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~ 睡眠時無呼吸症候群(SAS) ~ 臨床検査技師としてどう関わるか? サス

睡眠時無呼吸症候群(SAS...2014/10/25  · 的にOSASを疑う。[エビデンスレベルE-Ⅱ] 3. OSASを合併する高血圧患者では,減塩・減量と並行して,持続陽

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Page 1: 睡眠時無呼吸症候群(SAS...2014/10/25  · 的にOSASを疑う。[エビデンスレベルE-Ⅱ] 3. OSASを合併する高血圧患者では,減塩・減量と並行して,持続陽

~ 睡眠時無呼吸症候群(SAS) ~ 臨床検査技師としてどう関わるか?

サス

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睡眠時無呼吸症候群とは?

夜間睡眠中に無呼吸を繰り返し、その結果、日中傾眠などの

種々の自覚症状を呈する疾患の総称。

7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸もしくはAI≧5

無呼吸(Apnea) : 10秒以上の気流の停止

AI(Apnea Index) : 睡眠1時間あたりの無呼吸の回数

Sleep Apnea Syndrome(SAS) サス

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閉塞型無呼吸(OSA)の原因 OSAは、上気道の閉塞によって無呼吸・低呼吸が起きるために発症する。

全SAS患者の約9割以上はOSAと言われています。

<閉塞の原因> ①形態的異常 : 肥満に伴う上気道軟部組織への脂肪沈着、扁桃肥大、巨舌症、 鼻中隔彎曲症、アデノイド、小顎症(日本人に多い)など

②機能的異常 : 気道を構成している筋肉の保持する力が低下する。

咽頭扁桃

軟口蓋

重力

気道の閉塞

吸気

オーサ

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OSAの病態 ・低酸素血症 ・無呼吸後の酸素化 ・高二酸化炭素血症 ・頻発する覚醒反応 ・胸腔内圧変動

Abu S.M. Shamsuzzaman et al; JAMA 2003;290:1906を改変

・交感神経亢進 血管収縮 カテコラミン増加 心血管系日内変動

・血管内皮障害 ・酸化ストレス ・炎症反応 ・凝固亢進 ・代謝異常 レプチン抵抗性 肥満 インスリン抵抗性

介在する機序 心血管疾患 ・高血圧 ・うっ血性心不全 収縮障害 拡張障害 ・不整脈 徐脈 AVブロック 心房細動 ・虚血性心疾患 心筋梗塞 狭心症 夜間ST低下 ・脳血管障害

OSAが心血管系疾患に及ぼす影響

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生活習慣病におけるSASの合併率

Sjostrom et al. Thorax 2003

Logan et al. J. Hypertension 2001

Javaheri et al. Circulation 1999

Schafer et al. Cardiology 1999

Elmasry et al. Intern Med 2001

Somers et al. Circulation 2004

西村 et al. J.Cardiol.2005 57%

36%

30%

35%

50%

50%

80%

0% 20% 40% 60% 80%

メタボリック

糖尿病

冠動脈疾患

高血圧

心房細動

心不全

薬剤抵抗性高血圧

身近にある生活習慣病の中に、SASが隠れているかもしれません!

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He,J.,Kryger,M.,Zorick,F.J.,Conway,W.,Roth,T.: Mortality and apnea index in obstructive sleep apnea - Experience in 385 male patients - Chest 94:9~14,1988

246名の無治療のOSA患者をAIが20以下の群(n=142)とAI 20以上の群(n=104)に分けた

累積生存率

⇒重症の睡眠時無呼吸症候群の人は死亡率が高い

OSA患者の生命予後

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序文

本ガイドラインで用いる用語について

本文中に用いられる主な略語とその解説

I 正常睡眠と睡眠障害

II 疫学 (欧米人、日本人における頻度、予後)

III 病態

1. 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)

2. 中枢性睡眠時無呼吸(CSA)

IV 診断

1. 簡易モニター

2. PSG

3. 欧米、日本でのそれぞれの基準

V 治療

1. 閉塞性睡眠時無呼吸の治療

3-5. 持続気道陽圧(CPAP)、その他の陽圧治療

2. 中枢性睡眠時無呼吸の治療

1-1. 薬物治療

1-2. デバイス、外科治療

1-3. 在宅酸素療法(HOT)

1-4. 持続気道陽圧(CPAP)

1-5. その他の陽圧治療

VI 各論(合併頻度、想定される機序、SASの予後への影響、治療効果)

循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン (2010年12月発刊)

循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン(JCS2010 )より

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循環器領域において、SASを診断する目的

①循環器疾患のリスクとしてのOSASのスクリーニング診断のため

②慢性心不全に合併するSASの診断・治療のため

クラスI

1.基礎心疾患の有無にかかわらずEDSもしくは睡眠中の窒息感やあえぎ、繰り返す覚醒、起床時の

爽快感欠如、日中の疲労感、集中力欠如のうち2つ以上を認める場合(エビデンスレベルC)

2.すべての心不全患者 (エビデンスレベルC)

3.治療抵抗性高血圧(エビデンスレベルC)

クラスIIa

1.夜間尿、夜間呼吸困難、夜間発症の心血管イベントの既往がある高血圧患者

(エビデンスレベルC)

2.正常血圧にもかかわらず左室肥大を有する例(エビデンスレベルC)

3.以下の疾患の既往がある、あるいは病態を有する患者:脳卒中、無症候の左室

収縮および拡張機能不全、冠動脈疾患、夜間就寝中の不整脈、大動脈解離、

マルファン症候群、病因の特定できない肺高血圧症、腎不全(エビデンスレベルBおよびC)

クラスIIb

1.すべての高血圧患者(エビデンスレベルC)

2.夜間就寝中以外の不整脈(エビデンスレベルC)

睡眠呼吸障害のスクリーニングの意義

循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン(JCS2010 )より

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日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン 2014 より

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【睡眠時無呼吸症候群】

1.昼間の眠気に加え,夜間頻尿,夜間呼吸困難,夜間発症の心血管イベント,治療抵抗性高血圧では,積極的に閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)を疑う。[エビデンスレベルE-Ⅱ]

2. 血圧変動の増大を伴うnon-dipper・riser型夜間高血圧を示すことが多く,家庭血圧測定で「早朝高血圧」を示す高血圧患者では,積極的にOSASを疑う。[エビデンスレベルE-Ⅱ]

3. OSASを合併する高血圧患者では,減塩・減量と並行して,持続陽圧呼吸(CPAP)療法などを行い、推奨グレドA[エビデンスレベルⅠ] 夜間血圧を含めたより厳格な降圧療法を行う。推奨グレドC1 [エビデンスレベルⅣb]

日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン 2014 より

第7章 他疾患を合併する高血圧 POINT 7c

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心筋梗塞二次予防に関するガイドライン(JCS2011 )より

心筋梗塞二次予防に関するガイドライン (2011年改訂版)

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閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の虚血性心疾患発症リスクは健常人の1.2~ 6.9倍で無呼吸低呼吸指数(AHI)が20以上であると急性冠症候群を発症しやすくなることが報告されている。

これは,低酸素による酸素による交感神経の活性化が,血小板凝集能の亢進,血圧変動,血管トーヌスの緊張等が関与していると考えられている。

そして,最終的には,OSASは虚血性心疾患患者の予後を悪化させる。

そのため,心筋梗塞後患者にはpolysomnography(PSG)等を

用いてSASの有無を調べる必要が有る。

心筋梗塞後の睡眠時無呼吸症候群

心筋梗塞二次予防に関するガイドライン(JCS2011 )より

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宅配便を活用した

SASスクリーニング検査受託システム

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臨床現場からのニーズ

※ガイドラインには循環器疾患のリスクとして

SASのスクリーニングを行う事が明記されている

• 循環器領域でのSAS潜在患者は自覚症状があっても、ご自身でSAS

検査目的にて医療機関を受診するケースが少ない。

• ガイドラインの内容をふまえて施設にて検査器を購入して運用する場合、

医療者の手間増、ランニングコスト等の問題が発生する。

※検査対象者が自身のみで手軽にしかも家庭で検査が出来る

SASスクリーニング検査システムの需要が高まっている

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宅配SASスクリーニング検査フロー

①医師から対象患者へ説明 治療抵抗性高血圧、心不全 冠動脈疾患、不整脈 etc

②業者へ指示書FAX

③患者宅(指定場所)へ機器送付

④自宅で検査実施 ⑤患者からの機器の返却 業者にてデータ自動解析 レポートのアウトプット

FAX送信

※患者様の 次回外来受診までに 検査結果のご報告

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SASスクリーニング検査装置

最近の検査装置は、睡眠中の鼻呼吸・いびきの呼吸情報、SpO2を記録する携帯型検査装置が主流となっております。 センサーはフィンガープローブと鼻カニューレのみで、在宅で検査を簡便に行えます。

操作ボタンも一つのみです 検査イメージ

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SAS診療の流れ

問診、スクリーニング(在宅) 外来

治療方法の選択

PSG(ポリソムノグラフィー)

確定診断検査(入院) 検査

治療

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「携帯型PSG機器を活用したスムーズな

SAS確定診断検査環境の構築」

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携帯型PSG機器による自由度の高い検査体制の構築

本体のみでの検査が可能で、特別な設備環境を必要としない為

空きベットや個室にて検査が可能です。

•機器を装着しやすい場所で装着後、患者様が自身で病室に戻ることが可能

病室での検査が可能

移動も容易です

装着後、患者様自身で病室まで移動可能

処置室等

病室

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検査データ解析受託サービス

WEB上で検査データをお預かりして解析・検査結果をお届けする、解析受託サービスも実施しております。