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地調月報Bul1・GeoLSurvJapan,vo1・30α⇒,p。587-607,1979 553.94 (524) 太平洋炭砿における炭質の側方変化と炭層の層厚変化との関係について 藤井敬三* 佐々木 実* 後藤 進* 曽我部正敏* 丁恥e L魏e職量Va誠魏恥恥o聲Co窺皇P暫o酔e臆量es諭Co㎜しe醜量o期 w龍恥曲e T恥亘出鵬ss V躍董魏且⑪館o宜重恥e C銀且Se箆職就 重恥e T箆量勘e量y⑪c⑰題且R疽量聡e,正旺⑪駄監a湛娼o,」題pa期 Keizo FuJII,Minoru SAsAKI, Susumu GoTo and Masatoshi SoGABE A恥s蟹ac耽 The relation between the lateral variation ofcoal properti tionofthemaincoalseamofthe亘arutoricoalbearingFormat is Oilgocene in age,was studliedl at the Taiheiyo coal mine, Thecharacteristicsofcoalpropertiesaregenerallyrepre andcalori£c valueinsuchIowrankcoalas theTaiheiyo coalmine,A controlled:by the degree ofcoalification and tぬe difference ofmaceral more closely associated w圭th the degree ofcoali且cation than macera m&tter content is more closely associated wit五maceral contents, Palaeogeographically,maceral content depends on the position the time ofdeposition ofthe main coal seam。The content ofdegradi shows the highestat the center ofthe coal basin,but the contents ofboth getting higher andvolatile mαtter content is gettinglower toward the The lateral variation ofmaceral components is supposed:to rep plant communities wllich is the cause ofthe diffbrence ofvolatile ma The degree ofcoalification does not seem to coinside with the b sediments.The area ofhigh coal rank altemates with that oflow coal shapeselongatedin:NW-SE曲ection.As theresult,the coali丘cations tectonic movement after the deposition ofPaleogene sediments. 北海道釧路市の太平洋炭砿における漸新統浦幌層群中 はるとり の春採來炭層本層の炭質の側方変化と炭層の層厚変化と の関係を研究した.石炭の炭質特性は,太平洋炭のよう な低石炭化度炭では,一般に揮発分と発熱量とで示され る.また,このような炭質特性は石炭化度と石炭組織成 分とで規定されるが,発熱量は石炭化度により深く関係 し,揮発分は石炭組織成分の含有量に深く関連する. 石炭組織成分は,石炭堆積盆形成と関係が深く,その 中央部ではデグラディニットにとみ,揮発分が多く,灰 分が少ない.一方,石炭化度は,構造運動と関連するよ うである. *燃料 1.はしがき 炭質の側方変化と炭層の層厚変化との関係を明らかに することは,未開発地域や現在開発中の炭砿における深 部への炭層・炭質変化の予知,予測に対する重要な判断 基準を提供する. このためには,炭層の発達状況,同一炭層内の石炭組 織成分,炭質の各種パラメーターおよび石炭化度の側方 変化を把握する必要がある.しかし,これまでの研究 は,石炭組織成分および石炭化度と,石炭の工業的利用 を考慮した炭質特性との関係(HuNτJENs and vAN:K Ev肌EN,19541ScHAPIRo6」α乙,1961三丸山, ・加戸,19651奥山ほか,19701小島,19713McC andTElcH曲LLER,1972)を論じたものが多く,炭 側方変化と炭層の層厚変化との関係を論じたものは次の ごとくごく少ない. 一587一

太平洋炭砿における炭質の側方変化と炭層の層厚変化との関 …地調月報Bul1・GeoLSurvJapan,vo1・30α⇒,p。587-607,1979 553.94 (524) 太平洋炭砿における炭質の側方変化と炭層の層厚変化との関係について

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地調月報Bul1・GeoLSurvJapan,vo1・30α⇒,p。587-607,1979 553.94 (524)

太平洋炭砿における炭質の側方変化と炭層の層厚変化との関係について

藤井敬三* 佐々木 実* 後藤 進* 曽我部正敏*

丁恥e L魏e職量Va誠魏恥恥o聲Co窺皇P暫o酔e臆量es諭Co㎜しe醜量o期

 w龍恥曲e T恥亘出鵬ss V躍董魏且⑪館o宜重恥e C銀且Se箆職就

   重恥e T箆量勘e量y⑪c⑰題且R疽量聡e,正旺⑪駄監a湛娼o,」題pa期

  Keizo FuJII,Minoru SAsAKI,

Susumu GoTo and Masatoshi SoGABE

A恥s蟹ac耽 The relation between the lateral variation ofcoal properties and thickness varia-

tionofthemaincoalseamofthe亘arutoricoalbearingFormatiQnoftheUrahoro Groupwhichis Oilgocene in age,was studliedl at the Taiheiyo coal mine,

   Thecharacteristicsofcoalpropertiesaregenerallyrepresentedbyvolatilemattercontent

andcalori£c valueinsuchIowrankcoalas theTaiheiyo coalmine,Although coal properties are

controlled:by the degree ofcoalification and tぬe difference ofmaceral contents,calori且c value is

more closely associated w圭th the degree ofcoali且cation than maceral content.Whererasvolatile

m&tter content is more closely associated wit五maceral contents,

   Palaeogeographically,maceral content depends on the position within the coal basin at

the time ofdeposition ofthe main coal seam。The content ofdegradinite and volatile matter

shows the highestat the center ofthe coal basin,but the contents ofboth telinite and collinite are

getting higher andvolatile mαtter content is gettinglower toward the margin ofthe coal basin.

   The lateral variation ofmaceral components is supposed:to represent the difference of

plant communities wllich is the cause ofthe diffbrence ofvolatile matter content。

   The degree ofcoalification does not seem to coinside with the burial depth ofPaleogene

sediments.The area ofhigh coal rank altemates with that oflow coal rank in the rectangular

shapeselongatedin:NW-SE曲ection.As theresult,the coali丘cationseemsto berelated to the

tectonic movement after the deposition ofPaleogene sediments.

要  旨

 北海道釧路市の太平洋炭砿における漸新統浦幌層群中 はるとり

の春採來炭層本層の炭質の側方変化と炭層の層厚変化と

の関係を研究した.石炭の炭質特性は,太平洋炭のよう

な低石炭化度炭では,一般に揮発分と発熱量とで示され

る.また,このような炭質特性は石炭化度と石炭組織成

分とで規定されるが,発熱量は石炭化度により深く関係

し,揮発分は石炭組織成分の含有量に深く関連する.

 石炭組織成分は,石炭堆積盆形成と関係が深く,その

中央部ではデグラディニットにとみ,揮発分が多く,灰

分が少ない.一方,石炭化度は,構造運動と関連するよ

うである.

*燃料 部

1.はしがき

 炭質の側方変化と炭層の層厚変化との関係を明らかに

することは,未開発地域や現在開発中の炭砿における深

部への炭層・炭質変化の予知,予測に対する重要な判断

基準を提供する.

 このためには,炭層の発達状況,同一炭層内の石炭組

織成分,炭質の各種パラメーターおよび石炭化度の側方

変化を把握する必要がある.しかし,これまでの研究

は,石炭組織成分および石炭化度と,石炭の工業的利用

を考慮した炭質特性との関係(HuNτJENs and vAN:KR-

Ev肌EN,19541ScHAPIRo6」α乙,1961三丸山,1965i鳥飼

・加戸,19651奥山ほか,19701小島,19713McCARTNEY

andTElcH曲LLER,1972)を論じたものが多く,炭質の

側方変化と炭層の層厚変化との関係を論じたものは次の

ごとくごく少ない.

一587一

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地質調査所月報(第30巻第11号)

 まず,柴岡(1962,1964)は,石狩炭田において,石

炭組織成分の変化を炭層の生成機構と関係づけ,補正純

炭発熱量および0/C原子数比の変化を石炭化度のパラ

メーターとみなし,同一炭層の石炭化度の側方変化と埋

没深度との高い相関性を論じている.ついで,佐々木

(1967)は,常磐炭田において石炭組織分析から炭質と

炭層の側方変化との関係を推定し,また,無水・無灰基

での発熱量・揮発分と石炭組織・石炭化度との関係を論

じたが,ここで用いられた石炭化度は相対的な値で,他

地域と比較できる汎用性をもたぬものであった.また,

相原(1968)は,石狩炭田において,H/C-0/C原子数

比を石炭化度のパラメーターとし,石炭化度の側方変化

および垂直変化を埋没深度の差異によって説明してい

る.

 しかし,これらの研究結果を総合してみると,炭質の

側方変化と炭層の層厚変化との関係についてはっきりし

た見解は示されていない.その理由として,これらの研

究対象とした地域は,いずれも,地質構造が複雑なた

め,同一炭層の発達状況を平面的に把握できなかったた

めと,石炭化度をのべる際にはいくつかのパラメーター

を用いる必要がある(Dow,1977)にもかかわらず,補

正純炭発熱量のように石炭化度として適切でないパラメ

ーターを用いたり,1っもしくは2っのパラメーターで

石炭化度を論じている点にある.

 そこで,地質構造が簡単で,平面的に広く同一炭層を

追跡できる釧路炭田地域の太平洋炭砿をとりあげ,同一

炭層の層厚変化,石炭組織成分,石炭化度および炭質の

側方変化を検討した.

 なお,本研究を行うにあたり,太平洋炭砿株式会社の

人見和雄保安生産部長にはこの研究の実施と論文の発表

の許可をいただき,同株式会社釧路炭砿の藤野俊郎技師

長,伊藤和之計画課長および計画室の佐藤松男氏には,

野外および坑内で種々の便宜をはかっていただいた.ま

た,地質調査所の佐藤良昭博士には有益なご助言をいた

だいた.これらの皆様に厚く感謝します.

2。麟序および構造について

 2。1麗序について

 太平洋炭砿周辺における層序は,白亜紀の根室層群を

基盤として,古第三紀漸新世の浦幌層群が不整合関係で

重なり,新第三紀,中新世の厚内層が古第三系を不整合

に覆っている(第1図)・

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E-E益浦断層,F-F左十一片断層,G-G石尻断層,H-H米町断層

 第1図 太平洋炭砿周辺の地質図(佐藤ほか,1968)

一588一

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太平洋炭砿における炭質の側方変化と炭層の層厚変化との関係(藤井敬三・佐々木実・後藤 進・曽我部正敏)

 っぎに,古第三系の浦幌層群の各地層について簡単に

説明をする(佐藤ほか,1968)・

 別保礫岩麟 本層は,いわゆる黒玉とよばれ,礫およ

び膠結物ともに暗色を示し,きわめて硬い.礫は,おも

にチャート,黒色粘板岩および輝緑凝灰岩からなる。

 春採爽炭麟 本層は,砂岩,頁岩および砂質頁岩の互,

層からなり,砂岩はアルコーズ質のものが多い.本層中

には6枚の炭層があるが,春採上層・本層および下層を

稼行対象としている. てんねる

 天寧礫岩層 本層は,赤色チャート礫によって特徴づ

けられる雑色の礫岩で,礫は赤色チャート,輝緑凝灰岩

が多く,ひん岩,閃緑岩などがまじる.

 雄別爽炭層 本層は,きわめて側方変化のはげしい砂

岩,頁岩および砂質頁岩の互層で,砂岩はアルコーズ質

であるが,天寧型の赤色チャート細礫もまじる.

 灘水頁岩層 本層は,暗灰一黒色の均質な頁岩からな

る.

 舌辛層は,下位から米町部層,ムサ層および上部層に

3分される.米町部層は,中粒ないし細粒砂岩からな

り,頁岩,礫岩の薄層をはさみ,上部に2-3枚の0鋤8α

化石帯がみられる.

 ムサ層は,泥岩質砂岩を主とし,頁岩,砂岩の薄層を

はさみ,海棲貝化石,有孔虫を多く含む.

 上部層は,ほとんど塊状の中粒砂岩からなり,海棲貝

化石がわずかにみいだされるにすぎない.

 尺別爽炭麟 本層は,暗色ないし灰色の中粒砂岩を主

とし,数枚の05舵αの化石帯を含む.

 この地域の浦幌層群の地質構造は,正断層をともなう

同斜構造をその基本としている.地層の走向はほぼ北西一

南東方向で,傾斜は南西へ4-5。である.また・浦幌層

群は,地層の走向に直角ないし高角度で交わる北東一南

西,北北東一南南西,東北東一西南西方向などの正断層

と,地層の走向に平行もしくはゆるい角度で交わる北西

一南東ないし南北方向の正断層とで大小様々に地塊化さ

れている.新第三系はこれらの古第三系からなる複雑な

地塊を不整合で覆っている.

 本炭砿は,北方は春採断層に,北東方はオソツナイ断

層に,南東方は三津浦断層により境された地塊内に位置

する.さらに,この地塊は,北西から南東へむかって,

米町断層,石尻断層,左十一片断層および益浦断層を境

とする小地塊からなる.春採断層と米町断層とで境され

た小地塊は隆起部を形成し,米町断層一石尻断層間の小

地塊は沈降部で,石尻断層一左十一片断層間の小地塊は隆

起部をなし,左十一片断層一益浦断層間はもっとも沈降し

ている小地塊であり,益浦断層一三津浦断層間はもっと

も隆起している小地塊である.これら小地塊内にも,い

くつもの小断層がみられる(長浜,’19611佐藤ほか,

1968).

3・諸分析結果について

 ここでは,春採本層から26個の試料を採取し(第2図

参照〉,石炭組織分析,ビトリニットの反射率測定,スポ

リニット・レジニットの蛍光波長測定,発熱量・揮発分

・灰分などの工業分析およびC,H,0などに関する元

素分析を行った.以下にその結果をのべる.

 3」 石炭組織分析

 まず,石炭組織成分について説明しておこう.石炭は

種々の組織成分(マセラル)からなり,3つのマセラル

・グループに大別される。ビトリニット・グループは,

植物の細胞組織のみられるテリニット,細胞組織の認め

られないコリニットおよぴ植物の木質部の微細な破片に

由来していると考えられているデグラディニットからな

る.エクジニット・グループは,花粉・胞子・種子に由

来するスポリニット,植物の葉・小枝などの角皮に由来

するクチニットおよび樹脂に由来するレジニットからな

る.イナーチニット・グループは,菌類に由来するスク

レロチニットが大部分を占め,わずかに天然木炭に由来

するフジニ・ットがあるにすぎない.

 さて,組織分析の結果は,ビトリニットが約95%,エ

クジニットが3%強,イナーチニットが2%弱であった.

 したがって,石炭組織成分の大部分はビトリニットか

らなるので,ビトリニットの各マセラルの量比が炭質と

密接に関係することが予想される.前述のごとく・.ビト

リニットはテリニット,コリニットおよびデグラディニ

ットの3っのマセラルに分けられるが,これらのうち・

デグラディニットの化学的・光学的性質がほかのマセラ

ルと著しく異なっている(STACH6孟α」・・19751藤井ほか・

1978b).そこで,デグラディニットの測点数と石炭組

織成分の全測点数(300点)に対する比をもって組織成

分のパラメーターとし,その値を第3図に図示した.

 この結果をみると,デグラディニットの含有量の多い

所は本炭砿地域内の中心部に近いNo・9付近で,等デグ

ラディニット含有量線は北西一南東方向に長軸をもつ楕

円形をなし,周辺にむかってデグラディニットの含有量

が減少し,コリニット・テリニットの含有量が増加す

る.なお,本炭砿地域外の栄和昆沙門坑,栄和5坑にお

いては,デグラディニットの含有量はそれぞれ33%,30

%となっている.

 3。2無水・無灰基における揮発分

 無水・無灰基における等揮発分線を第4図に示した.

一589一

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地質調査所月報(第30巻第11号)

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      第3図 等デグラディニット含有量線図

。印は試料採取地点,数値はデグラディニットのマセラル総数に対する比(%)を示す.

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  第4図 等揮発分(無水。無灰基)線図

・印は試料採取地点,数値は揮発分(無水・無灰基)の%を示す.

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太平洋炭砿における炭質の側方変化と炭層の層厚変化との関係(藤井敬三・佐々木実・後藤進・曽我部正敏)

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地質調査所月報(第30巻第11号)

全体として等揮発分線は北西から南北方向へと逆くの字

形を呈するが,比較的対称形をなしている.

 もっとも高揮発分の所はNo.7地点であり,本炭砿中

央部は比較的高い揮発分値を示し,周辺にむかって揮発

分が減少する傾向がみられる.なお,本炭砿地域外の栄

和昆沙門坑,栄和5坑における揮発分は50%である.

 3.3 石炭化度

 石炭化度を示すパラメーターとして,ビトリニットの

反射率,スポリニットの蛍光性,H/C-0/C原子数比お

よび相対的石炭化度があげられる.

 3。3。1ビトリニットの反射率

 McCARTNEY and TEIcHMむLLER(1972)によると,亜

歴青炭以下の低石炭化度炭め場合,ビトリニットの反射

率は石炭化度のパラメーターとして適当ではなく,また

佐々木ほか(1978)は,反射率の差が約0・1%以内であ

ると石炭化度に有意の差があるとはいえないこ.とを指摘

している.

 さて,第5図の等反射率線をみると,北西一南東方向

に軸をもつ対称的な図形が描かれ,No.7およびNo。9

の地点を中心として,周辺にむかって反射率が高くなる

傾向が認められる.第3図と対応させると,デグラディ

ニットの含有量の多い所では,ビトリニッドの反射率が

低いのに対し,デグラディニットの含有量の少ない周辺

部では,ピトリニットの反射率が高い.この炭砿内にお

いては,反射率の最高値と最低値との差は約0・05%なの

で,石炭化度による炭質の差異を表わすとは考え難く,

むしろ,中心部と周辺部におけるビトリニットの根源物

質の化学的性質の差異に基づくものではないかと考えて

レ、る (藤井ほか,1978a).

 3。3ユ スポリニット・.レジニットの蛍光性

一般的に,石炭中に花粉・胞子・樹脂などが含まれて

いる場合,ある短波長の光をそれらにあてると,.そわら

はある特有の波長の蛍光を発する.そして,それらの蛍

光スペクトルの最大光度を示す波長が,石炭化度の進行

とともに,長波長方向へずれていく(GIJZ肌,1967)。次

にその測定方法を説明する.

蛍光性の測定には,ライツ製自動測定用顕微分光光度

計MPV2型を使用した。第6図のように,光源の超高圧

水銀ランプの光は励起フィルターを通過して,365nmの

単色光となる.・この光が上記の物質上に落射されると,

それらの表面からその物質特有の蛍光を発する.この蛍

光は,自動干渉フィルターによって分光され,その光度

は連続的に測定される.なお,測定の際の倍率は約400

倍である.

 自動干渉フィルターは,334nmと751nmの間を分光

11 10

9

121314

2

01

4

37

6

          51 超高圧水銀ランプ,2 電力供給安定装置,3 励起フィルター

,4 ダイヤロック鏡,5 サンプル,6 対物鏡,7 MPV筒,8

測定絞り,9 連続干渉フィルター,10光叢子増倍管,ll X-Y記録装置,12 測定照明用変圧器,13 連続干渉フィルター用制御装

置,14光叢子増倍管用高電圧供給装置

     第6図 蛍光用測定装置

し,その間の各波長の光度は連続的にフォトマルチプラ

イヤーで増倍,記録され,最大光度を示す時の波長が算

出される.

 花粉および胞子の場合,それらの属種が異なると,そ

れぞれの蛍光特性が異なるため,個体をとりだし,属種

を決定してからその蛍光性を測定すべきである・しかし,

一般に花粉および胞子の種まで決めることは困難であ

り,異なった地層から共通の種を見つけだすこと,は非常

に難しい.つぎに,樹脂の場合,その化学的性質が同一

のものを選びだす必要があるが,、このことは不可能に近

い.そこで,花粉・胞子・樹脂などを個体として取りだ

さないで,研磨片を用いてスポリニット・レジニットの

蛍光性の測定を行った(OTTENJANN6」α」・,1974)・この場

合,エクジニット含有量のもっとも多い試料では,ス

ポリニットを約60個,レジニットを約30個測定できた.

しかし,通常の試料の場合・スポリニット・レジニット

の含有量は1個の研磨片内でそれぞれ15ないし20個程度

にすぎないので,それぞれ15ないし20個の測定を行い,

個々の最大光度を示すときの波長の平均をもウてその試

料のスポリニットおよびセジニットみ蛍光波長とした.

 この場合の基本的考え方として,スポリニット・レジ

ニットの蛍光性は前述のとおり属種または化学的性質に

よって異なる.しかし,地域的にごく狭い範囲では,地

質学的に短い時間にかぎればスポリニット・レジニット

一594一

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18ゆ

●506

500

503

凱99 49

●502

.500

.493

妨   q)o》  く》v   々》

503

.506

ち(》ち  ・504

ら03

。499

始0

493‘

。494

591

496●

499

503

・505

598

     500

0 1 2

ら  

 1

4991

3km

      第7図 スポリニットの等蛍光波長線図数値はスポリニットの蛍光光度が最高を示すときの波長で,nmを単位として示してある.

5。9も

が\

冴網聴黙翼π

q餌

海癖

3室

誌誉飴灘圃

o蜘徊瀕き伴

o脇痢

繍導輝川

沸々

卦凝

燃鶏

皿難幾田露

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’01

畠9(》

18の[

___タ曼

●487

0487

◎一490

0486

為6

ム95

ムるo

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495

・49t

0

ρ

492

0489

,ノ②も

.489 4go9

498・

0435

・483

●488

4皇3

8瞭

qロ

0 1 2 3km

      第8図 レジニットの等蛍光波長線図

数値は,レジニットの蛍光光度が最高を示す時の波長で,nmを単位として示してある.

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太平洋炭砿における炭質の側方変化と炭層の層厚変化との関係(藤井敬三・佐々木実・後藤 進・曽我部正敏)

の属種や化学的性質の差異は少ないと考えられ,ある程

度以上の石炭化度の差異があれば個々の蛍光波長が相対

的に長波長の方へずれていく傾向が認められ,約10nm

以上の差があれぱ石炭化度の差があることが佐々木ほか

(1978〉により指摘されている.

 この地域でのスポリニットの蛍光波長の測定結果を第

7図に示す.これによると,全体として等蛍光波長線は

北西一南東方向にのび,地域の南西部から南東部にかけ

て長波長を示す区域があり,北部に短波長を示す区域が

ある.また,地域縁辺部において,北東および南東方向

に長波長となる傾向が認められる.

 つまり,南西部から南東部にかけて石炭化度が高く,

北部および北西部で着炭化度は低い.このように,全体

として,北西一南東方向に長軸をもつ石炭化度の高い区

域と低い区域とが分布している.

 つぎに,レジニットの蛍光性については,佐々木ほか

(1978)により,スポリニットの場合に比べ蛍光波長と

石炭化度との関係の信頼性がやや劣ることがのべられて

↑t5

1.0

α5

Q25

いる.レジニットの蛍光波長の測定結果を第18図に示

す.これによると,全体として,南西部から中央部にか

けて長波長の区域があり,北方および南北にむかって短

波長となる傾向がある.全体として,東西ないし西北西一

東南東方向にのびる石炭化度の高い区域と低い区域とが

交互に分布する.しかし,レジニットの場合,蛍光波長

の差が比較的小さいのでこれらの結果のみから結論をう

ることは難しい.

 3・3・3H/C-0/C原子数比

 vAN KREvELEN and8cHuYER(1957)は,石炭を構成

しているおもな元素は,炭素,水素および酸素なので,

石炭化作用とこれら元素組成変化との関係を研究し,

H/C-0/C原子数比ダイヤグラム上で石炭化作用の進行

にともなう各組織成分の化学変化過程を明らかにした.

この結果を第9図に示した.また,TlssOT6砲乙(1974)

による石油の根源物質といわれているケロジェンに関す

る化学組成変化も同図に図示した.

 このダイヤグラム上に,石狩炭田夕張地区 (柴岡,

1964),釧路炭田地域(藤井ほか,1978b)および当炭砿

第1表 太平洋炭の元素分析結果について

試料番号

12

      ノ

ダタ     4       9m

¢   0               0、10              0.20

                 一%

  第9図 H/C-01C原子数比ダイヤグラム横軸は0/C原子数比を,縦軸はHIC原子数比を示す.ダィヤグ

ラム中,打点された領域はビトリニット,横線の領域はエクジニット

の石炭化度にともなう化学変化(矢印にて示す)の範囲をそれぞれ示

す(vAN KREvELEN8‘砿,1957)。Hはエクジニットタィプのケロジ

ェンの,皿は高級植物起源のケロジェンの化学変化をそれぞれ意味す

る(TlssoT6≠砿,1974)・1から5までの領域は,日本炭の分析結果

からプロットされたもので,1から3は石狩炭田夕張地区(柴岡,

1964),4は釧路炭田地域(藤井ほか,1978),5は太平洋炭砿を意味

する.なお,破線は石炭化作用の進行にともなう釧路炭の化学的変化1

方向を意味する.

K-2K-7K.一9

・K-21

K-22

K-25

K-29K-30

K-34K-36

K-38K-4:3

K4些K-47

K-50K-51

K-53

K-55K-57

K-58

K-68

炭素(%) 水素(%)

75.9

78.0

76.6

76.2

76.3

76.1

75.0

75.1

76.0

76.2

75.7

76.1

75.4

76.8

76.1

77.0

75.9

75.9

76.3

75.7

76.5

・酸素(%)1縛辮

6.8

6.4

6.6

6.8

6.8

6.8

7.0

6.6

7.0

6.9

7.2

7.1

6.8

6.9

7.1

7.0

7.0

6.8

6.8

7.1

7.1

16.0

14.2

15.6

15.7

15.6

15.6

16.7

17.1

15.7

15.6

15.7

15.4

16.4

14.9

15.3

14.7

15.8

15.9

15.7

15.9

15.1

酸素/炭素

原子数比

1.0676

0.9777

LO2671.0634

1.0620

LO648

Ll1221.0≦72

1.0975

1.0790

1.1334

1.1118

1.0747

1.0706

1.1118

1.0833

1。0990

1.0676

1.0620

1.1176

L1059

0.1583

0.1367

0.1529

0.1547

0.1535

0。1539

0.1672

0.1709

0。1551

0.1537

0.1557

0.1519

0,1633

0.1456

0.1509

0。1433

0.1563

0.1573

0。1545

0.1577

0.1482

原子量懸i難1

換算係数{鶴麟癬難 11.916180.75073

一597一

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地質調査所月報(第30巻第11号)

での元素分析結果(第1表)をプロットした.この結果

から,これら日本炭の平均試料の化学的性質は,VAN

KERvELENandScHuYER(1957)のビトリニットとエクジ

ニジトとの中間的性質またはTIssOTθ♂畝(1974)によ

る豆タイプケロジェンと皿タイプケロジェンとの中間的

性質を示すと推定される.ただし,VAN KREVELEN and

SCH㎜R(1957)の分析したビトリニットはテリニット

およびコリニットからなり,デグラディニットは含まれ

ていない.

 つぎに,石炭化作用の進行にともなう目本炭の化学変

化の過程を考えてみよう.第9図のダイヤグラムで1-

5の領域に関し,化学変化の方向性を考えてみると,5

→2→1の系列と,4→3→1の系列が想定される.こ

のことから,5の領域で示される太平洋炭砿の石炭化作

用にともなう石炭の化学変化の方向性は,第9図中の破

線で示される≧返牢した.このような方向性は・高橋

(1959),石炭技研(1973)および高橋・相原(1977)に

よっても示されている.

 この仮定にもとづいて,本炭砿の各地点での分析値を

H/C-0/C原子数比ダイヤグラム上にプロットした(第

10図).つぎに,第9図の破線の方向に直角に等間隔で

4分し,石』炭化作用の遅れている区域から進んでいる区

域へと1から4まで区分した(第10図)・

 この結果によると,H/C-0/C原子数比による石炭化

度は,本炭砿の北西部に石炭化度の高い区域があり,北

東部をのぞけば周辺にむかって石炭化度が低くなる(第

12図).

 3・3・4 相対的石炭化度

 これは佐々木(1967)による相対的な石炭化度表示法

を意味する.すなわち,亜歴青炭のような低石炭化度炭

では,第11図の無水・無灰基での発熱量一揮発分ダイヤ

グラム上で,斜めの平行線上にプロットされる石炭は同

一の石炭化度にあることを意味し,右上方にむかって石

炭化度が高くなる(佐々木,19673藤井ほか,1978a).

そこで,同一石炭化度線に平行に等間隔で5本の線を引

き,このダイヤグラム上にプロットされた各点を4分

し,石炭化度の低い方から高い方へと,1から4まで区

分した。

㌦12

↑1.1

1.0

O,9

4    ㊥⑲43     ⑭ 68⑱50     29・晶\舞4畠

易翼弊2

・\ 

30

0.13 0.15 017

                    →%

      第10図 HIC-0!C原子数比関係図

大文字の数字は相対的石炭化度を意味し,低炭化度から高炭化度へと1から4までの4段階に分

けた.小文字の数字は試料採取地点の番号.

一598一

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太平洋炭砿における炭質の側方変化と炭層の層厚変化との関係(藤井敬三・佐々木実・後藤 進・曽我部正敏)

(申

o℃

8000kc(ユし!kg

〈 7500>

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u

7000

   7㊥

      51

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        109

 

53

 

30103

⑱121

⑱122

4321

55 50・/。

VQしAT1LE MATTER CONTENT(d.α,f)

          第11図 相対的石炭化度表示図大文字の数字は相対的石炭化度を意味し,低炭化度から高炭化度へと1から4までの4段階に分け

た.小文字の数字は試料採取地点の番号. なお,d.a.f。はdry,ash,freeの略語で,無水・無灰基を意味する.石炭試料から不燃性の水分と灰分とをのぞいた部分を純炭とよび,これは揮発分と固定炭素とからなる.無水・無灰基での発熱量および揮発分とは,純炭についての値として次の式により求められる.ただし,発熱量を求める揚合には,灰分含有量の補正が必要で,ここでの場合1.08を掛けて灰分含有量とした(佐々木,1951).

          発熱量または揮発分XlOO 発熱量または揮発分=   (無水・無灰基) 100一(水分(%)+灰分(%))

~599一

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地質調査所月報(第30巻第11号)

 この結果によると,本炭砿の南西部から南端部にかけ

ての区域と北東部とに高石炭化度を示すところがあり,

中央部よりやや北方に北西一南東方向に低石炭化度を示

すところがある(第12図)・

 3・3・5石炭化度のまとめ

 これまでに,ビトリニットの反射率,スポリニット0

レジニットの蛍光性,H:/C-0/C原子数比および相対的

石炭化度の測定結果をのべてきたが,現在のところ,石

炭化度に関する絶対的尺度はないと言われている(HoOD

and CAST面o,1974).低石炭化度炭の揚合,石炭化度

のパラメーターとして有意の差を示さないビトリニット

の反射率の測定結果をのぞいて,その他のパラメーター

の測定結果に基づいて総合判断することにした.このた

めに,H/C-0/C原子数比や相対的石炭化度による石炭

化度区分のように,スポリニットおよびレジニットの蛍

光性による石炭化度区分を試みた.

 まず,各地点におけるスポリニット・レジニットの蛍

光性は,石炭化度が進むと蛍光波長が長波長に変位する

ことから,それぞれの蛍光波長の測定結果を短波長から

長波長へと等間隔に4区分した.すなわち,スポリニッ

トの蛍光波長の場合,4nmきざみに,494-497nm,

498-501nm,502-505nm,および506-509nmと1から

4まで区分した.同様に,レジニットの場合は5nmき

ざみに,482-486nm,487-491nm,492-496nmおよび

497-501nmと4区分した,

 ここで,各地点でのH/C-0/C原子数比,相対的石

炭化度およびスポリニットおよびレジニットの蛍光性に

よる石炭化度区分を,第1,第2,第3および第4象限

に表示した(第12図).

 この結果によると,各点におけるそれぞれのパラメー

ターによる石炭化度区分のばらつきは少なく,石炭化度

のパラメーターとして信頼度の低いレジニットの蛍光性

の場合でもほかの区分に比べ著しく異なる値を示す所は

少ない.

 そこで,第12図に示された各地点での各パラメーター

の石炭化度区分値を合計し,その平均値にしたがって相

対的な石炭化度の差異を検討してみよう(第13図).第13

図によると,本炭砿の南西部に北北西一南南東方向にの

CQl-VM H’C-0’C

SP   Rs

1い

丁厄

丘に

 71ぎ

     311      312     市  /517         3i2       312/百1下

   111   312    312-1担墜  耳1τ

        三1主        312

  、、1、11          __η2

     312

0

212了1穿

1

1之ノ皇1≧ノ霧/

  21212ク!

2

4 2

413211

214製L211

3km

412313

     第12図 石炭化度の各パラメーターによる石炭化度区分図

各地点におけるHlC-01Cダイヤグラム(HlC-0/G),相対的石炭化度(Cal-VM),スポリニットの蛍光性(Sp)お

よびレジニットの蛍光性(Rs)による石炭化度区分(1-4)の数値を,それぞれ,第1,第2,第3およぴ第4象限に

表示した.なお,空白の部分はデータのないことを意味する.

一600一

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太平洋炭砿における炭質の側方変化と炭層の層厚変化との関係(藤井敬三・佐々木実・後藤 進・曽我部正敏〉

びる石炭化作用の進んだ区域があり,周辺にむかって石

炭化度が低くなる傾向がある.しかし,北東端部におい

てふたたび石炭化度が高くなる.

 3.4無水・無灰基における発熱量

 第14図に無水・無灰基における等発熱量線図を示し

た.等発熱量線は北西一南東方向にのび,本炭砿の南西

部では高発熱量を示し,中央部よりやや北東部に低発熱

量を示す区域がある.さらに北東方にむかって発熱量が

高くなる傾向が認められるが,地域外の栄和昆沙門坑お

よび栄和5坑において,それぞれ,7,440kcal/kg,7,400

kcaL/kgと低発熱量を示す. したがって本炭砿および周

辺地域を含めて,もっとも発熱量の高い区域はNo.7地

点を中心とする本炭砿の南西部であると考えられる.

 3・5灰分含有簸

 第15図に灰分含有量の分布を示した.図から明らかな

ように,大きくみると,本炭砿中央部付近に低灰分含有

量の区域があり,周辺にむかって灰分含有量は増加する

傾向が認められる.

4.考  察

 石炭の炭質特性は,石炭化度と組織成分の差異とで規

定される.この揚合,一般に炭質は無水・無灰基におけ

る発熱量および揮発分を意味する.

 まず,発熱量と石炭化度との関係についてのべる.第

14図の等発熱量線図と,第12,13図の石炭化度を示す各

パラメーターの石炭化度区分図とを比較すると,7,800

kca1/kg以上を示す高発熱量の区域と各パラメーターの

石炭化度の高い区域とはよく一致し,また7,750kcal/kg

以下の低発熱量の区域と石炭化度の低い区域とはよく一

致し,両者の相関のよいことがわかる.

 つぎに,揮発分と石炭組織成分との関係にっいては,

第3・4図からも明らかなように,本炭砿南西半部の揮

発分の比較的高い区域はデグラディニットの含有量の高

い区域と一致し,ともに周辺にむかってそれぞれのパー

/〆  /

          30      臆Jl鎌三、

グ3薫『\義纂乞

・1.8

     甲 /グ2・5\      θ25  _1,3.  _ノ \ノ

  へ3 /%鰯9

   轟一一薫

.ノ 

   ヨロ り

/.

          0 3.01 2

  /ノ 3‘0う

』)

グ・2.5

3kmル9

    第13図 各パラメーターの石炭化度区分値の等平均値線図

小文字の数字は各パラメーターの石炭化度区分値の平均値を示し,大文字の数字は等平均値線の値を意味する.

一601一

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7859

7800

18ゆ

1 ノ

7750

760 7700

77QO .7700

.7580

ラ640

~7700

7§69

97619

7693●7723●

ヘヘぢ◎

79007800

 /●7758

    ママお

7637Nα7.7913

7800 7829●

◎7717

7750 7758.

0 1

7菖74

2 3km

7775

.7800

8曝

     第14図等発熱量線図数字は無水・無灰基における発熱量で,単位はkcal/kgである.

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28め

1

010.2

8.9

08.49%ミ嵐

9.Q

14,6

11.0

0甲0

9.

9,5

9.4

ε5・ 8.0

7,9

θ・0

㌔.1

.6

7ZO

11.4

10.0

0

010.9

70.0

9.5

84  8,0

  第15図 等灰分含有量線図

数値は灰分含有量を%を単位として示してある.

1

10.4

10.4 83

     Nq9

ジ◇      18.O

2

9.30

、、9

3km

 12.4

も9

&ず

~~∫)

冴網聯黙黄π

耳が

灘腐

o酸計洲宍伴灘面

畠愚誉伴

o膿粛

製導鐸田

富為

斗海

黙鶏

曝聾嬰臣韓

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206

18か

1書3

1望5

   の0    196176

一_」昌7

237

2害5

0244

茜5

2亀6

2竃o

2,90m

 フ 

289

221

2暑4

2.70m

242

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~50

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0288

 ㊧319㊦

3Q、

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\\

2暑1

2382フQm

275 0

 265

㊥283

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2.9Qm

多3

269

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\第16図 春採本層の等層厚線図

・印の小数宇はcm単位で示してある.

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太平洋炭砿における炭質の側方変化と炭層の層厚変化との関係(藤井敬三・佐々木実・後藤 進・曽我部正敏)

センテージは減少している.

 つまり,藤井ほか(1978b)によってすでに指摘され

ている通り,低石炭化度炭では,発熱量は石炭組織より

も石炭化度により深く関係し,揮発分は逆に石炭組織に

深く関係している.

 ついで,石炭組織と炭層堆積の場の関係について考察

しよう.第16図に春採來炭層本層の等層厚線を示した.

第3図と第16図とを比較すると,炭層の厚く発達する所

では,デグラディニットの含有量の高いところとよく一

致する.一方,炭層堆積盆の周辺にむかって,デグラデ

ィニットの含有量が低くなる.逆に言うと,堆積盆の周

辺では,コリニット・テリニットからなるビトリニット

の含有量が高い.こうした関係は,炭層堆積盆内の植生

の差異に起因することが想定される.すなわち,堆積盆』

の周辺では木質部の多い樹木類が生育し,堆積盆内部で

は木質部の少ない草本類が生育していたと思われる(佐

々木,1967)。

 また,灰分は堆積盆の周辺に比較的多く沈積し,中央

部での灰分の沈積は比較的少なかったと思われる(第1与

図)。

 最後に,石炭化度と埋没深度との関係についてのべて

みたい.一般に埋没深度が深いほど石炭化度が高くなる

と言われている(EooDand CAsT贈o,19741工藤,19753

相原,1977).本炭砿地域および周辺地域で等層厚線を

描けなのは春採來炭層のみであるが,岡崎(1966)に

より,浦幌層群の層厚変化は,海域南部に向かって肥厚

する傾向が明らかにされている.しかし,第1図から明

らかなように,当地域の海域における中新世の厚内層

は,浦幌層群上部を削剥して尺別層ないし舌辛層を直接

不整合に覆っている.そのため,釧路炭田中一西部にお

いて浦幌層群を部分的不整合で覆う海成の音別層群(上

部古第三紀)の堆積量については全く資料を欠いてい

る.したがって,古第三系全体の埋没深度は明らかにで

きないので,ここでは春採本層,春採來炭層及び浦幌層

群の層厚変化と着炭化度との関係を検討する.

 まず,第12,13図の石炭化度の差異から埋没深度を推

定する.すなわち,本炭砿の南西部に北西一南東方向に

長軸をもっ長方形(幅約2km×長さ約6km)の区域と,

北東部に同方向の長方形(幅約1・8km×長さ約7km)の

区域とが想定され,前者の区域の石炭化度が高いことか

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第17図 春採爽炭層の等層厚線図

  小数字はm単位で示してある.

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地質調査所月報(第30巻第11号)

ら,前者の区域は後者に対し相対的に沈降していたと推

定される.

 こうして推定された区域の形態は,春採本層の炭層堆

積盆の形態(第16図)とは一致せず,第17図の春採來炭

層および浦幌層群の等層厚線図から推定されるそれとも

一致しない.つまり,北西部について,春採來炭層が

厚く発達するにもかかわらず,石炭化度は低く,一方,

北東部では地層が薄いのにもかかわらず,石炭化度は高

い.したがって,現在のところ当地域では石炭化度と浦

幌層群の層厚変化との直接的関係はなさそうである.

 すでに述ぺたように,各種石炭化度のパラメーターか

ら推定された地塊の方向は,釧路炭田春採地区に支配的

な北西一南東方向とそれに直角ないしは高角度で交わる

断層とによる地塊の方位とよく一致する.このことか’

ら,相対的石炭化度から推定される地塊の形成は,春採

地区に支配的な地塊化運動と関係しているのではないか

と思われる.これら地塊化運動の行われた時期は,長浜

(1961)によると,北西一南東方向の断層の生成時期は

それに直角ないしは高角度で交わる断層の生成以前かま

たは同時期であり,古第三紀浦幌層群堆積後である.そ

して北西一南東方向に直角ないし高角度で交わる断層群

は,新第三紀厚内層に覆われることから,これら地塊化

運動の行われた時期は浦幌層群堆積後厚内層堆積前と思

われる.したがって,石炭化作用は新第三紀厚内層堆積

前に完了したと堆定される.

 しかし,現在,炭砿内において,このような地塊化の

証拠はつかめていない.いずれにしても,石炭化度の差

異は炭層堆積後の構造運動と関係があるもの(藤井ほか,

1977)と思われるが,今後の大きな問題点である.

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