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2009/5/11 Kameda Medical Center 1 病院経営が抱える諸問題 病院経営者の観点から 医療法人鉄蕉会 理事長 国立大学法人東京医科歯科大学 客員教授 亀田隆明 資 料 2-1

病院経営が抱える諸問題 - Kameda...DPC対象病院の平均在院日数は2007年度実績、 医師数と看護職員数はDPC対象病院のうち公立病院の2006年度実績。

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2009/5/11 Kameda Medical Center 1

病院経営が抱える諸問題- 病院経営者の観点から -

医療法人鉄蕉会 理事長

国立大学法人東京医科歯科大学 客員教授

亀田隆明

資 料 2-1

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2009/5/11 Kameda Medical Center 2

病院経営が抱える問題点

1.医療供給体制の問題(1)医師の絶対的不足(2)専門医等の評価の欠如(3)看護師の絶対的不足(4)コメディカルへの権限委譲

の不足

2.医療費抑制政策の結果による病院経営の悪化(1)経営主体別の収支(2)公的病院と民間病院の不平等

3.民間病院におけるキャピタルコストの問題

4.政策医療、不採算医療

5.限られた経営努力の範囲(1)民間資本導入、補助金の活用(2)寄付の活用(3)混合診療の問題(4)消費税損税の問題

6.医療費(コスト)から価値(バリュー)へのパラダイムシフト

7.日本版IHNの構築による医療サービスの効率化

8.日本の医療機関の国際競争力強化

9.規制強化と規制緩和

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2009/5/11 Kameda Medical Center 3

医師不足の問題 O E C D 各 国 の 人 口 1 , 0 0 0 人 当 た り の 臨 床 医 数( 2 0 0 6 年 ・ 平 成 1 8 年 )

5.04.0

3.83.8

3.73.73.7

3.63.63.63.6

3.53.5

3.43.4

3.1

3.02.9

2.82.8

2.7

2.52.4

2.32.2

1.91.7

1.6

2.1

3.1

2.6

2.1

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0

ギリシャ(2005)

ベルギー

スイス

オランダ

アイスランド

ノルウェー

イタリア

デンマーク(2004)

チェコ

スペイン

オーストリア

ドイツ

スウェーデン(2005)

ポルトガル(2005)

フランス

スロバキア(2004)

OECD(単純平均)

ハンガリー

アイルランド

ルクセンブルグ

オーストラリア(2005)

フィンランド

OECD(加重平均)

イギリス

アメリカ

ニュージーランド

ポーランド

カナダ

日本

メキシコ

韓国

トルコ

(人)

(注)単純平均とは、各国の人口当たり医師数の合計を国数で割った数のこと。加重平均とは、全医師数を全人口で割った数のこと。

(出所)OECD Health Data 2008 から作成

人口1,000人当たり

臨床医数の国際比較(2006年・平成18年)

日本の人口あたりの医師数はOECD30カ国中27番目 と低い水準に

ある。アメリカも決して多くはないが、看護師やコメディカルへの権限委譲がかなり進んでおり、日本とは事情が大きく異なる。例えば、麻酔看護師の登用やナースプラクティショナーの存在、また、院内免許によるテクニシャンといわれる補助者たちの活用などが病院の機能上大きく貢献している。

1ー(1)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 4

先進7カ国(G7)の人口1,000人当たり医師数比較

(出所)OECD Health Data 2005・2006・2007・2008 から作成

先 進 7 カ 国( G 7 )の 人 口 1 , 0 0 0 人 当 た り 医 師 数

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

1960 1970 1980 1990 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

(人)

イタリア

ドイツ

フランス

OECD30カ国平均

英 国

米 国

カナダ

日 本

1ー(1)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 5

医師国家試験合格者の男女比

(出所)医学書院/週刊医学界新聞「医師国家試験男女別合格者数等の推移」より作成

医 師 国 家 試 験 合 格 者 の 男 女 比

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

女性

男性

女性 19.2% 20.6% 22.8% 24.2% 23.7% 25.2% 26.3% 25.6% 29.7% 30.6% 31.8% 30.8% 33.8% 33.8% 33.7% 32.7% 33.4% 34.5%

男性 80.8% 79.4% 77.2% 75.8% 76.3% 74.8% 73.7% 74.4% 70.3% 69.4% 68.2% 69.2% 66.2% 66.2% 66.3% 67.3% 66.6% 65.5%

1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20

医師数のうち女性医師の割合が増加していることも医師不足の潜在的要因である。

女性医師は、出産や育児を機に夜間勤務などが困難となり、一時休職や外来診療に特化せざるを得ないような面も多く、結果的に他の勤務医の負担が大きくなってしまうことがある。

1ー(1)

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医科大学数と入学定員数の推移

(出所)厚生白書平成7年版、文部科学省「平成21年度医学部入学定員の増員計画について」より作成

医 科 大 学 数 と 入 学 定 員 数 の 推 移

2,840

3,560

4,380

7,120

2,820

8,486

7,6257,6307,6407,7757,835

8,260 8,340

7,7937,6257,6307,7557,815

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

1955

1960

1965

1970

1975

1980

1985

1990

1991

1992

1994

1998

1999

2002

2003

2007

2008

2009

S30 S35 S40 S45 S50 S55 S60 H2 H3 H4 H6 H10 H11 H14 H15 H19 H20 H21

(学校数)

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

(入学定員数)

学校数

入学定員数

医師を増やす即効性のある方法として、医師国家試験を年2回行うことを復活させるべきで

ある。 また、医師の増員だけで解決することが困難である現状からしても、コメディカルの権限拡大などを含めた緊急な対策が求められる。

1ー(1)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 7

医師数の地域による偏在と診療科による偏在

(注)日本データは厚生労働省2004年医療施設に従事する医師数・診療科別データ(内科に消化器科、循環器科、呼吸器科、心療内科を加えた)。米国データは2004年American Board of Medical Specialties認定の専門医数(米国では約9割が専門医資格保有)

(出所)月刊学術の動向2007年5月号 東北大学病院がんセンター長、放射線治療科 山田章吾教授「医師偏在問題の原因を考える」より引用

日本 米国

2004年人口 1億2,769万人 2億8,142万人

診療科 差

内科、救急内科 763.0 645.1 117.9

整形外科 147.0 76.3 70.7

外科 182.0 125.8 56.2

耳鼻咽喉科 71.7 36.1 35.6

脳神経外科 49.2 15.1 34.1

眼科 97.5 65.3 32.2

皮膚科 60.9 34.9 26.0

泌尿器科 47.2 37.4 9.8

胸部外科 29.3 20.2 9.1

精神科、神経内科 125.8 161.5 -35.7

産婦人科 95.2 131.7 -36.5

麻酔科 50.1 115.6 -65.5

放射線科 37.4 135.5 -98.1

小児科 114.9 236.8 -121.9

家庭医 - 229.9 -229.9

医師数

日米の診療科別医師数の比較(人口10万人対医師数)

地域による偏在は、医師のライフサイクルやモチベーションを理解したうえで、それぞれの地域や医療機関が努力しなければならない。

診療科による偏在は、専門医教育における定員制を検討するのが近道と考える。

1ー(2)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 8

専門医制度の強化

医療レベルの底上げとリスクの軽減

適正な評価・待遇の実施

各診療科における専門医のレベルを合わせる

学会・厚労省 等が協力し専門医制度の強化が必要

責任感の醸成(モチベーションの向上)

実力養成の指標を設定

国民の評価に耐えられる制度の構築

「専門医」という名に恥じない専門医制度

診療科における医師偏在の解消ねらい

1ー(2)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 9

看護師不足の問題

日本の現状の看護師数からすれば、緊急の対応として、看護師の業務のうち補助者が行える分野を拡大し、補助者にも教育と資格(例えば、6カ月~1年程度の実践的な教育と看護補助者としての資格)を与えることなども一考の余地がある。経済的なインセンティブをつける必要もある。

超高齢化の影響は急性期病院における看護に大きな影響を与えている。医療、看護の必要度とは別に、急性期病院においても高齢化により介護必要度の高い重症患者が急増し、このことが特に看護師の疲弊感につながっている。急性期病院においても、経済的補償(診療報酬での評価)のうえに介護スタッフの充実を図ることで看護師本来の仕事に専念出来るようにすることが重要な課題である。

高学歴化が進む看護教育において、臨床看護師の養成など、看護師の専門性を高める教育も重要で、医師不足への対応においても、大きな役割を果たすことになる。

1ー(3)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 10

過剰な病床数と一病院あたりの過少なスタッフ数

(注)DPC対象病院は2006年度DPC対象病院の実績を使用。DPC対象病院の平均在院日数は2007年度実績、医師数と看護職員数はDPC対象病院のうち公立病院の2006年度実績。

(出所)日本・ドイツ・フランス・イギリス・アメリカのデータは、OECD Health Data 2008 より作成。DPC対象病院のデータは、平均在院日数は中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織DPC評価分科会「平成19年度 DPC導入の影響評価に関する調査結果および評価」より作成、医師数・看護職員数は社団法人日本医師会「2008年9月17日 DPCについての日本医師会の見解」資料より作成した。

国名平均在院

日数

人口1,000人当たり病床数

病床100床当たり医師数

人口1,000人当たり医師数

病床100床当たり

看護職員数

人口1,000人当たり

看護職員数

日本 34.7日 14.0床 14.9人 2.1人 66.8人 9.3人

(DPC対象病院) (14.5日) - (17.0人) - (75.3人) -

ドイツ 10.1日 8.3床 41.6人 3.5人 117.8人 9.8人

フランス 13.2日 7.2床 46.7人 3.4人 105.8人 7.6人

イギリス 8.7日 3.6床 69.0人 2.5人 335.9人 11.9人

アメリカ 6.4日 3.2床 76.3人 2.4人 331.2人 10.5人

医療提供体制の各国比較(2006年度)

日本は人口当たりの病院数・病床数が極めて多く、一方、一病院・病床当たりの医師、看護師をはじめとする職員数が極めて少ない。

一つの方向としては、一定の範囲の地域で網羅的かつ重複を避けつつ、効率の良い医療サービスを提供するための仕組み(例:IHN)を構築する必要がある。

1ー(3)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 11

コメディカルへの権限委譲の不足

医師に過大な権能が集中し、看護師やコメディカルと呼ばれる各種専門技術者についての業務権限が明確になっていないため、業務を合理的に分担しこれらの人材を十分に活用することができない。

教育・資格制度を合理化し、各医療従事者の業務権限を拡大・明確化すべきである。

1ー(4)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 12

最近の診療報酬改定率および薬価改定率の推移

年度診療報酬改定率(平均)(%)①

薬価改定率(医療費ベース)(%)②

①+②

2002年度H14年度

▲ 1.30 ▲ 1.40 ▲ 2.70

2004年度H16年度

0.00 ▲ 1.00 ▲ 1.00

2006年度H18年度

▲ 1.36 ▲ 1.80 ▲ 3.16

2008年度H20年度

0.38 ▲ 1.20 ▲ 0.82

医療費抑制政策の結果による病院経営の悪化2

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千葉県立病院(7病院と病院局本局)の収支実績・計画(収益的収支)

(出所)千葉県病院局「千葉県立病院改革プラン(案)について_平成21年3月25日」を参考に作成

金額(百万円) 医業費用比 医業収益比 金額(百万円) 医業費用比 医業収益比 金額(百万円) 医業費用比 医業収益比

Ⅰ 医業費用 36,094 100.0% 135.4% 37,460 100.0% 137.9% 38,989 100.0% 136.8% 1.給与費 18,266 50.6% 68.5% 19,295 51.5% 71.0% 20,015 51.3% 70.2% 2.材料費 9,208 25.5% 34.6% 9,129 24.4% 33.6% 9,382 24.1% 32.9% 3.経費 5,983 16.6% 22.5% 6,354 17.0% 23.4% 6,772 17.4% 23.8% 4.減価償却費 2,448 6.8% 9.2% 2,503 6.7% 9.2% 2,609 6.7% 9.2% 5.その他 188 0.5% 0.7% 179 0.5% 0.7% 211 0.5% 0.7%

Ⅱ 医業外費用 1,113 3.1% 4.2% 1,167 3.1% 4.3% 1,044 2.7% 3.7% 1.支払利息 732 2.0% 2.7% 673 1.8% 2.5% 665 1.7% 2.3% 2.その他 380 1.1% 1.4% 494 1.3% 1.8% 379 1.0% 1.3%

総費用 37,207 103.1% 139.6% 38,627 103.1% 142.2% 40,033 102.7% 140.5%

Ⅰ 医業収益 26,649 73.8% 100.0% 27,170 72.5% 100.0% 28,492 73.1% 100.0%

Ⅱ 医業外収益 9,118 25.3% 34.2% 9,655 25.8% 35.5% 9,845 25.3% 34.6% 1.他会計負担金・補助金 8,821 24.4% 33.1% 9,282 24.8% 34.2% 9,560 24.5% 33.6% 2.国(県)補助金 61 0.2% 0.2% 50 0.1% 0.2% 72 0.2% 0.3% 3.その他 236 0.7% 0.9% 323 0.9% 1.2% 213 0.5% 0.7%

総収益 35,767 99.1% 134.2% 36,825 98.3% 135.5% 38,337 98.3% 134.6%

医業収益-医業費用 △9,445 △10,290 △10,497総収益-総費用 △1,440 △1,802 △1,696

科    目 平成19年度実績 平成20年度見込 平成21年度計画

千葉県立病院(7病院と病院局本局の合計)

2ー(1)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 14

東京都立病院の収支実績・計画(収益的収支)

(出所)東京都病院経営本部のホームページ 「事業概要 平成20年版」を参考に作成

金額(百万円) 医業費用比 医業収益比 金額(百万円) 医業費用比 医業収益比

Ⅰ 医業費用 129,505 100.0% 146.7% 138,006 100.0% 144.7% 1.給与費 68,700 53.0% 77.8% 73,036 52.9% 76.6% 2.材料費 27,867 21.5% 31.6% 28,626 20.7% 30.0% 3.経費 21,566 16.7% 24.4% 24,229 17.6% 25.4% 4.減価償却費 10,414 8.0% 11.8% 10,789 7.8% 11.3% 5.その他 956 0.7% 1.1% 1,326 1.0% 1.4%

Ⅱ 医業外費用 3,931 3.0% 4.5% 4,732 3.4% 5.0% 1.支払利息 2,493 1.9% 2.8% 3,038 2.2% 3.2% 2.その他 1,438 1.1% 1.6% 1,694 1.2% 1.8%

総費用 133,436 103.0% 151.2% 142,738 103.4% 149.6%

Ⅰ 医業収益 88,268 68.2% 100.0% 95,401 69.1% 100.0%

Ⅱ 医業外収益 44,881 34.7% 50.8% 47,954 34.7% 50.3% 1.一般会計負担金・補助金 39,143 30.2% 44.3% 41,667 30.2% 43.7% 2.国庫補助金 223 0.2% 0.3% 257 0.2% 0.3% 3.その他 5,515 4.3% 6.2% 6,030 4.4% 6.3%

総収益 133,149 102.8% 150.8% 143,355 103.9% 150.3%

  特別利益 10,992 0  特別損失 115 35

医業収益-医業費用 △41,237 △42,604総収益-総費用 △287 617

全体収支 10,590 582

科    目 平成19年度実績 平成20年度予算

東京都立病院の総合計

2ー(1)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 15

自治体病院の6月1カ月分の総損益差額から

みた黒字・赤字病院の割合

(注)他会計負担金・補助金等を除いた総収益から総費用を控除した場合の損益(出所)全国公私病院連盟「平成20年 病院運営実態分析調査の概要」「平成18年 病院運営実態分析調査の概要」より作成

■ 赤 字 病 院 の 割 合

■ 黒 字 病 院 の 割 合

12.9% 11.4% 9.3% 7.4% 6.7%

87.1% 88.6% 90.7% 92.6% 93.3%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

平成16 平成17 平成18 平成19 平成20

2ー(1)

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自治体立病院100床あたりの収支

金額(千円) 医収比 金額(千円) 医収比 金額(千円) 医収比 金額(千円) 医収比Ⅰ 医業収益 121,209 100.0% 127,322 100.0% 127,362 100.0% 124,949 100.0%Ⅰ 医業費用 138,541 114.3% 140,178 110.1% 146,751 115.2% 147,798 118.3% 1.給与費 74,007 61.1% 73,395 57.6% 77,309 60.7% 78,797 63.1% 2.材料費 35,641 29.4% 36,205 28.4% 36,749 28.9% 34,209 27.4% 3.経費 18,728 15.5% 20,062 15.8% 21,352 16.8% 22,862 18.3% 4.減価償却費 9,044 7.5% 9,293 7.3% 10,132 8.0% 10,382 8.3% 5.資産減耗損 249 0.2% 283 0.2% 300 0.2% 478 0.4% 6.研究・研修費 588 0.5% 615 0.5% 596 0.5% 707 0.6% 7.本部費分担金・役員報酬 283 0.2% 324 0.3% 313 0.2% 363 0.3%

医業収益-医業費用 △17,332 △14.3% △12,856 △10.1% △19,389 △15.2% △22,849 △18.3%Ⅱ 医業外収益 1,548 1.3% 2,838 2.2% 2,495 2.0% 2,626 2.1%Ⅱ 医業外費用 5,167 4.3% 5,338 4.2% 5,052 4.0% 4,462 3.6%   うち支払利息 4,422 3.6% 4,302 3.4% 4,160 3.3% 3,669 2.9%Ⅲ 特別利益 97 0.1% 245 0.2% 240 0.2% 362 0.3%Ⅲ 特別損失 239 0.2% 569 0.4% 680 0.5% 707 0.6%他会計負担金・補助金等収入(別掲) (19,248) (18,434) (16,757) (16,997)納付消費税(別掲) (309) (261) (230) (235)   総収益(補助金等含まず) 122,854 130,404 130,097 127,936   総費用(納付消費税含まず) 143,947 146,085 152,483 152,966

総収益-総費用 △21,093 △15,681 △22,386 △25,030総収益-総費用(別掲を含んだ場合) △2,154 2,492 △5,859 △8,268

調査病院数 686 659 599 599平均病床数 263 266 271 269

平成20年6月

100床当たりの収支

自治体(都道府県・指定都市・市町村・組合等)科    目

平成14年6月 平成16年6月 平成18年6月

(出所)全国公私病院連盟「平成20年 病院運営実態分析調査の概要」「平成18年 病院運営実態分析調査の概要」より

2ー(1)

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その他公的病院100床あたりの収支

(出所)全国公私病院連盟「平成20年 病院運営実態分析調査の概要」「平成18年 病院運営実態分析調査の概要」より

金額(千円) 医収比 金額(千円) 医収比 金額(千円) 医収比 金額(千円) 医収比Ⅰ 医業収益 145,926 100.0% 152,912 100.0% 155,709 100.0% 157,742 100.0%Ⅰ 医業費用 147,822 101.3% 151,339 99.0% 157,206 101.0% 162,787 103.2% 1.給与費 75,388 51.7% 74,954 49.0% 77,870 50.0% 82,650 52.4% 2.材料費 44,433 30.4% 45,949 30.0% 47,122 30.3% 46,258 29.3% 3.経費 17,463 12.0% 19,639 12.8% 20,893 13.4% 22,604 14.3% 4.減価償却費 8,329 5.7% 8,580 5.6% 9,328 6.0% 9,356 5.9% 5.資産減耗損 204 0.1% 169 0.1% 197 0.1% 236 0.1% 6.研究・研修費 644 0.4% 662 0.4% 574 0.4% 643 0.4% 7.本部費分担金・役員報酬 1,360 0.9% 1,388 0.9% 1,222 0.8% 1,041 0.7%

医業収益-医業費用 △1,896 △1.3% 1,573 1.0% △1,497 △1.0% △5,045 △3.2%Ⅱ 医業外収益 2,013 1.4% 1,912 1.3% 2,002 1.3% 2,423 1.5%Ⅱ 医業外費用 3,026 2.1% 2,402 1.6% 2,706 1.7% 2,739 1.7%   うち支払利息 1,086 0.7% 885 0.6% 867 0.6% 963 0.6%Ⅲ 特別利益 880 0.6% 904 0.6% 1,168 0.8% 2,085 1.3%Ⅲ 特別損失 628 0.4% 652 0.4% 719 0.5% 2,110 1.3%他会計負担金・補助金等収入(別掲) (2,068) (1,551) (1,439) (1,987)納付消費税(別掲) (505) (640) (691) (725)   総収益(補助金等含まず) 148,819 155,727 158,879 162,249   総費用(納付消費税含まず) 151,477 154,393 160,632 167,635

総収益-総費用 △2,658 1,334 △1,753 △5,386総収益-総費用(別掲を含んだ場合) △1,095 2,245 △1,005 △4,124

調査病院数 245 247 267 262平均病床数 356 348 348 345

科    目

100床当たりの収支

その他公的(日赤・済生会・厚生連・社会保険関係団体等)

平成14年6月 平成16年6月 平成18年6月 平成20年6月

2ー(1)

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私的病院100床あたりの収支

(出所)全国公私病院連盟「平成20年 病院運営実態分析調査の概要」「平成18年 病院運営実態分析調査の概要」より

金額(千円) 医収比 金額(千円) 医収比 金額(千円) 医収比 金額(千円) 医収比Ⅰ 医業収益 118,565 100.0% 125,590 100.0% 132,083 100.0% 134,089 100.0%Ⅰ 医業費用 118,316 99.8% 125,228 99.7% 131,612 99.6% 134,745 100.5% 1.給与費 62,105 52.4% 64,396 51.3% 67,902 51.4% 70,855 52.8% 2.材料費 28,350 23.9% 30,184 24.0% 31,754 24.0% 30,589 22.8% 3.経費 21,295 18.0% 23,185 18.5% 23,629 17.9% 24,557 18.3% 4.減価償却費 4,848 4.1% 5,396 4.3% 6,124 4.6% 6,659 5.0% 5.資産減耗損 148 0.1% 150 0.1% 151 0.1% 98 0.1% 6.研究・研修費 483 0.4% 487 0.4% 471 0.4% 509 0.4% 7.本部費分担金・役員報酬 1,086 0.9% 1,431 1.1% 1,580 1.2% 1,478 1.1%

医業収益-医業費用 249 0.2% 362 0.3% 471 0.4% △656 △0.5%Ⅱ 医業外収益 2,608 2.2% 2,114 1.7% 1,961 1.5% 1,961 1.5%Ⅱ 医業外費用 2,266 1.9% 2,241 1.8% 2,065 1.6% 2,249 1.7%   うち支払利息 1,335 1.1% 1,488 1.2% 1,405 1.1% 1,498 1.1%Ⅲ 特別利益 350 0.3% 421 0.3% 269 0.2% 358 0.3%Ⅲ 特別損失 409 0.3% 455 0.4% 483 0.4% 689 0.5%他会計負担金・補助金等収入(別掲) (762) (884) (686) (854)納付消費税(別掲) (595) (415) (770) (878)   総収益(補助金等含まず) 121,523 128,126 134,313 136,407   総費用(納付消費税含まず) 120,992 127,924 134,160 137,682

総収益-総費用 531 202 153 △1,275総収益-総費用(別掲を含んだ場合) 698 671 69 △1,299

調査病院数 288 273 279 319平均病床数 233 234 240 254

100床当たりの収支

私的(医療法人・個人・公益・社会福祉法人等)

平成14年6月 平成16年6月 平成18年6月 平成20年6月科    目

2ー(1)

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公的病院と民間病院の不平等

医療費抑制政策により病院の経営は悪化の一途である。

自治体病院をはじめとする公的病院には、診療報酬以外に他会計から多くの繰り入れがある。医療費抑制政策によって診療報酬が減った分は、簡単に言えば、他会計からの繰り入れを増額することによって補填されてきた。

これにより、財政基盤の弱い自治体が開設している病院の多くが崩壊の危機に直面している。

医療費抑制政策は結果的に自治体自体の財政を圧迫していることになる。このような面からも、既に診療報酬制度だけでの医療は破綻している。

2ー(2)

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公的病院と民間病院の不平等

診療報酬だけでなく、他会計からの補填(要は税金)によって成り立っているような状況にあっても、公的病院の給与レベルは一般的な民間病院よりはるかに高く、そのような公的病院には看護師が集まり、民間病院は看護師の採用の面などで不利を被っている。まさに民業圧迫となっている。

民間病院の多くは、医師の過剰労働や病院職員の低賃金などの犠牲の上にかろうじて成り立っている状況である。

それ以前に、民間企業の給与を参考に一般的に妥当な金額として算出されている公務員給与体系で採算が取れないのが現状の診療報酬制度(医療経営)なのである。

2ー(2)

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職種別年間給与

(注)自治体病院(都道府県・指定都市・市町村・組合等)、公的病院(日赤・済生会・厚生連関係病院)、私的病院(医療法人・個人・公益・社会福祉法人等)

(出所)総務省「地方公営企業年鑑(平成18年4月1日~平成19年3月31日) 第2編統計資料 第2章事業別 6.病院事業(13)職種別給与(平均給与月額)に関する調」、全国病院経営管理学会「2008年版 病院給与・労働条件実態調査2表-1 平成19年7月職種別所定内・外給与、第5表-4 平成18年年末賞与職種別一人平均支給額、第5表-5 平成19年夏季賞与職種別一人平均支給額」、これらを参考にして年間給与額を試算した。

職 種 別 年 間 給 与

15,248

5,896

6,823

6,544

6,902

12,068

5,168

5,410

6,116

6,238

14,630

5,028

4,797

5,051

4,699

2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000

医師(歯科医含)

看護師

准看護師

医療技術員

事務職員

(千円)

自治体病院

公的病院

私的病院

2ー(2)

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病院開設者別にみた施設数及び病床数

(注)一般病院・精神科病院・結核療養所の合計国=国立病院機構+国立大学法人+労働者健康福祉機構+厚生労働省+その他自治体=市町村+都道府県+地方独立行政法人その他公的=日赤+厚生連+済生会+共済+社保連+その他私的=医療法人+公益法人+学校法人+個人+社会福祉法人+会社+医療生協+その他

(出所)厚生労働省「医療施設動態調査」より作成

医療費抑制政策により、多くの病院は経営が危機的な状況になっている。それにより、病院の施設数、病床数は減っているが、

国際的に見ると施設数・病床数ともに依然多い。諸外国と比較して私的病院の役割が極めて大きいのが特徴である。

増減 増減平成14年3月末

平成20年12月末

増減

国 344 3.7% 275 3.1% -69 138,815 8.4% 119,531 7.4% -19,284 404 435 31

自治体 1,081 11.7% 1,019 11.6% -62 256,079 15.6% 243,947 15.2% -12,132 237 239 3

その他公的 429 4.6% 420 4.8% -9 139,339 8.5% 135,364 8.4% -3,975 325 322 -3

私的 7,383 79.9% 7,076 80.5% -307 1,110,314 67.5% 1,110,856 69.0% 542 150 157 7

総 数 9,237 100.0% 8,790 100.0% -447 1,644,547 100.0% 1,609,698 100.0% -34,849 178 183 5

病院開設主体

施設数 病床数 平均病床数

平成14年3月末

平成20年12月末

平成14年3月末

平成20年12月末

2ー(2)

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民間病院におけるキャピタルコストの問題

現代の高度医療では非常に大きな資本の投下が必要となる。

民間病院の病棟建設費や土地代などのキャピタルコストの原資はいかにあるべきか?

日本の病院の資本は、ほとんどが個人の自己資金もしくは税金によっている。

診療報酬にその分が含まれているのであれば、公立病院の病棟などは公共事業として公的に投資されているはずであるから、公立病院にはその分の診療報酬は不必要である。

もし診療報酬にキャピタルコストが含まれていないのであれば、その分を民間病院のキャピタルコストとして別途加える必要がある。

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民間病院におけるキャピタルコストの問題

現在の診療報酬制度の中にキャピタルコスト分が含まれていないのであれば…

福祉医療機構による制度融資を病院一件あたり数十億から数百億円にするなど大幅に融資規模の拡大を図り、また、日本政策投資銀行による低利でかつ返済期間が長期の安定的な制度融資を行うなどの措置が当面必要である。

市場経済に左右される民間金融機関からの借り入れは、政府による公定価格のもとに営まれる医療経営にとって大きなリスクを伴う。

もし、福祉医療機構や日本政策投資銀行が民営化されることにより、制度融資が使いにくいものになるのであれば、医療経営において極めて不利益を被る可能性がある。

最終的には民間病院のキャピタルコストについて、診療報酬制度の中で考慮するか、病院への出資について緩和するなど、政策的な措置が必要である。

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亀田メディカルセンター【小児科】損益(平成20年4月~21年1月)

検査 画像 リハビリ 給食 救急

4月 105,274 121,099 -15,825 55,146 4,192 45,936 19,398 29,269 502 25,282 9,669 1,347 253 1,215 1,288 2,521 30,357

5月 107,782 120,899 -13,117 64,670 4,827 38,286 21,165 23,759 502 26,666 9,373 1,469 496 1,226 1,567 2,455 32,221

6月 95,748 113,025 -17,277 59,678 4,625 31,445 21,311 17,388 502 26,404 9,147 1,410 513 1,401 1,343 2,807 30,799

7月 94,611 104,664 -10,054 51,824 5,589 37,198 22,231 21,254 568 18,287 10,422 1,549 545 1,652 1,335 3,103 23,719

8月 88,109 96,379 -8,270 49,983 4,642 33,484 19,877 18,870 568 17,068 10,674 1,461 464 1,444 1,168 2,790 21,995

9月 82,351 93,324 -10,973 43,713 3,852 34,786 18,217 21,461 568 16,614 8,971 1,123 434 1,579 1,177 2,684 20,496

10月 92,640 102,653 -10,013 50,931 3,447 38,263 18,715 23,617 568 15,919 9,664 1,353 424 1,238 1,382 2,656 27,116

11月 84,953 104,512 -19,560 41,308 5,352 38,293 21,073 23,799 525 17,760 10,435 1,303 515 1,791 1,189 3,795 22,326

12月 84,547 96,972 -12,425 39,557 5,443 39,547 20,252 21,563 439 15,150 10,349 1,360 459 1,261 1,128 3,511 21,499

1月 82,196 95,994 -13,799 34,261 7,050 40,885 22,247 23,355 357 12,937 10,440 1,754 508 1,299 790 3,625 18,683

合計 918,211 1,049,523 -131,312 491,071 49,019 378,121 204,487 224,335 5,098 192,088 99,143 14,128 4,611 14,105 12,367 29,948 249,212

月平均 91,821 104,952 -13,131 49,107 4,902 37,812 20,449 22,434 510 19,209 9,914 1,413 461 1,411 1,237 2,995 24,921

医業収益内訳

一般外来

入院救急外来

医業損益医業収益月 医業費用

医業費用内訳

直接人件費

請求対象材料費

直接費

経費

間接費

特定部門一般外来病棟 その他

現在の診療報酬体系では、病院の小児科は採算の面で成り立たない。

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公的病院が行うべき不採算医療

公的病院はよく「不採算医療を行っている」と説明されている。しかし、地域医療において不採算医療を行っている民間病院が多数あることも事実である。反対に、公的病院でも採算が悪いなどの理由で小児病棟を閉鎖している病院も多数見られることや脊髄損傷センター、神経難病センターなどの公的病院で整備すべき不採算医療が欧米諸国に大きく遅れをとっている事など改善すべき点は多い。

このようなことから今後の整備方針として、民間病院に移行できる分野は民間に、公的病院は、民間では不可能な分野に特化していくことが重要である。民間病院が行う不採算医療に対する公的支援も強化すべきである。

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民間資本導入、補助金の活用

日本の病院の資本は、ほとんどが個人の自己資金もしくは税金によっている。

戦後日本の医療制度が確立した後、時代とともに医療の高度化が急速に進み、病院の投資規模は当時とは比べ物にならないほど大きくなった。

しかし、日本の病院は資本の導入に制限があるため、医療の高度化の足かせになっている。資本導入の弾力化を進めるため、資本の概念を見直す必要がある。

企業からの民間資本や公的機関、団体等からの資本導入を進め、先端医療やIT化への投資などにより、高度な医療提供という価値を高める。

また、補助金制度の見直し(特に金額規模)も必要である。

5ー(1)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 28

寄付の活用

日本は国の財政が厳しい一方で、個人は大きな資産を保有している。

健康という“価値”に対し、資産を医療サービスの「消費」に回し、あるいは「寄付」へと投じることによって医療システムに財源が入り、それを社会的な相互扶助に活かすことが可能になる。

米国における公的医療保険制度の不備をある程度カバーしているのは、病院が相当程度の寄付で成り立っている場合が多いことだと指摘される。

日本においても、医療の一定部分については、それへの寄付に対する税制上の優遇措置を講じることにつき国民合意が形成できるよう、医療における「公益」というものを定義し、病院への寄付を確保してこれを医療財源に活用する工夫が必要ではないか。

5ー(2)

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混合診療の原則自由化を

公的負担(保険料、税金)の増大を極力回避して、自己負担の増大で医療財源の問題解決を講じるのであれば、やはり混合診療を原則自由化し、自己負担分に民間保険を拡充するという選択肢は避けられないと思われる。

現在、混合診療は原則禁止とされているが、平成19年11月7日、東京地裁は「保険診療と保険外診療を併用する混合診療を禁じた国の政策は違法である。」とした判決を言い渡した。

保険診療と併せて保険外診療も一部受けたことを理由に、保険料を払っているにもかかわらず、保険診療部分も「懲罰的に」全額自己負担とされるのは根拠に乏しい。

保険診療と保険外診療を併用できるようになれば患者の選択肢が増えるだけでなく、臨床にとっても医療技術の高度化につながる。混合診療の規制を継続するのであれば、せめて行って良い混合診療を列挙した「ポジティブリスト方式」ではなく、禁止行為だけを列挙した「ネガティブリスト方式」にすべきである。

5ー(3)

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病院における消費税問題

(注1)課税売上割合:国内における資産の譲渡等の対価の合計額に占める課税資産の譲渡等の対価の合計額の割合。(注2)控除税額:仕入高に対する消費税額に課税売上割合を乗じて、消費税納税額から控除する額を算出する。

平成19年度実績 ゼロ税率の場合

仕入消費税額 ① 844,446,217 844,446,217売上消費税額 ② 270,768,600 270,768,600課税売上割合 ③ 15.22% 100% (注1)

控除税額 ④ ①×③ 128,548,273 844,446,217 (注2)納付税額(▲還付税額) ⑤ ②-④ 142,220,200 ▲ 573,677,617

控除対象外消費税額(損税) ⑥ ①-④ 715,897,944 0

消費税の試算

医療法人鉄蕉会の消費税(試算)

社会保険診療報酬には消費税の導入時と、5%税率改定時に消費税分を加算補填して医療事業者の負担する

消費税を軽減する措置が取られた。しかし、明確な算定根拠等が提示されていないため、社会保険診療報酬にどのように加算補填されたかが不明確な状態である。 その後1998年度(平成10年度)から2006年度(平成18年度)までの社会保険診療報酬改定で▲7.96%の減額改定が行われたため、想定した加算補填の効果は事実

上無くなっているものと考えられ、医療事業者の消費税負担は増大したと言える。

今後、消費税率が増加改定された場合、消費税の取扱いについてなんらかの措置が取られない限り、病院の経営成績に多大な影響を及ぼすこととなる。

5ー(4)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 31

医療費(コスト)から「健康(医療消費)」という価値(バリュー)へのパラダイムシフト

医療制度を見直すにあたり、日本における社会構造の変化、国民の価値観の変化を中心に考えなければならない。

第二次大戦中には鉄が、戦後は電気製品や自動車などが重要な“価値”を持っていた。政策的にも貿易振興や道路の整備などの後押しで電気・自動車は大きな産業として今日の日本を築く原動力となってきた。

しかし、人生80年超の時代を迎え、「健康」という価値が人々の価値観の中で大きな存在となり、国民が安心して医療の提供を受けられるインフラの中で老後を暮らせるということが、社会にとってますます重要な価値になりつつある。

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2009/5/11 Kameda Medical Center 32

日本人の平均寿命の年次推移

(出所)厚生労働省「生命表」より作成

日 本 人 の 平 均 寿 命 の 年 次 推 移

50.0

55.0

60.0

65.0

70.0

75.0

80.0

85.0

90.0

S22

S23

S24

S25

S25-27

S26

S27

S28

S29

S30

S31

S32

S33

S34

S35

S36

S37

S38

S39

S40

S41

S42

S43

S44

S45

S46

S47

S48

S49

S50

S51

S52

S53

S54

S55

S56

S57

S58

S59

S60

S61

S62

S63

H元 H2

H3

H4

H5

H6

H7

H8

H9

H10

H11

H12

H13

H14

H15

H16

H17

(平均寿命)

日本の平均寿命 は、1955年(昭和30年)には男性63.6歳、女性67.75歳であったが、2005年(平成17年)には男性78.56歳、女性85.52歳と僅か50年間で15年以上も伸び、世

界一の長寿国家となった。

人間にとって長寿は夢であり、日本が敗戦からの短期間でこの社会を作り上げたことは称賛に値する。この成果を生み出した要因として、医療制度の充実と医療の質の向上、高度化が大きく貢献したことは疑う余地も無い。

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先進7カ国(G7)の合計特殊出生率の推移

先 進 7 カ 国 ( G 7 ) の 合 計 特 殊 出 生 率

2.04 米国1.92 フランス1.84 英国1.54 カナダ1.34 ドイツ1.32 イタリア1.26 日本

1.00

1.25

1.50

1.75

2.00

2.25

2.50

2.75

3.00

3.25

3.50

3.75

4.00

1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005

(出生率)

米国

フランス

英国

カナダ

ドイツ

イタリア

日本

(出所)国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2009)」より作成

平均寿命が延びる一方で、多くの先進諸国では出生率の低下が1970年代から著しくなり、出生率2.0を下回る国が多くなったこのことが少子高齢化の急激な進捗の原因となっ

ている。

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2009/5/11 Kameda Medical Center 34

国民皆保険制度導入以降の社会構造の変化

日本の医療制度の根幹となっている国民皆保険制度は1961年に導入され、世界一の長寿国という、大きな成果をあげる基盤となった。

この当時の時代背景は、55歳定年、平均寿命は概ね60歳代、出生率2.0前後というものだった。

現在の医療現場で、そして財政面での問題の多くは、社会構造の大きな変化に対して従来の延長線上のシステムでは解決できないところに至った結果であり、抜本的な政策、制度の見直しが喫緊の課題である。

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2009/5/11 Kameda Medical Center 35

年齢別の年間平均医療費

全年齢平均では年間医療費は24.4万円ですが、65歳以上では64.6万円、75歳以上で82.0万円と急速に増大しています。医療費全体の50%が65歳以上に、26%が75歳以上の方に使用されています。

全日本病院協会資料

24.4万円平均

82.0万円75歳以上

73.3万円70歳以上

64.6万円65歳以上

24.3万円45-64歳

10.1万円15-44歳

11.9万円0-14歳

医療費平均(2004年度)

年齢

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2009/5/11 Kameda Medical Center 36

日本版IHNの構築による医療サービスの効率化

米国では、医療費が名目GDPを上回るスピードで増加し続けてきた。にもかかわらず、病院数と病床数は逆に減っている。この一見矛盾する現象を説明するキーワードは「機能分化」である。この「機能分化」を広域医療圏の中で重複を避けながら実践している事業体がIHN(統合ヘルスケアネットワーク)である。

IHNの強みは、病院・クリニック・自宅療養サービス・老人ホームなどを含む多種の医療関連機関が連携して単一の事業体を構成することにより、マーケティング・運営管理・財務・購買などの共通事業活動を統合し、全体として業務の効率化を図ることができる点であることと、過疎地の医療提供体制の構築に強みを発揮できることである。また、それぞれの持つリソースを事業体全体でより効果的に利用することによって、医療の質が向上することも期待できる。

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2009/5/11 Kameda Medical Center 37

南房総地域における地域医療の充実(日本型IHNの構築)

亀田メディカルセンターを中心亀田メディカルセンターを中心とした半径50km(南房総地とした半径50km(南房総地域)をコア診療圏として、地域域)をコア診療圏として、地域医療の充実を図る。医療の充実を図る。

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2009/5/11 Kameda Medical Center 38

亀田メディカルセンター7

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2009/5/11 Kameda Medical Center 39

亀田クリニック7

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2009/5/11 Kameda Medical Center 40

救命救急センター7

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2009/5/11 Kameda Medical Center 41

亀田総合病院 KーTower7

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2009/5/11 Kameda Medical Center 42

K-Tower 病室

LDR 一般病室

特別室 特別室浴室

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2009/5/11 Kameda Medical Center 43

PLANETによる情報共有7

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2009/5/11 Kameda Medical Center 44

亀田リハビリテーション病院7

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2009/5/11 Kameda Medical Center 45

社会福祉法人太陽会 安房地域医療センター (千葉県館山市山本1155)

病床数:149床

診療科:内科、呼吸器科、消化器科、循環器科、アレルギー科、 リウマチ科、小児科、外科、泌尿器科、麻酔科・外来(紹介状が無くても可) ・24時間救急 ・透析外来 ・各種健康診断

職員数:280名

社会福祉法人太陽会 安房地域医療センター7

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2008/12/12 46

鴨川市の予算と亀田メディカルセンターの経常費用

12,484

11,552

2,003738

12,852

19,960

0

4,000

8,000

12,000

16,000

20,000

24,000

28,000

32,000

(百万円)

鴨川市 亀田MC

一般会計46.6%

特別会計43.1%

水道事業7.5%

病院事業2.8%

人件費39.2%

その他費用60.8%

亀田メディカルセンター19年度経常費用32,812百万円

鴨川市の19年度予算

26,777百万円

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2008/12/12 47

亀田メディカルセンターと関連施設の職員数・平均年齢

【参考】鴨川市の人口:37,559人生産年齢人口:22,653人(15歳~64歳)高齢 者人口:10,860人(65歳以上)

高齢化率:28.9%

(医)鉄蕉会 (株)KTS (株)亀田産業 (社福)太陽会 合計・平均

職員数 2,366人 180人 176人 507人 3,229人

平均年齢 34.1歳 45.2歳 40.8歳 36.0歳 35.3歳

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2008/12/12 48

鴨川市の一般会計予算と亀田メディカルセンターの人件費

5,782

6,702

9,639

3,213

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000(百万円)

鴨川市 亀田MC

自主財源46.3%

依存財源53.7%

鴨川市在住の亀田メディカルセンター

職員の人件費75.0%

鴨川市以外在住の亀田メディカルセンター

職員の人件費25.0%

亀田メディカルセンター19年度人件費

12,852百万円

鴨川市の19年度一般会計予算

12,484百万円

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2009/5/11 Kameda Medical Center 49

日本の医療機関の国際競争力強化

(注)2008年AIU調べ。総費用は、外国人が私立病院の個室を利用し手術も複雑でない場合を想定。また総費用は手術費の他、看護費用、技術料等および平均入院日数の病室代を含む。1US$=108円で換算し、千円単位に四捨五入。

(出所)AIU保険会社ホームページ「世界の医療事情」を参照して作成。

地域 都市名 費用 入院日数

サンフランシスコ ¥2,500,000 (入院2泊3日)

ニューヨーク ¥2,160,000 (入院2泊3日)

バンクーバー ¥1,500,000 (入院2泊3日)

ジュネーブ ¥2,970,000 (入院3泊4日)

ロンドン ¥1,512,000 (入院2泊3日)

パリ ¥1,134,000 (入院2泊3日)

ローマ ¥1,100,000 (入院2泊3日)

マドリッド ¥972,000 (入院3泊4日)

ハワイ ホノルル ¥1,950,000 (入院2泊3日)

ミクロネシア グアム ¥864,000 (入院2泊3日)

シドニー ¥864,000 (入院2泊3日)

クライストチャーチ ¥864,000 (入院2泊3日)

香港 ¥900,000 (入院2泊3日)

上海 ¥680,000 (入院2泊3日)

ソウル ¥630,000 (入院2泊3日)

バンコック ¥400,000 (入院2泊3日)

(亀田総合病院) ¥395,000 (入院4泊5日)

北京 ¥200,000 (入院2泊3日)

北米

欧州

アジア

オセアニア

盲腸手術入院の都市別総費用例

タイや韓国、シンガポール、インドのように「メディカル・ツーリズム」といって、安価で高品質な医療を受けにいく外国人患者を獲得している国もある。

日本の医学レベルの高さとリーズナブルな医療費から、医療提供体制が強化されれば外国人患者の受け入れについて十分競争力を持つことができる。

官民一体となれば、有力な成長産業に育てられる可能性をもっている。

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2009/5/11 Kameda Medical Center 50

規制強化すべき項目

(1) 高額医療機器導入のためのガイドラインMRIやCTなどの高額医療機器の効率的な配備。

(2) 診療科の標榜医療制度の中で、専門医を認め評価するということが欠如

している。専門医認定を厳密化し、診療科標榜における適正な審査により、患者保護にあたる。

(3) 民間療法に対する規制にんにく注射や自己多血小板血漿注入療法など、効果のエ

ビデンスが認められていない民間療法は、保険診療でないことからほとんど野放し状態となっている。

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2009/5/11 Kameda Medical Center 51

規制強化すべき項目

(出所)OECD Health Data 2008 より作成

人 口 1 0 0 万 人 当 た り の M R I 装 置 数 ( 2 0 0 6 年 )

26.5

19.7

16.8

15.2

15.0

14.0

13.6

13.2

10.9

10.2

9.7

8.8

7.9

7.7

7.1

6.6

6.2

5.8

5.6

5.3

4.9

4.5

3.8

3.7

3.5

2.6

1.9

1.4

40.1

10.1

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

日本(2005)

アメリカ

アイスランド

オーストリア

フィンランド

イタリア(2005)

スイス

韓国

ギリシャ(2005)

ルクセンブルグ

デンマーク(2004)

OECD平均

アイルランド

スペイン

スウェーデン(1999)

ドイツ

ベルギー

オランダ(2005)

カナダ

ポルトガル

イギリス

フランス

オーストラリア

スロバキア

チェコ

ニュージーランド(2003)

トルコ

ハンガリー

ポーランド

メキシコ

(台)

人口100万人当たりのMRI装置数(2006年)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 52

規制強化すべき項目

(出所)OECD Health Data 2008 より作成

人 口 1 0 0 万 人 当 た り の C T ス キ ャ ナ ー 装 置 数 ( 2 0 0 6 年 )

51.1

39.8

33.9

33.7

29.8

28.3

27.7

26.3

25.8

25.8

18.7

16.7

15.8

14.8

14.2

13.9

13.1

12.8

12.1

12.1

12.0

10.0

9.2

8.2

7.8

7.6

7.2

3.6

20.2

92.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

日本(2002)

オーストラリア(2005)

ベルギー

アメリカ

韓国

オーストリア

ルクセンブルグ

イタリア(2005)

アイスランド

ギリシャ(2005)

ポルトガル

OECD平均

スイス

ドイツ

デンマーク

フィンランド

スウェーデン(1999)

スペイン

チェコ

アイルランド

ニュージーランド(2004)

スロバキア

カナダ

フランス

ポーランド

オランダ(2005)

トルコ

イギリス

ハンガリー

メキシコ

(台)

人口100万人当たりのCTスキャナー装置数(2006年)

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2009/5/11 Kameda Medical Center 53

規制緩和すべき項目

(1) 地域医療計画の適用除外

(2) 専門資格の国際ハーモナイゼーション(海外医師・看護師・技師などの就業規制緩和)、高度・専門的な医療知識・技術の国際共用、教育システム・資格審査システムの国際標準化

(3) コメディカルの業務範囲拡大

(4) 病院内調剤薬局開業の許可