CDR900 セットアップ・登録方法

このセクションでは CDR900 セットアップと登録の方法について説明します。CDR900のご使用前に、

CDR のソフトウエアで CDR900の登録を行うことが重要です。説明に従って CDR900のご使用を開始し

てください。

CDR900 ユーザーマニュアル

CDR900のご使用前には必ず CDR900 ユーザーマニュアルの内容をご確認ください。取り扱いやメンテ

ナンス方法等、CDR ソフトウエアのヘルプファイルにも無い追加情報が記載されています。CDR900 ユー

ザーマニュアルは以下のインターネットロケーションよりダウンロード頂けます。

https://www.boschdiagnostics.com/cdr/sites/cdr/files/cdr_900_user_guide_en.pdf

概要

[非表示：上記、下記それぞれの手順 (青字・下線) にリンクをつけてください。]

下の基本手順に従い、初回 CDR900のセットアップを行います。 下記それぞれのリンクをクリックしセット

アップのそれぞれの手順についての詳細な説明に進んでください。

1) CDR900 とそのコンポーネントについて：[Review Components]

2) PC、電源の接続：[Connect to a PC and Power]

3) CDR900の初回プログラミング：[Program for the first time]（所要時間：約 10分）

4) CDR 900の登録：[Register with CDR Software]

5) ワイヤレス接続のセットアップ [Setup Wireless (optional)] (オプション)

6) CDR900による対応車両からの EDRデータのダウンロード：[Begin Using]

１） CDR900 とそのコンポーネントについて：[Review Components]

CDR900 は現在の CANplus と比較してより早い通信、ワイヤレス接続、新しく高性能な将来の車両通信

ネットワークに対応していくための機能を有し、現在と将来の高度化する車両ネットワークシステムによる

性能要求を満たすために必要となります。

また、CDR900は 2018年夏以降の新規対応 OEMや、General Motorsのアクティブセイフティーシステム

を含む新規車両、モデル、EDR システムのサポートの為に必要不可欠となります。

CDR900は将来の車両サポートへつなげていくため、現行の CDR ツールキットに対して追加で必要とな

ります。現在および過去の車両については引き続き CANPlusによるカバレージとなり、基本的に CDR900

でのカバレージ対象とはなりません。

CDR900は PCや車両との接続、また装置のプログラミング/リプログラミングに必要ないくつかのコンポ

ーネントを含みます。

o CDR 900 車両インタフェース

o CDR 900 電源・インタフェースケーブル (品番: 1699200602)

o DLC/OBD J1962 ケーブル (品番: 1699200615)

o D2ML、CDR レガシーケーブルアダプタ (品番: 1699200616)

o 1m 延長ケーブル (品番: 1699200617)

o 3m USB ケーブル (品番: 1699200385)

o ワイヤレス 802.11 ドングル (品番: 1699200155)

o CDR 12V DC 電源 (品番: F00E900104, kit / 02002435, P/S Only)

次の手順へ.

２） PC、電源の接続 [Connect to a PC and Power]

CDR900をプログラムする前に PCへの接続を可能にしておく為、この手順は最初に完了しておくことが

重要です。

1) USB cableで CDR900 と PCを接続する

2) CDR 900 電源・インタフェースケーブルを CDR900へ接続し、CDR 12V DC 電源等により安定し

た 12V DC電源を供給する。

3) CDR version 17.8 移行のソフトウエアにて CDR アプリケーションを立ち上げ、次の手順へ進む。

次の手順へ.

３） CDR900 の初回プログラミング [Program for the first time] （所要時間：約 10 分）

CDR900を始めてお使いの際には以下の手順にてプログラミングを実施する必要があります。この手

順には CDR900の初回プログラミングまたはリカバリを含みます。将来、新しい CDRツールのソフトウ

エアリリースで新しいアップデートがあった際、必要な場合には同様の手順にてリカバリする事も可能で

す。

1) CDR900を PCへ接続し CDRのソフトウエア(バージョン 17.8以降)を立ち上げた状態で Setup

Menuを選択し、その後 Program CDR 900 から Program Devices を選択します。 別ウインドウに

て VCI Manager (VCI) が開きます。こちらのプログラムにて CDR900のプログラミングが可能となり

ます。 （初回セットアップ以降の場合、プログラミングはリカバリを意味します。）

2) CDR 900 VCI Manager Software のウインドウ上に表示された CDR 900 のアイコンをクリックしま

す。アイコンの下には SN:-------- RECOVER というテキストが表示されていますので、次に

Recover ボタンをクリックします。 するとウインドウが更新され SN: -------- というテキストと

Start Update いうボタンが表示されます。

3) Start Update ボタンをクリックし、CDR 900 VCI Manager (CDR) のインストラクションに従い確認しま

す。CDR900のプログラミング完了には 5分から 10分の時間を要します。 アップデート中に USB

接続また１２V DC電源供給が切れてしまうことの無いようにご注意ください。

4) CDR900のプログラミング完了後、デバイスが自動的に再起動しその後準備が完了したことを知ら

せるビープ音が鳴る事を知らせるポップアップウィンドウが開きます。 スクリーンの OKボタンをクリ

ックしビープ音が鳴るのを待って次へ進みます。

5) CDR900のプログラミングが終わり、再起動の完了後（ビープ音が鳴り、本体の CHECKマーク LED

が緑点灯）、VCI Manager window の CDR900アイコンが更新されシリアルナンバーが表示されま

す。この番号は使用している CDR900本体裏面のラベルに記載された番号の下 8桁と同じものに

なります。また、CDR900アイコンは接続状態を示すための白い USBシンボルを同時に表示しま

す。

CDR900アイコンをクリックし、Connect ボタンをクリックします。 接続されると、白い USBシンボル

が大きな緑のチェックマークで置き換えられます。 これにより、PC と CDR900の接続が完了したこ

とを表します。

重要：

スクリーン上で準備が完了した表示がされたとしても、CDR ソフトウエアに CDR900を認識させ

るにはデバイスの登録が必要となります。

6) 右上の Xボタンにより VCI Manager (CDR) を閉じ、CDR ソフトウエアにて CDR900の登録に進み

ます。

CDR ソフトウエアと CDR900を使用する前に、必ず CDR900の登録が終わっている必要がありま

す。

次の手順へ.

４） CDR900 の登録 [Register the CDR 900]

CDR のソフトウエアにより CDR900を使用し、車両もしくは ECUから EDRデータのダウンロードをする前

に、CDR900を登録する必要があります。以下の手順に従い、CDR900を CDR ソフトウエアへ登録してく

ださい。

1) CDR900に正しく電源が供給され、USBケーブルにて PCに接続されている状態にあり、CDR

v17.8かそれ以降の CDR ソフトウエアが立ち上がっていることを確認する。

2) CDR ソフトウエアの Setup のドロップダウンメニューの Register a CDR 900 Deviceから Register

a Device を選択する。

3) 登録に成功すると、登録された CDR900のシリアルナンバー、ファームウエアのバージョンと共に

登録に成功したことを示すメッセージが表示されます。

次の手順へ.

重要：

CDR ソフトウエアは一度に一台の CDR９００のみ接続可能です。 デバイスはソフトウエアが

通信をする前に登録されている必要があり、登録は USBケーブルでデバイスが PCへ接続さ

れているときにのみ可能です。（ワイヤレス接続時には登録できません。）

ある CDR900デバイスの登録完了後にまた他のデバイスを登録したい場合には、最初に

Unregisterにより登録済みのデバイスの登録解除を行ってから、新しいデバイスの登録を行っ

てください。

５） ワイヤレス接続のセットアップ [Set up a wireless connection (optional)]

CDR９００は PCへ USBケーブルもしくはワイヤレスドングルを使用したワイヤレスで接続が可能です。

ワイヤレス接続を行うためには以下の手順に従いセットアップを完了してください。 ワイヤレス接続のセ

ットアップ時には、CDR900へ正しく１２V DC電源が供給される事、また USBケーブルで PCへ接続され

ていることが重要です。

1) サポートされているワイヤレス 802.11 ドングルを PC と CDR900両方へ接続します。

2) CDR 900 電源・インタフェースケーブルへ １２V DC電源を接続します。

3) VCI Manager (CDR) を立ち上げ、Setup の Program Devices メニューから Program CDR 900を選

択するか、デスクトップの CDR900のアイコンをクリックしてください。

4) USBケーブルで PC と CDR900を接続してください。

5) VCI Manager (CDR) のウインドウで CDR900アイコンが現れるのを待ち、Connect ボタンをクリック

してください。

6) USBケーブルを外すと、VCI Manager (CDR) の CDR900アイコンが白い USBシンボルからワイヤ

レスのシンボルに変わります。 ただし、その前に、USBケーブルを外した際に下のポップアップ

The connection between the PC and VCI has broken が表示されることがありますので、OKをクリック

してください。

7) ワイヤレス接続のセットアップが終わり上記の手順が正しく完了すると、PC上の CDRアプリケーシ

ョンは自動的に CDR900のデバイスと接続します。（この時、デバイスに１２V DC電源が

DLC/OBD コネクタもしくは CDR電源より正しく供給されている必要があります。）

車両が CDR900にてサポートされている場合、CDR900のデバイスを CANplusの代わりに車両へ

接続するだけで、通常は車両より CDR９００へ正しく電源が供給される為、ワイヤレスまたは USB

接続により CDR ソフトウエアが自動的に CDR900を認識、接続します。

CDR900のサポート車両については、CDR Helpの Vehicle and Cable Lookup を参照してくださ

い。

重要：

CDRアプリケーションは、最初に CDR900を USB接続により登録していない場合、CDR900を

ワイヤレスで接続することができません。また、ワイヤレス接続状態での CDR 900の登録は出

来ません。

注意：

一度 CDR ソフトウエアにてワイヤレス接続設定済みの CDR900を、ほかの PCの CDR ソフト

ウエアへ接続すると、両方の PCでネットワークプロファイルが作成され、CDR900を他の PC と

共有することができます。 もし共有を解除したい場合は、VCI Manager (CDR)の Network Setup

タブの Set Factory Default を選択して解除することができます。

次の手順へ.

ワイヤレス接続についての補足事項：

・CDR900の VCI Managerが立ち上がっている状態で、かつ CDR900 へ接続されている場合、

CDR ソフトウエアは CDR900への接続が出来ません。 CDR ソフトウエアから CDR900へ接

続する場合には VCI Managerが CDR900へ接続していないことを確認してください。

・CDR900 と PC間のワイヤレス接続については、VPN接続等のネットワークコンフィグレーショ

ンで動作している PCを含むすべての PCにおいてサポートされるとは限りません。 これは

CDR900のソフトウエアおよびハードウエアの制限事項によるものでは無く、おそらく PC側の

社内ネットワークやセキュリティ要求、設定によるものと考えられます。それらの制限事項につ

いては、ボッシュ側で解決することができないと考えられ、その環境下でのワイヤレス接続機

能にかかわる動作はできないと考えられます。

・CDR900のワイヤレス接続可能な範囲は、CDR900 と PCの間に妨害するものがないにもない

状態では 100m程度と考えられます。 しかしながらこの範囲については使用される環境下での

RF(Radio Frequency) ノイズ等の影響を大きく受ける為、保証することができません。 また、車

両のドア、壁天井やそのほかワイヤレス信号が通過する物体の数、厚さ、材質や場所により接

続と通信に大きな影響が生じることをご理解ください。

CDR ソフトウエアとの適切な動作を守る為、CDR900 と PC との距離は 10 メートルを超えない

範囲でご使用頂くことを推奨します。

６） CDR900 による対応車両からの EDR データのダウンロード

[Begin Using]

セットアップと登録のて手順が完了したら、その後の CDR900の使用については CANPlusよりも簡単で

す。CDR900の実際の使用方法について、以下の手順に従ってください。

１） CDR900をこれまでの手順に従い接続し、CDR900が CDR ソフトウエア、PC と正しく動作すること

を確認してください。 もし手順が完了していない状態で対象車両からの EDRデータのダウンロード

を試みた場合、CDR900の PC と CDR ソフトウエアへの接続が正しく行われない為 CDR ソフトウエ

アは CDR900を見つけることができず、CANplusが使用されているとみなします。 そのため

CDR900のエラー絵メッセージではなく、CANplus向けのエラーメッセージ（COM portに関するもの

等）が表示されます。

２） Help ファイルの Vehicle and Cable Lookup セクションより、EDRデータをダウンロードしたい車両を

見つけてください。

３） 対象車両の Lookupテーブルより、Vehicle Interfaceの項目を確認します。 もし CDR900 と記載が

あれば、CDR900で車両から EDRデータのダウンロードが可能です。 このコラムで the CANplus

and the CDR 900 are supported という記載がある場合にはどちらも使用できますが、接続はどち

らか片方のみとしてください。

４） CANplus と同様、DLC/OBD コネクタ経由か ECU直接接続(direct to module)か、どの様にして

EDRデータをダウンロードするかを決めます。

・ DLC/OBD コネクタ経由でダウンロードする場合、DLC/OBD J1962ケーブルを使用し、車両

の DLC/OBD コネクタへ接続します。 電気的に接続されると DLC/OBDの接続を通じて車

両から CDR900へ電源が供給される為、１２V DC電源を CDR900に接続する必要はありま

せん。

・ ECU直接接続(direct to module)の場合、Lookupテーブルの該当車両の D2M column 記載

の CDRケーブルを使用します。 CANplusで使用していた CDRケーブル（15ピン D-Sub コ

ネクタ使用）については、テーブルに記載のケーブルを使用しますが、F00K108387 ACM

Power Adapterについては CDR900では不要となりますので使用しないでください。 過去の

15ピンコネクタ付きのケーブルについては、D2ML、CDR レガシーケーブルアダプタを使用し

て丸形の 19ピンコネクタへ変換して使用してください。

５） データのダウンロードを始める前に、CANplus の時と同様に CDR900 と PC間の通信確認をして下

さい。 これまでの手順が正しく完了されていれば、CDR900が正しく接続されており、準備が完了し

ているはずです。 ツールバーか RUN メニューの Test CDR 900 をクリックしてください。 CDR900

との通信に成功すると、下のようなスクリーンが表示され、接続成功に伴う以下の情報が共に表示

されます。

[1] API、DLL、Firmware version： 使用する CDR のバージョンに依存する値で、CDR900より出力

されたものが表示されます。

[2] Voltage： CDR900 電源・インタフェースケーブルもしくは、車両から SLC/OBD コネクタ経由で

デバイスへ供給される電源電圧を CDR900で測定した値が表示されます。

[3] Adapter connected to CDR900： CDR900 電源・インタフェースケーブルの終端に何が接続さ

れている状態にあるか表示します。

• OBD J1962 ケーブル： 車両の OBD コネクタからの EDR データダウンロード時に使用するケーブル

• D2ML、レガシーケーブルアダプター： CANplus用 D2M ケーブルを CDR 900 で使用する為の変換アダプタ

• CDR 900 D2M ケーブル： CDR 900 用 D2M ケーブル

[4] Serial Number： 工場生産時に付与される CDR900の製造シリアル番号が表示されます。（デ

バイス裏面ラベルの下 8桁と同じもの。）

[5] Connection Type： PC と CDR 900間の接続タイプ (Wirelessか USB)

[6] CDR 900 State： CDR900 デバイスの状態を表示

６） CDR ソフトウエアと CDR900 との通信状況を確認するには、CDR ソフトウエアのウインドウ右下角

の表示を確認してください。 ここから CDR900の接続に関するトラブルシューティングに使用可能

な追加情報を得ることができます。

CDR 900 の通信状況として、以下にあげる状態のうちいずれかが表示されます。

状態 詳細

Connecting CDR 900 CDR ソフトウエアが車両通信を始めている状態を示します。

Read VIN from Vehicle のボタンをクリックすると最初にこの状態が表示されます。

CDR900 connected

CDR ソフトウエアが CDR900デバイスへの接続に成功し、車両ネットワークまたは ECU

との通信可能となっている状態を示します。

また、この状態はアプリケーションが CDR900 と通信可能であることを意味しますが、こ

の状態で CDR900が車両ネットワークまたは ECU と通信が出来たことを意味することで

はありません。

CDR900 is Not Connected

CDR900が車両ネットワークまたは ECU と接続されていない状態ですが、CDR ソフトウ

エアは CDR900 とのみ接続できている状態を示します。 この状態は、おそらく下のような

状況で発生します。

・CDR900 と車両との通信が成立しなかったとき

・CDRアプリケーションが CDR900の登録完了後もしくは通信テストの成功後に意図的

に CDR900 との接続を切断したとき

CDR900 is disconnected

CDRアプリケーションが CDR900 との接続を試みた後（CDR900の登録時もしくは車両

が CDR900のみでサポートされている場合等）、PCにデバイスが接続されてないために

CDR900 を検出できなかったような状態と考えられます。

CDR900 connect failed!

CDRアプリケーションが CDR900に接続した際に、デバイスに 12V DCが接続されてい

ないか、もしくは接続されたデバイスのシリアル番号が登録されているものと異なるときな

ど、CDR900から正しい情報が得られなかった状態を示します。

CDR900 close failed! CDR900 のファームウエアが古い等の問題がある状態と考えられます。

CDR900 Read VIN abort Read VIN from Vehicle 機能を途中でキャンセルしたような場合に表示されることがあ

ります。

Registering CDR900 CDR900 の登録中に表示されます。

CDR900 registered CDR900の登録完了時に表示されます。

Registration Cancelled CDR900の登録がキャンセルされたとき、又は中断されたときに表示されます。

Interface OK

CANplus の状態を表すメッセージで、アプリケーションが CANplus に正しく接続された

時に表示されます。

これは CANplus が PCに接続され、CDR900には電源供給がされてないか、もしくは

PCに接続されていない状態であることを意味します。

No Interface

CANplus の状態を表すメッセージで、CANplusへの接続を試みたが接続できなかった

ときに表示されます。

接続された対象車両が CDR900でサポートされていないか、CDRアプリケーションが

CDR900 を検出していないときに表示されます。