芝浦工業大学大学院 愛媛大学 理工学研究科 教育・学生支援機構 システム理工学専攻 教育企画室

井上 雅裕 丸山 智子 Masahiro Inoue, Ph.D., PMP Tomoko Maruyama, Ph.D., PMP Shibaura Institute of Technology Ehime University

体系的なアクティブ・ラーニングによる リーダーシップ教育

Leadership Education by Systematic Active Learning

PMI日本フォーラム 2016年7月10日

Masahiro Inoue, Tomoko Maruyama , 2016

要旨 • プロジェクトマネジメントを大学教育に取り入れるなかで、スコープ、タイム、コスト、リスクなどテクニカルな部分は、講義と演習により学習成果が確認できている。しかしながら、ヒューマンスキル、特にリーダーシップに関しては講義＋演習の従来の教育手法では十分な学習成果が得られていない。

• 講演者等は、大学、大学院において、7年間にわたりリーダシップ教育を実施し、知識教育＋疑似体験＋実践＋省察を繰り返す体系的な学習モデルを構築した。

• この体系的学習モデルを大学、大学院、留学生、大学職員など複数のリーダーシップ教育に適用し、その効果を確認したので報告する。

目次

1. はじめに 2. プロジェクトマネジメントとリーダーシップ教育 3. リーダーシップ教育のアクティブ・ラーニングの体

系化 4. 体系的アクティブ・ラーニングによるリーダーシップ

教育事例 5. まとめ

3

1. はじめに

テーマの背景・目的 • リーダーシップ教育の現状

₋ リーダーシップ行動に反映されない ₋ 教育がプロジェクトの成功に結びつかない

• リーダーシップ教育の実際 ₋ 知識の習得にとどまり、行動に結びつく教育が行われていない ₋ 特に学生はリーダーとしての経験がなく、知識として得た理論などを実践に結びつけるには社会人より更にハードルが高い

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＜目的＞ 学生が、知識を行動に結びつけ、行動変容を促進し、新しい行動の定着を図ることができるリーダーシップ教育プログラムを構築すること

リーダーシップ養成のために 大学教育は何ができるか

体系的、段階的、継続的な学習・教育モデルの構築 - 知識にとどまらない行動変容を促す仕組み →練習の大切さ - 経験からの学習を深める教師のサポート - 学生のやる気を促す学習成果の評価

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2. プロジェクトマネジメントと リーダーシップ教育

教育のイノベーション • 基礎力（Soft-skills、汎用的能力、社会人基礎

力、人間力) 育成を高等教育に組み込む

– ①問題発見、解決能力、②グローバル・コミュニケーション力、異文化理解、③チームワーク、プロジェクトマネジメント力、④職業倫理、⑤生涯学習能力

• 学習・教育のパラダイムシフト：Instruction―「何を教えるか」からLearning―「何を学ぶか／どう学ぶか」へ。（学習・教育成果の保証）

• 講義などの受け身（Passive Learning）だけでなく、Project-Based LearningやProblem-Based Learning等の能動学習（Active Learning）の充実

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講義科目 システム工学A （システム計画） ２学年前期

PBL 創る

１学年前期

PBL システム

工学演習A ２学年前期

PBL システム 工学演習B ２学年後期

講義科目 システム工学B （数理計画） ２学年後期

PBL システム 工学演習C ３学年前期

講義科目 プロジェクト マネジメント ３学年前期

プロジェクトを通した実践・経験

哲学・理論・技法 ＊問題を把握する

＊解決策の検討と最適化 ＊意志を決定する ＊プロジェクト計画・運営

＊協調する ＊創造する ＊思考する

講義科目 （総合科目）

システムとは， １学年後期

PBL システム工学 特別演習 前期

システム マネジメント

特論 後期

大学院 システム工学

特論 修士前期

学部

大学院

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体系的・組織的 アクティブ・ラーニング （社会人基礎力を育成する授業30選に選定）

国際PBL 年度末

＊グローバル人材育成 ＊イノベーション人材 ＊リーダシップ

産学地域 連携 PBL 後期

演習は学科混成チーム

知識を基に問題解決にあたる力で、知識の活用力や学び続ける力の素養．

社会人基礎力， コンピテンシー

All Rights Reserved, Copyright (C) 2014, Division of Systems Engineering and Science, Shibaura Institute of Technology

学部1年（n=121) 修士1年4月（n=64)

修士1年3月(国際PBL)（n=27)

4.37

4.79

3.89

4.32

5.00

4.88

5.23

5.044.88

4.354.50

4.69

4.54 4.74

4.32

4.53

4.634.68

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

親和力 協働力 統率力 感情制御力 自信創出力 行動持続力 課題発見力 計画立案力 実践力

モデル社会人 技術系グローバル人材 文系グローバル人材

日本人学生 タイ学生

グローバル人材

対人基礎力 対課題基礎力対自己基礎力

Ｌｅｖｅｌ（1-7）

他者に配慮して 関係を築く

意見を主張し 場を調整する

ストレスに対処し 緊張を力に変える

コンピテンシー比較（グローバル人材と国際PBL経験学生との比較）

リーダーシップ教育導入の背景

• システム工学、プロジェクトマネジメント教育と体系的なアクティブ・ラーニングにより、「対課題基礎力」、「対自己基礎力」、「対人基礎力」は伸長している。（学部1年次のスコアと修士1年次のPROGスコア比較）

• しかしながら、詳細に見ると、リーダーシップの構成要素である「統率力」と「感情制御力」は、伸長していない。 – 伸長する約20%程度の学生と伸びが少ない80%の学生に２分する傾向がある．

• また、ＰＢＬでチームで連携して仕事をすることに、難しさを感じる学生が多い

理工系大学院での リーダーシップ教育の取り組み

（１）対象 芝浦工業大学大学院 理工学研究科 システム理工学専攻 修士1年 （２）リーダーシップ定義 人間関係のスキルを活用することによって、個々の強み を活かし、人々を巻き込んで物事を達成できる能力 （３）目標 ①プロジェクト活動（PBL等）を実施する際に必要とされるヒュー マンスキルの体系的知識を理解する ②自己のヒューマンスキルを客観的に理解し、行動目 標を設定できる ③リーダーシップを理工学の技術的な活動の場で実践 できる

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学習到達レベル

Level 1

知識

Level 2

自覚

Level 3

行動

Level 4

体得

従来のリーダーシップ教育

• 「望まれるリーダー行動」「リーダーシップ理論」などを知識として習得

・ リーダーシップスキルの必要性を 自覚する ・ リーダーシップスタイルを自覚する ・ 数日の集中講義 ・ リーダーの問題行動を洗い出して ディスカッション ・ ｅラーニングによるクイズの解答 ・ 野外キャンプなどでチームビルデ ィングを醸成

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学習到達レベル

Level 1

知識

Level 2

自覚

Level 3

行動

Level 4

体得

＊本教育の目指す学習到達レベル

人間関係のスキルを 活用することによって、 個々の強みを活かし、 人々を巻き込んで 物事を達成できる リーダーシップの育成

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本教育の特徴

講義シミュレータ

ロールプレイ

実務OJT

特徴

長所 体系的知識

多様な疑似体験

実体験に近い

実務そのもの

短所 行動に繋がらない

五感が使えない

限定したケース

時間がかかる

学習レベル

1.知識 ◎ △

2.自覚 ○ ◎ ○ △

3.行動 ○ ○ ○

4.体得 △ ○

学習形態と特徴

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行動変容を助ける →シミュレータの活用

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• シミュレーターを活用して反復練習することによって、行動へ移す抵抗感を軽減し、知識と実践を結ぶ橋渡しの役割を果たす。

• 疑似体験を実行動へすりあわせるサイクルを回すことで 行動の定着をはかる。

知識 実践

疑似体験 実行動

疑似体験と実行動

特徴 メリット

⇒ アプローチの違いによる反応の違いを見る 言葉に出さない相手の気持ちを読み取る フィードバックができ改善点を検討できる 実際の現場では出来ないようなことも敢えて実施することで安全に経験値を増やせる

1. 高度なＡＩ（人工知能）が搭載 2. ボディーランゲージを表現 3. 結果が数値化・定量化が可能 ４．失敗ができる ５．様々なアプローチが試せる

⇒

⇒

シミュレータ利用の特徴とメリット

シナリオ１

シナリオ4

シナリオ2

シナリオ5

結果スコア

シナリオ3

リーダーシップ教育プログラム設計

総合振り返り

グループ討議・発表

事前 360度 評価

事後 360度 評価

シナリオの振り返り、実行動との すり合わせ討議・発表

大学での実行動・実体験

振 り 返 り

自宅での個人学習

シナリオ実行 （2，3人で討議しながら）

ｃ

リーダーシップ原理の講義

文献購読の課題

シミュレータの説明・操作練習

スタート 4ヶ月後

＃ リーダーシップ行動 社会人基礎力 3－1原理

１ 研究室やゼミでの活動に貢献するために自分の仕事を工夫する

主体性 状況把握力

ワーク

２ 状況認知が的確にでき、研究室メンバーを目標達成に向かうよう促す

状況把握力 働きかけ力

３ 研究室に貢献して仕事の成果を出す 実行力

４ 研究室メンバーと積極的に知識や技術を共有し、お互いの関係を強化する

働きかけ力 パワー

５ 問題の原因を見極め、関連情報を得て、解決策を決定する 課題発見力

６ 継続的な研究室の進歩のため、活動を積極的に実施する 実行力

７ 社会のニーズ、イノベーション及び科学的シーズなどと研究課題の整合をとる

課題発見力 アイデア

８ 自信を持ってアイデアをタイミング良く提案する 発進力

９ 短期・長期の研究成果を見据えた計画をする 計画力

１０ 高いプレッシャー、急激な環境条件の変化に対し上手く自己及び他者の緊張度を調整する

ストレスコントロール力

テンション

１１ 会話に研究室メンバーを巻き込み、積極的に傾聴し共感を示す

傾聴力

１２ 研究室メンバーの緊張度をコントロールすることでモチベーションを高める

働きかけ力

学習目標と360度評価（自己、同僚、教員）項目

疑似体験と行動のすり合わせ

• すりあわせとは シミュレータでの疑似体験を実際の行動へ落とし込んでいく作業 →深い学習を促す

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• 「すり合わせた」ことを学びへ落とし込むための振り返り、経験からの学習

① 学習者自身の振り返り ② 他の学習者と共に振り返り ③ 教員と共に振り返り

学習成果の評価 • 授業前後に目標とする行動特性に基づき360度（自己、同僚、教員）評価を行い伸長を確認した。

• レベルは５段階であり、各行動特性に対し、以下のスケールで評価を行った。

５：いつもできる＜100－90％＞ ４：かなり（頻繁）できる＜90－60％＞ ３：時々できる＜60－35％＞ ２：少しできる＜35－10％＞ １：全くできない＜10－0％＞

22

23

-0.2

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

後輩学生

先輩学生

同年次学生

指導教員

履修者

2008年度

-0.2

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

後輩学生

先輩学生

同年次学生

指導教員

履修者

2009年度

-0.2

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

後輩学生

先輩学生

同年次学生

指導教員

履修者

2011年度

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

後輩学生

先輩学生

同年次学生

指導教員

履修者

2012年度

５年間に渡り検証 行動特性値の伸び（事後評価－事前評価）

-0.2

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

後輩学生

先輩学生

同年次学生

指導教員

履修者

2010年度

3．リーダーシップ教育の アクティブ・ラーニングの体系化

理論 研究着眼点

特性論 ＜19世紀＞

他より優れた資質を持った偉人のみがリーダーになれる。リーダーの特性を追究

行動論 ＜20世紀中＞

特定の行動ができることでリーダシップが発揮できる。リーダーの行動（組織への配慮、高い業績目標、部換えの影響）などに着眼

状況適応論 リーダーがとるべき行動は、状況に応じて変化をさせるべき。状況に応じた、適切なリーダーシップスタイルのあり方

カリスマ・変革型 リーダー論

ビジョンを形成して、目標を達成する役割がリーダーである。ビジョンの明確化、実行力を追究

リーダーシップ 開発論

＜20世紀後＞

成功しているリーダーの経験を追究し、成功するための条件や環境を明らかにする。その成功の経験をさせることで、リーダーとなり得る

自分らしさの リーダーシップ

心理学的アプロ－チ。リーダーとフォロワーの良好な関係が両者の幸福度を高める。 リーダーとフォロワーの互恵的関係性追究

EQリーダーシップ リーダーは自己、及び他者の感情を認識し、活用する。EQをいかに開発していくか。

リーダーシップ研究の変遷 社会構造の変化

現代社会に求められるリーダーシップ

• 限られた人のみでなく、誰もがリーダーシップを担うことが必要である。

• 周りの人々を巻き込んで、問題を解決し、物事を達成させる能力が求められる。そして集団や組織により良い変化をもたらすリーダーシップが必要であろう

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学生に伝えたいリーダーシップの 基本概念

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1.リーダーシップのスキルは学び高めることができる

2.リーダーシップは私たち全員に関わること 3.リーダーシップは多様な分野と文化によって、様々に捉えられ重要視されている

4.従来型のリーダーシップ観は変化した 5.リーダーシップは様々に体現される 6.リーダーシップは、変化の創造に関与する人々の関係性を通して生まれる

Exploring Leadership, Komivesら(2013)

第１プログラム ［４コマ］

〇理論 〇シミュレータ

研究室での実践

360度評価 （コース前後）

研究室での実践

〇理論 〇ヒューマンスキル 知識体系 〇シミュレータ 〇ロールプレイ

〇360度評価 （コース前後） 〇ルーブリック 〇ポートフォリオ

〇360度評価（コース前後） 〇ルーブリック 〇ポートフォリオ ○EQテスト(６ヶ月後) ○インタビュー(６ヶ月後）

産学連携ＰＢＬへの適用

第3プログラム ［１５コマ］

第2プログラム ［１５コマ］

(２００８～２０１０年度) (２０１１～２０１２年度) (２０１３年度)

〇理論 〇ヒューマンスキル 知識体系 〇シミュレータ 〇ロールプレイ

研究室で実践

３つの教育プログラムの進化

28 凡例：朱書きは進化した部分

ラーニング・ポートフォリオの導入 • 本授業は、自宅でのシミュレータトレーニングや私的活動における実行動への疑似体験のすりあわせなど、授業外でのトレーニングが含まれる

• 学習行動を動機付け、その成果を評価できる手段として、ラーニング・ポートフォリオを導入

• 毎週１回、学習の状況、結果、目標に対する進捗度合いなど、各自が更新して提出する

29

疑似体験を実体験へすり合わせの記録 (ラーニング・ポートフォリオからの抜粋)

30

• ゼミで4年生が緊張をしていたので、話をしやすい雰囲

気作りをすることで、彼らの隠れたアイデアを引き出すことができた。

• リーダーとして目的、目標を見失わないように意識し、常にメンバーに伝えることで達成への意欲が向上した。

• 意見の対立する人々の間では、両方の意見を尊重し、場のテンションが下がらないように気をつけた。

• 人の出したアイデアに賛同しない場合は、却下するのではなく、代替案・改良案を持ち出す方法をとった。

産学・地域連携PBLのプロセス リーダシップ教育を実践し相乗効果

システムコンセプトの企画・提案 • デザインレビュー１（企画提案）

システム設計・事前評価 • デザインレビュー２（設計・事前評価）

プロトタイプ試作・効果評価 • 最終報告会（試作・評価）

リーダーシップ教育・学習モデル 大学におけるリーダーシップ教育実践による経験とプログラム改善により策定されたモデルである。

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《5つのモジュール》

疑似体験 知識学習 実践

振り返り 学習評価

- 知識にとどまらない行動変容を促す仕組み - 経験からの学習を深める振り返りでの教師のサポート - 学生のやる気を促す学習評価

疑似体験・ 練習 知識学習 実践

学習評価

診断的評価(

学習目標の設定）

総括的評価(

目標達成度）

継続的な実践による行動変容の評価

知識の 習得 練習

実践での 適用

形成的評価(成長度）

継続的なリーダーシップ実践

スキルの修正・追加

教師のサポート

環境の設定

振り返り(自己、

他者、関係性、プロセス）

振り返り(経験

学習、学習能力、集団の反応）

スキル習得のサイクル

体系的なリーダーシップ教育モデル

リーダーシップ教育の効果的な実施 モジュール単位で変更、入れ替え、改善を行なうことにより、効果的な教育の実施ができる

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《モジュールに対する教育研究の本質的課題》

振り返り

実践

学習評価

練習 知識学習 何が重要な知識か、動機付けに必要な知識は何か

（学生の属性、経験、文化背景など考慮）

リーダーシップの疑似体験をどのような手段で実施するか（EX;バーチャルリーダーなどのソフトウエア、ロールプレイ）

ポートフォリオ、think-pair-share activity (個人、ペア、グループで振り返る)

360度評価、ルーブリック、ポートフォリオ、 SEQ（Student EQ）、PROGなど

PBLとの接続学習、実験、研究室、ゼミ、卒業研究、サークル、アルバイトなど

4．体系的アクティブラーニングによるリーダーシップ教育事例

• 留学生を含む大人数クラスでのリーダーシップ授業

• 学生・職員協働のリーダーシップ研修 • 愛媛大学リーダーズスクール • 四国大学連携における職員へのリーダー

シップ養成ゼミナール

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リーダシップ教育履修者の人数拡大と属性の多様化へのチャレンジ

・ リーダーシップ教育を大学院システム理工学専攻の必修科目として留学生を含む専攻学生全員(80名)を対象に実施。

履修者のグローバル化と大人数に対する工夫が必須

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履修者グローバル化への対応

・ 日本語版シミュレータに加え、英語版シミュレータを準備 ・ 配付資料の日英のバイリンガル ・ ８０名の学生を日本語版シミュレータを活用する３０グループと英語版を使用する２グループに分け、英語グループは副教員とTAがサポート ・ ディスカッションは日本人学生、留学生混合グループを設け、英語でのディスカッションを促進

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「Virtual Leader」 という

対人関係力を強化し、リーダーシップを身につけるシミュレータ

学生・職員協働リーダーシップ研修 １. 受講者（学生と職員の混成）

学部4年生：10名、修士1年生1名、ポストドクター1名

法人系職員：4名、教務系職員6名の計22名

2. 内容

2015年9月から3ヶ月間に渡り、職員・教員の協働で企画し、実施した。教育方法として、対人関係トレーニング、体系的なアクティブラーニングを取り入れた。学修成果の可視化や講座外の学修時間の把握ができるようeポートフォリオを導入した。eポートフォリオは受講者同士で閲覧ができ、相互にアドバイスやコメントをし合える仕組みを構築した。

3. 学修教育目標

(1)学生は学修・研究を主体的に実施するためのリーダーシップを習得すると伴に、学生として教育改善に積極的に参画する

(2) 職員は教育改革プロジェクトを推進するためのリーダーシップを習得する

(3) 研修で習得したリーダーシップを活用し、大学教育再生加速プログラム（AP）を教職学協働のワークショップにより推進する

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目的：「組織の目標達成のために責任を持って行動し、 大学の活性化や社会づくりに貢献する学生リーダーの輩出」

リーダーシップマインド

アクション力

セルフリーディング力

チームワーク力

市民性/社会性

リーダーシップを発揮する際に必要な基盤的姿勢・態度

目的・目標に向かって 確実にやり抜く力

目標に向けて他者と責任と権限を共有しながら力と心を合わせる力

社会の構成員としての意識を持ち、社会の 相互依存性を理解し、互いの利益を目指す力

成長のために常に目標を掲げ 士気を保ちながら、自己を導く力

4

愛媛大学リーダーズ・スクール

リーダーズスクールの学習モデル

座学 実践

教職員からのフィードバック ピア・リフレクション 個人での省察

振り返り Reflection

３

ラーニング・ポートフォリオ： ①自分に対する気づき ②他者との関係に対する気づき ③自分と社会とのつながり→記載内容が薄い

セミナーを作成・実施、 「自分史」の作成 『リーダーズ読本』の執筆 課題解決プロジェクト、など

リーダーシップ理論、 目標・の設定と達成手法論 セルフ・マネジメント コミュニケーションなど

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四国大学連携 次世代リーダー養成ゼミナールの概要

まとめ

• 体系的、段階的、継続的な教育プログラムの構築

• リーダーシップを発揮しようとするプロセスを通して、自己を再生し続けることへの支援

• 自己と他者が協同し、共に成長することによって変化の創造を実現するプロセスへの支援

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リーダーシップ育成に対して大学教育の果たす役割

参考文献 [1] Tomoko Maruyama and Masahiro Inoue, Design and Validation of Leadership Education Integrating Simulation and Project Based Learning, Management Studies, Vol.4, No.3, pp.104-110, May-June 2016. DOI:10.17265/2328-2185/2016.03.002 [2] Tomoko Maruyama, Masahiro Inoue, Continuous Quality Improvement of Leadership Education Program through PDCA Cycle, China-USA Business Review, Vol.15, No.1, pp.42-49, January 2016. doi: 10.17265/1537-1514/2016.01.004 [3] Masahiro Inoue, Hiroshi Hasegawa, Kazunori Mano, Yoshimi Furukawa, Atsuko Yamazaki, and Anak Khantachawana , Development of an Engineering Education Program for Innovation in Global Environment, The World Engineering Conference and Convention (WECC2015), December 2, 2015. [4] 丸山智子，井上雅裕, シミュレータによる疑似体験とPBLによる実体験とを結びつけるリーダーシップ教育とその評価, 工学教育 (J. of JSEE), Vol.62, No.6, pp.75-80, Nov. 2014. [5] Masahiro Inoue, Tomoko Maruyama, and Hiroko Nagaya, Project Management Education Embedded in Engineering Education and Research for Fostering Generic Skills, INNOVATIONS 2014: World Innovations in Engineering Education and Research, iNEER, Potomac, MD, USA, pp.27-36, June 2014. [6] 井上雅裕，丸山智子，永谷裕子, 理論，シミュレータ，ロールプレイング，実行動をスパイラルに積み重ねるリーダシップ教育とその評価, 工学教育 (J. of JSEE), Vol.61, No.5, pp.34-39, Sep. 2013. [7] 井上雅裕, 長谷川浩志，陳新開, 分野横断教育の体系的カリキュラム構築とその学習成果のアセスメント, 工学教育 (J. of JSEE), Vol.61, No.2, pp.55-61, Mar. 2013. [8] 丸山智子，井上雅裕, シミュレータを活用した疑似体験と実行動の摺り合わせによるリーダーシップ教育, プロジェクトマネジメント学会誌, Vol.13, No.4, pp.32-37, Aug. 2011. [9] 丸山智子，井上雅裕, 学生・大学職員の連携クラスによるリーダーシップ教育の設計と評価 ～学生・職員・教員の協働を目指して～, 大学教育学会, June 11, 2016. [10] 丸山智子，八木陽平，井上雅裕, 外国人留学生を含む大人数クラスでのリーダーシップ教育とe-ポートフォリオによる学修行動分析, プロジェクトマネジメント学会春季大会，March 10, 2016. [11] リアセック，PROG (Progress Report On Generic Skills)，http://www.riasec.co.jp/prog_hp/ 参照日：2016-3-27. [12] 経済産業省，社会人基礎力を育成する授業３０選，http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/kisoryoku30sen.html 参照日：2016-3-27 44

ご清聴ありがとうございました

体系的なアクティブ・ラーニングによる リーダーシップ教育

Leadership Education by Systematic Active Learning

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