建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 (1)平成31年4月15日 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会 神奈川支部相模原分会 〒252-0239 相模原市中央区中央3-4-7 (相模原市建設会館内) TEL 042(753)3508 FAX 042(753)1500 E-mail : [email protected] 第66号 2019年度 「墜落・転落災害撲滅運動」 実施中 はやる気持ちは 事故のもと 危険の芽を摘み 安全作業ひとりひとりが整理整頓 小さな気配り ゼロ災害相模原分会 安全・衛生スローガン 安全 衛生 「危険の見える化推進運動」 相模原市最高峰 蛭ヶ岳 建災防

建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

  • Upload
    others

  • View
    4

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」(1)平成31年4月15日 第66号

発 行建設業労働災害防止協会神奈川支部相模原分会〒252-0239相模原市中央区中央3-4-7

(相模原市建設会館内)TEL 042(753)3508FAX 042(753)1500E-mail : [email protected]

第66号

2019年度「墜落・転落災害撲滅運動」実施中

「はやる気持ちは 事故のもと 危険の芽を摘み 安全作業」「ひとりひとりが整理整頓 小さな気配り ゼロ災害」

相模原分会 安全・衛生スローガン安全衛生

「危険の見える化推進運動」

相模原市最高峰 蛭ヶ岳

建災防

Page 2: 建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 平成31年4月15日(2)第66号 

会員の皆さまには、日ごろよ

り建災防相模原分会の事業活

動に対し、ご理解とご協力をい

ただき、誠にありがとうござい

ます。

 

平成の時代が幕を閉じ、5月

1日に新天皇が即位されるとい

う歴史的にも非常に大きな転換

期となる令和元年。

 

この新たな時代に向けて建設

業も大きく変革し、飛躍せねば

ならない時代となってきまし

た。魅力ある建設業を目指して

建設業に携わる皆さんが大いに

知恵を出し合い、次世代の子供

たちが希望が持てて働き甲斐の

ある業界へと育てていかなけれ

ばなりません。

 

昔から衣食住と言われている

とおり、生きていくための要素

としての住の部分を担う建設業

は、自然環境に対し人間を守る

役割を担ってまいりました。今

後は自然災害に対して強固な

構築物の開発により、台風・大

雨・洪水・地震・津波・土砂崩

壊等に負けない基盤の整備等に

その技術力はいかんなく発揮さ

れるものと思われます。

 

さて、相模原管内の労働災害

(30年1月~30年12月)について

は、昨年の1月に死亡災害が発

生して以来、今日まで死亡災害

ゼロで推移しています。休業

4日以上の死亡災害について

は、64件で1件増加となってい

ます。墜落・転落災害について

は64件中14件(22%)あり、高い

割合で発生しています。

 

長期的には減少傾向にある労

働災害ですが、墜落・転落災害

については高い割合で推移して

いますので、高所作業における

更なる注意喚起が必要です。14

件の内訳を見るとはしごが5

件、屋根が3件、構築物2件で、

開口部・トラック・足場・作業

床が各1件となっています。

 

このことから、墜落・転落災

害を減少させるため、分会事業

活動の大きな柱となっている

「墜落・転落災害撲滅運動」の積

極的な展開と、具体的な実施項

目を掲げての防止措置の広報意

識啓発と周知徹底を図りたいと

思います。まず、ポスター等に

よる撲滅運動と「危険の見える

化推進運動」の周知を図り、会

員の意識の高揚と注意喚起を図

りたいと思います。

 

特に「危険の見える化 

推進

運動」は、規模や業種を問わず

取り組むことができ、自主的な

安全衛生活動として定着するこ

とを目的とするもので、日ごろ

から取り組んでいる安全活動や

職場にひそむ危険などを見える

形にして、効果的に労働災害防

止を推進する取り組みです。ま

た、研究委員会においては、昨

年度から活動を展開している

「ヒューマンエラー防止として

の危険の見える化」と題して現

場に隠れている危険性を研究

し、その成果を会報等で報告す

ることとなっています。

 

更には委員会活動の積極的な

展開と会員自らが安全衛生管理

活動と危機管理の徹底を促進

し、安全に対する「反復と継続」

の必要性を身に付け、建災防の

目指す生涯ゼロ災害に向けた強

い信念のもと、一致団結したい

と思います。

 

最後になりますが、分会目標

である「死亡災害ゼロ期間の継

続」と「休業4日以上の労働災害

の更なる減少」を目指したいと

思いますので、ご理解とご協

力をお願いして挨拶といたし

ます。

 

ご安全に

 

会員の皆様には、日頃より建

災防相模原分会の事業活動に対

しましてご理解ご協力を賜り深

く感謝申し上げます。

 

会計理事となり、10年目を迎

えることとなりました。会計理

事の役割については、明瞭な会

計処理と帳票等の管理及び整理

整頓等と、事務局との円滑なコ

ミュニケーションが重要と考え

ております。6月の代議員会及

び8月・3月の理事役員会での

会計報告等何かと忙しく動いて

おります。

 

新年度にあたり、新しい事業

計画のもと皆さまの会費が有益

に使われ、労働災害防止に貢献

できればと考えております。

 

労働災害の状況については、

死亡災害が3年続けて発生して

おり、昨年1月に伐木による挟

まれ事故によって死亡災害が発

生していますが、いずれも会員

の事故となっていますので、非

常に憂慮すべき状況となってい

ます。

 

相模原分会の課題について

は、死亡災害ゼロ期間の継続を

730日間(2年間)と目標設定

しあらゆる場面、あらゆる機会

に意識啓発、周知活動を行い、

会員の安全意識の高揚を図って

います。

 

また、安全のABCとよく言

われていますが、A「当たり前

なことを」B「バカにしないで」

C「しっかりやること」が安全の

基本であり、すべての人間の行

動に関した言葉ではないかと思

いますので、頭の片隅にでも入

れておいてくれれば幸いです。

 

最近は、現場における災害よ

り通勤途上での交通事故が増加

傾向であるとききました。交通

事故による災害は、死亡災害に

つながる要素が高く、安全のA

BCを基本にした安全運転を心

掛け絶対に事故を起こさないよ

う注意してください。

 

最後になりますが、会員の皆

さまのご健勝とますますの社業

発展を祈念し、そして安全第一

をお願いして、新年度のあいさ

つとさせていただきます。

分会長

 篠 﨑 栄 治

会計理事

 春 原 正 明

新年度を迎えて

ごあいさつ

Page 3: 建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」(3)平成31年4月15日 第66号

⑴「安全の見える化」の活動趣旨

 厚生労働省としては、建設業を重

篤度の高い労働災害が発生し易い業

種として重点的に対策に取り組んで

いる。こうした中、労働災害の無い

日本を目指して、「企業」「働く人」「家

族」が元気になる職場を創る「あんぜ

んプロジェット」を実施し、その一

環として「安全の見える化」の取り組

みを行っている。

 「安全の見える化」とは、現場内の

残存リスクを目に見える形にするこ

とによって、効果的に災害防止を展

開する手法であり、見える化により

労働者の安全意識が高まり、安全活

動の活性化に繋がる効果があると期

待できる。

 相模原分会では、神奈川労働局が

提唱している「安全の見える化」の推

進運動を展開して来ましたが、それ

以前から分会の事業活動の重点施策

として、長年続けています「生涯ゼ

ロ災運動」「墜落・転落災害の撲滅運

動」をより具体化することを考え、

研究委員会で長期にわたり研究して

きましたヒューマンエラー発生の防

止に繋がる手段として「安全の見え

る化」を採用する手法を検討するこ

とにした。

 研究委員会の討議では、危険要因

を見せることにより、危険予知がで

きて、安全に作業が出来るとの観点

から危険を見せるほうが理解しやす

いと考えて「危険の見える化」とし、

ヒューマンエラー防止策としての

「危険の見える化」を検討することに

決めた。

 新年度からの事業計画の中に「危

険の見える化推進運動」を重点施策

として位置付け、事業所内に潜む危

険の芽を、なお一層明確に見える様

に視覚化することで、効果的な労働

災害防止活動が出来るとの観点か

ら、全般的な労働災害発生防止と減少

に役だつ「危険の見える化」具体策を

研究委員会で試案作成して、周知と

意識啓発活動を展開することにした。

⑵「危険の見える化」推進運動

 「危険の見える化」とは? 日頃か

ら事業所で取り組んでいる安全衛生

管理や職場に潜む危険リスク等を写

真や標示物・音声・光・色分け等で、

働く人々の感覚に伝えることによ

り、一層効果的に災害防止を展開す

る取り組み活動を言う。

 見える化することで、労働者の安

全意識が高まり安全衛生管理活動の

活性化が図られる。

①通常に働く人々の認証過程で捉え

られない、危険・有害性を働く人々

に対して可視化する、見える化(見

る・見える・見える様にする・見

えないものを容易に見せる様にす

る)することで、働く人々が労働

災害に対する認識を共有して、

各現場での危険予知活動が活性化

する。

②行うべき安全衛生管理活動を作業

現場で見える様に示すことで、各

作業者自らが行うべき安全衛生活

動への意識が高まり、又これら見

える化に取り組む過程で、全作業

員が参加することにより、現場全

体に安全衛生意識が共有され認識

度が高まる。

③「危険の見える化」の危険は、労働災

害を発生防止するための、機械・

設備・仮設物・危険・有害性等の

ハード面と安全衛生管理体制・

安全衛生教育・安全衛生活動等の

ソフト面との両面がしっかり合致

した取り組みが必要である。

 「危険の見える化」推進運動は、現

場に潜む危険・有害性を目に見える

型での注意喚起によって、効果的に

安全衛生活動を展開する取り組みで、

誰でもが参加でき、事業所の規模・

業種などに関係なく取り組める。

 「危険の見える化」活動の推進に取

り組む企業では、労働災害発生防止

への関心を持たせるきっかけとな

り、労使が一体となった取り組みに

より危険個所の認識が容易に共有さ

れると共に、他の管理監督者などに

も安全作業の遂行状況の確認が明確

になり、さらなる安全作業の取り組

みの活性化に繋がる。

*ヒュ―マンエラー要因から発生す

る、労働災害発生防止策を模索す

る手法として、過去の災害事例を

分析検討して、ヒューマンエラー

防止策としての「危険の見える化」

へ繋げる。

*分会研究委員会では、長年ヒュー

マンエラー発生防止の検討を続け

てきた実績があり、そのデータと

過去の災害事例を分析して、組み

合わせすることにより「危険の見

える化」を具体的に試案する。  

             

 

⑴ヒューマンエラーの定義

●人間の特性(ファクター)が、間違

い・過ちを犯す(発生する・させる)

〇組織やシステムによって、人間の

一連の動きが、定められた許容範

囲を逸脱する行動。

〇人間の行動は、人が生まれながら

に持ち合わせしている各自の特性

と、人間を取り囲む周りの環境(状

態・人間関係・統制管理・ハード・

Ⅱ「見える化」による    

 ヒューマンエラーの防止

 「研究報告」研究委員会

  テーマ 「危険の見える化」によるヒューマンエラーの防止

Ⅰ建設業の「安全の見える化」

Page 4: 建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 平成31年4月15日(4)第66号

ソフト面等)の相互関連作用によ

り起源される。

〇人間行動面の逸脱は、逸脱を起こ

してしまった人間側だけに問題が

あるのではなく、錯誤や間違いを

起こし易い環境(人・施設・設備・

標示・説明・手順書など)等が相

互作用してエラーを誘発すると考

えられる。

●ヒューマンエラーとは、人間が生

まれながらにもともと持っている

特性と、人間を取り囲む環境が相

互に作用して、決定された行動の

うち、ある一定の期待値(一定の

限界)から逸脱した行為・行動で

ある。

⑵人間の特性とは……?

〇認知的な特性

 人が、情報やものを認識する・記

憶する・判断する・意思を決定して

行動するなど、脳の中で起こる情報

処理の過程(プロセス)で、五感機能

(見る・聞く・臭覚・触覚・感覚)か

ら情報を入手して⇒

知覚⇒

認知⇒

断⇒

行動の過程でミス・エラーが発

生する。

〇生理・身体的な特性

 人の身心体は、休まず働くと疲労

がたまる・睡眠をとらないと眠気が

襲う・加齢による機能低下・各自の

心身と環境の関連などが、作業効率

や集中力の低下を招く、複数の対象

に払う注意力の衰退・意欲の減退・

知覚機能が鈍り異常が生じる。

 人間は一定時間以上働くと生理的・

身体的機能が低下する特性を持ち合

わせしている、その特性を無視した

働き方・働かせ方をするから仕事上

のヒューマンエラーが発生する。

〇集団的な心理特性

 (団体組織・管理統制・集団の中の個人)

 普通に考えるとごく常識的なこと

でも、複数の人間が集まった集団と

なると、単独の時とは異なった人間

の行動が現れる、集団と単独の発現

する行動の違い……?

⑶ヒューマンエラーとは……?

 ヒューマンエラーとは、直訳する

と「人間の誤り」で「人間に起因する誤

操作」としただけでは不十分なので、

言い換えると「結果的に何らかの不都

合・不具合が生じた場合に、其れを

もたらした行動の事」行動とは、何か

間違ったことを「する」ことだけでな

く「すべき事をしない」のも含む、つ

まり基準や期待から逸脱した行為を

指すので「不都合・不具合」とは、事故・

災害・トラブル等と考える。

 例えば、ちょっとした言い間違い

は誰にでも日常茶飯時であるが、そ

のような事柄をいちいち取り上げて

ヒューマンエラーだと非難する人は

いないだろう。

 

しかし、その行動・行為が事故・

災害・トラブル等の不都合に結びつ

いてしまうと、ヒューマンエラーと

言われる事となる。

 科学技術の進歩によって設備や機

械側などの信頼性は向上したが、人

間の信頼性に関しては不確定要素が

数多くあり定量化がしにくいために、

信頼性の向上を図ることが、機械・

設備に比べてむずかしいといわれて

いる。人間は様々な状況変化に対し

て、臨機応変な対応が有能であるが、

その一方では、此の事がヒューマン

エラーを招き入れる要因となってし

まう場合があると言われている。

権 威 勾 配 仕事を良くしようとする部下が上司に逆らえない。

同 調 主 義 みんなが言ったり・そうするならそれで良しとする。

社 会 的手 抜 き

自分だけでなく・皆んながやっているから、自分もいいや。

自 己 吹 聴 自分の得意なことは、率先張り切って行う。

集 団 浅 慮 優秀な人材が多く集まれば集まるほど、間違いが発生し易い。

運 命 共 同 体 集団がまとまりすぎると失敗度が上がる。

リスキーシフト 集団にはバラツキが出易く、大きなリスクが潜んでいる。

Page 5: 建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」(5)平成31年4月15日 第66号

〇予め課せられた機能を人間が果た

さないために生じるもので、その

人間を含むシステム機能を劣化さ

せる可能性が高くなる。

〇或るシステムの期待された機能を

発揮するために要求されるパフォー

マンスの偏り。

〇与えられた機能を人間が適切に遂

行しない(出来ない)ために生じる。

〇人間の生理・心理・身体・認知的

などの能力と、システムが働く人

へ要求する任務・役割・期待など

から逸脱して起こる過ち。

⑷ヒューマンエラー12分類

 発生要因と防止策 

1錯覚・錯誤・思い込み

 錯覚・思い込み等に起因する瞬時

的な行動・行為を排除する事は大

変難しいので、認知過程において

行動・実行を決断する前に工法・

手順を理解する為に再確認する。

2不注意(うっかり・ボンヤリ)

 単調作業の意識低下 

 不注意の排除は、本人個々の癖が

あり意識の持ち様で直す(減少さ

せる)ことが出来る。

3考え事(心配・悩み)

 個人差がある要因で始業前に気持

ちの切り替えが大切であり、事情

や場合によっては、心配・悩み等

が解消されない本人は就業しな

い・させない措置をとる。

4忘れる(失念)

 忘れないように必ず記録・メモな

どを取り、忘れても一呼吸おいて、

落ち着かして行動へ移る。

5無知(技術・技能不足)

 不慣れ(経験不足) 

 知識や経験、技術・技能の力量に

応じた適正配置をして、教育・指

導を積み重ねて優秀な人材を育て

ること、不慣れや経験不足は本人

の知識・能力の程度に応じて教育

支援を実施する。

6省略(手抜き)近道行動

 

作業標準・手順を正確に決めて、

作業前に正しい手順を伝えて、厳

守する事を指導する。

7慣れ・危険軽視(ベテラン)

 いかなる作業場面でも危険を軽視

する思考(自意識過剰)・行動を取

らない、ベテランは特に注意。

8健康(疾病・疲労)ストレス

 健全な日常生活習慣を維持継続し

て、心身ともに健康診査の受診と

安定した精神状態の継続維持。

9心身機能・運動神経の低下

 高齢者に多く見られる、自分自身

の運動体力機能の健全化を図り、

自らの体力機能の程度を自覚する。

 場面行動・パニック(緊急状態)

 各個人はパニック(緊急状態)発生

の予備知識を身に付け、集団では

良い環境づくりに努める。

 良くない人間関係

 (ヒューマンリレーション) 

 各自のバランスのとれた人間性を

身に付け、組織としての相手の

人々の立場を尊重い合う。

 総合管理・指導力

 (リーダーシップ)の欠如 

 自らの役務・役割・立場を充分に

理解し合って、大小のあらゆる組

織に関わらず、個人と組織環境を

整える、ヒューマンエラー防止策

を構築実行する。

 個人や組織で行う作業や行動の一

連の流れの中で、或る一定の許容限

界を超える動き、すなわちシステム

によって規定された「許容範囲を逸

脱する行為・行動」人間が生まれな

がらに持ち合わせしているもともと

の諸特性と、人間を取り巻く広義の

組織環境が相互に作用し合った結果

決定された行動のうち、期待範囲か

ら逸脱したものである。

 言い換えれば「人間の本来持ってい

る特性行動が、人を取り巻く環境と

うまく合致してないために、結果と

して誘発された期待値からの逸脱で

ある」ヒューマンエラーは、人間の

持っている諸特性と深い関わりがあ

り、この人間の持つ特性は生まれた

時から持ち合わせている先天的特性

と成長過程の学習によって獲得した

後天的特性とがあり、厳密には両者

の区別は困難だが、個人の人格を構

成していることには間違いない、此

の人が生み出すヒュ―マンエラー防

止は人間社会の永久課題と思われる。

⑴災害事例の分析

●各研究委員の意見集計  

 研究委員会で「見える化」を検討す

るにあたり、事故発生原因の99%を

占めるヒューマンエラーの要素を分

析検討して「危険の見える化」へ導入

し、危険性・有害性を「見える化」の

型にする事により、注意喚起を促し、

災害事故発生防止活動を効果的に展

安全・衛生教育の充実

管理・監督者の育成

リスクアセスメントの活用

「危険の見える化」の推進

発生要因である10分類+2分類の防止策

ヒューマンエラー

ここでストップする

災害の発生

無傷災害ヒヤリハット

死 亡

軽 傷

重 傷

101112

Ⅲ災害事例       

 「危険の見える化」の提案

Page 6: 建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 平成31年4月15日(6)第66号

開できると考え、平成28・29年度に

神奈川県内で発生した建設業に於け

る死亡事故15件を分析検討した結果

の概要を左記に示す。

○型別では

 墜落転落         5件

 激突され         3件

 挟まれ巻き込まれ     3件

 交通事故         2件

 飛来落下         1件

 おぼれ          1件

○起因物別では

 掘削用機械        2件

 クレーン         2件

 フォークリフト・高所作業車2件

 建築物・構築物      2件

 乗用車・バス・バイク   2件

 外足場          1件

 屋根・玉掛け用具・階段桟橋・

 その他の仮設物     各1件

○ヒューマンエラー12分類が

該当項目集計結果 

 上記・死亡事故事例の発生要因を

踏まえて、各事故事例ごとの発生要

因が、ヒューマンエラー12分類項目

の何に属するかを複数回答可で選ん

でいただき「見える化」対策を提案し

て頂いた累計結果数です。

 内容には、多くの多種多様な提案

がありましたが、類似的な目で見る

「標示物」掲示が圧倒的数多く、研究

委員会でのコメント・討議の結果、

墜落転落発生事故5件について、「危

険の見える化」を検討することに決

定した。

No. 項目 該当件数

意見件数

順位

1 錯覚(錯誤)・思い込み 3 3 6

2 不注意(うっかり・ぼんやり) 10 23 4

3 考え事(心配・悩み) 1 1

4 忘れる(失念) 1 1

5 無知(技術・技能不足) 5 13 5

6 省略(手抜き)近道行動 11 25 3

7 慣れ・危険軽視 14 44 1

8 不健康・ストレス 1 1

9 運動神経・心身機能低下

10 パニック・場面行動 2 3 7

11 良くない人間関係

12 リーダーシップ(総合管理・指導力) 11 26 2

合計 59 140

⑵墜落・転落災害事例 「危険の見える化」提案(5件)

№ 分類項目

2 不注意

5 慣 れ 手摺を設置して「安全帯使用」の標示

7 省 略

12リーダーシップ

の欠如 解体発生材の投込、投下積を禁止する

● 手摺(中桟・巾木)H=1100の設置

● 「安全帯使用厳守」の標示

● 開口部付近に安全施設の設置

● VR技術を利用した仮想空間での危険体験訓練の実施。パネル表示は

色・書体・サイズに特徴をもたせる。センサー等による危険の呼びかけ。  

① 墜落・転落防止施設の設置、手摺・中桟・巾木の親綱

② 「安全帯使用厳守」の標示

③ 「上部落下物・注意」の標示

№ 分類項目

2 不注意

5 慣 れ

12リーダーシップ

の欠如

● 「安全帯使用厳守」の標示 

● 赤色灯又はチェーンライトを点滅させる 

● 足場組立・解体作業は監視員が直接監視・指導にあたる

● VR技術を使用した仮想空間での危険体験訓練の実施

① 「安全帯使用・厳守」の標示

② 作業床2と4段目に赤色灯の設置(作業中は点滅させる)

「見える化」具体的な絵図各委員の「見える化」提案

● 潜在的要素(隠れて見えない要因)を掘り起こして素因を「見える化」の必要

戸建住宅の解体工事において3階から内装ボード(1枚5キロ程度)を地上のコンテナボックスに投下していた際、地上まで6.14m墜落したもの。

1

「危険の見える化」具体策の提案表(墜落・転落 災害事例の検討)

ヒューマンエラーに対する「見える化」等の対策

作業開始時にKY徹底

イラスト、パネル等の掲示

状 況 図 発  生  状  況

各委員の「見える化」提案 「見える化」具体的な絵図

「安全帯の完全な使用!」「墜落・転落防止!」「安全帯の確実着用・完全使用の徹底」の標示

№ 状 況 図 発  生  状  況

2

木造2階建てのリフォーム工事において、足場の組立作業中、地上2層目の手すりを取り付けていたところ、約4mの高さから墜落した。墜落時、被災者は安全帯を着用していたが、使用していなかった。

ヒューマンエラーに対する「見える化」等の対策

「安全帯を使用しよう」の標示

作業開始直前に「墜落・転落防止」、手順、工法を責任者が指導する

①②

Page 7: 建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」(7)平成31年4月15日 第66号

№ 分類項目

2 不注意

5 慣 れ 手摺を設置して「安全帯使用」の標示

7 省 略

12リーダーシップ

の欠如 解体発生材の投込、投下積を禁止する

● 手摺(中桟・巾木)H=1100の設置

● 「安全帯使用厳守」の標示

● 開口部付近に安全施設の設置

● VR技術を利用した仮想空間での危険体験訓練の実施。パネル表示は

色・書体・サイズに特徴をもたせる。センサー等による危険の呼びかけ。  

① 墜落・転落防止施設の設置、手摺・中桟・巾木の親綱

② 「安全帯使用厳守」の標示

③ 「上部落下物・注意」の標示

№ 分類項目

2 不注意

5 慣 れ

12リーダーシップ

の欠如

● 「安全帯使用厳守」の標示 

● 赤色灯又はチェーンライトを点滅させる 

● 足場組立・解体作業は監視員が直接監視・指導にあたる

● VR技術を使用した仮想空間での危険体験訓練の実施

① 「安全帯使用・厳守」の標示

② 作業床2と4段目に赤色灯の設置(作業中は点滅させる)

「見える化」具体的な絵図各委員の「見える化」提案

● 潜在的要素(隠れて見えない要因)を掘り起こして素因を「見える化」の必要

戸建住宅の解体工事において3階から内装ボード(1枚5キロ程度)を地上のコンテナボックスに投下していた際、地上まで6.14m墜落したもの。

1

「危険の見える化」具体策の提案表(墜落・転落 災害事例の検討)

ヒューマンエラーに対する「見える化」等の対策

作業開始時にKY徹底

イラスト、パネル等の掲示

状 況 図 発  生  状  況

各委員の「見える化」提案 「見える化」具体的な絵図

「安全帯の完全な使用!」「墜落・転落防止!」「安全帯の確実着用・完全使用の徹底」の標示

№ 状 況 図 発  生  状  況

2

木造2階建てのリフォーム工事において、足場の組立作業中、地上2層目の手すりを取り付けていたところ、約4mの高さから墜落した。墜落時、被災者は安全帯を着用していたが、使用していなかった。

ヒューマンエラーに対する「見える化」等の対策

「安全帯を使用しよう」の標示

作業開始直前に「墜落・転落防止」、手順、工法を責任者が指導する

№ 分類項目

5 慣 れ

7 省 略

12リーダーシップ

の欠如

● 屋根周囲に「転落防止用手摺(網)」設置する 

● 屋根上に「安全帯使用の親綱」を設置する 

① 屋根棟に「親綱」を設置する。

② 軒先とケラバに「転落防止用綱」を設置する。

№ 分類項目

5 慣 れ

7 省 略

12リーダーシップ

の欠如

● 「用途外使用禁止(乗るな)」の標示 

● フォークリフトの搬器を作業床として使用禁止

● 安全帯の完全使用

① 「用途外使用禁止」の標示

② 「乗るな・乗せるな」の標示

ヒューマンエラーに対する「見える化」等の対策

「安全帯の完全着用・完全使用」の標示

高所作業における安全の基本、墜落・転落防止措置を作業開始直前に指導確認

「危険の見える化」具体策の提案表(墜落・転落 災害事例の検討)

№ 状 況 図 発  生  状  況

3

被災者は、2階建ての建物の屋根に上がって太陽光パネルを設置作業中、約7m下の舗装された駐車場に墜落し、搬送先の病院で2日後に死亡した。被災者は、安全帯を着用していたが、安全帯のフックを掛ける親綱等が屋根上に張っていなかった。

目的以外には使用しない

フォークリフト搬器に「用途外使用禁止(乗るな)」の標示

各委員の「見える化」提案 「見える化」具体的な絵図

「高所作業は気をつけろ!」の標示

各委員の「見える化」提案 「見える化」具体的な絵図

№ 状 況 図 発  生  状  況

4

客先の工場設備の機械更新工事において、当日の作業を終えて退出する際に、客先工場のシャッターが閉まらなくなった為、パレット6枚を積み重ねた(高さ86㎝)上に作業者2名を乗せ、フォークリフトを使用して高さ約3.5mに上昇させシャッターの修理を行っていたところ、1人が床面に墜落した。

ヒューマンエラーに対する「見える化」等の対策

「墜落・転落注意」「安全帯の使用」の標示

ここからは絶対に出すまい 墜落・転落

①②

①棟

②軒先

②ケラバ

Page 8: 建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 平成31年4月15日(8)第66号

№ 分類項目

5 慣 れ

7 省 略

12リーダーシップ

の欠如

● 屋根周囲に「転落防止用手摺(網)」設置する 

● 屋根上に「安全帯使用の親綱」を設置する 

① 屋根棟に「親綱」を設置する。

② 軒先とケラバに「転落防止用綱」を設置する。

№ 分類項目

5 慣 れ

7 省 略

12リーダーシップ

の欠如

● 「用途外使用禁止(乗るな)」の標示 

● フォークリフトの搬器を作業床として使用禁止

● 安全帯の完全使用

① 「用途外使用禁止」の標示

② 「乗るな・乗せるな」の標示

ヒューマンエラーに対する「見える化」等の対策

「安全帯の完全着用・完全使用」の標示

高所作業における安全の基本、墜落・転落防止措置を作業開始直前に指導確認

「危険の見える化」具体策の提案表(墜落・転落 災害事例の検討)

№ 状 況 図 発  生  状  況

3

被災者は、2階建ての建物の屋根に上がって太陽光パネルを設置作業中、約7m下の舗装された駐車場に墜落し、搬送先の病院で2日後に死亡した。被災者は、安全帯を着用していたが、安全帯のフックを掛ける親綱等が屋根上に張っていなかった。

目的以外には使用しない

フォークリフト搬器に「用途外使用禁止(乗るな)」の標示

各委員の「見える化」提案 「見える化」具体的な絵図

「高所作業は気をつけろ!」の標示

各委員の「見える化」提案 「見える化」具体的な絵図

№ 状 況 図 発  生  状  況

4

客先の工場設備の機械更新工事において、当日の作業を終えて退出する際に、客先工場のシャッターが閉まらなくなった為、パレット6枚を積み重ねた(高さ86㎝)上に作業者2名を乗せ、フォークリフトを使用して高さ約3.5mに上昇させシャッターの修理を行っていたところ、1人が床面に墜落した。

ヒューマンエラーに対する「見える化」等の対策

「墜落・転落注意」「安全帯の使用」の標示

ここからは絶対に出すまい 墜落・転落

№ 分類項目

2 不注意

5 慣 れ

7 省 略

12リーダーシップ

の欠如

● スレート屋根上での直接歩行作業の禁止

● スレート上での「歩行・作業禁止」の標示

● スレート上に敷板を敷き安全作業床の確保

① スレート上での「歩行・作業禁止」

② 安全作業床上での「歩行・作業の厳守」

③ 「安全帯完全使用・厳守」

「墜落・転落・踏み抜きに注意」の標示

「安全ネットの設備設置!」の標示

〔 各委員の「見える化」提案 〕 「見える化」具体的な絵図

「危険の見える化」具体策の提案表(墜落・転落 災害事例の検討)

№ 状 況 図 発  生  状  況

5

工場のスレート屋根を補修する作業を行っていた労働者が、休憩を終えて作業箇所に移動していたところ、スレートを踏み抜いて約4m下のコンクリートに墜落したもの。

ヒューマンエラーに対する「見える化」等の対策

「親綱・安全帯の使用励行」の標示

「安全帯の着用!」「保護帽の着用!」の標示

5m以内 親綱

②②③③

①①

①① ②②

※次回67号に墜落・転落災害防止の「危険の見える化」の研究報告をいたします。

Page 9: 建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」(9)平成31年4月15日 第66号

移動式クレーン及びフルハーネス型墜落制止用器具の買い換え等に要する費用の一部に対する補助金を交付します。~既存不適合機械等更新支援補助金~

(概要) 労働安全衛生法第42条等に基づく構造規格の改正時に設けられた経過措置により、最新の構造規格の適用が猶予された既存の機械等であって、最新の構造規格に適合しないもの(以下「既存不適合機械等」という。)を所有する中小企業等に対し、最新の構造規格に適合し、かつ、構造規格の基準を超える高水準の安全衛生を有する機械等の普及を促進する観点から、当該機械等の改修、買換え等に要する費用の一部に対する補助金を交付します。

(対象となる方) 中小企業基本法第2条各号に規定する中小企業者である法人、又は、労災保険に特別加入している個人事業者(労働者災害補償保険法第35条第1項の規定により労災保険の適用を受けることとされた者)。(内容)1 移動式クレーンの過負荷防止装置 ⑴ 対象経費   「移動式クレーン構造規格」に適合しない既存の

過負荷防止装置(つり上げ荷重が3トン未満のも

のに限る。)を一定の基準に適合する過負荷防止装置に更新するための改修、買換え等に要する経費。

 ⑵ 補助金交付額   対象経費と基準額(1機あたり20万円)を比較

して、少ない方の額の2分の1 (複数の過負荷防止装置に係る申請があった場合、同一申請者あたりの交付額の合計は30万円を上限とする)。

2 フルハーネス型墜落制止用器具 ⑴ 対象経費   「墜落制止用器具の構造規格」に適合しない既存の

安全帯を一定の基準に適合するフルハーネス型墜落制止用器具に更新するための買換え等に要する経費

 ⑵ 補助金交付額   対象経費※と基準額(1本あたり2万5千円)を

比較して、少ない方の額の2分の1(複数のフルハーネス型墜落制止用器具に係る申請があった場合、同一申請者あたりの交付額の合計は50万円を上限とする)。

  ※補助対象経費の総額が20万円を下回る場合は申請できません。この場合、複数の申請者を一つにまとめた申請が可能です。

3 補助金の公募の時期、申請先等  この補助金は、平成31年度から交付を開始します。間接補助金となりますので、補助事業者(執行団体)が補助金の公募を行います。補助事業者が決定後、公募の時期や申請方法の詳細をお知らせします。

監督署からのお知らせ

平成31年4月1日から体制が変わりました。

署  長 松渕由紀夫

第二方面主任監督官 城所  亨第三方面主任監督官 三浦  彩

業務課長 小暮 昌之労災課長 佐藤 葉子

第一方面主任監督官 柏原 周造

労働基準監督官 中田 実咲

新任

労働基準監督官 大林 一輝

労災給付調査官 渡邊 絢司補償係長 三浦  勉

《担当業務》働き方改革関連法に関すること、就業規則・適用事業報告・36協定届、賃金・解雇等労働条件に関する相談・申告、外国人労働者・パートタイム労働者等の相談等、事業場に対する監督指導に関すること。

相模原労働基準監督署 組織図

副署長 松本 進吾

安全衛生課長 川村 光義

労働基準監督官 松浦 恭平

地方産業安全専門官 鈴木 丈裕

第一方面、第二方面、第三方面

《担当業務》労働者死傷病報告・建設工事等計画届・各種健康診断結果報告書等の諸届、労働安全衛生法等関係法令に関すること。

安全衛生課

《担当業務》労働保険の加入・変更手続・労働保険料の納入、労災保険の各種請求、労災年金並びに第三者行為災害の受付・相談に関すること

労 災 課

労災課事務官 熊本 研次郎

Page 10: 建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 平成31年4月15日(10)第66号

 

現代の日本人に最も欠けているもの

は自国の歴史に対しての誇りである

と感じる。このことが原因となり先の

大戦後の外交や憲法を含む政治問題、

教育問題など多くの方面において極め

て歪められた状況になっている。そも

そもそれらの根源は戦後に連合国に

よって行われた極東国際軍事裁判、

占領憲法制定に起因する我が国の歴史

に対する誤った認識にある。無法な

私刑裁判の結果、欧米白色人種による

350年以上の侵略と植民地支配の

大罪を敗れた日本にすべて転嫁した

のだ。その後の日本国民は何もかも

自国が悪いという犯罪者意識を骨の

髄まで刷り込まれてしまった。この

ような誤った歴史観のため、何かに

つけて謝罪と弁償を繰り返す弱腰な

体制が現在も続いている。真実の歴史

を忘れた民族は近い将来必ず滅びて

しまうというが、まさに我が国の未来

は危機的な状況にあるのではないか。

東京裁判とならんで未だ進展をみて

いない憲法問題にも大きな原因が

ある。戦勝国によって与えられた現

憲法を戦後70年以上にわたり一言一句

も修正や変更もなく持ち続けている

ことは、異常な状況であると思う。

この憲法を頑固に持ち続けている限り

日本は真の独立国家とは言えない。

つまり未だ精神的な占領政策下にある

のではないか。現憲法は占領統治下

すなわち我が国に主権が認められて

いないときに、国際法に違反して制定

された。占領者は占領地の法を極力

尊重して占領政策を行うとしたハーグ

国際法の規定を無視し、当時のすぐ

れた明治憲法を全面廃止させられ現

憲法を押し付けられたのだ。占領統

治下といえども他国に憲法を与えら

れるということは法治国家にとって

あってはならない恥辱ともいえる。

占領軍は日本国民の言論の自由を

奪って明治憲法の廃止と現憲法の制定

を強要したのである。憲法の前文に

ある「日本国民は恒久の平和を念願

し、(中略)平和を愛する諸国民の公正

と信義に信頼して、われらの安全と

生存を保持しようと決意した。」という

国家安全保障に関する基本理念を示す

文言がある。我が国を侵略国家として

東京裁判で裁いているとき、「平和

を愛する諸国民」は何をしていたのか。

ソ連は領土の不法占拠と60万人のシベ

リア拉致で6万人以上の日本人を殺

し、イギリスやオランダはアジアを

再植民地化するために再侵略を行い、

現インドネシア諸国では80万人以上

が犠牲となった。中国はチベットを

侵略し、100万人以上の人々を殺戮

している。平和を愛する諸国民は口

当たりのよい現憲法を我が国に押し

付ける一方で恐るべき不法行為を働

いていたのである。加えて本来は講和

条約調印までの暫定占領憲法という

解釈もあり、サンフランシスコ講和

条約が発効し我が国が独立と主権を

回復した後、速やかに自らの手による

新憲法を制定すべきであったと考え

る。そもそも先の大戦に至った経緯

は現在の歴史解釈で明白である。真珠

湾以前からアメリカの策略と強圧に

よって大陸での望まぬ戦いに巻き込

まれた。その結果、「勝てば官軍、

負ければ賊軍」という精神のみで世の

中が動くとすれば、これは間違いなく

危険思想である。本来あるべき姿の

正義を否定し、法の目指すところを

無視する考え方と言えよう。いくら

残酷で非道なやり方に訴えても、とに

かく勝ちさえすればよい。勝てば何

らかの権力の座につき、ともすれば

自らの不正を隠し、真理の道を歪曲

して白いものを黒だと言い放つ。それ

がときに真実の歴史を書き換えること

さえありうるのだ。しかし反面、負け

てしまえば最後、どのような恥辱の

仕打ちを受けても仕方ないという諦め、

これを当然として不思議とも理不尽

とも思われずに人々の思念を支配する

とすれば、まことに恐ろしいことで

あり悲劇である。戦いの勝敗は時の

運によることが大きいはずで、本来

の正しさや不正は勝ち負けの範囲から

かけ離れているように思う。負けて

しまったのだから罪悪なのではない、

反対に勝ったとしてそれが真の正義

とも言えない。混沌としたこの世を

支配する正しい「法=真理」はひとつ

しかない。この観点からみて真理に

かなっているものが正義であり、それ

以外は全て不正であり悪である。法の

論理に反して抹殺されたいわゆる戦犯

の方々を含め、先の大戦で亡くなった

300万人を超す死を無にすること

がないよう、そして次世代を担う

人々が自国に自信と誇りを持てる努力

を続けることが我々に課せられた義務

であり責任であると信じている。

こおろぎ

『日本人の誇り』

Page 11: 建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」(11)平成31年4月15日 第66号

※分会事業活動で大きな役割を担う委員会を紹介させていただきます。1 安全推進委員会  安全パトロールを通して、墜落・転落災害防止対策の実施状況の確認及び見える化推進運動の周知と、実施時期に

応じた重点項目を掲げ、安全点検・意識啓発活動を展開する。また、安全推進委員会と安全指導者の交流を活性化するため、施設見学会及び交流会の開催を企画し実施する。

№ 役 職 氏 名 会 社 名 団 体 名 備 考1 委 員 長 古川 和昭 ㈱古川電機 相模原市電設協会2 副 委 員 長 大久保達也 穂久斗工業㈱ 県北管工事協同組合 代議員3 委 員 小山 直樹 ㈲小山造園 相模原造園協同組合4 委 員 緑川 善信 ㈱英進設備工業 相模原市管工事設備協同組合5 委 員 武井 正男 ㈲相州武井組建工 相模原市津久井地区建設業連絡協議会 理 事

2 広報委員会   会報「さがみはら」の掲載内容の充実を図り、分会事業活動の広報と安全衛生管理活動の意識啓発活動を行う。

危険の見える化推進運動等のポスターの作成・配布で労働災害ゼロに向けた職場環境づくりを目指す。№ 役 職 氏  名 会 社 名 団 体 名 備 考1 委 員 長 薄尾 豊一 ㈱アコック (一社)相模原市建設業協会・土木 安全指導者2 副 委 員 長 大野  桂 大野重電土木㈱ 相模原市電設協会 理 事3 委   員 佐藤 雅人 ㈱植雅庭園 相模原造園協同組合 監 事4 委   員 鈴木  智 ㈱協立設備 県北管工事協同組合 代議員・指導者5 委   員 小池 重憲 ㈱小池設備 相模原市管工事設備協同組合 監 事

3 研究委員会  会員事業場の労働災害防止活動に役立つ、ヒューマンエラーからの労働災害を防止するため、災害防止対策とし

て「危険の見える化」の研究を行い、その成果を会報等で報告する。新テーマについては、過去10年間の安全パトロールの点検項目を分析し、労働災害防止に役立つ研究を行う。

№ 役 職 氏  名 会  社  名 団  体  名 備  考1 委 員 長 岩崎  清 合同電気工事㈱ 相模原市電設協会 理 事2 副 委 員 長 伊藤農利夫 ㈱相模工業 相模原一般 理事・代議員3 委   員 田口 孝平 ㈲芙蓉建材開発 相模原道路安全施設業協同組合 理事・指導者4 委   員 今井 寿幸 ㈱今井水道 県北管工事協同組合 理 事5 委   員 山口 誠司 ㈲山口水道 相模原市管工事設備協同組合6 委   員 藤田 敏美 相模原分会 (安全衛生専門官)

4 教育委員会  技能講習等を計画通り開催し、多くの会員や関係者に周知して受講者数の増加を目指す。また、墜落・転落災害防止

に役立つ研修会の実施と、危険の見える化推進運動に連携した周知活動を展開する。№ 役 職 氏  名 会 社 名 団 体 名 備 考1 委 員 長 齋藤  敬 ㈲昭和建設 (一社)相模原市建設業協会・土木 理 事2 副 委 員 長 萩原 明人 ㈱ハギワラ (一社)相模原市建設業協会・土木 理 事3 副 委 員 長 春原 正明 ㈱タカチホ産業 相模原塗装協同組合 理 事4 副 委 員 長 稲葉 俊明 稲葉電気興業㈱ 相模原市電設協会

5 総務委員会  会員相互の親睦と交流及び安全衛生管理活動への意識の高揚と活性化を図る事業の企画と運営を行う。委員会の

交流の活性化を図るため、合同委員会を開催する。№ 役 職 氏  名 会 社 名 団 体 名 備 考1 委 員 長 鈴木 直人 ㈱協立設備 県北管工事協同組合2 副 委 員 長 髙﨑  直 高崎建設㈱ 相模原市津久井地区建設業連絡協議会 安全指導者3 副 委 員 長 渡邉 健次 友渡建設㈱ (一社)相模原市建設業協会・建築 理 事

4 副 委 員 長 芳賀 錠二 芳賀建設工業㈱ (一社)相模原市建設業協会・建築 安全指導者(木建専任)

Page 12: 建災防 第66号ksb-sb.c.ooco.jp/66HP.pdf(1)平成31年4月15日 建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 第66号 発 行 建設業労働災害防止協会

建災防神奈川支部相模原分会会報「さがみはら」 平成31年4月15日(12)第66号

フルハーネス型安全帯使用作業特別教育講習会(5H)

建設会館

フルハーネス型安全帯使用作業特別教育講習会(5H)

第1回 

総務委員会

建災防会議室

熱中症予防研修

建設会館

足場組立特別教育講習会(6H)

建設会館

木建安全祈願祭

亀が池神社

2019年度 

定期総会

監督署

地山・土止め作業主任者技能講習会

建設会館

第1回 

推進委員会・指導者研修会

建設会館

支部代議員会

県建設会館

第36回親睦ゴルフ大会

相武カントリークラブ

石綿作業主任者技能講習会

建設会館 

全国労働安全週間相模原推進大会

市民会館

ずい道掘削作業主任者技能講習会

建設会館

第1回 

木建協安全パトロール

フルハーネス型安全帯使用作業特別教育講習(5H)

建設会館

第1回 

理事・役員会             

2019年度 

代議員会

産業会館

現場管理者統括管理講習会 

建設会館

石綿特別教育講習会

建設会館

第1回 

研究委員会

建災防会議室

有機溶剤作業主任者技能講習会

建設会館  

第2回 

推進委員会

施設見学会・研修会

第2回 

広報委員会

建災防会議室

ずい道覆工作業主任者技能講習会

建設会館

施工管理者足場点検研修

建設会館

合同委員会 建災防会議室

職長・安全衛生責任者教育講習会 建設会館

フルハーネス型安全帯使用作業特別教育講習(5H)

建設会館

 

4月1日に新元号の発表があり「令和」

となった。最初はぎこちない感じがし

たが、だんだん使い慣れてくると良い

響きとなって聞こえてくるようになり

ました。

 

5月1日には新天皇が即位し、平成

の時代が終わり「令和」のスタートとな

ります。激動の昭和と、日常が平和では

あるがなんとなく生きにくかった平成、

さて、「令和」の時代はどうなるのでしょ

うか?・・・・・

 

国内を見回せば、問題が山積してい

ます。地震対策(津波対策)、エネルギー

政策、基地問題、少子高齢化、自然現

象(台風等)への対応、花粉症対策、あ

おり運転、プラスチックごみ問題等々、

書き出せばきりがありません、また、

世界に目を向ければ、テロ、食糧危機、

殺人、地域紛争、気候変動による異常

気象等、世界中のあらゆる地域や民族

間で問題を抱えています。今までの歴

史が示すように解決するには、多くの

時間が必要です。また、みんなの努力

により問題が解決されたと思っていて

も、時の権力者によって元に戻ってし

まうケースも多く、混迷を深めている

のが実情ではないでしょうか。

 

問題は急に解決することができない

ため、それぞれの立場の人間が少しず

つでも解決のための努力や工夫をする

ことです。私自身も自分の身の回りの

問題解決のために何ができるかを考え、

では?実際に具体的に何をすればよい

のかと思案するが、何も思い浮かびま

せん。確かに言えることは、小さいこ

とかもしれませんが、健康管理からの

病気の予防で医療費の削減を行い、高

齢者になっても働き続け税金を払う等。

多くの人がまずは身近でできることか

ら始めたら大きな力になると思います。

H・K

23日(火)

24日(水)

10日(金)

14日(火)

15日(水)

16日(木)

21日(火)

23日(木)

27日(月)

28日(火)

30日(木)

5日(水)

6日(木)

7日(金)

11日(火)

12日(水)

13日(木)

18日(火)

21日(金)

25日(火)

26日(水)

28日(金)

2日(火)

3日(水)

5日(金)

8日(月)

9日(火)

10日(水)

17日(水)

19日(金)

23日(火)

24日(水)

30日(火)

当 面 の 予   定

四 月

五 月

六 月

七 月

2019年度

 

代議員会の開催について

 

2019年6月21日(金)午後

3時より相模原市産業会館で、

2019年度代議員会を開催いた

しますのでお知らせいたします。

 

尚、傍聴は自由ですので、多

くの会員の参加をお願いいたし

ます。

 

また、理事・役員、代議員の

方には、別途ご案内を差し上げ

ます。

第36回

親睦ゴルフ大会の開催について

 

毎回多くの参加をいただき続けて

きた懇親ゴルフ大会も、36回を迎える

運びとなりました。この間多くの方の

ご支援、ご協力をいただき会員相互

の親睦を深め、相模原分会の大きな

事業活動として定着してまいりまし

たことに、感謝申しあげます。

 

さて、36回親睦ゴルフ大会を次の

とおり開催しますので、多くの方の

参加をお待ちしております。また、

初参加の方も大いに歓迎しますので、

是非参加ください。

 

※2019年5月30日(木)相武

  

カントリークラブに於いて開催

  

します。

           

総務委員会

代議員会のご案内

親睦ゴルフ大会のご案内

~