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JAPAN LIFELINE TVI MARKETING REPORT ターゲット病変 80 歳 男性 / 現病歴は以下のとおり。 H23/11APLAD#6 90% 0% Xience 2.75/12mm Abbott#9 90% 0% Nobori 2.55/24mm Terumo)、 LCX#11 90% 0% Nobori 3.5/24mm H23/11APRCA#2 90% 0% Nobori 3.5x18mm H24/3APRCA#2 prox 90% 0% Nobori 3.5x18mm#9 prox 90% 0% Xience 2.5/8mm H25/3AP今回 LMT distal 進行、 冠動脈リスクは HTN+ HL+ DM- SMK- LMT distal 75%LAD#6 90%#9 75%LCX#11 75% の左主幹部位を含む 3 分岐病変(Fig. 1)。 TFI からのアプローチ。ガイディングカテーテルは 7Fr.Heartrail2 JL4.0 Terumo)を選択。ガイドワイヤー LAD 本幹に RunthroughTERUMO)、# 9 Sion blueAsahi)、LCX 11 ATHLETE eel SLENDER Japan Lifeline)を挿入(Fig. 2)。 IVUS-ViewitTerumo)で病変を確認した上で、LAD 本幹へ LIFESPEAR Φ 2.5mm/15mmJapan Lifelineをデリバリーし 12 気圧で前拡張(Fig. 3)。その後、 Resolute Φ 3.0mm/18mmMedtronic)を LMT から LAD 本幹にかけて 12 気圧から 18 気圧拡張し留置する Fig. 4,5)。 Fig. 1 左主管部 3 分岐病変に対し LIFESPEAR Balloon を用いた Triple kissing Balloon Technique が有効であった1例 Vol.032 三浦 史郎 先生  (大分市医師会立アルメイダ病院 循環器科) Fig. 4 Fig. 3 Fig. 5 Fig. 2 手技手順・方法

左主管部3分岐病変に対しLIFESPEAR Balloonを用いた Triple ...2012年 大分市医師会立アルメイダ病院 循環器科(出向) 2013年 小倉記念病院 循環器内科(現在)

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Page 1: 左主管部3分岐病変に対しLIFESPEAR Balloonを用いた Triple ...2012年 大分市医師会立アルメイダ病院 循環器科(出向) 2013年 小倉記念病院 循環器内科(現在)

JAPAN LIFELINE TVI MARKETING REPORT

ターゲット病変

80 歳 男性 / 現病歴は以下のとおり。【H23/11AP】 LAD#6 90% → 0% Xience 2.75/12mm (Abbott) #9 90% → 0% Nobori 2.55/24mm (Terumo)、 LCX#11 90% → 0% Nobori 3.5/24mm【H23/11AP】 RCA#2 90% → 0% Nobori 3.5x18mm【H24/3AP】 RCA#2 prox 90% → 0% Nobori 3.5x18mm、 #9 prox 90% → 0% Xience 2.5/8mm【H25/3AP】 今回 LMT distal 進行、 冠動脈リスクは HTN+ HL+ DM- SMK-

 LMT distal 75%、LAD#6 90%、#9 75%、LCX#11 75% の左主幹部位を含む 3 分岐病変(Fig. 1)。

 TFI からのアプローチ。ガイディングカテーテルは7Fr.Heartrail2 JL4.0(Terumo)を選択。ガイドワイヤーは LAD 本幹に Runthrough(TERUMO)、# 9 に Sion blue(Asahi)、LCX # 11 に ATHLETE eel SLENDER

(Japan Lifeline)を挿入(Fig. 2)。 IVUS-Viewit(Terumo)で病変を確認した上で、LAD本幹へ LIFESPEAR Φ 2.5mm/15mm(Japan Lifeline)をデリバリーし 12 気圧で前拡張(Fig. 3)。その後、Resolute Φ 3.0mm/18mm(Medtronic)を LMT からLAD 本幹にかけて 12 気圧から 18 気圧拡張し留置する

(Fig. 4,5)。

Fig. 1

左主管部 3 分岐病変に対し LIFESPEAR Balloon を用いたTriple kissing Balloon Technique が有効であった1例

Vol.032

三浦 史郎 先生 (大分市医師会立アルメイダ病院 循環器科)

Fig. 4Fig. 3 Fig. 5

Fig. 2

手技手順・方法

Page 2: 左主管部3分岐病変に対しLIFESPEAR Balloonを用いた Triple ...2012年 大分市医師会立アルメイダ病院 循環器科(出向) 2013年 小倉記念病院 循環器内科(現在)

JAPAN LIFELINE TVI MARKETING REPORT

2013-07-05-01

 次に CX に通過させていた eel SlenderをResoluteステントのストラット越し#9に挿入し直し、# 9 の Sion blue を CX 側に入れ替えガイドワイヤーの交換を行った。 Resolute の LAD 本幹部に LIFESPEARΦ 2.75mm/15mm、LCX には LIFESPEARΦ 3.0mm/15mm をデリバリーして 8 気圧にて KBT 拡張。その後トリプルバルーンを考慮し IKAZUCHI10(KANEKA)の2.5 mm /15mm で# 9 のステントストラットを通過させようと試みたが通過させることができなかったため、#9 のワイヤーを ATHLETE eel SLENDER から 0.014 イン チ 対 応 の ATHLETE JOKER(Japan Lifeline)に変更した。KBT の下、アンカーテクニックを活用し# 9 のステントストラット を LIFESPEAR Φ 2.5mm/15mm で通過させる事に成功し、最終的に Triple Balloon Technique を用いて病変を拡張し

(Fig. 6,7,8)造影上良好な開大が得られた(Fig. 9,10)。

 左主幹部 3 分岐病変に対し、Triple Balloon Technique を用いて冠動脈形成術を施行した。Single stent strategy にて手技を完結でき、対角枝、回旋枝に対するplaque shift/Carina shift を最小限に抑えることができ、Y stent と比較しても 有用であったと考える。今後は長期的な追跡にて、フォローが必要である。

 左主幹部の 3 分岐病変に対する治療の選択は様々であるが、Y stent (LAD/LCX)であれば高位側壁枝もしくは対角枝が犠牲になることもしばしばみられる。 これらの枝も今回のように広範囲の潅流域を有し、重要であると判断できる場合、今回の Triple Balloon Technique も選択枝のひとつになるであろう。また、手技的にも 7Fr. ガイディングカテーテルに Pro�le の小さい LIFESPEAR を 3 本使用することで、ストレス無く同時拡張を行うことができる。

考察

治療のポイント

術者紹介 大分市医師会立 アルメイダ病院 循環器科

三浦 史郎  先生

1999 年 九州大学医学部 2005 年 沖縄県立中部病院 2008 年 小倉記念病院 循環器内科2012 年 大分市医師会立アルメイダ病院 循環器科(出向)2013 年 小倉記念病院 循環器内科(現在)

Fig. 6

Fig. 10

Fig. 8 Fig. 9

Fig. 7

LIFESPEAR 構造図バルーン径(mm)

シャフト径(Fr.)

ディスタル GW 出口部 プロキシマル

1.20 2.3 2.3 1.9

1.50 2.3 2.3 1.9

1.75 2.3 2.3 1.9

2.00 2.4 2.4 1.9

2.25 2.4 2.4 1.9

2.50 2.4 2.4 1.9

2.75 2.4 2.4 1.9

3.00 2.5 2.5 2.0

● シャフトスペック