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1 1 NetCOBOLアプリケーション開発の基礎 本章では、NetCOBOL が提供する開発環境の機能を説明するとともに、簡単なアプリケーションの作成を通じて開発環境 の操作を説明します。 1.1 概要 1.2 プログラムの作成 1.3 プログラムのデバッグ

第1 章 NetCOBOL アプリケーション開発の基礎 - …1 第1 章 NetCOBOLアプリケーション開発の基礎 本章では、NetCOBOLが提供する開発環境の機能を説明するとともに、簡単なアプリケーションの作成を通じて開発環境

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第 1章 NetCOBOLアプリケーション開発の基礎

本章では、NetCOBOL が提供する開発環境の機能を説明するとともに、簡単なアプリケーションの作成を通じて開発環境

の操作を説明します。

1.1 概要 1.2 プログラムの作成 1.3 プログラムのデバッグ

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1.1 概要

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1.1 概要 NetCOBOL にてアプリケーション開発を行うときに使用する開発環境、および本章で作成するアプリケーションの概要

について説明します。

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1.1 概要

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1.1.1 NetCOBOLの開発環境

NetCOBOL では、次のような開発環境を提供しています。

NetCOBOL Studio NetCOBOL Studio は、オープンの世界でスタンダードな Eclipse(エクリプス)をベースとした COBOL 開発環境です。

Eclipse は、いろいろなツールをプラグインで追加していくことができるオープンソースの統合開発環境(IDE)です。

特に Java の開発環境として普及しています。

富士通の Java/J2EE アプリケーション開発向け Java 統合開発環境「Interstage Studio」も Eclipse ベースの開発環境

であり、Java と COBOL を同じ開発環境、操作性で開発することができるようになります。

NetCOBOL Studio では、COBOL アプリケーションの開発に必要な各種操作(プログラムの編集・翻訳・リンク・実行・デ

バッグ)を行うための操作ビューを持ち、プログラムの作成からデバッグまで一連の作業をサポートします。

本ガイドでは、NetCOBOL Studio を使用した COBOL アプリケーションの開発について紹介します。

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1.1 概要

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1.1.2 作成するアプリケーションについて

本章では、NetCOBOL に同梱されているサンプルのうち、行順ファイルと索引ファイルの操作を行っているサンプルを

使用し、アプリケーションを作成します。

アプリケーションの概要 エディタを使って作成したデータファイル(行順ファイル)を読み込み、マスタファイル(索引ファイル)を作成するアプ

リケーションです。索引ファイルのレコードは登録集ファイルとして用意されており、COBOL の COPY 文を使って翻訳時

に COBOL プログラムに取り込みます。

プログラムの格納場所 説明に使用するサンプルは、NetCOBOL のインストールディレクトリの「SAMPLES」フォルダ配下の「SAMPLE02」に格納

されています。

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1.1 概要

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1.1.3 アプリケーション開発の流れ

本章で説明するアプリケーションの開発の流れを次に示します。

なお、ソースプログラムおよび登録集はサンプルで提供されているものを参考に作成します。

プロジェクトの作成

ビルド

実行

デバッグ

ソースプログラム、登録集の作成

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1.2 プログラムの作成

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1.2 プログラムの作成 NetCOBOL Studio は Eclipse ベースの開発環境です。そのため、Eclipse の概要の解説を交えながら、NetCOBOL Studio

を使用したプログラムの作成方法について説明します。

Eclipse について Eclipse 自体は部品を入れる箱のようなもので、様々な部品を追加する(プラグインする)ことで拡張可能な機構を持

つ開発環境ツールのプラットフォームです。Eclipse の基本セットは、以下のような部品から構成されています。これら

の部品は Eclipse のランタイムエンジンの上に乗っています。

NetCOBOL では、Eclipse に COBOL の機能をプラグインすることで COBOL 統合開発環境 NetCOBL Studio を提供していま

す。

EclipseEclipse

ワークベンチワークベンチ ヘルプヘルプ

ワークスペースワークスペース チームチーム

ランタイム

ワークベンチについて 「ワークベンチ」は、Eclipse での GUI 開発環境のことで、NetCOBOL Studio を起動した際に表示される画面そのもの

を指します。エディタやビュー、メニューなどいろいろな GUI 部品を管理します。

ワークスペースについて 「ワークスペース」は後述する格納場所や依存関係などプロジェクトの情報を管理します。

プロジェクトについて 「プロジェクト」は、COBOL ソースや登録集などのファイルの集合から構成されます。

NetCOBOL Studio でのプロジェクトの作成単位は、ロードモジュール(EXE や DLL)単位となります。

NetCOBOL Studio 上では、プロジェクトをトップレベルに COBOL ソースプログラムや登録集がツリー構造で表示されま

す。

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1.2 プログラムの作成

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NetCOBOL Studio

ワークスペース

プロジェクトPRJ01

A.COB

B.COB

C.CBL

A.COB B.COB

C.CBL

ソースファイル

登録集ファイル

翻訳オプションファイル

リンクオプションファイル

コンパイラ/リンカプロジェクト

PRJ02

D.COB

E.COB

ロードモジュール

EXEまたはDLL

パースペクティブについて NetCOBOL Studio の画面は、複数の情報表示ビューで構成されます。このような情報表示ビューの組み合わせ(レイア

ウト)は「パースペクティブ」として管理されます。

NetCOBOL Studio では開発シーン別に、COBOL プログラムの開発に最適な「COBOL パースペクティブ」とプログラムデ

バッグに最適な「デバッグパースペクティブ」を提供しています。開発シーンに合わせ、それぞれのパースペクティブを

利用することで、COBOL プログラムを効率的に開発・デバッグすることが可能です。

COBOLパースペクティブ デバッグパースペクティブ

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1.2 プログラムの作成

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1.2.1 プロジェクトの作成

プロジェクトの作成の流れを次に示します。

NetCOBOL Studio の起動 [スタート]-[すべてのプログラム]-[NetCOBOL Standard Edition 開発パッケージ V10]-[NetCOBOL]から「NetCOBOL

Studio」を選択して、NetCOBOL Studio を起動します。

NetCOBOL Studio の起動画面が表示されたら、[起動]ボタンを押します。

プロジェクトファイルの作成

実行ファイルの登録

各種ファイルの登録

参考 [環境設定]ボタンを押して表示される[動作環境の設定]ダイアログボックスからワークスペースフォル

ダを切り替えることができます。

ワークスペースフォルダのデフォルトは、以下です。

C:\Documents and Settings\ユーザ ID\My Documents\NetCOBOL Studio\workspace

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1.2 プログラムの作成

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プロジェクトの作成 プロジェクトの作成から COBOL ソースのテンプレート作成までの操作は、ウィザードの指示に従って入力していくこと

で簡単に作成できます。

(1) 「ようこそ」の[ワークベンチ]アイコンをクリックします。

(2) [ファイル]メニューから[新規]-[プロジェクト]を選択します。

[ワークベンチ]アイコンを

クリックします。

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1.2 プログラムの作成

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(3) [新規プロジェクト]ダイアログボックスから「COBOL プロジェクト」を選択します。

(4) [プロジェクト名]に「SAMPLE2」と入力し、[次へ]ボタンを押します。

[次へ]ボタンを

押す。

[次へ]ボタンを

押す。

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1.2 プログラムの作成

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(5) [ターゲット種別]を「実行ファイル」とし、[ターゲット名]に「SAMPLE2」を入力します。

ダイナミックリンクライブラリを

作成する場合に選択する。

[次へ]ボタンを

押す。

(6) [コード生成を行う]をチェックし、「COBOL ソース」を選択します。

COBOL ソースのテンプレート

を作成しない場合に選択する。

クラス定義のテンプレート

を作成する場合に選択する。

[終了]ボタンを

押す。

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1.2 プログラムの作成

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(7) [関連付けられたパースペクティブを開きますか?]ダイアログボックスが表示された場合、[はい]ボタンを押します。

(8) COBOL ソースを作成します。[ファイル名]に「SAMPLE2」と入力します。COBOL ソースのプログラム名を決める[PROGRAM-ID]には自動的にファイル名と同じ文字列が入ります。異なる文字列にする場合、[PROGRAM-ID]を変

更します。[ファイルコメント]には必要に応じて COBOL ソースの先頭に挿入するコメントを記述します。

[終了]ボタンを

押す。

参考 COBOL プロジェクトは COBOL 開発用の「COBOL パースペクティブ」と関連付けられます。

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1.2 プログラムの作成

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(9) 新規に作成されたプロジェクトが、以下のような「COBOL パースペクティブ」で表示されます。

各ビューの概要を説明します。

依存 翻訳する COBOL ファイルと依存関係にある登録集や定義体などのファイルをツリー構造で表示します。

構造 PROGRAM-ID や環境部、データ部などプログラムの内部構造をツリー構造で表示します。

ナビゲータ プロジェクト内に存在する全てのファイルを表示します。

アウトライン エディタに表示されている、PROGRAM-ID や環境部、データ部などの COBOL ソースの構造を表示します。

プロパティ プロジェクト内リソースのプロパティを表示します。

問題 翻訳エラーメッセージや警告情報など、翻訳時に発生した問題を表示します。

タスク 後で検討する項目などをタスクとして記録しておく場合に使用します。

コンソール コンソールビューのツールバーから[コンソールを開く]を選択し、「ビルドコンソール」を選択することに

より、プロジェクトのビルド結果を表示します。

各種ファイルの作成 実行ファイルを作成するのに必要となるファイルをプロジェクトに登録します。作成するファイルとして、COBOL ソー

スファイルや登録集ファイル、画面帳票定義体などがあります。

本章で作成するアプリケーションでは、COBOL ソースファイルと登録集ファイルを作成します。なお、作成するソース

ファイルと登録集ファイルの内容は、サンプルプログラムで提供されているものを参考にしてください。

「依存」ビューなど 「COBOL エディタ」 「アウトライン」ビュー

「プロパティ」ビュー 「問題」ビューなど

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1.2 プログラムの作成

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COBOL ソースファイルの作成 (1) メインプログラムとなる COBOL ソース「SAMPLE2.COB」はここまでの手順で既に登録されています。

(2) サンプルプログラムを参考に、エディタから COBOL ソースを編集します。

「COBOL エディタ」

予約語が紫、コメントが緑など COBOL の文

法に対応し、色分けされて表示される。

ここで COBOL ソースを編集する。

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1.2 プログラムの作成

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(3) 編集後、[ファイル]メニューの[保存]または[Ctrl]+[S]キーを選択し、「SAMPLE2.cob」を保存します。

注)[プロジェクト]メニューの「自動的にビルド」がチェックされている場合、COBOL ソースや登録集などの

保存のタイミングで自動的にビルドが実行されます。このとき、ビルドに必要な設定が済んでいないと、ビルド

エラーとなることがあります。ここでは、説明のため、「自動的にビルド」のチェックを外してあります。

参考 ■他の COBOL ソースファイルを新規にプロジェクトに追加するには、次の手順で行います。

1. プロジェクトファイルに登録されているフォルダ「ソースファイル」を右クリックします。

2. 「新規」を選択し、作成するソースに合わせて「COBOL ソース」または

「オブジェクト指向 COBOL ソース」を選択します。

3. [COBOL ソース生成ウィザード]に従って、COBOL ソースを作成します。

■既存の COBOL ソースファイルをプロジェクトに追加するには、次の手順で行います。

1. エクスプローラで既存の COBOL ソースファイルをドラッグします。

2. NetCOBOL Studio の[依存]ビュー(または[構造]ビュー、[ナビゲータ]ビュー)の追加するフ

ォルダ上にドロップします。

3. 既存の COBOL ソースファイルがプロジェクト内に追加され、既存の COBOL ソースファイルは物

理的にプロジェクト内にコピーされます。

「自動的にビルド」がチェックされている

状態。

クリックするとチェックが外れる。

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1.2 プログラムの作成

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録集ファイルの作成 ソースファイルが利用する登録集をプロジェクトに登録し、ソースファイルとの依存関係を確定します。

(1) [ファイル]メニューから[新規]-[COBOL 登録集]を選択します。

(2) [ファイル名]に登録集ファイル「Syohinm」を入力します。

(3) 登録集ファイルがプロジェクトに追加されます。

[終了]ボタンを

押す。

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1.2 プログラムの作成

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(4) COBOL ソースと同様、サンプルプログラムを参考にエディタから登録集を編集し、保存します。

(5) COBOL ソースと登録集を関連付けるための依存関係解析を行います。ソースファイル「SAMPLE2.cob」を右クリックし、[依存関係解析]から「すべて」を選択します。

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1.2 プログラムの作成

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(6) [依存関係ファイル]フォルダに「Syohinm.cbl」が追加されます。

参考 既存の登録集ファイルは、ワークスペースにあれば、自動的に[その他のファイル]フォルダに表示され

ます。

ワークスペース外に登録集フォルダがある場合は、後述する翻訳オプション LIB で指定してください。

なお、ワークスペース外のファイルは NetCOBOL Studio から操作(編集・参照)することはできません。

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1.2 プログラムの作成

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1.2.2 ビルド

プロジェクトが作成できたら、ビルドします。「ビルド」とは、1回の指示で翻訳およびリンクを行い、実行ファイル

を作成することです。ビルドでは、COBOL ソースなどの翻訳・リンクに必要なファイルのタイムスタンプを管理し、変更

があったファイルのみを翻訳・リンクの対象とします。これに対して、変更の有無に係わらず、再翻訳および再リンクを

行って実行ファイルを再作成することを「再ビルド」といいます。

ビルドの流れを次に示します。

翻訳オプションの設定 プロジェクトで管理しているソースファイルを翻訳するときに有効になる翻訳オプションを設定します。

ここでは、例として翻訳オプション LIB(登録集ファイルのフォルダの指定)を追加する方法を元に、翻訳オプション

を設定する手順を次に示します。設定できる翻訳オプションについては、NetCOBOL 使用手引書「A.1 翻訳オプション一

覧」をご参照ください。

注)ここまでの手順では、COBOL ソースと登録集を同じフォルダに格納しているため、翻訳オプション LIB を指定しな

くとも正常にビルド可能です。

(1) プロジェクト「SAMPLE2」を右クリックし、「プロパティ」を選択します。

翻訳オプションの設定

リンクオプションの設定

ビルド操作

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1.2 プログラムの作成

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(2) SAMPLE2 のプロパティの左ペインから「ビルド」を選択し、[翻訳オプション]タブの[追加]ボタンを押します。

注)いくつかのオプションはデフォルトで既に指定されています。このうち、CHECK(ALL)はビルドモードがデバッグ

の場合、削除することはできません。

(3) [翻訳オプション追加]ダイアログボックスから「LIB」を選択し、[追加]ボタンを押します。

注)ここで[F1]キーを押すと、翻訳オプションに関するヘルプを表示させることができます。

[追加]ボタンを押す。

[追加]ボタンを押す。

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1.2 プログラムの作成

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(4) [LIB 翻訳オプション]ダイアログボックスに登録集のフォルダを入力します。

注)ここで[F1]キーを押すと、LIB 翻訳オプションに関するヘルプを表示させることができます。

(5) [参照]ボタンを押すと[選択]ダイアログボックスが表示され、入力を補助します。ここでは、絶対パスで指定を選択し、[OK]ボタンを押します。

(6) [LIB 翻訳オプション]ダイアログボックスに[登録集ファイルのフォルダ]を指定し、[OK]ボタンを押します。

(7) [翻訳オプションの追加]ダイアログボックスで[完了]ボタンをクリックします。設定した翻訳オプションは、プロパティの翻訳オプション一覧に表示されます。プロパティの[OK]ボタンを押します。

[OK]ボタンを押す。

[OK]ボタンを押す。

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1.2 プログラムの作成

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(8) [確認]ダイアログボックスが表示された場合、[はい]ボタンを押します。プロジェクトのクリーンが行われ、自動的にビルドが実行されます。

リンクオプションの設定 プロジェクトで管理している実行可能ファイルまたは DLL をリンクするときに有効になるリンクオプションを設定し

ます。リンクオプションは、C言語で作成されたライブラリを結合したいときなどに設定しますが、本章で作成するアプ

リケーションでは、リンクオプションの設定は不要です。

ここでは、リンクオプションの設定画面の表示方法について説明します。

(1) SAMPLE2 のプロパティの左ペインから「ビルド」を選択し、[リンクオプション]タブを選択します。

(2) [追加]ボタンを押し、[リンクオプションの追加]ダイアログボックスに必要に応じて各項目の設定を行います。

参考 翻訳オプションの設定内容を変更するには、次の手順で行います。

1. プロジェクトのプロパティから「ビルド」を選択し、翻訳オプションから設定内容を変更したい

翻訳オプションを選択します。

2. [変更]ボタンを押し、各オプションに合わせて変更します。

また、翻訳オプションを削除するには、次の手順で行います。

1. 翻訳オプションから削除したい翻訳オプションを選択し、[削除]ボタンを押します。

[はい]ボタンを押す。

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1.2 プログラムの作成

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ビルド操作 プロジェクト[SAMPLE02]を右クリックし、「プロジェクトのビルド」を選択します。再ビルドの場合は、「プロジェ

クトの再ビルド」を選択します。

注)[翻訳オプションの設定]の操作で、ビルドは自動的に実行されていますので、変更がなければ[プロジェクトの

ビルド]を選択しても翻訳・リンクは実行されません。

エラーがなければ、ビルドが終了し、プロジェクトに登録した実行ファイルが生成されます。

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1.2 プログラムの作成

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翻訳エラーの修正 ビルドで翻訳エラーが検出された場合、翻訳終了時に[問題]ビューにエラーメッセージが表示されます。

[問題]ビューのエラーメッセージをダブルクリックするとCOBOLエディタ上の翻訳エラーが検出されたCOBOLソースプ

ログラムの行にジャンプすることができます。また、COBOL エディタ上でもエラー行に がついています。

このように翻訳エラーの発生した文の検出を簡単に行うことができ、プログラムの修正作業が効率よく行えます。

COBOL ソースプログラム

のエラー行にジャンプ。

エラーの行に

翻訳エラーのメッセージ

をダブルクリック。

「問題」ビュー

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1.2 プログラムの作成

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1.2.3 実行

ビルドされた COBOL プログラムを実行します。

実行環境情報の設定

実行環境情報と初期化ファイルについて COBOL プログラムを実行するには、実行環境情報の設定を行う必要があります。

NetCOBOL では、COBOL プログラムを実行するために割り当てる資源や情報のことを実行環境情報といいます。本章では、

ファイルの入出力を行うプログラムを作成しましたので、入出力するファイルを実行環境情報として指定します。

実行環境情報は、実行用の初期化ファイルに格納します。COBOL プログラムは、実行時に実行用の初期化ファイルから

情報を取り出して実行します。通常、実行可能プログラム(EXE)が格納されているフォルダの「COBOL85.CBR」を実行用

の初期化ファイルとして扱います。

実行環境設定ツールによる実行用の初期化ファイルの作成 NetCOBOL では、実行用の初期化ファイルの内容を編集し、実行環境情報を設定するツールとして[実行環境設定ツー

ル]があります。ここでは、実行環境設定ツールを使用して実行用の初期化ファイルを作成する方法を以下に示します。

(1) プロジェクトの[その他のファイル]から「COBOL85.CBR」をダブルクリックします。

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1.2 プログラムの作成

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(2) [実行環境設定ツール]が起動します。

ファイル識別名とファイルの関連付け 実行環境設定として、COBOL プログラムとファイルの実体との関連付けを行います。関連付けとして、本章で作成す

るアプリケーションでは、COBOL プログラムの ASSIGN 句に定義されたファイル参照子に実際のファイルを割り当てま

す。

SELECT データファイル

ASSIGN TO infile

ORGANIZATION IS LINE SEQUENTIAL.

SELECT 索引ファイル

ASSIGN TO OUTFILE

ORGANIZATION IS INDEXED

:

NetCOBOL インストールフォルダ

\SAMPLES\COBOL\SAMPLE02

DATAFILE

MASTER

ファイル参照子。

ファイル参照子。

COBOL プログラムの記述

割当て

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1.2 プログラムの作成

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実行環境設定ツールでは、[変数名]にファイル参照子を指定し、[変数値]には実際のファイルを指定します。

本章で作成するプログラムでは、次に示す指定を行います。

変数名 変数値

INFILE NetCOBOL インストールフォルダ\SAMPLE02\DATAFILE

OUTFILE 任意のフォルダ\SAMPLE02\MASTER

(1) [実行環境設定ツール]から[変数名]と[変数値]を設定します。

(2) 同様に、OUTFILE に対する[変数名]と[変数値]を設定し、[適用]ボタンを押します。

(3) 実行環境情報の設定が終了したら、[ファイル]メニューから「終了」を選択し、実行環境設定ツールを終了します。

参考 実行環境情報の設定として、ここで紹介した実行環境設定ツールによる設定のほかに、[実行]メニュー

から[構成および実行]を選択し、[構成および実行]ダイアログボックスで実行環境変数を指定するこ

とも可能です。

入力後[設定]ボタンを

押す。

[変数名]にINFILEを設定。

[…]ボタンを押し、[ファイル指定]

ダイアログボックスから指定するこ

とも可能。

[適用]ボタンを押す。

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1.2 プログラムの作成

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プログラムの実行 プログラムを実行するには、プロジェクトを選択した状態で、[実行]メニューから[実行]-[COBOL アプリケーシ

ョン]を選択します。

作成されたプログラムでは、実行の終了メッセージが画面に表示されません。実行が終了すると、索引ファイル「MASTER」

が指定した「任意のフォルダ」に作成されます。

参考 引数を指定してプログラムを実行するには、[実行]メニューから[構成および実行]を選択し、[構成

および実行]ダイアログボックスからプログラム引数を指定し実行します。

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1.2 プログラムの作成

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1.2.4 NetCOBOL Studioの終了

NetCOBOL Studio の[ファイル]メニューから[終了]を選択して、NetCOBOL Studio を終了します。

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1.3 プログラムのデバッグ

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1.3 プログラムのデバッグ NetCOBOL Studio 上でのプログラムのデバッグについて説明します。

デバッグ機能では、実行可能プログラムをそのままデバッグの対象とし、プログラムの論理的な誤りを、プログラムを

動作させながら検出することができます。

デバッグ作業は、画面に表示した COBOL ソースプログラムに対する直接的で簡単な操作で行うことができます。キーボ

ードやマウスを使い、メニュー内のコマンドやツールバーに表示されたボタンを操作することによって、デバッグ作業を

を行います。

デバッグの流れを次に示します。

デバッグの準備

デバッグの開始

デバッグ操作

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1.3 プログラムのデバッグ

31

1.3.1 デバッグの準備

デバッグの準備として以下の操作を行います。

(1) NetCOBOL Studio 上で、デバッグ作業を行うプログラムのプロジェクトを右クリックし、プロパティを開きます。 (2) プロジェクトのプロパティの[ターゲット]から、ビルドモード「デバッグ」を選択します。

注)デフォルトはデバッグモードになっています。

(3) プロジェクトをビルド(または再ビルド)します。 (4) [COBOL パースペクティブ]のエディタ上で、手続きの先頭の行(42 行目の OPEN 文)の左端を右クリックし、メニュー一覧から「ブレークポイントの追加」を選択します。

「デバッグ」を

選択する。

ブレークポイントを設定する行

の左側のフィールド(網掛け部)

を右クリックする。

ブレークポイント設定行に

がつき、行に色がつく。

ブレークポイント設定

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1.3 プログラムのデバッグ

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1.3.2 デバッグの開始

NetCOBOL Studio でのデバッグは、デバッグパースペクティブで行います。デバッグパースペクティブはデバッグに適

したビューで構成されています。

デバッグパースペクティブは、以下の操作で表示します。

(1) [実行]メニューから、[デバッグ]-[COBOL アプリケーション]を選択します。 (2) [関連付けられたパースペクティブを開きますか?]ダイアログボックスが表示された場合、[はい]ボタンを押します。

(3) 「COBOL パースペクティブ」から「デバッグパースペクティブ」に切り替わります。

「デバッグ」ビュー

「コンソール」ビューなど

「アウトライン」ビュー 「COBOL エディタ」

「ウォッチ」ビューなど

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1.3 プログラムのデバッグ

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各ビューの概要を説明します。

デバッグ プロジェクト名、実行中のプログラム名などがツリー表示され、プログラムの実行状態や呼び出し経路など

を確認することができます。

ブレークポイント プロジェクトで設定したブレークポイントを表示します。

ウォッチ ウォッチ対象のデータ項目を表示します。データ項目が保持する値などを確認することができます。

アウトライン エディタに表示されている COBOL ソースの構造(PROGRAM-ID や環境部、データ部など)を表示します。

タスク 後で検討する項目などをタスクとして記録しておきたい場合に使用します。

コンソール コンソール出力結果を表示します。

変数 NetCOBOL Studio では使用しません。

参考 「デバッグパースペクティブ」から「COBOL パースペクティブ」へ切り替えるには、以下の方法がありま

す。

右上の [ ] ボタンを押し、メニューから「その他」を選択します。[パースペクティブの選択]ダ

イアログボックスから COBOL を選択します。

「COBOL パースペクティブ」を閉じていない場合、ショートカットバーの[COBOL]アイコンをクリック

してパースペクティブを切り替えます(ショートカットバーに[COBOL]アイコンが表示されていない

場合は、右上端の[ ] ボタンを押すか、ショートカットバーの表示域を広げると[COBOL]アイコン

が表示されます)。

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1.3 プログラムのデバッグ

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1.3.3 デバッグ操作

ここでは、次に示すようなデバッグ操作について説明します。

ある文に到達したら実行を中断する 1 文だけ実行したら実行を中断する あるデータの値を確認する ある条件が成立したら実行を中断する

ある文に達したら実行を中断する ソースプログラム中のある文に達したら、プログラムの実行を中断してデバッグ操作を可能にするには、ブレークポイ

ントを設定します。ブレークポイントを設定すると、ブレークポイントを設定した前の文の処理でプログラムが中断され

ます。

ブレークポイントを設定するデバッグ操作の手順を説明します。

(1) ブレークポイントを設定するには、デバッガの COBOL ソースプログラムが表示されているビューで、ブレークポイントを設定する行の左端にカーソルを置きます。

(2) マウスを右クリックし、「ブレークポイントの追加」を選択します。

(3) ブレークポイントを設定すると、行の左端に が表示され、行に色がつきます。

ブレークポイント

が設定された箇所。

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1.3 プログラムのデバッグ

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(4) [ブレークポイント]ビューに設定したブレークポイントが表示されます。

(5) ブレークポイントを設定した文の前の処理でプログラムが中断され、ブレークポイントを設定した行に現在の命令ポインタを示す が表示され、行の色が変わります。

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1.3 プログラムのデバッグ

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1 文だけ実行したら実行を中断する ソースプログラムの 1 文だけ実行したら実行を中断するには、デバッグビューのツールバーボタン または[F5]キ

ーを押します。

1 文実行すると、プログラムの

実行が中断される。

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1.3 プログラムのデバッグ

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あるデータの値を確認する あるデータの現在の値を確認するには、[ウォッチ]ビューを使用します。

ここでは、データ名「索引レコード」の値を確認する例を元に、データの値を確認する手順を説明します。

(1) エディタ上で値を確認するデータを範囲選択し、右クリックします。 (2) コンテキストメニュー一覧から「ウォッチビューへ追加」を選択します。

(3) [ウォッチ]ビューに[索引レコード]が追加されます。[索引レコード]を展開すると([+]を押す)、従属する項目がツリー状で表示され、集団項目全てが確認できます。

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1.3 プログラムのデバッグ

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(4) プログラムを実行しながら、データの値が変化するのを監視します。 このサンプルでは、41 行目の MOVE 文を実行すると「索引レコード」が変化します。

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1.3 プログラムのデバッグ

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データの値が変更されたら実行を中断する データの値が変更された場合に実行を中断することができます。

ここでは、データ名[索引レコード]の値が変更される度に実行が中断する例を元に、手順を説明します。

(1) [索引レコード]を[ウォッチ]ビューに追加します。 (2) [索引レコード]を右クリックし、「値変更時に中断」を選択します。

(3) プログラムを実行すると、[索引レコード]が変更される度に実行が中断します。 このサンプルでは、41 行目の MOVE 文により[索引レコード]が変更されるので、42 行目の WRITE 文で中断します。

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1.3 プログラムのデバッグ

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1.3.4 デバッグの終了

[実行]メニューから「終了」を選択し、デバッグを終了します。