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LS 研:戦略的情報化企画の策定 2007 年度 研究成果報告書 戦略的情報化企画の策定 -戦略的情報化企画成功への新たな一歩へ- アブストラクト 1. 戦略的情報化企画の現状 企業経営にとって、ITの高度活用の重要性はますます高まっており、全体最適の視点から、真に経 営に寄与する情報化企画を策定することが求められている。そのため、経営戦略と情報化戦略の融合に 関する様々なガイドラインや手法が提唱されており、これらを取り入れ、実践している企業もみられる ようになっている。しかし、これらのガイドラインや手法は、各企業の状況に合わせた様々な応用やア レンジが必要なことや、阻害要因に対する解決策が画一的ではないことから、個々の企業で活用するこ とは、現実的には非常に困難である。 一方で、戦略的な情報化の企画業務は、事例が公表されることが少なく、具体的な考え方や手法の参 考となる社外情報が少ない。 2. 各社の課題と課題解決へのアプローチ そのため、各企業で戦略的情報化企画を行う際に、担当者ごとに認識や知識などが異なり、様々な課 題に柔軟に対応することが困難になっている。そこで、本分科会では、以下の二つの観点を基本として、 各社の問題点を抽出・分析・整理した上で、具体的な実行プランに落とせる各社の対策事例を集め、自 社にとって課題解決に真に役立つ情報を整理するアプローチをとった。 ○ 戦略的情報化企画策定プロセスや、プロセスに必要な要素の全体像を捉えること。 ○ 情報システム部門が主体となって実行可能な解決策を導き出すこと。 3. 戦略的情報化企画の策定プロセスと留意点の 検討 分科会各社の現状分析から、企業にとって有効 な戦略的情報化企画を実現するためには、様々な 情報化の企画が、経営戦略との整合性を考慮して、 全社的な視点で検討・評価され、その結果として 経営目標が達成されているというプロセスモデル が必要であること、また、このモデルが機能する ためには、8つの留意点がポイントになるという ことが認識できた(図表1)。 この8つの留意点に対して、各社の自己評価を ○△×の3段階で行った。更に、△と×の場合は、 考えられる問題点とその原因を抽出・整理した。この作業により、8つの留意点に対して、参加各社で 現実に問題が起きている部分を明確にすることができた。(図表2) 4. 問題点の把握と阻害要因の分析 一方で、原因については、各メンバーのレベルや対象範囲が異なっていたため、1次調査では、問題 と原因の因果関係やレベル感が異なっていた。そのため、各社が考える問題点の原因を更に深堀し、問 題点構造図を作成、問題点の再整理と分析を行った。 その結果、情報化企画の業務に影響を与える阻害要因を抽出するとともに、阻害要因の分類を行うこ とができた。この作業により、当初、我々が理想的な企画プロセスに対して検討した以外にも、現実に は「コミュニケーション」や「評価手法・基準」などの影響要素があることが判明した。 情報システム 部門 ユーザー 部門 経営層 影響要素 (1)目標・戦略が 明確か (1)目標・戦略が 明確か (2)ユーザー部門か らの起案があるか (2)ユーザー部門か らの起案があるか (4)情報システム部門 起案が戦略を反映 しているか (4)情報システム部門 起案が戦略を反映 しているか (5)情報システム部門 がユーザーへの提 案ができているか (5)情報システム部門 がユーザーへの提 案ができているか 企画群の最適 化や優先順位付 けをできているか 企画群の最適 化や優先順位付 けをできているか 投資の事前評価を 行っているか (7)投資の事前評 価を行っているか (7)投資の事前評 価を行っているか (8)リリース後の 事後評価を行っ ているか (8)リリース後の 事後評価を行っ ているか (3)ユーザー起 案が戦略を反 映しているか (3)ユーザー起 案が戦略を反 映しているか 図表1 理想的なプロセスモデルと8つの留意点 事業目標/戦略 情シス起案 企画 ユーザー 起案企画 意識/風土 個別システム 計画~開発~運用 人材 制度/ルール 組織/役割 モニタ リング 「全体企画」 ・全体最適化 ・優先度評価 情報システム 部門 ユーザー 部門 経営層 登場人物 影響要素 (1)目標・戦略が 明確か (1)目標・戦略が 明確か (2)ユーザー部門か らの起案があるか (2)ユーザー部門か らの起案があるか (4)情報システム部門 起案が戦略を反映 しているか (4)情報システム部門 起案が戦略を反映 しているか (5)情報システム部門 がユーザーへの提 案ができているか (5)情報システム部門 がユーザーへの提 案ができているか (6)企画群の最適 化や優先順位付 けをできているか (6)企画群の最適 化や優先順位付 けをできているか 投資の事前評価を 行っているか (7)投資の事前評 価を行っているか (7)投資の事前評 価を行っているか (8)リリース後の 事後評価を行っ ているか (8)リリース後の 事後評価を行っ ているか (3)ユーザー起 案が戦略を反 映しているか (3)ユーザー起 案が戦略を反 映しているか 図表1 理想的なプロセスモデルと8つの留意点 7

戦略的情報化企画の策定 - Fujitsu · 2019-03-22 · ls研:戦略的情報化企画の策定 2007年度 研究成果報告書 戦略的情報化企画の策定 -戦略的情報化企画成功への新たな一歩へ-

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LS 研:戦略的情報化企画の策定

2007 年度 研究成果報告書

戦略的情報化企画の策定

-戦略的情報化企画成功への新たな一歩へ-

アブストラクト

1. 戦略的情報化企画の現状

企業経営にとって、ITの高度活用の重要性はますます高まっており、全体最適の視点から、真に経

営に寄与する情報化企画を策定することが求められている。そのため、経営戦略と情報化戦略の融合に

関する様々なガイドラインや手法が提唱されており、これらを取り入れ、実践している企業もみられる

ようになっている。しかし、これらのガイドラインや手法は、各企業の状況に合わせた様々な応用やア

レンジが必要なことや、阻害要因に対する解決策が画一的ではないことから、個々の企業で活用するこ

とは、現実的には非常に困難である。

一方で、戦略的な情報化の企画業務は、事例が公表されることが少なく、具体的な考え方や手法の参

考となる社外情報が少ない。

2. 各社の課題と課題解決へのアプローチ

そのため、各企業で戦略的情報化企画を行う際に、担当者ごとに認識や知識などが異なり、様々な課

題に柔軟に対応することが困難になっている。そこで、本分科会では、以下の二つの観点を基本として、

各社の問題点を抽出・分析・整理した上で、具体的な実行プランに落とせる各社の対策事例を集め、自

社にとって課題解決に真に役立つ情報を整理するアプローチをとった。

○ 戦略的情報化企画策定プロセスや、プロセスに必要な要素の全体像を捉えること。

○ 情報システム部門が主体となって実行可能な解決策を導き出すこと。

3. 戦略的情報化企画の策定プロセスと留意点の

検討

分科会各社の現状分析から、企業にとって有効

な戦略的情報化企画を実現するためには、様々な

情報化の企画が、経営戦略との整合性を考慮して、

全社的な視点で検討・評価され、その結果として

経営目標が達成されているというプロセスモデル

が必要であること、また、このモデルが機能する

ためには、8つの留意点がポイントになるという

ことが認識できた(図表1)。

この8つの留意点に対して、各社の自己評価を

○△×の3段階で行った。更に、△と×の場合は、

考えられる問題点とその原因を抽出・整理した。この作業により、8つの留意点に対して、参加各社で

現実に問題が起きている部分を明確にすることができた。(図表2)

4. 問題点の把握と阻害要因の分析

一方で、原因については、各メンバーのレベルや対象範囲が異なっていたため、1次調査では、問題

と原因の因果関係やレベル感が異なっていた。そのため、各社が考える問題点の原因を更に深堀し、問

題点構造図を作成、問題点の再整理と分析を行った。

その結果、情報化企画の業務に影響を与える阻害要因を抽出するとともに、阻害要因の分類を行うこ

とができた。この作業により、当初、我々が理想的な企画プロセスに対して検討した以外にも、現実に

は「コミュニケーション」や「評価手法・基準」などの影響要素があることが判明した。

事業目標/戦略

情シス起案企画

情シス起案企画

ユーザー起案企画

ユーザー起案企画

意識/風土意識/風土

個別システム計画~開発~運用

個別システム計画~開発~運用

人材人材 制度/ルール制度/ルール 組織/役割組織/役割

モニタリング

「全体企画」・全体 適化・優先度評価

情報システム部門

ユーザー部門

経営層

登場人物 役 割

影響要素

(1)目標・戦略が

明確か

(1)目標・戦略が明確か

(2)ユーザー部門か

らの起案があるか

(2)ユーザー部門からの起案があるか

(4)情報システム部門起案が戦略を反映

しているか

(4)情報システム部門起案が戦略を反映

しているか

(5)情報システム部門がユーザーへの提案ができているか

(5)情報システム部門がユーザーへの提案ができているか

(6)企画群の 適

化や優先順位付けをできているか

(6)企画群の 適化や優先順位付けをできているか

⑦投資の事前評価を

行っているか

(7)投資の事前評

価を行っているか

(7)投資の事前評価を行っているか

(8)リリース後の

事後評価を行っているか

(8)リリース後の

事後評価を行っているか

(3)ユーザー起案が戦略を反映しているか

(3)ユーザー起案が戦略を反映しているか

図表1 理想的なプロセスモデルと8つの留意点

事業目標/戦略

情シス起案企画

情シス起案企画

ユーザー起案企画

ユーザー起案企画

意識/風土意識/風土

個別システム計画~開発~運用

個別システム計画~開発~運用

人材人材 制度/ルール制度/ルール 組織/役割組織/役割

モニタリング

「全体企画」・全体 適化・優先度評価

情報システム部門

ユーザー部門

経営層

登場人物 役 割

影響要素

(1)目標・戦略が

明確か

(1)目標・戦略が明確か

(2)ユーザー部門か

らの起案があるか

(2)ユーザー部門からの起案があるか

(4)情報システム部門起案が戦略を反映

しているか

(4)情報システム部門起案が戦略を反映

しているか

(5)情報システム部門がユーザーへの提案ができているか

(5)情報システム部門がユーザーへの提案ができているか

(6)企画群の 適

化や優先順位付けをできているか

(6)企画群の 適化や優先順位付けをできているか

⑦投資の事前評価を

行っているか

(7)投資の事前評

価を行っているか

(7)投資の事前評価を行っているか

(8)リリース後の

事後評価を行っているか

(8)リリース後の

事後評価を行っているか

(3)ユーザー起案が戦略を反映しているか

(3)ユーザー起案が戦略を反映しているか

図表1 理想的なプロセスモデルと8つの留意点

7

LS 研:戦略的情報化企画の策定

2007 年度 研究成果報告書

5. 情報システム部門が主体となる解決策の

検討

前述の原因分析で明らかになった企画業務

の阻害要因に対する解決策を検討するため、

各社の解決策の事例を基に他社でも実施でき

る施策を整理した。

これらの解決策は、理想的な企画業務プロ

セスにおける留意点ごとに整理されたため、

当初の目的はある程度達成できたことになる。

6. 「情報化企画策定コンパス」の作成と理想的な企画プロセスモデルの提案

しかしながら、留意点ごとの解決策の整理により、あるレベルの成果は得られたが、解決策集だけを

持ち帰っても、それだけではなかなか有効に活用することが困難である。一方、本研究の過程で、当初

設定した理想的なモデルに対しても、追加の影響要素が発見できたと同時に、これらの影響要素に対し

ても、参加企業の中から具体的な解決策の情報が得られている。

そこで、問題点の原因分析で作成した問題点構造図を活用し、各社の状況に応じて解決策にたどりつ

けるツールとして、「情報化企画策定コンパス」を作成するとともに、理想的なプロセス図の再点検を行

い、見直し後のプロセス図を「情報化企画策定コンパス」の入り口とすることで、企画プロセス内の各

種の留意点から、各社の状況に応じて問題点を辿り、解決策が示されるという仕組みを実現した。

「情報化企画策定コンパス」が提示する解決策は、本分科会に参加した業種の異なる9社の状況や実

施例から得られた事例だけでまとめているが、この9社のメンバーが集まって、一つの問題に対して具

体的な解決策を共有することができた経緯を考えると、まったく背景の異なる第三者が見ても、「情報化

企画策定コンパス」を活用することで、自社の問題点の再認識や解決策のヒントの一部を得ることがで

きると考えている。

7. 戦略的情報化企画の策定実現への道

本分科会の活動を通じて、参加メンバー間でお互いの課題と原因の整理、要因のレベル合わせとその

解決策に向けた事例の共有ができ、各社にて実行可能な解決策のヒントをつかむことができた。更に、

その結果をツールとしてまとめ、理想的な企画プロセスモデルとの連携を実現した。(図表3)

あとは、メンバーそれぞれが本

成果を各社に持ち帰り、自社の条

件に合わせ解決策をアレンジし、

真に経営の役に立つIT化に向け

たアクションを、我々自身が実行

する番である。

また、我々と同様の問題を抱え

る企画担当者の方には、我々のア

プローチ及び活動成果を、各社の

問題点解決のための一助として活

用していただければ幸いである。

           図表2 8つの留意点に対する各社の自己評価

A社

B社

C社

D社

E社

F社

G社

H社

I社

(1) 会社として経営目標や経営戦略が明確になっているか △ ○ ○ ○ △ ○ △ ○ ×

(2) ユーザー部門が情報システムの起案に積極的か △ ○ ○ △ △ ○ △ ○ ○

(3)ユーザー部門の情報システムに関する起案が、経営戦略や部門戦略を反映しているか

△ ○ △ ○ △ △ △ ○ ×

(4)情報システム部門の起案が経営戦略や事業戦略を反映しているか

○ ○ ○ ○ × × △ △ ○

(5)情報システム部門からユーザー部門に対して、情報システムの提案ができているか

× × △ △ × × × △ △

(6) 情報化企画群の 適化や優先順位付けをできているか △ △ × △ △ △ △ ○ ×

(7) 各情報化の企画に対して、投資の事前評価を行っているか △ △ △ ○ △ × △ ○ △

(8)各情報化の企画に対して、リリース後の事後評価を行っているか

× △ × △ × × △ ○ △

【問題点構造図】

【解決策一覧】

ユーザー部門に起案する部署・人がいない

企画・起案がない

①ユーザーから起案する制度がない

ユーザーが相談できる相手がいない

ユーザーが情報活用の方法・効果・メリットを知らない

③ユーザーと情報システム部門間のコミュニケーションがない

ユーザーが情報化の必要性を感じない

ユーザー部門にノウハウ・スキルがない

②ユーザーにとって求められるノウハウ・スキルの育成方法が判らない

⑤ユーザーが現業に追われ、起案する時間を作れない

④ユーザー部門の中で、現場から情報が集まらない

影響 原因

制 度

スキル・ノウハウ

コミュニケーション

マンパワー

起案はしているが、戦略を反映していない

⑦ユーザーが上位方針を理解していない

ユーザー部門において、本部と現場の意思がずれている

戦略に則した起案はしているが、戦略自体がよくない

現場の実情が本部から理解できない

⑥ユーザー部門において、現場の情報が本部に伝わらない

ユーザーが、業務改善テーマしか実施しようとしない

⑧ユーザーにとって、戦略に関する取り組みは大変

コミュニケーション

意識・風土

スキル・ノウハウ

「ユーザー部門からの起案があるか

「ユーザー起案が戦略を反映しているか

解決策へ

⑨ユーザーが、戦略的な企画の立案方法を知らない

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

TOPページへ問題点構造図(留意点№2・3)

ユーザー部門に起案する部署・人がいない

企画・起案がない

①ユーザーから起案する制度がない

ユーザーが相談できる相手がいない

ユーザーが情報活用の方法・効果・メリットを知らない

③ユーザーと情報システム部門間のコミュニケーションがない

ユーザーが情報化の必要性を感じない

ユーザー部門にノウハウ・スキルがない

②ユーザーにとって求められるノウハウ・スキルの育成方法が判らない

⑤ユーザーが現業に追われ、起案する時間を作れない

④ユーザー部門の中で、現場から情報が集まらない

影響 原因

制 度

スキル・ノウハウ

コミュニケーション

マンパワー

起案はしているが、戦略を反映していない

⑦ユーザーが上位方針を理解していない

ユーザー部門において、本部と現場の意思がずれている

戦略に則した起案はしているが、戦略自体がよくない

現場の実情が本部から理解できない

⑥ユーザー部門において、現場の情報が本部に伝わらない

ユーザーが、業務改善テーマしか実施しようとしない

⑧ユーザーにとって、戦略に関する取り組みは大変

コミュニケーション

意識・風土

スキル・ノウハウ

「ユーザー部門からの起案があるか

「ユーザー起案が戦略を反映しているか

解決策へ

⑨ユーザーが、戦略的な企画の立案方法を知らない

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

TOPページへ問題点構造図(留意点№2・3)

解決策一覧(留意点№2・3)

①ユーザーから起案する制度がない

制度

(予算統制として)・情報システム部門を経営直轄組織を構築し全IT予算を持たせる。  例:小規模案件は決裁権限も持たせる。     ユーザー部門でIT予算は一切持たず、本社からサービス課金や情報システム部門の人件費も含めて再配賦する。     大規模案件のIT投資に関する決裁は組織横断的なメンバーで構成する評価委員会で行う。・ユーザー部門内で予算確保できる体制・仕組みの構築と決済権限は情報システム部門に持たせる。

(情報把握として)・情報システム部門起案、ユーザー部門起案に関わらず、起案/申請/稟議のワークフローを確立し、制度化する。  例:ユーザー部門起案の案件を、社内他部門に水平展開する仕組みを整備する。     全社のIT化計画を(事後でも)、情報システム部門が把握できるようにする。     稟議規定などを見直し、投資前の段階でユーザー部門の起案を把握できるようにする。     全社でルール作成、ユーザー起案申請時のチェック機能を設ける。・ユーザー部門間にまたがる案件を共通に企画推進できるIT組織を設け、権限も付与する。

原因の 下層 解決策分類 解決策

問題点構造図へ戻る

解決策一覧(留意点№2・3)

①ユーザーから起案する制度がない

制度

(予算統制として)・情報システム部門を経営直轄組織を構築し全IT予算を持たせる。  例:小規模案件は決裁権限も持たせる。     ユーザー部門でIT予算は一切持たず、本社からサービス課金や情報システム部門の人件費も含めて再配賦する。     大規模案件のIT投資に関する決裁は組織横断的なメンバーで構成する評価委員会で行う。・ユーザー部門内で予算確保できる体制・仕組みの構築と決済権限は情報システム部門に持たせる。

(情報把握として)・情報システム部門起案、ユーザー部門起案に関わらず、起案/申請/稟議のワークフローを確立し、制度化する。  例:ユーザー部門起案の案件を、社内他部門に水平展開する仕組みを整備する。     全社のIT化計画を(事後でも)、情報システム部門が把握できるようにする。     稟議規定などを見直し、投資前の段階でユーザー部門の起案を把握できるようにする。     全社でルール作成、ユーザー起案申請時のチェック機能を設ける。・ユーザー部門間にまたがる案件を共通に企画推進できるIT組織を設け、権限も付与する。

原因の 下層 解決策分類 解決策

問題点構造図へ戻る

総4ページ

総31ページ

ユーザー部門に起案

する部署・人がいな

企画・起案がない

①ユーザーから起案する制度がない

ユーザーが相談でき

る相手がいない

ユーザーが情報活用

の方法・効果・メリット

を知らない

③ユーザーと情報シ

ステム部門間のコミュニケーションがない

ユーザーが情報化の

必要性を感じない

ユーザー部門にノウ

ハウ・スキルがない②ユーザーにとって求められるノウハウ・スキルの育成方法が判らない

⑤ユーザーが現業に追われ、起案する時間を作れない

④ユーザー部門の

中で、現場から情報が集まらない

影響 原因

制 度

スキル・ノウハウ

コミュニケーション

マンパワー

起案はしているが、戦略を反映していない

⑦ユーザーが上位方針を理解していない

ユーザー部門におい

て、本部と現場の意

思がずれている

戦略に則した起案はしているが、戦略自体が

よくない

現場の実情が本部か

ら理解できない

⑥ユーザー部門に

おいて、現場の情報が本部に伝わらない

ユーザーが、業務改

善テーマしか実施し

ようとしない

⑧ユーザーにとって、戦略に関する取り組みは大変

コミュニケーション

意識・風土

スキル・ノウハウ

「ユー

ザー

部門からの起案があるか

⑶ユー

ザー

起案が戦略を反映しているか

解決策へ

⑨ユーザーが、戦略

的な企画の立案方法を知らない

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

TOPページへ問題点構造図(留意点№⑵・⑶)

解決策一覧(留意点№⑵・⑶)

①ユーザーから起案する制度がない

制度

(予算統制として)・情報システム部門を経営直轄組織を構築し全IT予算を持たせる。  例:小規模案件は決裁権限も持たせる。     ユーザー部門でIT予算は一切持たず、本社からサービス課金や情報システム部門の人件費も含めて再配賦する。     大規模案件のIT投資に関する決裁は組織横断的なメンバーで構成する評価委員会で行う。・ユーザー部門内で予算確保できる体制・仕組みの構築と決済権限は情報システム部門に持たせる。

(情報把握として)・情報システム部門起案、ユーザー部門起案に関わらず、起案/申請/稟議のワークフローを確立し、制度化する。  例:ユーザー部門起案の案件を、社内他部門に水平展開する仕組みを整備する。     全社のIT化計画を(事後でも)、情報システム部門が把握できるようにする。     稟議規定などを見直し、投資前の段階でユーザー部門の起案を把握できるようにする。     全社でルール作成、ユーザー起案申請時のチェック機能を設ける。・ユーザー部門間にまたがる案件を共通に企画推進できるIT組織を設け、権限も付与する。

原因の 下層 解決策分類 解決策

問題点構造図へ戻る

ユーザー部門

(1)目標・戦略が明

確か

経営層

情報システム部門

経営戦略立案

事業戦略

立案

IT戦略

立案情報化テーマ

情報化テーマ

中期計画策定

経営委員会

案件レビュー優先順位付け

事後評価

経営委員会

(1)目標・戦略が明

確か

⑸情報システム部門がユーザーへの提案ができているか

⑺投資の事前評価を行っているか

⑷情報システム部門起案が戦略を反映

いているか

⑻リリース後の事後評価を行ってい

るか

⑹企画群の 適化や優先順位付け

をできているか

⑵ユーザー部門からの起案がある

⑶ユーザ起案が戦略を反映してい

るか

戦略的情報化企画のプロセスモデル

【理想的なプロセスモデル】

図表3 理想的なプロセスモデルと「情報化企画策定コンパス」

情報化企画策定コンパス

【問題点構造図】

【解決策一覧】

ユーザー部門に起案する部署・人がいない

企画・起案がない

①ユーザーから起案する制度がない

ユーザーが相談できる相手がいない

ユーザーが情報活用の方法・効果・メリットを知らない

③ユーザーと情報システム部門間のコミュニケーションがない

ユーザーが情報化の必要性を感じない

ユーザー部門にノウハウ・スキルがない

②ユーザーにとって求められるノウハウ・スキルの育成方法が判らない

⑤ユーザーが現業に追われ、起案する時間を作れない

④ユーザー部門の中で、現場から情報が集まらない

影響 原因

制 度

スキル・ノウハウ

コミュニケーション

マンパワー

起案はしているが、戦略を反映していない

⑦ユーザーが上位方針を理解していない

ユーザー部門において、本部と現場の意思がずれている

戦略に則した起案はしているが、戦略自体がよくない

現場の実情が本部から理解できない

⑥ユーザー部門において、現場の情報が本部に伝わらない

ユーザーが、業務改善テーマしか実施しようとしない

⑧ユーザーにとって、戦略に関する取り組みは大変

コミュニケーション

意識・風土

スキル・ノウハウ

「ユーザー部門からの起案があるか

「ユーザー起案が戦略を反映しているか

解決策へ

⑨ユーザーが、戦略的な企画の立案方法を知らない

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

TOPページへ問題点構造図(留意点№2・3)

ユーザー部門に起案する部署・人がいない

企画・起案がない

①ユーザーから起案する制度がない

ユーザーが相談できる相手がいない

ユーザーが情報活用の方法・効果・メリットを知らない

③ユーザーと情報システム部門間のコミュニケーションがない

ユーザーが情報化の必要性を感じない

ユーザー部門にノウハウ・スキルがない

②ユーザーにとって求められるノウハウ・スキルの育成方法が判らない

⑤ユーザーが現業に追われ、起案する時間を作れない

④ユーザー部門の中で、現場から情報が集まらない

影響 原因

制 度

スキル・ノウハウ

コミュニケーション

マンパワー

起案はしているが、戦略を反映していない

⑦ユーザーが上位方針を理解していない

ユーザー部門において、本部と現場の意思がずれている

戦略に則した起案はしているが、戦略自体がよくない

現場の実情が本部から理解できない

⑥ユーザー部門において、現場の情報が本部に伝わらない

ユーザーが、業務改善テーマしか実施しようとしない

⑧ユーザーにとって、戦略に関する取り組みは大変

コミュニケーション

意識・風土

スキル・ノウハウ

「ユーザー部門からの起案があるか

「ユーザー起案が戦略を反映しているか

解決策へ

⑨ユーザーが、戦略的な企画の立案方法を知らない

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

TOPページへ問題点構造図(留意点№2・3)

解決策一覧(留意点№2・3)

①ユーザーから起案する制度がない

制度

(予算統制として)・情報システム部門を経営直轄組織を構築し全IT予算を持たせる。  例:小規模案件は決裁権限も持たせる。     ユーザー部門でIT予算は一切持たず、本社からサービス課金や情報システム部門の人件費も含めて再配賦する。     大規模案件のIT投資に関する決裁は組織横断的なメンバーで構成する評価委員会で行う。・ユーザー部門内で予算確保できる体制・仕組みの構築と決済権限は情報システム部門に持たせる。

(情報把握として)・情報システム部門起案、ユーザー部門起案に関わらず、起案/申請/稟議のワークフローを確立し、制度化する。  例:ユーザー部門起案の案件を、社内他部門に水平展開する仕組みを整備する。     全社のIT化計画を(事後でも)、情報システム部門が把握できるようにする。     稟議規定などを見直し、投資前の段階でユーザー部門の起案を把握できるようにする。     全社でルール作成、ユーザー起案申請時のチェック機能を設ける。・ユーザー部門間にまたがる案件を共通に企画推進できるIT組織を設け、権限も付与する。

原因の 下層 解決策分類 解決策

問題点構造図へ戻る

解決策一覧(留意点№2・3)

①ユーザーから起案する制度がない

制度

(予算統制として)・情報システム部門を経営直轄組織を構築し全IT予算を持たせる。  例:小規模案件は決裁権限も持たせる。     ユーザー部門でIT予算は一切持たず、本社からサービス課金や情報システム部門の人件費も含めて再配賦する。     大規模案件のIT投資に関する決裁は組織横断的なメンバーで構成する評価委員会で行う。・ユーザー部門内で予算確保できる体制・仕組みの構築と決済権限は情報システム部門に持たせる。

(情報把握として)・情報システム部門起案、ユーザー部門起案に関わらず、起案/申請/稟議のワークフローを確立し、制度化する。  例:ユーザー部門起案の案件を、社内他部門に水平展開する仕組みを整備する。     全社のIT化計画を(事後でも)、情報システム部門が把握できるようにする。     稟議規定などを見直し、投資前の段階でユーザー部門の起案を把握できるようにする。     全社でルール作成、ユーザー起案申請時のチェック機能を設ける。・ユーザー部門間にまたがる案件を共通に企画推進できるIT組織を設け、権限も付与する。

原因の 下層 解決策分類 解決策

問題点構造図へ戻る

総4ページ

総31ページ

ユーザー部門に起案

する部署・人がいな

企画・起案がない

①ユーザーから起案する制度がない

ユーザーが相談でき

る相手がいない

ユーザーが情報活用

の方法・効果・メリット

を知らない

③ユーザーと情報シ

ステム部門間のコミュニケーションがない

ユーザーが情報化の

必要性を感じない

ユーザー部門にノウ

ハウ・スキルがない②ユーザーにとって求められるノウハウ・スキルの育成方法が判らない

⑤ユーザーが現業に追われ、起案する時間を作れない

④ユーザー部門の

中で、現場から情報が集まらない

影響 原因

制 度

スキル・ノウハウ

コミュニケーション

マンパワー

起案はしているが、戦略を反映していない

⑦ユーザーが上位方針を理解していない

ユーザー部門におい

て、本部と現場の意

思がずれている

戦略に則した起案はしているが、戦略自体が

よくない

現場の実情が本部か

ら理解できない

⑥ユーザー部門に

おいて、現場の情報が本部に伝わらない

ユーザーが、業務改

善テーマしか実施し

ようとしない

⑧ユーザーにとって、戦略に関する取り組みは大変

コミュニケーション

意識・風土

スキル・ノウハウ

「ユー

ザー

部門からの起案があるか

⑶ユー

ザー

起案が戦略を反映しているか

解決策へ

⑨ユーザーが、戦略

的な企画の立案方法を知らない

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

解決策へ

TOPページへ問題点構造図(留意点№⑵・⑶)

解決策一覧(留意点№⑵・⑶)

①ユーザーから起案する制度がない

制度

(予算統制として)・情報システム部門を経営直轄組織を構築し全IT予算を持たせる。  例:小規模案件は決裁権限も持たせる。     ユーザー部門でIT予算は一切持たず、本社からサービス課金や情報システム部門の人件費も含めて再配賦する。     大規模案件のIT投資に関する決裁は組織横断的なメンバーで構成する評価委員会で行う。・ユーザー部門内で予算確保できる体制・仕組みの構築と決済権限は情報システム部門に持たせる。

(情報把握として)・情報システム部門起案、ユーザー部門起案に関わらず、起案/申請/稟議のワークフローを確立し、制度化する。  例:ユーザー部門起案の案件を、社内他部門に水平展開する仕組みを整備する。     全社のIT化計画を(事後でも)、情報システム部門が把握できるようにする。     稟議規定などを見直し、投資前の段階でユーザー部門の起案を把握できるようにする。     全社でルール作成、ユーザー起案申請時のチェック機能を設ける。・ユーザー部門間にまたがる案件を共通に企画推進できるIT組織を設け、権限も付与する。

原因の 下層 解決策分類 解決策

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ユーザー部門

(1)目標・戦略が明

確か

経営層

情報システム部門

経営戦略立案

事業戦略

立案

IT戦略

立案情報化テーマ

情報化テーマ

中期計画策定

経営委員会

案件レビュー優先順位付け

事後評価

経営委員会

(1)目標・戦略が明

確か

⑸情報システム部門がユーザーへの提案ができているか

⑺投資の事前評価を行っているか

⑷情報システム部門起案が戦略を反映

いているか

⑻リリース後の事後評価を行ってい

るか

⑹企画群の 適化や優先順位付け

をできているか

⑵ユーザー部門からの起案がある

⑶ユーザ起案が戦略を反映してい

るか

戦略的情報化企画のプロセスモデル

【理想的なプロセスモデル】

図表3 理想的なプロセスモデルと「情報化企画策定コンパス」

情報化企画策定コンパス

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