9
前立腺癌研究サマリー 2015/7/1

前立腺癌研究サマリー0 or 1 RA 2 RAs 3 or 4 RAs 遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PSAと相関する多型に関する研究~ 長浜コホート研究

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 前立腺癌研究サマリー0 or 1 RA 2 RAs 3 or 4 RAs 遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PSAと相関する多型に関する研究~ 長浜コホート研究

前立腺癌研究サマリー

2015/7/1

Page 2: 前立腺癌研究サマリー0 or 1 RA 2 RAs 3 or 4 RAs 遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PSAと相関する多型に関する研究~ 長浜コホート研究

前立腺癌PDXを用いた去勢抵抗性獲得機序の解明と新規マーカーの探索

新規前立腺癌診断マーカーの開発を目指した質量顕微鏡による前立腺癌脂質発現解析

前立腺マッサージ後尿プロテオミクスによる尿中マーカー探索

遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発

Page 3: 前立腺癌研究サマリー0 or 1 RA 2 RAs 3 or 4 RAs 遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PSAと相関する多型に関する研究~ 長浜コホート研究

0

1000

2000

3000

-50 0 50 100 150 200

Tum

or

volu

me

(mm

3)

Days

KUCaP-1

KUCaP-2 Castration

KUCaP-1

SCID mouse

nude mouse

KUCaP-2

前立腺癌PDXを用いた去勢抵抗性獲得機序の解明と新規マーカーの探索

KUCaP3

0

5000

10000

15000

20000

25000

-7 5 13 20 28 40 56 80 93 110

castration control

KUCaP-3

KUCaP-1 ARのW741C変異がビカルタミド抵抗性に関わる。 (Yoshida et al. Cancer Res 2005)

ARのW741C変異はAWSをもたらし同変異を持つ前立腺癌に対するフルタミド交替療法は有効である。 (Terada et al. Prostate 2010)

KUCaP-2 EP4発現亢進が前立腺癌去勢抵抗性獲得に関与し、治療標的となり得る。 (Terada et al. Cancer Res 2010)

miR-582-5p発現亢進が前立腺癌去勢抵抗性増殖を促進させる。 (Maeno et al. Prostate 2014)

KUCaP-3 嚢胞内容液のプロテオミクスにより腺管形成に関わる蛋白NPC2を同定。 (Yoshikawa et al. 論文作成中)

Page 4: 前立腺癌研究サマリー0 or 1 RA 2 RAs 3 or 4 RAs 遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PSAと相関する多型に関する研究~ 長浜コホート研究

新規前立腺癌診断マーカーの開発を目指した質量顕微鏡による前立腺癌脂質発現解析

Cancer Benign epithelium

PIの発現プロファイルが前立腺癌の組織診断バイオマーカーとなり得る。 (Goto et al, Plos One 2014)

←高解像度質量顕微鏡(SHIMADZU)

PA(18:0/18:1) H&E

PSA再発(+)

PSA再発(-)

cancer

normal

cancer

normal

ホスファチジルイノシトール(PI)

ホスファチジン酸 (PA)

PA(18:0/18:1)はPSA再発群で発現が低い。 (Goto et al. 論文作成中)

前立腺組織中に高発現する脂質を同定し、それらの癌と非癌部での発現差を評価

Page 5: 前立腺癌研究サマリー0 or 1 RA 2 RAs 3 or 4 RAs 遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PSAと相関する多型に関する研究~ 長浜コホート研究

前立腺マッサージ後尿プロテオミクスによる尿中マーカー探索

尿中ペプチドミクスの前処理方法

Urine samples (1mL)

Wash CM-Sepharose

Add matrix solvent

MALDI-DIT-TOF/MSn analyses of biomaterials

Activate CM-Sepharose

Incubate denatured-urine samples

Denature urine samples

1314.7 4750.7

2753.5

1243.7 2190.8 1061.0 2376.3

1984.2 1319.7

4365.8 2939.4 1831.1 2790.0 2542.3 3930.6 4536.3 4998.0

4750.8

2376.3 1059.0 1297.8 1077.0 1659.8

1268.0

1099.0 4366.6 2753.5

4536.3 1879.2 2789.9 3028.4 4886.9 2542.2 1127.0

4017.0

2331.2

1314.7

1243.7

1426.7 2002.1 2445.4

1130.6 2201.2 1871.0

1202.6

1659.8 2754.5 2559.4 2040.1

2142.2

3079.4 3248.6 2916.7 4930.9

5000 4500 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000

m/z

80

60

40

20

0

1297.7

1659.8

2190.8

2201.2

80

60

40

20

0

80

60

40

20

0

100

80

60

40

20

0 4750.7

Prostate cancer (PCa)

Benign prostatic hyperplasia (BPH)

Healthy subject (Healthy)

m/z 2331ペプチド→PSAのC端部

血清

PSA濃度

尿中

m/z

23

31濃度

前立腺マッサージ後尿中のPSA断片濃度は前立腺癌診断マーカーとなり得る。(Nakayama et al, Plos One 2014)

Page 6: 前立腺癌研究サマリー0 or 1 RA 2 RAs 3 or 4 RAs 遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PSAと相関する多型に関する研究~ 長浜コホート研究

0 or 1 RA

2 RAs

3 or 4 RAs

遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PSAと相関する多型に関する研究~

長浜コホート研究

検査結果、解析結果を開示

5年毎に受診を呼

びかける

長浜市に住む30-74歳の健常者 10,000人

一般検診 (採血、問診)

遺伝子/蛋白網羅的解析

血清PSA値と相関する遺伝子多型解析(GWAS)

SLC45A3(Prostein) KLK3(PSA)

rs16856139

rs1058205

Chr Gene Ref/Va

r

GWAS(n=1,086) Replication(n=1,302)

Beta SE P Beta SE P

rs16856139

1 SLC45A3 C/T 0.11 0.019 3.7 x10-9 0.061 0.017 0.00040

rs1058205

19 KLK3 C/T 0.069 0.014 5.3 x10-7 0.099 0.012 1.8x10-15

No. of PSA RAs

No. of Subjects

AUC (95%CI)

0 31 0.839

(0.679-0.999)

1 142 0.687

(0.596-0.777)

2 182 0.635

(0.555-0.716)

3 52 0.571

(0.411-0.731)

4 6 0.500

(0.00-1.00) PSA RA: 血清PSA値と相関するリスクアレル

血清中PSA値との相関 する2ヶ所の遺伝子多型 (SLC45A3,KLK3)を同定し,その数により前立腺癌陽性リスクに差を認めた。(Terao et al. J Med Genetics 2014)

Page 7: 前立腺癌研究サマリー0 or 1 RA 2 RAs 3 or 4 RAs 遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PSAと相関する多型に関する研究~ 長浜コホート研究

遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PCSSNP~

(Akamatsu et al. Nature Genet 2010 , Nature Genet 2012, PLOS ONE 2012)

16 SNPsによる

日本人前立腺癌

リスクモデルの構築

SNP ID Chr Region Regression Coefficient

EstimatedOR

rs13385191 2 C2orf43 0.11 1.11

rs11693801 2 THADA 0.11 1.12 rs9284813 3 3p12 0.17 1.17 rs12653946 5 IRX4 0.22 1.25 rs1983891 6 FOXP4 0.13 1.13 rs339331 6 GPRC6A / RFX6 0.17 1.19 rs1512268 8 NKX3.1 0.28 1.32 rs10086908 8 8q24 (Block1) 0.21 1.24 rs1456315 8 8q24 (Block2 / Region2) 0.47 1.61 rs620861 8 8q24 (Block3 / Region3) 0.08 1.08 rs6983267 8 8q24 (Block4 / Region3) 0.11 1.11 rs7837688 8 8q24 (Block5 / Region1) 0.49 1.64 rs10993994 10 MSMB 0.17 1.19 rs9600079 13 13q22 0.14 1.15 rs7501939 17 HNF1B 0.34 1.41 rs5759167 22 TTLL1/BIK 0.02 1.02

1.0 × 10-7

8q24

3p12 IRX4

NKX3.1

MSMB

HNF1B RFX6

C2orf43 FOXP4 13q22 -l

og 1

0 (

P-v

alu

e)

TET2 GGCX FGFR2

FAM111A

1つのSNPの前立腺癌リスク(オッズ比)は、1.1-1.8 と大きくない

Page 8: 前立腺癌研究サマリー0 or 1 RA 2 RAs 3 or 4 RAs 遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PSAと相関する多型に関する研究~ 長浜コホート研究

遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PCSSNP~

前立腺癌の確定診断のために 前立腺生検を行う患者

同意取得後WEB登録 採血および臨床情報の取得 DNA抽出 症例数:2000症例 登録期間:2015年1月から2年間

追跡期間:3年

前立腺癌患者についてはその予後を、非前立腺癌患者については前立腺再生検により癌が発見されないかどうかを追跡

SNP タイピング ①16 個のSNP (Akamatsu et al. PLOS ONE 2012) ②日本人前立腺癌にて関連を認めた~100個のSNP (Al Obama et al. Nat Genet 2014より選出)

個々の前立腺癌リスクを算出

年齢、血清中PSA濃度、直腸診での異常の有無、前立

腺体積、家族歴などとともに、前立腺癌生検での病理診断および予後との関連を調べる

試験シェーマ

理化学研究所 統合生命医科学研究センター

京都大学と関連10大学

京都大学医学統計生物情報学教室

Page 9: 前立腺癌研究サマリー0 or 1 RA 2 RAs 3 or 4 RAs 遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PSAと相関する多型に関する研究~ 長浜コホート研究

低リスク群 (<10% )

前立腺生検施行せず、定期的PSAフォロー

中間リスク群 (10-40%)

高リスク群 (>40%)

前立腺生検

PSA グレーゾーン (4~10 ng/mL )

PSA 高値 (10 ng/mL 以上)

臨床情報+SNP情報よりに前立腺癌リスクの数値化

高悪性度(GS7以上)前立腺癌リスクスコアも算出可能。 SNP情報より前立腺癌リスクが低い患者はPSA検査も不要。

遺伝子多型を用いた前立腺癌診断マーカーの開発~PCSSNP~

遺伝子多型マーカーの臨床応用