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160 第 6 章 システム監査学会 VS 日本学術会議 システム監査学会(宮川公男会長、当時)は、1996 年 5 月、第 17 期日本学術会議の第 3 部(経済学、商学、経営学)の経営学分野への登録を申請した。日本学術会議の会員推薦 管理会は、1996 年 9 月、登録申請の却下を決定しシステム監査学会へその旨通知した。そ の後判明した却下の理由は、端的にいえば“システム監査は会計学分野であれば認められ るが、経営学分野ではないので認められない”という内容であった。 システム監査の提唱から旧通産省がシステム監査基準を公表した 1985 年以前においては、 システム監査を会計監査分野と勘違いする人も多少いた。また、初期の段階には高名な会 計学者で“監査は会計のみ”と公言する人がいたことも事実である。しかし、年月を経て 世の中では一般的にシステム監査が情報システムの監査という認識が定着し誤解もなくな っていた。そのような 1996 年に、経営をサポートする目的でシステム監査学会が研究して いるシステム監査を、日本学術会議が会計学関連のテーマと決めつけ、経営学関連ではな いので登録を認めないという誤った審査をしたことが紛争に発展した発端である。 システム監査学会の宮川公男会長は、この件で何度か日本学術会議の関係者と会われて 話し合いをもたれたが、日本学術会議の態度が頑なであり進展は見られなかった。宮川会 長は、そのような誤解に基づく決めつけ方を容認できないとの立場から、この件を理事会 に諮り、全会一致で東京地裁に提訴することになった(参考資料6-1)。 裁判では、第 17 期が終わろうとする時期に棄却されたので、上級審へ上告しても、まも なく第 17 期は終了してしまうことから“訴えの利益がない”と棄却されることが明白であ ったため、上告を見送ることになった。 しかし、システム監査学会の考え方は終始一貫しており、第 18 期に関しても、第 17 期 とまったく同じ内容で第 3 部の経営学分野へ申請を行うことに決め、そのとおりに申請し た。これに対し、日本学術会議は、今度は何の異議を唱えることもなく登録を認めた。つ まり、日本学術会議は、第 17 期における誤審を最後まで訂正することはなかったが、第 18 期においては、システム監査学会の第 17 期とまったく同じ内容の申請をそのまま認めた。 この態度をみて、システム監査学会の主張が正しかったと認める人も多かった。 この出来事は、システム監査分野に身を置く者にとって、“システム監査を会計分野と誤 解する”という当時すでに消え去っていた過去の一部の人による近視眼的な過ちを、学者 の国会といわれる日本学術会議がこの時期に犯したところに事の重大さがあった。 この紛争は、話し合いでは解決せず法廷に持ち込まれたが、日本学術会議は最後まで誤 審を訂正しなかった。これが日本学術会議のプライドであるとすれば、あまりにもお粗末 だと言う人もいた。しかし、結果的には、このことを契機として、システム監査をめぐる 誤解に明確な形で終止符が打たれることになったという点では意義があったといえよう。

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第 6章 システム監査学会 VS 日本学術会議

システム監査学会(宮川公男会長、当時)は、1996年 5 月、第 17期日本学術会議の第 3

部(経済学、商学、経営学)の経営学分野への登録を申請した。日本学術会議の会員推薦

管理会は、1996 年 9 月、登録申請の却下を決定しシステム監査学会へその旨通知した。そ

の後判明した却下の理由は、端的にいえば“システム監査は会計学分野であれば認められ

るが、経営学分野ではないので認められない”という内容であった。

システム監査の提唱から旧通産省がシステム監査基準を公表した1985年以前においては、

システム監査を会計監査分野と勘違いする人も多少いた。また、初期の段階には高名な会

計学者で“監査は会計のみ”と公言する人がいたことも事実である。しかし、年月を経て

世の中では一般的にシステム監査が情報システムの監査という認識が定着し誤解もなくな

っていた。そのような 1996年に、経営をサポートする目的でシステム監査学会が研究して

いるシステム監査を、日本学術会議が会計学関連のテーマと決めつけ、経営学関連ではな

いので登録を認めないという誤った審査をしたことが紛争に発展した発端である。

システム監査学会の宮川公男会長は、この件で何度か日本学術会議の関係者と会われて

話し合いをもたれたが、日本学術会議の態度が頑なであり進展は見られなかった。宮川会

長は、そのような誤解に基づく決めつけ方を容認できないとの立場から、この件を理事会

に諮り、全会一致で東京地裁に提訴することになった(参考資料6-1)。

裁判では、第 17 期が終わろうとする時期に棄却されたので、上級審へ上告しても、まも

なく第 17 期は終了してしまうことから“訴えの利益がない”と棄却されることが明白であ

ったため、上告を見送ることになった。

しかし、システム監査学会の考え方は終始一貫しており、第 18 期に関しても、第 17 期

とまったく同じ内容で第 3 部の経営学分野へ申請を行うことに決め、そのとおりに申請し

た。これに対し、日本学術会議は、今度は何の異議を唱えることもなく登録を認めた。つ

まり、日本学術会議は、第 17 期における誤審を最後まで訂正することはなかったが、第 18

期においては、システム監査学会の第 17 期とまったく同じ内容の申請をそのまま認めた。

この態度をみて、システム監査学会の主張が正しかったと認める人も多かった。

この出来事は、システム監査分野に身を置く者にとって、“システム監査を会計分野と誤

解する”という当時すでに消え去っていた過去の一部の人による近視眼的な過ちを、学者

の国会といわれる日本学術会議がこの時期に犯したところに事の重大さがあった。

この紛争は、話し合いでは解決せず法廷に持ち込まれたが、日本学術会議は最後まで誤

審を訂正しなかった。これが日本学術会議のプライドであるとすれば、あまりにもお粗末

だと言う人もいた。しかし、結果的には、このことを契機として、システム監査をめぐる

誤解に明確な形で終止符が打たれることになったという点では意義があったといえよう。

Page 2: 第6章 システム監査学会VS日本学術会議 - spaaqshw001.spaaqs.ne.jp/mtory218/6syou.pdf · システム監査学会(宮川公男会長、当時)は、1996年5月、第17期日本学術会議の第3

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また、この問題は、国会においても、参議院および衆議院の双方で取上げられているこ

とからみて、日本学術会議のあり方にとって重要な問題提議をしたことも事実である。

以上のようなことから、この出来事は、システム監査にとって、またシステム監査学会

が学問としてシステム監査研究に取り組む立場から、非常に重要な歴史的事実であると思

われるので、その事実関係をとりまとめておきたい。

1.日本学術会議への登録をめぐる経過

(1)第 17期への登録申請と却下

システム監査学会は、1996 年 5 月、日本学術会議へ登録を申請した。所属分野は、第 3

部の経営学である。この申請は、日本学術会議の会員推薦管理会により、同年 9月 3日、「経

営学との関連が希薄である」という理由で却下された。この通知を受け取ったシステム監

査学会は、経営のために実施しているシステム監査が、なぜ経営学と関係が希薄なのか、

その理由が理解できなかった(参考資料6-2)。

(2)異議申し立て

システム監査学会は、1996 年 9月 17 日、日本学術会議に異議申し出制度があるため、そ

の手続きに従い異議を申し出た(参考資料6-3)。同年 11 月 8 日、日本学術会議の会員

推薦管理会から、再び「経営学との関連が希薄である」という理由で却下された(参考資

料6-4)。

しかし、この時点で、システム監査学会が問題としている「なぜ経営学との関連が希薄

であるか」という点については、何ら説明されないままであった。また、この却下通知が

会員推薦管理会から出されており、登録の申請も、その異議申し出も、同じ会員推薦管理会

で同じ委員によって審査されていることがわかった。

(3)異議申し立ての却下に対する抗議

システム監査学会は、異議申し立てが却下されたことに対して、1996 年 12 月 5 日および

1997 年 2 月 5 日の二度にわたって抗議をしている(参考資料6-5,6-6)。

その結果、3月 14 日、「会計学としてなら認められたかもしれない」という趣旨を含む内

容で「経営学との関連が希薄」ということについての回答がなされた(参考資料6-7)。

(4)日本学術会議会長への公開質問状

システム監査学会は、このような会員推薦管理会の審査態度に業を煮やして、1997 年 4

月 11 日、日本学術会議の伊藤正男会長に対して「経営学との関連が希薄」という理由等に

ついて公開質問状を出している(参考資料6-8)。

この公開質問状に対しては、同年 5 月 8 日、伊藤正男会長より回答が寄せられた。しか

し、その内容は、“関係法令等の諸規定に基づいて会員推薦手続きが進められております”

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という手続きについての通り一遍の回答であり、「経営学との関連が希薄」ということに対

しては回答が得られなかった(参考資料6-9)。

(5)日本学術会議会長への再度の公開質問状

システム監査学会は、1997 年 6 月 5 日、日本学術会議の伊藤正男会長に対して再度公開

質問状を出している。その内容は、「システム監査と経営学の関連が希薄である」という却

下理由の論拠の開示を求めたものである。この公開質問状に対しては、伊藤正男会長から

回答が寄せられることはなかった(参考資料6-10)。

(6)公開討論会の申し入れ

日本学術会議から誠意ある回答が寄せられないため、システム監査学会は、1997 年 6 月

11 日、伊藤正男会長および当事者である第 3部の柏崎利之輔部長に対して、「公開討論会」

に出席するよう申し入れている。この申し入れに対しても日本学術会議から回答が寄せら

れることはなかった(参考資料6-11)。

なお、システム監査学会が日本学術会議に申し入れた公開討論会の案は次のとおり。

10:00~10:30 わが国科学研究の実態と予算

(国会議員を予定)

10:30~11:30 日本学術会議の意義と役割

日本学術会議会長 伊藤 正男氏

11:30~12:30 日本学術会議第三部の意義と役割

日本学術会議第三部部長 柏崎 利之輔氏

12:30~13:30 昼休み

13:30~14:30 日本学術会議のあり方と発展のための提言

システム監査学会会長 宮川 公男

14:40~16:30 パネルディスカッション

-わが国の科学研究の将来を考える-

パネリスト 伊藤 正男氏

宮川 公男

コーディネータ (中立的な立場の人に依頼)

(7)登録審査に係る情報公開を要求

システム監査学会は、1997 年 6月 18 日、日本学術会議が自ら下した「システム監査は経

営学との関連が希薄」という登録却下理由の判断根拠を明らかにしないため、会員推薦管

理会の登録審査日当日の議事録、およびシステム監査学会の異議申し立てを却下した 1997

年 3 月 13 日の会員推薦管理会の議事録を公開するよう伊藤正男会長に求めている。この要

求に対しても、日本学術会議は無視したままで回答が寄せられることはなかった(参考資

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料6-12)。

また、もう 1 つの情報公開の要求として、システム監査学会は登録審査活動を行ってい

る会員推薦管理会の名簿を提出するように求めていた。これについては、日本学術会議か

ら 1997 年 9 月 16 日付の大谷木寿夫会員推薦管理事務室長名により近藤次郎氏を委員長と

する会員推薦管理会の委員名簿(1997年 7 月 16 日現在)が FAX で送付されてきた。

(8)システム監査学会と会員推薦管理会との話し合い

システム監査学会と日本学術会議の会員推薦管理会は、1997 年 10 月 1 日および 12 月 22

日の 2 回にわたり話し合いを行っているが、日本学術会議は異議申し出制度があるにもか

かわらず、“すでに日本学術会議が決定したことについては変更はできない”との姿勢を貫

いたため、話し合いは決裂した。

2.日本学術会議のニセ文書事件

システム監査学会の初代会長である松田武彦氏から、1997 年 9 月 4 日付の文書で、宮川

公男会長宛に一通の手紙が届いた。内容は、学術団体が訴訟を起こすのは穏当ではないの

で、日本学術会議の担当委員と話し合いを持ってほしいという趣旨の手紙であった。

しかし、このとき、松田武彦氏は病床にあり、手紙を書くことが不可能ではないかとシ

ステム監査学会の関係者や同氏と親しい人の間では思われていた。かなり以前に脳梗塞で

倒れられたのが原因で、その後遺症が手足の麻痺として次第にあらわれてきて、この当時

は病床に伏せられていた。

その後の宮川会長による調べで、この手紙は、日本学術会議の 2 人の職員が、ワープロ

で書いた文書を持って、1997 年 9 月 4 日に松田武彦氏宅を訪れ、脳梗塞で療養中の松田武

彦氏が書いたことにしてくれとのことで、松田夫人に松田武彦と署名させていたことが判

明した。しかも、松田武彦氏の自宅近くのポストに投函するという念の入れようであった。

この工作は、日本学術会議の関係者によって行われたことであることは間違いない。松

田夫人は、それで問題が穏便に解決するならと応じられたものであろう。

また、詳細は後述するが、この日本学術会議に関する問題は、自民党の栗本慎一郎衆議

院議員(当時)が国会で質問している。この質問の中でも、このニセ文書事件にふれてい

る(参考資料6-13)。

3.参議院で日本学術会議問題をめぐる質問趣意書の提出

システム監査学会と日本学術会議とのシステム監査をめぐる見解の相違は、次第に世の中

で知られるようになっていった。そのような中で、1997 年 10 月 24 日、山口哲夫参議院議

員(当時)は、斉藤十朗参議院議長(当時)に対して、「日本学術会議における学術研究団

体の登録制度の在り方に関する質問主意書」を提出している。内容は、システム監査学会

の登録申請に対する日本学術会議の対応が不明朗であることに関して、審査体制等がどの

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ようになっているのかを質すことを中心としたものである。この問題がきわめて重要であ

ることを証明する出来事であった。

4.橋本総理の答弁書

この質問主意書に対して、橋本竜太郎首相(当時)は、同年 11 月 4 日、斉藤十朗参議院

議長に答弁書を送付している。山口議員の最後の質問は、システム監査の重要性について

政府はどのような認識をもっているかである。これに対して、橋本首相は、システム監査

はきわめて重要であるものと認識しているとして、今後ともシステム監査の普及に取り組

んでいくと、システム監査に対してきわめて前向きな回答を示している(参考資料6-14、

6-15)。(この首相の答弁書が出された後も、日本学術会議の態度は変わらなかった)

5.栗本慎一郎議員が衆議院で質問

さらに、1998 年 9 月 29日になると、衆議院の決算行政監視委員会において、元明治大学

教授で自民党の栗本慎一郎議員(当時)が日本学術会議の問題点について質問するという

事態に発展した。栗本氏は、質問の前置きで、“私の質問時間になったら急に傍聴者が増え

たが、この問題の重要性を示していると思う”と発言している。

栗本議員は、持ち時間 15 分を全て日本学術会議問題に費やし、予算の内訳・使途、および

システム監査学会に訴えられていることに絞って質問している。栗本議員は、この問題は

金額(予算)だけではなく、大変大きなことだと思うので今後ともとりあげていくと締め

くくっている(参考資料6-16)。

6.第 18期の審査では登録

システム監査学会は、第 18 期においても、第 17 期とまったく同じ内容で日本学術会議へ

の登録申請を行った。その結果、今度は何の異議を唱えられることもなく「経営学」研究

連絡委員会への登録が認められた。

日本学術会議会員推薦管理会よりシステム監査学会代表者殿という宛名で、1999 年 9 月

14 日、「第 18 期日本学術会議会員の選出に係る学術研究団体の登録申請結果について(通

知)」と題して、審査の結果登録したという内容の文書(総学推第 20-1 号)が郵送されて

きた。その文書では、関連研究連絡委員会名として、「経営学」研究連絡委員会と記されて

おり、システム監査学会が主張した通りの内容であった。

(注1)本章の参考資料のうちシステム監査学会と日本学術会議の文書類は、システム監査学会が作成・

配布した「日本学術会議の不当性を問う」より利用させていただきました。

(注 2)上記文書類は、A4版のものを B5版に縮小しています。

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参考資料6-1 提訴に至るまでの経過

1996 年 5 月 21 日 第 17 期日本学術会議学術団体として登録申請

1996 年 9 月 3 日 会員推薦管理会より登録申請却下の通知受領

1996 年 9 月 17 日 会員推薦管理会に異議申し出送付

1996 年 11 月 8 日 会員推薦管理会より異議申し出却下の通知受領

1996 年 11月 13 日 本学会理事会にて本件に抗議することを決定

1996 年 12 月 5 日 会員推薦管理会に異議申し出却下に対する抗議文送付

同 第 16 期日本学術会議会員(会長、副会長および第 1~3部会員)85 名

宛に経過報告資料を送付

1997 年 2 月 5 日 会員推薦管理会に再び抗議および要請書を送付

1997 年 3 月 14 日 会員推薦管理会より抗議への回答書を受領

1997 年 4 月 11 日 日本学術会議会長宛に公開質問状を送付

1997 年 4 月 14 日 日本学術会議の永島泰彦事務局長よりの申し出により、宮川会長が永

島事務局長、大八木寿夫会員推薦管理事務室長、武田専門官と会談

1997 年 5 月 7 日 日本学術会議会員推薦管理会委員 49 名宛に審査に関する書状送付

1997 年 5 月 13 日 日本学術会議の永島泰彦事務局長よりの申し出により、宮川会長が永

島泰彦事務局長および大八木寿夫会員推薦管理事務局長と会談、席上、

伊藤会長の公開質問状への回答文を受領

1996 年 5 月 16 日 本学会第 11 回会員総会にて、日本学術会議に対して強く抗議していく

ことを全会一致で決定

1997 年 5 月 19 日 朝日新聞が朝刊で「『研究者の国会』学術会議は『閉鎖的』、登録却

下の学会が公開質問状を提出」と取り上げる

1997 年 6 月 5 日 日本学術会議会長宛に公開質問状(再)送付

1997 年 6 月 11 日 日本学術会議会長および第 3部部長宛に、公開討論会を申し入れ

1997 年 6 月 18 日 日本学術会議会長宛に登録審査当日の議事録公開を要求

1997 年 9 月 4 日 松田武彦初代会長名による宮川会長宛のニセ文書を受領

1997 年 9 月 16 日 システム監査学会がかねてより日本学術会議に要求していた会員推

薦管理会の名簿を大八木寿夫会員推薦管理事務室長より FAX で受領

1997 年 10 月 1 日 システム監査学会と日本学術会議との第1回話し合い(決裂)

1997 年 10月 24 日 山口哲夫参議院議員が「日本学術会議における学術研究団体の登録

制度の在り方に関する質問主意書」を提出

1997 年 11 月 4 日 橋本龍太郎総理大臣が山口哲夫議員の質問に対する答弁書を提出

1997 年 11月 17 日 日本学術会議の永島事務局長に対しニセ文書への抗議文送付

1997 年 12月 22 日 システム監査学会と日本学術会議との第2回話し合い(決裂)

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1998 年 3 月 19 日 システム監査学会理事会で提訴することを最終確認

1998 年 4 月 2 日 システム監査学会、日本学術会議を東京地裁に提訴

1999 年 3 月 25 日 東京地裁、棄却

1999 年 9 月 14 日 日本学術会議会員推薦管理会、第 18 期・経営学研究連絡委員会にシステ

ム監査学会を登録

(注)このシステム監査学会と日本学術会議の裁判については、つぎの雑誌に裁判前後の

状況が紹介されている。

①コンピュータ・エージ社発行の雑誌「コンピュートピア」の 1997 年 6 月号の TOPICS 欄

で“システム監査と新時代の企業情報システム、日本的経営に問われる社内のチェック・

評価体制”というテーマをとりあげている。この中には、“システム監査を会計学と誤認

した学術会議”という小見出しがあり、この文章の最後で「学術会議がまじめに審査すれ

ばよいだけなのだが、メンツにかかわるなら、展開はなおお粗末なものになりそうだ。内

閣への諮問を役割とする学術会議が、情報化時代で今後も機能していくのだろうか。情報

処理や経営学に対する認識はこの程度でよいのであろうか。次元の低い喧嘩になってしま

ったようだ。が、企業も学術会議も、積極的にオーバーホールしないと、大変な目に遭う

ことが増えそうである」と述べている。

②この提訴は 1999 年 3 月に棄却されたが、朝日新聞社発行の雑誌「AERA」の 1999 年 6 月

21 日号ではこの問題を取り上げ、「~創立 50 周年の重みと軽さ~日本学術会議に相次ぐ

疑問の声」というテーマで 3ページにわたっていきさつを紹介している。この記事の中で、

記者の取材に応じた文部省学術情報センターの猪瀬博所長(当時)は、「システム監査は

現代社会にとって非常に重要な分野。なぜ認められなかったのか、納得がいかないなあ」

と述べている。

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参考資料6-2 申請却下の通知書

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参考資料6-3 異議申出

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参考資料6-4 異議申出の却下通知

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参考資料6-5 審査結果に対する抗議文

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参考資料6-6 再度の抗議文

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参考資料6-7 抗議への回答文

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参考資料6-8 公開質問状

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参考資料6-9 公開質問状に対する回答文

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参考資料6-10 再度の公開質問状

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参考資料6-11 公開討論会の申入書

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参考資料6-12 議事録公開の要求書

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参考資料6-13 日本学術会議のニセ文書

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参考資料6-14 山口哲夫参議院議員の質問主意書

質問第四号

日本学術会議における学術研究団体の登録制度の在り方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

平成九年十月二十四日

山 口 哲 夫

参議院議長 斎 藤 十 朗 殿

日本学術会議における学術研究団体の登録制度の在り方に関する質問主意書

平成九年七月二十二日に、日本学術会議の第十七期がスタートした。しかし、

日本学術会議会員の選出手続において重要な位置を占める学術研究団体の登録申

請に対する審査の在り方について、疑念を抱かせる事例が見受けられるので、以

下、学術研究団体の登録制度の在り方等について、質問する。

一、日本学術会議への学術研究団体の登録要件及び登録申請に対する審査基準は

どのようになっているか。

二、日本学術会議法第十八条第二項は「登録を申請する場合には、…その目的と

する学術研究の領域と関連する研究の領域の研究連絡委員会(規則で定めるもの

に限る。以下同じ。)を届け出なければならない。」と定めているが、これは、

いかなる趣旨で設けられた規定であるのか。

三、日本学術会議が定める学術研究団体の登録審査基準は、日本学術会議法第十

八条及び同法の規定に基づき定められた日本学術会議規則に適合すべきはもちろ

んのこと、日本国憲法第二十三条で保障された「学問研究活動の自由」などの基

本的人権保障の諸条項に反するものであってはならず、また、学術研究団体の登

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録審査基準の適用に当たっても同様な考え方が堅持されなければならないと思う

が、これらの点について、政府の所見を伺いたい。

四、「学術研究団体の登録審査基準」(平成八年一月十一日、日本学術会議会員

推薦管理会第十七期第二回総会決定)の13「届出のあった関連研究連絡委員会

が、申請団体の目的とする学術研究の領域と関連する研究の研究連絡委員会であ

ること。関連が希薄なものは関連研究連絡委員会としては認めない。」は、どう

いう趣旨で定められたものと政府は理解しているか。また、結果的に、学術研究

団体としての登録が拒否される事由となる「関連希薄なもの」とは、どの程度の

希薄性を要件としているのか(換言すれば、どの程度の関連性を有しておれば関

連希薄とされないで済むか)について、政府はどのような認識を持っているか。

「関連希薄なもの」の程度・内容を、数値、形容詞あるいは具体例などで、国民

に分かりやすく説明をいただきたい。

五、前記「学術研究団体の登録審査基準」の13に示された関連希薄要件の判断

や適用が恣意的に行われると、学術研究団体として登録されるべき内容を備えた

団体が登録を拒否される事態が発生するおそれがある。このような事態の発生は、

日本学術会議の設立趣旨に反するばかりか、日本国憲法第二十三条が定める「学

問研究活動の自由」の実質的保障に抵触することとなる。したがって、申請団体

の目的とする学術研究の領域と申請団体から届出のあった研究連絡委員会との

「関連希薄性」の判断に当たって恣意的要素が入らないようにする必要があり、

そのためには、「学術研究団体の登録審査基準」に関連希薄要件を入れた趣旨を

明らかにし、かつ、関連希薄要件の表現を具体的かつ明瞭なものにする必要があ

る。また、申請団体及びその構成員の「学問研究活動の自由」を制限することと

なる「関連希薄性」の判断に当たっては、慎重かつ実質的な審査を行うべきであ

り、その上で「一見明白に関連性がない」場合にのみ「関連希薄要件」の適用を

行うべきであると考えるが、以上の考え方に対して、政府はいかなる所見をお持

ちか伺いたい。

六、システム監査学会(代表者・宮川公男)から、平成八年五月二十一日付けで

日本学術会議会員推薦管理会(以下、会員推薦管理会という)に第十七期学術研

究団体の登録についての申請書が提出されたが、同登録申請に対する審査の経過

(審査の会議日・回数、審査機関の構成者名、当日の出席者名、審査の方法を含

む)及びその内容並びに審査の結果はどうであったか、また、システム監査学会

の異議の申出に対する再審査の経過(再審査の会議日・回数、再審査機関の構成

者名、当日の出席者名、再審査の方法を含む)及びその内容並びに再審査の結果

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はどうであったかについて、日本学術会議に照会し調査した上で、回答をいただ

きたい。なお、システム監査学会から提出された登録申請の内容(添付書類を含

む)は、前記「学術研究団体の登録審査基準」の1から12まで、すなわち「科

学者により構成されている団体であること」「学術研究の向上発達を図ることを

目的とする団体であること」「名称、目的、事務所、構成員の資格及び代表者に

ついて定めがあること」「学術研究の向上発達を図るための活動が引き続き三年

を超えて行われていること」「規則で定める数以上の科学者が構成員であること」

「構成員による学術研究の発表又は討論のための集会を年一回以上開催している

こと」「学術研究論文の発表のための刊行物とは学術定期刊行物、すなわちその

団体の研究活動の成果を内容とする定期刊行物を指す。この定期刊行物を年一回

以上刊行していること」「運営及び活動に係る方針を決定する総会又はこれに準

ずるものを年一回以上開催していること」「構成員の資格を、特定の大学、学術

研究機関その他の団体に所属し、又は所属していたことがある者に限っていない

こと」などの要件を全て満たしていたと思われるが、この点についても確認をい

ただきたい。

七、日本学術会議の学術研究団体への登録が認められなかった申請団体は、異議

の申出をすることができる手続になっている(学術研究団体の登録に関する規則

第十三条)。そして、異議の申出に対する審査に当たって、会員推薦管理会は、

日本学術会議の運営審議会又は当該学術研究団体の関連する部の意見を聴くもの

とされてはいるものの、不登録を決定した同じ会員推薦管理会の同じメンバーに

より再審査の決定が行われる仕組みとなっており、また、異議の申出を行った学

術研究団体に対する聴聞制度も十分確立されておらず、不登録に対する再審査制

度(不服申立制度)としては極めて不完全であり不備であると言わざるを得ない。

そこで、不登録に対する異議申出の審査に当たっては、弁護士などの法曹資格者

を加え、また、異議の申出を行った団体に対する聴聞制度を確立するなど、学術

研究団体の登録に関する異議申出制度の大幅な改善が必要と思うが、政府の認識

はどうか。

八、今後、新しい分野についての学問研究や学際的研究がますます盛んになって

くると思われる。また、そうでなければ我が国の学術研究の発展は望めない。と

ころが、新分野の学問研究や学際的研究を行う学術研究団体が目的とする「学術

研究の領域」と、日本学術会議会員の推薦に係る研究連絡委員会の指定等に関す

る規則に定める「研究連絡委員会」との関連性が問われると、既存の学問体系や

分類に立った研究領域とは「関連希薄」として、学術研究団体としての登録を一

方的に拒否されるという事態が今後頻繁に発生することが予測される。そこで、

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既存の学術研究団体だけでなく新分野の学問研究や学際的研究を行う学術研究団

体も加わった、名実ともに科学者の代表機関としての「日本学術会議」にするた

めには、日本学術会議の登録団体になるために届出が必要な研究連絡委員会との

関連性及び研究連絡委員会制度について、その運用の在り方も含めて検討を加え

る時期にきているように思われるが、政府の認識はどうか。

九、現代社会においてコンピュータ及び通信を中核とする情報システムは不可欠

の存在であり、企業にとって極めて重要な経営基盤となっている。このことは、

政府及び地方公共団体等の行政運営においても同様である。しかも、情報システ

ムの構築・運用には巨額の投資を要する一方、その脆弱性については、常に指摘

されているところであり、いったん事故や災害に遭遇すると、社会的重大問題と

なり、企業経営、行政運営や国民生活に多大な損失を及ぼすこととなる。昭和五

十九年の世田谷ケーブル火災事故、平成七年一月の阪神大震災や本年八月の東京

証券取引所のシステムダウンによる社会的影響は、我々の記憶に新しいところで

ある。「システム監査」は、そのような特性を持つ情報システムのセキュリティ

(安全かつ適正な利用)と、それに対する投資の有効性等を確保することを目的

に行われるものであるが、このような「システム監査」の重要性について、政府

は、どのような認識を持っているか。

右質問する。

出所:http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/141/syuh/s141004.html

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参考資料6-15 山口議員の質問主意書に対する橋本総理の答弁書

答弁書

答弁書第四号

内閣参質一四一第四号

平成九年十一月四日

内閣総理大臣 橋 本 龍 太 郎

参議院議長 斎 藤 十 朗 殿

参議院議員山口哲夫君提出日本学術会議における学術研究団体の登録制度の在り

方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

参議院議員山口哲夫君提出日本学術会議における学術研究団体の登録制度

の在り方に関する質問に対する答弁書

一について

日本学術会議への学術研究団体(以下「団体」という。)の登録については、

日本学術会議法(昭和二十三年法律第百二十一号。以下「法」という。)第十八

条及び学術研究団体の登録に関する規則(昭和五十九年日本学術会議規則第一号。

以下「団体登録規則」という。)第一条から第五条までに規定されており、また、

団体が登録申請を行う際の学術研究団体の登録審査基準(以下「審査基準」とい

う。)については、法第二十二条の二に定める会員推薦管理会の総会において、

会員の任期ごとに定められるものと承知している。

二について

日本学術会議の会員は、研究連絡委員会を単位とする研究領域ごとに、その領

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域に関連する登録団体から選定された会員候補者のうちから、当該登録団体から

指名された推薦人が選考し、推薦するという制度となっている。法第十八条第二

項は、登録団体の推薦人の指名及び会員候補者の選定に当たり、当該登録団体が

関連する研究連絡委員会を定める必要があることから規定されたものと理解して

いる。

三について

審査基準については、法令に反しないよう定められるべきものであり、その運

用についても同様であると考える。

四、五及び六について

お尋ねの審査基準の十三については、二についてで述べたような制度がとられ

ていることから、適切な関連研究連絡委員会を定めるために置かれているものと

承知している。

また、日本学術会議によれば、システム監査学会(以下「学会」という。)に

ついては、平成八年七月十一日開催の会員推薦管理会第三部委員会において書類

審査が行われ、次いで同年八月六日開催の会員推薦管理会幹事会及び同総会(会

員推薦管理会委員は、別表のとおり。)において審査された結果、審査基準の十

三に該当しないものと判断されたため、学会は登録されないことと決定されたと

のことである。この決定に対し、学会から同年九月十七日付けで異議の申出があ

ったので、団体登録規則第十三条第三項の規定に基づき日本学術会議第三部の意

見を求めたところ、同部においては、同年十月十五日開催の部会で審議を行い、

異議は認められないとの意見が取りまとめられ、同月十七日開催の日本学術会議

運営審議会において了承された後、同日付けで会員推薦管理会に意見が提出され

たとのことである。会員推薦管理会は、この意見を踏まえ、同月三十一日開催の

会員推薦管理会第三部委員会、同幹事会及び同総会において審理を行い、学会か

らの異議申出について理由がないものと決定したとのことである。このように、

審査基準の十三に関する審査は、十分慎重な手続により行われたものと承知して

いる。

なお、学会は、審査基準の一から十二までの登録要件は満たしているとのこと

である。

また、お尋ねの六中の以上に述べた事項以外の事項については、従来から公表

していないとのことである。

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七及び八について

日本学術会議は、内閣総理大臣の所轄の下に置かれる国の機関であり、我が国

の科学者の内外に対する代表機関として、その職務を独立して行うこととされて

おり、その本来の機能を十分に果たすことができるよう会員選出手続等の具体的

な運営は、同会議が自主的に行っているところである。

したがって、お尋ねの事項については、日本学術会議自らが判断するべきもの

と考える。

九について

今後、我が国が健全な情報化社会を構築していく上で、情報システムの信頼性、

効率性等を確保し、情報化基盤を整備することは、必要不可欠であると認識して

いる。

こうした観点から、監査対象から独立したシステム監査人が、情報システムを

総合的に点検・評価し、関係者に助言、勧告する「システム監査」は、極めて重

要であるものと認識している。このため、通商産業省においては、システム監査

基準の策定・公表(昭和六十年)、システム監査技術者試験の創設(昭和六十一

年)、システム監査企業台帳に関する規則の策定(平成三年)等の施策を講じて

きたところであり、今後とも「システム監査」の普及に取り組んでまいりたい。

出所:http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/141/touh/t141004.html

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参考資料6-16 衆議院における栗本慎一郎議員の質問

1.学術会議の予算 13 億円の使途について

(予算の内訳はどうなっているのか)

栗本議員:本日の決算行政監視委員会は一般質疑であるのでお許しいただいて、総理府所

管の日本学術会議に関してご質問申し上げたいと思います。本日は 15 分しか時間がござい

ませんので、ぜひてきぱきとお答えいただきたい。また、問題自身は、大変大きゅうござ

いますので、引き続いて取り上げていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願

い致します。 まず、総理府から佐藤官房審議官がおいででございますが、日本学術会議の平成 10 年度

の予算額は 13 億円であります。この 13 億円は、約 80 兆円という日本国政府の予算の中で

いかにも比率的には少ないように思いますが、これに関し総理府としてはどのように考え

ておられるか承りたいと思います。目一杯あるいは文部省の私学予算のように非常に増や

したいのであるけれども、財政当局との関わりにおいて少ないということになっているの

か、そのへんについてご意見をまず賜りたいと思います。 佐藤官房審議官:日本学術会議の平成 10 年度一般会計歳出予算は、いま先生がおっしゃっ

たように、13 億 600 万円です。その内訳につきましては、第一に、総会、部会、委員会、

研究連絡委員会等開催するための審議関係費として 2 億 9,600 万円、第二に、国際学術団

体への加入分担金、学術国際会議の開催経費等の国際学術交流関係費として 3 億 600 万円

を計上しております。それから、会員の推薦関係費として 2,300 万円、それから学術会議

の事務局職員の人件費等、一般事務処理経費として 6億 100万円という内訳でありますが、

主として会議を開催する経費であるということで文部省に計上されているような予算と若

干質が違うということで、これでとりあえずは足りていると当方としては考えています。 (学術関係では膨大な経費)

栗本議員:13 億円の中身、この学術会議の性格が、研究所や大学と同一ではございません

が、比較的類似のものだと考えております。例えば、公立大学で 1 学部 200 人、250 人位

で、年間事務経費全部まとめて 10 億円、それは人件費を含めてです。ですから会議費等に

関しましては、実は何千万円とかいうようなケースが多々あります。そのような意味で、

今の 13 億円の中で、審議関係費で約 3 億円、国際学術交流関係費で約 3 億円、会員推薦関

係費で約 2,000 万円、合わせて 6 億円を超すというのは 1 つの大学に匹敵する規模であり

ます。ある意味で絶対額は少ないですが、日本の貧しい学術研究に対する予算の中ではあ

る意味で膨大な経費であるとお考えいただきたいと思います。従って、これは科学者の国

会といわれます学術会議の会員によって使われることは構わないと思いますが、行政の立

場からは見ますと、これらの予算の使い方についてはのちほど理事会にご提出願いたい。

ある意味で潤沢と思われる審議関係費、それから推薦関係費というのはどのように使われ

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ているのか、2 億、3 億とか言うのは私も長い間大学にいましたが、すぐには見当がつかな

いような額であります。おそらく、このことは日本の政府と学問、科学との関係において

は、絶対的には少ない額でありますが相対的には多い額でありますためにかなりの関心も

あり、突然、私の質問の前にご関心のある傍聴の方が増えました。そのことも、決して小

さな事ではないと思います。 学術会議の会員になる、科学者の国会でありますから、かっては選挙であり、私も投票

したことがありますが、公職選挙法に基づかないから、意外にも不明朗だったり、不適切

な選挙行為が一部特定の学術政治勢力によって行われているということが非常な問題にな

りまして、現在は何制といったらよいかわかりませんが、推薦制といいましょうか、そう

いうものになってきているのであります。そこの部分が、会員を誰にするかということを

決定したり、つまり(学者の国会であるから)議員を選ぶ。それから、科学者でない者も

入れるようになっているというふうな、(学術会議)の中の実質的な学会運営の自主性が考

慮されている。私はおかしいと思いますよ、しかし、そうなっている。これは議員(学術

会議会員)の個人の問題ですが、もう一つ、政党にあたるというとおかしいですけれども、

登録された学術研究団体というのがある。これは、現実には学会であります。 (登録されないと不利益)

この学会が登録されませんと予算の配分、使用はもちろんのことでありますが不利益を

被る。もう 1 つは、日本国政府がこの学術会議をいわば公認といいますか総理府の機関と

しても認めているわけでありますから、日本国政府として、この(学者の)国会で認めら

れた学者は偉い、学問は偉いということになる。別にそんなことをわれわれは、私も学者

でありましたが、生徒が偉いといっているから偉いんだとか、そんなことは偉くないんだ

といえば終わりのようでありますが、実は 審議官もおわかりのことだと思いますが、文部

省の予算にも関係する。科学研究費というのは文部省の予算ですが、そちらの配分は学術

会議の会員を中心とした推進によってほぼ決定されております。すなわち、13 億円以外に、

かなりのオーソライゼーションが行われている。そしてまた、私の知人の学者で現実にあ

ったことでありますが、国際的には非常に高く評価されている業績があるにもかかわらず、

文部省の科研費がカットされるということがあって、その研究には民間からのかなりの支

援があるから、実際には(予算が)少し減るけどある程度やれる。しかし、日本国として

この研究を認められるというふうな問題が発生しまして、文部省が工面しまして別個の予

算を付けたという例もございます。

2.学術会議がシステム監査学会に訴えられていることについて

(会員推薦管理会の門前払いから訴訟に)

栗本議員:実は、いろいろ大きな問題として学術会議のことが、長年、ある意味で不明朗

だといわれる部分を含めて問題がある。ところが今回ですね、現在、いわば、比喩で申し

上げました政党にあたる、政党にあたるというのはやや語弊がありますが、わかりやすく

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申し上げます。学術研究団体が登録を申請したところ、門前払いをされるという事件、門

前払いというのは学会としてちゃんとしているかもしれないけれども、うちにはこの分野

に関係ないよということを、会員推薦管理会、推管といっているところが、そういう判断

をした。このようなことで訴訟になっている。このようなことで訴訟になるということは、

きわめて異例な事態であり、一般的にいいますと、訴訟をする者、団体が異常であるか、

あるいは起こさせる方が異常であるか、どちらかだと思いますけれども、このことについ

ては審議官ご承知でありましょうか。 佐藤官房審議官:今、訴訟になっていることを知っているかといわれましたが、日本学術

会議の会員選出につきましては、学術研究団体を基盤とした推薦制度になっています。こ

れは、先生がおっしゃいましたように、昔は選挙制度でございましたが、昭和 58 年の改正

で推薦制に改まっております。会員の候補者の選定手続きに参加することを希望する各分

野の学術研究団体、学会でございますが、これは学術会議に対しまして登録の申請を行う

ことができます。学術研究団体が所定の要件を満たすものであるときは、登録学術研究団

体になりますが、先生ご指摘の団体につきましては、関係する研究連絡委員会と申します

が、学会の分野ごとにそういう窓口をつくっておりますが、そこに関係があると(システ

ム監査学会が)指定された委員会につきましては、会員推薦管理会の中で関連が希薄であ

るという判定が下されたということは承知しております。その結果、今年の 4 月に訴訟が

提起されたということも承知しております。 (システム監査がなぜ経営学と関連希薄かの問に答えず)

栗本議員:今の具体的な問題に、とりあえず、ちょっとだけ入らせていただきますが、シ

ステム監査学会というのがあります。システム監査というのは、監査とついておりますか

ら、会計学に近いような感じを一般的には受けますけれども、現在、経営ではコンピュー

タを使ってさまざまなデータ処理をして、それをどのように経営に生かすか、使っている

か、という形になっておりまして、これはいわば意思決定論であります。やや専門に立ち

入りますが、意思決定論というのは完全に経営学として考えられる。監査学会だから(会

計)監査ということではなく、システムであり、コンピュータであるところに問題がござ

いまして、実はこの件、やや先走りますが、参議院の方で、昨年 10 月 24 日に山口哲夫議

員より質問主意書が提出されておりまして、システム監査学会が経営学に当たるか、当た

らないか、(経営学)分野との関連が希薄かどうかということについてでありますが、何と

内閣総理大臣の答弁書が 11 月 4 日に届きまして、これが経営学と非常に関係のある分野で

あって、政府も重用している、通産省ではそのことを経営にかかわるものだ、この件に関

しては会計学だけではないんだというような、そうですよという、何とこれに関しては随

分丁寧な、総理大臣からの答弁書が下りているということがございます。これについては、

いま裁判になっておりますから、とりあえず立ち入りませんけれども、しかし、おそらく

裁判所も答えを出せば、答えを出さなければ、門前払い、そういうことはわれわれは考え

たくないというのであればともかく、何らかの答えを出すのであれば、その分野と関係が

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希薄だとか、まず常識的にいえないだろう。そういうものなんですが、昨年の 5 月にこの

システム監査学会が、書式一式完全に整理いたしまして、形式要件を全部クリアしており、

申請しましたところ、却下された。会員推薦管理会によって却下された。理由は、(経営学

と)関連が希薄である。当然びっくりいたしまして、なぜ希薄なのかということ(異議申

出)を出しましたら、答えはわれわれは却下する権利はあるんだと、そうなんです、却下

する権利はある。しかし、なぜ希薄なのかというのは、これはもう、ほぼ常識にもとるも

のでありますから、私は、ちょっと先走ってもうしわけありませんが、会員推薦管理会は

きちんとした学者によって構成されていないために、監査という言葉にだまされたのかな

と思ったり致しますけれども。私はこんなことをいっておりますが、たまたま決算行政監

視委員会委員であると同時に、一般の学者といたしましては、まず大学および各学問の内

部には立ち入りません。しかし、この学問がどのような位置にあるのか、どういう関係に

なっているのかということを評価したり、発表したりする、そういう立場でございまして、

一般の常識以上に詳しいと思っているんですけれども、専門家と思っているんですがこれ

は理解できない。それに対する答えは、われわれは却下する権利があるからいいんだとい

う。それは却下する権利はある。決定する権利もある。しかし、中身について答えなけれ

ばならないだろう。 (学術会議職員(国家公務員)による文書偽造事件が発生)

栗本議員:これだけではございません。その後、このシステム監査学会の主張するところ

によりますと、訴訟を取り下げろと、という運動といいますか、圧力があった。ごく端的

に申し上げれば、(システム監査学会の)現会長は、一橋大学名誉教授の宮川公男という先

生であり、現麗澤大学の教授でありますけれども、前会長でシステム監査学会をリードさ

れてまいりました東工大の名誉教授(元学長)である松田武彦先生という方がおられる。

この方から、いわば訴訟は穏やかでないからやめた方がいいんじゃないいか、というよう

な私信がきたんだけれども、実はこの先生は(脳梗塞で長期療養中であり)もう自分で署

名されたりすることができない。だから、ご自分でお手紙は書いておられないのです。そ

れは、学術会議事務局がワープロで作った偽造文書を持っていって、これを書いたことに

してくれないかというような、断定は致しませんが、疑惑も発生いたしまして、いわばこ

じれてといいますか訴訟に至ったわけであります。 (選挙制から推薦制に直してさらにおかしくなっている)

今日に至っても、この問題は決着がついておりません。また、その過程で、1つ、最終

的に今日の段階でご質問を申し上げます。議員(会員)を決めるべき会員推薦管理会のメ

ンバーが、公表されていない。だから、問題は最初、この決定に関して、まさに意思決定

論の専門家ですから、どういう意思決定が誰によってなされたのかが問題になったのです

が、そのうちに、どういうというよりも、誰によってがわからないという話になった。誰

によってがわからないというのは、実はかっては選挙でやっていた会員を決める非常に重

要な委員会(会員推薦管理会)が誰によって構成され、どういう形になっているかわから

Page 37: 第6章 システム監査学会VS日本学術会議 - spaaqshw001.spaaqs.ne.jp/mtory218/6syou.pdf · システム監査学会(宮川公男会長、当時)は、1996年5月、第17期日本学術会議の第3

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ない、意思決定の過程が明確でないということになったわけであります。このことについ

て、私は、訴訟の如何にかかわらず、せっかく選挙をやめておかしなことのないようにし

たはずなのに、よりおかしなことになっているではないか。そのことによって、絶対的に

は小さいが相対的には大きい(学術会議の)予算の使い道にも疑問が生じる。日本の学術

分野にとって大きな問題であることについては間違いございません。そのへんに関して官

房審議官、この学術会議の運営というのは、意思決定のあり方というのは、わが国が政府

としてお金を出しているにもかかわらず、非常に問題があるんじゃないかということでご

ざいますが、ぜひお答えいただきたい。 佐藤官房審議官:会員推薦管理会の構成でありますが、役所の事務方にはそういう学問的

な問題を判断する能力がないということで、しかるべき方々に依頼をするということで、

中身といたしましては、学士院の会員、公立・国立の大学の研究者、私立大学の研究者、

それから各部会に関係ある先生方ということで、各部会 7 名づつ、トータル 49 名の学者の

方々によりまして会員推薦管理会を構成しております。学術会議につきましては、日本の

科学者を内外に代表する組織でございますので、この会員につきましては、そういう学者

の方々の自主的な判断に委ねるべきだということでそういうような構成をとっているとい

うことをご理解いただきたいと思います。 (この問題は大きいので今後とも取り上げていく)

栗本議員:時間がございませんので、最後に要望だけ申し上げて終わることに致しますが、

いま、官房審議官がおっしゃったことは事実と違う。現実の、当該の問題において決定を

下した推薦管理会のメンバーは、いよいよ訴訟による以外にないなと、システム監査学会

が判断する直前まで明らかにされなかったんですよ。そんな世に、世界に恥ずかしくない

ようなメンバーであるというのに明らかにされてなくて、おまえのとこは全然関係ないよ

と、だから正式に(登録学術研究団体として)認めないよという決定をしていた。その諸

氏が結局またお金を動かす。別に、13 億円のことだけではありません。13 億円では大した

土地も買えませんが、何遍も申し上げますけれども、いまは大きな権威を持ったお金であ

ります。その辺に関して、是非ともあらためて再調査をしていただきたいということと、

それから、13 億円のなかの審議関係費、国際学術交流関係費などがどのように使われてい

るかということについて、改めて次回に資料を提出していただきたい。また、この問題は

金額だけではなく、大変大きなことだと思いますので取り上げさせていただくことを申し

上げて質問を終わります。どうも有り難うございました。 (当時のシステム監査学会 Web より)