

自立見守り等一部介助全介助

4.6

11.3

9.212.08.7

19.514.620.115.5

24.6

24.419.6

9.6

15.5

13.7

13.88.8

17.3

23.8 20.8 17.6

18.9 22.8

16.012.416.919.112.116.7

29.5

19.218.7

24.1

9.822.018.0

15.7

6.0

17.1

17.8 22.0

23.7

13.49.45.9

5.5

12.1 2.7

16.7

1.0

8

Page 9: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

清潔保持ズボン等の着脱

移乗

えん下

特別介護

麻痺拘縮

意思疎通

つめ切り

移動

身の回り

身の回り

皮膚疾患

麻痺拘縮

特別介護

麻痺拘縮

拘縮(肩関節)

拘縮(肘関節)

意思疎通

特別介護えん下

移乗

移 動

意思疎通

意思疎通

移 動

移 動

移動皮膚疾患

常時の徘徊 飲水

食事摂取

問題行動

大声をだす

拘縮(膝関節)

常時の徘徊

外出して戻れない

麻痺の種類

麻痺の種類

片足での立位

視力

食事摂取薬の内服

拘縮(膝関節)

外出して戻れない

ひどい物忘れ

問題行動

特別介護

身の回り

特別介護

特別介護

日常の意思決定

身の回り

移乗

移乗 電話の利用

問題行動

視力

54.5以上

54.4以下

45.3以上

45.2以下

72.5以上

72.4以下

31.2以上

31.1以下

51.0以上

50.9以下

あるない

36.8以上

36.7以下

全介助自立見守り等一部介助

53.0以上

52.9以下

75.6以上

75.5以下

26.8以上

26.7以下

12.6以上

12.5以下

30.1以上

30.0以下

見守り等できる

全介助一部介助

2.0以上

1.9以下

23.5以上

23.4以下

62.0以上

61.9以下

96.1以上

96.0以下

ときどきあるある

ない

あるない

ときどきあるある

ない

見守り等一部介助全介助

自立

特別な場合を除いてできる日常的に困難できない

できる

全介助自立一部介助

ときどきあるある

ない

あるない ときどきあるある

ない

左上下肢あるいは右上下肢のみその他の四肢の麻痺

ないいずれか一肢のみ

両下肢のみ

両下肢のみ左上下肢あるいは右上下肢のみその他の四肢の麻痺

ないいずれか一肢のみ

できないできる支えが必要

1m先が見える目の前が見えるほとんど見えず判断不能

普通

ときどきあるある

ない

93.7以上

93.6以下

16.7以上

16.6以下

72.7以上

72.6以下

88.7以上

88.6以下

27.9以上

27.8以下

見守り等自立

見守り等一部介助全介助

自立 一部介助全介助

自立

全介助自立一部介助

26.5以上

26.4以下

78.7以上

78.6以下

15.2以上

15.1以下

全介助自立見守り等一部介助

あるない

あるないときどきある

一部介助全介助

自立見守り等

一部介助全介助

自立見守り等

ほとんど見えず判断不能

普通1m先が見える目の前が見える

ある あるない ない

自立見守り等

一部介助全介助

自立見守り等

一部介助全介助

できないできる見守り等

18.824.227.422.0

27.032.2

23.3

15.6 21.7

16.521.4

13.2

14.217.8

22.118.8 26.8

18.915.4

24.917.9

16.024.621.8

16.0

19.5

20.4

11.815.4

11.5

18.1 23.6 17.0

18.6

16.5

16.4

16.5

11.115.8

13.2

20.0

9.2

8.6

4.2 10.75.7

16.819.9

11.8

10.4 14.0

17.1

21.3

14.918.8

16.4

18.5

Page 10: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

間接生活介助

座位保持

座位保持

座位保持

身の回り

麻痺拘縮

意思疎通

問題行動

問題行動 移 動

移 動 移 動 移 動

移 動

意思疎通

意思疎通

身の回り

意思疎通

麻痺拘縮

麻痺拘縮 問題行動

ひどい物忘れ

今の季節を理解

薬の内服 常時の徘徊

昼夜逆転

不潔行為外出して戻れない

感情が不安定

ひどい物忘れ 排便

日常の意思決定

移動

移乗

移乗

電話の利用

排尿

拘縮(足関節)

つめ切り

拘縮(膝関節)

場所の理解

麻痺の種類

麻痺の種類

火の不始末

食事摂取

意思の伝達

身の回り

特別介護

えん下

できないできる見守り等

24.6以上

24.5以下

58.7以上

58.6以下

6.4以上

6.3以下

19.7以上

19.6以下

83.8以上

83.7以下

99.2以上

99.1以下

93.6以上

93.5以下

15.5以上

15.4以下

40.0以上

39.9以下

15.2以上

15.1以下

31.9以上

31.8以下

20.9以上

20.8以下

36.1以上

36.0以下

44.3以上

44.2以下

26.1以上

26.0以下

54.6以上

54.5以下

84.1以上

84.0以下

87.0以上

86.9以下

92.7以上

92.6以下

ない ときどきあるある

できる できない

自立一部介助

全介助 ない ときどきあるある

ない ときどきあるある

ない ときどきあるある

ないときどきある

ある

ない ときどきあるある

ない ときどきあるある

自立見守り等

一部介助全介助

できる特別な場合を除いてできる日常的に困難できない

自立見守り等

一部介助全介助

自立 見守り等

自立見守り等

一部介助全介助

自立一部介助

全介助

自立見守り等一部介助

全介助

ない ある

自立一部介助

全介助

あるない

できる できない

ないいずれか一肢のみ両下肢のみ左上下肢あるいは右上下肢のみその他の四肢の麻痺

ないいずれか一肢のみ

両下肢のみ左上下肢あるいは右上下肢のみその他の四肢の麻痺

ない ときどきあるある

できる自分で

支えれば可

支えが必要できない

自分で支えれば可 支えが必要できない

できる 自分で支えれば可支えが必要できない

自立見守り等

一部介助全介助

できるときどきできる

ほとんど不可できない

6.2

11.26.8

6.513.3

16.2

15.3

18.3

7.8

15.010.0

6.9

9.13.6 13.6

4.0

4.1 4.8

3.2 5.411.6

14.77.3

11.0

5.79.6

4.7 8.413.2

15.0

13.7

6.9

6.4

9.7 14.3

8.9

12.6

14.4

16.9

7.921.1

5.111.9 20.813.2 14.07.9

8.4 1.1

10

Page 11: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

問題行動関連行為

常時の徘徊

できるつかまれば可

ときどきあるある

ときどきあるある

できる

ないない

見守り等できない

できない ときどきあるある

排尿

ない

落ち着きなし

問題行動

昼夜逆転

両足での立位

ときどきあるある

ときどきあるある

できる

両足での立位

ない

ない

特別介護

麻痺拘縮

移 動

同じ話をする 拘縮(肘関節)

支えが必要できない

支えが必要できない

薬の内服

73.2以下

全介助自立一部介助

73.3以上

64.0以下

64.1以上

58.6以下

58.7以上

できる

全介助自立

見守り等一部介助

71.7以下

71.8以上

えん下 移 動

21.3以下

1.4

21.4以上

一人で出たがる落ち着きなし

身の回り 暴言暴行

55.2以上

55.1以下

歩行

2.1

5.01.5

身の回り

27.5以下

27.6以上

2.67.3

4.3

0.4

問題行動

88.6以下

88.7以上

1.44.7

ないときどきある

ある

1.60.1

ない ある

0.1

4.81.1 0.8

5.4

8.7 20.3

ときどきあるある

問題行動

ない

10.5

7.6 4.3

30.2以上

30.1以下

2.25.7

11

Page 12: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

毎日の日課を理解

麻痺の種類

できないできる

自分で支えれば可支えが必要

ないいずれか一肢のみ

両下肢のみ

98.0以上

97.9以下

あるない

できる できない

ときどきあるある

排便 移乗

移 動

特別介護

麻痺拘縮

81.3以下

落ち着きなし

ない

座位保持

できないできる

81.4以上

ない ときどきあるある

見守り等一部介助全介助

3.7 6.5

自立 22.0以上

1.4

21.9以下

22.8以上

22.7以下

全介助自立見守り等一部介助

0.6 2.9

あるない 36.9以上

36.8以下

えん下 4.0

問題行動生年月日をいう

左上下肢あるいは右上下肢のみその他の四肢の麻痺

立ち上がり上衣の着脱

身の回り

意思疎通

移 動

移 動

6.3以上

1.0 2.2

6.2以下

意思疎通

麻痺拘縮 拘縮(肩関節)

拘縮(肘関節)

できないできるつかまれば可

その他の四肢の麻痺

左上下肢あるいは右上下肢のみ

移乗 片足での立位

86.7以上

86.6以下

35.9以上

35.8以下

11.9

36.8以上

36.7以下

5.8 2.5 麻痺の種類 4.77.93.9

できないできる支えが必要

3.9 8.5

見守り等一部介助全介助

自立

麻痺の種類

全介助自立

見守り等一部介助

1.5 0.4

問題行動

拘縮(肩関節)

5.7

55.1以上

55.0以下

特別介護

意思疎通

1.8

82.0以下

82.1以上

1.7

63.1以下

63.2以上

問題行動 問題行動

96.1以上

96.0以下

94.9以上

94.8以下

特別介護

麻痺拘縮 電話の利用

金銭の管理

90.3以上

90.2以下

金銭の管理 2.4

全介助自立一部介助

5.08.9

全介助自立一部介助

87.1以上

87.0以下

6.4 1.5

78.8以上

78.7以下

6.410.6

全介助自立一部介助

1.95.7

97.7以上

97.6以下

5.49.3

80.9以上

80.8以下

2.4

全介助自立一部介助

16.7 9.9

69.0以上

68.9以下

3.2

特別介護 電話の利用

98.3以上

98.2以下

7.1 11.3

問題行動

複雑動作

問題行動

意思疎通

6.8 3.9

麻痺拘縮

ない ある

2.5

20.8以下

20.9以上

6.13.2

昼夜逆転

できないできる見守り等

74.0以上

73.9以下

1.2 2.8

ないいずれか一肢のみ

両下肢のみ左上下肢あるいは右上下肢のみその他の四肢の麻痺

2.5

機能訓練関連行為

12

Page 13: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

えん下

じょくそう

ひどい物忘れ

3.7以上

場所の理解

ない ある 3.6以下

24.9以上

24.8以下

2.2以上

2.1以下

できる見守り等

できない

意思の伝達

26.5以下

暴言暴行

やっと聞える大声が聞えるほとんど聞えず判断不能

ときどきあるある

ない

11.8

できるときどきできる

ほとんど不可できない

問題行動

問題行動

意思疎通

意思の伝達 今の季節を理解

移 動

意思疎通

麻痺拘縮

身の回り皮膚疾患

拘縮(足関節)

89.4以下

89.5以上

79.9以下

聴力

26.6以上

普通

意思疎通

特別介護

ときどきあるある

ないできないできる

80.0以上

ないときどきある

ある

できない

9.6

できるほとんど不可できない

被害的

できるときどきできる

9.3以下

9.4以上

27.9 22.9

46.1以上

46.0以下

8.3 12.2

ほとんど不可できない

できるときどきできる

16.1 11.1

31.9

意思疎通麻痺拘縮特別介護 意思の伝達 30.0

麻痺拘縮

移 動

8.9

ないときどきある

ある

麻痺拘縮 9.4

ない ある

6.9

36.7以下

36.8以上

3.9問題行動聴力

84.0以下

84.1以上

98.1以下

98.2以上

金銭の管理 視力5.9

全介助

4.7

普通1m先が見える

目の前が見えるほとんど見えず判断不能

7.19.18.2

見守り等 自立一部介助

一部介助全介助

12.6

10.47.5

自立 見守り等一部介助全介助

金銭の管理 移乗

自立 一部介助全介助

6.5 12.5

意思疎通

7.0以下

7.1以上

5.7

33.1以下

33.2以上

11.65.3

特別介護

88.1以下

88.2以上

5.0

58.7以下

58.8以上

4.89.1

移 動

普通やっと聞える

大声が聞えるほとんど聞えず判断不能

10.1

74.1以下

74.2以上

5.7歩行

できるつかまれば可

できない

6.18.6

火の不始末

11.4 3.3 10.7

4.1 4.3

13.2

2.2以下

あるない

56.8以下

56.9以上

意思疎通

91.0以下

91.1以上

2.3以上

移 動

6.1

11.66.6

6.9以上

6.8以下

移乗

できる特別な場合を除いてできる日常的に困難できない

日常の意思決定12.5

97.1以下

97.2以上

医療関連行為

13

Page 14: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

中央値(分/日)

1 点滴の管理 8.5

2 中心静脈栄養 8.5

3 透析 8.5

4 ストーマの処置 3.8

5 酸素療法 0.8

6 レスピレーター 4.5

7 気管切開の処置 5.6

8 疼痛の看護 2.1

9 経管栄養 9.1

10 モニター測定 3.6

11 じょくそうの処置 4.0

12 カテーテル 8.2

項目

特別な医療

Page 15: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

ケア区分毎に作成された8枚の樹形図から得られた基準時間を合計したものに、特別な医療の時間を加え、その合計時間が最終的な要介護認定等基準時間となります。

ケア区分ケア区分ケア区分ケア区分 基準時間 評価されているケア内容

食事 分

排泄 分

移動 分①直接生活介助

清潔保持 分

食事、排泄、入浴等の介護

②間接生活介助 分 洗濯、掃除等の家事援助

③問題行動関連行為 分 徘徊に対する探索、不潔な行為に関する後始末等

④機能訓練関連行為 分 歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練

⑤医療関連行為 分 輸液の管理、じょくそうの処置等の診療の補助

樹形図の合計 分

特別な医療

要介護認定等基準時間 分

④「要介護認定基準時間」と「運動能力の低下していない認知症高齢者の指標」 により一次判定を行う。

要介護認定等基準時間から以下の基準に従って一次判定の要介護度を決定することが基本です。

基準時間

要介護認定等

合計 25分以上

32分未満

32分以上

50分未満

50分以上

70分未満

70分以上

90分未満

90分以上

110分未満

110分以上

「運動能力の低下していない認知症高齢者の指標」による一次判定の補足

次の要件を満たす場合は、要介護認定等基準時間によって求められる要介護度から1段階又は2段階の重度の要介護度を1次判定の結果とします。

① 認定調査の結果、「認知症高齢者日常生活自立度がⅢ・Ⅳ・M」かつ「障害高齢者日常生認定調査の結果、「認知症高齢者日常生活自立度がⅢ・Ⅳ・M」かつ「障害高齢者日常生認定調査の結果、「認知症高齢者日常生活自立度がⅢ・Ⅳ・M」かつ「障害高齢者日常生認定調査の結果、「認知症高齢者日常生活自立度がⅢ・Ⅳ・M」かつ「障害高齢者日常生活自立度が自立・J・A」であり、かつ「要介護認定等基準時間が活自立度が自立・J・A」であり、かつ「要介護認定等基準時間が活自立度が自立・J・A」であり、かつ「要介護認定等基準時間が活自立度が自立・J・A」であり、かつ「要介護認定等基準時間が 70707070分未満」の者分未満」の者分未満」の者分未満」の者

② 表1、表2又は表3及び別図を用いて算出するスコアが表1、表2又は表3及び別図を用いて算出するスコアが表1、表2又は表3及び別図を用いて算出するスコアが表1、表2又は表3及び別図を用いて算出するスコアが 0.50.50.50.5を超えるを超えるを超えるを超える

③ 表4の適用基準を満たす表4の適用基準を満たす表4の適用基準を満たす表4の適用基準を満たす ①及び②のみを満たす場合は1段階重度に、①、②及び③のすべてを満たす場合は、2段階重度の要介護度を1次判定の結果とします。

要介護認定基準

要支援1

要介護1 相当

要介護2

要介護3

要介護4

要介護5

合計

Page 16: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

「運動能力の低下していない認知症高齢者の指標」「運動能力の低下していない認知症高齢者の指標」「運動能力の低下していない認知症高齢者の指標」「運動能力の低下していない認知症高齢者の指標」

表1表1表1表1 スコア表(自立(非該当)・要支援1)スコア表(自立(非該当)・要支援1)スコア表(自立(非該当)・要支援1)スコア表(自立(非該当)・要支援1) (要介護認定等基準時間で32分未満のもの)(要介護認定等基準時間で32分未満のもの)(要介護認定等基準時間で32分未満のもの)(要介護認定等基準時間で32分未満のもの)

定数項 -0.024

立ち上がり できる 0.000 つかまれば可 0.176 できない 0.176

洗身 自立 0.000 一部介助 0.217 全介助 0.313 行っていない 0.376

ズボン等の着脱 自立 0.000 見守り等 0.293 一部介助 0.293 全介助 0.293

聴力 普通 0.000 やっと聞える 0.332 大声が聞える 0.332 ほとんど聞えず 0.376 判断不能 0.376

毎日の日課を理解 できる 0.000 できない 0.170

場所の理解 できる 0.000 できない 0.172

幻視幻聴 ない 0.000 ときどきある 0.254 ある 0.254

理解および記憶 0レベル 0.000 1レベル 0.132 2レベル 0.132 3レベル 0.132

(主治医意見書) 4レベル 0.132 5レベル 0.132 6レベル 0.132 (別図参照)

表2表2表2表2 スコア表(要介護1相当)スコア表(要介護1相当)スコア表(要介護1相当)スコア表(要介護1相当) (要介護認定等基準時間で32分以上50分未満のもの)(要介護認定等基準時間で32分以上50分未満のもの)(要介護認定等基準時間で32分以上50分未満のもの)(要介護認定等基準時間で32分以上50分未満のもの)

定数項 0.437

寝返り できる 0.000 つかまれば可 0.104 できない 0.400

片足での立位 できる 0.000 支えが必要 0.101 できない 0.249

洗身 自立 0.000 一部介助 0.215 全介助 0.285 行っていない 0.624

食事摂取 自立 0.000 見守り等 0.112 一部介助 0.315 全介助 0.315

上衣の着脱 自立 0.000 見守り等 0.181 一部介助 0.249 全介助 0.478

金銭の管理 自立 0.000 一部介助 0.064 全介助 0.201

意思の伝達 できる 0.000 ときどきできる 0.098 ほとんど不可 0.098 できない 0.098

毎日の日課を理解 できる 0.000 できない 0.117

理解および記憶 0レベル 0.000 1レベル 0.001 2レベル 0.001 3レベル 0.067

(主治医意見書) 4レベル 0.067 5レベル 0.125 6レベル 0.125 (別図参照)

問題行動{中間評価得点} -0.008

表3表3表3表3 スコア表(要介護2)スコア表(要介護2)スコア表(要介護2)スコア表(要介護2) (要介護認定等基準時間で50分以上70分未満のもの)(要介護認定等基準時間で50分以上70分未満のもの)(要介護認定等基準時間で50分以上70分未満のもの)(要介護認定等基準時間で50分以上70分未満のもの)

定数項 0.490

移乗 自立 0.000 見守り等 0.254 一部介助 0.290 全介助 0.290

片足での立位 できる 0.000 支えが必要 0.021 できない 0.208

洗身 自立 0.000 一部介助 0.160 全介助 0.256 行っていない 0.608

食事摂取 自立 0.000 見守り等 0.078 一部介助 0.287 全介助 0.606

排尿 自立 0.000 見守り等 0.047 一部介助 0.145 全介助 0.252

整髪 自立 0.000 一部介助 0.148 全介助 0.216

上衣の着脱 自立 0.000 見守り等 0.145 一部介助 0.211 全介助 0.327

生年月日をいう できる 0.000 できない 0.106

問題行動{中間評価得点} -0.010

表1~表3を用いて、「定数項のスコア」と「各調査項目等によるスコア」を加算したものが算出されるスコアとなり、0.5を超える場合は 1 段階重度の要介護度を一次判定とする。(次に示す表4の適用基準を満たす場合は2段階重度とする。)

(←中間評価得点を乗じたものがスコアとなる)

(←中間評価得点を乗じたものがスコアとなる)

Page 17: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

別図 理解および記憶(主治医意見書)の算出方法

例)下図において、矢印は、主治医意見書に記載されたチェックが、“短期記憶「問題あり」”、“日

常の意思決定を行うための認知能力「いくらか困難」”、“自分の意思の伝達能力「伝えられな

い」”、“食事行為「全面介助」”の場合を示しています。

表4 適用基準

適用基準

暴言暴行

大声をだす

介護に抵抗

常時の徘徊

外出して戻れない

1人で外にでたがる

火の不始末

不潔行為

異食行動

自立(非該当)(要介護認定等基準時間が 25 分未満である状態)

・・・・1項目以上に該当

要支援1 (要介護認定等基準時間が 25 分以上 32 分未満である状態)

・・・・2項目以上に該当

要介護1相当(要介護認定等基準時間が 32 分以上 50 分未満である状態)

・・・・4項目以上に該当

要介護2 (要介護認定等基準時間が 50 分以上 70 分未満である状態)

・・・・6項目以上に該当

表1~表3において、定数項に各調査項目によるスコアを加算し、0.5を超えかつ本

基準(表4)を満たす場合は2段階重度の要介護度を一次判定とする。

5 レベル

重度の

障害がある

4 レベル

やや重度の

障害がある

0 レベル

障害なし

1 レベル

境界的

である

2 レベル

軽度の

障害がある

3 レベル

中程度の

障害がある

該当なし

“判断できない”

6 レベル

最重度の

障害がある

“全面介助”“自立ないし

何とか自分で

食べられる“

1項目

該当

(重度障害度数)以下の該当項目数

□日常の意思決定を行うための認知能力

=“見守りが必要”

□自分の意思の伝達能力

=“具体的要求に限られる”or“伝えられない”

日常の意思決定を行うための認知能力

(障害度数)以下の該当項目数

□日常の意思決定を行うための認知能力

=“いくらか困難”“見守りが必要”

□自分の意思の伝達能力

=“いくらか困難” or“具体的要求に限られる”

or“伝えられない”

□短期記憶 =“問題あり” 2~3 項目

該当

“自立”“いくらか困難”“見守りが必要”

食事行為

該当なし 1項目該当 2 項目該当

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基本調査結果

内容の矛盾(不整合)の有無を確認

矛盾なし

矛盾あり

調査結果の一部修正 再調査

特記事項・主治医意見書の内容から、通常の例に比べて

より長い(短い)手間を介護に要すると判断される場合

一次判定結果を変更

検証

一次判定結果変更 なし

認定有効期間の延長・短縮を検討

主治医意見書 特記事項

介護にかかる時間の検討

(介護の手間に係る審査判定)

審 査 対 象 者 の 全 体 像 の 把 握

なしあり

1 次判定結果(確定)

要支援1 要介護1相当 要介護2~5

二 次 判 定

要支援1 要支援2 要介護1 要介護2~5

状態の維持・改善可能性を審査 状態像の選択

○要介護認定等基準時間の行

為の区分毎の時間

○日常生活自立度の組み合わ

せによる要介護度別分布

○要介護度変更の指標(○●)

○状態像の例

(要介護1の状態像)

☆心身の状態が安定していな

い状態

☆認知機能等により、予防給付

の利用に係る理解が困難な

状態

二次判定のしくみ

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【予防給付対象者選定の考え方】

予防給付対象者は、適切な介護予防サービスにより要介護状態の維持又は改善の可能性が高い群

として考えることが基本と考えますが、現時点では、新たな介護予防サービスの提供による要介護

状態の変化に関する系統的なデータの蓄積・分析は途上であり、これらのデータに立脚し当該対象

者選定のための指標等を構築することは困難な状況です。

一方、予防給付対象者は適切な介護予防サービスの利用により、自立支援の観点から生活機能の

向上がより期待される群、即ちいわゆる「廃用症候群」(「生活不活発病」という表現も一部で用い

られている)の状態にあるものとして捉えることができ、軽度の要介護者のうちこれらに相当する

ものを、当面予防給付の対象と考えることとします。

このため、介護の手間に係る審査判定において要介護状態区分が「要支援」と判定されたものに

加え、「要介護1相当」と判定されたもののうち、予防給付の適切な利用が見込まれないものを除外

するという手法により、対象者の選定を行うこととしました。

予防給付の適切な利用が見込まれない状態像は、以下のように考えられます。

① 疾病や外傷等により、心身の状態が安定していない状態

○ 脳卒中や心疾患、外傷等の急性期や慢性疾患の急性増悪期で、心身の状態が不安定で

あり、医療系サービス等の利用を優先すべきもの

○ 末期の悪性新生物や進行性疾患(神経難病等)により、急速に状態の不可逆的な悪化

が見込まれるもの 等

・「心身の状態が安定していない状態」とは、罹患している傷病の日内変動の有無や予後予測の

困難さに基づき判断するのではなく、疾病や外傷により短期間で心身の状態が変化することが

予測され、それに伴い、要介護度の変化も短期間で生ずるおそれが高く、例えば、要介護認定

の有効期間を原則より短く(概ね6か月程度)して、要介護状態等の再評価が必要な状態が該

当します。

・したがって、主治医意見書等に疾病や外傷の症状が不安定との記載があることのみをもって当

該状態に該当するものではなく、又、短期間での要介護度の再評価が必要でない場合等も該当

しません。

・さらに、これらの状態の判断は、運動器の機能向上のためのサービスの可否といった、個別サ

ービスの利用の適格性に着目して行うのではなく、心身の状態が短期間に変動し易いため特定

の要介護状態区分への判定が相当困難で、比較的短期間(概ね6か月程度)での再評価が必要

な事例が該当します。

・なお、個別サービスの適否の判断及び、具体的なサービス計画の作成については、介護認定審

査会で一律に行うものではなく、対象者の心身の状況に加え、家族の状況等の周辺環境を踏ま

え、対象者の希望に基づき、ケアマネジメントにおいて実施することとなります。

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② 認知機能や思考・感情等の障害により、十分な説明を行ってもなお、予防給付の利用に

係る適切な理解が困難である状態

○ 「認知症高齢者の日常生活自立度」が概ねⅡ以上の者であって、一定の介護が必要な

程度の認知症があるもの

○ その他の精神神経疾患の症状の程度や病態により、予防給付の利用に係る適切な理解

が困難であると認められるもの

・アルツハイマー病や血管性認知症といった病名のみから判断するものではなく、特記事項、主

治医意見書の記載内容から「認知症高齢者の日常生活自立度」が概ねⅡ以上である者を対象と

します。

・特定の認定調査項目の結果のみに着目し、その結果をもって判定するものではありません。特

記事項、主治医意見書の記載内容から総合的に判定してください。

・認知症症状が一時的に現れている場合であっても、特記事項、主治医意見書の記載内容などか

ら、適切な医学的管理により認知機能が改善すると判断される場合には、その状態に基づいて

判定します。

これら2つの状態像以外は予防給付の対象となります。その他の状態像は想定されていませ

ん。

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【参考】要介護認定等基準時間とは?

1 なぜ「基準」がつくられたのでしょうか?

介護保険制度開始・までの、介護の提供のされ方は、「高齢者一人ひとり異なっており、

簡単に教えられるものではない。」という言葉に代表されるように、経験と勘によるケアで

あり、試行錯誤を繰り返しながら、実際の介護現場の中で、一つ一つ問題をクリアしながら

前に進んでいくというものでした。つまり、家族と本人あるいは職員と本人というように、

人間関係が重視されるというものであり、どの程度の介護が必要かは、本人のニーズレベル

が重視されるという相対的な要素、本人及び介護者の主観的な要素が強いものでした。

介護保険制度は、保険料と税金から給付を行う社会的システムです。公平な保険給付を行

い、安定的に保険運用を行うためには、どうしても、給付レベル(どの程度の介護が必要か)

を、絶対的・客観的に評価するしくみ(要介護認定)が必要となりました。

最終的な目的が、保険による介護サービスの給付ですから、評価にあたって必要な視点は、

個々にどのような障害・疾病の状態であるかの判定ではなく、あくまでもどの程度の介護

(サービス)が必要であるのか、つまり「介護の手間」で判定します。

客観的な評価方法をつくり出すためには、科学的な手法と、多くの調査・データが必要で

す。それぞれに共通する「ものさし」を見つけるため、「おなじケアが提供される高齢者は

同じ状態像にあるのか?」「ある特定のケアの提供の有無を左右する高齢者の状態の情報

は何か?」など、それぞれの高齢者の心身の状況と実際に提供される(提供される(提供が

必要な)ケアとの関連についての研究がなされ、科学的なケアの体系化が図られました。

・平成7年(1995)特養(8項目)・在宅(5項目)調査

・平成8年(1996)施設入所者に対する1分間タイムスタディ(71項目)調査

・平成9年(1997)施設入所者に対する1分間タイムスタディ(73項目)調査

・平成10年(1998)施設入所者に対する1分間タイムスタディ(85項目)調査

こういった、調査の結果つくりだされた基準が、平成11年度から準備要介護認定とし

て始まった、初代の要介護認定基準です。制度施行後も、

・平成13年(2001)高齢者実態調査(施設4478・在宅1126)9項目追加調査

が行われ、平成15年4月から改訂された、現在の要介護認定基準となっています。

~以下、介護支援専門員基本テキスト『要介護認定に対する疑問に答える』より

2 なぜ「要介護認定等基準時間」が用いられているのでしょうか?

要介護度は、「介護の手間」を反映したものです。しかし、漠然とした「介護の手間」と

いうだけでは、実際の審査判定の際にどのような基準によって判定するのが適切であるか

がわかりません。

そこで、当初は、「食事摂取」「排泄」「認知症」など、いくつかの簡単な「心身の状況」

の組み合わせを用いて要介護度の程度を表現できないかを試みてみました。

ところが、高齢者が持っている「心身の状況」の組み合わせや程度はあまりにも多様で

あり、簡単な状況の組み合わせでは要介護度に十分反映させられないことがわかりました。

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そこでいきなり「心身の状況」の組み合わせなどによって要介護度を表現するのではな

く、一度、「心身の状況」を要介護度と相関する何か共通の「ものさし」に変換し、その上

で、「ものさし」に応じた要介護度を設定すべきであるという判断に至ったのです。(図1)

図1 要介護度判定の流れ

次に、要介護度と相関する共通の「ものさし」を定義する際に考えなければならないこ

とは、要介護度に応じた区分支給限度額や介護報酬が設定されるという点です。

そのため、要介護認定の結果は介護サービスの量と関係している必要があります。そこ

で、「介護の手間」を具体的に表現する「ものさし」としてサービスが提供されている時間

として定義される「要介護認定等基準時間」を用いることが考えられたのです。(図2)

= 図2 「ものさし」としての「要介護認定等基準時間」

3 基本調査の調査項目は、どのような理由で選択されたのですか?

要介護度は、個々の対象者に対して必要十分な介護サービスの量を提供できるものでな

くてはなりません。できれば、個々の対象者に必要十分と考えられる介護を実際に提供し

た時の介護サービス量を測定したいところですが、全ての要介護認定の申請者にそのよう

な測定を行うのは不可能です。

そこで、今回の要介護認定では、概ね必要十分な介護サービスを受けていると考えられ

る約4,478名の施設入所・入院中の方々を対象に「1分間タイムスタディ」を行い、

(1)現在提供されている介護サービスの量

(2)心身の状況

について調査し、この2種類のデータを関連づけた樹形モデルを作成しました。この樹形

モデルを使用することにより、心身の状況を調査すれば、その結果から提供されるであろう介

護サービスの内容と要する時間を推計することができるようになったのです。

樹形モデル作成のための「1分間タイムスタディ」の段階では、現在使用されている項

要介護度

要介護度と相関する 共通の「ものさし」

に変換

介護サービスの提供時間: 「要介護認定等基準時間」

「介護の手間」を表す

「ものさし」

心身の状況 (少数の項目)

心身の状況

(67項目)

高齢者

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目よりも多くの心身の状況を表す指標について調査が行われました。提供される介護サー

ビスの量に関連づける段階で、介護サービスの量に影響を与えない項目は除外されました。

現在使用されている項目は、そのような処理の結果抽出された項目であると考えて下さい。

4 樹形モデルでは、どのように時間を推計するのですか?

(1)「1分間タイムスタディ」の対象者を要介護認定等基準時間に応じてグループ化する。

施設に入所・入院している約4,478名の高齢者を集団としてとらえ、それらの高齢者が

要介護認定等基準時間からみてどのようなグループに分類できるかという作業です。つま

り、どの項目(又は中間評価項目)のどの選択肢(中間評価項目では点数)で右に分岐す

るか、又は左に分岐するかを決めたのかといえば、左右に分けられる2つのグループが持

つ要介護認定等基準時間が統計的に最も大きく異なってくる調査項目とその選択肢をもっ

て分岐点としているのです。このように、あくまで統計的な処理によるものであり、理論

作成者が医療や福祉等の専門的な観点からどの項目によって分岐させるかを決めたわけで

はありません。(図3)

図3 樹形モデルの作り方

この分岐を繰り返していくと、まるで枝がどんどん伸びていくように樹形モデルが完成

します。(専門的には、分岐していった終末点を「葉」と呼んでいます。)

樹形モデルをたどっていくと、分岐の条件(例えば、寝返りが「一部介助」など)がそ

れぞれの分岐に出てきますが、その分岐の条件こそが対象者が同一グループに属する条件

となります。

(2)それぞれのグループが持つ要介護認定等基準時間を計算する。

同じグループ(上記の表現では「葉」)に属する「1分間タイムスタディ」の対象者に提

供されている介護サービスの時間の平均を計算し、そのグループの要介護認定等基準時間

とします。

樹形モデルを作成する際に、分岐を繰り返し行っていくことはより細かなグループ化が

できるという点では優れていますが、あまり分岐を繰り返すと、最後には枝が伸びきって、

約4,478名の一人一人が異なる「葉」に属することも考えられます。その場合、「1分間タ

イムスタディ」の対象者のデータ上、たまたま例外的に長時間の介護サービスが提供され

A群 B群

1分間タイムスタディの対象者

分岐点となる項目

選択肢3 選択肢1、2

A群とB群の要介護認定

等基準時間が最も異なる

ような項目

A群とB群の要介護認定

等基準時間が最も異なる

ような選択肢

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ていると、要介護認定等基準時間も長くなり、結果的におかしな要介護認定等基準時間が

そのグループにつけられることになります。従って、樹形モデルではある程度の人数をそ

れぞれのグループに含むようにすることによって介護サービスが提供される平均的な時間

を得るようにすることが求められます。今回の樹形モデルでは、それぞれのグループには

少なくとも40人分のデータが含まれるようにしています。

(3)未知の人の要介護認定等基準時間を推計する。

「同じグループであれば、同じ時間の介護サービスが提供される」という仮定に立って、

要介護認定等基準時間がわかっていない高齢者がどのグループに属するかを調べます。調

べ方は、その高齢者に関する調査結果に基づいて樹形モデルをたどって行くだけです。行

き着いたグループにつけられた要介護認定等基準時間をその高齢者の要介護認定等基準時

間とします。

5 樹形モデルは、時間の推計を行う方法としてどのような点が優れているのですか?

要介護認定等基準時間を推計する理論にはいろいろな方法が考えられますが、ここでは

心身の状況に関する調査項目毎に結果に点数を付与して、調査結果に基づいて採点する「点

数加算方式」との対比で考えてみましょう。

例えば、図4のように、4つの調査項目について、それぞれの結果が得られ、調査結果

に付与された点数を合計して判定が行われます。

調査項目 起き上がり 立ち上がり 歩行 排尿 …

判定 つかまらな

いでできる

何かにつか

まればでき

できない 自立 …

?点 = 1 + 2 + 2 + 1 …

図4 「点数加算方式」による判定

この方式では、それぞれの調査結果同士は関連がなく、別個に総合評価の決定に関わっ

ています。しかし、実際には、各調査項目の結果が無関係に介護サービスの内容や量に関

わるわけではありません。「全く起き上がることも立つこともできない」高齢者にとっての

「尿意がある」ことと、「かろうじて立つことができる」高齢者に「尿意がある」ことは、

介護サービスの内容や量に大きな違い生じさせると考えられます。

樹形モデルでは、このような調査項目間の関係性を判定結果に反映させることができま

す。つまり、ある調査項目の結果によって、次の分岐を決定する項目が異なってくること

によって、介護サービスの内容や量に影響を与える調査項目相互の関係を反映させること

ができるのです。樹形モデルは、より介護現場の感覚を反映させる方法であるといえます。

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6 要介護認定基準時間と実際の介護に要している時間は一致しないのですか?

要介護認定等基準時間は、直接生活介助を始めとする5分野に分類されて推計されます。

それぞれの分野ごとに、その分野に含まれる具体的な介護サービスが定義されていて、

要介護認定等基準時間の推計根拠になっている「1分間タイムスタディ」では、その定義

に従って、看護・介護職員が提供した介護サービスの内容が記録されているのです。

「1分間タイムスタディ」は特別養護老人ホーム・老人保健施設・介護力強化病院で提

供されている介護サービスに関する記録ですから、要介護認定等基準時間は、いわば要介

護認定の対象となる高齢者がそれらの施設に入所・入院していると仮定した場合に提供さ

れる介護サービスの時間といってよいのですが、直接生活介助など5分野に含まれる介護

サービスのみが含まれることになりますので、例えば、職員の研修やカンファレンスなど、

特定の高齢者に提供されていると同定できない時間は除外される点に注意する必要があり

ます。

このように、全ての対象者を施設入所と見なして計算される時間ですから、実際には在

宅で介護を受けている高齢者については、施設とは環境が違うこと等によって、実際に受

けている時間とは異なって感じることもあると思います。例えば、在宅で24時間の介護を

受けている高齢者がなぜ一日数十分間の介護時間と見なされるのかがわからないという声

です。これは、要介護認定等基準時間が、介護を行っている人が特定の高齢者の介護に専

念している時間だけを積算したものであることに主な理由があります。例えば、高齢者の

様子を気にかけながらその傍らで介護を必要とする高齢者に対する介護サービスとは特定

できないような一般的な家事をしている時間は要介護認定等基準時間算定の対象となって

いないのです。

また、要介護認定等基準時間が介護保険によって受けられるサービスの時間とは異なる

とされています。つまり、要支援状態の高齢者が4時間の通所介護(デイサービス)を週

に2回利用した場合、介護の時間は480分/7日(約70分/日)になると思われるのに、

要介護認定等基準時間ではせいぜい30分/日にしか過ぎないではないかという疑問です。

確かに、通所介護の時間中は常に一対一で介護職員から直接的な介護を受けていれば要介

護認定等基準時間は約70分/日になるはずですが、実際には通所介護での介護職員の配置

は通所介護の人員基準に基づけば利用者5人に対して1名ですから、1人の利用者が受け

ている平均時間は最大でも約14分/日となるのです。

このように、要介護認定等基準時間は決して架空の時間ではありませんが、利用者が感

じる時間の長さとは異なる場合があると言うことです。

7 なぜ中間評価項目が利用されることになったのですか?

要介護認定が開始される前年の平成 10 年度の要介護認定に関する試行的事業では一次

判定のために樹形モデルは使用されましたが、中間評価項目は使用されていませんでした。

この試行的事業では、

・調査結果を一項目修正しても要介護度が変わらない。

・調査結果を一項目修正すると要介護度が大きく変わる。

Page 26: Ⅰ.要介護認定について1 要介護認定等基準時間の推計 要介護認定における介護の手間は「介護にかかる時間」(要介護認定等基準時間)で表すことを基本と

といった指摘がありました。

樹形モデルによる推計方法は非常に精度が高い反面、これらの課題を持っていると言う

ことができます。

前者は、要介護認定等基準時間を推計するときに、その調査結果が樹形モデルの分岐に

出てこない場合が該当します。

また、後者は、その調査結果が樹形モデルに出てくる場合であって、右に分岐するか左

に分岐するかによって、要介護認定等基準時間が大きく異なってくる場合が該当します。

これらの現象への対策としては、なるべく多くの調査結果が分岐点として使用されてお

り枝がよく伸びた樹形モデルを作ることによって解決しますが、そうなると、すでに述べ

たとおり、「1分間タイムスタディ」の調査結果のばらつきの影響を受けて推計結果が不安

定になる恐れがあります。

そこで、認定調査によって把握された心身の状況に基づいて、機能や状態の良し悪しを

総合的に評価する中間評価項目を樹形モデルの分岐として利用することが提案されました。

中間評価項目の得点は、その群に含まれる複数の調査項目の結果が組み合わされたもので

す。いわば、中間評価項目は、数項目の認定調査結果を集約したものですから、中間評価

項目が分岐に利用されれば、そこには数項目の調査結果が反映していると考えられます。

また、ある高齢者の調査結果の一つが他の項目での傾向と異なる不自然なものとなって

いたとしても、他の調査項目の選択傾向に相殺されて中間評価項目の得点としては反映さ

れにくくなります。(図5)

このようにして、あまり樹形モデルによるグループを細分化することなく、多くの調査

結果を加味した推計が可能になったのです。

図5 樹形モデルにおける調査結果と中間評価項目の活用

8 中間評価項目についてもう少し詳しく説明してください。

●中間評価項目と調査項目 67項目からなる心身の状況に関する調査項目は7項目(群)の中間評価項目のいずれ

かに属します。中間評価項目として調査項目をグループ化する際には、10年度の試行的

事業の対象となった約16万人に関する調査結果を利用して、連動して調査結果に所見

整髪

一部介助

全介助 自立

身の回り

59.5以下

←調査項目 単一の調査結果で分岐し、左右で

大きく差が出ることもある。

←中間評価項目「身の回りの世話等

に関連する項目」

10の調査結果が関与しており、あ

る項目が他と異なる選ばれ方をして

いても、影響は相殺される。

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(「できない」「全介助」等正常以外の調査結果)が見られる傾向がある調査項目を一つの

群としています。(例:第5群[身の回りの世話等に関連する項目]の「ボタンのかけはず

し」に所見がある場合は同じ群に含まれる「上衣の着脱」にも所見がある傾向がある。) ○麻痺・拘縮に関連する項目(第 1 群) ○移動等に関連する項目(第 2 群) ○複雑な動作等に関連する項目(第 3 群) ○特別な介護等に関連する項目(第 4 群) ○身の回りの世話等に関連する項目(第 5 群) ○コミュニケーション等に関連する項目(第 6 群) ○問題行動に関連する項目(第 7 群)

●中間評価項目ごとの個人別得点について (選択肢と機能の高さ・個人別得点) ・個々の調査項目(67項目)の選択肢は、例えば、動作についての「自立」「一部介助」

「全介助」や、問題行動についての「ない」「ときどきある」「ある」というように、機

能の高さや状態の良さなどの順番に並んでいます。そこで、最も機能の高い(状態が良

い)選択肢に対して高く配点され、最も機能が低い(状態が悪い)選択肢に低く配点さ

れれば、個人ごとの調査結果に基づいて採点していくことによって、個人の得点を計算

することができます。 (具体的な配点方法) ・個別の選択肢へ具体的に配点が行われるためには、その選択肢と機能の高さとの関係を

明らかにする必要があります。そのため、グループ化を行う際に用いたデータを用いて、

機能が低下(状態が悪化)していく傾向を統計的に見てみました。その結果、機能の高

さ(状態の良さ)との関係が深いほど、高い点数が与えられることになっています。 (中間評価項目ごとの得点) ・今回の方法では、それぞれの中間評価項目について、調査項目ごとの得点を合計してい

くと、最も機能が高い人が100点、最も機能の低い人が0点となるようになっています。 (配点が持つ意味) ・従って群を超えて選択肢への配点の高さを比較することはできませんが、同じ群の中で

は、その配点を比較することによって、どちらの調査項目が機能の高さ(状態の良さ)

と関係が深いのかを知ることができます。中間評価項目ごとの得点が低いということは、

一般的には、その方の機能が低い(状態が悪い)ということになりますので、要介護度

が高くなることになります。このような傾向は、障害高齢者の日常生活自立度(寝たき

り度)の判定結果(JABC)や認知症高齢者の日常生活自立度の判定結果(ⅠⅡⅢM)

と同じ様な特性を持っているといって良いでしょう。

9 「運動能力の低下していない認知症高齢者の指標」による一次判定の補足ついて。

「認知症高齢者の要介護度が、実際に要する介護の必要性と比べて低く評価されている

のではないか」といった意見があり、平成14年度までは、二次判定における勘案事項とさ

れていました。しかし、平成15年度の要介護認定基準等の改訂により、あらたに、一次判

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定において、要介護認定等基準時間による要介護度区分を補足する方法が行われることと

なりました。

具体的には、「運動能力の低下していない認知症高齢者」いわゆる「動ける認知症」に

対して補足することとなり、以下の3つの前提となる条件があります。

①要介護認定等基準時間による要介護度区分が要介護2以下

②「認知症高齢者の日常生活自立度」がⅢ・Ⅳ・M(←調査票における評価)

③「障害高齢者の日常生活自立度」が自立・J・A(←調査票における評価)

これらの条件にあった場合に、補足のためのスコア表により、補足の可否が決定されま

す。このスコア表には、調査項目だけでなく、主治医意見書の「理解及び記憶」に関する

4項目も用いられます。

これまでは、調査項目のみによる一次判定でしたが、あらたに、自立度や主治医意見書

の情報も一次判定に用いられることになりました。

10 コンピュータが人間の要介護度を測ることに違和感があるのですが…?

今まで説明してきたように、コンピュータに搭載されている一次判定用ソフトウェアは、

「1分間タイムスタディ」の対象となった約4,478名の高齢者の介護の状況を統計的に処

理して得た結果に基づいて作成されています。

コンピュータが示す結果は、統計的に平均的なものですから、多くの高齢者の状況から

はあまりはずれた結果にならないように作られています。

しかし、「平均」という言葉が示すように、それから少しはずれた人もいることは事実で

す。そのため、特記事項や主治医意見書が必要になるのです。つまり、この2つの資料は、

認定調査の対象となっている高齢者が通常の高齢者とどれくらい異なっているかを記載し

ていただき、二次判定の場でその違いに基づいて最終的な判定を行うために必要な資料と

言うことができます。

コンピュータが要介護認定の審査判定を支援することはあっても、コンピュータが要介

護認定を支配することはありません。

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○要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令

(平成十一年四月三十日 厚生省令第五十八号)

(要介護認定の審査判定基準等)

第一条 介護保険法(平成九年法律第百二十三号。以下「法」という。)第七条第一項の厚生労働省令で

定める区分は、次の各号に掲げる区分とし、法第二十七条第五項前段(法第二十八条第四項、第二十

九条第二項、第三十条第二項及び第三十一条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)

に規定する介護認定審査会による審査及び判定は、被保険者が当該区分に応じそれぞれ当該各号に掲

げる状態のいずれに該当するかについて行うものとする。

一 要介護一 要介護認定等基準時間が三十二分以上五十分未満である状態(当該状態に相当すると認

められないものを除く。)又はこれに相当すると認められる状態(次条第一項第二号に該当する状態を

除く。)

二 要介護二 要介護認定等基準時間が五十分以上七十分未満である状態(当該状態に相当すると認め

られないものを除く。)又はこれに相当すると認められる状態

三 要介護三 要介護認定等基準時間が七十分以上九十分未満である状態(当該状態に相当すると認め

られないものを除く。)又はこれに相当すると認められる状態

四 要介護四 要介護認定等基準時間が九十分以上百十分未満である状態(当該状態に相当すると認め

られないものを除く。)又はこれに相当すると認められる状態

五 要介護五 要介護認定等基準時間が百十分以上である状態(当該状態に相当すると認められないも

のを除く。)又はこれに相当すると認められる状態

2 第二号被保険者(法第九条第二号に規定する第二号被保険者をいう。次条第二項において同じ。)の

要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病(法第七条第三項に規定する特定疾病を

いう。次条第二項において同じ。)によって生じたものであるかについての法第二十七条第五項前段に

規定する介護認定審査会による審査及び判定は、法第二十七条第三項(法第二十八条第四項、第二十

九条第二項、第三十条第二項及び第三十一条第二項において準用する場合を含む。)の主治の医師(以

下この項において「主治医」という。)の意見又は指定する医師若しくは当該職員で医師であるものの

診断の結果及び法第二十七条第六項(法第二十八条第四項、第二十九条第二項、第三十条第二項及び

第三十一条第二項において準用する場合を含む。)の審査及び判定に係る被保険者、その家族、主治医

その他の関係者の意見等を勘案して行うものとする。

(要支援認定の審査判定基準等)

第二条 法第七条第二項の厚生労働省令で定める区分は、次の各号に掲げる区分とし、法第三十三条第

四項前段(法第三十三条第四項、第三十三条の二第二項、第三十三条の三第二項及び第三十四条第二

項において準用する場合を含む。次項において同じ。)に規定する介護認定審査会による審査及び判定

は、被保険者が当該区分に応じそれぞれ当該各号に掲げる状態のいずれに該当するかについて行うも

のとする。

一 要支援一 要介護認定等基準時間が二十五分以上三十二分未満である状態(当該状態に相当すると

認められないものを除く。)又はこれに相当すると認められる状態

二 要支援二 要支援状態の継続見込期間(法第七条に規定する期間をいう。)にわたり継続して常時介

護を要する状態の軽減又は悪化の防止に資する支援を要すると見込まれ、要介護認定等基準時間が三

十二分以上五十分未満である状態(当該状態に相当すると認められないものを除く。)又はこれに相当

すると認められる状態

2 前条第二項の規定は、第二号被保険者の要支援状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾

病によって生じたものであるかについての法第三十二条第四項前段に規定する介護認定審査会による

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審査及び判定について準用する。この場合において、前条第二項中「法第二十七条第三項(法第二十

八条第四項、第二十九条第二項、第三十条第二項及び第三十一条第二項において準用する場合を含

む。)」とあるのは「法第三十二条第二項(法第三十三条第四項、第三十三条の二第二項、第三十三条

の三第二項及び第三十四条第二項において準用する場合を含む。)において準用する法第二十七条第三

項」と、「法第二十七条第六項(法第二十八条第四項、第二十九条第二項、第三十条第二項及び第三十

一条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは「法第三十二条第五項(法第三十三条第四項、

第三十三条の二第二項、第三十三条の三第二項及び第三十四条第二項において準用する場合を含む。)

において準用する法第二十七条第六項」と読み替えるものとする。

(要介護認定等基準時間)

第三条 第一条第一項各号及び前条第一項各号の要介護認定等基準時間は、被保険者につき、当該被保

険者に対する法第二十七条第二項(法第二十八条第四項、第二十九条第二項、第三十条第二項、第三

十一条第二項及び第三十二条第二項(第三十三条第四項、第三十三条の二第二項、第三十三条の三第

二項及び第三十四条第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の調査の

結果から、当該被保険者に対して行われる次に掲げる行為に要する一日当たりの時間として、厚生労

働大臣の定める方法により推計される時間とする。

一 入浴、排せつ、食事等の介護

二 洗濯、掃除等の家事援助等

三 徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等

四 歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練

五 輸液の管理、じょく瘡の処置等の診療の補助等

第四条 (略)

附 則

第一条 (略)

第二条 介護保険法等の一部を改正する法律(平成七年法律第七十七号)附則第三条第二項の規定によ

り読み替えて適用する法第十九条第一項の厚生労働省令で定める区分は、経過的要介護(要介護認定

等基準時間が二十五分以上である状態(当該状態に相当すると認められないものを除く。)又はこれに

相当すると認められる状態をいう。)に該当するものとする。

○要介護認定等基準時間の推計の方法

(平成十二年三月二十四日厚生省告示第九十一号)

要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令(平成十一年厚生省令

第五十八号。以下「省令」という。)第三条に規定する厚生労働大臣の定める方法は、別表第一の調査票

のうち基本調査の部分を用いた調査の結果(以下「調査結果」という。)に基づき、次の各号に掲げる行

為の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める方法により算定される時間を合算することとする。

一 省令第三条第一号に掲げる行為

別表第二(→直接生活介助の樹形図)の算定方法により算定される時間を合計した時間

二 省令第三条第二号に掲げる行為

別表第三(→間接生活介助の樹形図)の算定方法により算定される時間

三 省令第三条第三号に掲げる行為

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別表第四(→問題行動関連行為の樹形図)の算定方法により算定される時間

四 省令第三条第四号に掲げる行為

別表第五(→機能訓練関連行為の樹形図)の算定方法により算定される時間

五 省令第三条第五号に掲げる行為

別表第六(→医療関連行為の樹形図)及び別表第七(→特別な医療)の算定方法により算定される

時間を合計した時間

(平一二厚告五一〇・平一五厚労告一〇九・一部改正) (以下略)