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わ が 社 の 素 形 材 技 術 最 前 線
鋳 造
SOKEIZAI Vol.55(2014)No.1
株式会社日立メタルプレシジョン
精密鋳造による摩擦撹拌接合用ツールの開発高融点金属を接合できるコバルト基合金ツール
株式会社日立メタルプレシジョン 〒692-0014 島根県安来市飯島町 1240-2 TEL. 0854-23-1122 FAX. 0854-23-1291 http://www.hmp-ltd.co.jp/
1.開発の目的
摩擦撹拌接合(Friction Stir Welding:以下 FSW)は、回転するツールを接合材料の間に挿入し、接合部に沿って回転移動させることで発生する摩擦熱により接合材料を軟化させると同時に、ツールの回転により材料を混ぜ合わせることで接合する方法である。 この接合方法は、接合後の変形が小さく、接合欠陥も少ないため、接合部の高品質化と低コスト化を実現でき、さらに粉塵も発生しないため、環境にも優しい接合方法である。しかしながら、従来の金属製 FSW用ツールは、融点が高く接合の困難な鉄やチタン合金、ジルコニウム合金に適用するためには、摩擦熱によるツールの損傷が課題であり、また、セラミックツールにおいては、靱性が低く高価であることから、これらの課題を解決できるツールの開発が求められていた。 そこで、本開発では日立製作所および国立大学法人東北大学と共同で、東北大工学研究科金属フロンティア工学専攻石田研究室が発見した「高温でも高強度となる特性を有する金属間化合物(Co3(Al, W))を分散したコバルト基合金」を用いて、高融点材の接合が可能な生産性の高い FSW用ツールの開発を目的とした。
去することで、高精度の鋳造品を安価に生産できる製法である。 本開発では、難加工性であるコバルト基合金に精密鋳造法を適用することで、ニアネットシェイプなFSW 用ツールの量産技術を確立し、更には鋳造条件の最適化により、FSW ツールの更なる高性能化を図った。
図 1 摩擦撹拌接合の模式図
2.開発の内容
精密鋳造は、まずワックスを金型へ射出成形して製品とほぼ同形状のワックスモデルを製造し、これをツリー状に組立てた後、耐火物をコーティングする。その後、内部のワックスのみを脱ろうしたあと高温で焼成した耐火物鋳型に金属を鋳造し、周りの耐火物を除
写真 1 精密鋳造製 FSWツール
3.開発の成果
本開発により、チタン合金等の高融点金属を高品位に接合可能なコバルト基合金製 FSWツールの量産化が可能になった。
写真 2 FSWツールによるチタン合金の接合例
鋳造-日立メタルプレシジョン.indd 1 2014/01/09 17:04:22