社会統計の基礎 - mar.lar.jpmar.lar.jp/ku/sta_im/sta_im_1.pdf · –統計関連の講義科目（平塚キャンパスのみ） a) 「生物統計学」（後期月3）鈴木先生他

統計学- 社会統計の基礎 -

オリエンテーション

履修登録

統計とは？

ストーリーを考える

テーマと表現方法

担当：岸康人

資料ページ： https://goo.gl/qw1DJw

統計学：オリエンテーション

▋統計学の位置付け１

– 統計リテラシー；統計学応用の基礎知識

• データを扱う全ての分野で統計処理が必要

経営学、金融/経済学、行政学

社会学、心理学、言語学、考古学

物理学、化学、生物学、地学、天文学

医歯学、薬学、生理学、栄養学、農学、工学、教育学

etc.


▋統計学の位置付け２

– 歴史

• 古代：人口等の調査

• 17世紀：社会統計学の萌芽；軍や政治利用のため

• 18世紀：ド・モアブルが正規分布を導入

• 19世紀～20世紀

ガウス：誤差論

ケトレー：近代統計学の父、社会統計学を広めた

K.ピアソン：数理統計学、記述統計学

フィッシャー、ピアソン：推計統計学

ベイズ：ベイズ確率/統計 → 近年の機械学習の礎


▋統計学の位置付け３

– 調査、実験や観察で得られたデータから規則性や特徴を見出すための手法を研究する学問

• 人間、動物、植物等のサイズや重さ

• 駅の改札を通る人の数、窓口に来る客の到着時間間隔

• 実験データ

• アンケート調査、人間の行動に関する調査


▋統計学の位置付け４

– 数学？

• 学問的には数学の一分野

• 確率を使って議論

確率分野：モデル指向

統計分野：データ指向

• 自然科学だが手法は社会科学でも広く使われている


▋内容

– 数値から正しい知識を得て、説得力のあるストーリーを作成したい（記述統計学）

– 限られたデータからなるべく正確な真の姿を推測したい（推計統計学）

• データ：調査結果、観測値、測定値、etc.

• データはランダム！；2度と同じ結果は得られない

• 次に同じ問題で、調査/観測/測定したときにどうなる？


▋到達目標

– 与えられた問題に対して適切な分析テーマを設定し、そのストーリーを構築すること

– 分析に必要となるデータの扱いについて理解し、実際にコンピュータ上でデータを処理してその特徴を把握すること

– 推定がどの程度信頼できるのか統計的に考察すること


例）

「神奈川県西部の明日の6～12時の降水確率は10％」

– 日常でのよくある解釈

• 雨が降るかもしれないがたぶん曇り？

• 日差しはあまりない？

• 降っても少しだから、傘を持っていかなくてよい？

• ほとんどの時間は降っていない？


例）


降水確率とは・・・

• 所定の時間内に１mm以上の降水のある確率

• 予報対象領域内での地点確率の平均値を示す

• 0～100％の10％刻みで発表

[気象庁]


例）


– 日常でのよくある解釈

• 雨が降るかもしれないがたぶん曇り？

→ 曇りかどうかについての情報はない

• 日差しはあまりない？

→ 日照に関しての情報はない

• 降っても少しだから、傘を持っていかなくてよい？

→ 降水量についての情報はない

• ほとんどの時間は降っていない？

→ 6時間のどこか10分間で降るかもしれないし、

ずっと降り続けているかもしれない


例）


– 1mm未満の雨が降る確率が90%

• 0（降らない）かもしれないし、0.9mmかもしれない

• ごく少ない確率だが、100mm降る可能性もある

– 神奈川県西部の予報地点で、

• 100%が1箇所、9箇所が0%かもしれない

• 全ての予報地点で10％かもしれない

• 所定の時間内に１mm以上の降水のある確率

• 予報対象領域内での地点確率の平均値を示す

• 0～100％の10％刻みで発表


▋教科書

– 「活用事例でわかる! 統計リテラシー ~数学が苦手でも大丈夫! ~」

• noa出版


▋参考書

– 「新・涙なしの統計学」

• D. ロウントリー

• 新世社


▋参考書

– 「明解演習数理統計 (明解演習シリーズ)」

• 小寺平治

• 共立出版


▋進め方

– スライドで説明

• スライドはオンラインで公開

• ノートは提出しないが必要なときはメモするよね？

– ほぼ毎回練習問題を出題

– 演習は PC で解答・提出

▋評価

– 練習問題・授業への貢献：40％

– 演習・テスト：60％


▋注意

– 他の講義科目「統計学」

A) 「統計学」（後期木2）山崎先生

B) 「統計学 - 社会統計の基礎 -」（前期金5）岸

C) 「統計学 - 社会統計の基礎 -」（後期金3/4）大澤先生

※全て内容は異なる

• A）B）C）どれか１つのみ単位認定

文系

文系

文系


▋履修の注意

– 統計関連の講義科目（平塚キャンパスのみ）

A) 「生物統計学」（後期月3）鈴木先生他

B) 「確率・統計」（後期水2）飯塚先生

C) 「確率統計学I」（前期金4）岸

D) 「確率統計学II」（後期火2）斉藤先生

E) 「数理統計学」（前期木1）堀口先生

F) 「数理統計学応用」（後期火3）堀口先生

G) 「熱・統計力学＊」知久先生


▋履修の注意

– 履修登録

• 抽選？

• 登録は教務課が行う

履修許可制

申告ではない；自分で登録できない

– 履修取り消し不可


▋履修についての質問ある？


▋人数を数えます

– 抽選？

– 履修登録名簿作成



統計とは？



担当：岸康人


統計学：統計とは？

▋統計とは？

– 「"ものごと"を数値やグラフを使って論理的にわかりやすく表現すること」（0.1.1）

• 絵画の喩え


▋統計とは？


• 料理の喩え


▋統計とは？


• 単に数値を集めただけでは統計とは呼べない

• 数値を論理的に説明し、数値に隠されている仕組みを見出し、かつ、

それをわかりやすく説明することが必要

• わかりやすく表現するために、ストーリー（物語）を作成



統計とは？



担当：岸康人


統計学：ストーリーを考える

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A国の人口・出生率・死亡率推移

人口出生率死亡率


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タイトル

プロット

目盛り・単位

目盛線；間隔に注意

凡例


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A国の10～20年先の人口は2012年と比べて・・・？

① 増加する

② 概ね変わらない

③ 減少する

復習：ストーリーを考える

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1970

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1979

1982

1985

1988

1991

1994

1997

2000

2003

2006

2009

2012

百万



• 出典：日本における人口動態ー外国人を含む人口動態統計ー

（総務省）、平成26年度

• 人口センサス（国勢調査）

1966年丙午

参考：世界の人口（2016年）

単位：千人

https://www.globalnote.jp/post-1555.html

https://www.globalnote.jp/post-1555.html


▋グラフからストーリーを考える

– グラフの情報を読み取る

– A国の状態は？

• 人口は増えている？その勢いは？

• 出生率はどう変化している？何故？

• 死亡率はどう変化している？何故？

• 出生率と死亡率の様子から何が言える？

• A国人口の年齢構成はどうなっている？

– A国の未来は？

資料ページに戻る

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統計とは？



担当：岸康人


テーマと目的、表現方法について

▋「物語」作成のプロセス（1.1.2）

目的を明確

にする

• テーマ

• メッセージ

根拠・理由

を揃える

• ネタ集め、舞台・人物設定

• 設計：素材の組合せ、展開

• 考察：ストーリーを構成

主張・結論

を表現する

• 情報の統合

• 制作物として公表


▋「統計」のプロセス（1.1.2）

目的を明確

にする

• 知りたいこと

• 伝えたい情報

根拠・理由

を揃える

• 情報を集め、背景を整理

• 分析：状況を理解し、展開を予測

• 考察：ストーリーを構成

主張・結論

を表現する

• 情報の統合

• レポート・発表


▋テーマを決める；物語の輪郭（1.2.1）

ネタ

•ニュース、新聞

•書籍、研究論文

•Web、etc.

問題意識

•なぜ？

•本当に？

テーマ

•対象、範囲、方針

• 言葉で表現


▋ネタ集めの注意（1.2.2）– 世の中の様子、最新情報に注目する

– 情報を掘り下げる

• 専門用語や聞き慣れない表現の意味は？どの分野の用語？

• 過去に似たようなことは？

• 他の人の考えは？

• 背景、原因は？

• 根拠や裏付けは？

– 視点を変える、表現を変えて見直す

• 別の意見、別のソースを探す

• 表⇔グラフ

– 情報を整理する

• 個別の情報について、それらの繋がり・結びつきを整理する


▋ネタから問題意識へ（1.2.4）

– 情報の特徴や背景・要因について、自分自身の考えはあるか？

• ある → 問題意識


▋テーマの表現方法（1.2.5）

「対象」「範囲」「方針」で表現

次のテーマはよいテーマの表現？

「この10年間でどの程度変化があったのか調べる」





「経済発展の原動力が何であるかを探る」





「学習指導要領について」





「中学生のスマホ所有率について、過去５年間での

変化の要因を調べる」


▋テーマを「対象」「範囲」「方針」で表現（1.2.5）

– 対象を決める

例）「大学生の学習意欲の向上」「書店販売員の給与」

– 範囲を決める

例）「ネイティブ教師による外国語教育を受けた場合」

「過去２０年間」

• どこまで分析するか？

• 時間、距離、分野

• 無限に調べることは不可能だが、不偏・汎用的なものは目指したい

– 方針を考える


▋テーマを「対象」「範囲」「方針」で表現（1.2.5）

– 対象を決める

– 範囲を決める

– 方針を考える

例）「変化の大きさについて他のデータと比較する」

「変化の傾向を調べその要因を探る」

比較変化構造


▋１つの文にまとめる（1.2.5）

ネイティブ教師による外国語教育が大学生の学習意欲を向上

させるかどうかについて、非ネイティブ教師による影響と比較する

大学生の学習意欲

の向上効果

ネイティブ教師による外国

語教育を受けた場合

変化の大きさについて他

のデータと比較する

対象範囲方針

テーマ

今日の演習

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