18
1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対 する考えを読み取り,それを生かして自分の「ゆめのロボ ット」を考え,ポスターセッションで発表する。 本教材は,インタビュー記事と説明文という,形式の異 なる二つの文章で構成されている。インタビュー記事では 筆者の「ゆめのロボット」への考えや願いが端的に述べら れており,説明文では二つの事例を挙げて,自らの考えを どのように具現化しているのかが詳しく述べられている。 二つの文章を関連付けて読むことで,事実と意見との関係 を考えて,筆者の考えをより深く読み取ることができる教 材である。また,説明文では,二つの事例について同じ構 成で述べられており,教材文で学んだことを,その後のポ スターセッションに活用することができる。 児童について 本学級の児童は,これまでに「ヤドカリと イソギンチャク」で段落相互の関係をとらえ る学習を行ってきた。しかし,事実と意見と の関係を考えて読む学習,複数の文章を関連 付けて読む学習は初めてである。したがっ て,二つの教材文を行き来し,事実と意見と の関係を丁寧に読み取っていく必要がある。 また,NRT学力調査の結果から,「目的に 応じて話す」ことに課題があることが分か った。特に,適切に資料を選択して話すこ との通過率は 58%と低く,目的に応じて, 資料を選択しながら話す力を付けていく必 要がある。 指導の手立て 本単元の指導に当たって,「課題の設定」では,インタビュー記事を通読し,筆者が考える「ゆめのロ ボット」と自分達が考えた「ゆめのロボット」を比較することにより,筆者の考えと自分達の考えとのず れを自覚させ,単元の課題「小林さんの『ゆめのロボット』について読み取り,それを生かして自分の『ゆ めのロボット』を考え,発表しよう。」を設定する。そして,インタビュー記事だけでは分からなかった ことやもっと知りたいことを話し合い,それを類型化して,課題解決へ向けた学習計画を児童自らが立て るようにする。 「課題の追求①」では,説明文で取り上げられた二つの事例について,インタビュー記事にある筆者の 考えとロボットの説明を線を引いたり書き込みをしたりして関連付けながら読み取ることにより,筆者が 自分の考えをどのように具現化しようとしているのかをとらえさせる。 「学びの深化」では,説明文の事例に取り上げられた「マッスルスーツ」の体験を行い,教材文で読み 取った内容や筆者の考えを,実感を伴って理解させ,自分なりの考えをもたせる。 「課題の追求②」では,自分の「ゆめのロボット」を考え,ポスターセッションの準備を行う。その際, 二つのモデルを比較することにより,聞き手に分かりやすい発表やポスターの構成,発表の仕方のポイン トをとらえることができるようにする。 「まとめ・振り返り」では,ポスターセッションを行った後,第1時に考えた「ゆめのロボット」とポ スターセッションで発表した「ゆめのロボット」を比較することにより,自己の成長を自覚させる。その 上で,学習内容や学習方法について振り返らせ,筆者の考えを読み取ることや,複数の文章を関連付けて 読み取ることのよさをとらえさせる。 本単元の目標 ○人の役に立つロボットに興味をもち,進んで二つの文章を関連付けながら読んで,自分も「ゆめのロ ボット」を考え,発表しようとする。 【関心・意欲・態度】 ○事実と意見との関係を考えて二つの文章の内容を読み取り,それらを関連付けて筆者の考えをとらえ る。 【C読むこと(1)イ】 ○目的に応じて,理由や事例などを挙げながら筋道を立て,適切な言葉遣いで話す。 【A話すこと・聞くこと(2)イ】 〇言葉には,考えたことや思ったことを表す働きがあることに気付く。 【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項イ(ア)】 国語 第4学年 東広島市立西条小学校 指導者 菅 ちあき 単元名 本単元で育成する資質・能力 課題発見力・追求力・評価力 発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボット」を作る-

発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボッ …...1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

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Page 1: 発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボッ …...1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

1 単元のデザイン

単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

する考えを読み取り,それを生かして自分の「ゆめのロボ

ット」を考え,ポスターセッションで発表する。

本教材は,インタビュー記事と説明文という,形式の異

なる二つの文章で構成されている。インタビュー記事では

筆者の「ゆめのロボット」への考えや願いが端的に述べら

れており,説明文では二つの事例を挙げて,自らの考えを

どのように具現化しているのかが詳しく述べられている。

二つの文章を関連付けて読むことで,事実と意見との関係

を考えて,筆者の考えをより深く読み取ることができる教

材である。また,説明文では,二つの事例について同じ構

成で述べられており,教材文で学んだことを,その後のポ

スターセッションに活用することができる。

児童について 本学級の児童は,これまでに「ヤドカリと

イソギンチャク」で段落相互の関係をとらえ

る学習を行ってきた。しかし,事実と意見と

の関係を考えて読む学習,複数の文章を関連

付けて読む学習は初めてである。したがっ

て,二つの教材文を行き来し,事実と意見と

の関係を丁寧に読み取っていく必要がある。

また,NRT 学力調査の結果から,「目的に

応じて話す」ことに課題があることが分か

った。特に,適切に資料を選択して話すこ

との通過率は 58%と低く,目的に応じて,

資料を選択しながら話す力を付けていく必

要がある。

指導の手立て 本単元の指導に当たって,「課題の設定」では,インタビュー記事を通読し,筆者が考える「ゆめのロ

ボット」と自分達が考えた「ゆめのロボット」を比較することにより,筆者の考えと自分達の考えとのず

れを自覚させ,単元の課題「小林さんの『ゆめのロボット』について読み取り,それを生かして自分の『ゆ

めのロボット』を考え,発表しよう。」を設定する。そして,インタビュー記事だけでは分からなかった

ことやもっと知りたいことを話し合い,それを類型化して,課題解決へ向けた学習計画を児童自らが立て

るようにする。

「課題の追求①」では,説明文で取り上げられた二つの事例について,インタビュー記事にある筆者の

考えとロボットの説明を線を引いたり書き込みをしたりして関連付けながら読み取ることにより,筆者が

自分の考えをどのように具現化しようとしているのかをとらえさせる。

「学びの深化」では,説明文の事例に取り上げられた「マッスルスーツ」の体験を行い,教材文で読み

取った内容や筆者の考えを,実感を伴って理解させ,自分なりの考えをもたせる。

「課題の追求②」では,自分の「ゆめのロボット」を考え,ポスターセッションの準備を行う。その際,

二つのモデルを比較することにより,聞き手に分かりやすい発表やポスターの構成,発表の仕方のポイン

トをとらえることができるようにする。

「まとめ・振り返り」では,ポスターセッションを行った後,第1時に考えた「ゆめのロボット」とポ

スターセッションで発表した「ゆめのロボット」を比較することにより,自己の成長を自覚させる。その

上で,学習内容や学習方法について振り返らせ,筆者の考えを読み取ることや,複数の文章を関連付けて

読み取ることのよさをとらえさせる。

本単元の目標 ○人の役に立つロボットに興味をもち,進んで二つの文章を関連付けながら読んで,自分も「ゆめのロ

ボット」を考え,発表しようとする。 【関心・意欲・態度】 ○事実と意見との関係を考えて二つの文章の内容を読み取り,それらを関連付けて筆者の考えをとらえ

る。 【C読むこと(1)イ】 ○目的に応じて,理由や事例などを挙げながら筋道を立て,適切な言葉遣いで話す。

【A話すこと・聞くこと(2)イ】 〇言葉には,考えたことや思ったことを表す働きがあることに気付く。 【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項イ(ア)】

国語 第4学年 東広島市立西条小学校 指導者 菅 ちあき

単元名

本単元で育成する資質・能力 課題発見力・追求力・評価力

発表します!わたしの「ゆめのロボット」

-「ゆめのロボット」を作る-

Page 2: 発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボッ …...1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

【評価力】 ・「課題の設定」で考えた「ゆめのロボ

ット」とポスターセッションで発表した「ゆめのロボット」を比較することにより,自己の成長を自覚させる。その上で,本単元でどのような学習を行ったかを振り返らせ,筆者の考えを読み取ることや,複数の文章を関連付けて読み取ることのよさをとらえさせる。

【課題発見力】 ・筆者が考える「ゆめのロボット」と

自分達が考えた「ゆめのロボット」を比較して,インタビュー記事を読んだ感想を話し合うことにより,筆者の考えと自分達の考えとのずれを自覚させ,単元の課題「小林さんの『ゆめのロボット』について読み取り,それを生かして自分の『ゆめのロボット』を考え,発表しよう」を設定する。

・児童から出された疑問や意見を類型化し,学習計画を立てる。

【追求力】 ・「課題の追求①」では,インタビュー

記事にある筆者の考えと説明文にある「着るロボット」の説明を,線を引いたり書き込みをしたりしながら関連付けて読み取らせることにより,筆者が自分の考えをどのように具現化しようとしているのかをとらえさせる。

・「学びの深化」では,「マッスルスーツ」の体験会を仕組み,教材文で読み取った筆者の考えや願いと関連付けながら話を聞いたり体験したりすることにより,筆者の考えや願いが社会で実現されていることを実感させる。

・「課題の追求②」では,二つのモデルを比較することにより,発表やポスターの構成,発表の仕方のポイントをとらえさせる。

2 単元構想図(単元計画と評価)

・インタビュー記事を通読し,課題を設定して学習計画を立て

る。 【関】インタビュー記事を読んでもった疑問や知りたい事柄を意欲

的に書いたり発表したりしている。

・インタビュー記事を読んで,ロボットに対する筆者の考えや「着るロボット」とのつながりを読み取る。 【読】「ゆめのロボット」に対する筆者の考えと「着るロボット」

とのつながりを読み取っている。

【伝】言葉には,考えたことや思ったことを表す働きがあることに

気付いている。

・説明文を読んで,全体の構成をとらえる。 【読】段落相互の関係を考えて,全体構成をとらえている。

・説明文を読んで,「マッスルスーツ」について表に整理し,筆者の「ゆめのロボット」に対する考えとのつながりを考える。 【読】「マッスルスーツ」に込められた筆者の「ゆめのロボット」

に対する考えを読み取っている。

・説明文を読んで,「アクティブ歩行器」について表に整理し,筆者の「ゆめのロボット」に対する考えとのつながりを考える。 【読】「アクティブ歩行器」に込められた筆者の「ゆめのロボット」

に対する考えを読み取っている。 ・社会福祉協議会の方の話を聞いたり,マッスルスーツを体験

したりする。 【関】筆者の考えが社会で実現されていることを理解している。

・二つの文章を関連付けて読んだことを基に,筆者の考えや願いとそれに対する自分の考えを文章にまとめる。 【読】二つの文章を関連付けて,筆者の考えや願いとそれに対する

自分の考えをまとめている。

・筆者の考えを生かして,自分の「ゆめのロボット」を考える。

【話聞】自分の「ゆめのロボット」について伝えたい事柄を考えて

いる。

・発表の構成を考えてポスターを作る。 【話聞】分かりやすい発表となるよう,構成を考えてポスターを作

っている。

・発表に向けて,練習をする。 【話聞】ポスターを用いながら聞き手に分かりやすく話す練習をし

ている。

・ポスターセッションで自分が考えた「ゆめのロボット」を発

表し,単元の学習を振り返る。 【話聞】自分の考えた「ゆめのロボット」について,理由や事例を

挙げながら筋道を立て,適切な言葉遣いで話している。

【関】深まった見方・考え方や学習方法のよさを自覚している。

本単元の学習の流れ(全13時間)

課題の設定(1)

課題の追求①(4)

学びの深化(2)

まとめ・振り返り(2)

独創スピリッツを引き出す工夫

課題の追求②(4)

Page 3: 発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボッ …...1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

3 本時の目標(1/13)

4 本時の展開

展開 主な学習活動〔主な児童の思考の流れ〕 形態 教師の働きかけ

◎評価規準 ◇配慮を要する児童への手立て

つかむ / 深め・拡げる

1 ロボットに関して知っていることやある

と便利だと思うロボットについて話し合

う。 (10分)

2 本時の学習課題を設定する。 (2分)

3 インタビュー記事を通読し,感想を話し

合う。 (10分)

・犬型のロボットが発売された新聞記事を提示

し,ロボットについて話し合う契機とする。

・ロボットに関して知っていることを話し合う

ことにより,ロボットへの関心を高めるとと

もに,ロボットを活用することで生活が便利

になっていることをとらえさせる。

・あると便利だと思うロボットを発表させるこ

とにより,本単元の言語活動への関心を高め,

自分が考える「ゆめのロボット」をポスター

で発表するという言語活動を設定する。

・ロボット研究者が「ゆめのロボット」につい

て語ったインタビュー記事があることを知ら

せ,本時の学習課題につなげる。

・「マッスルスーツ」と「アクティブ歩行器」の

写真を提示し,「着るロボット」のイメージを

もたせる。

インタビュー記事を通読して疑問やもっと知りたいことを出し合い,単元の学習計画を立て

ることができる。

全体 → 全体 →

学習課題 インタビュー記事を読んで,単元の学習計画を立てよう。

・店に行ったとき,人型ロボットがありました。お

客さんを案内するそうです。

・うちの家には,掃除をしてくれるロボットがあり

ます。

・宇宙を調査するのに,ロボットが使われています。

・マンションなどで犬が飼えなくても,ロボットな

ら飼えるからいいと思います。

・人の代わりにロボットが仕事をしてくれるから,

便利です。

・掃除だけでなく,家事を何でもやってくれるロボ

ットがあると便利です。

・分からない勉強を教えてくれるロボットがあると

便利です。先生や友達のように,話をしながら勉

強できて楽しいです。

・自分の「ゆめのロボット」を考えるのは楽しそう。

・小林さんの「ゆめのロボット」は,ぼくが思って

いた「ゆめのロボット」と違っていました。

・私達が考えた「ゆめのロボット」は,人の代わり

にいろいろな作業をするだけのロボットだけど,

ただそれだけでは「ゆめのロボット」ではないの

だなと思いました。

・小林さんの考えを使うと,自分達の考える「ゆめ

のロボット」がもっといいもの,もっと人の役に

立つものになると思います。

・小林さんの研究している「着るロボット」につい

てもっと知りたいです。

単元の課題

小林さんの「ゆめのロボット」について読み取り,

それを生かして自分の「ゆめのロボット」を考え,

発表しよう。

課題発見力引き出しポイント

〈活用させる思考スキル:比較〉

・筆者が考える「ゆめのロボット」と自分達が

考えた「ゆめのロボット」を比較して,イン

タビュー記事を読んだ感想を話し合うこと

により,筆者の考えと自分達の考えとのずれ

を自覚させ,単元の課題を設定する。

・筆者が研究している「着るロボット」につい

ての説明文があることを知らせ,「説明文を

読んで,筆者の考えや『着るロボット』につ

いてもっと知りたい」という意欲をもたせて

次の活動につなげる。

Page 4: 発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボッ …...1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

深め・拡げる /まとめ・つなげる

4 疑問やもっと知りたいことを出し合い,

学習計画を立てる。 (20分)

5 本時の学習をまとめ,次時につなげる。

(3分)

・インタビュー記事を読んで分からなかったこ

とやもっと知りたいことを書き出させる。

◇どんなことを知りたいかを問い,対話を通し

て児童の疑問や関心を明確にしていく。

◎インタビュー記事を読んでもった疑問や知り

たい事柄を意欲的に書いたり発表したりし

て,学習計画を立てている。

(ノートの記述・発言)

・教材文の読み取りの視点を考えた後,ポスタ

ーセッションを行う計画を立てる。その際,

二つの「着るロボット」のうち,「マッスルス

ーツ」の体験をしたり使用談を聞いたりする

ことができることを知らせ,計画に体験活動

も組み込むようにする。

・体験会でどのような内容を聞けば,自分の「ゆ

めのロボット」を考えるのに役立つかを考え

させる。

・代表児童が,課外に「マッスルスーツ」を所

持する社会福祉協議会に依頼の手紙を書くよ

うにする。

・学習の流れを確認し,次時は,インタビュー

記事から筆者の願いや考えを読み取っていく

ことを確認する。

個人 → 全体 → 全体

おおむね満足できる児童の状況

1 教材文から読み取る

【筆者の願いや考えについて】

・「気持ちや心の面でも人を助け」というところが

よくわからなかったので,小林さんの「ゆめのロ

ボット」についての考えをもっと詳しく読み取り

たいです。

・どうして「ゆめのロボット」が「着るロボット」

なのかを知りたいです。

【着るロボットについて】

・二つの着るロボットの名前や仕組みを知りたい

です。

・二つの着るロボットの使い方を知りたいです。

・着るロボットが,どうして気持ちや心の面でも人

を助けることになるのかを読み取りたいです。

2 「マッスルスーツ」を体験する

・誰がどのようなことに使っているのか。

・「マッスルスーツ」を使うことにより,どのよう

なことが便利なのか。

・どのように使うのか,本当に便利なのかを確か

める。

3 ポスターセッションの準備をする。

・自分の「ゆめのロボット」を考える。

・発表の準備をする。(ポスターや発表原稿づくり)

・練習をする。

4 ポスターセッションで自分の「ゆめのロボッ

ト」を発表する。

課題発見力引き出しポイント

・児童から出された疑問や意見を類型化して板

書し,「筆者の願いや考えについて」「二つの

着るロボットについて」という二つの視点で

教材文を読み取っていくことを確認する。

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3 本時の目標(2/13)

4 本時の展開

展開 主な学習活動〔主な児童の思考の流れ〕 形態 教師の働きかけ

◎評価規準 ◇配慮を要する児童への手立て

つかむ / 深め・拡げる

1 本時の学習課題を設定する。 (3分)

2 インタビュー記事を通読する。 (5分)

3 「着るロボット」の特徴を読み取る。

(12分)

・掲示を用いて前時に立てた学習計画を確認し,

単元における本時の位置付けを明確にする。

・インタビューを行っている様子をイメージで

きるよう,指導者と児童で役割読みを行う。

・産業用ロボットやパーソナルロボットとの違

いを読み取らせることで,「着るロボット」の

特徴をとらえさせる。

・参考になる記述に線を引かせてからノートに

まとめさせる。

◇インタビュー記事の質問の記述に着目させ,

どの部分を読めばよいかを考えさせる。

・開発が難しいのにもかかわらず,筆者が「着

るロボット」の研究を進めている理由を問い,

「着るロボット」に込められた筆者の願いも

押さえる。

インタビュー記事を読んで,筆者の「ゆめのロボット」に対する考えと「着るロボット」と

のつながりを読み取ることができる。

全体 → 全体 → 個人 → 全体 →

学習課題 小林さんの「ゆめのロボット」に対する考えと「着るロボット」とのつながりを読み取

ろう。

・「着るロボット」は,身に着けて使い,人間の動

きを手助けするロボットです。

・産業用ロボットやパーソナルロボットは,人間

と距離がありますが,「着るロボット」は人間が

身に着けるから距離がほとんどありません。

・産業用ロボットやパーソナルロボットは,人間

の仕事を代わりにやるロボットだけど,「着るロ

ボット」は,仕事をするのは人間で,その動き

を手助けするところが違います。

・「着るロボット」は,身に着けて使うから,それ

ぞれの人の体に合わせて調整したり安全を考え

たりと,他のロボットより開発が難しいです。

・小林さんは,「少しでも多くの人の役に立つ機械

を作りたい」という思いから「着るロボット」

を研究しています。

Page 6: 発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボッ …...1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

深め・拡げる / まとめ・つなげる

4 筆者の「ゆめのロボット」についての考

えと「着るロボット」とのつながりを話し

合う。 (20分)

5 本時の学習をまとめ,次時につなげる。

(5分)

・「べきだ」という表現の仕方を他の表現の仕方

と比較させ,筆者の強い思いをとらえさせる。

◎言葉には,考えたことや思ったことを表す働

きがあることに気付いている。

(発言内容・児童観察)

◇「自分の体を自分で動かしたいという人の気

持ちにこたえる」「人といっしょになって働

く」とつながる「着るロボット」の特徴はな

いかを問う。

◎「ゆめのロボット」に対する筆者の考えと「着

るロボット」とのつながりを読み取っている。

(ノートの記述内容)

・本時の学習を振り返り,思ったことや疑問な

どを書かせる。

・疑問やもっと知りたいことを書いている児童

の感想を取り上げて紹介することにより,次

時につなげる。

・次時からは,説明文を読んで,「着るロボット」

について詳しく読み取っていくことを確認す

る。

個人 →

全体 → 個人 → 全体

・ぼくは,ロボットを便利な機械だと思っていたけ

れど,小林さんは「ゆめのロボット」を,役に立

つだけでなく,気持ちや心の面でも人を助けると

考えていて,深いと思いました。

・「人といっしょになって働く」というのはわかっ

たけれど,「気持ちや心の面でも人を助ける」と

いうのは,どういうことなのだろうと疑問に思い

ました。

追求力引き出しポイント

〈活用させる思考スキル:関連付け〉

・筆者の「ゆめのロボット」についての考えと「着るロボット」の特徴とのつながりを,線を引いて考えることにより,「着るロボット」の研究は筆者の考えを実現しようとするものであることをとらえさせる。

おおむね満足できる児童の状況

・小林さんにとっての「ゆめのロボット」は,ただ

「役に立つ」だけでなく,気持ちや心の面でも人

を助け,人といっしょになって働く機械です。「人

といっしょになって働く機械になるべきだ」とい

う言い方から,小林さんの強い思いが分かりま

す。「着るロボット」は,人が身に着けて使い,

人の動きを手助けするから,人といっしょになっ

て働く機械だと思います。

・気持ちや心の面でも人を助けるというのは,自分

の体を自分で動かしたいという人の気持ちにこ

たえることです。「着るロボット」は,動くのは

人間で,その手助けをするだけだから,自分の体

を自分で動かしたいという人の気持ちにこたえ

ていると思います。

Page 7: 発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボッ …...1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

3 本時の目標(3/13)

4 本時の展開

展開 主な学習活動〔主な児童の思考の流れ〕 形態 教師の働きかけ

◎評価規準 ◇配慮を要する児童への手立て

つかむ / 深め・拡げる / まとめ・つなげる

1 本時の学習課題を設定する。 (3分)

2 説明文を音読する。 (15分)

3 説明文を四つのまとまりに分け,大まか

な内容を表にまとめる。 (20分)

4 本時の学習をまとめ,次につなげる。

(7分)

・前時の学習を想起し,筆者の考えや「着るロ

ボット」について詳しく読み取る必要があっ

たことを確認し,説明文を提示する。

・斉読,リレー音読など,読み方を変えて複数

回音読させる。

・「ヤドカリとイソギンチャク」の学習を想起さ

せ,「始め」「中」「終わり」の三つのまとまり

に分けられること,接続語をヒントにまとま

りを考えていけばよかったことを確認する。

◇1段落目に着目させ,二つの事例が取り上げ

られていることを確認して,主語を確認しな

がら「中」の部分を二つに分けさせる。

◎段落相互の関係を考えて,全体構成をとらえ

ている。 (ノートの記述内容)

・学習計画で立てた読み取りたいことが,説明

されているかを確認し,次時から内容を読み

取る観点とする。

・文章全体の構成を確認し,次時からどんなこ

とを読み取りたいかを交流する。

・次時からは,二つの「着るロボット」につい

て詳しく読んでいくことを確認する。

説明文を読んで,段落相互の関係を考えて,全体構成をとらえることができる。

全体 → 全体 → 個人 → 全体 → 個人→全体

学習課題 説明文を読んで,文章をまとまりに分けよう。

追求力引き出しポイント

〈活用させる思考スキル:比較〉

・インタビュー記事の内容と比較させることに

より,「終わり」の部分がインタビュー記事

のまとめと類似していることに気付かせる。

おおむね満足できる児童の状況

・それぞれの「着るロボット」には,小林さんの考

えがどのようにこめられているのかを詳しく読ん

でいきたいです。

Page 8: 発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボッ …...1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

3 本時の目標(4/13)

4 本時の展開

展開 主な学習活動〔主な児童の思考の流れ〕 形態 教師の働きかけ

◎評価規準 ◇配慮を要する児童への手立て

つかむ / 深め・拡げる

1 説明文を音読し,本時の学習課題を設定

する。 (5分)

2 「マッスルスーツ」について読み取った

ことを表に整理する。 (15分)

・掲示を用いて学習計画を確認し,単元におけ

る本時の位置付けを明確にする。

・読み取る観点「どんなロボットか」「仕組み」

「活用例」を確認する。

◇「仕組み」「活用」という言葉の意味を確認し,

それらの言葉が本文中のどこで使われている

かを探させる。

・動けない人が,自分で動けるようになるため

の手助けについては,まだ実現していないこ

とを文末表現「できないかと考えています」

から読み取らせる。

・動けない人が,自分で動けるようになるため

の手助けについては,それができるようにな

ったときにもたらされる結果についても確認

する。

説明文を読んで,「マッスルスーツ」に込められた筆者の「ゆめのロボット」に対する考えを

読み取ることができる。

全体 → 個人 → 全体 →

学習課題 「マッスルスーツ」について読み取り,小林さんの「ゆめのロボット」に対する考えと

のつながりを考えよう。

Page 9: 発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボッ …...1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

深め・拡げる / まとめ・つなげる

3 筆者の「ゆめのロボット」に対する考え

とのつながりを話し合う。 (20分)

4 本時の学習をまとめ,次時につなげる。

(5分)

・掲示やノートを見て,筆者の「ゆめのロボッ

ト」に対する考えのキーワード「気持ちや心

の面でも人を助ける(自分の体を自分で動か

したいという人の気持ちにこたえる)」「人と

いっしょになって働く」「多くの人の役に立つ

機械」を確認する。

◇前時に考えた筆者の考えと「着るロボット」

とのつながりをノートで確認し,同じような

つながりを考えさせる。

◎「マッスルスーツ」に込められた筆者の「ゆ

めのロボット」に対する考えを読み取ってい

る。 (ノートの記述内容)

・「マッスルスーツ」について,筆者の考えと関

連付けて読み取った感想を発表させ,本時の

学習を振り返らせる。

・次時は,「アクティブ歩行器」について読み取

ることを確認する。

個人 → 全体 → 個人 → 全体

・「マッスルスーツ」は,インタビュー記事にあった

小林さんの考えとつながっていることが分かりま

した。小林さんは,自分の考えを実現していて,

すごいなと思いました。

おおむね満足できる児童の状況

・「マッスルスーツ」は,人が重いものを持ち上げ

る手助けをするロボットなので,「人といっしょ

になって働く機械」だと思います。

・まだ実現はされていないけど,動けない人が,

自分で動けるようになるための手助けができれ

ば,「自分の体を自分で動かしたいという人の気

持ちにこたえる」ことができると思います。

・「マッスルスーツ」は,工場や倉庫で働く人,体

を動かせなくなった人,お年寄りを介護する施

設で働く人など,いろいろな人の手助けをする

ことができます。小林さんの「多くの人の役に

立つ機械を作りたい」という願いが実現されて

います。

・動けない人が,自分で動けるようになるための

手助けができれば,「マッスルスーツ」を使う人

だけでなく,介護する人たちにも役に立ちます。

「多くの人の役に立つ機械を作りたい」という

小林さんの願いが表れていると思います。

追求力引き出しポイント

〈活用させる思考スキル:関連付け〉

・「マッスルスーツ」についてまとめた表から,

筆者の「ゆめのロボット」に対する考えとつ

ながっている記述を探させ,線を引いたり書

き込みをさせたりする。

・どのようなつながりかを話し合うことによ

り,「マッスルスーツ」は筆者の考えを具現

化したロボットであることをとらえさせる。

Page 10: 発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボッ …...1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

3 本時の目標(5/13)

4 本時の展開

展開 主な学習活動〔主な児童の思考の流れ〕 形態 教師の働きかけ

◎評価規準 ◇配慮を要する児童への手立て

つかむ / 深め・拡げる

1 説明文を音読し,本時の学習課題を設定

する。 (5分)

2 「アクティブ歩行器」について観点に沿

って読み取ったことを確認する。 (15分)

・掲示を用いて学習計画を確認し,単元におけ

る本時の位置付けを明確にする。

・「マッスルスーツ」と同じように,「どんなロ

ボットか」「仕組み」「活用例」の観点で表に

整理させる。

◇前時に「マッスルスーツ」についてまとめた

表を参考に,観点ごとにまとめさせる。

・「アクティブ歩行器」を活用した人が,その結

果どのようになったかについても確認する。

説明文を読んで,「アクティブ歩行器」に込められた筆者の「ゆめのロボット」に対する考え

を読み取ることができる。

全体 → 個人 → 全体 →

学習課題 「アクティブ歩行器」について読み取り,小林さんの「ゆめのロボット」に対する考え

とのつながりを考えよう。

Page 11: 発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボッ …...1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

深め・拡げる / まとめ・つなげる

3 筆者の「ゆめのロボット」に対する考え

とのつながりを話し合う。 (20分)

4 本時の学習をまとめ,次時につなげる。

(5分)

◇前時に考えた筆者の考えと「マッスルスー

ツ」とのつながりをノートで確認し,同じよう

なつながりを考えさせる。

◎「アクティブ歩行器」に込められた筆者の「ゆ

めのロボット」に対する考えを読み取ってい

る。 (ノートの記述内容)

・「アクティブ歩行器」について,筆者の考えと

関連付けて読み取った感想を発表させ,本時

の学習を振り返らせる。

・次時は,「マッスルスーツ」を体験することを

確認する。

個人 → 全体 → 個人 → 全体

・小林さんの「心の面でも人を助ける」という考え

がどういうことなのかが分かりました。「アクティ

ブ歩行器」を使って歩けるようになった人も,そ

の家族も,みんな勇気をもてたと思います。

おおむね満足できる児童の状況

・「アクティブ歩行器」は,体の不自由な人の歩行

を助けるから,人といっしょになって働くロポ

ットだと思います。

・脳の病気のため,自分で自分の体が動かせない

子どもや,下半身のまひでベッドから動けなか

った人が,「アクティブ歩行器」で訓練すること

により,歩けるようになったから,「自分の体を

自分で動かしたいという人の気持ちにこたえ

る」ことが実現できています。

・脳の病気のため,自分で自分の体が動かせない

子どもが歩けるようになったとき,「訓練に当た

ったトレーナーもおどろいた」と書いてありま

すよね。歩けるようになった本人も,トレーナ

ーも,家族も喜んだと思うので,「アクティブ歩

行器」は多くの人の役に立っていると思います。

・動けない人が,自分で自分の体を動かすことが

できたのだから,すごく嬉しかったと思います。

「自分もできる,やってみよう。」という気持ち

になると思います。「心の面でも人を助けたい」

というのは,「着るロボット」を使って動けるよ

うにすることにより,生きる喜びや勇気を与え

るということだと思います。

追求力引き出しポイント

〈活用させる思考スキル:関連付け〉

・「アクティブ歩行器」についてまとめた表か

ら,筆者の「ゆめのロボット」に対する考え

とつながっている記述を探させ,線を引いた

り書き込みをさせたりする。

・どのようなつながりかを話し合うことによ

り,「アクティブ歩行器」は筆者の考えを具

現化したロボットであることをとらえさせ

る。

・「アクティブ歩行器」を使って歩けるように

なった人の気持ちを想像させ,それと関連付

けて,筆者の「心の面でも人を助けたい」と

いう考えの意味をとらえさせる。

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3 本時の目標(6/13)

4 本時の展開

展開 主な学習活動〔主な児童の思考の流れ〕 形態 教師の働きかけ

◎評価規準 ◇配慮を要する児童への手立て

つかむ / 深め・拡げる / まとめ・つなげる

1 ゲストティーチャーを紹介し,本時の学

習課題を設定する。 (5分)

2 ゲストティーチャーから「マッスルスー

ツ」の使用について話を聞く。 (15分)

3 「マッスルスーツ」を体験する。(20分)

4 本時の学習をまとめ,次時につなげる。

(5分)

・社会福祉協議会の方をゲストティーチャーと

して招聘する。

・教材文から読み取った筆者の考えや願い,マ

ッスルスーツ」の機能を確認し,本時の学習

課題につなげる。

・ゲストティーチャーと事前に話していただく

内容について連携をとっておく。

・ゲストティーチャーの話の後に,質問タイム

を設ける。

・次時の自分の考えを書くことにつなげるため

に,体験しながら感じたことをメモに取らせ

る。

・筆者の考えや願いと関連付けて本時の感想を

まとめさせる。

◇ゲストティーチャーの話に筆者の考えや願い

につながる事柄はなかったか,「マッスルスー

ツ」を体験してどんなことに役立つと思った

かなどを問い,対話を通して思いを言語化し

ていく。

◎筆者の願いが社会で実現されていることを理

解している。 (ノートの記述内容)

・次時は,筆者の考えとそれに対する感想をま

とめることを確認する。

「マッスルスーツ」を使う人の話を聞いたり,体験をしたりすることを通して,筆者の願い

が社会で実現されていることを理解することができる。

全体 → 全体 → 全体 → 個人 → 全体

おおむね満足できる児童の状況

・「マッスルスーツ」を着けると,重いものも簡単

に持ち上げることができました。これなら,体

の不自由な人のお世話が楽になると思います。

小林さんの「人の役に立つ機械を作りたい」と

いう願いが実現されていると思いました。でも,

体の不自由な人が使うということはないと聞い

たので,「自分の体を自分で動かしたいという人

の願いにこたえる」という考えは,まだ実現さ

れていないのだなと思います。小林さんは説明

文で「マッスルスーツ」を改良すると書いてい

たので,早くそれが実現されるといいと思いま

した。

学習課題 社会の中で,「マッスルスーツ」がどのように使われているのかを知ろう。

話していただく内容

・どのような仕事(活動)をしているのか。

・なぜ「マッスルスーツ」を購入したのか。

・「マッスルスーツ」をどのようなことに使っている

のか。

・効果や使った感想

追求力引き出しポイント

〈活用させる思考スキル:関連付け〉

・教材文で読み取った筆者の考えや願いと関連

付けながら話を聞いたり体験したりするこ

とにより,筆者の考えや願いが社会で実現さ

れていることを実感させる。 ・重いものも簡単に持ち上げることができた。これ

なら,体を動かせない人のお世話が楽になる。

・軽くて,体に付けても難しくない。「着る人の体に

合わせやすく,自由に動かせるように作りました」

と書いてあった通りだ。

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3 本時の目標(7/13)

4 本時の展開

展開 主な学習活動〔主な児童の思考の流れ〕 形態 教師の働きかけ

◎評価規準 ◇配慮を要する児童への手立て

つかむ / 深め・拡げる /まとめ・つなげる

1 前時を想起し,本時の課題を設定する。

(5分)

2 筆者の「ゆめのロボット」への考えを表

すキーワードを考える。 (8分)

3 筆者の考えとそれに対する自分の考えを

文章にまとめる。 (20分)

4 書いた文章を互いに読み合う。 (12分)

・前時に書いた感想を数名の児童に発表させ,

「マッスルスーツ」を体験していろいろな感

想をもったことを確認し,本時の課題につな

げる。

・インタビュー記事と説明文,それぞれどの段

落で筆者の考えが述べられていたかを確認

し,共通している言葉を探させる。

・児童から出されたキーワードを板書し,次の

活動の手立てとする。

・①筆者の考える「ゆめのロボット」②それに

対する自分の考えの構成で,200字程度の文章

にまとめさせる。

◇ノートでこれまでに書いてきた学習感想を振

り返らせ,それを基にまとめさせる。

◎二つの文章を関連付けて,筆者の考えや願い

とそれに対する自分の考えをまとめている。

(ノートの記述内容)

・グループで互いの文章を読み合い,感想を交

流させる。

・グループの友達でいいなと思った考えを交流

し,本時のまとめとする。

・次時は,自分の「ゆめのロボット」を考える

ことを確認する。

二つの文章を関連付けて読んだことを基に,筆者の考えや願いとそれに対する自分の考えを

まとめることができる。

全体 → 全体 → 個人 → グループ→全体

学習課題 小林さんの「ゆめのロボット」に対する考えとそれに対する自分の考えを

まとめよう。

・インタビュー記事と説明文のどちらにも,「自分

の体を自分で動かしたいという人の気持ちにこ

たえる」「心の面でも人を助ける」という言葉が

あります。

・小林さんは「着るロボット」の研究を進めている

ので,「着るロボット」という言葉も入れるとい

いです。

・〇〇さんが,「今作られているロボットには,『ゆ

めのロボット』は少ないのではないかなと思いま

す。」と書いていました。ぼくは,「確かにそうだ

な」と思いました。小林さんの考えを生かして,

「ゆめのロボット」を作りたいなと思います。

おおむね満足できる児童の状況

・小林さんの考える「ゆめのロボット」とは,人

の役に立つ機械というだけでなく,自分の体を

自分で動かしたいという人の気持ちにこたえ,

人々に生きる勇気をあたえて心の面でも人を助

けるものです。私は,ロボットを使って,生活

を便利なものにすることしか考えていなかった

けれど,心の面でも人を助けることを考えなけ

れば,「ゆめのロボット」とは言えないと思いま

した。そう考えると,今作られているロボット

には,「ゆめのロボット」は少ないのではないか

なと思います。

追求力引き出しポイント

〈活用させる思考スキル:比較・関連付け〉 ・第1時で自分が思い描いた「ゆめのロボット」

と筆者の考える「ゆめのロボット」を比較したり,前時の「マッスルスーツ」の体験会でもった感想と関連付けたりして,自分の考えを書かせる。

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3 本時の目標(8/13)

4 本時の展開

展開 主な学習活動〔主な児童の思考の流れ〕 形態 教師の働きかけ

◎評価規準 ◇配慮を要する児童への手立て

つかむ / 深め・拡げる /まとめ・つなげる

1 本時の学習課題を設定する。 (3分)

2 ロボットがあるとよいと思う場面につい

て話し合う。 (15分)

3 自分の「ゆめのロボット」について考え

る。 (25分)

4 本時の学習をまとめ,次時につなげる。

(2分)

・掲示を用いて学習計画を確認し,単元におけ

る本時の位置付けを明確にする。

・教材文で読み取った筆者の「ゆめのロボット」

への考えや願いを確認し,「心の面でも人を助

けたい」という点を重視することを押さえる。

・教材文で読み取った観点(「ロボット名」「ど

んなロボットか」「仕組み」「活用例」「そのロ

ボットにこめた,自分の願いや考え(理由)」)

を参考に考えさせ,付箋にメモさせる。

◇ロボットがあるとよいと思う場面を参考に,

まずはどのような人を助けたいのかを考えさ

せる。

・グループでアドバイスをする時間を設け,友

達からの意見を参考にさせる。

◎自分の「ゆめのロボット」について伝えたい

事柄を考えている。 (付箋の記述内容)

・次時は,発表用のポスターを作ることを確認

する。

教材文から読み取ったことを生かして,自分の「ゆめのロボット」について考えることがで

きる。

・目の不自由な人は,出かけるのに大変だし,危

険だと思います。一人で安全に,どこへでも出

かけられるようになれば,もっと楽しく生活で

きるのではないかと思います。目の不自由な人

がどこへでも安全に出かけられるよう助けるロ

ボットがあればいいと思います。

・私のおばあちゃんは,一人で暮らしています。

話し相手がいないから,寂しいと言っていまし

た。会話ができるロボットがあれば,寂しくな

いと思います。

追求力引き出しポイント

〈活用させる思考スキル:関連付け〉

・より有用性の高いロボットを考えるよう,筆者の「心の面でも人を助けたい」という考えや願いと関連付けて,ロボットがあるとよいと思う場面を考えさせる。

・それぞれの考えを交流することにより,各自の生活を振り返る視点を広げ,「ゆめのロボット」を考える手がかりにさせる。

おおむね満足できる児童の状況

【ロボット名】ロボット犬

【どんなロボットか】

目の不自由な人を案内する盲導犬型ロボット

【仕組み】

目がカメラになっていて,ナビで行きたい場所

を案内できる。

【活用例】

旅行に行きたいときに,行きたい住所を言う

と,案内してくれる。危ないときには,音声で

知らせてくれる。

【自分の願いや考え】

目が不自由な人が一人で安全に出かけられる

ようにしたい。

全体 → グループ → 全体 → 個人 → グループ → 全体

学習課題 小林さんの考えを生かして,自分の「ゆめのロボット」を考えよう。

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3 本時の目標(9~10/13)

4 本時の展開

展開 主な学習活動〔主な児童の思考の流れ〕 形態 教師の働きかけ

◎評価規準 ◇配慮を要する児童への手立て

つかむ / 深め・拡げる /まとめ・つなげる

1 本時の学習課題を設定する。 (3分)

2 活動の手順や留意点を確認する。

(15分)

3 発表の構成を考え,ポスターを作る。

(70分)

4 次時につなげる。 (2分)

・本時は自分の考えた「ゆめのロボット」を伝

えるために,発表用のポスターを作ることを

確認する。

・作品例を示して,活動の手順や留意点を確認

する。

・前時に付箋に書いた内容を比較し,並べ替え

ながら,聞き手に分かりやすい構成を考えさ

せる。

・必要に応じて,付箋を書き足してもよいこと

とする。

◇ペアで発表の構成についてアドバイスをする

時間を設け,友達からの意見を参考にさせる。

◇ポスター作りでは,作品例を参考にさせる。

◎分かりやすい発表となるよう,構成を考えて

ポスターを作っている。

(付箋,ポスターの記述内容)

・次時は,発表練習を行うことを確認する。

自分の考えた「ゆめのロボット」を伝えるために,発表の構成を考えてポスターを作ること

ができる。

おおむね満足できる児童の状況

・このロボットを考えた理由,ロボット名,どんな

ロボットか,仕組み,活用例,願いの順に発表し

よう。どんなロボットかが分かるキャッチコピー

を考えないといけないな。仕組みだけでなく,活

用例も図に表すと分かりやすいな。

①発表の組立てを考える。

・付箋を並べ替えながら,発表の組み立てを考える。

②ポスターの割り付けを考える。

・話す順に上から下,左から右へ横書きで書く。

・見出しを考えて書く。見出しは大きく書く。

・「仕組み」は,図で説明する。吹き出しや矢印を

用いて説明すると分かりやすい。

・説明は短く,箇条書きにする。

全体 → 全体 → 個人 → ペア → 個人 → 全体

学習課題 発表の組立てを考えて,ポスターを作ろう。

追求力引き出しポイント

〈活用させる思考スキル:比較〉

・二つのモデルを比較し,どちらがよいかを話

し合うことにより,発表の構成やポスターの

作り方の留意点をとらえさせる。

Page 16: 発表します!わたしの「ゆめのロボット」 -「ゆめのロボッ …...1 単元のデザイン 単元について 本単元では,教材文から筆者の「ゆめのロボット」に対

3 本時の目標(11/13)

4 本時の展開

展開 主な学習活動〔主な児童の思考の流れ〕 形態 教師の働きかけ

◎評価規準 ◇配慮を要する児童への手立て

つかむ / 深め・拡げる /まとめ・つなげる

1 本時の学習課題を設定する。 (3分)

2 話し方や資料の示し方の留意点を確認す

る。 (15分)

3 話す練習をする。 (25分)

4 本時の学習を振り返り,次時につなげる。

(2分)

・発表の日を知らせ,意欲を高める。

・本時は前時に作ったポスターを用いて発表練

習を行うことを確認する。

・発表原稿は作らず,メモやポスターを見なが

ら話をさせる。

◇用いるとよい文型を示し,参考にさせる。

◇グループでアドバイスをしながら練習をさ

せ,友達からの意見を参考にさせる。

◎ポスターを用いながら聞き手に分かりやすく

話す練習をしている。 (児童観察)

・話し方について,挙手により自己評価させ,

本時の学習を振り返らせる。

・次時は,ポスターセッションを行い,自分の

考えた「ゆめのロボット」を発表することを

確認する。

ポスターを用いながら聞き手に分かりやすく話す練習をすることができる。

・Aは,ポスターに書いてあることをそのま

ま読んでいます。それに比べて,Bは,ポ

スターに書かかれていないことを付け足

して話しています。

・Aは,ポスターを指し示していないからど

このことを言っているのか分かりません。

Bは,ポスターを指し示しながら話してい

るから,分かりやすいです。

・Aは,ポスターばかり見ていて,聞いてい

てつまらないです。Bは,話し手の方を向

いて話しているから,「聞きたい」という

気持ちになります。

追求力引き出しポイント

〈活用させる思考スキル:比較〉

・二つのモデルを比較し,どちらの発表の仕方

がよいのかを話し合うことにより,話し方や

資料の示し方の留意点をとらえさせる。

・次のような留意点が児童から出されるよう,

モデルを示す。

・ポスターをそのまま読まない

・ポスターを指し示しながら話す

・聞き手の方を向いて話す

全体 → 全体 → 個人 → グループ → 全体

学習課題 ポスターを使って分かりやすく話す練習をしよう。

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3 本時の目標(12~13/13)

4 本時の展開

展開 主な学習活動〔主な児童の思考の流れ〕 形態 教師の働きかけ

◎評価規準 ◇配慮を要する児童への手立て

つかむ / 深め・拡げる / まとめ・つなげる

1 本時の学習課題を設定する。 (3分)

2 ポスターセッションの進め方や,話し方

の留意点を確認する。 (10分)

3 ポスターセッションを行い,自分の考え

た「ゆめのロボット」を発表する。

(57分)

4 単元の学習を振り返る。 (20分)

・これまでの学習を想起させ,発表への意欲を高

める。

・オープンスペースを活用して,場の設定を行い,

個別のコーナーをつくる。

・話し方の留意点については,前時の学習を想起

させる。

◇発表前に,話し方の留意点を個別に確認してお

く。

◎自分の考えた「ゆめのロボット」について,理

由や事例を挙げながら筋道を立て,適切な言葉

遣いで話している。 (児童観察)

◎深まった見方・考え方や学習方法のよさを自覚

している。 (振り返りカード・発言)

自分の考えた「ゆめのロボット」について聞き手に分かりやすく発表し,単元の学習を振り

返ることができる。

評価力引き出しポイント

・第1時に考えた「ゆめのロボット」と本時で

発表した「ゆめのロボット」を比較すること

により,有用性の高いロボットになっている

ことを実感させ,自己の成長を自覚させる。

その上で,本単元でどのような学習を行った

かを振り返らせ,筆者の考えを読み取ること

や,複数の文章を関連付けて読み取ることの

よさをとらえさせる。

おおむね満足できる児童の状況

・前に考えた「ゆめのロボット」と,今日発表し

た「ゆめのロボット」を比較すると,本当に困

っている人を助けるロボットになっています。

・今日発表した「ゆめのロボット」は,小林さん

の考えを基に考えたからだと思います。

・インタビュー記事と説明文をつなげて読むこと

で,小林さんの考えがよく分かりました。

・インタビュー記事と説明文をつなげて読み取る

ことで,自分の考えをどのように実現していく

かということを考えるようになりました。

【進め方】

・4グループに分かれる。10分間で発表するグループ

を交代する。

・聞き手は,聞きたい人のコーナーに行って説明を聞

く。

・説明を聞いたら,聞き手はロボットについての感想

を言う。質問があればしてもよい。

・一人の説明が終わったら,次の友達のコーナーに行

く。聞き手が集中しないよう,聞き手の少ない人の

コーナーに行く。

【場の設定】 ・・・発表児童

オープンスペース

教室

掲示板

全体→ 全体 → 個人 → 全体 → 個人 → 全体

学習課題 自分の考えた「ゆめのロボット」について,聞き手に分かりやすく発表しよう。

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