7
2時間値 200mg/dl以上 スクリーニング ●糖尿病の診断と合併症の検査の進めかた● 110mg/dl以下 (140以下) 空腹時血糖 (随時の場合) 110~126mg/dl (140~20026mg/dl以上 200以上) (後日) 75g経口負荷試験 2時間値 140mg/dl未満 2時間値 140199mg/dl 2時間値 200mg/dl以上 (後日) 75g経口負荷試験 糖尿病型 (当日) HbA1C 2時間値 200mg/dl以下 6.5%以上 6.5%以下 正常型 正常型 境界型 糖尿病型 糖尿病型 糖尿病型 要経過観察 6ヶ月後再検 要経過観察 6ヶ月後再検 1 1空腹血糖 200mg以上時の 負荷は、意味なく 危険である 2HbA1Cと負荷試 験は同日に算定で きない 2 ※ただし、検査値以外に糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)や糖尿病網膜症の存在が確定であれば診断 可能な場合もある。 病型の診断 インスリン分泌指数 II HOMA-IR C-ペプチド 空腹時血糖×空腹時インスリン 405 3以上 インスリン抵抗性疑い 5以上 インスリン抵抗性確実 Ⅱ型の可能性 インスリン30分値-インスリン空腹時 血糖30分値 血糖空腹時 0.4以下インスリン初期分泌能低下 Ⅰ型or重症Ⅱ型 空腹時血中CPR 0.5ng/ml以下→Ⅰ型 1.0ng/ml以上→Ⅱ型 Cペプチド刺激試験 グルカゴン(1mg静注) 負荷後C-ペプチド頂値 1.0mg以下 Ⅰ型の可能性 Ⅰ型が疑われた場合の自己抗体検査 GAD抗体IA-2抗インスリン抗体など ※上記を組み合わせることによりⅠ型糖尿病の発病リスクが予測できる ※抗インスリン抗体はⅡ型治療中の患者さんも産生してしまうため注意 が必要 糖尿病は、Ⅰ型糖尿病、Ⅱ型糖尿病、その他の特定の機序・疾患によるもの、妊娠糖尿病に分類される。家族歴、肥満歴、妊 娠・出産歴、現病歴、発症年齢と経過、治療歴、生活習慣などを考慮し下記検査を参考に病型診断を行う必要がある。

糖尿病の診断と合併症の検査の進めかた糖尿病の診断と合併症の検査の進めかた 合併症の診断 病期 主な治療法 糖尿病性腎症のすすめかた

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Page 1: 糖尿病の診断と合併症の検査の進めかた糖尿病の診断と合併症の検査の進めかた 合併症の診断 病期 主な治療法 糖尿病性腎症のすすめかた

2時間値200mg/dl以上

スクリーニング

●糖尿病の診断と合併症の検査の進めかた●

110mg/dl以下(140以下)

空腹時血糖(随時の場合)

110~126mg/dl(140~200)

126mg/dl以上(200以上)

(後日)75g経口負荷試験

2時間値140mg/dl未満

2時間値140~199mg/dl

2時間値200mg/dl以上

(後日)75g経口負荷試験

糖尿病型

(当日)

HbA1C

2時間値200mg/dl以下

6.5%以上6.5%以下

正常型

正常型 境界型 糖尿病型 糖尿病型糖尿病型要経過観察6ヶ月後再検

要経過観察6ヶ月後再検

※1

※1空腹血糖200mg以上時の負荷は、意味なく危険である

※2HbA1Cと負荷試験は同日に算定できない

※2

※ただし、検査値以外に糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)や糖尿病網膜症の存在が確定であれば診断

可能な場合もある。

病型の診断

インスリン分泌指数 IIHOMA-IR C-ペプチド

空腹時血糖×空腹時インスリン

4053以上 インスリン抵抗性疑い

5以上 インスリン抵抗性確実

Ⅱ型の可能性

インスリン30分値-インスリン空腹時

血糖30分値 - 血糖空腹時

0.4以下インスリン初期分泌能低下

Ⅰ型or重症Ⅱ型

空腹時血中CPR

0.5ng/ml以下→Ⅰ型

1.0ng/ml以上→Ⅱ型

Cペプチド刺激試験

グルカゴン(1mg静注)負荷後C-ペプチド頂値1.0mg以下

Ⅰ型の可能性

Ⅰ型が疑われた場合の自己抗体検査

抗GAD抗体、IA-2、抗インスリン抗体など

※上記を組み合わせることによりⅠ型糖尿病の発病リスクが予測できる※抗インスリン抗体はⅡ型治療中の患者さんも産生してしまうため注意が必要

抗GAD抗体、IA-2、抗インスリン抗体など

※上記を組み合わせることによりⅠ型糖尿病の発病リスクが予測できる※抗インスリン抗体はⅡ型治療中の患者さんも産生してしまうため注意が必要

糖尿病は、Ⅰ型糖尿病、Ⅱ型糖尿病、その他の特定の機序・疾患によるもの、妊娠糖尿病に分類される。家族歴、肥満歴、妊娠・出産歴、現病歴、発症年齢と経過、治療歴、生活習慣などを考慮し下記検査を参考に病型診断を行う必要がある。

Page 2: 糖尿病の診断と合併症の検査の進めかた糖尿病の診断と合併症の検査の進めかた 合併症の診断 病期 主な治療法 糖尿病性腎症のすすめかた

●糖尿病の診断と合併症の検査の進めかた●

合併症の診断 病期主な治療法

糖尿病性腎症のすすめかた 新規透析導入患者1位の原疾患となっている

尿蛋白定性

(+) (-)or(±)

1ヶ月に一度

尿中アルブミン定性

(+) (-)腎性前期(1期)

血糖コントロール

正常

顕性蛋白尿

300mg/day以上

微量アルブミン尿

30~300mg/day

早期腎症(2期)

厳格な血糖コントロール降圧治療

尿中アルブミン定量

尿蛋白定量血清Cre、GFR

血清Cre高値

顕性腎症前期(3期A)

厳格な血糖コントロール降圧治療・蛋白制限食

顕性腎症後期(3期B)

厳格な降圧治療蛋白制限食

尿蛋白1g/day以上

GFR低下

尿蛋白1g/day未満

GFR正常

腎不全期(4期)

厳格な降圧治療低蛋白食・透析療法導入

透析療法期(5期)

移植

●糖尿病性腎症早期診断基準・・・・試験紙等で尿蛋白陰性の糖尿病症例を対象とする。1.腎性早期診断に必須である微量アルブミン尿の基準1)スクリーニング 随時尿にて定性試験を行う 2)診断 1)陽性の場合、あるいは時間尿で 夜間尿 10μg/min以上、24時間尿 15μg/min以上、昼(安静時)尿20μg/min以上 3)注意事項 ① 1)2)両者とも、日差変動が大きいため複数回の採尿を行い判定する。②試験紙法で尿蛋白軽度陽性の場合でも、尿中アルブミン測定が望ましい。③判定が紛らわしい高度の希釈尿、妊娠中・生理中、過激な運動後、過労、感冒などの場合は検査を避ける。 2.除外診断1)非糖尿病性腎疾患 2)尿路系異常と感染症 3)うっ血性心不全 4)良性腎硬化症

Page 3: 糖尿病の診断と合併症の検査の進めかた糖尿病の診断と合併症の検査の進めかた 合併症の診断 病期 主な治療法 糖尿病性腎症のすすめかた

●糖尿病の診断と合併症の検査の進めかた●

コントロールの指標

糖尿病診断

コントロールの指標

必須検査

目標値(単位省略)

血糖空腹時 110~125食後2時間 120~180

HbA1C 5.8~6.5

血圧130/85未満

体重BMI:20~24

血清脂質LDL-C 120未満T-CHO 200未満TG 150未満HDL-C 40以上

+

急性合併症

尿中・血中ケトン体血液ガス

慢性合併症

眼底検査(必須検査)神経障害の程度尿検査(前項参照)血流・血管の検査

合併症正常範囲内の確認

必要に応じて行う検査

GA、1,5AG より厳格なコントロールが求められる場合

血糖日内変動 インスリン投与量を決めるのに有用

参照文献:MedicalTechnology2002Vol.30No13糖尿病検査のすべて「スクリーニング」村田和也、「病型診断」古田雅彦、「コントロール状態の評価」石井昌俊、「インスリン」「Cペプチド」上野芳人、「抗GAD抗体」山内俊一、「IA-2抗体」「抗インスリン自己抗体」内潟安子、「糖尿病腎症の診断の進め方」明石實次、検査と技術2003Vol.31.No10「糖尿病」富永真琴、検査と技術2005Vol.33.No11 「糖尿病」富永真琴

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糖尿病のある場合に起きる症状です。どれをとっても特徴的なものではありませんが、症状があれば一度検査を受けましょう。

こんな症状ありませんか?

糖尿病リスク(危険度)チェック

1 家族(血縁者)に糖尿病がいる 3点

2 20歳代前半より体重が増えている 2点

3 家族に肥満・脳卒中・心臓病がいる 1点

4 甘いものや脂肪分を好んでたべる 1点

5 車が足がわり(運動不足) 1点

6 ストレスが多い 1点

3点以下いまのところ大丈夫

4~5点要注意!今のうちから生活習慣を改めましょう

6点以上危険です。すぐに検査をうけることをお勧めします。

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