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Yamamoto Veterinary Clinic
東海地域家畜生産性向上技術検討会東海地域家畜生産性向上技術検討会(2007.10.31)(2007.10.31)
山本動物診療所 山本 広憲
(愛知県常滑市)
乳牛の繁殖技術と生産性向上
Yamamoto Veterinary Clinic
当診療所の業務(大動物部門)
定期繁殖検診業務(12農家600頭)
–– 月月22回の巡回検診、牛群検定指導回の巡回検診、牛群検定指導
–– フレッシュチェック、妊娠診断、繁殖治療フレッシュチェック、妊娠診断、繁殖治療
牛受精卵移植業務(年間800頭)
–– 受精卵の移植(体内、体外)受精卵の移植(体内、体外)
–– 採卵へのアプローチ(県採卵へのアプローチ(県ETET事業)事業)
一般臨床業務
–– 乳牛の診療と人工授精乳牛の診療と人工授精
Yamamoto Veterinary Clinic
乳牛の繁殖技術と生産性向上
繁殖生理の基礎
繁殖技術(発情のコントロール)
定期繁殖検診のすすめ
受精卵移植の利用
仔牛の分娩と管理
Yamamoto Veterinary Clinic
Dominant Follicleと卵胞ウェーブ
Yamamoto Veterinary Clinic
排卵へのアプローチ、「EとPの共同作業」
Yamamoto Veterinary Clinic
発情の開始から終了、そして排卵
Yamamoto Veterinary Clinic
E/P ratioとLHサージの関係
Yamamoto Veterinary Clinic
カウンターカレントメカニズム(子宮とPGF2αと黄体の関係)
Yamamoto Veterinary Clinic
分娩前後の卵胞発育過程
Yamamoto Veterinary Clinic
乳牛の繁殖技術と生産性向上
繁殖生理の基礎
繁殖技術(発情のコントロール)
定期繁殖検診のすすめ
受精卵移植の利用
仔牛の分娩と管理
Yamamoto Veterinary Clinic
OVSYNCHの利用
Yamamoto Veterinary Clinic
OVSYNCHの機序
Yamamoto Veterinary Clinic
OVSYNCH成績の一例
繁殖要治療牛のプログラム人工授精成績
牧場プログラム実施頭数
受胎頭数(受胎率%)
次回発情における受胎頭数
合計受胎率
A 19 5(26.3%) 7 63.2%B 15 4(26.7%) 4 53.3%計 34 9(26.5%) 11 58.8%
(山本ら1999)
Yamamoto Veterinary Clinic
HEATSYNCHとは?
Yamamoto Veterinary Clinic
徐放性黄体ホルモン製剤
CIDRP4:1.9g/個
PRIDP4:1.5g/個E2:0.01g
Yamamoto Veterinary Clinic
CIDR又はPRID+E2Bプログラム
Yamamoto Veterinary Clinic
発情開始後AIまでの経過時間と受胎率
0
10
20
30
40
50
60
<4 4-8 8-12 12-16 16-20 20<
経過時間
受胎率%
(ネーベルら,2000)(17牛群2,661頭)
Yamamoto Veterinary Clinic
正しい凍結精液融解の仕方
3H6H
4℃
38℃
81
60
60
100
20
40
60
80
100
生存率%
融解後時間
融解温度
凍結精液融解温度と精子生存率
4℃ 38℃
Yamamoto Veterinary Clinic
乳牛の繁殖技術と生産性向上
繁殖生理の基礎
繁殖技術(発情のコントロール)
定期繁殖検診のすすめ
受精卵移植の利用
仔牛の分娩と管理
Yamamoto Veterinary Clinic
定期繁殖検診のすすめ
繁殖検診
–– 分娩後生殖器回復検査分娩後生殖器回復検査• フレッシュチェック、分娩後、分娩後3030~~4040日日
–– 分娩後無発情の診断分娩後無発情の診断
•• 分娩後分娩後5050日以上無発情日以上無発情
–– 早期妊娠診断早期妊娠診断
•• 授精後授精後3535~~4040日日
–– 低受胎の診断低受胎の診断
•• 33回以上の回以上のAIAIで受胎せずで受胎せず
BCSチェック
–– Dr.FergusonDr.Fergusonのチェック表により評価のチェック表により評価
Yamamoto Veterinary Clinic
繁殖成績のモニタリング
目的と意義
–– ①① 問題点を明らかにし、重点ポイントの指摘問題点を明らかにし、重点ポイントの指摘
–– ②② 長期的課題の提示長期的課題の提示
–– ③③ 日常的には気づかない変化や傾向日常的には気づかない変化や傾向
–– ④④ 農家に改善意欲農家に改善意欲
–– ⑤⑤ 改善の方向性と具体的方策の提示改善の方向性と具体的方策の提示
Yamamoto Veterinary Clinic
繁殖成績のモニタリング
モニタリングの条件
–– ①① 定期的なデータ入手定期的なデータ入手
–– ②② 効率的、単純、容易効率的、単純、容易
–– ③③ 有益なデータのみ入手、十分な活用有益なデータのみ入手、十分な活用
–– ④④ データ分析により意味を明確化データ分析により意味を明確化
–– ⑤⑤ 得られた情報を速やかに提供得られた情報を速やかに提供
–– ⑥⑥ 繁殖、栄養、乳量、乳房炎等多くの要因との繁殖、栄養、乳量、乳房炎等多くの要因との
関連性関連性
–– ⑦⑦ 牛群ベースでのモニタリング牛群ベースでのモニタリング
–– ⑧⑧ 得られた情報は分かり易く、図で提供できる得られた情報は分かり易く、図で提供できる
Yamamoto Veterinary Clinic
牛群検定成績の検討表
Yamamoto Veterinary Clinic
乳量と乳成分のグラフ
Yamamoto Veterinary Clinic
繁殖管理プログラムJMRの活用
JMRとは
–– JMRJMRはカナダによって開発、日本語版は北海道はカナダによって開発、日本語版は北海道NOSAINOSAIの畳獣医師によって提供。の畳獣医師によって提供。JoursJours(日)、(日)、MoyenMoyen(平均)、(平均)、RetardRetard(遅れ)の意味で、受胎(遅れ)の意味で、受胎
の遅れがペナルティ数字として表示の遅れがペナルティ数字として表示
–– 分娩後任意の授精待機期間分娩後任意の授精待機期間(VWP=60(VWP=60日日))を過ぎてを過ぎて
もも授精開始していない個体にはペナルティ加算、授精開始していない個体にはペナルティ加算、妊娠すれば妊娠すれば00になり、合計を頭数で割った数字になり、合計を頭数で割った数字
–– 数字が小さいほど、牛群の繁殖は遅れることなく、数字が小さいほど、牛群の繁殖は遅れることなく、うまく回っている。目標はうまく回っている。目標はJMR30JMR30以下以下
Yamamoto Veterinary Clinic
受胎の遅れはペナルティ!!JMRの実際
Yamamoto Veterinary Clinic
フレッシュチェックの効果
160.6
130.2
139.8
94.6
81.7
44.3
57.7
49.6
0 50 100 150 200 250 300
A牧場未チェック牛(40頭)
A牧場チェック牛(40頭)
B牧場未チェック牛(40頭)
B牧場チェック牛(35頭)
経過日数
分娩~初回AI 初回AI~受胎AI (山本ら1999)
Yamamoto Veterinary Clinic
BCSの推移
Yamamoto Veterinary Clinic
乳牛の繁殖技術と生産性向上
繁殖生理の基礎
繁殖技術(発情のコントロール)
定期繁殖検診のすすめ
受精卵移植の利用
仔牛の分娩と管理
Yamamoto Veterinary Clinic
暑熱ストレスと胚の発育
正常胚の割合
生存胚の割合
暑熱負荷
無処置0
10
20
30
40
50
60
割合%
暑熱負荷 無処置
(パットニイ,1989)
Yamamoto Veterinary Clinic
暑熱期におけるAIとETの受胎率
0
10
20
30
40
AI ET
受胎率%
(パットニイ,1989)
Yamamoto Veterinary Clinic
LIAJ黒毛和種体外受精卵の利用
(社)家畜改良事業団(LIAJ)新鮮体外受精卵の移植(移植前日の夕方までに連絡→宅急便→ET)
体外受精卵写真提供:(社)家畜改良事業団
資料提供:(社)家畜改良事業団
Yamamoto Veterinary Clinic
豊橋家畜市場市況(スモール)
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
350,000
400,000
450,000
500,000
H19.1月 H19.2月 H19.3月 H19.4月 H19.5月 H19.6月 H19.7月 H19.8月 H19.9月
日付
価格
(税込
)
IVF♂ IVF♀ F1♂ F1♀資料提供:(社)家畜改良事業団
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乳牛の繁殖技術と生産性向上
繁殖生理の基礎
繁殖技術(発情のコントロール)
定期繁殖検診のすすめ
受精卵移植の利用
仔牛の分娩と管理
Yamamoto Veterinary Clinic
牛の分娩発来機序
Yamamoto Veterinary Clinic
分娩に関すること(IVF-ETに関して)
妊娠期間–– 教科書:肉用牛教科書:肉用牛280280日、乳用牛日、乳用牛275275日日–– My DataMy Data
•• IVFIVF--ETET産子:移植から産子:移植から282282日(発情から日(発情から289289--290290日)日)
•• 交雑種交雑種AIAI産子:授精から産子:授精から280280日日
分娩誘発プログラム–– 推奨プログラム推奨プログラム
•• 11日目:デキサメサゾン日目:デキサメサゾン1010~~20ml20ml•• 22日目:日目:PGPG--AA(合成(合成PGPG))33~~4ml4ml
++エストリオールエストリオール 55~~10ml10ml•• 33日目:分娩(陣痛微弱時、日目:分娩(陣痛微弱時、
頚管閉塞時にはエストリオール追注)頚管閉塞時にはエストリオール追注)
流産と過大児–– 流産率は流産率はAIAIと比較して多いと言われると比較して多いと言われる–– IVFIVF--ETET産子に過大児は多い傾向産子に過大児は多い傾向–– My DataMy Data(右グラフ参照)(右グラフ参照)
生時体重の割合
S6%
M41%
L47%
LL6%
Yamamoto Veterinary Clinic
仔牛用人工呼吸器キット
資料提供:㈱野澤組
Yamamoto Veterinary Clinic
哺乳仔牛の下痢症
牛大腸菌性下痢症–– 毒素原性大腸菌によって起こる激しい下痢毒素原性大腸菌によって起こる激しい下痢
–– 生後生後11週間以内、週間以内、11~~22日齢に頻発、哺乳期の下痢の日齢に頻発、哺乳期の下痢の2020%%が本病と言われるが本病と言われる
–– 死亡率が高い死亡率が高い(50(50~~70%)70%)
牛ロタウイルス感染症–– 牛ロタウイルスによって起こる牛ロタウイルスによって起こる
–– 生後数日から生後数日から11週齢前後に発症、下痢と脱水症状週齢前後に発症、下痢と脱水症状
–– 重症例では死亡する重症例では死亡する
牛コロナウイルス感染症–– 牛コロナウイルスによって起こる牛コロナウイルスによって起こる
–– 生後生後11~~33週齢の下痢週齢の下痢
Yamamoto Veterinary Clinic
牛下痢5混(ロタ・コロナ・大腸菌)不活化ワクチンの利用
分娩前の妊娠牛に投与して初乳給与により仔牛を免疫するワクチン
・初乳凍結パックの利用
・初産牛はIgGが低い
・特に冬期分娩牛に対応
Yamamoto Veterinary Clinic
黒毛和種仔牛の体重を推定する
胸囲(cm) ♂推定体重(kg) ♀推定体重(kg)100 60 70105 81 88.5110 102 107115 123 125.5120 144 144125 165 162.5130 186 181
換算係数 ♂:胸囲×4.2-360 ♀:胸囲×3.7-370
(約2~10か月齢に適応)
Yamamoto Veterinary Clinic
乳牛の繁殖技術と生産性向上
定期繁殖検診のすすめ–– 受胎の遅れはペナルティ(受胎の遅れはペナルティ(JMRJMRの利用)の利用)
–– まず発情発見、プログラムまず発情発見、プログラムAIAIは万能ではないは万能ではない
正しい牛群検定の実施–– 検定データと現場とのタイムラグ検定データと現場とのタイムラグ
関係機関(専門スタッフ)との連携–– BCSBCSの重要性、適切な栄養管理の重要性、適切な栄養管理
受精卵移植の利用–– 高付加価値牛の生産高付加価値牛の生産
農家と牛と獣医師(酪農技術者)との関係