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目次 - optoscience.com · クトリック)、フォトダイオードの各測定ヘッドで動作し、スマートコネクタ・テクノロジを採用してお ります。

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目次

§1. 初めに:本マニュアルの使用方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

§2. クイックレファレンス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

2.1 まず、始めましょう ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

2.2 計測ヘッド未接続状態での機能 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

2.3 サーモパイル接続ヘッド ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

2.4 フォトダイオード接続ヘッド ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

2.5 計測ヘッド未接続状態での機能 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

§3. NOVA II ディスプレイユニット ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

3.1 概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

3.2 スマートコネクタ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

3.3 ソフトキー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

3.4 パワーオンと中断 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

3.5 測定ヘッド無接続でのNOVA II の状態設定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

3.6 ハードウエア機能 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

§4. サーモパイル吸収体計測ヘッドでの操作 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

4.1 サーモパイル吸収体計測ヘッド ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

4.2 画面上で設定変更/選択方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

4.3 初期設定と起動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

4.4 パワー計測 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

4.5 エネルギー計測 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21

4.6 一歩進んだ画面表示 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24

§5. フォトダイオードタイプの計測ヘッドでの操作 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26

5.1 フォトダイオード計測ヘッド ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26

5.2 ユーザー選定波長を表示する為のPD300の設定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27

5.3 起動時の初期設定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27

5.4 画面上で設定選択 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28

§6. パイロエレクトリック(焦電型)計測ヘッドでの操作 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30

6.1 パイロエレクトリックヘッド ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31

6.2 画面上で設定選択 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31

6.3 起動時及び初期設定の構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32

6.4 エネルギーまたはパワーの照射量計測 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33

6.5 高エネルギー繰り返しパルス計測 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36

6.6 エネルギー計測 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36

6.7 パイロスコープアダプタ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37

§7. 電気回路について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37

§8. 校正・保守・故障時対応方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38

8.1 サーモパイル計測ヘッド(校正ヒーター装着オプション:CALモデルを含む) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38

8.2 フォトダイオードヘッドの校正 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42

8.3 パイロエレクトリックヘッドの校正 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43

8.4 エラー・メッセージ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45

8.5 問題解決例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46

8.6 保守 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47

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§ 1.初めに: 本マニュアルの使用法 Ophir Nova II はマイクロプロセッサを基本要素とした、レーザパワー・エネルギーメータで、幅広い測

定範囲で見やすい表示及び計測データ処理機能があります。熱電対(サーモパイル)、焦電(パイロエレ

クトリック)、フォトダイオードの各測定ヘッドで動作し、スマートコネクタ・テクノロジを採用してお

ります。測定ヘッドを接続するだけで、Ophir Nova II の設定と校正が出来ます。

Ophir Nova II は専用ケースがオプションとなっており、他にもバッテリーレスオプションがあります。

本マニュアルには Ophir Nova II(以下NOVA IIと表記) を最大限に活用して、レーザ測定を行う際に必

要な全ての事項が網羅されております。

本マニュアルは通読しないでも、基本的な測定がすぐにでも出来るように、いわゆる早見表として、‘ク

イック・レファレンス’を用意して有ります。(セクション 2.参照)

測定に関する主要なセクションであるセクション 4、5 及び 6 では概要及び追加操作の詳細な説明を用

意して有ります。

§ 2.クイック・レファレンス

2.1 まず、始めましょう

NOVA II は、ソフト・キー方式を採用しました。即ち、これらのキーの機能は、それぞれのキーの上部にある、

画面表示に従って随時変更がされていきます(Figure 2.2 参照)。

NOVA II 表示部への測定ヘッドの接続

測定をする場合は測定ヘッドケーブルの15ピン・D タイプコネクタのプラグをNOVA II 表示部の上部の“Head

Input”の表示がある15ピン・D タイプコネクタのソケットに挿入して下さい。(Figure 2.1 参照)

Figure 2.1 NOVA II 上部パネル

12Vdc: AC電源アダプタ用差込み口

ANout: ペンレコーダ用アナログ出力端子

Head Input: SH(スマート)ヘッド用コネクタ

USB/RS232Output: USB/RS232 接続ケーブル用コネクタ

12VDC AN OUT HEAD INPUT USB/RS232

OUTPUT

各種接続端子

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Figure 2.2

2.2 計測ヘッド未接続状態での機能

2.2.1 スイッチのオン・オフ NOVA II をオンにするには: On/Off/Backlight スイッチを短く押して下さい。(Figure 2.2 参照 ) NOVA II がオン になり、ディスプレイが表示されます。 注:計測ヘッドはNOVA II をオンする前に接続する必要があります。 バックライトのオン・オフ

NOVA II のスイッチをオンにした後、On/Off/Backlight スイッチを再度、短く押して下さい。これでバックライ

トがオンになります。バックライトをオフにするには再度スイッチを押して下さい。 NOVA II をオフにするには:

On/Off/Backlight スイッチを押し、表示が消えるまで、そのまま 3秒以上保持して下さい。

(まれに横線が残ることが有りますが、この残像現象は7~8分で自動的に消滅します。)

現在のNOVA II の設定を保存しておく場合には‘Configure’ 機能をご使用下さい。

(次の2.5.4 項及び4.3 項を参照)

2.2.2 表示機能の選択 NOVA II 本体の零点調整 1.NOVA II のオフにし、測定ヘッドを外し、その後再度オンにして下さい。測定ヘッドを接続されていない事へ

の注意として、一行目に‘Head Disconnected’が表示されます。

2.このときにNOVA II が、電気的なノイズの影響を受けにくい環境下にある事を確認して下さい。

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3.‘Zero’(文字の下に位置する)キーを押すと、直ちに零点調整モードに移行し、‘Start’キーで零点調整が開

始するので、一分弱待って‘Zeroing Completed’が表示されていたら、‘Save’そして‘Exit’を順番に押してくださ

い。

表示モードの設定

1.NOVA II の電源がすでにオンであったときはスイッチをオフにし、測定ヘッドが接続されている場合は測定

ヘッドを外して、再度スイッチをオンにして下さい。

測定ヘッドを接続されていない事への注意として、一行目に‘Head Disconnected’が表示されます。

2.‘Display mode’を十字(ナビゲーション)キーで選択して、キーの中央にある丸型のEnterキーでポップア

ップメニュー(選択ウインドウ)を出し、必要とする表示モードを選択し、Enterキーを押して保存して下さい。こ

れで、以後NOVA II は、どの測定ヘッドに対してもこの表示モードで機能します。

3.‘Date’を選択し、Enterキーを押して下さい。ナビゲーションキーを使って、正確な日付をセットし、保存して

下さい。

4.‘Time’を選択し、Enterキーを押して下さい。ナビゲーションキーを使って、正確な時刻をセットし、保存して

下さい。

5.RS232の通信速度及びアナログ出力の電圧調整については、3.5.2及び3.5.3 項を参照下さい。

コントラスト設定

1. 計測ヘッドを取り外し、NOVA II をオフにして下さい。その後再度オンにして下さい。

このとき、一行目に ‘Head Disconnected’ が表示されます。

2. 十字(ナビゲーション)キーで右上の アイコンにアクセスしコントラスト設定メニューにお入り下さい。

3.Enterキーを押して、Up/Down ナビゲーションキーでコントラストを増減させ、Enter キーで 終了して下さ

い。 2.3 サーモパイル計測ヘッド

2.3.1 NOVA II でサーモパイル(熱電対集合体)計測ヘッドを使用する場合

使用するレーザに合わせた波長選択:

1.NOVA II をオフ にして、計測ヘッドを接続してから再度オン にして下さい。

2.ナビゲーションキーを押して、‘Laser’がハイライトさせて下さい。Enter キーを押し、適切なレーザ波長を

選択して下さい。

3.この波長を起動時の初期設定とする場合には、‘Save’を押すか、Enterキーを押して主計測画面に戻って

下さい。

パワー計測について、計測パワー範囲設定を手動で行うか、自動で行うかの選定:

1.ナビゲーションキーで‘Range’を選択して下さい。

2.適切な手動計測範囲を選ぶか、 AUTO を選ぶか、決定して下さい。

3.この新しい測定範囲を起動時の初期設定とする場合には、‘Save’を押すか、Enter キーを押して主計測

画面に戻って下さい。

パワー計測またはエネルギー計測の選定:

1.主計測画面で、パワー計測からエネルギー計測に移行する場合、左下部の‘Energy’ソフトキーを押して下

さい。

2.‘Power’ソフトキーを押せば、パワー計測に戻ります。

2.3.2 起動時の構成

1.計測ヘッドを接続して、NOVA II をオンにして下さい。‘Menu’を選び Enter キーを押して

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さい。‘Cofigure’を選び Enter キーを押して下さい。

2.次いで、ナビゲーションキーで‘Startup mode’を選び、起動モードとして選ぶ‘Power’か‘Energy’か、を

選んで下さい。Enter キーを押して終了です。このモードをデフォルトにする場合には、Enter キーを押して

から‘Save’を押して下さい。

3.ナビゲーションキーで‘Display mode’を選んで、Enter キーを押し、起動時に使用する画面のタイプを選

んで下さい。‘Save’を押して終了です。この設定は今回限りの変更で、保存する必要がなければ、Enter

キーを押し、‘Save’を押さずに終了して下さい。(この選択はNOVA II にのみ保存され、計測ヘッドには及

びませんので、どの計測ヘッドに対しても、何時もこの設定で起動します。)

4.‘Power range’を選び、Enter キーを押して、初期設定として、計測範囲設定を手動にするか、自動にす

るか、を選択して下さい。

5.次いで、‘Average’を選び、初期設定として、平均パワーとする場合の平均化時間の設定か‘None’を選

び平均化なしにするかを選定して下さい。詳細は 4.4.2.4 項参照。

6.‘Energy Range’を選び、エネルギー範囲の初期設定値を選定して下さい。

7.エネルギーのしきい値(トリガーレベル)の変更をするのであれば、‘Energy Threshold’を選んで下さい。

詳細は4.5.3.項参照。

8.‘Laser’を選び、初期設定とするレーザのタイプを選んで下さい。

9.‘Save’を押して、これ等の全ての設定を保存し、‘Exit’を押して、主計測画面に戻って下さい。構成に関する更なる詳細については4.3 項参照。 2.3.3 サーモパイルヘッドでのパワー/単発照射エネルギーの計測 注意:

パワー、エネルギー、パワー密度及びエネルギー密度を、セクション 9 の第 6、7 表に記載されている値を超

えて測定ヘッドに入力する事は絶対に避けて下さい。測定ヘッドの吸収体に損傷を起こす危険性があります。 NOVA IIでアナログの指針表示を選択する場合: 1.‘Menu’を選択し、Enter キーを押して下さい。‘Needle’を選択し、Enterキーを押して下さい。表示はア

ナログタイプの指針に変わります。

2.拡大表示が必要な場合、‘Expand’を押して下さい。

NOVA IIでレーザパワーを測定する場合:

1.‘Menu:Power’がディスプレイの右上部に表示されていることを確認してください。

2.‘Menu:energy’及び、J、mJ 等の単位が表示されている場合には、‘Power‘を押してパワー測定モード

に変更して下さい。

棒グラフ表示を約±5倍する場合:

1.‘Zoom’ボタンを押して下さい。

2.再度‘Zoom’ボタンを押せば、通常の棒グラフ表示に戻ります。詳しくは4.4.2.1 項を参照。

バックグラウンドの影響を差し引いて、表示の読みをゼロにする場合:

1.主パワー計測画面で‘Offset’を押して下さい。

2.キャンセルするには再度‘Offset’を押して下さい。詳しくは 4.4.2.2 項を参照。

NOVA IIでレーザパワーを微調整する場合:

1.主パワー計測画面で、‘Menu’を選択し、Enter キーを押して下さい。‘Tune’を選択し、Enter キ

ーを押して下さい。

2.±50%キーを繰り返し押して、パワースケールの範囲が%表示になるようにして下さい。

3.‘Graph’を選択し、水平軸掃引時間を適切に選んで下さい。

4.NOVA II 画面でのレーザパワーの微調整が可能になります。詳しくは 4.4.2.3 項参照。

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5.主パワー計測画面に戻るには‘Power’を押して下さい。

NOVA IIでレーザエネルギーを計測する場合:

1.ディスプレイの右上部に‘Energy’と表示されている事を確認して下さい。

2.表示が‘Power’、W、mW 等の単位となっている場合には‘Energy’を押して、エネルギー計測モ

ードに変更して下さい。

3.エネルギー計測モードでは手動で計測範囲を決めますので、‘Range”を選択し、ナビゲーションキ

ーで計測範囲を適宜設定して下さい。この設定を起動時の初期設定にする場合には’Save‘を押し

て下さい。適正計測範囲はパルスエネルギーの計測値をカバーし得る最も低いものとなります。測定

範囲は主ディスプレイの右下部のコーナーに表示されます。

4.NOVA II の画面上で‘Ready’が点滅している時に、レーザを照射して下さい。

詳しくは 4.5 項参照。

設定の保存:

● 設定を保存するには、下記 4.3 項参照。

2.4 フォトダイオード測定ヘッド

2.4.1 波長の選択

1.NOVA II がオフ の状態で、測定ヘッドを接続し、オン にして下さい。

2.主測定画面で‘Leser’を押して、正しいレーザ波長を選択してください。新しく選択したこの波長を起動時の

初期設定として保存する場合は終了する前に‘Save’を押して下さい。もし、使用したい波長が波長リストの

6つに含まれていなく、波長の変更または追加をしたい場合には、下記 2.4.2 項を参照。

3.初期値の設定手順は下記 2.4.4 項を参照。

2.4.2 選択した波長を変更する場合

1.パワー測定画面で‘Laser’を選択し、Enter キーを押して下さい。右ナビゲーションキーを押して、選択また

は追加したい波長に進んで下さい。

2.波長は Up/Down キーで数値の変更選択を、Right/Left キーで次ぎの数字の桁を選択をして下さい。終

了するにはEnterキーを押して下さい。この新しい波長を、起動時の初期設定波長セットとする場合には

‘Save’を押して下さい。このメニュー階層では、Enter キーを押してやれば終了となります。

注意:‘Modify wavelength screen’で保存した場合には、この波長が起動時の選択波長の中の一つとなり

ます。一つ手前の階層のメニューで保存した時は、起動時に選択された波長となります。従って、波長

の値そのものを変更した波長番号と、6つの設定波長番号から起動時の波長として選択したものは、

別々の意味合いであるとの識別を必ず行い保存して下さい。 2.4.3 パワー測定時の計測範囲選定を手動か、自動にするか、またはdBmにするか:

‘Range’を選択し、Enter キーを押して下さい。ナビゲーションキーにより、計測範囲設定を、適宜、手動意す

るか、自動にするか、またはdBm(ログスケール表示)するかを選定して下さい。

2.4.4 起動時の設定

1.メニューを選択し、Enter キーを押して下さい。‘Configure’を選択し、Enter キーを押して下さい。

2.‘Filter’を選択し、Enter キーを押して下さい。初期設定を’Filter in‘にするか’Filter out‘にするかを選択

して下さい。これを起動時の初期設定とする場合には保存して下さい。今回だけ一時的に変更する場合には

保存しないで終了して下さい。

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3.次ぎに、‘Display mode’を選択し、NOVA II の起動時の表示画面を選択して、Enter キーを押して下さ

い。(注意:これはNOVA II の一設定で、全ての測定ヘッドで有効となります。)

4.次ぎに‘Power Range’を選択し、初期設定として、手動測定にするか、自動測定にするかまたは、 dBm

にするかを選んで下さい。

5.次ぎにパワーの平均化期間を決める為の‘Average:’か‘NONE’のどちらを初期設定にするか選定して

下さい。

6.次ぎに‘Laser’を選択し、起動時のレーザ波長を選んで下さい。詳しくは2.4.2 項参照。 7.以上で設定は終了です。より詳しい設定に関しては5.3 項参照。 2.4.5 パワー測定

注意:

パワー、エネルギー、パワー密度及びエネルギー密度を、セクション 9 の第 6、7 表に記載されている値を超

えて測定ヘッドに入力する事は絶対に避けて下さい。測定ヘッドの吸収体に損傷を起こす危険性があります。

棒グラフ表示を約±5倍する場合:

1.‘Zoom’ボタンを押して下さい。

2.再度‘Zoom’ボタンを押せば、通常の棒グラフ表示に戻ります。(詳しくは 4.4.2.1 項を参照。)

バックグラウンドの影響を差し引いて、表示の読みをゼロにする場合:

1.主パワー計測画面で‘Offset’を押して下さい。

2.キャンセルするには再度‘Offset’を押して下さい。詳しくは 4.4.2.2 項を参照。

NOVA IIでレーザパワーを微調整する場合:

1. 主パワー計測画面で、‘Menu’を選択し、Enter キーを押して下さい。‘Tune’を選択し、

Enter キーを押して下さい。

2.±50%キーを繰り返し押して、パワースケールの範囲が%表示になるようにして下さい。

3.‘Graph’を選択し、水平軸掃引時間を選んで下さい。

4.NOVA II 画面でのレーザパワーの微調整が可能になります。詳しくは 4.4.2.3 項参照。

2.5 パイロエレクトリック(焦電タイプ)測定ヘッドでの計測

2.5.1 測定ヘッドに対するNOVA II のゼロ設定

使用するパイロエレクトリック測定ヘッドに対して最も正確な校正が必要な場合は、NOVA II のゼロ設定が必

要となります。以下に述べる手順に従って下さい:

● 計測ヘッドをパルス状の電磁波放射や、機械的な振動、風が当たらない静穏な環境下で使用して下さい。

● NOVA II に計測ヘッドを接続し、オン にして下さい。

次に、‘Menu’を押し、‘Zero’を選んで、Enter キーを押して下さい。

● ‘Start’を押して下さい。‘Zeroing completed’の表示が現れますので、‘Save’を押して下さい。

ゼロ設定終了のために‘Exit’を押して下さい。次ぎに、メニューから使用する画面を選んで下さい。

2.5.2 選択済の波長の変更(メタリックタイプのみ)

1.‘Laser’を選択し、Enterキーを押して下さい。

2.使用する波長を選択し、Enterキーを押して下さい。この波長を起動時初期設定とする場合には ‘Save’を

押してからして終了下さい。

3.設定波長の一つを変更する場合には、その波長を選択し、右ナビゲーションキーを押して下さい。

4.次いで Up/Down キーで数値の変更を、Right/Left キーで次の数値選択により波長の変更をして下さい。

5‘Save’を押してから終了して下さい。これが一時的な変更である場合には‘Save‘を押す必要はありません。

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2.5.3 使用レーザタイプのセット:

主計測画面で、‘Laser’を選択し、Enter キーを押して下さい。使用するレーザタイプまたは波長を選んで下さ

い。これを起動時の設定波長とする場合には、保存してから終了して下さい。

2.5.4 起動時構成の設定

1.測定ヘッドを接続後に、NOVA II をオン して、‘Menu’を選択し、Enter キーを押して下さい。

‘Configure’を選んで下さい。

2.ナビゲーションキーで‘Startup mode’を選択し、Enter キーを押して下さい。起動時のモードとして‘Powe

r”または’Energy‘の選択をして下さい。再度 Enter キーを押して、終了です。これを初期設定とする場合に

は‘Save’を押した後に Enter キーを押して下さい。

3.次いで、ナビゲーションキーで‘Display mode’を選択して下さい。Enter キーを押して、起動時用の画面タ

イプを選んで下さい。保存してから終了して下さい。これを今回限りで、起動時のモードとして設定しない場合

には、保存せず終了して下さい。(この設定はNOVA II になされるもので、測定ヘッドには影響しません。即

ち、全ての測定ヘッドに対して、NOVA IIはこの画面設定で起動します。)

4.次に、‘Energy range’を選択し、Enter キーを押して下さい。手動を初期設定とする場合には ‘Manual

energy range’を選んで下さい。

5.次いで、‘Average’を選んで、平均化期間をいくらにするか、または初期設定である‘None’を選択して下さ

い。

6.測定ヘッドが Diffuser(拡散)タイプかどうかに応じて Diffuser in または Diffuser out を選択して下さい。

7.次ぎに‘Max pulse len’を選択し、最短パルス幅が使用するレーザのパルス幅よりも長くなるように設定し

て下さい。

注意:パルス幅が正しく設定されていない場合、表示値が不正確になりますので注意して下さい。

8.‘Laser’を選択し、使用するレーザタイプを初期設定として決めて下さい。

9.現在の設定を‘Save’を押して保存、終了し、主測定画面に戻ります。 解説:計測ヘッドの一部は全波長が長波長設定になっているものがあり、その場合N/Aが表示されます。

より詳しい設定については 6.2 項と 6.3 項参照。

2.5.5 エネルギーまたは平均パワーの測定

注意:

パワー、エネルギー、パワー密度及びエネルギー密度を、セクション 9 の第 6、7 表に記載されている値を超

えて測定ヘッドに入力する事は絶対に避けて下さい。測定ヘッドの吸収体に損傷を起こす危険性があります。

パイロエレクトリック測定ヘッドは、その検出器と同じコーティングをしたテストサンプルスライドを付けて供給さ

れています。このスライドは(株)オフィール ジャパンから供給可能です。このスライドを用いて、レーザパルスに

よる損傷しきい値のテストが可能です。(スライドは手に持たず、必ず光学ベンチ等に固定して下さい。)スライド

に損傷が生じる場合、ビームを拡げるか、レーザのエネルギーを下げ、損傷が生じなくなるようにして下さい。

2.5.5.1 エネルギーまたは平均パワー測定

1.‘Power’を押して、主エネルギー測定画面からパワー測定に入って下さい。

2.主パワー測定画面からエネルギー測定画面に入るには‘Energy’を押して下さい。

2.5.5.2 NOVA II でレーザエネルギーと周波数を測定する場合:

1.測定モードで、mJ μJ 等の単位及び‘Energy’が右上部コーナーに表示されている事を確認

して下さい。そうでない場合には、‘Energy’キーを押して下さい。

2.‘Range’を選択し、Enter キーを押して下さい。ナビゲーションキーで適切なエネルギー範囲を選んで下さ

い。計測パルスエネルギーをカバーし得る最も小さい計測範囲が適正設定です。これを起動時初期設定とす

る場合には、保存して終了して下さい。

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注意:レーザがパルス照射中の場合、エネルギー計測範囲を適切に設定していない場合には誤ったエネルギーの読みが生じる場合があります。詳しくは 6.4 項参照。

2.5.5.3 エネルギー照射総量を計測する場合:

1.エネルギー計測画面で‘Menu’を選んで、Enterキーを押し、’Exposure‘を選択し、Enterキーを押して下

さい。

2.測定方法を‘Mode’、‘Timeout’、‘Pulses’から選んで設定して下さい。再度‘Start’を押して下さい。

NOVA II は照射レーザエネルギーを加算し始めます。もし、選択された時間到達前に中止したい場合には、

‘Stop’を押して下さい。

3.次ぎのデータ取得中に計測値をゼロにリセットしたい場合には、‘Reset’を押して下さい。

4.‘Energy’を押してメイン画面に戻って下さい。

§ 3.NOVA II ディスプレイユニット

3.1 概要

モデルNOVA II は新しいレベルの感度、精巧さ、精度、コンパクトさと使い易さを兼ね備えたレーザパワー・エ

ネルギーメーターです。NOVA II はサーモパイル及びパイロエレクトリック並びにフォトダイオードの測定ヘッド

で動作します。独自のスマートコネクションテクノロジーにより、測定ヘッドを接続して簡便な設定、校正で、作業

準備OKです。

NOVA II はパワーまたはエネルギーを時間軸でグラフ表示可能です。測定値をデジタル、アナログ両方で同時

表示し、指針タイプでの表示も可能です。自動測定範囲設定が可能ですので、通常はレンジの設定が不要で

す。尚、用途に合わせて手動での測定範囲設定も可能です。NOVA II はご使用になったモードを記憶しており

ますので、次回電源を入れた場合には前回と同じモードで動作します。現在測定中の値のズームイン・アウトや

背景雑音の除去が可能です。校正情報はスマートコネクタに保存されますが、測定画面で再校正が可能です

し、その新しい構成値は測定ヘッドに保存可能です。NOVA II はボタン一つで零点調整が可能になっていま

す。

主な取扱い方及びヘルプファイルは、画面上に明瞭に表示されますので、十分に読解できればこのマニュアル

を熟読する機会はあまりないでしょう。

何によりも、新型の回路を採用したNOVA II はデジタル信号処理により、卓越した感度、高S/N比、高い測定

精度、及び速い応答速度を有しております。また電磁障害を防止する特別な回路も採用しております。

NOVA II には、PC接続用に USB変換 ケーブルと、RS232変換ケーブルの二本が、そして得られた情報の

表示、およびデータ処理の為のPC用(Windows対応)ソフトが付いております。

3.2 スマートコネクタ

NOVA II の表示は多様性を有し、サーマル、パイロエレクトリック、フォトダイオードのどの測定ヘッドにも対応

可能です。設定条件及び構成の情報は、測定ヘッドコネクタ内のEEROMに保存されます。即ち、測定ヘッドが

接続されると、NOVA II はそのヘッドのタイプ、校正値、設定条件を自動的に認識します。従って、測定ヘッドを

交換しても何の調整も必要有りません。

注:NOVA II は最初に接続した測定ヘッドの情報を読込みますので、異なった測定ッドを使用する場合には、

NOVA II を一回 オフにして、新しい測定ヘッドを接続し、それから再度オンにして下さい。

測定ヘッドを接続しないでNOVA II の電源をオンしますと、‘Head Disconnected’の表示が出ますので、通

信速度の変更、再零点調整、時間設定、等の機器の状態設定が可能となります。3.5 項参照。

3.3 ソフトキー

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3.3.1 ソフトキー

メニューボタンでアクセスするソフトキーはその上部にある表示で規定した機能を有しています。その表示はソ

フトキーを押した際に、何が行われるかを示しています。例えば、キーの上の表示が‘Energy’となっている場

合、そのキーを押せばNOVA II はエネルギーモードになります。キーを押すと、ある機能が働き、再度キーを押

すと、その機能はキャンセルされます。機能中のキーは反転照明されます。再度キーを押すと、作業はキャンセ

ルされ、反転照明も消えます。

3.3.2 キーの機能 NOVA II には標準的なキーストロークに関して約束事が有りますのでそれを説明します。

反転照明されている表示:反転照明されている表示は現在の操作対象を示しています。

上記のボタンで、次ぎに操作する項目の表示を左方向または右方向に移動させます。これら4つのボタンをナビ

ゲーションボタンと呼びます。右ボタン、左ボタンは次ぎに操作する項目を、それぞれ右または左に移動させま

す。上下ボタンはそれぞれ上下に移動させます。中央の丸ボタンは選択し、画面に表示された操作項目を決定

したり、その操作を終了する際の Enter キーとして使用します。

Go or Start:操作対象項目を動作させます。

Exit:一つ前の画面に戻る場合や、変更した設定を電源オフにするまで保存します。

Save:変更した設定をずっと保存します。Save 表示で中央の丸ボタンが押されると、電源をオフしてもこの設

定は先々の使用の為に保存されます。

3.4 パワーオンと中断

Figure 3.1 正面配置図

NOVA II の スイッチ オン

On/Off/Backlightスイッチを短く押して、オンにして下さい。(Figure 3.1)

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NOVA II がオンとなり、ディスプレイに表示が現れます。測定ヘッドが接続されていない場合には、ディスプレイ

には‘Head Disconnected (測定ヘッド未接続)’の表示が現れます。測定ヘッドが接続されている場合には、

予め設定した初期設定の画面が表示されます。

Backlight (透過照明)の On / Off

NOVA II を オン にした後 On/Off/Backlight スイッチを再度短く押して下さい。

透過照明が オンになります。

透過照明を オフ にするには再度スイッチを押して下さい。

NOVA II のスイッチ オフ

On/Off/Backlight スイッチを押して、ディスプレイが消えるまで約3秒そのまま保持して下さい。

(まれに横線が残ることが有りますが、この残像現象は7~8分で自動的に消滅します。)

操作中のNOVA II の設定を保存したい場合には、スイッチオフする前に‘Configure‘ 機能を使用して下さい。

同様な計測をする場合には、その都度 NOVA II を設定する必要は有りません。

使用予定の測定ヘッドの特徴については、それらに関して記載してあるセクションを参照してください。 3.5 測定ヘッド無接続でのNOVA II の状態設定

測定ヘッドを接続しないまま、NOVA II のをオンにすると、‘Head Disconnected’ のメッセージが表示されま

す。このモードで、起動画面である、標準のパワー/エネルギー画面か、特別設定画面かの調整が可能です。P

Cとの最適通信速度の調整、適正アナログ出力の最大値の選択、あるいはオフセット量を補正する為の零点調

整が可能です。正確な日付、時間設定が可能です。

3.5.1 表示モード

NOVA II は標準のパワー/エネルギー計測画面または、指針タイプ表示モードで動作し、なおかつ情報を特別

なフォーマット:“減衰画面、Tune /Exposure (調整/照射)画面、パワー/エネルギー密度画面、対比表示また

は限界値表示画面“で表示出来ます。‘Display mode’を選択し、Enterキーを押し、起動時の初期設定画面タ

イプをEnterキーで決め、終了して下さい。(種々の画面の更に詳細なオプションに関しては4.6 項を参照。)

Figure 3.1.1 指針表示

L250A 10235 Range: 30W Menu: Needle Laser: 532 Average: NONE

34.1 W

Energy Expand Offset Help

3.5.2 RS232の通信速度(ボーレート設定)

RS232でPCと通信する場合、NOVA II の画面で‘RS232 baud’を選び、適当な通信速度を選択し、Enter

キーを押して保存して下さい。特に、高速通信速度が不要な場合には、環境ノイズによって起きる転送エラーを

低減するために、初期設定である9600のままにしておいて下さい。

3.5.3 アナログ出力

NOVA II は可変アナログ出力機能を備えており、1、2、5、及び10V フルスケール出力(出力電圧範囲:-0.5V~フルスケール値x1.2V)を選択使用可能です。アナログ出力を設定するには、‘An. Output’を選びEnterキ

0

10 20

30

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13

ーを押して、任意の電圧スケール(現在使用しているレンジに対して、フルスケールを決定しているので、アナロ

グ出力感度・V/Wは、表示するレンジを変えればそれに比例して変化します。)を選択し、再度 Enter キーを押

し保存して下さい。

3.5.4 時刻設定

NOVA II には実時間表示の時計を備えており、日付と時間の表示をします。この時計は接続した測定ヘッドを

調査し、そのヘッドの校正期間が来ている場合には、その旨を表示します。

時計を設定する場合、‘Date’を選び、Enterボタンを押して下さい。最初に Up/Down キーで月を選び、次ぎ

に、Right/Left キーで日付を選び、‘Save’を選び、Enterキーを押して保存して下さい。時間の設定も同様に

行って下さい。(電池が完全に放電した場合は、初期値に戻りますので再度設定して下さい。)

3.5.5 零点調整

NOVA II では内部回路の零点調整も含めて、全ての調整はソフトで行っていますので、簡便で、正確な再調整

が可能です。NOVA II をベストの性能で使用する為、最長2ヶ月に一度のゼロ再調整が望まれます。零点調整

は下記のように簡単に行えます。(ヘッド部を用いるゼロ設定とは異なり、本体の零点基準を作成します。)

1.測定ヘッドが接続されている場合には、測定ヘッドを取外し、NOVA II をオフにして下さい。再度オンにす

ると、測定ヘッドが接続されていない事を認識した NOVA II は‘Head Disconnected’と表示します。

2.零点調整を行う前に、少なくとも 30秒 NOVA II を作動させて下さい。

3.‘Zero’を押して下さい。

4.NOVA II を電気的雑音及び温度変動の影響を受けない環境下に置いて下さい。‘Start’を押し、‘Zeroing

Completed’のメッセージ表示されるのを待ち、‘Save’を押して、新しい零点調整設定を保存して下さい。最

後に‘Exit’を 選びEnter キーを押せば、メイン画面に戻ります。

サーモパイル測定ヘッドに特有の注意事項:

サーモパイル測定ヘッドを接続しない状態で一度上記の手順を実施し、ヘッドを接続してから下記のような手順を実施する事

が、測定レンジのすべてでベストの測定結果を得る為には必要となるでしょう。

まず、上記の1-4までの手順を実施した後、近くの熱源からの影響がない事を確認の上、測定ヘッドをNOVA IIに接続して下さい。測定ヘッドの

吸収体面を必ず下向きにして置いて(放射赤外線の影響を無くすために室温より暖かい置き場所は避けること)下さい。

5.NOVA II をオフにした後、測定ヘッドを接続し再度スイッチをオンに して下さい。

6.‘Menu’を選択し、‘Zero’を選び、‘Start’を押し、‘Zeroing Completed’のメッセージが表示されるまで

待ち、‘Save’を押し、新しいゼロ値の情報を保存して下さい。‘Exit’を押して、メニューから使用画面を選択

して下さい。

3.6 ハードウェア機能

3.6.1 透過照明(エレクトリック・ルミネッセンス型)

液晶表示用の透過照明です。この照明のOn/Off は NOVA II の電源スイッチも兼ねています(Figure3.1)。

この透過照明は蛍光灯型と比較して、低いパワー消費量の為、AC 電源アダプタ無しの時でも、バッテリーでの

動作は可能ですが、充電間隔が短くなりますので、NOVA II をアダプタなしで操作する際には、透過照明をオ

フにして使用して下さい。この透過照明の寿命は約1万時間ですが、必要な場合のみご使用下さい。透過照明

を動作させるには、NOVA II が作動中に On/Off/Backlight スイッチを短く押して下さい。再度このスイッチ

を短く押せば照明は消えます。(このスイッチを 3秒間以上押していると NOVA II 自体がオフになります。)

3.6.2 充電

NOVA II はバッテリーか、専用のAC電源アダプタでのみ動作可能です。NOVA II の裏面にある‘12VDC’と

表示されたプラグにAC電源アダプタを接続して下さい(Figure 2.1)。その際、アダプタの極性表示を確認して

下さい。バッテリーへの充電速度はNOVA II 及び透過照明のOn/Off に関係なくほぼ同一と言えます。しか

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し、パイロエレクトリックタイプの測定ヘッド使用中は、その充電速度は遅くなり、NOVA II がオフの状態でフル

充電するには約14時間必要ですが、オンの場合にはさらに長期の充電時間を要してしまいます。設定の相違

に対する、フル充電後の無充電利用可能時間(連続運転ではなく断続的な利用)の目安は下記に記載します。

【サーモパイル測定ヘッド使用時】

測定ヘッド接続、透過照明オフ: 18 時間

同上、透過照明オン : 8.5 時間

【その他の測定ヘッド使用時】

パイロ測定ヘッド接続、透過照明オフ : 11時間

同上、透過照明オン : 7 時間

バッテリーの大略の充電量は、 の各セグメントで表示され、例えば、2 セグメントがハイライトされていれ

ば、約半分の充電量である事を示し、バッテリーを充電中は、各セグメントが順番に点滅します。バッテリーの電

圧が落ちて来たら、AC電源アダプタを接続して下さい。NOVA II が透過照明オンで作動中でも充電は行われ

ますが、NOVA II をOff にした後でも、AC電源アダプタで通電しておけば最短時間で充電が行えます。

3.6.3 アナログ出力

NOVA II は背面パネルの‘AN OUT’と表示された2.5mmのステレオプラグでアナログ信号を出力します(Figure 3.2参照)。NOVA II にはこのソケットに接続する為の接合アダプタが付属しています。アナログ出力はチャ

ートレコーダーや他のアナログ装置を駆動用です。出力電圧は表示された測定値の読みに比例し、設定時に選

択された、フルスケール1.00、2.00、5.00及び10.00に倍率をかけた形で表示されます(3.5.3項参照)。アナログ

出力は外部装置に対し、最大2mA供給可能です。(出力電圧範囲:-0.5V~フルスケール値x1.2V)

Figure 3.2 Nova II 上部パネル

3.6.4 LCD のコントラスト調整

LCD のコントラストは下記の手順で調整してください。

1.NOVA II をオフにし、測定ヘッドを取外してから再度オンにしますと、‘Head Disconnected’と表示されま

す。

2.ナビゲーションキーでコントラスト設定メニューに入って下さい。

3.Enterキーを押し、Up/Down キーでコントラストの増減を行って、Enterキーを押して終了します。

3.6.5 RS233 とUSB の出力

NOVA II は RS232 と USB ポートを持っており、どちらかでPCと通信が可能です。NOVA II に接続する DI

N の7 ピンコネクタ付きのケーブルが2本付属しており、片方には RS232、もう一方には USB コネクタが付い

ています。NOVA II をどちらのケーブルで動作させる場合でも、ケーブルはNOVA II をオン にする前に接続し

ておいて下さい。NOVA II をオン にすると、接続さているケーブルの接続モードに自動的に入ります。詳しくは4.4.2.6.1 項のPCとのデータ転送を参照。

§ 4.サーモパイル吸収体計測ヘッドでの操作

【注意事項】

パワーまたはエネルギー測定前に、レーザパワー、エレルギー及びエネルギー密度が計測ヘッドの定格を超え

ていない事を必ず十分に確認して下さい。セクション 9の測定ヘッドの表参照。

計測ヘッドが水冷式である場合には、適切な水量の冷却水が流れている事を確認して下さい。水量に関しては

下記のTable 1.を参照。また、計測ヘッドの吸収体からの反射は10%程度あり、CO2レーザの場合、その反射

12VDC AN OUT HEAD INPUT USB/RS232 OUTPUT

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超える読みを含んだ最小の計測範囲を選んで下さい。手動モードでNOVA II を起動したい場合には、この設定

を保存してからオフして下さい。下記の4.3 項参照。

4.2.3 パワー計測かエネルギー計測かの選択

NOVA II はサーモパイル測定ヘッドで、パワーと単発照射エネルギーの両方を計測可能です。詳しくは、4.4 と 4.5 項を参照。パワーからエネルギー計測に変更する、あるいはその逆の場合、下記手順を実施して下さ

い。

1.パワー計測メイン画面でパワーからエネルギーに移行する場合、‘Energy’を押して下さい。

2.エネルギーからパワー計測メイン画面に移行するには、‘Power’ソフトキーを押して下さい。

4.3.初期設定と起動

NOVA II を高頻度に同じ計測モードで使用する場合は、その計測モードで起動するように設定可能です。これ

等の設定が計測ヘッドのスマートコネクタに保存されるからです。異なった計測ヘッドに別の設定をする事も可

能です。

NOVA II を所定の画面で起動させ、その設定を保存するには:

測定ヘッドを接続し、NOVA II をオンにして下さい。ナビゲーションキーで‘Menu’を選択し、Enter キーで選

び、‘Configure’を選択、Enter キーを再度押して下さい。下記のように希望の起動パラメータを選択して下さ

い。

1.‘Startup mode(起動モード)’を選び、‘Power’または‘Energy’を希望の起動画面として選択して下さ

い。パワーかエネルギーのどちらかを選び、Enter キーを押して保存して下さい。これで、NOVA II はパワー

かエネルギーのどちらかの測定モードで起動される事になります。

2.次ぎに‘Ddisplay mode’を選んで、希望の起動画面を選択して、Enter キーで保存して下さい。(この選定

は計測ヘッドではなく、NOVA II 内部に保存されますので、全ての測定ヘッドに対して有効となりますからご

注意下さい。)画面のタイプに関しての更なる詳細は4.6を参照。

3.次いで、‘Power Range’を選択して下さい。初期設定として計測範囲設定を自動か手動かのどちらにする

かは同じ要領で実施して下さい。これで、所定の計測ヘッドを接続してNOVA II をオン にすると、そのヘッド

に対応した設定で起動します。

4.‘Average’を選択し、パワーの読みを平均化する期間を選定して下さい。これは出力が不安定なレーザに

対しては特に有用な機能です。詳しくは4.4.2.4 項を参照。

5.次ぎに‘Energy Range’を選び、初期設定測定範囲を決めるか、または‘Autorange(自動計測範囲設

定)”を選択して下さい。これで、NOVA II は所定の計測ヘッドに対して、決められた設定のどちらかで起動し

ます。エネルギー計測に対しては手動の計測範囲設定のみが有効となっていますのでご注意下さい。

6.エネルギー測定に於けるしきい値(トリガーレベル)を設定したい場合には、‘Threshold(エネルギーしきい

値)’を選定して下さい。詳しくは4.5.3 項を参照。 7.‘Laser’を選択し、初期設定とするレーザタイプを選んで下さい。NOVA II はこれにより、選択したレーザの

波長に於ける検出素子の吸収を正しく校正し、選択されたレーザ波長で起動します。

8.‘Save’を押し、Enter キーを押して終了すれば初期設定が保存されます。現行の変更設定を保存しない場

合には、‘Save’を押さずに終了して下さい。その場合にはこの設定はNOVA II が作動中のみ有効です。

9.NOVA II のオフをOn/Off/Backlight Switchで行って下さい。NOVA II は‘Configuration’の操作で保

存された最新の変更モードで動作します(Figure 3.1 参照)。

4.4 パワー計測

次のセクションには、パワー計測の基本的な手順と、サーマル測定ヘッドに関する上級機能が記述されていま

す。

4.4.1 パワー計測の基本操作

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1.NOVA II の左側にあるOn/Off/Backlight Switch を押してオンにして下さい(Figure 3.1 参照)。NOV

A II は‘Confugure’操作で最後に保存されたモードに入ります。基本計測操作では(4.3 項では、ご希望の

設定を保存する為の手順を説明しています。) 希望する計測タイプに対するパラメータを入力しさえすれば、N

OVA II をオン する度に、その計測タイプが実行されます。通常の初期設定計測モードは棒グラフ表示の自動

計測範囲設定でのパワー計測画面かまたは、指針表示画面です。

2.NOVA II がエネルギーモードになっている場合は、‘Power’ソフトキーを押して、パワー計測モードに入っ

て下さい。

3.計測ヘッド吸収体にレーザを慎重にセンターリングし、パワーを計測して下さい。

4.4.2 パワー計測用追加機能

下記の項目では、上記のパワー計測の基本モードの他に NOVA II が有するパワーモードの付加機能につい

て記述します。

4.4.2.1 ズーミング機能

ズーム機能で現行スケールを5倍に拡大出来ます。従って、20Wフルスケールの棒グラフで、読みが15Wの

時に‘Zoom’を押すと、棒グラフのスケールは凡そ13から17Wになります。このモードではパワーの変動をよ

り容易に読む事が可能です。‘Zoom’ボタンを押せば、ズームが機能します。‘Zoom’がハイライトされ、ズー

ム機能がオン である事が判ります。棒グラフの基準マークが離れ離れで表示されている場合は、ズームが機

能中である事を示しています。拡大表示から元の棒グラフ表示に戻る場合には、再度‘Zoom’ボタンを押して

下さい。

4.4.2.2 零点移動(Offset機能)

オフセット機能で信号から背景ノイズを取りさる事が可能です。周囲環境に背景熱雑音が存在する場合には、N

OVA II はレーザ入力が無い場合でもパワーゼロの読みを示しません。その様な場合には、ゼロ補正機能を用

いて背景雑音を除去する事が可能です。例えば、レーザをブロックした場合に、NOVA II の読みが 0.1W、レー

ザパワーを供給した時に 20.5W を示した場合、真のパワーは 20.5-0.1=20.4Wとなります。背景雑音を除去

する為には、レーザをブロックしたままで、‘Offset’ボタンを押して下さい。

NOVA II の読みはゼロとなり、その後の全ての読みから背景雑音である0.1Wが差引きされます。従って、NO

VA II のパワーの読みは 20.4W となります。‘Offset’ ハイライトされていれば、機能中です。キャンセルするに

は、再度‘Offset’を押して下さい。もし、Offset が機能中で、新しい背景雑音をキャンセルしたい場合には、‘O

ffset’を2回押して下さい。最初の押しで、これまでの補正値をキャンセルし、2回目の押しで、新しい補正値を有

効にします。NOVA II が永続的にゼロオフセットとなっている疑いがある場合には、パワー計測モードにして、

計測ヘッドを取外して下さい。それでも NOVA II が同じ補正値を示す様でしたら、NOVA II の内部ゼロをリセ

ットする必要が有ります。 3.5.5 項参照。

4.4.2.3 パワー調整(Tune) Figure 4.1参照

この機能はOphirの優秀な画面表示形態で、これまでとは比較にならないほど容易に、レーザをその最大値に

調整する事が可能になります。棒グラフ、指針表示とは異なり、過去の読みだけでなく、現時点での読み、及び

その傾向をも図式的に表示します。これにより、最大値に到達したかどうかを知る事が出来ます。計測範囲調

整は画面上で完全自動になっていまので、カーソルが表示範囲外に出ると即、再スケールして、カーソルが表

示画面の中央に戻ります。従って、NOVA II の設定に気を配る事なく、レーザの出力調整を進められます。

4.4.2.3.1 NOVA II でレーザパワーの微調整を行う場合

1.主測定画面で、‘Menu’を選び、Enter ボタンを押して下さい。‘Tune’を選び、Enter キーを押して下さい。

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2.パワー拡張スケールの±25%、±50%、±75%、または±100%を使用状況に応じて、‘±50%’ソフトキー

を用いて設定して下さい。尚、初期設定値は50%になっています。レーザパワーが大きく変わる場合は大きな

値、小さな場合には小さな値を選んで下さい。

3.‘Graph’を選び、Enterキーを押し、水平掃引時間を希望のレートに設定して下さい。初期設定は 1分にな

っていますので、この新しい設定を初期設定とする場合には終了する前に保存して下さい。グラフの値を保存

すると、±XX の値も初期設定として保存されます。

4.‘Max’を押すと、画面上にNOW(現状)の値として送られて来ますので、MAX と NOWの値を比較する事

が出来ます。

4.4.2.3.2 調整(Tune) 画面での計測

パワー・調整(Tune)画面で、レーザパワーを最大出力に調整する事が可能です(Figure 4.1参照)。この画面

はパワーの傾向を見られるだけでなく、以前に記録されたより高い値も観察可能です。即ち、左端の現時点の

数値及びこれまでの最大パワー値の読みが表示されます。‘Max’を押して、現時点での最大パワー値をリセッ

ト出来ます。次いで、レーザのパワーを計測し、最大出力値を調整し、設定する事が可能です。

Figure 4.1 パワー・調整(Tune)画面 L250A 10235 Range: 30W Menu: Tune Laser: 532 Graph:1 min NOW: 32.1W MAX: 37.8W Power ±50% Max Help

4.4.2.4 平均値

レーザ出力が変動して不安定な場合、一定の期間での平均出力値を計測する事が有用になります。

NOVA II はこの為に独特の機能を有しており、1秒から1時間にわたる期間での平均値を取る事が可能です。

平均モードは下記のように動作します:

パワー計測メイン画面に入ると(Fig 4.2 参照)、NOVA II は平均モードになり、現時点までのパワーの平均

値が表示されます。選定された期間が経過すると、棒グラフは一杯に表示され、その後は適正なテンポで遡っ

て連続して、平均パワー値を表示します。例えば、期間設定が30秒の場合、30秒間の平均値となり、1分の場

合には1分間、5分の場合には4分目から5分目の間の平均となります(現時点から最長1分さかのぼります)。

NOVA II で平均値を表示するには:

1.パワー計測メイン画面で ‘Average’を選び、Enterキーを押して下さい。

2.希望の平均期間を選択するか、平均を取らない場合は‘NONE’を選択して下さい。これを起動時の初期設

定とする場合には、‘Save’を押してから終了して下さい。

そうしない場合には‘Save’を押さないで、そのまま終了して下さい。

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Figure 4.2 サーモパイルヘッド・パワー計測画面

L250A 10235 Range: 30W Menu: Power Laser: 532 Average: NONE

12.34 W 0 30W Energy Zoom Offset Help

4.4.2.5 対比表示

対比表示機能を使用して、計測値を一定の基準読みと比較して表示する事が可能です。

対比表示(‘Normalize’)機能を設定した後の計測値は常に基準読みとの比として表示されます。

例えば、1.5Wのパワーを基準とした場合、その後の読みが2Wであれば、画面上の読みは2/1.5=1.33

(単位なし)となります。また、画面には最新の読みと、対比表示に用いた基準値が小さな数字で表示されます。

NOVA II でパワーを対比表示するには:

1.パワー計測メイン画面で、‘Menu’を選び、Enterキーを押して下さい。‘Normalize’を選び、Enterキーを

押して下さい。

2.対比表示の準備OKとなったら、‘Apply(適用)’を押して下さい。以降、パワーの読みは対比表示された比

例値として表示されます(Fig 4.3 参照)。

3.新しい値を設定したい場合には、‘Reset’を押してから‘Apply’を再度押して下さい。

4.表示に戻る場合には、‘Menu’を選び、Enterキーを押し、希望の表示を選択して下さい。

Figure 4.3 サーモパイル対比表示画面

L250A 10235 Range: 30W Menu: Normalize Laser: 532 Average: NONE Present: 27.43W Reference: 29.38W

0.934 Power Reset Help

4.4.2.6 パワーの経時グラフとデータロギング(データ記録)

NOVA II のデータログモードにはオプションが有ります。一つはレーザパワーの経時的グラフ表示で、他はデ

ータの保存で、最大10ヶの不揮発性メモリーファイルにそれぞれ6000点にも及ぶデータの保存が可能です。計

測が行われている間、NOVA II は画面が一杯になるか、リセットボタンが押されるまで、データを記録し続けま

す。RS232かUSBアダプタで、データはリアルタイムにPCで読む事が出来ますし、また保存したものを後で読

む事も出来ます。パワ-記録には次ぎの様な特徴が有ります:

NOVA II でパワーを経時的にグラフ表示するには:

| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |

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1.主パワー計測画面で、‘Menu’を選び、Enterキーを押して下さい。‘Data-log’を選び、Enterキーを押し

て、設定画面に入ります。

2.‘Graph Setting’で、‘Min:’を選び、Enterキーを押して下さい。グラフ表示の最小設定値を選び、Enter

キーを押して下さい。次いで、最大設定値を選び、Enterキーを押して下さい。次ぎに、‘Time scale(時間

軸)’を選び、希望の時間軸を選定し、Enterキーを押して下さい。これ等の数値を初期設定値とする場合に

は、‘Save’を押して下さい。

3.ここで、‘Log’を押すと、パワーグラフ画面(Fig 4.4参照)。‘Go’を押せば、計測がスタートします。‘Go’は

この時点で‘Pause(休止)’の表示に変わります。 ‘Pause’を押せば、集積したデータはそのままで計測を

休止する事が出来ます。計測を再開するには、再度‘Pause’を押して下さい。データの登録量が一杯になる

と、画面上に‘FULL’が表示されます。‘Zoom’を押せば何時でも、パワー計測値は現在の約5倍に拡大表

示されます。‘Zoom’を再度押せば、拡大表示はキャンセルされます。現在のデータを保存しないで、新しく

計測をスタートする場合には、‘Reset’を押して下さい。新しくグラフ表示を行う前にデータを保存する場合、

次ぎのセクションを参照下さい。

注:データログを行う場合、NOVA II はパワー計測範囲を手動に設定して下さい。手動になっていない場合に

は、手動設定を要求するメッセージが出ます。

注意:‘Reset’を押すと、これまでに保存したデータの全てが失われて、新しくデータの記録がスタートします。

4.‘Stats’ボタンを押すと、これまでに集積されたデータの統計的集計がスタートします。この集計結果は2秒

毎に更新されます。 Figure 4.4 レーザパワー対照射時間

Head: 30A Range: 30W Laser: 248 Points Sampled: 300 Time Scale: 1min Minimum: 12.3W Average: 15.4W Maximum: 28.4W Std Dev: 6.43W Present: 27.2W Time 11:24:23

Pause Reset Zoom Exit

4.4.2.6.1 データ保存と伝送

データロギングは、12秒から24時間の間であれば、色々な期間(取り込み周期可変)にでも設定可能です。計測

点は6000まで登録可能です。比較的に短い計測期間の記録であるならば、最大15サンプル毎秒の取り込み周

期を優先できるので、その記録スピードは900ポイント毎分に相当し、最長5分設定でデータ保存ができます。デ

ータは以下に述べるようなファイルで保存する事が可能です。データの保存は下記の手順で行って下さい。

1.データが充分に取得された時に’Pause‘を押すか、登録データ計測点がフルになって‘FULL’が点滅する

まで待つか、して下さい。‘Exit’を押すと、ファイルコントロールシステムを入力するかどうかを聞いて来ます。

‘Yes’を押して下さい。

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Figure 4.5 データ保存画面

Temp: 300 1: 200 4: 0 7: 0 2: 0 5: 1340 8: 0 3: 0 6: 0 9: 0 10: 0 Free Space: 58460

Head: 30A S/N 104360 Points Logged: 1340 Average: 23.4W Minimum: 19.4W Std Dev: 2.43W Maximum: 27.3W

Exit Save Delete Help

2.計測値を表示中の画面を入力すると、最新のパワーデータグラフが一時的に‘Temp’に登録されます。ナビ

ゲーションボタンで、永久保存したいデータを選択登録して、‘Save’を押して下さい。‘Temp’レジスターに置

かれていたデータは選択されたレジスターに転送されます。このデータは不揮発性メモリーに保存され、NOVA

II をオフ しても失われる事は有りません。既にデータが入力されているファイルに保存しようとすると、‘新しい

保存データはこのファイルの既存データを消去します‘との注意が現れます。データを消去したい場合、ファイル

を選び、’Delete(消去)‘を押して下さい。

3.選択されたファイルの集計データが画面の一番下部に表示されています。‘Exit’を押し、‘View files(ファイ

ル閲覧)’を選択し、Enterキーを押すと、グラフ表示に替わって実際の計測点を表示する事が可能です。データ

ファイルを選び、Enterキーを押すと、このファイルに集積されている計測点を表示可能です。‘XXX>’を押す

と、次ページの‘<XXX’を押すと、前ページのデータにアクセス出来ます。‘Exit’を押すと、前の画面に戻りま

す。

PCへのデータ転送

NOVA II のファイルシステムに保存されたデータはNOVA IIと共に供給されるStarcom PC パッケージを利用し

て、PCに転送可能です。データは下記の表に示すようにリアルタイムに転送可能です。 パワー計測 RS232 USB

パワー記録期間 20秒間~600時間 20秒間~600時間

NOVA IIでの最大記録可能計測点 6,000 6,000

StarCom画面へのリアルタイム転送可能最大計測点 50,000 50,000

PCへの直接リアルタイム転送可能計測点 制限なし 制限なし

エネルギー計測 RS232 USB

リアルタイム最大記録レート(1) >30Hz 1000Hz

NOVA IIでのデータ記録レート >200Hz >1000Hz

PCへのデータ転送数 ~500点/秒 1000点/秒

NOVA IIへの最大保存計測点 50,000 50,000

(1): 上記データは一つ一つの計測点の記録レートです。NOVA II は上記のレートで計測データをサンプリングはしますが、

一つ一つの計測データをすべて記録する訳ではありません。(パワー計測では最高15ポイント毎秒のサンプリング)

4.5 エネルギー計測

4.5.1 設定

NOVA II をオン にして下さい。パワーモードになっている場合には、左のソフトキーを押して、エネルギーモー

ドに入ってください。

エネルギーモードでは計測範囲設定は手動ですので、‘Range’ を Enter し、ナビゲーションキーで適正計測

範囲を設定してから再度 Enter キーを押して下さい。適正計測範囲はパルスエネルギーの計測値よりも大きい

最小の範囲です。もしこの設定を頻繁に使用するのであれば、4.3 項に説明のある‘Configure’機能を用い

て、NOVA II をオフする前に設定しておいて下さい。

5:

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NOVA II を再度 オン にすると、異なった設定をしない限り、自動的にこの測定範囲が設定されます。現在使用

中の計測範囲がエネルギー計測画面の左上部と右下部に表示されている事に注目して下さい。

(Fig 4.6 参照) Figure 4.6 サーモパイル・エネルギー画面

4.5.2 計測

単発照射のエネルギーを計測する為、上記のように設定し、レーザを照射して下さい。エネルギーが積算され

ている間、表示は現れません。数秒後、正確なエネルギーが表示されます。NOVA IIが新しいパルスに対して

計測準備OKになると、‘READY’が画面上に点滅表示されます(Figure 4.6 参照)。次のパルスは自動的

に画面をリセットして、新しい計測値が表示されます。‘READY’の表示前にレーザを照射すると、読みは不正

確であり、あまりにも早すぎる場合は、エネルギー値が表示されない場合もあります。 4.5.3 エネルギーの最小しきい値(トリガーレベル)

NOVA II の使用環境で外来雑音が多かったり、背景からの熱放射レベルが高い場合、で誤動作する場合が

あり、その結果、計測対象のパルスを計測しそこなう事になります。必ず或る程度の雑音、背景熱放射は存在

しますので、NOVA IIはプリセットしたその最小パルス以下のパルスには応答しないように設計されています。

この‘最小エネルギーしきい値(トリガーレベル)’は選定した計測範囲フルスケールの0.3%に設定されていま

す。この設定がユーザーの特異な環境で感度が高過ぎる場合は、ユーザーサイドで変更可能です。しかし、こ

のしきい値(トリガーレベル)は必要以上に高くしないで下さい。高過ぎるとエネルギー計測値はしきい値レベル

より約4~5倍程度の確度低下につながります。工場設定は中間値である‘Med’になっております。雑音でN

OVA II にトリガーが掛かる場合、しきい値(トリガーレベル)の設定を‘High’として下さい。小エネルギーを計

測していて、トリガーが掛からない場合にはしきい値(トリガーレベル)を‘Low’に設定して下さい。

エネルギーのしきい値(トリガーレベル)を設定するには:

1.エネルギー計測画面で‘Threshold’を選択して下さい。

2.‘High’、‘Medium’、’Low‘のしきい値(トリガーレベル)のどれかを選択して下さい。

3A-P モデルには’Optical‘があり、それが初期設定となっているものがあります(下記の設定を参照)。

3.主計測画面に戻るにはEnterキーを押して下さい。この設定を保存する場合‘Save’を押してから終了して

下さい(4.3 項も参照)。

3A-P タイプ固有の設定:

3A-P タイプの計測ヘッドには極めて小さなエネルギーでトリガーを掛けられるように、特別な回路を有している

ものが在ります。これは特別なフォトダイオードトリガーをNOVA IIに送り、積算を開始させます。

これにより、3A-P は他の計測ヘッドで上昇熱トリガーに反応するのと同じように、更に小さなパルスでトリガー

が掛かるように反応します。‘Optical’を選択すると、光トリガーが可能になります。しかし、光トリガーが作動し

ないケースもありますので、‘Low’、‘Medium’、‘High’のどれかの熱トリガー設定を選んで下さい。

3A-P で熱トリガーを選択せねばならないケース:

L250A 10235 Range: 30J Menu: Energy Laser: 532 Threshold: Med READY

12.34 J 30J Energy Help

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23

1.フォトダイオードの波長範囲外、即ち0.19~1.064μmの外である場合。

2.連続照射レーザのシャッターリングパルスエネルギーを計測する場合。この場合ピークパワーが低過ぎ

てフォトダイオードにトリガーが掛かりません。

3.外乱光など、何か他の理由で、‘Optical’設定においては、NOVA IIに対して光トリガーが掛からない。

光トリガーを利用する場合、波長にもよりますが、NOVA II は0.2mJまでエネルギー計測が可能です。熱トリガ

ー(低、中、高)を用いる時には、1mJ 以下の計測はまず無理でしょう。最新モデルの3A-P には低エネルギー

の計測に光トリガーを必要とせず、且つこの機能を有していないものもあります。

4.5.4 極めて低いパルスエネルギーの計測

極めて低いパルスエネルギー、即ちNOVA IIの計測範囲の最大値の0.5%以下を計測する事が必要となった

場合、下記の2つの代替方法でずっと正確度を上げた計測が可能です。

1.一連のパルスを連続照射し、‘Power’モードで平均パワーを計測します。パルス当たりのエネルギーは下

式で計算出来ます:

パルス当たりの平均エネルギー=平均パワー/パルス繰り返し率

2.一連の既知数のパルスを照射し、‘Energy’モードで総エネルギーを計測する。パルス照射時間は5秒を

超えない事。パルス当たりのエネルギーは下式で計算出来ます:

パルス当たりの平均エネルギー=総エネルギー/パルス数

上記 両方法で、パルス繰り返し率は3Hzを超えてはいけません。一般的に、より高いパルス繰り返し率は正確

度を向上させますが、最大パワーレートを超えないように注意する事が必要です。

4.5.5 高繰り返しパルスエネルギーの計測

標準のNOVA II は およそ 5秒毎に個々のパルスのみを計測します。パワー設定で、平均パワーを計測し、下

記の公式を利用して高速繰り返しパルスエネルギーの平均値を計算出来ます:

パルス当たりの平均エネルギー=平均パワー/パルス繰り返し率

高速繰り返しパルスに対して、パルスエネルギーが焦電型(Pyroelectric)計測ヘッド吸収体の定格を超えな

い限り、Ophir 社製で使用できるものが在ります。NOVA II はパイロエレクトリック(Pyroelectric)計測ヘッド

に対応しており、単に所定の計測ヘッドを接続すればOKです。

更に高いパルスエネルギーに対しては、Ophir 社製モデル RP とLaserStarの組み合わせで高速繰り返しパ

ルスエネルギーの平均エネルギー及び個々のパルスエネルギーの両方の計測が可能です。 詳細に関しては(株)オフィール ジャパンにお問い合わせ下さい。

4.5.6 エネルギー値の記録とデータ保存 Fig 4.7 参照

NOVA II は一連のエネルギー計測点をスクロール出来る縦線棒グラフの形式で表示します。計測が行われて

いる間、NOVA II は50,000点以上もの計測点を記録、保存します。データの保存と取扱いに関する詳しい情報については4.4.2.6.1 項参照。

4.5.6.1 エネルギーのグラフ表示-標準の画面モード

1.NOVA IIが適切なエネルギー計測範囲に設定されている事を確認して下さい。

そうでない場合、‘Range’を Enter し、測定レンジを調整してから再度 Enter キーを押して下さい。

2.エネルギー計測画面で‘Menu’を Enter し、次いで‘Data-log’を選択して下さい。‘Log’を押すと、エ

ネルギーログ画面が表示されますので、‘Go’を押して下さい。

‘READY’の表示点滅しますので、レーザを照射して下さい。直ぐに計測が始まります。画面が一杯にな

ると、スクロールされ、最新計測点が引き続き表示されます。 この後に、データ・メモリーが一杯になる

と、‘FULL’が表示されます。より細かいグラフの変化を見る場合は‘Zoom’ボタンを押して下さい。

3.‘Reset’を押すと、新しい計測準備がOKとなります。

新しい計測前にデータの保存をする場合は 4.4.2.6.1 項の‘データ保存について‘参照。

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注意:

‘Reset’を押すと、以前のデータは全て失われてしまいます。

画面上のデータの統計処理されたデータがディスプレイの一番上に表示されます。そのデータをファイル

に長期保存する場合は‘Enter’を押して‘Yes’を選び、ファイルシステムに入力して下さい。

更に詳細には 4.4.2.6.1 項を参照。 注: Zoom は少なくとも数個のパルスが記録された後に押して下さい。

Figure 4.7 エネルギーログ画面

Head: 30A Range: 30J Laser: 248 Points Sampled: 25 Minimum: 22.3J Average: 23.4W Maximum: 25.4W Std Dev: 1.43W Present: 21.2W Time 11:24:23

Pause Reset Zoom Exit

4.6 一歩進んだ画面表示

4.6.1 ビームスプリッタ・減衰器使用時のパワー及びエネルギー画面

ビームスプリッタか減衰器を使用する計測環境設定で、実際の値を計測ヘッドに加えずに、スプリッターまたは

減衰器を通す前のレーザパワーもしくはエネルギーを表示する場合、ビームスプリッタ機能が有用です。例え

ば、10%のレーザビームを分割して照射し、フルビームを与えた時の表示としたい場合、下記を実施して下さ

い:

1.主パワー計測かエネルギー計測画面で、‘Menu’を Enter し、‘Attenuate’を選んで

Enter キーを再度押して下さい。

2.‘Beam %’をEnter 視、Up/Down ナビゲーションボタンで最初の数値を選んで下さい。右ナビゲーション

ボタンで次の数値に行き、Up/Down ナビゲーションボタンで選んで下さい。この操作を繰り返して下さい。

例えば、下に示す画面では10%が選ばれています。大きな数字がビームスプリッタに入射するフルビームを

表し、小さな数字はNOVA IIが実際に計測したパワーまたはエネルギーを表しています。

この数値を保存する場合は‘Save’を押し、Enter キーを押して標準の計測画面に戻って下さい。

‘Attenuation’画面でNOVA II を起動したい場合、 3.5 項に記載された起動時の初期設定の手順を参照し

て下さい。 Figure 4.8 減衰率利用画面

L250A 10235 Range: 30J Menu: Attenuate Laser: 532 Beam %: 10.00 READY 1.234 J

12.34 J Power Help

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注 1:‘Attenuator’画面はそこに表示された数値に作用するだけで、パワー・エネルギーのレンジ、損傷しきい値、等の

要素はそのままです。‘Attenuator’画面は付加的な画面、ユーザーが導入する数値を別途計算して表示する

ものです。

注 2:減衰数値は計測ヘッドにではなく、NOVA II に保存されますので、どんな計測ヘッドでも、その選ばれた数値が

適用されます。 4.6.2 パワー及びエネルギー密度画面

NOVA II ではパワ-またはエネルギーの変わりに、その計測値を密度の単位で表示可能です。ビーム径を入

力すると、パワーまたはエネルギー密度をW/cm2かJ/cm2に計算して表示します。この画面に入るには下記

の従って下さい:

1.メイン画面で‘Menu’を選び、Enter し、‘Density’を選んで下さい。パワーまたはエネルギー計測画面に

いれば、表示単位はそれぞれ W/cm2か J/cm2に変わります。

2.‘Size’を選ぶと4つの初期設定されたビーム径が現れます。

3.左ナビゲーションキーで合致させたいビーム径をんで下さい。

4.Up/Down キーと Right/Left キーを適宜押して数値の変更を行って選択し、‘Save’を選びEnter キー

を押して下さい。 4.6.3 パワーとエネルギーの限界設定画面

NOVA II にはパワー・エネルギーの上下限を設定するオプションが在ります。限界が設定された画面でパワ

ー・エネルギーが最大、最小の限界値を超えると、‘OVER’か‘UNDER’が画面上に現れます。

限界画面設定は下記のように行って下さい:

1.メインパワーかエネルギー画面で‘Menu’を押し、‘Limits’を選びEnter キーを押して下さい。

2.‘Low’を選び、Enter キーを押して下さい。Up/Down キーで数値を変更し、Right/Left キーで次の数値

に移行する等を行って下限値を決め、‘Save’をEnter して終了です。

3.‘High’を選び、同様な手順で上限値を決めて下さい。

4.この上下限設定を初期設定画面とする場合、3.5 項に記載された手順に従って下さい。

パワーまたはエネルギーが所定の限界値を超えると、Fig 4.9 に示すエラーメッセジが画面上に現れます。

下限を超えている場合は‘UNDER’が左上部に上限を超えている場合は右上部に‘OVER’が現れる事に注

意して下さい。 Figure 4.9 リミット設定画面

§ 5.フォトダイオードタイプの計測ヘッドでの操作

注意:

使用する前にレーザのパワー、エネルギー、及びその密度がその測定ヘッドの定格を超えていない事をチェッ

クして下さい。詳しくは5.1 項のTable 2 参照。

PE50 10235 Range: 200J Menu: Limits Laser: 532 Average: 1 sec Low: 100.0J High: 150.0J

UNDER

62.3J Energy Help

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5.1 フォトダイオード計測ヘッド

レーザのような光子発生源が、 PD300 や3A-IS シリーズのフォトダイオード検出器に向けられると、入射光の

波長に依存し強度に比例する電流が発生します。

PD300とPD300-3Wは2ヶの検出器を有する(Ophir社の特許)独創的な計測ヘッドで、同一特性の2つの検出

器が相互補償の関係になるよう接続されていますので、2つの検出器に一様な信号、例えば部屋の明かりの

ような背景信号が入力すると、2つの検出器の信号は打ち消されます。

一方、十分に細いレーザビームが計測へッドに入射されると、ヘッド端側の検出器のみを照明するので、検出

する事が可能になります。このように、PD300は計測すべき信号を検出中、殆どの背景信号を除去してしまいま

す。この除去は完璧には行きませんが、通常、98%の背景信号が除去されますので、実験室での普通の照明

環境下でも、この計測ヘッドが使用可能です。

NOVA II はこの信号を差動増幅し、計測ヘッドが受けたパワーレベルのみを表示します。NOVA II の極微

少・電流電圧増幅回路により、外来雑音は極めて低く抑えられ、NOVA II はPD300/3A-ISシリーズの計測ヘッ

ドを接続して、ナノワット・レベルから数百ミリワット・レベルの広いダイナミックレンジで表示が可能です。

多くの低出力レーザは、5~30mWオーダーの出力があり、大抵のフォトダイオード検出器は約2 mWで飽和し

てしまいますので、PD300シリーズの多くはフィルターを内蔵する構造をとっており、基本ヘッドで30mW以上の

計測も飽和する事なく行えます。フィルターを付加する事により、最大300mWのオーダーまで(PD300-3Wでは

3W)計測可能です。PD300は出力電流が1.3 mAを超えた場合には飽和しています。正確な最大パワーは使用

波長に対する検出器の感度にも依存します。飽和した場合、‘OVER’のマークが画面上に現れます。

Table 2は波長の関数としての実際の最大パワーを示しています。

Table 2 測定可能な最大パワー値と波長の関係

FILTER OUT

WAVE

LENGTH PD300

PD300

-TP

PD300

-3W

PD300-

UV 3A-IS WAVE-LENGTH PD300-IR PD300-IRG

250-350nm N.A. N.A. N.A. 3mW N.A. 800nm 20mW 0.8mW

400nm 30mW 3mW 30mW 3mW N.A. 1-1.3µm 30mW 0.8mW

633nm 20mW 2.5mW 20mW 3mW 1W 1.4µm 25mW 0.8mW

670nm 13mW 2mW 13mW 3mW 2W 1.5µm 15mW 0.8mW

800nm 10mW 1.5mW 10mW 2.5mW 3W 1.6µm 10mW 0.8mW

900mm 10mW 1.5mW 10mW 2.5mW 3W 1.8µm 25mW N.A.

1060nm 25mW 3mW 25mW 3mW 3W ----- ----- -----

FILTER IN

WAVE

LENGTH PD300

PD300

-TP

PD300-

3W

PD300-

UV 3A-IS

WAVE-

LENGTH PD300-IR PD300-IRG

250-350nm N.A. N.A. N.A. 300mW N.A. 800nm 20mW 300mW

400nm 300mW 1W 3W 300mW N.A. 1-1.3µm 30mW 120mW

633nm 300mW 1W 3W 300mW 1W 1.4µm 25mW 300mW

670nm 200mW 500mW 1.4W 300mW 2W 1.5µm 15mW 300mW

800nm 100mW 300mW 0.6W 150mW 3W 1.6µm 10mW 300mW

900mm 150mW 300mW 0.7W 150mW 3W 1.8µm 25mW N.A.

1060nm 250mW 500mW 1.7W 300mW 3W ----- ----- -----

5.2 ユーザー選定波長を表示する為のPD300の設定

PD300シリーズは波長補正曲線を内蔵しており、‘Filter-in’か‘Filter-out’のどちらかで計測が可能です。

これらの補正曲線は計測ヘッドのEEROMに保存されています。補正曲線は2ナノメーターの分解能を有して

おり、レーザの全波長で正確な読みを保証しています。

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レーザ波長の変更を簡便化する為に、ユーザーは6つの異なった波長を画面上のメニューで設定する事が出

来ます。下記の手順で PD300 を所定のレーザ波長に設定して下さい。

1.パワー計測スクリーンで‘Laser’を選んで Enter して下さい。

2.Up/Down キーで最初の波長を選んで下さい。

波長画面を変更するには、右ナビゲーションキーを押し下さい。

3.Up/Down キーを押して、数値を変更し、Right/Left キーで、次の数値に移行して、波長の数値を入力し

て下さい。‘Save’を押して終了して下さい。

4.他の波長設定の為に手順 2 と 3 を繰り返して下さい。Enterを押して終了して下さい。これらの数値は

‘Save’を押しておけば、起動時の初期設定となり、そうしない場合ではNOVA IIをオフ にするまで保存

されています。

5.3 起動時の初期設定

多くの場合、毎回同じような計測をするのであれば、NOVA II をそのモードで自動的に起動するように設定す

る事が可能です。これ等の設定は計測ヘッドのスマ-トコネクタに保存されますので、異なった計測ヘッドに関

しては違った設定をする事が可能です。下記のセクションに、PD300計測ヘッドに対応するNOVA II の起動時

の設定に関して記述してあります。

起動時の初期設定: (さらに詳しくは5.4 項を参照。) 1.計測ヘッドを接続したままNOVA IIをオン にし、‘Menu’を選び、Enter キーを押して下さい。

次に、‘Configure’を選び、その後にEnter キーを押して下さい。

2.‘Filiter’を選びEnter キーを押して下さい。起動時の初期設定として、‘Filter-in’か‘out’のどちらかを選

択して下さい。Filter in/out の詳細に関しては5.4.3 項を参照。

3.表示モードを選択し、起動時の画面を決定し、‘Save’を押して下さい(この選定はヘッドではなく、NOVA II

に保存されますので、全てのヘッドで有効になります)。更に詳細な画面タイプに関しては、4.6 項を参照。

4.‘Power Range:’を選び、同様に手動計測範囲設定か自動計測範囲設定、dBmかのどちらを初期設定に

するかを決めて下さい。これで、NOVA II は所定の計測ヘッドを接続して起動すると、選定された計測範囲を

表示します。 5.‘Average’を選び、パワー計測時の平均化期間を選定して下さい。平均化を必要としない場合、‘NONE’

を選んで下さい。平均化に関する詳細については4.4.2.4 項を参照。 6.‘Laser’を選び、起動時の初期設定波長を数値ボタンで選定し、‘Save’を選びEnterキーを押して下さい。

7.選択した波長を変更する場合は‘Laser’を選び、右ナビゲーションキーを押して下さい。波長の値をUp/Do

wn キー で変更し、Right/Left キーで次の数値に移行して下さい。決定されたら‘Save‘を選び、Enter キ

ーを押して終了して下さい。

5.4 画面上で設定選択

NOVA II の画面上で種々のパラメータを容易に設定出来ます。加えて、これらの設定は起動時の初期設定と

して保存されますので、所定の計測ヘッドにマッチした設定でNOVA II が起動します。

5.4.1 使用されているレーザの波長に設定するには:

フォトダイオード計測ヘッドは波長に依存した感度を有しています。更に、フォトダイオード計測ヘッドは異なった

波長に対して異なった透過率を有したフィルターを用いています。これを補正する為に個々の計測ヘッドは計

測範囲をカバーする補正曲線(2ナノメーターの分解能)を内蔵しています。適切なレーザ波長を選択すれば、

その波長に対する補正率が自動的に導入されます。現在使用しているレーザの波長補正値はディスプレイの

左上に表示されます。レーザ波長の補正値選択に関しては5.2 項を参照。

レーザ波長を選択するには、‘Leser’を選び、Enter キーを押して下さい。選択すべき波長を決定し、再度 En

ter キーを押して下さい。起動時初期設定の波長設定に関しては、5.3 項を参照。

5.4.2 手動/自動/dBmのいずれかを計測範囲の設定として選択するには:

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Auto Range - 計測値の読みがワット(W)の場合、計測範囲設定を自動か手動かの選択が可能です。自動

モードの時、レンジを変更する必要はありません。メーターまたは指針の読みがフルスケールの100%を超える

と、計測範囲は次の高い範囲に移ります。読みがフルスケールの9%以下になると、計測範囲は1つ下のレン

ジに移行します。この変更は少々の遅れを伴います。この遅れにより、計測値の読みが遷移値に近づいた時に

レンジが振動的な移行を生じないようにオーバーラップ(ヒステリシス)を与えています。

Manual Range - 自動モードには変更をしたくない時でもレンジの変更が自動的に行われると言う欠点が有

ります。手動モードを選択すると、常に同じレンジで計測出来ます。適切な計測範囲は予期される最大計測値

よりも大きなフルスケール値を有する最低のレンジとなります。NOVA IIを手動モードで起動する場合はこの設

定をオフ する前に保存して下さい。5.3 項を参照。

dBm – NOVA II は対数スケールの dBmでも計測値の表示をします。dBmは下記のように定義します:

10 x log (読みはmW)

1 mW では0 dBm、100 mW では20 dBmになります。

Auto、Manual、dBm のどれかを選ぶには下記の手順によります:

1.主計測画面で‘Range’を選んで下さい。

2.ナビゲーションキーで適切な計測範囲を Auto、Manual、dBm に対して選んで下さい。選定した計測範囲

でNOVA II を起動する場合には、‘Save’を押して下さい。また計測画面に戻るには Enter キーを押して

下さい。

5.4.3 Filter In または Out による操作

PD300 計測ヘッドはフィルターを内蔵していますので、検出器は飽和する事なく30 mW まで計測可能です。更

に、PD300 は付属の取り外し可能なフィルターを用いれば、300 mW まで計測可能です。他のPD300 のモデル

も内蔵と取り外し可能なフィルターを有しています。正確な最大のパワー読みは、フルスケールになった時か、

計測ヘッドの出力電流が1.3 mA になるか、どちらかが先に到達した時です。

波長に対する正確な最大値についてはTable 2 参照。

計測すべきパワーにより、取り外し可能なフィルターを使用するかどうかを決める必要が生じます。

この為にNOVA II には‘Filter’の設定機能が有りますので、それを利用してフィルターを使用中か否かに対応

する適切な補正カーブを選択して下さい。

注意:

PD300を‘Filter in’の設定で使用する場合、フィルターが取り付けられていない場合、または‘Fiter out’の設

定なのにフィルターが取り付けられている場合、計測の読みは全く間違ったものになります。

‘Filter in’であっても、レーザのパワーが最大値を超える場合、サーモパイルヘッドまたは積分球計測ヘッドを

利用する事が出来ます。詳細は(株)オフィール ジャパンにご相談下さい。

フィルターの設定:

1.主計測画面で‘Filter’を押して下さい。

2.フィルターを装着して操作する場合、 ‘Filter is in.’が表示されるまで‘Change’を押し続けて下さい。検出

器に取り外し可能なフィルターを着け忘れないように注意して下さい。

3.フィルターを装着せずに操作する場合、‘Filter is out.’が表示されるまで‘Change’を押し続けて下さい。

検出器からフィルターを取り外し忘れないように注意して下さい。

4.完了したら、‘OK’を押し、計測画面に戻って下さい。

注:フィルターの有無は画面で直ぐ判ります。‘Filter out’は ‘ Filter in’は Filter Filter

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で表示されます。

5.4.4 ズーム

‘Zoom’機能は現在のスケールの読みを約±20%拡大します。従って、棒グラフのフルスケール読みが20m

W で、読みが15mW の場合、‘Zoom’を押せば、棒グラフのスケール範囲は大略12mW と18mW の間にな

り、パワーの変化は更に容易に観察出来ます。ズームが起動中は表示がハイライトされます。ズーム機能を停

止するには、再度‘Zoom’を押して下さい。ズーム機能はレーザパワーの微調整やピーク値の検出に有用で

す。

ズーム機能を利用するには、‘Zoom’を押して下さい。’ZOOM‘がハイライトされている時はズーム機能が働い

ています。棒グラフの基点が離れている場合はズーム機能が働いている事に注意して下さい。’Zoom’を再度

押すと、その機能は停止します。

5.4.5 オフセット(補正)

PD300 及び PD300-3W 計測ヘッドはセクション 5.1 に述べてあるように自動的に背景信号を差し引きます。

加えて、 補正機能は必要な場合、残留する背景信号をキャンセルする為に使用可能です。NOVA II にレーザ

入力がない時でも、パワーゼロが表示されない場合、ゼロ機能を利用して背景雑音を差し引く事が出来ます。

例えば、レーザ出力 20.5mW が加えられ、それをブロックした場合でも、NOVA II の表示の読みが 0.1m

W である場合、パワーの真値は 20.5-0.1=20.4mW。背景信号をキャンセルするには、レーザをブロッ

クしたまま‘Offset’を押して下さい。NOVA II の読みはゼロ(0.0)になり、0.1mW の背景信号は以降全てキ

ャンセルされます。レーザパワーの読みは 20.4mW になります。

‘Offset’が機能中はそれがハイライトされます。オフセットを解除するには再度 ’Offset‘ を押して下さい。オフ

セットが機能していて、新しい背景信号をキャンセルしたい場合には’Offset‘を二回押して下さい。一回目に押

した時に古い値をキャンセルし、二回目に押すと新しい値が有効になります。NOVA II が常にオフセットゼロで

あると言う疑いがある場合、パワー計測中の計測ヘッドの接続を外して下さい。 5.4.6 dB補正機能を使用した損失計測

dBmは対数計測表示ですので、2つの計測値間の割合は異なった表示となります。例えば、光ケーブルの損失

を計測する場合、ケーブルの前の損失が1mW=0 dB で、ケーブルの後ろが 0.1mW=-10 dBであった

場合、損失割合は1:10=0.1、従ってdBで表示した損失は0-(-10)=10 dB になります。

dB補正機能によりこの計測は容易に出来ます。下記のようにして下さい:

1.基準値を計測する時には‘dB-0’を押して下さい。数値は0dBに変わります(絶対値である

dBmではなく、相対値のdBが単位となっている事に注意して下さい)。

2.二回目の計測を行えば、異なった dB 表示値=絶対値表示の割合が表示されます。

注:基準の補正値がゼロの場合、dB 補正機能を利用してこれをキャンセルする事は出来ません。その代わり、計測に

先立って、‘Offset’を押し、ゼロ補正値をキャンセルして下さい。その後、上記のステップ1と 2 を実施して下さい。‘Off

set’を押してゼロ補正をキャンセルした場合、dBm スケールに保存されますので、ゼロ補正の問題を起こす事なく、dB

-0 設定を利用して真の割合計測が可能となります。 5.4.7 極めて低いパワーの計測と平均

レーザの出力が変動している場合、NOVA II は平均化期間を1秒から1時間の間で変化させて平均パワーの

読みを表示する事が出来ます。極めて低いパワーを計測する場合、例えばPD300-IRG または PD300-UV

を用いてピコ・ワット(pW)計測を行う時、検出器からのかなり大きなゼロ補正値だけではなく、無視出来ない雑

音変動値が送られて来ます。そのような条件下でも、平均化機能及び‘Offset’を押して、検出器のゼロ補正を

除去する事により、これらの低い計測値を得る事が可能です。

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極めて低いパワー計測は下記によります:

1.‘Menu’を選び、Enter キーを押し、‘Configure’を選んで下さい。平均化する為の適切な期間を選び、そ

れを保存した後終了して下さい。

2.計測するパワー源をブロックし、計測平均化期間を2, 3回分待機してから、‘Offset’を押してゼロ補正をキ

ャンセルして下さい。

3.パワー源を開放し、計測して下さい。平均化機能に関する詳細は4.4.2.4 項を参照。 注:平均化機能は自動計測範囲モードまたはdBmでは働きません。

5.4.8 パワーの微細な変動とその記録

Ophir しか供給していないオプションである調整(Tune)表示機能は、これまでになかった程の容易さで、レー

ザの最大パワーの調整を補佐します。棒グラフや機械的なメーターとは異なり、これまでの読みだけではなく、

現時点の読みと傾向をも同時に表示します。これにより、一見して最大値に到達している事が判ります。

NOVA II にはオン の状態にある限り、レーザパワーの時間経過または連続したエネルギー計測点を、グラフ

表示することができます。計測が行われている間、画面がフルになるか、‘Reset’が押されるか、‘Exit’が押さ

れるまで NOVA II はデータを記録し続けます。

レーザのパワーが変動している場合、変更可能な1秒から1時間の任意の期間でパワーを平均化して表示す

る事も可能です。

これ等の機能はサーモパイル、フォトダイオードタイプの計測ヘッドでも同様に機能します。詳細は4.4.2.3項を参照。

§ 6.パイロエレクトリック(焦電型)計測ヘッドでの操作

注意:

計測ヘッドをパワーまたはエネルギー計測に使用する前に、レーザのパワー、エネルギーおよびエネルギー密

度が、仕様テーブルに記載されている計測ヘッドの定格を超えていない事を確認して下さい。

さもないと、吸収体を損傷する危険性が在ります。

パイロエレクトリック計測ヘッドにはそれに使われている検出体と同じコーティングを施したスライドが添付され

ています。(反射光が危険ですので、手で持たずに必ず器具で固定して使用して下さい。)

そのスライドは(株)オフィール ジャパンから入手可能です。このスライドを使って、計測すべきレーザパルスで

損傷しきい値を試験しなればなりません。スライドが損傷された場合、ビーム径を広げるか、レーザエネルギー

を下げるかして、スライドに損傷が生じないようにして下さい。

6.1 パイロエレクトリックヘッド

レーザのようなパルス熱源が検出体に向けられると、計測ヘッドに組み込まれたパイロエレクトリック型結晶に

温度勾配が生じます。吸収したエネルギーに比例した電荷が発生します。検出ヘッドには特許となっている、O

phir独特で洗練された回路が組み込まれており、それがレーザパルスを受ける以前に基準を決定し、事前に

定められた期間の後に、そのパルスだけを計測して増幅を行い、予め定めた期間中保持します。

この新しい回路により、Ophirのパイロエレクトリック計測ヘッドは、極めて長いパルスも極端に短いパルスも計

測可能ですし、低エネルギーのみならず高エネルギーも計測可能です。これまで以上に高い繰り返し周波数で

の計測も可能になりました。NOVA II はこの信号を増幅し、ヘッドで受けたエネルギーだけでなく、レーザのパ

ルス周波数も表示可能です。エネルギーと周波数の情報を利用して平均パワ-も表示可能です。

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6.2 画面上で設定選択

NOVA II の画面で色々のパラメータの設定が容易に行えます。またNOVA II をオン にした時の構成を希望

の起動時初期設定として決められます。

Figure 6.1 パイロエレクトリックヘッドのエネルギー計測画面

6.2.1 計測ヘッドを選択した波長で表示する設定(メタリックタイプのみ)

金属コーティングされた検出器の吸収は波長に応じて幾分変化します。

吸収体の補正カーブは計測ヘッドのEEROMに保存されています。この補正カーブにより、パワーの読みは全

てのレーザ波長に対して正確となります。

1つのレーザ波長から他の波長への変更を簡略化する為に、用意されている6つの異なったレーザ波長に画

面メニューでプログラムする事が出来ます。使用するレーザ波長にパイロエレクトリックヘッドを設定する為に下

記の手順を実施して下さい。

1.主ディスプレイで、‘Laser’を選び Enter して下さい。

2.Up/Down ナビゲーションキーを用いて第一波長を選んで下さい。右ナビゲーションキーを押して下さい。

3.Up/Down キーを押して、個々の数値を変更し、Right/Left キーを押して次の数値に移行して下さい。

‘Save’を選び Enter キーを押して終了して下さい。

4.使用する予定の他の波長に対してステップ3を繰り返して下さい。終了したら Enter キーを押して下さ

い。‘Save’を押して保存した数値は起動時の初期設定となり、他の設定数値はNOVA IIが稼動中のみ

保存されます。

注:

広帯域タイプ(BB)の計測ヘッドは波長に対する変動はより少なく、これらの計測ヘッドでもサーモパイルヘッドに類似の固定波長範

囲が選択可能です。しかし、このセクションではそれ等のヘッドには言及しません。

6.2.2 レーザのパルス幅とパルスのサンプリング

6.2.2.1 レーザパルス幅

以前に述べたように、Ophir パイロエレクトリックヘッドは長短の両パルス幅の計測が可能です。これを実施す

る為に、NOVA II に長いパルス幅か短いパルス幅になるかを入力する必要が有ります。(ヘッドには短いパル

ス幅のみに対応する設定のものが在り、この設定では‘N/A’が表示されすべて短パルスとなります。)

注意:

パルス幅がその波長よりも長いパルスに対して不適切に短く設定された場合、計測値は間違ったものとなりま

す。短いパルス波長よりも長い波長に設定された場合、計測値は正確ですが雑音が多くなります。

PE 10235 Range: 20mJ Menu: Energy Laser: 532 Average: 1 sec

12.34 mJ 142.37Hz TRIG 20mJ Power 50s Help

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パルス幅の設定をするには下記を実施して下さい:

1.主計測画面で、‘Menu’を選びEnter キーを押して下さい。‘Configure’を選び、Enterキーを押して下さ

い。

2.‘Max pulse len’をEnter し、使用するレーザのパルス長を設定して下さい。使用レーザの波長が短いパ

ルス長の値よりも長い場合、長い波長の値を選ぶ必要が有り、その逆の場合も同じように設定して下さい。

これを起動時の初期設定にする場合‘Enter’を押し‘Save’を押してから終了して下さい。

6.2.2.2. 平均化期間の設定

NOVA II にはパルス数の計測をし、パルスエネルギーの平均値を表示する事が可能です。この機能はレーザ

が不安定な場合に有効です。その場合は、パルス数の計測を選定(ただし、表示は秒数で行われる。)し、平均

値のみを表示する事になります。

多数のパルスを平均化する設定:

1.主計測画面で‘Menu’を選び、Enter して下さい。‘Confugure’を選び、Enter して下さい。

2.‘Average’を選び、Enter して下さい。平均化する期間を選び、Enter して下さい。平均化をしないが、

個々のパルスを捕捉したい場合、‘None’を選んで下さい。

3.この新しい設定を初期設定とする場合、‘Save’を選び Enter して下さい。 注:一般にパイロエレクトリック素子はkHzオーダーの極めて高い繰り返しパルスの計測が可能です。(BB型は表面コート

の影響で周波数応答に制約あり)NOVA II は通常200Hz以上で個々のパルスを捕らえますが、ヘッドによっては

1000から4000パルスまでサンプリングを行います。集められたパルスは、統計学的な集計と外部伝送の為に内部保存が可

能です(4.4.2.6.項を参照)。しかし、最高15Hzまでのレートでしか表示は行われません。‘NONE’が選ば

れている時はずっと速いレートで保存可能ですが、15Hzでサンプリングされた個々のパルスで表示します。任意の期間で

の平均化が選ばれた場合、画面に入力された時から現在までの期間に於ける平均計測値が表示されます。例えば、平均化期間

が30秒で、15秒経過時の平均値は15秒以上で、30秒では30秒以上、5分の平均期間では4.5分から5分の期間での平均値

が表示されます(現時点から30秒戻り平均化を行い表示します)。

6.3 起動時及び初期設定の構成

多くの場合、繰り返しの多い計測を行うのであれば、NOVA II を起動すると自動的にその計測モードに入るよ

うに設定する事が可能です。これ等の設定はヘッドの‘Smart Connector’に保存されますので、種々のヘッ

ドにそれぞれの設定を保存する事が可能です。

NOVA IIの起動モードの設定と選定された構成の保存:

計測ヘッドを接続したまま、NOVA II をオン にします。‘Power’か‘Energy’かの計測画面を選んで下さい。ナ

ビゲーションキーで‘Menu’を選択、Enterを押してから、‘Configure’を選び再度Enterキーを押して下さい。

次いで、使用する起動パラメータを下記のように選びます:

1.‘Startup Mode’を選び、起動時の画面として‘Power’か‘Energy’のどちらかを選び、Enter を押して保

存して下さい。NOVA II はオン されると、パワー計測モードかエネルギー計測モードの選択されたどちらか

のモードで起動します。

2.次に、‘Display Mode’を選び、使用する起動画面を選んで、‘Save’を押して下さい(この選択はNOVA II

に保存され、ヘッドに保存されませんので、全てのヘッドに有効である事に注意して下さい)。画面タイプの詳

細についてはセクション4.6 を参照。

3.‘Energy Range’を選び、NOVA IIの初期設定にするか‘Autorange’にするか決めて下さい。NOVA II を

所定のヘッドを接続して起動すると、選択されたモードに入ります。エネルギーモードには手動計測範囲設定

しか有りませんので注意して下さい。

4.‘Average’を選び、パワー計測値を平均化する期間を決めて下さい。この機能は不安定なレーザ出力に対

して特に有用です。詳細はセクション4.4.2.4を参照。

5.ヘッドが取り外し可能な拡散板を備えてあるなら、‘Diffuser in’か’Diffuser out’のどちらを初期設定にする

かを‘Diffuser’を選び決めて下さい。

6.‘Max Pulse Len’を選び、Enter し、使用するレーザのパルス幅に対する設定をして下さい。使用するレーザ

の閃光時間が短いパルス幅の値よりも長い場合、長いパルス幅の値を選択する必要が有ります。この逆の

場合は同様に逆の手順を行って下さい。

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7.‘Laser’を選び、初期設定とすべきレーザ光を選んで下さい。これで、NOVA II は選定されたレーザの波長に

対して検出器の吸収係数を校正した状態で、そのレーザの波長の設定で起動されます。

8.この設定を起動時の初期設定とする際は、‘Save’を押してから’Exit‘を押して終了して下さい。

9.On/Off/Backlight スイッチでNOVA II をオン して、その後 オフ して下さい(Figure 3.1を参照)。

NOVA II は前回‘Configure’操作で保存したモードで動作します。

6.4 エネルギーまたはパワーの照射量計測

注意:

計測ヘッドでの計測に先立って、本取扱い説明書の末尾に記載したリストの、各ヘッドの仕様定格を超えたエ

ネルギー、エネルギー密度、平均パワーがヘッドに加えられない事を確認して下さい。さもないと、吸収体が損

傷を受けてしまいます。パイロエレクトリック計測ヘッドにはその検出器の施した同じコーティングのスライドが

付属しています。尚、このスライドは(株)オフィール ジャパンから入手可能です。レーザパルスをこのスライドに

加えて損傷しきい値を試験する必要が有ります。スライドに損傷が生じたら、ビーム径を広げるか、レーザエネ

ルギーを下げて、損傷が起きないようにして下さい。(反射光が危険ですので、手で持たずに必ず器具で固定して使用して下さい。)

注: パイロエネルギーを適切に計測するには、光学ベンチに計測ヘッドをアースしない事が重要です。計測ヘッドが電気的に絶縁されている事を確認して下さい。このために、パイロエレクトリック(PE)ヘッドには絶縁型ポール・マウントが付属しています。

6.4.1 エネルギー、平均パワー、周波数の計測

大概のパイロ型エネルギーメーターと異なり、NOVA II は高精度にパルス周波数を計測しますので、パルス周

波数と平均パワー同様にパルスエネルギーも表示します。下記の項ではこれ等の特性を計測する為の設定に

ついて説明します。

6.4.1.1 NOVA II ディスプレイに対するヘッドのゼロ設定

パイロエレクトリックヘッドの計測値は個々のディスプレイに対して、少し異なったエネルギー計測値を示す事が

有ります。従って、最も高精度にパイロエネルギーを計測する為に、NOVA IIに対し、パイロエレクトリック計測

ヘッドのゼロ設定が必要となります。この手順を行うと、このヘッドは組み合わせて使用するNOVA IIに対して

‘Conditioned(調整された)’状態になりますので、このヘッドを他のNOVA II で使用しない限り、この手順を

再度行う必要は有りません。この手順を経ない場合、2%程度の誤差が生じます。

NOVA II に対して計測ヘッドをゼロ設定するには下記の手順を行って下さい:

● ヘッドを静穏な環境下に置き、パルス照射光を与えないようにして下さい。NOVA II にヘッドを接続し、オン

にして下さい。‘Menu’を選び、Enter キーを押して下さい。‘Zero’を選び、Enter して下さい。

‘Start’を押し、‘Zeroing Completed’が表示されたら、‘Save’を押して終了です。

6.4.1.2 エネルギー計測

1.普通は、NOVA II をオン にすると、主エネルギー計測モードで起動します。これはディスプレイの右上部コ

ーナーに表示される、mJ、μJ 等の単位及び‘Energy’で確認出来ます(Figiure 6.1参照)。パワー計測

モードで起動した場合には mW、W 等の単位で表示されていますので、‘Energy’を押して下さい。 2.‘Range’をEnter し、適切な計測範囲を選んで下さい。適切な計測範囲は計測すべきパルスエネルギーの

最大値をカバー出来る最低の範囲となります。この設定を初期設定とする場合は‘Save’を押し、Enter キ

ーを押してメイン画面に戻って下さい。

3.メニューボタンを押し、‘Configure’を選び、Enetr を押して下さい。‘Max Pulse Len’、必要な場合には

‘Diffuser’を選び、使用するレーザに見合った適切な値に設定して下さい(レーザパルス幅に関する更なる詳細は6.2.2.1項参照)。

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4.多数のパルスの平均値を表示したい場合、‘Menu’を選択し、Enterを押 して、‘Configure’を選び、再度

Enter を押して下さい。‘Average’を選び、希望する数値に設定して下さい。初期設定値は‘NONE’になっ

ており、これは表示されたパルスは個々のパルスで有り、平均化されていません。

平均化に関する更なる詳細は6.2.2.2 項を参照。

これらの手順が終了すれば、NOVA II はパルスエネルギーの計測に対し準備 OKです。 ‘NONE’が平均化

期間として選択されている場合、エネルギー計測値の読みは下記のように処理されます。NOVA II は1/5 秒

の期間毎に、次にやって来るパルスを表示しようとしますが、NOVA II は新しいパルスが来るまでは、最後に

来たパルスをディスプレイ上に保持します。最大180Hzまでのパルスを捕捉し、平均化期間を選択した場合は、

それ等のパルスの平均値を表示します。新しいパルスがNOVA II をトリガーすると、‘TRIG’が表示されます。

パルス周波数が5Hz以上になると、‘TRIG’は点滅を止め、常時表示されるようになります。

Note: NOVA II は個々のパルスをずっと低い周波数で表示していますが、180Hzまでのパルスを記録する事が出来ます。このデータはファイルに保存され、計測後に読み出しが可能で、外部へ転送する事も可能です。

通常の計測範囲、レーザ、平均値等の情報の他に、NOVA II はFig 6.1に示すようにレーザの周波数も表示

可能です。

6.4.1.3 パワー計測

1.NOVA II がパワー計測モードにある時は mW、W 等の単位が表示されていますので確認して下さい。エ

ネルギー計測モードの場合は mJ、μJ 等の単位表示が出ていますので、ソフトキーで‘Power’を押して

下さい。NOVA II をパワーモードで起動させる設定に関しては6.3 項を参照。 2.‘Range’を選び、Enter し、ナビゲーションキーを使用して、適切な計測範囲を選んで下さい。例え、平均

パワーを計測してはいますが、適切な計測範囲は計測すべきパルスエネルギーをカバーする最低の範囲と

なります。平均パワーを計測していますが、適切な計測範囲はパルスエネルギーに関連したものですので

注意して下さい。

3.‘Enter’を押し、計測画面に戻って下さい。この計測範囲を初期設定とする場合には、

‘Save’を押した後にEnter キーを押して下さい。

6.4.2 エネルギー照射量の積算計測

NOVA II には一定の期間に渡る、多数のパルスエネルギーの量を総計する機能が有ります。

これにより、‘Exposure’決められた期間に照射された総エネルギー量が得られます。

例えば、パルス当たり1mJで30回/秒でレーザ発振している場合、20秒の期間で照射量を計測すると、

30x1x20=600mJになります。

総照射量を計測するには下記の手順を実施して下さい:

1.エネルギー計測画面で‘Menu’を選び、Enter して下さい。‘Exposure’を選び、Enterして下さい。

2.下記のように計測パラメータを選んで下さい:

Mode:設定した期間に対して計測する場合は、‘After Timeout’を、特定のパルス数に対して計測する

場合は‘After Pulses’を選び、計測を手動のみで停止する場合は‘ManualOnly’を、それぞれ選

択して下さい。(注:他のモードであっても、手動で計測を停止する事は可能です。)

Timeout:設定した期間に対し、その期間だけ計測する場合に使用する。

Pulses:設定した数量のパルスに対して計測する場合に使用する。

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Figure 6.2 照射量積算画面

3.‘Start’を押して下さい。NOVA II はレーザエネルギーへの照射量の合計を始めます。計測を停止するに

は‘Stop’を押すか、設定画面で選んだ‘Timeout’か‘Pulses’に到達するのを待つかして下さい。NOVA

II はその期間の、照射された総エネルギー、経過時間、パルス数を表示します。次の計測前に読みをゼロ

にしたい場合、‘Reset’を押して下さい。

4.‘Energy’を押せば通常のエネルギー計測画面に戻ります。

注意:

‘Reset’が押されると、それ以前に合計された照射量のデータは削除されてしまいます。

画面のトップにデータの統計的な総計が表示されています。もし、エネルギーのデータを長期間、個別に保

存したい場合、‘Data-log’を選び、ファイルシステムに入力して下さい。詳細には4.4.2.6.1 項を参照。

対比表示

計測値の読みを、ある標準の読みと比較して表示したい場合、対比表示機能でこれが可能です。

‘Normalize’を設定すると、その後の読みは基準の読みに対する割合として表示されます。例えば、1.5mJの

エネルギー時の読みを対比表示すると、その後の読みはその数字に対する割合、即ち、エネルギーが2mJで

あった場合、画面の表示は2mJ/1.5mJ=1.33(無単位数)になります。画面には対比表示に用いた小数

字で表したエネルギーと現時点のエネルギーが表示されます。

NOVA II でエネルギーの対比表示を実現するには:

1.主計測画面で、‘Menu’を選び、‘Normalize’を選んで下さい。

2.対比表示準備 OK となったら、‘Apply’を押して下さい。その後はエネルギーは対比表示エネルギ

ー値に比例したものとして表示されます(Fig 6.3を参照)。

3.通常の表示に戻るには、‘Energy’を押して下さい。

‘Present’には直ぐ前のパワー、またはエネルギーの読みが、‘Reference’には対比表示に用いている基

準値が、その下には大型の文字で、それとの割合いが表示されている事に注目して下さい。

PE 10235 Range: 20mJ Menu: Exposure Laser: 532 Mode: PULSES Pulses: 20 Timeout: 10 sec

12.34 mJ Elapsed TRIG Pulses 00:00:05.3 100 Energy Stop Reset Help

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Figure 6.3 パイロエレクトリックエネルギー対比表示画面

6.5 高エネルギー繰り返しパルス計測

パイロエレクトリック計測ヘッドはその構造上エネルギー密度、特にナノ秒オーダーの短いパルスに対する耐力

には限りが有ります。使用するレーザのエネルギー密度がパイロエレクトリック計測ヘッドの定格を超えている

場合、下記に示す幾つかのオプションが在ります:

1.凹レンズを用いてレーザのビーム径を広げ、エネルギー密度を損傷しきい値以下にする。テストスライドを用

いて試験出来ます。セクション6.4を参照。

2.ビームスプリッタを用いて、一般的には8~10%の光を分割します。この方法を用いる場合偏光効果が生じ

る事に注意して下さい。レーザを損傷しきい値以下で駆動して、ビームスプリッタを校正し、ビームスプリッタ

の有無に関わらず、エネルギー密度を計測する事が可能です。上記の対比表示機能を利用して、レーザの

実際のパワーまたはエネルギーを表示可能です。

4.Ophirには高エネルギー密度のパルス用に特別に設計された計測ヘッドを3種類用意しており、それ等は、

高損傷しきい値のPE50HD、拡散素子を備えたパイロエレクトリックヘッドのPE50-Dif、RP(サーモパイル/フ

ォトダイオード)です。3つの中には数 Joules/cm2までのエネルギー密度を計測出来るヘッドも在ります。

詳細については(株)オフィール ジャパンにご相談下さい。

6.6 エネルギー記録

この項は‘Ready’を待つ必要がない点を除き、サーモパイル計測ヘッドと同じです。4.5.6 項を参照。

タ-ボ・モード(Turbo・Mode)

上記の通常のデータ記録モードでは、1秒当たり最大180計測点しか記録出来ませんし、このモードでは180Hz

以上の高速レートでPCにデータの転送をする事は出来ません。データ記録またはPCへのデータ転送レートを

1000Hz 以上にするには、高速処理専用のターボモードに入る事が必要です。この特別モードでは、NOVA II

は他の機能は切り詰めますが、高速信号処理をする事が出来ます。ターボモードに入るには下記の手順で行っ

て下さい:

1. NOVA II が適切なエネルギー計測範囲にある事を確認して下さい。そうでない場合、‘Range’を押して、調

整し、‘Exit’を押して終了です。

2.エネルギー計測画面で、’Menu‘を押してから’Data Log‘を選んで下さい。

3.Up/Down ボタンで、適切なレーザ、グラフ設定、周波数を選んで下さい。その後、記録サイズ、即ち記録

すべき計測点数を決めて下さい。次いで‘Turbo’と‘Go’を押して下さい。計測が開始され、ファイルがフルにな

ると表示が出ます。 注1:

NOVA II はターボモードでは周波数計測を行いません。これは計測中に変化する周波数に対するパルス光の計測は出来ない事

を意味しています。従って、計測を開始する前に周波数を表示して確認する必要が有ります。

注2:

NOVA II はターボ記録を実施中はどの操作ボタンを押しても対応しません。これは、ターボモードでデータの記録かまたは転送中

であることを示しています。詳しい情報はセクション4.4.2.6.1を参照。

PE 10235 Range: 20mJ Menu: Normalize Laser: 532 Average: 1 sec Present: 1.70mJ Reference 1.90mJ

0.895 Energy Reset Help

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6.7 パイロスコープアダプタ

NOVA II と計測ヘッドのコネクタ間に、BNCプラグで接続する特殊アダプタを利用する事が可能です。このア

ダプタにはオシロスコープに接続する為、BNCコネクタ付のケーブルが有ります。エネルギーに比例したパル

スをオシロスコープ上で、ヘッドの最大パルス定格まで観察する事が可能です。最大のレートでサンプリングす

る NOVA II のディスプレイとは異なって、このパイロスコープアダプタでは単発で個々のパルスを出力します。

パイロスコープアダプタは下記のように作動させて下さい:

1.電源をオフにしたNOVA II にアダプタを接続した後に、ヘッドのプラグをスコープアダプタにつないで下さ

い。BNCコネクタをオシロスコープの標準の1MΩ入力につないで下さい。電源をオンにして下さい。

2.パワーまたはエネルギー計測画面で‘Menu’を押し、’Scope‘を選んで下さい。ディスプレイには

’In Scope Mode‘が表示されます。通常の方法で、適切な計測範囲とレーザ波長を選んで下さい。

3.スコープ・モード・画面から‘Energy’または‘Power’を押して、通常の計測モードに戻る事が可能です。

§ 7.電気回路について

NOVA II には2つの回路基板が有り、下側の基板にはアナログ回路、デジタルプロセッサ、そのインターフェイ

ス回路、とパワーサプライが登載されており、上部基板にはLCDとその駆動回路が登載されています。

アナログ回路:

計測ヘッドの検出器からの信号はアナログ回路に入力され、EMI防止用部品を通過してインピーダンス変換差

動増幅器に入力されます。その後に信号は、プログラム可能な電圧増幅器で更に増幅され、A/Dコンバーター

に導入さます。アナログ回路の校正データは主基板のメモリチップに保存されています。NOVA II では、トリマ

ー等の機械的動きをする構成部品は、1つも使用していませんので、長期安定性能に極めて優れています。

高速アナログ入力:

上記の基本アナログ回路に加え、NOVA II にはもう1つの高速アナログ回路が組み込まれています。この回

路は Ophir のある種の計測ヘッドが、基本のアナログ回路よりも高いレートで、エネルギーパルスを読み出す

のをサポートしています。しかし、総合的な精度は基本アナログ回路よりも低くなっています。高速アナログ入

力はEMIフィルターを通した入力電圧から構成され、その電圧は、一段の小さな減衰率の電圧減衰器に送られ

ます。その後、この信号は高速A/Dコンバーターに送られます。校正データは、上記のメモリチップに保存され

ます。

デジタルプロセッサ:

デジタルプロセッサ・ユニットはモトローラ社のMC68332・32ビットマイクロコントローラ(MCU)をベースに設計さ

れており、内部は32ビット処理ですが外部バスは16ビットです。デジタル制御回路は、NOVA II のサポートソフ

トウェアで現場においてプログラム可能で、アップグレード可能なFLASHチップを内蔵しています。加えて、バ

ッテリーバックアップのSRAMチップ1つを入れて、トータル512KB の RAM を有しています。

NOVA II をオフ しても、大容量のRAMは記録したデータの長期保存を可能にします(データ保存に関しては

セクション4.4.2.6.1を参照)。デジタルプロセッサは A/D コンバーターから受け取ったデータを電流の計

測値に変換します。サーモパイル計測ヘッドを使用する際、データはヘッドの有効応答時間をスピードアップし、

雑音を遮断する為の、極めて洗練されたデジタルフィルターで処理されます。更に、MCUは高速A/Dコンバー

ターからのデータを変換し、必要な計測に応じて内部処理される値に変更します。MCU は同時に、キーパッド

の読み、LCD ディスプレイの駆動、USB またはRS232経由の通信にも、その役割をはたしています。

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MCU は計測ヘッドのメモリチップからの校正及び性能情報を取得し、それに基づいた設定を行います。再校正

データ及び初期設定値もこのメモリチップに保存されます。単一のDIN ソケットがUSB または RS232 経由の

通信に使われます。これ等の通信用オプション・ケーブルは一回にどちらか一方のみが使用可能です。

電源:

電源部は内部のアナログ、及びデジタルプロセッサ、並びに外部の検出ヘッドに直流電圧を供給します。

この電源部は内蔵電池の充電回路、液晶バックライト用の交流電圧にも電力を供給しています。

直流安定化電源は、高効率のスイッチング・レギュレーター方式を採用する設計となっています。

EMI対策:

その筐体を出入りする、あらゆる信号を選別しているEMI対策コンポーネントで、計測システム制御用のデジタ

ルプロセッサだけでなく、NOVA II 全体が守られています。加えて、NOVA II の正常な機能に対する障害を抑

制する為に、EMI対策を内部にも追加しています。NOVA II は ECの電磁両立性(EMI/EMS)の要求事項を十

分に満たしていて、CEマーキングの規定を完全にクリアしているため、CEマーキングを既に取得しています。

§ 8.校正・保守・故障時対応方法

8.1 サーモパイル計測ヘッド(校正ヒーター装着オプション:CALモデルも含む)

8.1.1 吸収体のタイプ及び NOVA II の校正方法

8.1.1.1 レーザ吸収体

Ophirのサーモパイル計測ヘッドでは2種類の吸収体表面が採用されています。

1.表面吸収型吸収体:

BB(Broadband)吸収体

UVから IR までの高い吸収性を与える為に、Ophirでは標準、高パワー密度、Ophir広帯域パワーモニターヘ

ッドには特別な反射コーティングが施されています。このコーティングは、20kW/cm2にもなる高パワー密度に

も十分に持ちこたえられるような優れた耐久性が有り、しかも同一波長であれば、測定ごとに校正係数を変更

する必要も有りません。下に示すGraph 1にあるように、このコーティングの吸収は88%を超えています。

エキシマ用(EX =excimer)吸収体

EX吸収体はUV領域で高い吸収率を有し、エキシマレーザのパルスエネルギー、平均パワーに耐久性を有し

ています。これ等の吸収体ディスクはまた10.6μm及び他の波長に対しても優秀な吸収率を示します。それ故、

他のタイプのレーザにも使用は可能です。Ophirが提供する吸収体の波長と吸収率の関係は下のGraph 1に

示して有ります。

ロングパルス用(LP=long pulse)吸収体

この吸収体は長いパルス(msオーダー)、または連続照射レーザに対して、特に高い損傷しきい値を有してい

ますので、ロングパルス・高パワーレーザ用として有利です。YAGレーザの1.064μm、CO2レーザの10.6μm

に対して校正されており、それ等の波長での吸収率はおよそ90%です。

2.体積吸収型吸収体

パルス(P= Pulse)タイプ吸収体

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パルスレーザに用いるPの接尾語が付いたモデルは、動作範囲全域で95%±2%の吸収を有する特殊な吸収

ガラスを採用しています。表面がガラス体である為、表層部分に損傷を受けたり、融けたりしても反射率はほと

んど変化しません。

HE/HE1(HE/HE1= high energy)吸収体

HE及びHE1タイプは、短いパルスと高いパルス両方のパルス、または繰り返しパルスレーザに対して特別に

高い損傷しきい値を有しており、高いパルスエネルギーと、高い平均パワーが両立している場合に有用です。 HL(HL=high energy long pulse)吸収体

HL吸収体は、2ms 以上の長い繰り返しパルスを持つ、高エネルギー・レーザ用に選択すべき吸収体です。こ

れ等の長いパルスに対して、この吸収体はHE/HE1よりも平坦な周波数応答特性を有し、より高いパルスエネ

ルギーと平均パワーに耐久性が有ります。

80

82

84

86

88

90

92

94

96

98

100

0.1 1 10 100BB therm. EX P

Graph1 BB, EX and P 各吸収体の波長による吸収率

NOVA II は広帯域、またはPタイプの吸収体と共に、NISTの校正を受けた標準メーターに対して、いくつかの

レーザ波長で個々に校正されています。NOVA II は、種々の波長(アルゴン、YAG、要求が有ればCO2)での

正確な校正の為に、切り替えが可能です。他の波長に関しては、波長グラフを検討し、一番近い波長に合わせ

て校正する必要が有ります。

EXタイプの検出器は工場出荷時に、UVと515nmでの吸収を計測して校正します。総吸収率は積分球を使用

してUVと515nmの両者の吸収を計測して得られます。その後検出器はアルゴンレーザで校正し、これとの割

合に応じた補正係数が得られます。

8.1.2 サーモパイル計測ヘッドの直線性と精度

8.1.2.1 直線性

大部分のサーモパイル計測ヘッドの直線性は、あらかじめ設定されたパワー計測範囲の全域で、基準器として

特定された表示部と組み合わせる事で、±1%以下と規定されテストされています。低出力CALモデルでは内

蔵CAL抵抗器を使用して、ヒーター(内蔵抵抗器による加熱)としてパワーレンジ全域で、直線性を直接計測す

る事が可能です。CALモデル以外では、光吸収体ディスク裏側にヒーターが一時的に、熱伝導性グリスを用い

て加えられます。それ等のモデルは全域にわたって、その直線性がテストされていませんので、任意で無作為

に選んだサンプルで全域にわたって定期的にテストされます。テストは比較の為、レーザ折り返し反射鏡の背

面にレーザ検出器を用いて、検出器の全域をカバー出来るような高出力レーザを測定します。この部分反射鏡

背面に設置された検出器は低出力用計測ヘッドで、先のCALヒーターによる直線性のテストで用いたもので

す。このようにして、対象となるレーザ検出器の直線性は、全てのケースで電気標準に対してトレーサビリティ

が確保されています。

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40

50556065707580859095100

0.1 1 10

HE HE1 LP HL

Graph 2. HE, HE1, LP,HL 吸収体の波長による吸収率の変化

8.1.2.2 校正方法 種々のサーモパイル吸収体の吸収率はディスク毎に異なっています。従って、吸収体は個々にNISTのトレーサブルな標準器に対して校正されています。 8.1.2.3 校正の総合的な確かさ NOVA II はNISTの標準に対して校正されており、一般的に校正を実施したパワーレベルの1%の精度となっています。この精度は同じ標準器に対して校正を実施した、いくつかのNOVA II のバラツキをチェックして確認されています。計測の最大誤差は規定された精度の合計と直線性との総計よりも小さくなっています。直線性も1%であれば、計測の最大誤差は一般的に2%未満となります。 8.1.3 校正係数 CALヒーターを内蔵するモデルでは校正の為の係数は次の手順で決められます。上記セクション8.1.1.2 で述べた方法でセンサーを校正した後、CALヒーターに電力を加えます。校正係数は下記の式で与えられます。

CAL factor = reading on meter / applied elect rical power.

パワーの読みをチェックまたは調整したい場合、CALヒーターに電力を加え、印加したパワーを得る為に電圧と電流を計測して下さい。NOVA II の正しいパワーの読みは上記で得られる校正係数と印加した電力を掛け合わせて得られます。 8.1.4 NOVA IIを用いたサーモパイル計測ヘッドの再校正 計測ヘッドにOphir 独自のCALヒーターが内蔵されている場合、校正は8.1.4.2 項に基づいて実施出来ます。

CALヒーターを有していない場合、8.1.4.3 項の説明に基づき既知のパワーまたはエネルギーから再校正出来ます。

光吸収体ディスクの裏面中央にはOphir 独自の校正用ヒーターが在りますので、光吸収体面に照射加熱する事なく、センサーヘッドの背後にあるターミナルに電力を加えて、ディスクを直接加熱出来ます。 必要な校正係数を考慮に入れて調整を行い、印加した電圧、電流を正確に計測することで、校正の信頼性をチェック出来ます。8.1. 参照 。

8.1.4.1 校正にCALヒーターを使用する為の指針: 1. 定電圧電源を用いて、表に記載された最大電圧を少しでも超えてはいけません。

<重 要>ユーザによる再校正やディスク交換は校正精度に関わる重要な作業ですので、

基本的に推奨しておりません。内蔵バッテリ交換についても同様です。特別な場合でも、必ず事前に弊社までご相談ください。

(株式会社オフィールジャパン TEL:048-646-4150 Email:[email protected]

2 項を

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Table 3. CAL ヒーターに加えても良い最大電圧(短時間) モデル名 最大電力 最大印加電圧(代表値)

3A シリーズ 1 W 7 Volts

10A 10 W 17 Volts

30A 30 W 35 Volts

150A 100 W 65 Volts

L250A 200 W 95 Volts

300W 125 W 65 Volts

1500W 200 W 95 Volts 5000W,8000W,10kW 対応不可 対応不可

2.校正ヒーターは電気校正にのみに使用して下さい。 3.校正終了後、できるだけ速やかに電圧電源のパワーをオフ にして下さい。(通電時間は数分間を目安にしてください。)

4.センサーディスクが照射されている間は校正ヒーターを動作させないで下さい。 過熱により校正ヒーターに焼付け・断裂を生じるかも知れません。

5.残留非線形効果を除去する為、校正ヒーターの加熱許容限界を超えない範囲内で、計測するパワーレベルとほぼ同じレベルで電気的な校正を行う事が望ましいと言えます。

8.1.4.2 内蔵するCALヒーターでのパワーの再校正 工場出荷時に、CALヒーターを内蔵するサーモパイル計測ヘッドの場合、CALヒーターに印加する電圧と電流の計測値とOphir 社から供給される校正係数を掛け合わせるだけで、電気標準にトレーサブルな絶対校正源の確立が可能になります。

1.NOVA II をパワーモードに設定して下さい。エネルギーで再校正する場合は既知のエネルギー源を用いて出来ます。

8.1.4. を参照 。 2.主パワー計測画面で、‘Menu’を選び、‘Calibrate’を選んで、Enter キーを押して下さい。‘Adj’をEnter し、‘Overall: All Lasers’を選んで下さい。

3.‘Laser’をEnter し、適切なレーザ波長を選んで下さい。 4.DC電源を使用して、CALヒーターに電力を供給して下さい(ヘッド裏側の黒と赤のターミナル)。最高の精度を得る為には計測すべきパワーと同じパワーレベルを使用して下さい。 しかしセクション8.1.4.1のTable 3の数値を超えてはいけません。

5. 印加する最大電圧は下記の式の数値を超えてはいけません: √ (resistance of CAL resistor) x (maximum power) 6.電圧はヘッドへの入力時に、電流はカレントループで連続して計測する必要が有ります。 7.‘Factor’をEnter し、‘Modify‘ 画面で数値を上して調整し、画面上でパワーの読みが(電圧=V)x(電流=A)x(使用モデルとレーザに対する現在の校正係数かまたはNOVAII の画面の表示 )となるようにして下さい。

8.正確なパワーが画面に表示されたら、‘Save’を押し、新しい校正値を保存して下さい。 ‘Modify’画面では参考の為、校正値が表示されている事に注目して下さい。保存すると即、この数値が新しく保存された数値となります。

注 1: ‘Overall:All Lasers’設定で、CALヒーターを用いて再校正する時、他の2つの設定はそれに比例して変更されます。1つのレーザタイプのみの校正値を変更する場合、‘Specific:This Laser Onl y’の機能を

注 2: NOVA II は、測定ヘッドの校正感度を指数表示の形で、A/Wの単位としてヘッド内部の不揮発性メモリーに記録します。製造初期の校正数値は工場出荷時に記録・保管されています。しかしながら、ユーザー側で必要な時に任意に復元する為に、感度の設定ははあらかじめ記録しておくと良いでしょう。

シリーズ

シリーズ

シリーズ

シリーズ

シリーズ

シリーズ

校正の為の指示:

先の

選んで下さい。

<重 要>ユーザによる再校正やディスク交換は校正精度に関わる重要な作業ですので、

基本的に推奨しておりません。内蔵バッテリ交換についても同様です。特別な場合でも、必ず事前に弊社までご相談ください。

(株式会社オフィールジャパン TEL:048-646-4150 Email:[email protected]

3項

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42

1.主計測画面で ‘Menu’を選び、‘Calibrate’を選んで下さい。‘Calibrate’を選び、‘Ad:’をEnter し、‘Specific:This Laser Only’を選んで下さい。

2.‘Laser’をEnter し、適切なレーザ波長を選んで下さい。‘Average’をEnter し、使用する平均化期間を設定して下さい。

4.‘Factor’をEnterし既知のレーザパワー/エネルギーを作動させて下さい。 5.‘Modify’画面をEnter し、画面上のパワー/エネルギーの読みが既知のパワー/エネルギーに等しくなるまで、係数を調整して下さい。‘Save’を押し、その結果‘Updated’ 表示の下の校正係数がそれに伴って変わる事を確認して下さい。下記の注 1を参照 。

注 1: 異なった校正波長帯、CO2 YAG、VISなどを有しているNOVA IIで、‘Laser’を押し、校正前に正しいレーザタイプを選んで下さい。‘Specific This Laser Only’機能を使用し再校正する場合、選ばれたレーザは波長の校正だけが変化します。全ての波長に比例して校正を変化させる場合、‘Overall: All Lasers’機能を使用して下さい。 注 2: パワー校正値を変更する場合、エネルギーの校正も比例して変更されます。しかし、エネルギーの校正値を変更しても、パワーの校正値への影響は有りません。

フォトダイオード 検出器は本質的に極めて直線性が高いのですが、波長に対する感度の変動がかなり大きいことから、モデルPD300は検出器を飽和させる事なく、より高いパワー計測値を得る為に、内蔵フィルターと取り外し可能なフィルターを有しています。これ等のフィルターの透過特性も当然波長に依存しています。従って、次のセクションで説明するように、NOVA II と PD300 を組み合わせて使用する場合は、ヘッド部に内蔵された波長感度データによる 校正機能での波長別の校正が可能です。

Ophir の各種のフォトダイオードヘッドの感度には個体差が有り、それはまた波長にも依存しています。従って、個々 のフォトダイオードヘッドはNISTのトレーサブルな標準器に対してフィルター・イン/アウトの両方のケースについて、動作範囲全域で校正を受けています。校正カーブはNISTにトレーサビリティを有する基準メータを用いて、ヘリウムネオンレーザの632.8nmでの正確な絶対校正値に対して対比表示されています。 検出器の分光感度特性はフィルターの分光透過特性も同様に、ヘッドのEEROMに導入され、この情報はNOVA II が校正された波長以外の適切な波長に対してゲインを設定するのに用いられます。NOVA II で使用波長を選択すると、その波長に対する補正係数が適用されます。

NOVA II はNISTの標準器で校正されていますが、一般的に校正を実施した波長での精度は±2%です。計測に於ける最大誤差は波長補正カーブの誤差、温度によるゲイン変化の為、校正精度、直線性、不正確さの総計よりも小さくなります。フォトダイオードの直線性は極めて高い為この係数による誤差は無視出来ます。上記の要素に起因する最大誤差は下に示すTable 4

に記載して有ります。

8. 1 .4 . 3 レーザの既知のパワー/エネルギ源での再校正

8. 2. 2 校正の精度

8. 2. 1 工場での校正方法

8. 2. 1 フォトダイオードヘッドの校正

<重 要>ユーザによる再校正やディスク交換は校正精度に関わる重要な作業ですので、

基本的に推奨しておりません。内蔵バッテリ交換についても同様です。特別な場合でも、必ず事前に弊社までご相談ください。

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Table 4. PD300シリーズの波長による最大誤差

WAVE LENGTH

ERROR, FILTER OUT*

PD300 PD300- TP PD300- 3W PD300-UV PD300- IR PD300- IRG 3A- IS 200 - 250nm 250 - 360nm - 360 - 400nm - 400 - 950nm 950 - 1100nm 1100 - 1600nm

1600-1800nm

*フィルター・インの場合±2%を誤差として加算。(PD300-UVの200-300nmの場合は±5%)

1.主計測画面で、‘Menu’を 選択し、Enter して下さい。’Calibrate’を選び、Enter して下さい。 2.‘Laser’をEnterし、適切なレーザ波長を選んで下さい。’Average’を選び、使用する平均化期間を決めて、Enter して下さい。 3.‘Factor’をEnter し、既知のレーザパワー/エネルギーを適用して下さい。 4.‘Modify’スクにリーン入り、画面上のパワー/エネルギーの読みが既知のパワー/エネルギーの値に等しくなるまで係数を調整して下さい。’Save‘を押せば、’Updated’ 表示の下のパワー/エネルギー校正係数がそれに伴って変更されます。注1参照

異なった波長に於ける読みの相対値は、ヘッドのEEROM に保存された波長校正カーブにより記録されます。ある一波長で校正を変更すると、他の全ての波長に於ける校正値が、それに比例して変更されます。

1.金属コートタイプ:名称に接尾語(Suffix)が付いていないタイプは部分的反射率を持ち、約 50% の吸収率を持つ金属多層膜コーティングを施されており、その吸収特性は下のGraph 2 に示して有ります。金属コーティングは5kHzまでの極めて高い

繰り返し周波数に対応し、且つ比較的高い損傷しきい値も有しています。

2.広帯域タイプ:BBの接尾語を持つタイプはUV から IR まで高い吸収率を持つ広帯域の黒色吸収コーティングを施されています。

このコーティングは短パルスに対しては0.3J/cm2長パルスに対しては2J /m のエネルギー密度に耐久性が有ります。次ページのGraph2に示すように、このコーティングはほぼ全域で吸収率は90%を超えています。このコーティングはPE50、PE25に施されています。

±5%±3%±3%±3%±5% ±5%

±5%

±7%

±3%

±5%

5%10%

-±10%±3%±5% -

-

±7%±3%±5%

-±10%±3%±5% -

-

注:さらに正確な仕様が必要な場合は、Ophirの最新レーザ計測装置カタログを入手してください。

8. 2. 3 特定波長に於ける既知のレーザパワーでの再校正

注1:

8. 3. パイロエレクトリックヘッドの校正

8. 3. 1. パイロエレクトリックヘッドに主に用いられている二種類の表面吸収体:

<重 要>ユーザによる再校正やディスク交換は校正精度に関わる重要な作業ですので、

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G r aph 2 .

吸収率(%) 対 波長 (nm)

30

40

50

60

70

80

90

100

0.1 1 10 100

Ophir の種 の々パイロエレクトリックヘッドの感度には個体差があり、且つ波長によっても感度が変わりますので、NISTにトレーサブルな標準器に対して個々に校正を受けています。更に、異なった波長に対してはNOVA IIで校正値

Ophir パイロエレクトリック検出器はNISTのトレーサブルなサーモパイルパワー メーターを基準とした繰り返しパルス

レーザの1064nmで校正されています。平均エネルギーはレーザ周波数で標準パワーメーターの平均パワーを割り算した

パワー平均値に 合わせて設定されます。金属コーティングのPE25とPE50は双方ともこの波長域でかなり高い吸収率

検出器のコーティングの分光吸収率は分光器で計測し、吸収率カーブは他の波長での校正値の補正に用いられています。 NOVAIIで使用波長を選択すれば、その波長に於ける校正係数が適用されます。

NOVA II はNISTの標準に対して校正されていますので、校正を実施したエネルギーレベル及び波長に対して精度は大略3%です。

この精度は幾つかのNOVAII を同じ標準で校正した時に得られた結果のバラツキで確認されています。波長補正カーブの誤差により

計測の最大誤差は規定された精度、直線性、不正確さの総和よりも小さなものになります。

非直線性は約 2%で、波長に起因する追加誤差は下のTable 5 に示して有ります。 上記の誤差に加えて、パイロエレクトリックヘッドの読みは周波数でも変わります。NOVA II はこの誤差を補正する機能を内蔵

しています。最大周波数の50%以上で、この補正による不確かさにより、トータル誤差が3%だけ増加します。

最大計測誤差は上記誤差の総和よりも小さく、一般的にかなり小さくなります。個々のタイプのヘッドに於ける正確な精度は

Ophir の最新カタログに明示されています。

吸収率%

波長 nm

メタリック

BB

校正

8. 3. 2 校正の精度

を補正します。

を持っているので、エキシマレーザの248nmでかなり大きな吸収率の変動を補正しています。

Ophirのパイロエレクトリック吸収体の吸収率

<重 要>ユーザによる再校正やディスク交換は校正精度に関わる重要な作業ですので、

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T able 5. 波 長による追加測定誤差

注:更に詳細で正確な仕様についてはOphir の最新のレーザ計測装置カタログを参照。

1.NOVA II をエネルギーモードにして下さい。 2.適切なエネルギーレンジに設定して下さい。 3.(広帯域ヘッドのみ。注1参照 。)主計測画面で‘Menu’を選び、Enter、’Adj‘を選び、Enterして下さい。この波長での校正だけを変更する場合、’Specific:This Laser only‘を選んで下さい。全ての波長域にわたって校正を比例して変更する場合には’Overall:All Lasers‘を選択して下さい。

4.‘Factor’をEnter し、既知のレーザパワー/エネルギーを適用して下さい。 5.‘Modify’画面をEnter し、画面上のエネルギーの読みが既知のエネルギーに等しくなるまで係数を調整して下さい。’Save’を押し、‘Updated’の下に表示されたエネルギー校正係数が変化するのを確認して下さい。注1参照 。

注1:金属コートの吸収体ヘッドに対しては、ひとつのレーザ波長を変更すると、他の全ての波長全域にわたって校正が比例して 変更されてしまいます。

NOVA II は正規の測定条件以外で使用されると、種々 のエラー メッセージを表示します。計測中のパワー、またはエネルギーが使用中のスケールのレンジを若干超えた場合に‘Over’メッセージが

表示されますが、計測値の読みはディスプレイに表示されます。パワーまたはエネルギーの最大値がレンジよりも10%を超えている場合、画面上の読みは見えなくなります。計測ヘッドを接続しない場合に画面に表示される「音声警告の起動」を選んだ場合は、計測値が最大レンジを超えた時に警告音が聞こえます。

Low Battery: 内蔵電池がほとんど放電されると、電池のアイコンのセグメントの1つのみしかハイライトしなくなります。この場合電池は3/4消費されています。この段階で、NOVA II を充電器に接続することが期待されます。充電器に接続した場合、NOVA II は通常通り動作しますが、充電は遅くなります。計測ヘッドを接続しない時に表示される音声警告の起動を選択してあれば、電池の充電量が低くなると、1分毎にビープ音が出ます。また、電池がほとんど放電されると電力不足で透過照明が オフ になります。 Sat:フォトダイオードの出力が1mAを超えて検出器が飽和し始める場合、または、パイロエレクトリックヘッドの最大値を超える場合は‘Sat (=Saturated)’が表示されます。測定ヘッドの物理的な測定限界を示すものなので、表示部の測定レンジオーバーとは必ずしも一致しません。

190, 248nm ±2% 0 300 - 800nm ±2% ±4% 1064nm 0 0 1.5 - 2µm ±2% ±2% 2.94µm ±2% 0 10.6µm ±5% ±15%

波長 BB(ブロードバンド) メタリック

コーティングタイプ

既知のレーザエネルギーでの再校正

8. 4 エラー・メッセージ

<重 要>ユーザによる再校正やディスク交換は校正精度に関わる重要な作業ですので、

基本的に推奨しておりません。内蔵バッテリ交換についても同様です。特別な場合でも、必ず事前に弊社までご相談ください。

(株式会社オフィールジャパン TEL:048-646-4150 Email:[email protected]

Over range:

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8.5 問題解決例

8.5.1 NOVA II ディスプレイ

(故障状況) (原因/修復法)

完全放電され動作しないので充

電器に接続したが動作しない。

充電器が、12Vdc/200mA以上を供給しているかどうか、まずチェックし

て下さい。

AC電源では動作するが、電池で

は動作しない。

電池電圧が低い。NOVA II をオフ にして14~16時間充電して下さ

い。フル充電してもNOVA II が電池で駆動出来ない場合、NiMH電池

の寿命が考えられるので、充電済みのNOVA II専用NiMH電池と交

換するようにして下さい。(セクション8.6.1.4 参照)

8.5.2 サーモパイルヘッドでのエネルギー計測

(故障状況) (原因/修復法)

NOVA II が外来ノイズでトリガーしているか、または

時として大きなパルスを捕捉できていない。 しきい値レベルを上げて下さい:4.5.3 項参照。

計測値が表示されてから長い時間‘Ready’の表示

がされない。 しきい値レベルを調整して下さい:4.5.3 項参

照。

極めて小さなエネルギーのパルスを計測した時の計

測再現性がないかまたは低エネルギーに対して応答

しない。

しきい値レベルを下げて下さい。4.5.3 項参

照。

8.5.3 サーモパイルヘッドでのパワー計測

(故障状況) (原因/修復法)

NOVA II がパワー、エネル

ギー の両モードで計測値を

ゼロと表示する。

ヘッドとNOVA II の接続をチェックして下さい(セクション8.6.1.1参照)。

センサー ディスクが動作しているかどうかチェックして下さい。ヘッドのコネク

タのピン1と9 間の抵抗値は1.8kΩです。センサーが完全に壊れている場

合、抵抗値は無限大か、ショートいるかのどちらかです。

ヘッドが冷えている時は応

答するが、加熱されると応

答しなくなる。

センサーディスクの交換が必要になる場合が考えられます。(セクション8.

6.1.2 参照)そのためにヘッド部を(株)オフィールジャパンに返送するよう

にして下さい。

パワー計測後に、NOVA II

の表示が完全にゼロに戻

らない。

ヘッドが極めて熱い時には光を入れずにゆっくりと確実に冷却して下さい。

NOVA II からヘッドを外して下さい。計測値がゼロにならない場合、セクショ

ン3.5.5の指示に従って下さい。オフセット値がなくならない場合、同セク

ションに述べてあるように、ヘッドを接続したままゼロ設定を実施して下さ

い。

8.5.4 パイロエレクトリック ヘッド

(故障状況) (原因/修復法)

NOVA II の計測値が特に感度の高いレ

ンジで、不正確であったり間違っていたり

する。

パルス レーザ装置との電磁波干渉が、計測の誤りか、間違

ったトリガーを発生している可能性が考えられます。接続ケ

ーブルに接触不良があることも予想されます。

レーザのパルスが当たっていなくても、N

OVA II がトリガーする。

ヘッドが付属品であるプラスチック・絶縁棒のスタンドを使用

し他の金属物で固定されていないことを確認して下さい。

NOVA II が余りにも早い周波数を示して

いる。

1.ケーブルを光学ベンチやレーザ電源部から離しておいて

下さい。(強い物理的な振動や音響振動も避けて下さい。)

2.ヘッドとディスプレイにEMIによる外乱の影響を与えない

ようにして下さい。(可能であれば電磁シールドを行う。)

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8.6.1.1 ヘッドからNOVA II までの障害追跡

1.NOVA II をオン にして、ヘッドにほぼ既知量のパワーを加えて下さい。このテストはレーザか、電力パワースプライと校正用抵抗を用いて実施できます。

2.表に示したヘッドの感度仕様と入力パワーを掛け合わせて、ヘッドから出力する信号電流の大略値を評価して下さい。

3.マルチメーターを電流に設定し、NOVA II からヘッドを外して、Dタイプコネクタのピン1と 9 間にこの電流が流れている事を確認して下さい。

(ユーザー側での無理な交換により、動作保証対象外の製品となりますのでご注意ください。)

交換用のディスクはそれと一緒に工場から出荷される校正シートに表示されている波長域で校正されています。ディスクは要求された波長か、リストされている3波長で校正されています。CALタイプのディスクの場合は、使用しているパワー/エネルギー メーターでの電気的な校正チェックの為に使用するCAL校正係数が添付されています。ディスクの交換は下記の手順で行って下さい。 1.吸収体ヘッドの前面及び裏面フランジのネジを取り外して下さい。 2.前面フランジを外し、コネクタに接続されている配線を切らないように注意しながら裏面フランジを起こして下さい。 3.ヘッド内の小さなPCボードに取り付けられている故障したディスクの半田付けを外して下さい。どの配線がどの端子に接続されているか、メモしておいて下さい。

4.吸収体を取り付け部品の穴に入れたドライバーをてこにして、吸収体を外して下さい。 5.シリコン放熱コンパウンドを吸収体取り付け位置に一様に塗布して下さい。 6.穴に配線を通して、新しいディスクを組み込んで下さい。ディスクとコンパウンドとヘッド間の接触を確実にする為、 ディスクを前後に数回押し付けたままで少し動かして下さい。

7.前面フランジを再組み立てして下さい。その際、ネジがしっかりと固定されている事を確認して下さい。 8.裏面フランジの所定の位置に2本の配線を半田付けし直し、裏面フランジを再組み立てして下さい。

(ユーザー側での無理な交換により、動作保証対象外の製品となりますのでご注意ください。) 1.主計測画面で、‘Menu’を選び、Enter し、‘Calibrate’を選び、再度 Enter して下さい。 2.‘Adj’をEnter し、‘Overall:All Lasers’を選んで下さい。 3.‘Laser’をEnter し、ディスクに付属しているデータの最初の波長を選んで下さい。‘Factor’を選び、数値を加減して選択し ‘Updated’表示の下にある感度がディスクの数値と一致したら、‘Save’を押して終了して下さい。

4.幾つかのレーザ波長で、校正すべきヘッドに対しては、ここで、他の波長に対しても校正をして下さい。主計測画面で、‘Menu’を選び、‘Calibrate’を選択して下さい。次いで、‘Adj’をEnter し、‘Specific:This Laser Only’を選んで下さい。‘Laser’をEnter し、ディスクに付属している次のレーザ波長を選んで下さい。‘Factor’をEnter し、数値を加減して選択し ‘Updated’表示の下にある感度がディスクの数値と一致したら、‘Save’を押して終了して下さい。

5.上記手順 4.を他の残り4つのレーザ波長を繰り返して下さい。ディスクに付属の数値をその都度レーザの波長に合わせて選んで下さい。

NOVA II の電池が劣化し、充電しなくなった場合、交換用バッテリは(株)オフィールジャパンに注文できます。新しい電池は下記の手順で交換可能ですが、基本的には推奨しておりませんので、作業の前に必ず弊社まで

ご相談ください。

<重 要>ユーザによる再校正やディスク交換は校正精度に関わる重要な作業ですので、

基本的に推奨しておりません。内蔵バッテリ交換についても同様です。特別な場合でも、必ず事前に弊社までご相談ください。

(株式会社オフィールジャパン TEL:048-646-4150 Email:[email protected]

8. 6. 1. 4 電池の交換概要

8. 6. 1. 3 新ディスクに対するヘッドの再校正

8. 6. 1. 2 ディスクの交換概要

8. 6. 1. サーモパイルヘッドの保守

8. 6. 保守

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48

1.NOVA II を必ずオフ して下さい。NOVA II のディスプレイ画面を下側にして、下側パネルを留めてある4

本のプラスネジを外して下さい。

2.下側パネルを取り外し、電池コネクタ(赤と黒のリード線)を回路基板から外して下さい。その際、2本の

配線をしっかり握り、回路基板から離れる方向に引っ張って下さい。

3.新しい電池を、古い電池と同じ方向に合わせて挿入して下さい。回路基板の端子にコネクタをつないで

下さい。回路基板上のREDとBLK(black)の標識記号は端子にコネクタを挿入する方向を示しており、位

置方向にしか挿入出来ません。

4.下側パネルを元に戻し、4本のネジで締めて下さい。

5.ヘッドを接続しないままで NOVA II を オン し、日付と時間の設定をして下さい。

(セクション 3.5.4 参照)

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