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09.10.8 1 環境科学の基礎 NASA -- Apollo 17: December 11, 1972 自己紹介 大澤五住, Izumi Ohzawa 生命機能研究科 (基礎工学部) 教授 専門: 視覚の神経科学 Ph.D., Univ. of California, Berkeley, 1986 研究に少しは関連した道草的興味: ソフトウエア・ハードウエア開発 (iPhone, Cocoa, web、 電子論文管理、電子工作、実験システム) 英語の学習法 趣味: Jazzを聞く、Mazda Roadster 住んだ場所(年数): 飛騨高山 (18)、名古屋 (4)College Park, Maryland (1)Berkeley, California (21)、 大阪 (8) 連絡先: 6850-6520 (直通)、 基礎工JJ214 [email protected] http://ohzawa-lab.bpe.es.osaka-u.ac.jp/ 好きなX: 魚, Italian, タイ料理, Unix, MacOS X, 嫌いなX: ゴルフ場, タバコとそれを製造販売するX, Windows, 他に担当している主な授業 H212009年度 単独で: 「生体計測学」 基礎工学部 3年次、前期 「生物情報論」 基礎工学部 3年次、後期 基礎セミナー 「英語の科学番組をインターネットで聞く」 共通教育 1年次、前期 分担している授業: 「視知覚と認識の神経基盤」(英語講義)H1のみ(木4) (Neural Basis of Visual Perception and Cognition) 担当教員

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環境科学の基礎

NASA -- Apollo 17: December 11, 1972

自己紹介 大澤五住, Izumi Ohzawa 生命機能研究科 (基礎工学部) 教授

専門: 視覚の神経科学  Ph.D., Univ. of California, Berkeley, 1986

研究に少しは関連した道草的興味:   ソフトウエア・ハードウエア開発 (iPhone, Cocoa,   web、 電子論文管理、電子工作、実験システム)  英語の学習法

趣味: Jazzを聞く、Mazda Roadster

住んだ場所(年数): 飛騨高山 (18)、名古屋 (4)、     College Park, Maryland (1)、     Berkeley, California (21)、 大阪 (8)

連絡先: 6850-6520 (直通)、 基礎工J棟 J214      [email protected]      http://ohzawa-lab.bpe.es.osaka-u.ac.jp/

好きなX: 魚, Italian, タイ料理, Unix, MacOS X, 嫌いなX: ゴルフ場, タバコとそれを製造販売するX, Windows,

他に担当している主な授業

H21/2009年度

単独で: ● 「生体計測学」 基礎工学部 3年次、前期

● 「生物情報論」 基礎工学部 3年次、後期

● 基礎セミナー 「英語の科学番組をインターネットで聞く」         共通教育 1年次、前期

分担している授業:   「視知覚と認識の神経基盤」(英語講義)H21のみ(木4)   (Neural Basis of Visual Perception and Cognition)

担当教員

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講義スケジュール

H21/2009年度

1.10月 7日:イントロダクション(大澤五住:生物) 2.10月14日:「An Inconvenient Truth:不都合な真実」の認識(大澤五住:生物) 3.10月21日:地球規模の環境問題に関するDVDを見る(大澤五住:生物) 4.10月28日:フィッシャー・アーサー周期とミランコビッチ周期の爪痕

(大垣一成:化学工学) 5.11月11日:人間活動が地球環境に及ぼす影響(大澤五住:生物) 6.11月18日:脳の発達と環境(村上富士夫:生物) 7.11月25日:複雑系科学の立場からみた気候変動と温暖化(野村泰伸:生物) 8.12月 2日:環境問題とセンシング(大城理:生物) 9.12月 9日:地球環境保全に貢献するロボット・メカトロニクス

(新井健生:電子システム) 10.12月16日:環境問題に関するデータ解析手法(飯國洋二:電子システム) 11. 1月 6日:マルチエージェントシステムによる環境シミュレーション

(岩井儀雄:電子システム) 12. 1月13日:環境問題に対するシステム計画アプローチ

(乾口雅弘:電子システム) 13. 1月20日:エネルギー・環境問題と情報システム(伊藤京子:電子システム) 14. 1月27日:温暖化対策と京都議定書(佐藤宏介:電子システム) 15.  2月 3日:予備日

目標

● 環境問題に関する基礎を学ぶ    どんな問題が起っているのか? 何が行われているか    (授業で扱えるのはほんの一部)

● 環境問題について考える力を養う    複雑にからみあった要素間の関係

● 英語で環境問題と自分の専門について専門外の人と    語る能力を身につける決意と、実践開始。    (当然、日本語でも) 

● 自分の考えを持つ、自分が貢献できる所を考える

私が思う大事な事

● 「想定外でした」という言葉を決して言わなくてもすむように

● 権力/権威/メディア/専門家を簡単には信じない。   ネットはもちろんのこと、TV、新聞等大手メディアも含めて   (私が言う事にも疑いを持て!)

● 情報のソースや仮定を意識する、見る、調べる   (最後の数値だけを鵜呑みにしない)

● 理系であることに自信をもって:      「複雑なものを別の見方でイメージする力」     「できるはずだという信念/判断力」

成績評価

出席とポートフォリオ記入内容 (40%) 期末レポート (60%)

レポートの課題および内容等:  今日のプリントを見て下さい。

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レポート提出法

今日の配布物に書いてあります

指定のレポート表紙を使用し、必要事項を明記すること。表紙のファイル(WordまたはPDF)は下記のURLからダウンロードできます。

http://ohzawa-lab.bpe.es.osaka-u.ac.jp/classes/EnvSci2009/

提出期間:2009年2月1日~2月10日(水曜日)午後5時 提出場所:基礎工学部J棟3階 J310号室入口横レポート提出箱 No. 3

レポート評価者:レポート評価を担当して欲しい教員を1名または2名表紙に記入すること。2名指定した場合はコピーをして計2部のレポートを提出すること。レポート点は2名の点数の平均とします。

不正行為

1. 他者のレポートの丸写しは不正行為です。酷似した内容のレポートが複数発見された場合は、レポート点は該当者全員の人数で割った点数とします。写した者にも写させた者にも責任がありますので、同様に減点します。

2. Web等のネットや書籍、その他の出版物の内容の流用や「出典を明記しない引用」も重大な不正行為であり、「引用」とは見なされません。自動的に盗作になります。このようなレポートを提出した者には厳重に対処します。他人の創作物(図もテキストも)を利用した場合は、引用部分が分かるように、テキストであれば、""、「」、あるいはインデント等により引用箇所を明示し、レポートの末尾に参考文献リストを付けること。図や写真の場合も図の直下あるいは最寄りのテキストにソースを明示すること。

引用の方法(例) 本文中で:

..... このような特性を持つ両眼視差検出器を、図4Bの運動エネルギーモデルと同様の回路構造により実現することができる(Ohzawa et al. 1990, 1997)。 .....

参考文献:

5. Ohzawa I, DeAngelis GC, and Freeman RD. Stereoscopic     depth discrimination in the visual cortex: neurons ideally     suited as disparity detectors. Science 249: 1037-1041,     1990.

 論文: (著者名、タイトル、雑誌名、巻、ページ範囲、年)  本の場合: (著者名、タイトル、出版社、都市、ページ範囲、年)                 (著者名以外の順序は変わっても良い)

6. 著者名、http://ohzawa-lab.bpe.es.osaka-u.ac.jp/abcd.html

目標 ● 環境問題に関する基礎を学ぶ

   どんな問題が起っているのか? 何が行われているか    実際の例を見て行く: 授業で扱えるのはほんの一部

   この講義を担当する教員は環境問題の専門家ではない     (おそらく、大垣先生以外は)

   一人の人間が環境問題に関係する全てに精通はできない     (環境技術の開発から外交、国際協力まで)

   地球に住む一員として、誰もが興味をもって関わる必要     (専門家だけにまかせてしまってはいけないのでは?)

   究極の「教養教育」 : 自分で一生

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目標 ● 環境問題について考える力を養う

   複雑にからみあった要素間の関係

   善かれと思ってやったことが、別の問題を引き起こす:      その例

   利害の対立: 国際紛争・戦争

   経済的な問題: 避けて通れない: 政策、 税制

   問題にフタ、先送りをする (An Inconvenient Truth)

   後半:情報技術の活用:シミュレーション       大事な要素がシミュレーションに入っているか?       (「想定外でした」では困る)

目標 ● 英語で環境問題と自分の専門について専門外の人と   語る能力を身につける決意と、実践開始。当然、日本語でも

    なぜ: 地球環境の話しなのに、        日本で閉じていて良いわけがない

    コミュニケーション能力:        自分の研究を専門家に理解させる        専門家ではない人に説明/説得する

    今日から始める:        全ての好きな科目を英語で理解し、説明できるか?         (労力は2倍にはならない)    

    もちろん、環境問題の話しだけでなくて、すべて。

目標

● 自分の考えを持つ、自分が貢献できる所を考える

    この授業を取った動機?

    英語が出来ても、言いたい事がなかったら悲しい       (Articulate: 考えを持つ事 = 言語が出来る)

    You are what you do, not what you speak. (後で)

    You are what you speak, not what you think.     (誰か言っているかは知らないが、ボクはこれを強調したい。)

Earthrise: Modern Environment Movement

Earthrise, 1968 December 24

Earthrise is the name given to NASA image AS8-14-2383, taken by astronaut William Anders during the historic Apollo 8 mission, the first manned voyage to the Moon. (Wikipedia)

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Modern Environment Movement

NASA -- Apollo 17: December 11, 1972

どんな問題があるか? 1.地球温暖化 2.大気汚染 3.Ozone Hole (紫外線、皮膚ガン) 4.水不足、食料不足 5.中国とインド(人口、加速化する経済発展、この2国の人々が皆車を持ったら?) 6.生態系の容量を超える人間の環境負荷、生態系の破壊 7.原子力発電にすればいいのか?ダムの建設? 8.伝染病の蔓延(蚊:マラリア、SARS、鳥インフルエンザ) 9.家畜飼育でのホルモン剤、抗生物質の投与:食物の汚染、糞尿による環境汚染 10.地下水の枯渇、大量取水、湖の消滅 11.熱帯雨林の消滅、砂漠化 12.Catrina (New Orleans):ハリケーン・台風の強大化、 13.北極/南極、グリーンランドの氷、ヒマラヤ等の氷河の消滅 14.北極グマの絶滅(溺れる北極グマ) 15. 海面上昇とモルディブ等の国土消滅、低海抜地区の水没 16. バイオ燃料 17. 環境技術、環境政策、規制、税制、その副作用、かかるお金をどうするのか? 18. ナノテクノロジー、安全性 19. 種の絶滅(海、陸、空)、越前クラゲ大量発生、マグロの枯渇、 20. 難民、難民の流入、水・食料を求めた人の移動、内戦、国際紛争、民族紛争 21. 京都議定書 (Kyoto Protocol)、国際会議、

Bioenergy Biofuels Bioethanol(失敗例?)

http://www.ers.usda.gov/multimedia/EthanolMay2007/

Bioethanol from Corn

http://www.ers.usda.gov/multimedia/EthanolMay2007/

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風が吹けば桶屋がもうかる?

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1. 大風で土ぼこりが立つ 2. 土ぼこりが目に入って、盲人が増える 3. 盲人は三味線を買う(当時、三味線は盲人が弾いた) 4. 三味線に使う猫皮が必要になり、ネコが殺される 5. ネコが減ればネズミが増える 6. ネズミは桶を囓る 7. 桶の需要が増え桶屋が儲かる

バイオ燃料補助金    食料危機?

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1. CO2の放出を削減したい 2. Biofuels: Carbon NeutralなRenewable Energy     (再生可能なエネルギー源) 3. 政府が補助金を出す (US: , UK: 550M ポンド/年) 4. 穀物の燃料としての需要増加    大豆からトウモロコシへの作物転換

(食用穀物の燃料利用を禁止すればよいのか?)    熱帯雨林を開墾して、トウモロコシ畑にする

Deforestation (森林破壊) 5. 国際市場での大豆からトウモロコシの価格上昇 6. 食料を買えなくなる国、人々 7. 食料危機

バイオ燃料:World Bankレポート 2008

http://econ.worldbank.org/

バイオ燃料:World Bankレポート 2008

http://econ.worldbank.org/

Biofuels offer a potential source of renewable energy and could lead to large new markets for agricultural producers.

However, few current biofuel programs are economically viable, and most have social and environmental costs:

● upward pressure on food prices, ● intensified competition for land and water, ● and possibly deforestation.

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バイオ燃料:World Bankレポート 2008

http://econ.worldbank.org/

Biofuels offer a potential source of renewable energy and could lead to large new markets for agricultural producers.

However, few current biofuel programs are economically viable, and most have social and environmental costs:

● upward pressure on food prices, (食料の価格上昇) ● intensified competition for land and water, (水と土地) ● and possibly deforestation. (森林破壊)

Renewable Energy

Source(1963)

1. CO2の放出を削減したい 2. Biofuels: Carbon NeutralなRenewable Energy     (再生可能なエネルギー源)

化石燃料: 数千年以上の間地下に蓄えられていた炭素を含む燃料 – 燃焼によりCO2放出

Biofuels: 植物が成長過程で空気中のCO2を吸収する       CO2の収支がプラスマイナスでゼロ

      Carbon-neutral

Bioethanol Biodiesel 生産国

.

作付け面積: 大豆からトウモロコシへ

USDA: http://www.ers.usda.gov/Publications/FDS/2007/05May/FDS07D01/fds07D01.pdf

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作付け面積: 大豆からトウモロコシへ

USDA: http://www.ers.usda.gov/Publications/FDS/2007/05May/FDS07D01/fds07D01.pdf

2006年

2016-2017 予測

トウモロコシ価格の推移

USDA: http://www.ers.usda.gov/Publications/FDS/2007/05May/FDS07D01/fds07D01.pdf

Deforestation (森林破壊)

William F. Laurance, Science 318: 1728, (2007)

環境問題

経済問題

個人の意識 社会の良識

政治問題 文化 ライフスタイル 哲学 倫理 ルール

だれに投票するか 何を重点政策とするか

何を買うか どの会社に投資するか

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Severn Suzuki (12) Speech, Earth Summit, Brazil 1992

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