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ATC TM and PPS TM Breathing Support with Optimum Patient Comfort Roland Zarske Martin Döring 日本語版

ATC and PPS Breathing Support with Optimum Patient Comfort · をpav/ppsとすること、日本語名を「按分比例圧支持換気」とすることを提案した。適 切な名称について、しかるべき機関で論議されることを期待したい。

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ATCTM and PPSTMBreathing Support with Optimum Patient Comfort

Roland ZarskeMartin Döring

日本語版

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ATCTM and PPSTMBreathing Support with Optimum Patient Comfort

Dr. Roland ZarskeMartin Döring

日本語版発刊にあたって

丸川征四郎兵庫医科大学救急災害医学教授

この小冊子はATCTMとPPSTMについての初めての解説書である。丁寧に解説して

あるので、十分に理解して頂けるはずである。

ATCTMの基本概念は古くから存在していた。著者が初めて人工呼吸器に接した

1970年頃、すでに気管チューブの吸気抵抗を考慮した送気パターンを設定するよう

指導を受けたので、もっと古くから存在していたのであろう。その後、気管チューブ先

端で測定した気道内圧を換気条件設定にフィードバックするアイディアが研究された

が、実用化されないまま消え去っていった。しかし、たとえ実用化されていても最高

気道内圧を制御する機構が目標だったので、吸気相の全てに亘って連続して補償す

るATCTMには比べようもない未熟な装置に終わったであろう。ATCTMは、まさに天と

地ならぬ「点と線」の違いを実現したのである。

PPSTMは、1992年にYounesが発表した人工呼吸理論に基づいて開発された新し

い方式の換気モードである。当初は、技術的に実現できるか危ぶまれたので、多く

の関係者にとっては「やっと出来た」と言うのが実感であろう。従来は一回換気量と

気道内圧を制御したのに比べ、PPSTMでは吸気流速と吸気流量を制御する。制御に

は、基本データとして気道抵抗と肺コンプライアンスが不可欠であるが、実際には大

まかな目安値を設定して患者が「最も快適」と同意してくれる条件をtry and error方

式で探すことになる。従って、PPSTMにおいて最も大きな変更点は、最適換気条件を

4

5

訳注:按分比例圧支持換気(proportional pressure support:PPS)pressure supportを圧支持(換気)と訳すのはpressure support ventilation(PSV)から類推して妥当であろう。しかし、proportionalの訳は難しい。重症であるほど呼吸補助は大きくなるので「比例」が適当であるようだが、同時に補助の程度は抵抗と弾性の大きさに応じてそれぞれに配分されるため、単なる「比例」ではない。「pro・portion・al」は、「配分(分配)」、「釣り合い」、あるいは「調和」などの意味合いを含んでいる。この語彙と語感を端的に表す日本語は、少々古めかしい言い方だが「按分比例」が最も近い。本書ではこれを採用した。つづめて「按比」でもよい。「比例支持換気」や「比例補助換気」を含め、今後、学会用語委員会など公式の機関での検討が必要である。なお、PPSのオリジナルはproportional assist ventilation(PAV)であるから、略記号にはPAV/PPSが採用されるべきであろう。

決めるのが担当医ではなく、自発呼吸する患者に移行したことである。これは治療概

念の転換としてエポックメイクと考えられるので、特に強調しておきたい。

ところで、PPSTMとPAVとは、詳細は異なるが同じ換気方式である。そこで、通称

をPAV/PPSとすること、日本語名を「按分比例圧支持換気」とすることを提案した。適

切な名称について、しかるべき機関で論議されることを期待したい。

最後に、ATCTM、PPSTMが広く臨床に受け入れられることを念願し、本冊子の翻訳

出版にご尽力頂いたドレーゲル光電(株)、日本光電(株)をはじめ関係諸兄に感謝い

たします。

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目次

自動チューブ補償:ATCTM 8

■チューブ補償の原理 8

■ ATCTM(自動チューブ補償)の設定 14

按分比例圧支持換気:PPSTM 16

■按分比例圧支持換気とは何か? 16

■自発呼吸をしている状態とは 16

■自発呼吸患者の換気力学 18

■気管挿管患者の自発呼吸 20

■ PS/ASB(圧支持換気)での自発呼吸 21

■ PPSTM(按分比例圧支持換気)の基本原理 24

■動作の概要 26

■ PPSTMの利点と限界 29

■ PSとPPSTMの違い 29

PPSTMの臨床応用 30

7

自動チューブ補償:ATCTM

気管チューブは人工的に気道抵抗を増加させるため、自発呼吸を困難にしてしまいます。ATCTM(Automatic TubeCompensation)は、この人工的な気道抵抗を的確に補償する新しい方式です。ATCTMの設定は簡単で、全ての換気モードに利用できます。ATCTMにより、まるで「呼吸のための仕事」がなくなったような、

気管チューブがなくなったような快適な呼吸を供給することができるため、ATCTMは「電気的抜管(electronic extubation)」とも表現できます。

チューブ補償の原理

ICUではほとんどの人工呼吸患者に気管チューブが挿管されていますが、気管チューブは気道を狭窄してしまいます。この狭窄による気道抵抗は、調節呼吸では人工呼吸器が補償するので問題にはなりませんが、ウィーニングが始まり自発呼吸が現れると、挿管されていない場合に比べて呼吸しにくくなってしまいます。気管チューブにガスが流れると、チューブ両端に圧差(ΔPtube)

が生じます。自発呼吸でガスを吸うとき、このチューブの圧差に打ち勝つだけの陰圧で吸気を行わなければなりません。この吸気努力を改善する方法として、チューブの圧差と同じだけの圧を吸気に加える方法があります。

8 Automatic Tube Compensation: ATCTM

しかし、圧差はガス流量に正比例して変化するので(図3)、ガス流量の変化に対応した圧を加えなければなりません。そのためには、気管チューブの両端で気道内圧を測定して圧差を計算する必要があります。しかし、気管チューブ先端のセンサーは、水滴や気道分泌物で妨害され、正確な測定値を得ることは困難です。これに代わる方法として、気管チューブの内径とガス流量から圧差を求める方法があります[1][2]。エビタでは、ガス流量を人工呼吸器内部で測定していますので、呼吸サイクルの任意の時点での圧差を求めることができます。

P = Rtube Coef. × flow2

R tubeは気管チューブ抵抗であり、ガス流量に比例することが分かります(Coefは定数)。

Automatic Tube Compensation: ATCTM

Paw

P trachea

P mus

ATCTMを付加した時�

P tube

Paw

P trachea

P mus

P tube

ATCTMのない時�

図1

左図はATCTMが付加されていないとき

の自発呼吸。患者はΔPtubeを余分に

加えた吸気努力が必要である。右図は

ATCTMが付加されたときの自発呼吸。

人工呼吸器がΔPtubeに等しい圧を加え

て、患者の余分な呼吸仕事量を肩代わ

りしている。

ATCTM :チューブ抵抗に対する自動補償機構

Paw:呼吸回路内圧Ptrachea:気管内圧Pmus :横隔膜吸気圧∆Ptube :PawとP tracheaの圧差

(チューブ圧差)

9

チューブ先端に圧をかけると、チューブ抵抗による自発呼吸量の増加が解消できます。この様子は図2の「車を引っ張っている人の仕事量は、車を後ろから押してもらえば軽減できる」に例えることができます。

今日、臨床に広く用いられている圧支持換気(pressuresupport:PS)にも、チューブ抵抗による呼吸仕事量の増加を補償する効果があります。すなわちPS(あるいはASB)では自発吸気の始まりを人工呼吸器が感知して、回路圧(Paw)を設定した値まで直ちに上昇させます。この付加される圧がチューブ抵抗を補償します。PS(あるいはASB)圧はウィーニングの進行と共に漸減されますので、補償の程度は小さくなりますが、気管チューブの抜管まで補償は続きます。しかし、ここで問題なのは付加される圧は設定されたPS(あるいはASB)値に固定されているため、補償に過不足が生じることです。

図2人工呼吸中は、支持圧(P vent)が高いほど、同じ換気量を得るために自発呼吸に要求される吸気仕事量は少なくて済みます。

Pmus:横隔膜吸気圧 Pvent:人工呼吸器が作る支持圧

P mus P vent

10 Automatic Tube Compensation: ATCTM

図3に示すように、内径7.5mmのチューブにASB 5mbarを付加した場合、ガス流量が45L/minのときだけ過不足のない最適な補償が行われます。

ところが、強い吸気努力によって吸気流量が高くなると、圧差がASB圧よりも高くなってしまうため、気管チューブによる抵抗は十分には補償されません。ASBで最もよくチューブ抵抗を補償するには、ASB圧を平均気道内圧に設定する以外に良い方法はありません。ASBで気管チューブによる抵抗を完全に補償するには、ガ

ス流量の変化に応じてASBの圧を手動で連続的に変更しなければなりません。

delta P Tube

Flow10 20 30 40 50 60 70 80

5

10

15

20

25

ASBの圧�

内径7.5mmの気管内�チューブによる�差圧曲線�

ASBが過剰に補償�

ASBの補償は不足�

図3気管チューブ抵抗の補償に必要な圧(黒)は吸気流量に比例して増減するが、ASB(青)では設定圧が固定している。

delta P:チューブ圧差 Flow :ガス流量

Automatic Tube Compensation: ATCTM 11

ATCTM(自動チューブ補償)は、最適な圧を自動的、連続的に調節します。これにより、送気する吸気流量に比例した圧がチューブに加えられて吸気が行われます。すなわち人工呼吸器は連続的にチューブ圧差を計算し、呼吸回路に最適な圧をかけることになります(図4)。チューブサイズが小さい場合は同じガス流量でも、より大きな圧

差が生じます。つまり内径が細くなるほど、大きな呼吸努力が必要となります[3]。チューブ内径はATCTMの重要なパラメータですので、人工呼吸

開始時に挿管されているチューブ内径の値を設定してください。

時間�

ATCTMのない時�

回路内圧� 気管内圧�

圧ATCTM付加時�

回路内圧�

時間�

気管内圧�

図4人工呼吸中の呼吸回路内圧変化(斜線の曲線)、気管挿管された患者の気管内圧(細線の曲線)。左図はATCTMがないとき、右図はATCTM

が付加されたとき。

12 Automatic Tube Compensation: ATCTM

ATCTMが起動されると、人工呼吸器は連続的に計算された気管内圧に基づいてチューブ圧差を補償します。気管内圧と呼吸回路内圧の変化は、ATCTMの効果として理解できるよう人工呼吸器のスクリーンにカラー曲線で経時的に表示されます。

図5ATCTMと後で述べるPPSTM(按分比例圧支持換気)によって、種々の気道抵抗とコンプライアンスは個別に補償できるようになった。

R tube:気管チューブ気道抵抗

Rpathological:病変による気道抵抗

Cpathological:病変による

コンプライアンスTC continuous:気管チューブ抵抗に対す

る補償:持続的(比例する矩形波流量)

PPS continuous:按分比例圧支持換気:

持続的flow proportional:比例流量支持volume proportional:比例量支持ASB general:総合ASB(圧平均値)

pathological

pathological

TubeR

R

C

ASBgeneral

TCcontinuous

ASBgeneral(mean value)

(square flow proportional)

(flow proportional)

(volume proportional)

総合的に補償� 個別に補償�

PPScontinuous

(mean value)�

13Automatic Tube Compensation: ATCTM

ATCTM(自動チューブ補償)の設定

ATCTM(自動チューブ補償)はどの換気モードにも適用でき、設定は極めて簡単です。初めに、挿管している気管チューブの内径値を入力し、補償

の程度(100%か、部分的(1~99%)か)をセットします。次にATCTMを起動するスイッチをONにします。補償レベルの設定によっては、呼吸筋トレーニングとして利用

することもできます。

図6

14 Automatic Tube Compensation: ATCTM

気管チューブの長さを多少短くしても、チューブ抵抗の大きさにはほとんど影響しません。ATCTMは吸気相にも呼気相にも有効です。呼気相の補償では呼吸回路内圧が下がりますが、大気圧よ

り低くなることはありません。また、気管内圧(気管分岐部近くのチューブ先端圧)は設定されたCPAP圧よりも低くなることはありません。なお、呼気相のATCTM補償はOFFにすることができます(自発吸気のみのATCTM補償が選択可能)。ATCTMが起動すると、画面上に気管内圧曲線(実線)と呼吸

回路内圧曲線(影線)が同時に表示されます。閉塞性肺疾患患者の場合は、呼気補償を行わない方がよい

でしょう。この方が長時間にわたってチューブ先端圧はCPAP圧よりも高く維持され、呼気相の間、閉塞領域の気道の開存がより長時間維持できるはずです。ATCTMの呼気側補償の中止は、コンフィグ・メニューで設定

します。

15Automatic Tube Compensation: ATCTM

按分比例圧支持換気Proportional Pressure Support :PPSTM

按分比例圧支持換気(proportional pressure support)とは何か?

PPSTMは、補助呼吸が必要な自発呼吸の弱い症例、気道抵抗が高い症例、肺コンプライアンスが低い症例の自発呼吸をサポートする換気モードです[4]。PPSTMの対象となるのは、ASBの適応患者です。両者の類似点と相違点を解説しましょう。

自発呼吸をしている状態とは

新しい人工呼吸モードの開発は、非生理的な陽圧をできる限り抑制し、優しく、非侵襲的な換気法を目指して行われています。今日、マイクロプロセッサの発達によって、ガス流量と気道

内圧を自由に調節できるようになりました。特に注目されてきたのが自発呼吸に人工呼吸器の動作を同期させることでした。開発の第一段階として登場したのがIPPVによる機械補助呼

吸を自発呼吸でトリガーさせる方法です。この方式では、まだ患者の吸気努力の大きさは考慮されていませんでした。したがって、一旦トリガーされると、人工呼吸器は固定されたガス流量と吸気時間の吸気を供給し、吸気途中での変更は不可能でした。次に、機械的換気の間の自発呼吸が可能なSIMVが開発さ

れましたが、機械的吸気パターンは固定されたままでした。

16 Proportional Pressure Support: PPSTM

PS/ASB(圧支持換気)は、自発呼吸に正確に同期する初めての換気モードでした。呼吸努力の程度によって人工呼吸器の送気ガス流量を調節する方式が開発されたのです。また、人工呼吸の吸気相の長さは、吸気努力の持続と肺機能によって決定されるよう改良されました。しかしASBでは、自発呼吸の吸気パターンに一致したガスを送気することは原理的に不可能です。そこで、少しでも改良しようと吸気の初期流量を自発呼吸に一致させるためのadjustable pressure ramp(吸気圧立ち上げ傾斜調節)が開発されました。もう一つのPS/ATCの限界として、いったん支持圧が設定されると、吸気相の間はその圧が維持されてしまうことが挙げられます。自発呼吸の強さに変化が起きても、設定圧が再調節されるわけではありません。また、人工呼吸器の吸気追従はきめ細やかではないため、呼吸努力に対して過剰な補償や補償の不足を招いています。これに比べてPPSTMは、気道内圧が吸気相の呼吸仕事量に

比例して調節されるため、患者が必要とする吸気補助を直接的にかつ継続的に供給します。

17Proportional Pressure Support: PPSTM

自発呼吸患者の換気力学

健常者の肺では、呼吸ガス流量および一回換気量は吸気努力に比例するので、吸気努力が強いほど吸気ガス量は多くなります。これに対して肺障害患者では、気道抵抗の増加あるいはコンプライアンス低下のために換気量当たりの呼吸仕事量は増加し、同じ吸気努力を払っても吸入ガス量は少なくなっています(図7)。

患者は十分な換気を得ようと呼吸努力を行うので、この状態が持続すると呼吸筋が疲労して換気不全に陥ってしまいます。このような症例にPPSTMを応用すると、呼吸仕事量は減少され、快適な自発呼吸が可能となります。

障害肺�

正常肺�

吸気量�

患者の吸気努力�

図7肺障害のある患者では健康者に比べて、同じ吸気努力でも吸気量は少ししか吸入できない。

18 Proportional Pressure Support: PPSTM

図8は自発呼吸患者の換気力学を現した単純なモデルです。

モデル肺は、抵抗とコンプライアンスで表現してあり、呼吸筋の収縮によって一回換気量で満たされます。一回換気量は吸気終了に続いて胸郭の弾性収縮力(recoil force)によって呼出されます。その結果、気道内圧は大気圧に戻ることになります。ガス流量と一回換気量は、呼吸運動方程式で計算できます。(実際に吸入されるガス量が気道内圧と吸気努力で規定されることを表した式)

R

C

Pmus

V

Paw = Pamb

V

図8Paw : 呼吸回路内圧

Pamb:大気圧

Pmus:横隔膜吸気圧

R:気道抵抗C:コンプライアンスV:吸気流量Vt:一回換気量

19Proportional Pressure Support: PPSTM

気管内挿管患者の自発呼吸

図2(P.10)は、気管内挿管された自発呼吸患者にも応用できます。ただし、ここでは吸気相の気道内圧は人工呼吸器によって調節されています。この気道内圧をP ventで表わすと、

Pvent + Pmus = RxV +1/CxV

となります。吸気努力に対する人工呼吸器の反応では、設定された換気

モードによってガス流量、換気量そして換気圧が異なります(図9)。

量調節式(IPPV)

圧調節式(PCV, PS/ASB)

患者の吸気努力�

ガス流量�換気量�

量調節式

圧調節式�

患者の吸気努力�

換気圧�

図9各換気モードにおける患者の吸気努力に対する人工呼吸器の反応。PCV、PS/ASBでは患者の吸気努力が大きくなると吸気流量、一回換気量が増加するが、IPPVでは両方とも設定された量しか送気されない(上段グラフ)。気道内圧は、PCV、PS/ASBでは設定された圧が維持されるが、IPPVでは吸気努力の増加と共に低下する(下段グラフ)。

20 Proportional Pressure Support: PPSTM

吸気努力の増加に対して、従来の量調節式の換気モードではガス流量と換気量は変化しませんが、圧調節式の換気モードではガス流量と換気量は増加します。ここで重要なことはグラフに示した関係です。まだ吸気努力がない時点(グラフの原点)の値(初期値)は、人工呼吸器に設定した値に相当します。

PS/ASB(圧支持換気)での自発呼吸

PS/ASB(圧支持換気)は、自発呼吸患者の呼吸要求に応じて呼吸補助ができる機構を備えた初めてのモードです。図10は、吸気努力の典型的な曲線と人工呼吸器が供給する

換気圧変化を、ガス流量曲線と換気量曲線と共に示したものです。この図では、吸気努力はPmus(臨床的には専用の食道カテーテルを用いて測定する)で示してあります。人工呼吸器は、吸気努力によってトリガーされ、設定された吸気圧を供給します。その結果、吸気ガスが供給されて得られる換気量は、駆動圧(drive forces : Pmus + Pvent)あるいは気管チューブを含む回路抵抗の合計から計算できます。吸気相から呼気相への切り替え点(switch-off criteria)は、患

者の吸気努力によるガス流量の変化に基づいて決定されます。つまり、吸気流量が予め規定された基準値以下になると、人

工呼吸器は送気を止めて呼気相に移行します。移行のタイミングは、主に気道抵抗とコンプライアンスによって決まります。

21Proportional Pressure Support: PPSTM

図10は、吸気努力が変化すると、何が変化するかを示しています。人工呼吸器は自発吸気の要求に応じて、より多くのガス流量と換気量を供給できますが、それだけ呼吸仕事量が増加することを表わしています。図11には、自発換気量が同じでも、気道抵抗が増加すると吸

気時間が延長し、呼吸仕事量が増加することが示してあります。

強い吸気努力�

Pmus

time

弱い吸気努力�

定圧の圧支持換気�

Pvent

timeFlow

time

呼気への切り替わり点�

Volume

time

図10吸気努力に対する代表的な応答。PS/ASBモードで起こる回路内圧変化とガス流量と換気量曲線を示す。吸気努力が弱くても強くても(上段)、PS/ASBでは気道内圧は一定(ユーザーが設定した値)(2段目)。しかし、吸気努力に応じて吸気流量(3段目)、換気量(4段目)は増加し、吸気相(送気時間:切り替わり点)が延長される(3段目)。

Pmus:横隔膜吸気圧

Pvent:呼吸回路内圧

Flow:ガス流量Volume:換気量time:時間

22 Proportional Pressure Support: PPSTM

要約すると、PS/ASBでは設定された支持圧は、設定されたときの換気状態を大まかには補償しますが、自発呼吸パターンが変化しても、人工呼吸器はこの変化を感知できず、設定された支持圧を修正することもできません。

Pmus

timePvent

timeFlow

time

R high

switch off criteria

図11従来のPSでは、呼気への移行点は、大まかには肺の気道抵抗とコンプライアンスによって決定される。上段グラフは横隔膜の吸気圧、2段目はPSで支持された気道内圧、3段目はその結果得られるガス流量の経時的変化。気道抵抗が増加すると、患者は強い吸気努力を持続するので、呼気への切り替わり点が遅れ、吸気相時間が延長することが、破線で示されています。

Pmus:横隔膜吸気圧

Pvent:呼吸回路内圧

Flow:ガス流量time:時間switch off criteria:呼気への切り替え基準値

R high:気道抵抗が高い場合

23Proportional Pressure Support: PPSTM

PPSTM(按分比例圧支持換気)の基本原理

PPSTMの特性を説明する方法の一つは、PPSTMをPS/ASBの発展型と見なす方法です。もう一つは、気道抵抗とコンプライアンスによって増加した呼吸仕事量を減少させるために流量アシスト(flow assist)と換気量アシスト(volume assist)と言う2つのパラメータを設定するCPAPの一種と見なす方法です(両者には多少の違いはあります)。PPSTMの原理は、既に発表されているPAV(Proportional

Assist Ventilation)と全く同じです(関連文献を付録に示してあります)。PPSTMを用いると肺障害患者の自発呼吸効率を改善できま

す(図12)。その原理は、下記の式で表現されます。

PAW + Pmus = R ×V +1/C ×V

PAW:気道内圧

気管内挿管されている場合は、気道内圧(PAW)に人工呼吸が機械的に供給する圧を代入します。 呼吸筋の吸気努力が作り出す圧(Pmus:横隔膜吸気圧)は、次式を用いて求めます。

Pmus = R ×V +1/C ×V ー Pvent.

24 Proportional Pressure Support: PPSTM

自発呼吸の吸気流量と与えられた換気量に基づいて人工呼吸器を調節することができるなら、

Pvent = K1 ×V+ K2 ×V,

であるから、必要な呼吸筋の仕事量は、設定された定数K1とK2によってほぼ補償されます。

Pmus = R ×V + 1/C ×V ー K1×V ー K2 ×V

K1:流量アシストK2:換気量アシスト

この式には、パラメータK1(流量アシスト)とK2(換気量アシスト)が、気道抵抗とコンプライアンスによって増加した呼吸筋の仕事量を、どの様に減少させるかが示されています。理論的には、この方法によって自発呼吸をゼロにすることが

できますが、実際にはシステムを安定させる技術に限界があるため、ゼロにすることは困難です。

ガス流量、換気量�

患者の�吸気努力�

PPSによる補償

健常肺�

障害肺

図12障害肺では任意の吸気流量、一回換気量を得るには健常肺よりも大きな吸気努力が必要になる。PPSTMを付加すると、この余分な吸気努力を補償するため、健常肺の場合と同じレベルの吸気努力で同じ換気量を得ることができる。

・ ・

25Proportional Pressure Support: PPSTM

動作の概要

PPSTMを支えている技術的な原理を図13に示します。

PPSTMでは、患者の吸気流量と換気量は連続的に測定され、必要な計算が行われています。ユーザーが設定する「倍率」を掛けた流量アシストと換気量アシストを用いて、人工呼吸器のマイクロプロセッサは、呼吸サイクルの全経過にわたって自発吸気に最適なPPSTMを連続して付加しています。

BG

換気量�アシスト�

人工呼吸器

流量�アシスト

R

C

Paw

Pmus

V

V

V

V = V dt�

図13

V:換気量V:ガス流量Paw :呼吸回路内圧Pmus:横隔膜吸気圧R:抵抗C:コンプライアンス

26 Proportional Pressure Support: PPSTM

図14は自発呼吸が変化した場合にPPSTMに起こる現象とPS/ASBとの違いを表わしています。

吸気努力の違いでガス流量が異なることが示されています。PPSTMとPS/ASBとの基本的な違いは、吸気努力の変化に対

して人工呼吸器が逐次反応するか否かです。PS/ASBでは吸気サポートが常に一定の圧で行われますが、

PPSTMでは吸気サポートは按分比例的に供給されます。按分比例的な供給とは、患者の吸気要求(吸気努力)の程度

に応じてサポートの大きさが変化することを意味しています。PPSTMでも自発呼吸がなければ動作しませんので、安全の

ために無呼吸バックアップ換気の設定は欠かせません。

図14強さの異なる吸気努力に対するPPSTM

とPS/ASBとの反応の違い。左図:ASBでは吸気努力が大きくなると(上段グラフ)、吸気流量と吸気相時間は増加する(中段)が、気道内圧は一定である(下段)。右図:PPSTMでは吸気努力が大きくなると(上段グラフ)、吸気流量と吸気相時間は増加する(中段)が、気道内圧も増加する(下段)。

Pmus:横隔膜吸気圧

Flow:ガス流量Pvent:供給気道内圧

time:時間

Pmus

Pvent

ASB

Flow

time

time

time

強い吸気努力�

一定の圧支持�

Pmus

Pvent

PPS

Flow

time

time

time

強い吸気努力�

PPSによる圧支持�

27Proportional Pressure Support: PPSTM

PPSTMは組合せ方式(coupling method)であるために(図13)、不安定な状態になる危険性が常にあります。この不安定な状態は、流量アシストと換気量アシストに「増幅係数」を掛けた値が、実際の抵抗やエラスタンス(E = 1/C)よりも高いレベルに設定された時に起こる可能性があります。そこで、必要なサポートの程度を判断することができるよう

に、大雑把な値であっても抵抗とコンプライアンスがいくつであるかを把握することが必要です。設定の方法については、次章で詳細を説明します。従来の

方法と比べたPPSTMの利点と限界については、次ページをご覧ください。

28 Proportional Pressure Support: PPSTM

PS/ASBとPPSTMの違い

● 患者の快適さ● 患者の要求はほとんど完全に満たされる● 過換気がない● 鎮静がほとんど不要● 低い気道内圧を維持できる● PEEP,FiO2以外に2つのパラメータをセットするだけで良い

● 自発呼吸が不可欠である● 呼吸維持するための補助呼吸は作動しない● 設定には患者の呼吸抵抗と肺胸郭コンプライアンスを知る必要がある

● 不適切な設定をすると不安定な動作になる恐れがある

● リークがあると、誤動作をする恐れがある

PPSTMの利点と限界

PS/ASB

● 圧支持レベルが固定されている

● 患者が人工呼吸器をトリガーする限り最少のサポートが供給される

PPSTM

● 支持圧は吸気努力の程度で変化する

● 呼吸維持のための最低限の補助呼吸がない(無呼吸に対するバックアップが不可欠)

● 自発呼吸に最適な対応であるよう調節する

29Proportional Pressure Support: PPSTM

PPSTMの臨床応用

PPSTMは、既に報告されているPAV(Proportional AssistVentilation)に基づいて設計された換気モードです。PAVの臨床応用については、Magdy Younes教授によって開発研究されました[5]。PPSTMは自発呼吸をサポートする非常に優れた方法で、障害

のある肺が換気するために増加させた呼吸仕事量を補償するものです。最近、PPSTMに関する研究が増加しています。もし、PPSTM

が種々の肺疾患に用いられるようになれば、次のステップは広い領域で臨床経験を積むことであり、簡単で有用な治療法として推奨されることでしょう。PPSTMは、EVITA4に新しいモードとして搭載(オプション)

されているので、臨床での利用が可能です。PPSTMの利用と設定にあたっては、まず呼吸生理学の正しい

知識が必要です。従来の圧支持換気(PS/ASB)と同様に経験的に最適な設定値が確立されるまでは、最適な設定値を慎重に見つけなければなりません。文献に記載されている基本的なアプローチ法は、次の通り

です。PPSTMの初期設定では、最初に対象肺の気道抵抗とエラスタ

ンス(E = 1/C)を把握することが必要です。この値が間違っていると、PPSTMの効果は大きく歪められてしまいます。しかし、気管内挿管された自発呼吸患者においては、この値を測定する方法はまだありません。

30 Proportional Pressure Support: PPSTM

しかし最も近い値は、無呼吸状態、定常吸気流量下の量調節換気で測定することができます。ただし、内因性PEEP(intrinsic PEEP)が存在しないこと(吸気流量が呼気相でゼロになっていなければならない)を確認することが重要です。もし自発呼吸が発現すれば、これを抑制しなければ測定できません[6]。コンプライアンス(C)と気道抵抗(R)は、次式によって計算

できます(Vtは一回換気量、Insp. flowは吸気流量)。

C =(Pplat – PEEP)/ Vt R =(Ppeak – Pplat)/ Insp. flow

もし、PPSTMにATCが併用されれば、気管チューブ抵抗を加味した計算が必要となりますので[7]、次の修正式を用います。

Rlung =

(Kx値は気管チューブの補償係数であり、関連文献に記載されているがドレーゲル社も提供している。)

Ppeak – Pplat –(Kx× Insp. flow2)Insp. flow

31Proportional Pressure Support: PPSTM

文献的にはPPSTMに切り替えたとき、両パラメータとも実測値に対する増幅係数を80%に設定することが推奨されています[8]。

PPSTMに切り替える前に、過剰補償(runaway)が起こった場合のマイナス効果を防止するために換気量と気道内圧の上限を安全な値に設定してください。

32 Proportional Pressure Support: PPSTM

PPSTMモードに切り替えた後、最初に過剰補償(runaway)の徴候がないかチェックします。徴候としては、過剰換気量警報が持続的に鳴る場合か、患

者の呼気補助筋の収縮が観察される場合です[8]。もう一つの過剰補償の徴候として、流量曲線(フローカーブ)が高いレベルに急上昇し、続いて突然に下降する現象があります[9]。過剰補償が起った場合は、それが消失するまで流量アシス

トを下げてください。気道抵抗に対する過剰補償は、自動トリガー(auto - triggering)現象として現われ、流量トリガーを修正しても解消できない場合に起こります。流量アシストが過剰であると過剰補償が間違いなく発生しますので、流量アシストは低く設定してください。この初期設定に続いて、過剰補償が起らないように換気状

態を継続してモニタしてください。コンプライアンスが改善(増加)すると、設定されているエラスタンスは実際のエラスタンスよりも高い値になってしまい、過剰補償の危険性が高まります。従って、肺障害の改善にともなう肺コンプライアンスの改善(増加)には、特に注意が必要です。PPSTM中にエラスタンス値を求めるには、換気量アシストを

過剰補償(runaway)が起こるまで増加させる方法があります[8]。この閾値は、その時点の肺と胸郭のエラスタンスに等しいはずなので、得られた値の80%の値に設定します[8]。

33Proportional Pressure Support: PPSTM

本書に収録したPPSTMの関連文献(付録参照)は、PPSTMを臨床応用する前に必ずお読みください。PPSTMの有用性についての臨床報告がいくつか発表される

予定です。これら最新の関連文献については、日本光電工業(株)また

はドレーゲル光電(株)にお問い合せください。

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【監修者による追加】

2001年2月30日 初版発行

編 著 者:Dräger Medizintechnik GmbH監 修:丸川征四郎発 行 所:ドレーゲル光電株式会社

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非売品

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ATCTM and PPSTM

Breathing Support withOptimum Patient Confort 日本語版

本書の内容の一部あるいは全部を無断で複写複製(コピー)することは、法律で定められた場合を除き、著作者、および出版社の権利の侵害となります。複写複製する場合にはあらかじめ小社あて許諾を求めてください。

監修者:丸川征四郎(まるかわ せいしろう)

昭和44年3月、神戸大学医学部卒業後、昭和46年5月に神戸大学医学部麻酔科へ入局。その後、昭和56年4月に兵庫医科大学助教授(集中治療部)、平成6年11月に同大学集中治療部診療教授に就任。平成7年12月には同大学救急・災害医学教授に就任し、現在に至る。一方、日本集中治療医学会で理事を務めているのをはじめ、第21回日本呼吸療法医学会学術総会では会長に就任するなど、数々の学会で活躍している。昭和57年には日本麻酔学会にて第1回山村賞を受賞。主な研究領域は、集中治療医学、救急医学、災害医学、酸素療法、肺ガス交換機能、肺理学療法、人工呼吸療法、心肺蘇生法、SAMUの機能と構造、地域災害救急医療、重症患者の国際搬送(リパトリエイション)と、広範囲にわたる。主な著書に『酸素療法』(中外医学社)、『エアウェイマネジメント』(総合医学社)、『ICUのための新しい肺理学療法』(メディカ出版)、『人工呼吸器ハンドブック』(医学図書出版)がある。そのほか平成7年5月、阪神淡路大震災復興計画策定調査委員会の委員を務めている等、多方面に活躍。

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