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愛媛大学農学部・伊方サービス(株)
研究の研究の概要概要 柑橘果皮中に含まれる 柑橘果皮中に含まれるββ--クリプトキサンチン(クリプトキサンチン(ββ--CRPCRP)やクマリン類の一種であるオーラプテン()やクマリン類の一種であるオーラプテン(AURAUR)は)は抗ガン活性など様々な生理活性が報告されているが、免疫系抗ガン活性など様々な生理活性が報告されているが、免疫系に及ぼす影響に関しては報告が少ない。本研究では、に及ぼす影響に関しては報告が少ない。本研究では、ββ--CRPCRPととAURAURの免疫調節効果について検討した。の免疫調節効果について検討した。 ββ-CRP-CRP及び及びAURAURがヒト培養細胞の抗体(がヒト培養細胞の抗体(IgMIgM)産生に)産生に及ぼす影響を検討した結果、ともに培養細胞の及ぼす影響を検討した結果、ともに培養細胞のIgMIgMのの産生を産生を促進した促進した。また、これらの成分はマウス脾臓リンパ球の。また、これらの成分はマウス脾臓リンパ球のIgGIgG、及び、及びIgAIgA産生を促進し、産生を促進し、消化管の免疫組織である腸間消化管の免疫組織である腸間膜リンパ節リンパ球の膜リンパ節リンパ球のIgGIgG、、IgAIgA、及び、及びIgMIgM産生を促進し産生を促進した。た。これらの成分のこれらの成分の作用機構を検討した結果、作用機構を検討した結果、抗体遺伝子の抗体遺伝子の転写段階転写段階をを上方制御していることが明らかとなった。上方制御していることが明らかとなった。
β-クリプトキサンチン (β-CRP)
温州ミカン果皮に多く含まれるカロテノイド。がん、リウマチ、糖尿病に対する予防効果や脂質代謝改善効果が認められている。
H3C
β-クリプトキサンチンの免疫促進効果
オーラプテン (AUR)
CH3 CH3
H3C
柑橘果皮に多く含まれる香気成分で、クマリン化合物の一種。発がん抑制効果が知られている。
添加濃度 ( ng/ml )
IgM産生量 ( ng/ml )
10 100 1000 100000.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
ヒト培養細胞のヒト培養細胞のIgMIgM産生に及ぼす効果産生に及ぼす効果
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
添加濃度 ( ng/ml )
IgG産生量 ( ng/ml )
0.1 1.0 10 100 1000
IgG産生7.0
添加濃度 ( ng/ml )
IgA産生量 ( ng/ml )
IgA産生
10000
6.0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
0.1 1.0 10 100 100010000 0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
Control
相対発現量
2.5
添加濃度 ( ng/ml )
IgG産生量 ( ng/ml )
0.1 1.0 10 100 1000添加濃度 ( ng/ml )
IgA産生量 ( ng/ml )
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
0.1 1.0 10 100 10000.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
8.0
9.0
添加濃度 ( ng/ml )
IgM産生量 ( ng/ml )
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
0.1 1.0 10 100 1000
β-CRPをトハイブリドーマ細胞株HB4C5細胞の培養液に種々の濃度で添加したところ、HB4C5細胞のIgM産生がβ-CRPの濃度依存的に促進された。これまでにβ-CRPが免疫細胞の抗体産生を促進するという知見はなく、β-CRPの新規生理機能であると考えられる。作用機構を検討した結果、HB4C5細胞内において、IgM遺伝子の発現量を促進していることが確認された。
マウス脾臓リンパ球の抗体産生に及ぼす効果マウス脾臓リンパ球の抗体産生に及ぼす効果
IgA IgM
β-CRPは、マウスから摘出した脾臓由来リンパ球のIgAおよびIgG産生を促進した。また、抗体産生促進効果は、遺伝子発現レベルの上方制御による可能性が示唆された。
マウス腸間膜リンパ節リンパ球の抗体産生に及ぼす効果マウス腸間膜リンパ節リンパ球の抗体産生に及ぼす効果
IgG産生IgA産生 IgM産生
β-CRPは、マウス腸管免疫組織である腸間膜リンパ節由来リンパ球のIgA、IgGおよびIgM産生を促進した。この結果は、β-CRPが腸管系の免疫組織の活性化に寄与する可能性を示唆している。
オーラプテンの免疫促進効果ヒト培養細胞のヒト培養細胞のIgMIgM産生に及ぼす効果産生に及ぼす効果
マウス脾臓リンパ球の抗体産生に及ぼす効果マウス脾臓リンパ球の抗体産生に及ぼす効果
マウス腸間膜リンパ節リンパ球の抗体産生に及ぼす効果マウス腸間膜リンパ節リンパ球の抗体産生に及ぼす効果
動物細胞培養実験により、動物細胞培養実験により、ββ--クリプトキサンチンやオーラプテンが抗体産生クリプトキサンチンやオーラプテンが抗体産生促進促進効果を持つことがはじめ効果を持つことがはじめて明らかとなった。今後、これらの因子が生体内でどの様なて明らかとなった。今後、これらの因子が生体内でどの様な免疫促進免疫促進作用を示すかを作用を示すかを、マウスを用いた経口、マウスを用いた経口投与実験により解明する投与実験により解明する。。
添加濃度 ( ng/ml )
IgG産生量 ( ng/ml )
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
0.1 1.0 10 100 1000
2.0
4.0
6.0
0.1 1.0 10 100 1000
1.0
3.0
5.0
0.0
IgA産生量 ( ng/ml )
添加濃度 ( ng/ml )0.1 1.0 10 100 1000
IgM産生量 ( ng/ml )
添加濃度 ( ng/ml )
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7IgG産生IgA産生 IgM産生
AURは、マウス腸管免疫組織である腸間膜リンパ節由来リンパ球のIgA、IgGおよびIgM産生を濃度依存的に促進した。この結果は、AURが腸管系の免疫組織の活性化に寄与する可能性を示唆している。
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
添加濃度 ( ng/ml )
IgG産生量 ( ng/ml )
0.1 1.0 10 100 10000.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0 6.0
添加濃度 ( ng/ml )0.1 1.0 10 100 1000
IgA産生量 ( ng/ml )
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
相対発現量
Control IgA IgM
AURは、マウスから摘出した脾臓から分取したリンパ球のIgAおよびIgG産生を促進した。また、脾臓リンパ球の抗体遺伝子の発現レベルを促進した。
Control 20005000.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
1.8
相対遺伝子発現量
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
10 100 1000 10000添加濃度 ( ng/ml )
IgM産生量 ( ng/ml )
添加濃度 ( ng/ml )
HB4C5細胞のIgM産生がAUR濃度依存的に促進された。作用機構を検討した結果、HB4C5細胞内のIgM遺伝子の発現量を促進していることが確認された。
CH3
CH3 CH3 CH3
CH3 CH3 CH3
H3C
CH3
愛媛大・菅原卓也