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玉繭品種「玉小石」の特徴について 誌名 誌名 大日本蚕糸会研究報告 巻/号 巻/号 58 掲載ページ 掲載ページ p. 1-8 発行年月 発行年月 2010年12月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

玉繭品種「玉小石」の特徴について · 玉繭品種「玉小石」の特徴について 誌名 大日本蚕糸会研究報告 巻/号 58 掲載ページ p. 1-8 発行年月

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Page 1: 玉繭品種「玉小石」の特徴について · 玉繭品種「玉小石」の特徴について 誌名 大日本蚕糸会研究報告 巻/号 58 掲載ページ p. 1-8 発行年月

玉繭品種「玉小石」の特徴について

誌名誌名 大日本蚕糸会研究報告

巻/号巻/号 58

掲載ページ掲載ページ p. 1-8

発行年月発行年月 2010年12月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

Page 2: 玉繭品種「玉小石」の特徴について · 玉繭品種「玉小石」の特徴について 誌名 大日本蚕糸会研究報告 巻/号 58 掲載ページ p. 1-8 発行年月

蚕糸会liJffl~ 58月 'i;~ 山 ~j~ • IHi誠i本実.~:j1:似:L[~l ・飯田の り こ子 ・鶴井裕治

玉繭品種「玉小石」の特徴について

常山 泉 l・筋誠珠実 2・高橋弘i車3・飯田のり 子 l・鶴井硲治 l

l蚕業技術研究所,fillHの芽 STUDIO,:3大門屋

IZUt'M TSUNEYAI¥l[A, TM/[Arvfl SUJIKAf, HIEONAO TAKAHASr-u, NOEIKO lroA and YUJf TSUEUI:

On the characLeristics of a silkworm race 'Tamakoishi' for obtaining double cocoons目

緒 Eヨ

一日!以上のカイコによって1'1られる 1<正|討は, r.i'羽生庄の1/'で偶発i'JZJにできる大形の|焔て、ある。

7h米ト|本には, この H4r~~の糸を時繰り器で引き,和11 を織る文化があり,今でも各地のギ111 の n 地において

kfú~j の需裂がある。しかしその-}:jで,糸がほぐれにくく機械縦糸ができない王闘は, Ll'it uIIiで取り r!1きさ

れる」ーに,その主主計Jにも手11,:-]がかかることから, 府耐|司慌に倣われ処分されることも少なくなし)力11えて,

|与|内の長白出家数が下},余りに激減している羽イ1:, Hil庄の +,jl~j を人Tーすることは ~I 常に閑却な状引になっ

ている。

五三業技術1i)1究所では, -fr:;,]と和小平~i j, LIlを育成長材にして, 1五~W油五前副嗣I~向~1 を竹作τ りやすしい、↑ド判'1.1一質を Jド拍持~j守f一つ|五{端吊fi陥耐耐(1泊伽1;耐iHjlJl日

をIJ附jH川i円J充しfたこo 木I似川u川|究では, 1卜eノバ小l卜¥イ石二与iJの |卜五、<jî,正H陥耐I~:向w川Jド川/ぺ性1:,予川江同此陀j';巨LL11令f白f古能i出巨UJ;をを|町町川リv閃一-J らかにするために, l:oj {I肢をJ'IJ~ ¥た上肢試験を尖

胞し, 1司 Jill取の_kltl~j歪タ合を ~û,',jべた。

その結果, r -li.小イ二iJが高いJ{, ftl~~ '1 :, ~f7能力を持つ出品加であることが昨かめられた 。 また, 1弔小石」の

I{,糸と生糸でι1:'I'f1K:IIIをI試作したところ,その仕上がりに軽さと, これまでの作"1江主111にはみられない上質な

うt沢が忍められたので、~/~白 首る。

水文に先立ち, ζ日VJ言Iと資料の提供をしてmいた元蚕糸・毘1L農業技術研究所蚕育相IUf究チーム長111木

俊雄同一仕,取7;:l長コ 大学大学院教授9l在木即時 1:, 三fJ壬K:i,j 1'ï'i~w工学 (1)1 究所半!豆銀j山氏, きもの文化liJl究家l一|ー1

谷比佐子氏,中111 の製刊にご協力 lÚ~ 、た JJllli本手織L/"'Iごl利 I i'd 長加藤改石氏,同職員各L'L n'~~ -4,: B'W~~i社長n~i本十ll

犬氏,繰糸間在にご/jjh)J1I'iいたTh糸科学lUl究Ivi'l民l係各位,また, 卜Ji;試験にご|高力 m~\ た蚕業技術Ii! I 究所

前府保氏,海老JJ;( ひろ 了氏ならびに本稿のl~'jl~~j をして 11弘、た|司 1i) 1 究所所長ヂ|上正 IW-I:,インド繊維省11'央

蚕糸町 P.Java1'amaHaju氏に深く感謝の,丘をiえするo

材料と方法

1. 上藤試験 (A)

,:iU肢は, 平成18i-l:.初秋盗WJと平成19イド晩秋蚕JUJに蚕業技術lu/究所でそれぞれ行った。「玉小石jは, I,;,j

{本別に rBWTxBWlく(以下,BWTU休)Jと,その!lE交配の IBWKXBWT (以下,BWKI立件、)Jを1jbよし,対照にはゴ |つi, f~T~j :fuの実用品極 「 liリ l ・ 1:::1 X取・海 ([:::1本版同体)J討をJoI=Jいた。名I11I!l紐は,それぞれ10

蛾|ヌから得た軒、化由i&の脱出0,3g を ;:-/よ3 し,これを 1:~} き 立 て, 3齢まで交キHAl1川和蚕人 r飼料(くわのは

な, iH).!ョ ~~Hfí~至人 u河半、|センタ一製)で飼育した。 4 帥より 君主主育に移し,その 2 1-1同に各品障のIil'i数を

450fiJiに揃えた。また, 5齢JUJには柔不足にならないように旬1-13 日桑を l予え, 逝'?ì~'íi日n苛した。 |二放は,カ

イコの状態が全体的に過熟さみとなるタイミングで行 った。 1-:7J主ブ'j(1、は,新聞紙を蚊L、たサン ピー蚕箔上

に|土(イ:1三政(合成樹脂製の山WJ;J夫)を載せ,ここに熟蚕400fiJiを均等になるようにばら撒き,これらの逼い:-1¥

しを|山ぐネットを被せた (1ヌ11)0 -' 政 1/" のlJitl克は il~U支 280

C とし,また,併じょを良く甘るために扇風機を

;没世して,迫田と除tiJに努めた。収品jと毛羽取りは, 1:政から 7I三1@に行った。全ての酬を振り山し, 玉

耐!と 1'fl. fúHを分けた後,それぞれの耐を作ったカイコの IiJ'i数(全蚕数)を制べ,それらをもとに -1 ;' W[~j 蚕歩合[(玉

酬を作った全奇数) -7- (15, lil~~ と j p酬を作った全面数) X 100JをJ,71i~した。

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2 fT小企dの特徴

[~[ 1. I~I"手放に['.族 した 「ニトソトイ':i J

(メE 遣い山し[V.IIUlJのネ y 卜を被せた状態)

2. 土産試験 (8)

試験は, r 七小石」 の大51:飼育による尖J日試験と付出つけ,、|え成20{fl~~秋蚕 W] と平成211r初秋蚕JU] に 当

li)1究所でそれぞれ行 った。

a)平成20年晩秋蚕期

r~[~川河'.:í J は, BWT 団体とBWKIiJ体をfjbIんした。J:J休日1]にそれぞれ60蛾|ヌから得た附化凪後のj!主査

を 1区当たり0.3g計毘し,これを10[ヌずつ掃き立て, 3 i/ii自まで交~\(í凪),[:]Ht蚕人工飼料(くわのはな)で

飼育ーした。 4齢より桑葉台に移し,その 2[~ [ 1::[に係区の部数を450 IiJ'iにJiiijえた。 5齢WJの飼育法, 卜JK

のタイミングおよび /:.JJ.主出J~j~ は n可頃(1)に準じ,政一枚当 たり支払蚕400]lj'!を投入し,各同体につきそ

れぞれ4 ,000 lÌJ~!上族した。収繭は|二百二から 7 1:- 1 同に行い,毛ユþ]取り後,全ての lil~j を振りI:U し, k耐とip.繭

を分け,それぞれの収民を量った。それらをもとに全収It~jilllこ対する ーkft1lJ の収記ーの~f-ì (!G:宜上じ)をm休日11 に算出し,この{[I~:をそれぞれの玉 141~j抵 il)合の近似値としてJ:I1いた。

b)平成21年初秋蚕期

r~[~.小石」は , :;:V1&20{:r::1晩秋盗j切と問機に BWT-/i.J休と BWKL:):体を供試した。月休日11にそれぞれ80

蛾区から何た肺化直後の雌査を 1[天当たり 0.4g ~Hf1:し , これを15区ずつ招き立て, 3齢まで交維部1l1f住

蚕人Tft;;]~:;↓( くわのはな)で飼育した。 1[齢より柔*育に移し,その 2 仁!目に各|ヌ の TIJi数を 570 IiJiに揃

えた。 5ii1ii JUJの飼育法,J二践のタイミングおよひJ二技場J克はTIIiSJ1 (1)に準じ,政一枚当たり熟益550

1iJlを投入し,各自体にそれぞれ8,250IiJLL践した。また,収酬は, J-抜から 7日目に行い, [~.繭蚕少合は

liirr貞 (2-a) に準じて町付叫リにX1I出した。

3. 紬の試作

仙の製作は, 1JII除手織牛首都i1 (製糸二u易・石川県)と藤本商);g(染色力11コTl易・京都府)で行った。原

料となる繭は, Nij現 (2-a) に記載 した平成20i:[::1晩秋蚕WJ の!州人j試験で収穫した「玉小石」のìì輔副と - [~

尚jを1'1:]いた。-200CでJイ;ìrf~ {採1干した11加を|二|然陥Jj取し, W.ゆjと玉百向にう子け, それぞ‘れ耐100粒1'5U立をーーまとめ

にして座繰りした。陸繰生糸は, ソーダ版とマノレセル石!被を混合したアルカリ精練斉IJで;:Ni献したo Lji.繭か

ら守|し、たλ1:糸を経糸に, 玉胸からIj1いた=k糸を緯糸に使って rr=:j機で,出・を織り j..げ,糊抜きとilil抜きをした

後, 引き当主めした。

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蚕糸会fr}f報 58号。 常山 泉 ・筋誠f朱笑 ・高橋弘直 ・飯mのり子 ・餓井尚治 3

結果

1. 上藤試験 (A)

BWTおよび BWKI司会体の 「玉小石Jと, ジ!こk繭蚕 Il胡 ・日×東 ・海jの熟蚕400 iij1iをそれぞれ族一枚に

投入し,玉繭蚕歩合を;;J!iJべた(表1)ロ

、i!.成18'L1初引く盗!引の「玉小石」の玉繭歪歩合をみる と,供試母体に よる差呉が認められるものの (χ2-test,

p <0.05),同歩合は, 1'-1:休に関わらず 「朝 ・日×東 ・海jよりも顕著に高く , IミI~小石」 が玉繭を作りや

すい性質を持つ蛮J171艇であることがわかる (x2-test, p < 0.05)。 この場合, I::E小石」の玉繭蚕歩合は

BWT liJ体で24.4%,BWK団体では36.8%とな り, r制 ・11X*・海」の少合6.0%のそれぞ‘れが)4.1倍と約

6.H'1;tこ相当した。

同隊の(ぜire'Jは,平成19'.:1':1晩秋蚕則にも認められ, 1玉小石」の玉繭査渉合は母体に関わ らず 「明 ・lミIX東 ・

出」のそれよ りも若 しく 向か った (χ2-test,p < 0.05)。同歩合は BWTI:iJ・休で23.4%, BWK J:fJ・体では27.0%

となり, これは,「liリ1・卜IX京 ・海」の歩合2.5%のそれぞれ約9.4倍ーと約10.8倍に相当 した。

今Inlの:k繭査少合の訓査では, BWK 月休が BWT国体よりも歩合が高くなる傾向が認められたが,そ

のープJで kf:仙jをflらなかっ たm繭の計量J[;質については, B'vVT 司会体の仙がl布くな る傾向がみ られた。

2. 上藤試験 (8)

平成20il:.1晩秋蚕則は, 当l!Jl究所内で大足飼育ー した BWTおよ び BWK何休の 「ミr小石」の熱蚕を母体日IJ

lこ説一枚当たり 400頭投入し,玉|摘歪歩合(電量換算)を調べた(表 2)。

各回休につきそれぞれ4000頭上談した結果, ミI~ ゆJ蚕歩合 は, BWT 国体で26.2%,BWK 1司休では26.9%

とな った。この大量飼育によ る実!日試験においても玉尚j蚕歩合が,J二政試験 (A)の場合と 同様に高 くなっ

たことから, 13ふ小石」 が実用性の高い蚕J!J~j Hで、あることが1íW!かめられた。 ま た, 毛羽取り後の単繭と J;.WI~j

をみると ,いずれも繭形良く ,外部汚染繭(営繭1-[ーlに他のカイコの排地物によって汚された胸)も少なかっ

た([玄[2 )。なお, 政仁[:1姥査と下繭による減蚕歩合は BWT母体で0.5%,BWK母体では1.1%と なっ た。

ブJ, 平成21年初秋蚕j明は , :iiI悩~ [ :.ä~性を/ÕJ -,:'させるために政一枚当たり熟蚕550liJ'tを投入し,母体制

にそれぞれ8,250頭上放した(表 3)。

五日出j益歩合はいずれの同体にお いて も30%を上まわり ,BWT母体で33.9%,BWK国体では35.1%となっ

たが,外部門染lil~jが幾分目についた。 また , 政 I~:I鮭蚕と 卜同局による減益}jj合は, BWTm体で1.4%,BWK

l守休では1.6%とな った。

表 1. r~li.小石J と ír,UJ ・ 仁I X 東 ・ 海」の :I~.尚l蚕歩合ならびにその他性状成績の比t校

Jf- ;1; 長 !~I 品 h~ , 」三嗣針歩合2 l万日iJ1総 iド耐

JIl{li両日l、 州立l d由hYi[( H画廊歩合 l編糸長 1I副糸繊度

(母体) % k g 民 c g % m d

iWI ・ I~ x 'tr . iffi 6.0' 20.2 2.10 ,19. 2:l.i 1. 391 2. i,1

'Hi¥dSI,下 初秋 :r.小石(日¥¥1') 2<1. <1" 15. 1. 55 22. :l 1,1. ,1 5i8 2. 54

王小イ:;-日¥¥K) 36.8" i・1.9 1. 51 21. .1 14. 558 2.018

明1.I'l x !li・t毎 2.5h 21. -1 2. 16 51. 6 23.9 1. 2i2 2.80

平成19ij! 引先手~~ .k小心<Iln) 2:1. -l" 11..1 1.43 20.3 H.2 550 2.48

ヨ三小石(I1¥¥K) 2i.0・ 13.3 1.3.1 1 S. i 1:1. 9 50:1 2. 32

I 'Í:l,rr, f((の上~Si頭数{立. I OOiifi とし . 百年践を f'!'J目した.: jもなるアル7,ベク卜で示した玉繭:lfW具合のjii)に!立、 5%水司ljて::fH主義があることを示す(ピ-tcst)

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4 i:r,.ノJ¥7:二iJの特徴

表 2.平成20年晩秋蚕WJの実用試験における 「玉小石」の玉砕l蚕歩合

月体 1

:1千11両蚕-!J;、合2 玉繭収i立

% g

[a/(a+b) X 100] (>1)

I~i. ft削~lik 総収ii両iii

)

nbau

{

E

(a+b)

一ド醐円

合一サ

一十

%

V引d

-

川リ

一九

sWT 26.2 1,418 3.99:¥

(fil~llli度予~J I. 36 g)

5, '111 O. 5

日¥¥'K 26. 9 1, :li2 3, i:31

(tji.l!両if;:WJ勾1.29 g)

5, JO:3 1.1

1 l ~ï l,l'-;j~一 枚当 たり烈i変'100iiþ を投ノ、し,J;J体別にそれぞれーI , OOOliJ'l 1ーがぐした。~:è収 11両足に対する玉i#ljlllZlikの歩合で代川した。

|立12. íJd、ィ~i J の ]i.繭(手前)と王酬を{すらなかった郎副(奥)

3.紬の試作

臨繰り器で'iJ¥l 、た 「玉小石」の生糸を経糸に,ヨミ糸を綜糸に使って'¥-'1当利!の製刊を試みた。機織りから

染色よ.程を経て 9寸1-11帯が完成した(/きj3.4)。以卜¥ 各ユ:位における評価を記す。

a)機織り (高機による手織り)

経糸はーi分なた似があり強度も高かったが,緯糸には織りの際に,やや引っU/、かる感じがあった。織

り |こがりの風合いは,光沢があり,気品あるものとなった。

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{í~糸会 líJf幸f~ 587 ',!jJs山 泉 ・ íi!'j,ir&f;忠実 ・ rjt)jfi1;仏 II~ ・ 飯Fl I のり下 ・的井裕治

表 3.平成21i.1三初秋蚕WJの笑JfJ試験における 「て|、小石」の=1、繭{I:W主伶

玉悩資歩合1 =F.W両収量 リi繭11又iを 主主収H由i吐

日J iJ,>:r % g g g

[al (a+b) X 100J (a) (b) (a+b)

BI¥'T 3:3.9 3,470 6, 7i8 10.21¥8

(Jji.1納lTIdi:均1.26g)

B¥¥'K 35. 1 3, 452 6, ~72 9,82<1

(ijí.li~j 可('I'- J~)I. 21 g)

r 1~ 1 { 1 '.))y 枚当たり~~\:m:550liJ'lを投入し,制(*))1)にそれぞれ8 , 250fJJLU)Yした0

2総収l悩伝に丸、lするニb-.iiIJi収litの歩合で代JTIした。

b)糊・;由抜き

5

ì~立公~~介

))&;rj'+ー|ご|納

%

1.・1

1.6

従米のキ111と比べてilll分が少なく, { 1一仁げが容易であった。ljhjCく て光沢があり, これまでの'1:首京111とは

日IJ物のような{LI'.りとなった。

c)染色(ヲ|き染め)

ゴ染と付けが良く, ti矩守引H同寺川でfLL上j)染め!がりの凪i合合今「いには' 一般の和11には山ないYUNの長し さがあった。

区13.D,-小石Jの生糸を絞糸に, 玉糸を総糸に使って織り 1.げた'1"1:';1キIII (叩)

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6 「コ:小石」の特徴

I~I 4. LI.:Wi*111の比絞

LI-:ート:1.是非主の相I1 ;(j上 :rとI ~小作」 による *Ili

考察

今l旦!のTJ"{I'iJj!を!i=Jl、た上政試験の結以か ι r~E 小平-îJ が高い -1~WI~j生産能力を持つ蚕il品午前一て、あることが

li'(rーかめられた。

IfiJ iiiJJ胞のミ1i.1払j五渉合は,政一枚に熟盃400TIJiを投入すると, BWT 凶体で23 .4~24.4% , BWK I~J 体では

27.0~36.8% となり,これは, ~I. +~I~蚕 r 1t引・ 卜I X東・海」 のそれの4.1 ~9.4倍と 6.1~10.8倍に相当 した(点

I )。また,大軍飼育 した 「ーIi.小石jの熟査を段一枚当たり 400または550i:W投入した実川試験では, 同歩合

が BWT月休で26.2%と33.9%,BWK m休では26.9%と35.1%となった。(表 2, 3 )。

r I~JJ\平îJ は, 2相の小石i:).L系のMiTABW']、と BWKを組み合わせたト|・|二|一代交利栴である。虫休は小

さく,体色はyfctE;"系で比I紋は!T;である。T:ff:蚕の人ーL飼料に対する適合性が良く,虫貨は強位て、I1民JDJがJ"liijう

ため,そのi!'iJ!有は容易である。令lllh経過円数は22口紅度で, 5齢期が ri初・ 日XW・出」などの:27通品砲

と比べて 21三|ほどhjく 5仁|程度となる。耐jは白色の依)1ラCru繭)で,まれに棋うすい也色尚lが混ずる D

lìJ.. I*I'却のゆj 市i および lù~jl言iiEは軽いが,繭!Ei は小石丸よりも厚 く,毛羽取り機の利i=l=1ができる 。 併じょは良好

で, 平成21年初秋蚕jg]における邸繭の附じょ 率は, BWTI母体で100%,BWK 国体では95.2%とな った(米

発表)。また,糸質はやや硬く光沢がある。

この r-i¥小石」以外にも r繭品障として, ffiil;J(多蚕系統を導入した rNJi.xC 壬」が開発されているが市

ミI~" rú~j の付二位性を 1 ,""げるためには, 二五 If,i~を作りやすいというこれらの品樟特性だけに頼ることはできない。

これに加えて, ① 5齢期!のカイコの成長をJ"liuわせる。②過熟蚕を-TTに上践する o @J二政密度一(政一十文芸l

たりに投入するカイコの頭数)を高 くする:1-110 @百年桜を使間する 1 )。 ⑤営繭lI~'の~ ýl~ を 280

C程度にする訂

などの:清条件も重要な鍵となる。

jム泌'i"'J,山木"は, r N ~[î X C 二五J を )[:1 いて上波街J~ と玉繭盗渉合の関連性について調べ, _UJ~í伴:iJJt の高 い

)]が, 王 lil~j蚕歩合 も 肖 くなることを Iザl らかにした。 しかしその一方で,あまり過剰になると,タト;1;1:\汚染繭

のさ1]合が高 くなることも ~I'I]Iリjしているので./) 可lf品種の場合,11]:れのない尚lを効'fi((jに生産するためには,

その [iWI~j蚕少合が30%科!丘になるように上政情度を制整することがHt奨されている ~ )。

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蚕糸会研報 58号 常山 泉・筋誠f朱実・高橋弘直・飯ト11 のり 子 ・ w.~:n裕治 7

今回の「玉小石」を用いた試験では,上族密度を550頭に設定した平成21年初秋蚕期の実用試験において

外部汚染繭の割合が高くなる傾向が認められている。実用化に向けた効率的な玉繭生産体制を確立するた

めに,引き続き同品種の上族試験を実施し,その至適上族密度を明らかにしたい。

また,帯(紬)の製作によって,糸質がやや硬い「玉小石」の糸で織り上げた生地は硬く,仕上げには柔

らかさを出すための砧打ちを施す必要があることがわかった。砧打ちは,古来より伝わる技法であるが,

一反す、つ手作業で、仕仁げるため,生産性が低く,その仕上がりは技術者の技量に大きく左右される。一定

品質の織物を効率的に生産するためには, この砧打ち工程に代わる「玉小石」の糸質に適した精練法の検

討が必要と考える。そのため,次回の着物試作では,これまでのアルカリ精練法に加えて,中性精練法な

らびに酸精練法の導入を試みたい。また,それぞれの精練剤で処理した棟糸の触!惑を比較すると共に,そ

れらの糸で織り上げた生地の風合い,染色性,着心地などについて,着物を普段着とする服飾家にその評

価を依頼し,客観的に品質の善し悪しを判定したい。

摘要

玉繭品種「玉小石」の所内上族試験を実施し,その玉繭蚕歩合を調べた。 「玉小石」は,母体別に BWT

XBWK (以下, BWT母体)と,その逆交配の BWKxBWT(以下, BWK母体)を,対照には非玉繭蚕

「朝・日×束・海」を供試した。上競には合成樹脂製の百年藤を使用し,藤一枚にそれぞれ熟蚕400頭を投

入した。その結果,玉繭蚕歩合は, BWT 母体で23 .4 ~24.4% , BWK 母体では27.0~36.8% となり, これ

は, r朝・日 ×東・海Jの歩合の4.1~9.4倍と 6.1 ~10.8倍に相当した。

次に, r玉小石」の実用性を調べるために,母体別に大量飼育した同品種の熟蚕を族一枚当たり 400上藤

した。その結果, I司歩合はいずれの母体においても高く, BWT母体で26.2%,BWK母体では26.9%となっ

た。また,藤一枚当たり熟蚕550頭上践すると,その歩合は母体順にそれぞれ33.9%と35.1%になった。

おれ、て, r玉小石」の玉糸と生糸を使って牛首紬を試作し,その風合いを調べたところ,その仕ヒがり

に軽さと, これまでの牛首紬にはみられな l、上質な光沢が認められた。

以上のことから,r玉小石」が高い玉繭生産能力と特徴ある糸質を持つ蚕品種であることが確かめられた。

引用文献

1)平塚英吉(1969) rI本蚕品種実用系議, 26,大日本蚕糸会蚕糸科学研究所,東京.

2)緑川栄一・阿相敏雌・代凹丈志・清1'f力(1992) 春蚕用朗・日×東・海の育成経過と性状.蚕系科学研究所長:報,

40, 7叩 26.

3) 111本俊脱(1995)二日両品種の育成から製品化まで.蚕糸科学と技術, 34(3), 28-31.

4)広瀬正之(1995)大石紬の原料となる玉繭の効率的生産技術.蚕糸科学と技術, 34 (11), 34-37

5)文部省(1979)養蚕, 194,実教出版,東京.

Summary

A silkworm race 'Tamakoishi ,Bomb.vx motiL. was bred f01" production of more numb巴rof double cocoons. 1n

the pr巴sentstudy an attempt was made to investigat巴thecapacity of the bre巴din the production of double cocoons

For the experiment two silkworm hybrids, viz守 'BWTX BWK' and 'BWK X BWT' were used as‘Tamakoishi

and a normal race ‘Asa • Hi X To. Kai' was kept as a control. Plastic mountages, nam吋‘Hyakunen・mabushi'

were prepal'ed for mounting and 400 matur、巴 larvaein each race were sprinkled on it. After seven days of mounting',

the percentage of double-cocooning silkworms in each race was examined and th巴 expenmentwas rep巴ated

twice. The results indicated that, the percentage of double-cocooning silkworms was to the tune of 23.4 -24.4% in

the lwbrid‘BWT X BWK' and 27.0 -36.8% in‘BWK X BWT' ,when compared to control‘Asa • Hi X To. Kai' ,

it is 4.1-9.4 times and 6.1“10.8 tim巴smore in the test hybrids respectiv巴ly.

Page 9: 玉繭品種「玉小石」の特徴について · 玉繭品種「玉小石」の特徴について 誌名 大日本蚕糸会研究報告 巻/号 58 掲載ページ p. 1-8 発行年月

8 「玉小石」の特徴

Next, a large number of larvae in each hybrid were reared and mounted at the rate of 400 and 550 larvae per

mountage in both the hybrids. After harvesting all the cocoons that were formed in the mountages, the percentage

of double cocoons weight was examined. It was found that, in 400 larvae per mountage the percentag日was26.2%

and 26.9% in th巴hybrids,‘BWTx BWK' and ‘BWK x BWT' respectively, where as in 550 larvae per mountage,

it was found to be 33.9% and 35.1% in these hybrids respectively

Further, the utility of ‘Tamakoishi' was also examined. The thread was spun out of the cocoons that

'Tamakoishi' formed and 'Ushikubi' pongee was woven experimentally by utilizing it. The pongee was recognized

to be light and lustl"OUS

The above-mentioned results clearly show that,‘Tamakoishi' is having a high produclive capacity of double

cocoons and also produce good quality silk with luster.