Blockchain playbook 1

ブロックチェーンプレイブック

Blockchain playbook目次 2

1. ブロックチェーンとは何か

2. 実用面でのブロックチェーン

3. メディアとマーケティングにおけるブロックチェーン

4. サプライチェーン

5. 商取引と決済

6. 終わりに

7.付録

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Blockchain playbookエグゼクティブ サマリー 3

実用面におけるブロックチェーンについて説明し、ブラジル、インド、中国などの高成長市場でブロックチェーンがどのように発展しているのかを解説します。メディアやマーケティング産業への影響について切り込み、メディアサプライチェーン、透明性、ブランド管理、創造性などについて見ていきます。

今日では、ブランドは見映えや言葉以上のものであり、その企業の活動そのものを表します。ブロックチェーンは、信頼性や透明性が高く、適切なブランド経験を実現するテクノロジーになる可能性があります。

デジタルは、人々の生き方、働き方を絶えず変革してきました。過去の経験が現在にも当てはまるのであれば、準独占が出現するときは常に、産業の破壊的革新を起こす新技術も出現しています。ブロックチェーンはその機会となる可能性があるのです。

アイソバー グローバル CTOヴィカルプ・タンドン

ブロックチェーン。誰もが皆、この言葉を聞いたことがあるでしょう。しかし、皆さんの多くが理解したいのは、ブロックチェーンとは何か?現在および将来におけるブロックチェーンの可能性とはどんなものなのか?ということでしょう。

ブロックチェーンは膨大な誇大広告の対象となってきましたが、分散台帳技術 (DLT) であるブロックチェーンは、産業全体に破壊的革新を起こし、人々の生活を変える可能性を秘めていると考えています。

ブロックチェーンは分散型技術の革新を起こしており、ガートナー社は、「ブロックチェーンの事業付加価値は2025年までに1760億ドルをやや上回るまでに成長し、その後2030年までに3.1兆ドルを超えるだろう」と予測しています」1

しかし、ブロックチェーンの発展は演算能力と分散ストレージの制約を受けるものであり、現在はネットワーク速度が、ブロックチェーン技術の持つ現時点での最大限の可能性を実現する妨げとなっています。しかし、ご承知の通り、テクノロジーというものは急速に進歩するものであり、アメリカや中国などの基幹市場で5Gネットワークが展開されると、企業は規模を拡大して統合を開始する準備を整えるでしょう。

このプレイブックでは、仮想通貨を取り扱いますが、価値の貯蔵や既存通貨の代替を超える潜在能力や、サプライチェーン、商取引、透明性、身元の管理などの分野におけるブロックチェーンの可能性についても無論承知しています。

Blockchain playbook

1. ブロックチェーンとは何か

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現在の台帳システムブロックチェーンは新たな形態の台帳です。

台帳は、人間が文字を書き始めた当初から存在しました。台帳は金融取引を記録する手段です。台帳は、この金融取引を記録するという目的に特化してつくられており、通常のデータのためのものではありません。

現状では、台帳システムには主に2つの制限があります。

• 「原本」となる台帳が1つしか存在しない。• それぞれ一度に一人しか変更できない。

現在のコンピュータ・システムにおいても、いかなる時点においても有効な台帳の原本は1つしかありません。台帳は複数の予備とフェイルセーフを持つことができますが、(1か所で) 集権的に管理されます。

また、これらの台帳システムのいずれか1つに記帳する際には、一度に1人の人間によって作成された場合にしか有効となりません。

このことが意味するのは、その特定の勘定に関して不正、エラー、悪用(ハッキング) の可能性が常につきまとうということです。

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ブロックチェーンを例えると

子供たちのグループがトレーディングカードの交換をしています。子供たちはそれぞれ、誰がどのカードを所持しているかを記したリストを持っています。カードを交換する際、子供たち全員が同じリストを持っていることを確認し、子供たちの何人かがトレードが行われたことを証明する証人となることを確かめます。子供たちは交換を行うことに同意し、その後全員がカードの交換リストに交換の記録をつけます。ここで、二人組の子供がずるをしようとします。1人はリストを変更しますが、他の子供たちは、自分のリストとは異なっているのでリストが無効だと判断します。もう一人はカードを隠れて交換しようとしますが、証人がいなくては、誰も交換を承認しません。これがブロックチェーンの原理です 。

ブロックチェーンとは何かブロックチェーンとは記帳システム、すなわち台帳です。この台帳においては、追加される前に複数のソースが記帳の有効性を確認します。一度追加されると、変更は不可能であり、記録は多くの場所に瞬時に分散されます。

ここには、以前には存在しなかったブロックチェーン特有の機能がいくつかあります。分散化されることにより、「原本」のバージョンは存在しないので、台帳を改ざんするのはより難しくなります。

レコード（ブロック）をチェーンに追加するには、多数の第三者が認証する必要があります。ほとんどの場合、「マイニング」と呼ばれるプロセスが認証を実行します。マイニングにおいては、解決すべき非常に複雑な暗号問題がコンピュータに与えられます（それゆえ暗号通貨に「暗号」という言葉が使われているのです）。

最初に問題を解決したものが、「ブロック」として認識されます。他のマイナーがこのブロックを承認すると、最初のマイナーに報酬が与えられます。

各ブロックには、ブロックチェーン内の前のブロックへのリンクが含まれています。それによってそれぞれのブロックがつながってチェーンが形成され、前のブロックの整合性が確認されます。

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ブロックチェーンの成り立ち

ブロックチェーンは、2008年に仮想通貨ビットコインのテクノロジーの一つの機能として作りだされました。ブロックチェーンを作ったのが誰かは今だに明かされていませんが、その製作者はサトシ・ナカモトというハンドルネームを使用しており、このハンドルネームのもとでビットコインのホワイトペーパーが執筆され、ビットコインの実装がされました。このナカモト氏が誰かは諸説ありますが、実際にはだれなのか解明されていません。

ブロックチェーンとは何かブロックチェーンの最も画期的な特性の1つに分散化があります。分散化により、ブロックが無数の異なる場所 (ノードと呼ばれます) に同時に存在することができます。決済などの行為の場合には、このことが意味するのは、銀行や金融会社などの集権的組織を経由せず、ピアツーピアの取引が可能になるということです。特定の企業向けの用途では、投資を受けたそれぞれの企業がノードをホストし、信用の輪を構築できることを意味します。

ブロックチェーンの分散には、異なった2つのタイプがあります。第一のタイプがパブリックチェーンで、これは「公開」バージョンであり、つまり誰でもブロックチェーンの実行と追加に参加できます。これには、ノードになること、トランザクションのマイニング、ブロックの追加、ブロックチェーンの内容の読み取りなどが含まれます。

もう1つのタイプは、許可型ブロックチェーンです。許可型ブロックチェーンによって、上記のすべての機能が、権限を持つ関係者のみに制限されます。

企業向けの用途について言えば、推奨される方法は許可型ブロックチェーンを利用することだと考えられます。代替手段はパブリックチェーンに「便乗」することですが、拡張性に制限があることが難点だと思われます。

分散ネットワーク

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2. 実用面でのブロックチェーン

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ブロックチェーンの効率性

現在、ブロックチェーンは大量のトランザクションに対応するという問題を抱えていますが、ブロックチェーンは急速な変化を絶えず経験しているテクノロジーなのです。取引量は問題になるかもしれませんが、トランザクションの規模は問題にはなりません。先日、9900万米ドルのライトコインのトランザクションが行われました。トランザクションは2分30秒で完了し、かかったトランザクション (マイニング) 手数料は40セントでした。3

仮想通貨仮想通貨はブロックチェーンが開始した場所であり、現在においてもブロックチェーン技術の最も一般的な利用方法です。

しかしながら、仮想通貨には10年の歴史がありますが、人気が急激に高まり始めたのは、ほんの少し前の2017年の初頭から中頃にかけてです。それ以前は、ビットコインは影響力を持つ支配的なトークンでしたが、ビットコインの人気の急騰は、無数の他の仮想通貨を後押ししました。

現在の時価総額は (執筆時点において) 1140億米ドルで、過去最高額である12月の8190億米ドルから減少しています。しかし、現在のところ12ヶ月前 (460億米ドル) に比べて10倍近く上昇しており、ボラティリティが高まっています。2

他の市場とは異なり、仮想通貨の取引は完全に投機的なものです。通貨の裏打ちをする内在的な価値は存在しません。それぞれの仮想通貨には「トークン」（またはコイン）と呼ばれる取引に使われるものがあり、それを機能させる取引に必要なマイニングプロセスに紐付いています。

これらのトークンは、マイナーにインセンティブを与えてトランザクションを処理させることによって、ブロックチェーンを動かすために利用されます。

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パワーレジャーは、オーストラリアのブロックチェーン関連スタートアップの一例です。パワーレジャーは昨年末にローンチされ、その目的は再生可能エネルギーのためのピアツーピア市場をつくりだすことです。現在のところ、住宅で収集されたエネルギーはすべて、その家庭のエネルギーリテーラーを通じてグリッドに売却されます。

パワーレジャーは、ICOで3400万豪ドルを調達し、オーストラリア政府が800万豪ドルの助成金を承認しており、すでにタイおよび北米でパイロット・プロジェクトを行っています。4

イニシャル・コイン・オファリング (ICO) 最も有名な仮想通貨の一部は価値の交換のためにつくられましたが、大部分の仮想通貨は別の理由でつくられました。それらの仮想通貨はブロックチェーンを基盤技術として利用してはいますが、可能な限りのあらゆる産業を主な目的に定めています。

過去1年にわたって起きた現象が、ICO、イニシャル・コイン・オファリングです。ICOは、スタートアップ企業が事実上の創業資金の資金調達ラウンドをつくりだせる場であり、個人投資家が別の仮想通貨 (ビットコインやイーサリアムなど) を使ってトークンの一部を購入できるようになるものです。これらのICOは、ほんの数週間で数億を手に入れることができます。しかし、ICOの成功により、詐欺および不正を行うICOが登場するという問題が起こりました。この問題を受けて、多数の大手パブリッシャーがICOの広告を禁止し、FacebookとGoogleが、それぞれのプラットフォームで、ICOと仮想通貨の勧誘に関連する広告を禁止しました。

また各国も、程度は様々ではありますが、ICOに関する禁止および規制措置を施行してきました。最も顕著であったのは昨年の中国と韓国における措置です。この措置に関する説明は、いくつかは顧客の安全に関するものですが、この反対措置の大半は、追跡不可能な資金の徴税、規制、移動に関するものです。しかしながら経済的な可能性は非常に大きく、韓国は政府の監督の形態を確立することができれば規制を緩和するという噂が流れています。

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金融サービスブロックチェーンは台帳であるため、ブロックチェーンは当然ながら金融サービス分野で採用されてきました。あらゆる他の産業と同様に、依然として実験段階にはありますが、成功を収めています。

金融業界で導入されようとしているブロックチェーンで大きなものにオーストラリア証券取引所(ASX)があります。既存のCHESSの決済システムを分散型台帳ベースのシステムに切り替えようとしています。そうすることによって、株式取引の決算に2日かかっていたものが、ほぼ瞬時に行われるようになります。5

アメリカでは、連邦準備制度がリアルタイムの小売決済システムを開発するために、ブロックチェーン技術と連携しています。新たな精算および決済サービスを開発し、中央銀行によるデジタル通貨の供給を行うために、分散台帳技術を利用するとのことです。6

ナスダックとシティグループは、2017年に、ブロックチェーン技術の商用利用に関する重大な発表を行いました。シティグループとナスダックの提携は、複数の関係者間の支払取引を合理化して未公開株の流動性という課題に取り組むことによって、民間企業のニーズに対応するものです。 7

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ダイヤモンドおよびジュエリー産業の世界中の有力企業が提携し、TrustChainと呼ばれるブロックチェーンとの独自のコラボレーションを発表しました。製品が人から作られるものではない産業で、TrustChainはダイアモンドや高価な貴金属を採掘からその製品が売れるまで追跡・認証することができます。 9

サプライチェーンの透明性とプルーフ・オブ・オリジンサプライチェーンとブロックチェーンも多くの注目を集めています。ブロックチェーンは、製品の所有者が変わるたびに、取引を記録し、製造から販売に至るまで製品の永続的な履歴を作成できるだけでなく、それぞれの履歴に関わった者（理想では全員に）共有することができます。

履歴の作成により、現今取引で悩まされている遅延、コストの増加、ヒューマン・エラーを格段に減らすことができます。現在は、メーカーとサプライヤー、または顧客とベンダーの間で決済を行うには数日かかります。弁護士や銀行員が契約を処理する必要がありますが、これは追加費用と遅延が生じることを意味します。

ブロックチェーンのサプライチェーンへの活用は非常に多様性があり、単に支払いを行ったり、受け取ったりするものではありません。もっとも最近のアプリケーションにスマートコントラクトがあります。スマートコントラクトは、ブロックチェーンを利用して契約を結ぶソフトウェア・プログラムでシステム上での整合性を守るものです。このプログラムはブロックチェーン内に格納することができますが、第三者とのアセットの取引きや支払いなどのブロックチェーン上で起きる様々なイベントにも対応することができます。 8

不正製品等が会社にとってとても大きな懸念であるとおり、特に国境をまたいで行われる場合、製品の管理は特に困難です。

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アメリカ食品医薬品局

このイーサリアムベースのブロックチェーンを実装することで、機密情報がブロックチェーン上に公開されることがなくなります。チェーン上のデータは、それぞれに一人の所有者が存在し、所有者は他のユーザーやグループと、所有するあらゆるデータをアクセスレベルに応じて共有できます。このブロックチェーンを実装することで、ドキュメントレベルでアクセス制御が行われます。もちろんこれを行うためには、ネットワークがプライベートでさらに認可されている必要があります（権限を与えられたもののみ書き替えができる）。10

データの洞察と保護ブロックチェーンを採用することで、情報の共有を保護することができます。たとえば、データ保護の改善によって得た洞察を通じて公共サービスを改良する、といったことが挙げられます。

多数の患者の健康情報から得たデータを洞察することで、垂直型アプローチ全体を通して患者のヘルス・クオリティの向上に役立つ可能性があります。しかし、アクセスを妨げて健康に関する個人情報を厳重に保護することによって、機会損失が起きることがよくあります。ブロックチェーンは、この懸念を解消し、様々な医療従事者を結びつける可能性を秘めています。

4つの主要病院を対象としたパイロット・プロジェクトでは、アメリカ食品医薬品局 (FDA) の橋渡し研究部局が、ブーズ・アレン・ハミルトン社と提携し、ブロックチェーン技術の実装方法をテストしています。このテストは、FDA、医療従事者、病院の間で容易に情報の安全な共有ができるようにすることを目的としています。

「ブロックチェーンは分散管理を行い、中央集権的な権力を必要とせずに信頼性を得られるため、ブロックチェーンは大きな変革を起こすと確信しています。アイソバー グローバルCTOヴィカルプ・タンドン

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アリババだけがこのスペースに進出している中国の大手小売業者ではありません。JD.comもまたブロックチェーン上で海外との食品のやり取りの追跡に投資しています。彼らはは、オーストラリアの牛肉輸出業者「InterAgri」と提携を開始しました。このシステムの目的は、中国で販売されている牛肉の産地を保証するだけでは無く、高い透明性を持って食品のJDは、先月、中国への販売を行うオーストラリアの輸出業者が中国への販売の支援するために、メルボルンにオフィスを開設しました。13

ブロックチェーンのシステムの導入は特別なものです。これが正しく導入されれは消費者は牛肉の産地であるオーストラリアの農場にまでさかのぼって牛肉一切れを追跡できるのです。14

信頼性の提供食品の原産地保証は全ての消費者にとって懸念事項でありますが、市場での流通ボリュームの大きい中国の場合、特にそれは深刻です。その対応として、製品の信頼性と安全性を確保するために革新的な小売業者達がシステム設計に投資するのを目の当たりにしました。

アリババ・グループ (中国で最大手のリテーラー)、プライスウォーターハウスクーパース (PwC)、Blackmores、オーストラリア郵便公社は、昨年、「食品不正」に対抗する試みの一環として「Food TrustFramework」(食品の信頼フレームワーク) を立ち上げました。食品不正とは、アリババのオンライン・ショッピング・プラットフォーム「天猫」を通じて中国に販売されている偽造食品や低品質食品のことを指します。ニュージーランド・ポストとフォンテラも昨年後半、このイニシアティブに参加しました。 11

4月、食品追跡サービスを利用してフォンテラの製品を試験的に注文する試みが、ニュージーランドから始まりました。この注文により実証されたのは、食品のサプライチェーン・プロセスを追跡し、食品の信頼性を保証するというブロックチェーン技術の可能性です。

PwCの研究によれば、食品不正により、世界の食品産業に毎年400億米ドルの損失が生じています。この枠組みの参加者にサービスを提供しているPwCは、食品会社の40%が現状では食品不正を発見するのは困難だと感じていると指摘しています。 12

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アリババが支援するテクノロジー・インキュベータ「衆案保険(ZhongAn)」は、中国全土の100を超える病院と、診療履歴の照合と自動請求のためのデータ共有契約を締結しました。 16

このスタートアップは、関係者間におけるより効果的な情報流通、研究用の匿名データの集積、偽造医薬品の製造に対抗するための新たな手段を提供するために、ブロックチェーンの利用機会についても検討しています。

中国:市場の焦点中国の最大手インターネット企業の「BAT」(バイドゥ、アリババ、テンセント) がブロックチェーンへの投資を始めた時期は2015年初頭までさかのぼることができます。しかし、2018年には、中国政府は仮想通貨に関する議論を非推奨とする決定を下しました。

ブロックチェーンの整備の焦点は、具体的なICOではなく、技術がもたらす利益の調査に移行しています。大手企業は、ブロックチェーンが自社の現在の事業に具体的な利益をもたらす分野に焦点を合わせています。百度はAIとブロックチェーンを統合して、個人ローン契約を含む金融関連事業への活用を進めています。アリババは大手物流サービス企業「菜鳥 (CaiNiao)」の流通過程にブロックチェーン技術を利用しています。菜鳥の流通過程は、熱狂的な中国のeコマース市場において決定的に重要な役割を担っています。テンセントのブロックチェーンは、金融、医療、ゲームの分野でサービスを改善する方法を調査しています。15

「私たちは中国のマーケターとして、地元企業と消費者双方がすぐに順応しそうな、ブロックチェーン技術を利用した飛躍的な試みを期待しています。すでにこの技術を利用したスタートアップは多数存在していますが、まだ一般に浸透していないブロックチェーンの真価を実証する、よりスケーラブルで実用的なビジネスケースになるでしょう」

Isobar China ブランドコマース・コンサルタント 副責任者セシリア・ファン

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先日、ブラジル・フーズ、カルフール・ブラジル、IBMのパートナーシップ18が、肉の生産プロセスすべての追跡を目的とするブロックチェーン・ベースのソリューションを発表しました。最終消費者は、製品の包装に表示されたQRコードを通じて、その製品の製造工場、製造日、包装日、輸送日、および消費期限を確認できます。

ブラジル:市場の焦点ブラジルでは、ブロックチェーン技術の活用に関する研究が急速に進んでいますが、これはIBMやMicrosoftなどの大手金融機関やテクノロジー企業の主導によるものです。

ブラジルのような分断された市場では、ブロックチェーンの技術と、より具体的に言えばスマートコントラクトが、プロセスと支払いを自動化することで、透明性と信頼性を高める好機をもたらしています。例えば、徴収から分配に至るまでの税金の管理と追跡は、近年大規模な政治腐敗を経験した国にとっては注目の話題です。またブロックチェーン技術により、ブラジルの財政システム全体の高いリスクとコストを象徴する中間搾取を排除することも可能となります。17

「農業関連産業にとってのブロックチェーン技術の重要性を強調しなければなりません。ブロックチェーンは、サプライチェーン内のそれぞれのつながりをより緻密に管理したり視認性を高めたりすることができるので、サプライチェーンに対して大きく貢献することでしょう」

Cosin Consulting Linked by Isobar シニア・エグゼクティブペドロ・アウグスト・オリバン・ ビリンデッリ

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音楽シーンを有するこの国においては、ブロックチェーン技術を利用することで、権利の管理と流通における収益の損失に効率的に対処することができます。

銀行業務、保険、小売、自動車などの分野は、インドのような複雑で格差の大きい国ではブロックチェーンの恩恵を受けることになるでしょう。コタック・マヒンドラ銀行は、すでに顧客に対してエンドツーエンドの貿易融資が可能となっており、これにより信用状に必要な時間が通常の1月からわずか数時間に短縮されました。 21 Bajaj Allianz GeneralInsuranceは、ブロックチェーン技術とAIを活用して、カスタマー・エクスペリエンスを簡素化するために、多数のデジタル製品をローンチしました。22

インドでは、ブロックチェーンのおかげで将来の見通しは明るいでしょう。質の悪い種子や肥料を農家に供給すると、最終的には不作をもたらす可能性がありますが、モディ首相はこの問題の防止を目的として農業貿易の透明性をもたらすために、ブロックチェーン技術の利用を推進しました。 23

「何十年もの間インドの様々な分野の悩みの種となってきた問題を是正し、産業を新たな領域に押し進めるために、有意義な形でブロックチェーンを活用することができます」

Isobar India 専務シェカール・マースカー

インド:市場の焦点インドは世界の他の地域と比較すると発展が遅れており、見過ごされがちです。インド政府とインド準備銀行が発表した「ブロックチェーンが支える仮想通貨の取引」の方針と制限により、インドにおけるブロックチェーン技術の発展は遅れていますが、遅れを取り戻しつつあります。

インドでは、おおよそ80%の人々が、関係を揺るぎないものにするための正式な契約ではなく、相互の信頼関係の下で仕事に取り組んでいます。19この状況は、インドにおいてブロックチェーンが持つ将来性を示唆しているに過ぎません。例えば、テランガーナ州政府は、不正行為を防止し、プロセスの信頼性を高めるために、ブロックチェーンを利用して登記所のプラットフォームを改善しています。テランガーナ州政府のIT局とテックマヒンドラは、ブロックチェーンのインフラを構築するために、インド初のブロックチェーン特区を発足する準備を終えました。20

インドのブロックチェーンにおいて最も将来性が高い領域が、医療、教育、娯楽です。たとえばブロックチェーンは、政府プログラムの展開や医薬品の流通を効果的に行うために、先進性、安全性、拡張性を備えた分散型台帳ソリューションの作成を支援できます。

教育では、ブロックチェーンは、時間が経過した後に様々な便益を得られるよう、教育上の記録をありのまま保管する際に有用となる可能性があります。また、制作本数では世界最大の映画産業とそれに関連する

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3. メディアとマーケティングにおけるブロックチェーン

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「あらゆる産業が今後数年内に何らかの形でブロックチェーンを採用すると予想しています。ガートナーの予測によると、ブロックチェーンの事業付加価値は2025年までに1760億ドルをやや上回るまでに成長し、その後2030年までに3.1兆ドルを超えるということです。24

ご承知の通り、一握りのプレイヤーによるメディアとeコマースの独占はほぼ完了しています。既存のプレーヤーに対抗する挑戦者はほとんどおらず、参入費用があまりに高すぎます。過去の経験が現在にも当てはまるのであれば、準独占が出現するときは常に、産業の破壊的革新を起こす新技術も出現しています」

アイソバー グローバルCTO ヴィカルプ・タンドン

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ブロックチェーンが現代的意義を持つ理由デジタル・マーケティング産業とメディア産業は、ブロックチェーンが透明性、不正、プライバシーに関わる重大な課題の解決に役立つかどうかについて詳細に検討しています。現在はまだブロックチェーンの黎明期ですが、広告主が抱える課題に対するソリューションについては、スタートアップが進捗を遂げており、2018年は「試して学ぶ」年となるでしょう。

メディアとマーケティング用途のブロックチェーンに向けられる関心は、大部分がプログラマティック広告の収益構造に透明性をもたらすことに関連するものです。

ブロックチェーンは仮想通貨と不可分な関係を持っているので、異なるプログラマティック広告のプレーヤーの間で支払いの円滑化をまとめると考えられています。

ブロックチェーンが個人データ保護法を管理する上で企業のサポートとなる可能性があることから、身元管理はマーケターが関心を寄せているもう1つの領域です。

メディアとマーケティングにおけるブロックチェーン

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他プラットフォームに統合されるGiftoとは違って、STEEMITは、それ自身がプラットフォームで、新しい分散型のソーシャルネットワークです。STEEMITはクリエイターのコンテンツがブロックチェーン上で作られ、リーダーは、自身が楽しめたコンテンツに投票することができます。そのコンテンツがどれだけ人気を集めたかによって、1日一回STEEMトークンが、コンテンツを作成したクリエーターに報酬として与えられます。26

ブロックチェーンはマーケティングを変えるか？ブロックチェーンがマーケティング事業の要素を変化させることは確実だと思われます。

ブロックチェーンは供給と購入の両面で広告のエコシステムの構成要素を検証するために利用される、というのが起こり得ることとして共通認識になっています。検証の要素では、人間のブラウジング、関心、視認性、サイトや読者の妥当性などの望ましい成果があるかどうかが重視されるでしょう。

またスマートコントラクトを利用することで、ブロックチェーンは、制作者の管理、支払い、著作権表示の方式を簡素化する可能性もあります。広告代理店を経由してブランドを見るか、消費者としてクリエーターに直接チップを支払うかGIFTO。25 GIFTOのコアとなる前提条件は、あらゆるコンテンツのプラットフォームに統合できることで、コンテンツ消費者が直接コンテンツクリエーターに現金か物理的な利益に変換できるバーチャルギフトを通して利益を与えることができるようになります。

ディスプレイ広告が減少したり、Basic Attention Token (BAT、Brave) の取引に置き換えられたりする可能性もあります。もしくは、ウォレットにアクセスするためにパズルを解こうとする顧客に表示される情報に置き換えられる可能性もあります。コミュニティが持つ分散型のトークン駆動プラットフォーム(STEEM、Akasha) により、現在の大手ソーシャルメディア企業の地位を奪う可能性すらあります。

メディアとマーケティングにおけるブロックチェーン

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マーケターがブロックチェーンは自分に必要だと気づく方法とは? クリエーターやマーケターが、誇大広告の域を超えて面白いこと、理想的には意義深いことができるようになるには、ブロックチェーンの基礎知識を理解することが極めて重要です。

仮想通貨関連の最大の熱狂は冷めましたが、少数のブランドは、ブロックチェーン関連の技術のうち広報活動に利用できる価値に資本を投下しました。

特に、バーガーキング・ロシアのWhopperCoin 27 、イーサリアムのマイニングを行うUNICEF (ユニセフ) のゲーム・チェーンジャーズ(Game Changers ,mining Ethereum) 28 、ブロックチェーン事業への転換を発表しているロングアイランド・アイスト・ティー社29の3つがその好例です。

便乗的な誇大広告の枠を超えて、長期的なチャンスをつかむには、クライアントの業務をより深く理解する必要があります。このような話し合いは、多くの場合、CMOを押しのけて、CDO/CTO/CIOおよびCEOとともに、クライアントの他の領域にまで押し進めていく必要があります。

メディアとマーケティングにおけるブロックチェーン

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100億を超える品目を追跡することで、フィリップモリスは統合パートナーのblue-infinity Linked by Isobarと連携して、サプライチェーンの徹底的な透明性と完全性を確保し、非常に優れたカスタマーサービスを提供しています。

「製造現場から最初の販売窓口に至るまで、梱包レベルで配送追跡を行うことは、非常に大きな挑戦です。それはすなわち、成功を収めるためにソリューションを提供してくれる適切なパートナーを持つ、ということだからです。blue-infinityの専門知識、ソリューション、パッケージ化したサービスにより実現することが可能です」

フィリップモリス・インターナショナル 反不正取引技術研究開発シニア・マネージャー

サプライチェーンの追跡とトレーサビリティこのグローバル経済の出現に伴い、酒類、ファッション、タバコ関連企業を含む嗜好品およびFMCG (日用消費財) の垂直的市場では、ブランドの保護や地域市場のコンプライアンスと製品の保護を確保するシステムの開発がますます求められています。

「小売の将来は、消費者に対する高い透明性と大きな権限の提供にかかっています。消費者は、製品の生産地と持続性を知ることに大きな関心を持つようになってきています。また、メーカーが関心を強めていることも実感しています。メーカーは、アフターマーケットの取引で重要な役割を果たし、製品の所有者の変更に応じてブランドの認知と製品の価値を管理したいのです」アイソバー グローバルCTO ヴィカルプ・タンドン

現在ウォルマートは、‘ウォールマート食品トレーサビリティ・イニシアチブ’というブロックチェーンを基盤とした食品安全性プログラムを立ち上げました。IBMの食品信頼性ネットワークを元に作られ、食品管理場所から食卓に提供されるまでの製品の追跡をするために設計された物で、現在生鮮野菜を扱うサプライヤーの必要事項となっています。30

世界的なタバコ企業のフィリップモリスは、シリアル番号付与のデジタル化、配送追跡31、認証に関する一連のソリューションを利用しています。これらは105ヶ国の400を超える生産ライン、1600の追跡箇所に内蔵・配備されています。

サプライチェーン

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クリエーティブな手段としてのブロックチェーンブロックチェーンには、クリエーティブ産業に対する明白な好機はない、というのが多数派の意見です。ただし、このシステムの基本的な利点を利用すれば知的財産の保護、支払いの保護、追跡と認証を行うことができます。

明確に存在する将来性としては、クリエーターが自身の作品について直接報酬を受け取れる、というものがあります。スマートコントラクトを利用することで、印税や権利のクレジットなどのせいで複雑となっている業界を単純化できます。Myceliaのようなサービスは音楽に革命をもたらすことを目標としており、Giftoは、コンテンツの制作者がオンライン動画のキャラクターをマネタイズする支援を行い、Typerium 32はコンテンツの制作者の知的財産を保護するように設計されています。

さらに、すでに世界中のアーティストが、ブロックチェーンの開発がもたらす創作におけるメリットと起こり得る影響を、芸術的な手段として世に問うています。 たとえば、「Useless Ethereal Token」33は、見かけ上価値がないコインにお金を支払わせようとすることで、ICO関連の誇大広告を風刺する仮想通貨です。

エンジニアで芸術家でもあるジュリアン・オリバー34は、仮想通貨ZCashをマイニングするために使った自然エネルギーを利用した通過を作りました。仮想通貨のマイニング産業で多大なるエネルギーが注がれる中、彼は「Harvest」という「気候アート」を制作しました。Harvestは、重要な工学技術とコンピュータ計算による気候アートを組み合わせた作品です。Harvestは風力エネルギーを使って仮想通貨をマイニングし、その収益は気候変動の研究35の資金源へ寄付されます。

ケビン・アボッシュはアイ・ウェイウェイ36と協同で、「大切なものとは何か?」と問いかけました。

メディアとマーケティングにおけるブロックチェーン

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Crypto Kitties:41 ブロックチェーンが分散・増殖する性質をいかにしてエンターテイメントに利用できるかを示す有名な例。このアイデアは、「デジタル商品は貴重なものになり得るか?」という21世紀ならではの問いかけを試みるものです。

ブロックチェーンのクリエイティブな利用法「仮想通貨アート」の内側を見れば、ブロックチェーンを芸術的に利用した独創的なセレクションが姿を現します。これらのアートは、デジタルの世界について今までと異なる考えを持ち、分散システムにおける技術と関心の恩恵を受ける新たなチャンスを生み出すよう促します。

10ドルのDogecoin:37 仮想通貨または関連するブロックチェーン内にある他のコンテンツに、暗号キーが含まれるレゴアート。問題を初めて解いた人に報酬が与えられます。

Yellow #Lambo:38 スマートコントラクトのコントラクトアドレスを利用して物質世界と仮想世界を結びつけ、私たちの価値観の再考を促すアートです。

呼吸マイニング (BRH):39 マイニングのプロセスを利用して、ハッシング能力と、エネルギーや日常生活の今までとは異なった利用法を結びつけます。

Cryptograffiti.info:40 ブロックチェーン内で安全を確保するために、有効なメッセージ、オブジェクト、アートを埋め込みます。秘密のサプライズから荒らしや秘密のリークまで、安全な分散型proof of existenceを形成するために様々なものを埋め込みます。

メディアとマーケティングにおけるブロックチェーン

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4. サプライチェーン

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サプライチェーンの透明性前章で述べたように、ブロックチェーンは実用可能な技術であり、サプライチェーンに関する問題に対処することができます。マーケティングに関して言えば、対処が必要な問題は、出稿元ではなく透明性です。

今日、プログラマティック広告で広告主が費やしたお金の半分以上は、不透明な場合もある「広告技術税」に使われます。広告技術税には、結果の検証や不正リスクの軽減に関するサービスの手数料が含まれます。広告技術税は標準的であり、当たり前であるとさえ思われていますが、それは広告主が満足しているということを意味するわけではありません。実際、IABは現在、広告代理店とパブリッシャーの間で結果に10%の差異が生じても、これを容認しています。42

透明性における現在の苦境に対して取り得る解決策は、ミドルウェアの関係者全員にブロックチェーンのソリューションを活用してもらうことです。これにより、中間搾取が今より減少し、おそらくは直接パブリッシャーと広告主が広告を売買できるようになります。これが、次に広告詐欺のリスクの軽減や、最終的にはその根絶に役立つことでしょう。43

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サプライチェーンの透明性「これは、転売者や交換が山のように積み重なる層をカットし、さらにブロックチェーンの監査および検証システムを通じて広告の購入者とメディアの販売者を直接つなげることによって機能します。パブリッシャーがより多くの収入を得て、広告主が広告スペースに対してより少ない費用を支払うという、広告不正のない環境を作り出すことができます。このように、デバイスレベルでサイトや読者の合意に基づく検証を行うことで、より信頼性の高いブランドの価値に合った検証済のエコシステムを構築できます」

Amnet Group ブランドアクティベーション・チーム 部長スチュアート・ブロードハースト

ただし、これがうまく機能するためには、広告主自身や広告代理店からアドテック提供者や相手側のパブリッシャーに至るまで、関係者全員が協力して参加する必要があるでしょう。関係者は、共有したブロックチェーン上に存在する必要があります。ブロックチェーン上でそれぞれの広告の動きを追跡するのです。ブロックチェーンの台帳自体が、不正や誤った取り扱い、調停、食い違いの管理、場合によっては支払いの検証手段として機能します。必要となる費用に関しては、ブロックチェーンは単に広告主の不満を是正するための解決策ではなく、重大なコスト削減をもたらすものです。産業予測を行っている研究者は、2022年までにブロックチェーン技術は価値が高まり、800億ドルまで上昇する可能性があると考えています。44

サプライチェーン

Blockchain playbookサプライチェーン 29

AdLedgerは、非営利の研究開発コンソーシアムであり、その責務はデジタルメディア産業およびブロックチェーン産業に対して国際的な技術標準およびソリューションを提供することです。

AdLedgerは現在、2つのPoCプロジェクトを展開しています。1つはここで説明したメディア活動であり、もう1つのプロジェクトはGDPRのコンプライアンスに重点を置くものです。

試用プログラムプログラマティック・バイイングでブロックチェーンを利用する試用プログラムが既に始まっています。Salon.comはアメリカの有名なニュース・批評サイトであり、非営利で運営するAdLedgerと提携して、プログラマティック・バイイング向けのPoCのブロックチェーンをつくっています。45

この試みはAdLedgerのメンバーに、ブロックチェーンの将来性について教育するだけではなく、ブロックチェーンにアドテックを導入する際のルールと基準づくりを始める基本として利用されています。Salonは、パブリッシャーとして試用プロジェクトに参加している一方で、IBMは広告主とテクノロジー・プロバイダーという2つの役割を担っています。この試みは実際のキャンペーンを勘定システム上でデモを行い、同様にこの業界でさらに大規模な課題にどのようにしてブロックチェーンが適応できるかというあらゆるソリューションを示すものです。

「誤解のないように言うと、この目標はリリース可能なソフトウェアを開発することではありません。実際にブロックチェーンの将来性を顕在化させ、安心してルールと基準を導入できるように、ブロックチェーンができることをメンバーに示すことです」

AdLedger エグゼクティブ・ディレクタークリスティアナ・カッチャプオティ

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5. 商取引と決済

Blockchain playbook商取引と決済 31

前年のレポートでは、同様の割合のユーザーが、実際には自分の嗜好に合わせた広告を見たいと述べていました。48

ClearCoin 49は、ブロックチェーン上でメディアをリアルタイムで売買できる機能を提供しています。

Ternio 50は、プログラマティック広告の取引向けの、ブロックチェーン上に構築したサードパーティの検証ソフトウェアを開発しており、史上最も高速なブロックチェーンだと謳っています。

MetaX 51は、adChain Registry dAppを開発しています。これは、コミュニティが広告のサポートを受けるドメインを選定してつくったリストです。コミュニティのメンバーは、adTokenを使用して、ウェブサイトをレジストリに追加するべきか拒否するべきかを通知します。これにより、ブロックチェーンを利用した、広告主から広告スペースに至るまで、透明性の高い購入プラットフォームが作成されます。

「関心」に対する支払いプログラマティック広告の取引にブロックチェーンを利用するのは比較的道理にかなった活用方法ですが、この世の中には非常に過激な例もあります。それはプラットフォームの複占的な体制に異議を唱えようとするものです。彼らは消費者がより直接的に参画できるデジタル広告エコシステム上にプラットフォームを作っており、そうすることで彼ら自身のデータを直接広告主に売ることができます。

Basic Attention Token (BAT) 46 は、広告を見たユーザーに直接 (仮想通貨で) 報酬を支払うことにより、上記の仕組みを極限まで突き詰めたものです。このプロセスの完全性を示すために、BATはBraveブラウザと呼ばれるアドブロックが組み込まれたブラウザと一体となっています。Braveブラウザは新たな広告を配信し、視聴時間やクリックスルーなどのユーザーが広告と関わりを持つ特定の手段をモニタリングします。消費者の関心を評価する効率的な手段が広告モデルには欠けていると判断されると、コンテンツごとに広告の適切な比率を決定し、設置したそれぞれの広告に対して適正な価格を付けることができると謳っています。

AdobeとPagefairの最新レポート47ではアメリカのアドブロック・ユーザーが調査の対象となっていますが、そのアドブロック・ユーザーの80%が、少なくとも何らかの形式の広告を視聴したいと述べました。このことが示唆するのは、もっと率直な妥協案で大きな収益を上げることが可能だということです。

Blockchain playbook商取引と決済 32

支払いと身元証明プログラマティック広告の課題は透明性だけではありません。支払いも大きな課題であり、さまざまな投資家が異なる支払い条件を使用することで、広告代理店、アドテック企業、パブリッシャーにとってキャッシュフローが大きな懸念事項になる可能性があります。

ブロックチェーンの長所は、この技術を利用してサプライチェーンを構成している場合、支払いにも利用できる可能性があるということです。これはただ単に便利なだけではなく、ブロックチェーンは時間の遅延にも対処します。これは、取引が完了するとすぐに関係者は支払いを受け取れる、ということを意味します。

支払いとサプライチェーンの台帳とを組み合わせることで、信頼性がさらに高いレベルで保証されます。これにより、現在の監査システムと同レベルの透明性を享受できます。

ブロックチェーンの革命に参加することはアドテック企業にとってそれほど魅力的ではないように思われるかもしれませんが(実用に関して疑問があればなおさら)、即時の支払いが参加する動機を与える可能性があります。

支払いについてはさておき、ユーザーの身元を管理するためのブロックチェーンには多くの関心が注がれてきました。GDPRの制定とケンブリッジ・アナリティカのスキャンダルを考慮すると、ここでの中心的な考え方は個人情報の管理をユーザーの手に取り戻す、ということです。

ほとんどの場合、ユーザーの身元証明は、アプリ、ウェブサイト、デバイスなどの数多くの場所に離れて存在しています。これはユーザーにとって不便 (場合によっては脆弱) なだけでなく、マーケターがターゲットを設定することも困難になります。なぜなら、情報が正確であるという保証がなく、確率と類似性を持つものを絶え間なく推測するゲームになってしまうからです。多くのスタートアップは、マーケターをしばしば「敵」とみなし、ブロックチェーンに身元証明を取り込む方法を検討しています。一方、Momentumは、共同ブランドのポイントプログラムとユーザーのデータ管理の融合を試みる今までにない実例です。これにより、ブランドはMomentumを活用して、ユーザーの行動に基づいてさまざまな仮想通貨でユーザーに報酬を与えることができ、消費者行動をより深く理解することもできます。52

Blockchain playbook商取引と決済 33

ブロックチェーンは、オンラインからオフラインに至るまで、ブランド体験の「渇望の品」になる可能性があります。リテーラーがクッキーや顧客のその他の識別子に依存して、チャネルを通して買い物客を追跡するのではなく、ブロックチェーンは、その拒否不可能なロギング特性を利用して、リテーラーがチャネルに関係なく容易に顧客を識別する支援をすることができます。

「デジタル商取引は、常にショッピングの定義を問い直すような技術を採用しており、世界で破壊的な力を持ち続け、ブロックチェーンで最も早い段階のアーリーアダプターの1つになるでしょう。

アイソバー Commerce グローバル・マネージング・パートナー 副責任者ショーン・ミシュラ

商取引商人やマーケットは、信頼性、詐欺、フルフィルメント、セキュリティ、透明性といった問題への取り組みを続けています。これらは、従来の技術では十分に対処できなかった問題です。

しかし、ブロックチェーンは、これらの課題などに対処するという約束を実行しはじめています。例えば、製品の検証と信頼性を向上させるために、SAPはHyperledgerと提携して、デジタルの「拇印」を使用して荷動きを追跡し、商品の信頼性を証明しています。Hyperledgerのメンバーには、アメリカン・エキスプレス、JPモルガン、IBMなどが含まれます。これは、インターネット上のリテーラーが顧客の信頼を得る際に役立ちます。53

ブロックチェーンを利用することで、中央精算機関や関連コストがないので、企業は決済のセキュリティ、価格設定、認証の改善を目指しています。これにより、購入者、売り手、レビュー担当者を迅速かつ容易に検証できるようになります。

在庫の追跡と管理の精度が向上することで、ブロックチェーンによりリテーラーが拡張性・活力・競争力のある価格設定を行うことが可能となり、その一方で消費者がカスタマイズされた製品やホワイトラベル製品の価格を確認することが容易になります。54

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6. 終わりに

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ブロックチェーンの普及を阻むものとは何か?お分かりのように、ブロックチェーンには、プログラマティック広告だけでなく取引が存在する場所ならどこでも革新を起こす大きな可能性があります。2018年は、技術の間、パブリッシャーおよび代理店の間での拡張競争の年になっています。拡張競争の目的は、デジタル広告に適したブロックチェーン技術を設計することです。しかし、ブロックチェーンが広く普及する前に解決しなければならない中心的な課題がいくつか存在します。

スピード:現在の規模のブロックチェーン・フレームワークでは、リアルタイムの広告エコシステムのニーズをサポートできません。リアルタイムの広告エコシステムでは、現在数百万回の取引をミリ秒単位で処理しています。ブロックチェーンはこの点においては非常に遅く、現在は1秒につき約7件のトランザクションしか処理できません。しかし、ブロックチェーンの技術は急速に発達しています。前でふれたTernioは、1秒あたり100万件を超える取引が可能だと謳っています。

抵抗: ブロックチェーンは破壊的革新を起こす可能性がありますが、これは多くの事業を廃業に追い込むことができるということも意味します。デジタル広告に透明性が欠けているのは、技術的な限界によるものではなく、ビジネス上の問題です。アドテック企業は、その多くが現在のモデルを変更する必要があるでしょう。

構造: ブロックチェーンの魅力は、分散ネットワークのセキュリティと

透明性が共有されるということです。しかし、現在のブロックチェーン技術で処理速度を上げるには、関係するノードの数を「チーム」にまで減らす必要があります。個々の有権者ではなく州ごとの投票システムを考えてみてください。これにより、ブロックチェーンに不正侵入しやすくなり、分散ネットワークの利点が損なわれてしまいます。

永続性と忘れられる権利: GDPRの制定により、ブロックチェーンベースの本人確認ソリューションに対する関心が高まりましたが、これによって潜在的可能性が生じ、重大な問題も引き起こされました。

Blockchain playbookメディアとマーケティングにおけるブロックチェーン 36

「有料検索以前のデジタルの黎明期を思い返すと、初期の検索エンジンは、検索結果に対して料金を請求するのはユーザーエクスペリエンスをあまりにも「危うくする」と考えていました。しかし、これはおそらく今では信じがたいことでしょう」

Amnet Group ブランドアクティベーション・チーム 部長スチュアート・ブロードハースト

忘れてはならない最も重要なことは、ブロックチェーンが黎明期であることに加え、ブロックチェーン自体が単なるツールであり、最初は現実の問題を解決しようと試みることに焦点を当てるべきだということです。いくつかの領域においては、ブロックチェーンは素晴らしい可能性を秘めていますが、その他の領域においては、実際には現在のデータ保存方法 (および付随するソフトウェア) の方がはるかにその目的に適しています。

マーケターが次に為すべきこと現在はテストと学習を行うべき時期であり、他の人が何をしているかをしっかり観察し、ブロックチェーンがもたらす可能性とはどんなものなのかを調査してみましょう。

マーケティングのどの領域にあるかに応じて、マーケターが行うべき重要なことが2つあります:

1. 「観察と行動」というアプローチを取ること。ブロックチェーンは急速に発展しており、この技術を利用したマーケティング関連のイニシアチブを数多く挙げてきましたが、まだたくさんの他のイニシアチブがあります。しかるべき産業およびカテゴリのニュースソースに絶えず注目し、自身の職務に影響を及ぼす可能性があるものが登場した場合は、それに働きかけ参加するようにしましょう。

2. 自分のビジネスの他の部署とコミュニケーションをとること。ブロックチェーンと自分の会社に関わる最も大きな将来性は、直接的にマーケティングにあるのではなく、十中八九調達、物流、財務などの、ビジネスの別の部署に存在します。ブロックチェーンに関してあなたが広めていることの1つは、今まで注目に値するとは思わなかったプロセスに関係しているでしょうが、この技術を利用することで、事業の中でその部署の仕組みが大幅に変わります。これは間違いなく話しておく価値があることです。

Blockchain playbook���� 37

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私たちはブロックチェーンが大きな可能性を持っていることを認識しています。その可能性はデジタル・サプライチェーンの中でどのように利用されるかという点だけではなく、顧客のビジネスにおける課題にいかに対処できるかという点にも存在します。

このような顧客の課題に対処する中で、ブロックチェーンがその目的に対して過剰な機能を持ったものではなく、実行可能で現実的なソリューションであるかどうかを、素早く判断し、試みを行い、最終的には評価する能力が必要とされます。

ブロックチェーンは、ネットワーク速度、演算能力、および分散ストレージによる制限を受けています。過去5年間で、演算能力と分散ストレージは飛躍的に進歩しましたが、ネットワーク速度は依然としてブロックチェーンのリアルタイムでの取引という要件に合うものではありません。はっきりとブロックチェーンの未来が切り開かれるのは、アメリカと中国で5Gネットワークが施行された後だと予想されています。アメリカと中国では、ブロックチェーンの取り組みの大半が行われています。56

「マーケティングにおけるブロックチェーンの最良の使用例は、メディアのサプライチェーンにおける詐欺や請求に関する懸念に対処することでしょう。デジタルメディアへの影響力が高まり、多くのブランドがクリックや広告に対する印象に応じて料金を支払うようになっているので、広告に対する信頼が失われています。なぜなら、クリックが本物の人間によるものなのかボットによるものなのかや、広告に対する印象がいかにして決定されているのかを検証するのは難しいからです。

広告代理店は、不正行為のリスクをメディア代理店に完全に移す支払いモデルを履行することを余儀なくされています。従来のメディアで普及していたパススルー型と比較して、利幅が不安定になっているため、私たちは革新を余儀なくされているのです」

アイソバー グローバルCTOヴィカルプ・タンドン

Blockchain playbook

7.付録

Blockchain playbook用語集 39

ビットコイン: ビットコインは、初めてのオープンソースの分散型仮想通貨です。ビットコインは、仲介や中央集権的な発行者を必要とせず、グローバルなピアツーピア・ネットワーク上で動作します。

ブロック: ブロックは、ブロックチェーンのネットワーク上に永久的に記録されたデータを運ぶひとまとまりのデータです。

ブロックチェーン: ブロックチェーンは、ブロックを加えることによりトランザクションを永久的に記録する共有台帳です。ブロックチェーンは、最初につくられたブロックから最新のブロックに至るまで、今までに起こったすべてのトランザクションの履歴として機能します。そのため、ブロックチェーンという名前がつけられています。

承認:トランザクションにハッシュをつけ、ブロックチェーンに追加するという正常な過程。

合意形成: ネットワークの参加者全員がトランザクションの有効性について合意し台帳が互いの正確なコピーであることが保証されたときに合意形成が完了します。

仮想通貨:トークンとも呼ばれる仮想通貨は、デジタル資産を表現したものです。

分散台帳:分散台帳は、分散ノードのネットワークにデータが格納されている台帳です。分散台帳は、独自の通貨を持つ必要はなく、許可型のものやプライベート型のものである場合があります。

分散台帳技術 (DLT): 分散台帳技術は、この領域の技術の包括的な用語です。ブロックチェーンはこの一部ではありますが、唯一のものではありません。

デジタル署名: 公開鍵暗号が生成するデジタルコードで、コンピュータ上で送信される文書に添付され、その内容と送信者の身元を認証するもの。

ハッシュ: 出力データに対してハッシュ関数を実行すること。トランザクションの承認に利用されます。

ノード: ブロックチェーン・ネットワークの参加者が操作する台帳のコピー。

マイニング: マイニングは、ブロックチェーンのトランザクションを検証する行為です。検証の必要性があることで、マイナーにインセンティブが保証されます。インセンティブは通常、コインの形で与えられます。今回の仮想通貨ブームにおいては、適切に実行すれば、マイニングは収益性の高いビジネスになる可能性があります。最も効率的かつ適切なハードウェアおよびマイニング対象を選ぶことにより、マイニングは安定した形態の受動的所得を生み出すことができます。およびマイニング

対象を選ぶことにより、マイニングは安定した形態の受動的所得を生み出すことができます。

ピアツーピア: ピアツーピア(P2P)とは、高度に相互接続されたネットワークにおける、複数の端末間での分散型の相互関係を指します。P2Pネットワークの参加者は、1つの中継点を通じて互いに直接やりとりを行います。

公開アドレス: 公開アドレスは、公開鍵の暗号学的ハッシュです。秘密鍵とは異なり、どこにでも公開できるEメールアドレスとして機能します。

パブリックチェーン (非許可型ブロックチェーン): ビットコインのようなパブリックチェーンは、誰でもチェーンを読み取り、ノードになってネットワークに参加し、マイナーになってネットワークに貢献することができます。

許可型ブロックチェーン: 許可型ブロックチェーンは、ブロックチェーンで追加・検証ができる者、また状況に応じてチェーンを読み取れる者を制限 (プライベート許可型ブロックチェーン) します。

秘密鍵: 秘密鍵はデータの文字列であり、これにより特定のウォレット内のトークンにアクセスできるようになります。秘密鍵はパスワードとして機能し、アドレスの所有者以外には常に隠されています。

プルーフ・オブ・ステーク: 所有または保持しているコインの量に基づいて収益を与える、分散型コンセンサスアルゴリズム。コインに投資すればするほど、このプロトコルによりマイニングすることで、より多くの利益を得ることができます。

プルーフ・オブ・ワーク: データブロックのマイニングにおいて積極的な役割を果たすことが必要とされる分散型コンセンサスアルゴリズム。大抵の場合、電気などの資源を消費します。より多くの「仕事」をしたり、より多くの演算能力を提供すればするほど、より多くのコインを報酬として受け取ることができます。

取引手数料: 仮想通貨のあらゆる取引には少額の取引手数料が生じます。この取引手数料には、マイナーがブロックの処理に成功した際に受け取るブロック報酬が含まれることになります。

ウォレット: 秘密鍵を格納するファイル。ウォレットには通常、ソフトウェア・クライアントが含まれています。ウォレットは特定のブロックチェーンに向けて設計されていますが、ソフトウェア・クライアントにより、その特定のブロックチェーンにアクセスしてトランザクションを表示・作成することが可能となります。

Blockchain playbook出典 40

1. Gartner, A Guide to Demystifying Blockchain for ERP2. Coinmarketcap.com3. Someone transferred $99 million in litecoin ̶ and it only cost them $0.40 in

fees 4. Power Ledger Closes A$34M ICO5. ASX Exchange Targets 2020 for DLT Settlement System6. Innovation, Technology and Payments System7. How Nasdaq Is Using Technology For Its Private Market Platform8. How Blockchain Can Transform the Supply Chain9. TrustChain10. FDA builds blockchain-based health data sharing platform11. Alibaba’s Blockchain Food Tracking Program Launches In New Zealand12. Fighting $40bn food fraud to protect food supply13. China’s JD.Com Arrives In Melbourne To Push Cross-Border Ecommerce14. JD.Com Launches Australian Beef Blockchain Project15. BAT grabs blockchain: Baidu is deep, Ali is wide, Tencent is thoroughly16. Alibaba-Founded Insurtech Firm Promotes Blockchain Use in Healthcare

Industry17. CORRUPTION PERCEPTIONS INDEX 201718. BRF AND CARREFOUR JOIN IBM TO IMPROVE FOOD TRACEABILITY19. This Indian City Is Embracing BlockChain Technology ‒ Here's Why20. Tech Mahindra and Government of Telangana Collaborate to Launch India’s

First Blockchain District21. Kotak Mahindra Bank enables blockchain based trade financing operation22. Bajaj Allianz General Insurance brings Blockchain technology and AI enabled

digital products23. PM Modi Pitches For Usage Of AI and Blockchain In Agriculture24. Gartner, A Guide to Demystifying Blockchain for ERP25. Gifto26. How Steemit Works27. Burger King has launched its own cryptocurrency in Russia called

‘WhopperCoin’28. Unicef recruits gamers to mine Ethereum in aid of Syrian children

29. Surprise! The Long Island Iced Tea blockchain pivot didn’t work30. Walmart requires suppliers to use traceability system for leafy greens31. Track and Trace32. Typerium33. Useless Ethereal Token34. Julian Oliver ‒ Harvest35. Bitcoin’s energy usage is huge ‒ we can't afford to ignore it36. Ai Weiwei with Kevin Abosch37. An Artist Hid $10,000 Worth of Cryptocurrencies in These Lego Artworks38. When Crypto Meets Conceptual Art, Things Get Weird39. Respiratory Mining by Max Dovey40. Cryptograffiti.info41. CryptoKitties, Explained ... Mostly42. IAB: Mobile Discrepancies 2.043. Can Blockchain Solve Advertising’s Supply Chain Transparency Issues?44. Can Blockchain Solve Advertising’s Supply Chain Transparency Issues?45. Salon Joins With AdLedger and IBM to Trial a Blockchain Approach to Ad Tech46. Basic Attention Token47. Pagefair 2017 Adblock Report48. Ad blocking growth shows no signs of slowing down49. ClearCoin50. Ternio51. MetaX52. Momentum53. SAP Ariba Will Use Blockchain to Track Shipments, Ensure Authenticity54. Blockchain’s Promise55. Ternio Releases Third-Party Verification of Ability to Process Over One Million

Transactions Per Second, Fully Decentralized and On-Chain56. Decoding the present blockchain patent landscape

Blockchain playbook著者 41

このドキュメントはIsobar Globalと電通イージス・ネットワークの助力を得てロバート・ティルトとIsobar Australiaが作成しました。

ヴィカルプ・タンドン - Isobar Global CTO

ロバート・ティルト - Isobar Australia Nowlab 部長

サイモン・ジル - Isobar EMEA CXO

セシリア・フアン - Isobar China ブランド・コマース SVP

ペドロ・アウグスト・オリバン・ビリンデッ - Cosin Linked by Isobar シニア エグせキュティブ

シェカー・マスカー - Isobar India EVP

スチュアート・ ブロードハースト - Amnet Group アクティベーション チーム ディレクター

カイル・クラカワー - Amplifi オーディエンス インテリジェンス ディレクター

ショーン ミシュラ - Isobar Commerce SVP、グローバル マネージング パートナー

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NowlabについてNowlabは、世界14ヶ所に展開するイノベーションのアクセラレーターです。

最新のテクノロジーのもと、ハックや実験、プロトタイプ、ワークショップ等を実施しています。

また、北米、南米、欧州、アジアの各拠点で活躍する、才能あふれるスタッフを結びつけ、クライアントの問題を解決するための、最新かつ革新的なアプローチを施策するバーチャルコミュニティでもあります。

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