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私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウンシュヴァ イク領邦教会の社会部助祭司でした。 この写真は2018年のブラウンシュヴァイク地方における「ヨーロッパ・アクション・ウイーク チェルノブイリとフクシマ後の未来のために」の企画の際の集合写真です。この企画は地方司祭 マインス司祭に後援者になっていただきました。 教会の観点から教会関連の活動について報告します。 ルーテル福音ブラウンシュヴァイク領邦教会と日本のルーテル福音 教会の50年にわたるパートナーシップはここでは大きな役割を果たし ています。 この写真は、パートナーシップ50年記念で小柴司祭と供に来独された 日本からの派遣団訪問のときのものです。 2018年独日グループについての報道。 上中の写真はブラウンシュヴァイクのマインス司祭と小柴司祭によるフェッチェルデでのミサの ときのものです。 他の2枚の写真はブラウンシュヴァイクの大聖堂における宗教改革ミサの時のものです。説教はヒ ルデスハイム司教区のカトリック司祭が行いました。小柴司祭とマインス司祭は、その際、短い 講話をいたしました。 私の発表は以下の内容になります。 1) 地理的な位置、見るべきもの、知るべきこと、 2) ヒロシマとフクシマを含むブラウンシュヴァイク地方の世界核遺 産における「核時代の魂の救済」のミサ 3) 日本からのゲスト、日本識者を招いてのイヴェント、発言、講演、 学校訪問、メデイアとの接触。 4) 教会関係者による、フクシマやと東京オリンピックに関するこれまでのアクション。 5) 東京オリンピック2020の年の企画。 写真でご説明しましょう。 これはドイツ全体です。赤い色はニーダーザクセン州です。これが旧 ブラウンシュヴァイク公爵領です。現在はブラウンシュヴァイク大地 方連合またはブラウンシュヴァイク地方と呼ばれます。 このブラウンシュヴァイク地方にはギフトホルン、ブラウンシュヴァ イク、ヴォルフェンビュッテル、ヴォルフスブルクという街があり、 ザルツギターには放射線防護庁があります。この放射線防護庁から 2018年からパイネに連邦最終処分場協会、ザルツギターにはベルリン

私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウン ......私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウンシュヴァ

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Page 1: 私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウン ......私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウンシュヴァ

私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウンシュヴァ

イク領邦教会の社会部助祭司でした。

この写真は2018年のブラウンシュヴァイク地方における「ヨーロッパ・アクション・ウイーク

チェルノブイリとフクシマ後の未来のために」の企画の際の集合写真です。この企画は地方司祭

マインス司祭に後援者になっていただきました。

教会の観点から教会関連の活動について報告します。

ルーテル福音ブラウンシュヴァイク領邦教会と日本のルーテル福音

教会の50年にわたるパートナーシップはここでは大きな役割を果たし

ています。

この写真は、パートナーシップ50年記念で小柴司祭と供に来独された

日本からの派遣団訪問のときのものです。

2018年独日グループについての報道。

上中の写真はブラウンシュヴァイクのマインス司祭と小柴司祭によるフェッチェルデでのミサの

ときのものです。

他の2枚の写真はブラウンシュヴァイクの大聖堂における宗教改革ミサの時のものです。説教はヒ

ルデスハイム司教区のカトリック司祭が行いました。小柴司祭とマインス司祭は、その際、短い

講話をいたしました。

私の発表は以下の内容になります。

1) 地理的な位置、見るべきもの、知るべきこと、

2) ヒロシマとフクシマを含むブラウンシュヴァイク地方の世界核遺

産における「核時代の魂の救済」のミサ

3) 日本からのゲスト、日本識者を招いてのイヴェント、発言、講演、

学校訪問、メデイアとの接触。

4) 教会関係者による、フクシマやと東京オリンピックに関するこれまでのアクション。

5) 東京オリンピック2020の年の企画。

写真でご説明しましょう。

これはドイツ全体です。赤い色はニーダーザクセン州です。これが旧

ブラウンシュヴァイク公爵領です。現在はブラウンシュヴァイク大地

方連合またはブラウンシュヴァイク地方と呼ばれます。

このブラウンシュヴァイク地方にはギフトホルン、ブラウンシュヴァ

イク、ヴォルフェンビュッテル、ヴォルフスブルクという街があり、

ザルツギターには放射線防護庁があります。この放射線防護庁から

2018年からパイネに連邦最終処分場協会、ザルツギターにはベルリン

Page 2: 私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウン ......私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウンシュヴァ

と共同の連邦核技術最終処理安全庁が設置されました。ブラウンシュ

ヴァイクには物理・技術連邦局の支局もあります。

ブラウンシュヴァイク地方とその周辺には放射性廃棄物処分場と医療

放射性物質を製造し放射性廃棄物を再処理する会社があります。

そのため、私たちの地方では、市民団体が連携してこの地方を世界核

遺産ブラウンシュヴァイク地方と名付けました

放射性廃棄物処分場は住民の不安という観点からは影響なしというわ

けにはいきません。

教会も社会の一員として、影響を受ける当事者としても、態度を表明

しなければなりませんでした。住民を落ち着かせるという役割も部分

的にはありましたが、とりわけ自らより深く情報を集めなければなり

ませんでした。

魂の救済のための教会の役割は普通匿名による対話によって行われますが、ミサや礼拝において

も行われます。

核に関する心配や恐怖という特殊な魂の救済を私は「核時代の魂の救

済」と名付けています。

「自然放射線と人工放射線」についての広範囲にわたる情報は新たに

発足した「放射線防護定例会」でも話し合われます。

無論、私たちはこの放射性廃棄物処理立地だけを憂慮しているわけで

はありません。

チェルノブイリとフクシマは、その影響が私たちのところまで及び、

私たちの気持ちは被災地の人たちのところまで行きつくのだというこ

とがはっきりとわかりました。

それで、ブラウンシュヴァイク地方ではチェルノブイリとフクシマというテーマが私どものアク

ションに大きな意味を与えています。とくに、このテーマについて一般的関心が減っているから、

なおのことです。

2013年から私たちはフクシマ正午の祈りに、とりわけ中高生を招待しています、たいていの場合、

語り部が来たり、最新の情報を提供したりします。

2018年のフクシマ正午の祈りは地方司祭マイエ

ンスが短い講話をしました。

田口理穂さんがこのとき16歳の福島出身の高校生のビデオメッセージ

を見せて下さいました。

Page 3: 私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウン ......私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウンシュヴァ

ドイツの中高生たちはこの正午の祈りの前にフクシマのテーマについて準備し、自分たち自身で

祈りの言葉を書いてきました。

このフクシマ正午の祈りと併行して教会では「放射能」と「オリンピ

ック」をテーマにしたおしどリケンさんの作品の小さな展示を行いま

した。

展示といえば、べノ・ダールホフの展覧会もありました。このチェル

ノブイリとフクシマの十字架展について語らないわけにはいきません。

この展覧会はチェルノブイリ30年、フクシマ5年に合わせて2016年に

ゾーストで2017年にヴォルフェンビュッテルで展示されました。

さらなる展示が予定されています。

この展覧会の開催に合わせて、桂木忍さんが参加、ニーダーザクセン

州内務省の次官であるイェルク・レーアマン氏も来られました。彼は

2017年の後援者でした。この展覧会の作品はインターネットでも観る

ことができます。

(https://kreuzvontschernobylundfukushima.wordpress.com/)

チェルノブイリの日にはこの展覧会に関して記念郵便局が出張、

記念消印が押された記念封筒が売られました。

この美しい封筒、個性ある切手、記念消印のアイデイアとデザインは

ベノ・ダルホフ氏によります。

ヴォルフェンビュッテルの聖トーマス教会でのフクシマとヒロシマに

捧げる日曜ミサ後、日本の音楽演奏と教会の庭のイチョウの木の周り

でのアクション

Für immer wieder neue (und seltene) Informationen über Japan im

Zusammenhang mit Fukushima informieren uns die Japan-Kenner:

Miranda Alice Schreurs (mit Riho Taguchi und Eva Stegen); Prof. Dr. Steffi

Richter Dr. phil. Andreas Singler

日本識者をご招待し、フクシマに関する、ときに稀有な情報をもらい

ます。ミランダ・アリス・ショイアース氏(田口理穂さんとエーフ

Page 4: 私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウン ......私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウンシュヴァ

ァ・シュテーゲンさんとともに)シュテフィ・リヒター、アンドレア

ス・ジングラー。

ここでは、みなさんのお知り合いの方がみえるかもしれませんね。日

本からのお客様には即私どもの所へいらしていただき、対話や、講演

や学校訪問で皆さまの経験を伝えていただき、さらに世界核遺産・ブ

ラウンシュヴァイク地方について語り、放射性廃棄物処分場インフォ

メ―ション・センターを訪問したり、時間があれば、鉱山の見学もし

ます。

運が良ければアクションはメデイアに伝わり、もっといい場合、守田

敏也さんの場合のようにゲスト客論としてコメントが発表されること

もありました。

ブラウンシュヴァイク在住の国本隆史には記者会見してもらうこと

ができました。国本さんの話は新聞の両面では読み終われません。

この新聞は記者会見を足掛かりに他からの情報を加えて報道していま

す。

.

私にはチェルノブイリのショックがまだしっかりと残っていて、他の

人のように簡単に日常生活に戻り、あの事故がまるでなかったかのよ

うに過ごせることが理解できません。チェルノブイリ原発事故後30年

の節目に私は「忘却に逆らおう」というプロジェクトを開始、「チェル

ノブイリの記憶」を集め始めました。最初はブログで、次に19件のさ

まざまな原稿は本となり、多言語に翻訳されています。

桂木忍さんは「チェルノブイリとフクシマ」の関係を明確に表現しています。彼女はチェルノブ

イリの現在はフクシマの未来だと言いました。

ブラウンシュヴァイク地方での「ヨーロッパ・アクション・ウイー

ク・チェルノブイリとフクシマ後の未来のために」は二つの原発事故

の被害者を追悼することや、事故のみちびく論理的帰結・再生エネル

ギーをテーマにしています。2019年には「2020年オリンピックとフク

シマ」というテーマを提起しました。

フクシマ原発事故以来、ヴォルフェンビュッテルでは毎月第一月曜に

警告集会を行っています。重点はこの地方の問題である「核のゴミ」

ですが、2019年3月にはフクシマと東京オリンピック2020の問題も扱う

ように要請されました。

Page 5: 私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウン ......私の名前はパウル・コッホです。私はルーテル福音ブラウンシュヴァ

ブラウンシュヴァイク・平和センターとの共同作業で、ブラウンシュ

ヴァイクでの土曜デモに参加しました。ヒロシマ・デーでは「オーカ

ー河にろうそくを100本」という平和センターのアクションに参加し、

ここでも声明を発表しました。

「桜の花、日出国だけでない日本。2020年オリンピック開催国」 と

いうタイトルで教会の日本部会は成人教育部会と共同で、日本をより

身近に感じてもらう企画をいくつが準備しています。

私たちの催しものではいつも寄付を募っています。チェルノブイリと

フクシマの子供たちのためにです。プログラムの中にはほとんどの場

合チャリティーコンサートを行っています。

寄付金の箱や他からの寄付を合わせて2019年には544,34ユーロが

フクシマの子供たちのために集まりました。チェルノブイリの子供

たちのためにも同じような金額が集まっています。

- .

2020年のアクションはもちろん、伝統的なプログラム内容が先行しま

す。黙とう、正午の祈り、ミサ、チャリティーコンサートです。現在

次のようなアクションが予定されています。

・樋口健二氏の写真展(さよならニュークス・デユッセルドルフとの共同主催)

・「フクシマ後の日本での報道の自由」についての講演と議論(国境なき記者団)

・「1959年5月28日の国連決議の批准」についての議論(WHO は IAEA の許可なしに放射能

について報告できない)、コッテイング・ウール氏(承諾済)や IPPNW、そしてシェルプ博

士(予定)

ご清聴ありがとうございました。