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CED
EC 2012 / V
oice File Managem
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CEDEC2012
今すぐ導入できるボイスファイルマネージメント
株式会社ヴァルハラゲームスタジオ稲森 崇史
CEDEC 2012 / Voice File Management
自己紹介
・オーディオディレクター、プログラマ 仕様作成、ディレクション、エンジン開発、 音作りから実装まで何でもやります。
・ゲーム業界15年目 過去の担当作品:DEAD OR ALIVE 3・4、 DOAX・DOAX2、NINJA GAIDEN 2など。 現在、アクションTPS「Devil’s Third」開発中。
・サウンド用フリーソフト作ってます
ボイスファイルマネージメントとは?
CEDEC 2012 / Voice File Management
ボイスファイルマネージメントとは?
ゲームに必要なボイス・年々増えていくボイス数・ローカライズ対応・サウンド担当者数は据え置き・高度なボイス統合環境への道は遠い
→まずは「ボイスファイルの扱い方」から 効率化してみよう!
CEDEC 2012 / Voice File Management
ボイスファイルマネージメントとは?
効率化へのアプローチ 組み込み前までのフローに着目 1. ボイス素材の切り分け 2. ノイズ処理 3. 音量調整 4. ファイル管理
1. ボイス素材の切り分け
CEDEC 2012 / Voice File Management
ボイス素材の切り分け
切り分けとは?・セリフ単位でファイル化・作業分担が可能になる・内容を把握しやすい名前付け、整理・爆発的な量なら外部への作業委託も
CEDEC 2012 / Voice File Management
ボイス素材の切り分け
切り分け作業のポイント
CEDEC 2012 / Voice File Management
ボイス素材の切り分けPoint 1 : ボイス収録現場に立ち会う ・セリフ変更、アドリブが生まれる流れは 現場にいないと分からない ・テイクの意図を正確に理解する →ボイス演出力の向上 ・日本語以外の収録こそ立ち会うべき
CEDEC 2012 / Voice File Management
ボイス素材の切り分けPoint 2 : テイクのOK・NGを問わず切り分ける ・OKテイクがゲームに合うとは限らない ・セッション上での選別は避ける ・作業を一気に行う方が効率が良い
CEDEC 2012 / Voice File Management
ボイス素材の切り分けPoint 3 : 非日本語ボイスの扱いに注意 ・ノイズのようで実は必要な音もある リップシンクに必要な場合なども ・自信がなければ十分な余白を ・ネイティブによるチェック体制
CEDEC 2012 / Voice File Management
ボイス素材の切り分け
切り分け作業のココが面倒・リージョン分け・ファイルの名前付け・長時間録音ファイルは特に大変
・・・そこで、
CEDEC 2012 / Voice File Management
ボイス素材の切り分け
切り分け用ツール「 Core 」- リージョンの自動分割- リージョンのマージ、トリム- 音量調整・チャンネル変換- リネーム機能- 外部テキストの取り込み
http://inamons.com/software/core/
2. ノイズ処理
CEDEC 2012 / Voice File Management
ノイズ処理
どこまでノイズを取ればいい?・やり始めると際限がない・「とにかくキレイに」では基準があいまい・処理品質を揃える必要性 キレイなボイス以外が汚く聞こえてしまう
→ゲーム内の用途に応じて見切るべし!
CEDEC 2012 / Voice File Management
ノイズ処理
ゲーム内の用途による見切り・「何を伝えたいのか」を明確にする - 1度だけ再生 → 意味が伝わればOK - 高頻度で再生 → 耳障り優先・ゲームの方向性に応じて基準を決める - ディレクター、プランナーと話し合う
CEDEC 2012 / Voice File Management
ノイズ処理
ノイズ処理の方法
CEDEC 2012 / Voice File Management
Method 1 : ノイズ部分の削除 ・単純にノイズ部分だけ削る ・前後のつながりに注意 ・長さが変わってしまうので タイミング重視なボイスではNG
ノイズ処理
CEDEC 2012 / Voice File Management
ノイズ処理Method 2 : 波形の手書き ・瞬間的な波形の乱れに有効 ・波形編集職人育成(?) ・腱鞘炎に注意
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ノイズ処理Method 3 : フィルタリング ・ノイズリダクション、クリップ除去など ・背景ノイズの一括処理向け ・要パラメーター調整
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ノイズ処理Method 4 : 周波数スペクトル編集 ・スペクトル表示でノイズを可視化 ・声質への影響が小さい ・音を削っている事に変わりはないので 使い過ぎに注意
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ノイズ処理
スペクトル編集可能なソフトウェア - Adobe Audition (Win/Mac) - Steinberg WaveLab (Win/Mac) ※要SteinbergKey - iZotope RX-2 (Win/Mac) - Magix Samplitude (Win)
※ いずれもデモ版あり
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ノイズ処理
用途に合わせて適切な方法を選択スピード クオリティ 備考
ノイズ部分の削除 ◯ ◯ 尺変更OKなら
波形の手書き ? ? スキル次第
フィルタリング ◎ △ 背景ノイズ向け
周波数スペクトル編集 ◯ ◎ オールマイティ
3. 音量調整
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音量調整
音量バランスをどこで調整するか?・素材レベルでの調整がオススメ・ゲームの音量パラメーターは微調整用 数値のインフレ化や混乱を避ける・リミッターやコンプは音量調整後に適用・S/N比がシビアな場合は各個ノーマライズ
CEDEC 2012 / Voice File Management
音量調整
音量調整の基準・メーター(音量ピーク、VU、ラウドネス)・同じ値でも同じ聞こえ方ではない・大きく聞かせたいボイスは大きくしたい
→最終的には人間の耳でチェックが必要
・・・そこで、
CEDEC 2012 / Voice File Management
音量調整
音量調整用ツール「 Volt 」- ラウドネス解析- ラウドネス値による色分け- 素早いゲイン調整- リファレンスとの比較- リージョン分割
http://inamons.com/software/volt/
4. ファイル管理
CEDEC 2012 / Voice File Management
ファイル管理
ファイル名とメタデータの併用・ファイル名 - ID、通し番号、フォルダ階層による分類
・メタデータ - 理論的にはどんなデータも扱える - BWF (Broadcast Wave Format) がオススメ
→併用することで隙なく管理!
CEDEC 2012 / Voice File Management
バージョンコントロール・編集工程の全てを取っておきたい・・が
ファイル管理
CEDEC 2012 / Voice File Management
バージョンコントロール・編集工程の全てを取っておきたい・・が
ファイル管理※イメージ画像です
開発中
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バージョンコントロール・編集工程の全てを取っておきたい・・が
ファイル管理※イメージ画像です!
開発末期
CEDEC 2012 / Voice File Management
バージョンコントロール・編集工程の全てを取っておきたい・・が・随時ソース管理サーバーに上げる?
→二通りのバージョン管理を併用 - マイルストーン的なものはソース管理 - 通常作業はローカルバックアップを活用
ファイル管理
CEDEC 2012 / Voice File Management
バージョンコントロール・編集工程の全てを取っておきたい・・が・随時ソース管理サーバーに上げる?
→二通りのバージョン管理を併用 - マイルストーン的なものはソース管理 - 通常作業はローカルバックアップを活用
ファイル管理作業ディスク バックアップディスク
バックアップ日時名にして同階層構造で保存
CEDEC 2012 / Voice File Management
ファイル管理
バージョン管理ツール「 Backpocket 」
- ローカルバックアップ- 特定バージョンへ復元- フォーマット情報表示- 階層構造を維持して出力- 右クリックメニュー統合
http://inamons.com/software/backpocket/
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ファイル管理
スプレッドシート vs 専用管理ツール・やはり専用管理ツールに軍配が・・・スプレッドシートも工夫次第!
CEDEC 2012 / Voice File Management
ファイル管理
スプレッドシートの活用・エクセルでVBAを使用 - サウンド再生 - バイナリ解析(フォーマット・メタデータ)・ボイスリストと組み合わせて - 再生機能追加 → テイク選別 - フォーマット解析追加 → 長さやレート管理 - メタデータ操作追加 → バージョン管理
まとめ
CEDEC 2012 / Voice File Management
まとめ 切り分け ・収録現場の情報 ・非日本語の取扱い
ノイズ処理 ・見切りの大切さ ・スペクトル編集
音量調整 ・自動化 + 最終的に自分の耳で調整
ファイル管理 ・メタデータの利用 ・バージョン管理
CEDEC 2012 / Voice File Management
ありがとうございました!