組込みソフトウェア開発スキルの体系的整理と活用 …SEC Software Engineering for Mo･No･Zu･Ku･Ri Software Engineering Center 8 これまでのスキル標準の特徴と課題

Information-technology Promotion Agency, Japan

SoftwareEngineeringCenter

Software Engineering Center

組込みソフトウェア開発スキルの体系的整理と活用

２００４．１２．２

独立行政法人情報処理推進機構

ソフトウェア・エンジニアリング･センター

渡辺登

SECSoftware Engineeringfor Mo･No･Zu･Ku･Ri

Software Engineering Center 2

アジェンダ

背景と狙い

スキルフレームワーク

スキルフレームワークによるスキル特性表現

スキルフレームワークの利活用

•通信系ファームウェア開発に従事

•SESSAME（組込みソフトウェア管理者・技術者育成研究会）で、教育カリキュラムのために、SESSAMEスキル標準を開発。

•2003年10月から経済産業省主催『組込みソフトウェア開発力強

化推進委員会』で、組込みスキル標準の策定を行っている。



背景と狙い

目的：組込みソフトウェアの開発力強化

ハードと並行開発

多様なハード仕様

厳しい制約条件リアルタイム性,メモリ容量,消費電力等

高い信頼性,安定性

開発の特徴

複雑な仕様短期間大規模高品質

優秀な人材が必要

質、量ともに慢性的な不足



背景と狙い

アプローチ

①エンジニアリングの強化

開発手法、開発プロセス、開発マネジメント

②人材の強化

人材の育成、人材の効率的活用

エンジニアリングと人材の強化、２つの取り組みが必要



組込みソフトウェア開発の人材に関する問題

問題：人材不足（質、量ともに）

やるべきこと適切な人材を育てる

適材適所の役割を与える

人材育成と活用を円滑に進めるために、組込みソフトウェア開発に必要なスキルの整理・定義が必要

現状は十分といえない!! 各企業では？ IT系は？ SESSAME

結果として“場当たり的な取り組み”となる

開発における人材面での最適化ができていない。



スキル標準の全体イメージ

スキル

フレームワーク

職種モデル[リファレンス]

キャリアパス

モデル

スキル評価

Output

スキル

プロファイル

キャリアアップ

キャリア変更

プロジェクト

編成

スキルアップ

スキル

フレームワーク

モデル

スキル評価スキル

プロファイル

キャリアアップ

キャリア変更

プロジェクト

編成

スキルアップ


キャリアモデル[リファレンス]

スキル

プロファイル

Input技術者

プロファイル

スキル評価

Outputスキル

プロファイル

キャリアアップキャリアシフト

プロジェクト編成

スキルアップ

スキル評価評価結果の利用

出展：経済産業省組込みソフトウェアスキル標準策定方針



スキルフレームワークの位置づけ

スキル

組込みソフトウェア

開発者


スキル

人材育成

人材活用暗黙知見える化形式知

組込みソフトウェア開発に必要なスキル

を体系的に整理スキルのプロファイル

スキルの測定



これまでのスキル標準の特徴と課題

企業のスキル標準特徴

企業で取り扱う製品やサービスに関するスキル項目がメイン

企業の競争力を左右する項目が定義

課題組込みソフトウェアのスキル標準をもつ企業は少ない

社外秘。非公開。非流通

ITスキル標準（通称:ITSS）特徴

ITサービスを提供する人材のスキル標準

ITサービス企業を中心に導入が進んでいる

課題ITサービスを提供する人材のキャリア標準

目的やアプローチが組込みソフトウェア開発と異なる




要素技術

開発技術

管理技術

スキルカテゴリ

↓ 大項目中項目小項目初級中級上級最上級

スキル粒度

スキルレベル

(1) (2) (3)




スキルカテゴリ：要素,開発,管理、３つのカテゴリ要素技術：通信、画像処理、制御、OSなど

開発技術：分析、設計、プログラミング、テストなど

管理技術：品質管理、構成管理、プロセス管理など

スキル項目粒度：大,中,小、３つの粒度中項目：共通的コア技術をもつ分類 → 教育的粒度、専門書籍・・・

小項目：評価可能なスキル項目。

スキルレベル：初級,中級,上級＋最上級、３＋１のレベル初級：指導の下で

中級：自らのスキルを駆使することによって

上級：社内においてリードするレベル

最上級（エキスパート）技術開拓や市場化をリードし,戦略策定に貢献できるレベルの人材育成も目標として取り組む



スキルフレームワークの拡張性初級中級上級最上級

要素技術

開発技術

管理技術ＩＣＴ知識

ビジネス

要素,開発,管理に項目を追加

カテゴリを追加ＩＣＴ基礎知識

教育用途の場合、基礎知識の習得が必要

アルゴリズムやコンピュータアーキテクチャ・・・

ビジネススキル

ＩＴ業務の場合、開発だけでなくビジネススキルも要求

業務、会計、経営・・・・

ヒューマンスキル

業務を円滑に進めるため

コミュニケーション、英語・・・



組込みスキル標準イメージ

ソフトウェア設計 L１実装 L２テスト L２システム検証 L１変更・構成 L1

カーネル L2要求分析・定義 L2システム設計 L2ソフトウェア設計 L3実装 L3テスト L3システム検証 L2品質 L2リスク L2知的財産 L1

要求分析・定義 L2システム設計 L2ソフトウェア設計 L1システム検証 L2コスト・予算 L3計画・進捗 L3目標・目的 L3リスク L2コミュ・連携 L2知的財産 L2調達・外注 L3プロセス L2

プロジェクト・マネジャ

アーキテクト

ソフトウェア・エンジニア

職種モデル（例）開発に必要な役割をスキルベースで表現

スキルレベルレベル１：サポートの元、作業できるレベル２：一人で作業できるレベル３：指導できる

個人スキルプロファイル(例)スキル項目ベースに個人をスキル診断した結果

通信制御 L2無線通信制御 L３画像処理 L１音声処理 L２カーネル L2要求分析・定義 L1システム設計 L３ソフトウェア設計 L3実装 L3テスト L3システム検証 L2品質 L2リスク L2知的財産 L1

Ａさんのスキルプロファイルソフトウェア・エンジニアとアーキテクトの職種要件を満足するスキルレベルである

グラフィック処理 L1データ蓄積 L3要求分析・定義 L2システム設計 L2ソフトウェア設計 L1システム検証 L2コスト・予算 L3計画・進捗 L3目標・目的 L3リスク L2コミュ・連携 L2知的財産 L2調達・外注 L3

１２３

Ｂさんのスキルプロファイルプロジェクト・マネジャの職種要件を満足するが、アーキテクトの職種要件は満足しないスキルレベルである

スキル項目をベースに、『職種定義』や『スキル診断・プロファイル作成』が可能

スキル項目（例）開発に必要なスキルを抽出し体系的に整理

<要素技術>通信制御、無線制御インターネットプロトコル画像処理、音声処理文字入力、グラフィックデータ蓄積、セキュリティカーネル、ブート・ローダモニタ・デバッガソフトウェア更新分散制御バーチャルマシン

：<開発技術>要求分析・定義システム設計ソフトウェア設計実装、テストシステム検証・評価

：<管理技術>品質コスト・予算計画・進捗・時間目標・目的リスクコミュニケーション・連携知的財産・ライセンス要員・育成調達・外注変更・構成プロセス・プロセス改善

：

スキル抽出

スキル抽出

スキル抽出

スキル診断

スキル診断



テクニカルエンジニアのスキル特性

初級中級上級最上級

要素技術

開発技術

管理技術

特定の要素技術にピーク特性を持つか、

要素技術に関する広いスキルを有する

特定の開発技術にピーク特性を持つか、

開発技術に関する広いスキルを有する

現状では自己管理やチームのリーダシップを発揮できるスキル



プロジェクトマネジャのスキル特性

初級中級上級最上級

要素技術

開発技術

管理技術

要素技術のスキルを有することが望ましい

が必須ではない

開発技術のスキルを有することが望ましい

が必須ではない

マネジメントに関するスキルを有し、メンバと協力してプロジェクトを運営することが可能



ドメインエキスパートのスキル特性初級中級上級最上級

要素技術

開発技術

管理技術

特定の要素技術にピーク特性を持つ

この情報だけではスキル特性の概要しか表現できない。１歩踏み込んだスキル特性が必要

実装工程に近い開発技術のスキルは不問

現状では自己管理やチームのリーダシップを発揮できるスキル



通信ドメインにおける規格観点でのスキル特性例

0

1

2

3

4

10B

AS

E-T

ギガ

ビッ

トイ

ーサ

ネッ

ト

SD

H多

重系

光イ

ンタ

フェ

ース

UN

I AA

L1

UN

I AA

L5

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1(1

.5M

/2M

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多重

化・速

度整

合

UN

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ヤ2

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Iレイ

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S基

地局

イン

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順)

統計

多重

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シリ

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端末

収容

PIA

FS

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ース

方

SN

MP

MO

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1.1

DH

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ICM

P

SM

TP

FT

P

14.4

kビ

ット

/秒

FA

X

14.4

kビ

ット

/秒

変調

エラ

ー訂

正

56ｋ

ビッ

ト/秒

変調

作成スキル

利用スキル



スキルフレームワークの利活用

人材育成個人

強みと弱みの認識（健康診断）

将来の自分、現在の自分- 過去の自分は業務経歴書や過去のスキルプロファイル

組織職種や役職の呼称定義明確化

- 教育計画の立案と遂行

- 業務アサイン、ローテーション

教育機関教育カリキュラムの提供

- カバレッジ確保と到達レベルの明確化



＜野球、サッカーのスキル＞

要素

・・・・・・・・・・

開発

管理

要素

・・・・・・・・・・

開発

管理

要素

・・・・・・・・・・

開発

管理

要素

・・・・・・・・・・

開発

管理要

素

・・・・・・・・・・

開発

管理

要素

・・・・・・・・・・

開発

管理

要素

・・・・・・・・・・

開発

管理

要素

・・・・・・・・・・

開発

管理

要素

・・・・・・・・・・

開発

管理

要素

・・・・・・・・・・

開発

管理

要素

・・・・・・・・・・

開発

管理

要素

・・・・・・・・・・

開発

管理

要素

・・・・・・・・・・

開発

管理

ポジション毎のスキル憧れの選手競技種別基礎体力と専門能力

「イチローみたいな選手になりたい」『Jリーグ100年構想』「練習(実技)と本番(試合)」



人材活用

計画採用・調達業務遂行評価

スキルプロファイル



経営戦略の立案

プロジェクトの編成

採用－新卒・中途－

調達－発注など－

スキル評価

カウンセリング

12

34

56

7

ソフトウェア開発プロジェクトマネジャ

アーキテクト

4

5

8

10

5

1

3

5

2

1

2

10

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

人数

レベル

職種


0

1

2

3

4

要素

1-1-

1要

素1-

1-2

要素

1-1-

3要

素1-

1-4

要素

1-1-

5要

素1-

1-6

要素

1-2-

1要

素1-

2-2

要素

1-2-

3要

素1-

2-4

要素

1-3-

1要

素1-

3-2

要素

1-3-

3開

発1-

1-1

開発

1-1-

2開

発1-

1-3

開発

1-1-

4開

発1-

1-5

開発

1-1-

6開

発1-

2-1

開発

1-2-

2開

発1-

2-3

開発

1-2-

4開

発1-

3-1

開発

1-3-

2開

発1-

3-3

管理

1-1-

1管

理1-

1-2

管理

1-1-

3管

理1-

1-4

管理

1-1-

5管

理1-

1-6

管理

1-2-

1管

理1-

2-2

管理

1-2-

3管

理1-

2-4

管理

1-3-

1管

理1-

3-2

スキル項目

レベ

ル

・・

可視化可視化

集計

利活用シーン




人材活用

組織の戦略

目標目的スキルプロファイル



組織・スキルプロファイルギャップの分析

要求分析レベル２以上が多く必要

例えば

要求分析レベル２以上

が不足

例えば

組織・スキルプロファイル

スキル特性

職種特性

経営戦略採用、調達、育成など

現状あるべき姿

ここのスキルが必要

ここの人材が必要

ここのスキルが不足

ここの人材が不足

濃い色は人数が多い

太い線は人数が多い




おわりに

これまでの場当たり的で非効率な人材育成と人材活用から,体系的で計画的な人材育成・人材活用を実現可能

今後の予定当フレームワーク及び応用ドメインに依存しない共通的スキル項目の一般公開

組込み開発企業（メーカ，受託・派遣会社など）を対象に、実データ評価

応用ドメイン含めスキル項目に関する定義方針や改定など、標準としての手順も明確に提示

プロジェクト編成や調達マッチングロスは数値化が期待できるため,データ収集を図りたい.

今後,本フレームワークの効果は定量的な評価も加え,より充実した方式に洗練していきたい.

以上

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組込みソフトウェア開発スキルの 体系的整理と活用 …SEC Software Engineering for Mo･No･Zu･Ku･Ri Software Engineering Center 8 これまでのスキル標準の特徴と課題

組込みソフトウェア開発スキルの体系的整理と活用 …SEC Software Engineering for Mo･No･Zu･Ku･Ri Software Engineering Center 8 これまでのスキル標準の特徴と課題