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こうしたニッケルの需要増加によ って、 ニッケル鉱の採掘と製錬に必 要なエネルギーが増えるでしょう。 しかし、 ニッケルは消失する ことなく使い続けることができます。 社会に取り入れられたニッケルは資源として失われず、 リサイクルにより将来何世代にもわた って使用する ことができるのです。リサイクルをするため、 最初に ニッケルの生産に用いられたエネルギーへの投資が、 ニッケル含有ステンレス鋼や高ニッケル合金の生産を通じて回収可能となります。 ニッケル産業は低炭素経済の実現に貢献 ニッケルはあらゆる低炭素技術に不可欠な重要素材 将来のエネルギー需要に対応し、 炭素削減の公約を果たすためには、 どのシナリオを 選択しても、 現在のエネルギー構成に比べてニッケルの重要性はより高まる 気候変動 地球温暖化は今日の世界が直面している大きな問題のひとつです。人口増加によってエネルギーの需要が 増え、 それに関連する炭素排出量も上昇する一方です。同時に生活水準が向上したことで、 1人当たりの 使うエネルギーの量も増加しています。ニッケル含有素材、特にステンレス鋼は 再生可能エネルギーの生成に 重要な役割を果たし、 地球温暖化への取り組みとしてクリーンな電力を生み出す大きな力となっています。 この3つのシナリオのどれを用いても、 約50-85%の炭素が削減できますが、 現在の発電に比べると 金属の使用が大幅に増加します。 50-85% 2050年までのニッケル需要の増加 現在の エネルギー構成 炭素の回収と 貯留(CCS) 非化石エネルギー 構成 IEAブルーマップに示されたCCSと 非化石エネルギーの組み合わせ 2050 50% 100% 150% 250% 炭素の回収・ 貯留(CCS) 1. 低炭素 エネルギー源 2. IEAブルー マップ戦略 3. ニッケルが解決に一役 シナリオ 2050年までに二酸化炭素削減目標を達成し、 増大するエネルギー需要に対応するため、 いくつかの技術シナリオが協議されています。 こうした 気候変動緩和のためのいずれの選択肢にもニッケルは用いられています。 そのため、今後ニッケルの需要が増加することは間違いないでしょう。 1 二酸化炭素

Climate change infographic JAPAN-V5こう したニッケルの需要増加によ って、 ニッケル鉱の採掘と製錬に必要なエネルギーが増えるでし ょ う。

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Page 1: Climate change infographic JAPAN-V5こう したニッケルの需要増加によ って、 ニッケル鉱の採掘と製錬に必要なエネルギーが増えるでし ょ う。

こう したニッケルの需要増加によ って、 ニッケル鉱の採掘と製錬に必要なエネルギーが増えるでし ょ う。 しかし、 ニッケルは消失する ことなく使い続けることができます。社会に取り入れられたニッケルは資源として失われず、 リサイクルにより将来何世代にもわた って使用する ことができるのです。 リサイクルをするため、 最初にニッケルの生産に用いられたエネルギーへの投資が、 ニッケル含有ステンレス鋼や高ニッケル合金の生産を通じて回収可能となります。 

ニッケル産業は低炭素経済の実現に貢献ニッケルはあらゆる低炭素技術に不可欠な重要素材

将来のエネルギー需要に対応し、 炭素削減の公約を果たすためには、 どのシナリオを選択しても、 現在のエネルギー構成に比べてニッケルの重要性はより高まる

気候変動

地球温暖化は今日の世界が直面している大きな問題のひとつです。 人口増加によってエネルギーの需要が増え、 それに関連する炭素排出量も上昇する一方です。 同時に生活水準が向上したことで、 1人当たりの使うエネルギーの量も増加しています。 ニッケル含有素材、 特にステンレス鋼は 再生可能エネルギーの生成に重要な役割を果たし、 地球温暖化への取り組みとしてクリーンな電力を生み出す大きな力となっています。

この3つのシナリオのどれを用いても、 約50-85%の炭素が削減できますが、 現在の発電に比べると金属の使用が大幅に増加します。50-85%

2050年までのニッケル需要の増加

現在のエネルギー構成

炭素の回収と貯留(CCS)

非化石エネルギー構成

IEAブルーマップに示されたCCSと非化石エネルギーの組み合わせ

205050% 100% 150% 250%

炭素の回収 ・ 貯留(CCS)1. 低炭素

エネルギー源2. IEAブルーマップ戦略3.

ニッケルが解決に一役シ

ナリオ

2050年までに二酸化炭素削減目標を達成し、 増大するエネルギー需要に対応するため、 いくつかの技術シナリオが協議されています。 こうした気候変動緩和のためのいずれの選択肢にもニッケルは用いられています。 そのため、今後ニッケルの需要が増加することは間違いないでしょう。

1

二酸化炭素

Page 2: Climate change infographic JAPAN-V5こう したニッケルの需要増加によ って、 ニッケル鉱の採掘と製錬に必要なエネルギーが増えるでし ょ う。

ニッケル協会[email protected]

@NickelInstitute

出典:

CCSは炭素を回収し、 それを環境に放出しない形で固定するというものです。 炭素を 「固定する」 作業としては腐食性高圧雰囲気や極高温などがありますが、 それらを最適に管理するため高ニッケル合金やニッケル含有ステンレス鋼が使用されます。

貯留

輸送

炭素の回収 ・ 貯留(CCS)

ニッケル含有ステンレス鋼やニッケル合金は、 風力、 太陽光、 水力発電、原子力発電などの低炭素エネルギーの生成に極めて重要な役割を果たしています。 また、 非常に高い耐久性と耐食性を備えた素材を必要とする、 再生可能エタノールの生産にも用いられています。

低炭素エネルギー源

国際エネルギー機関 (IEA) が作成したブルーマップシナリオは、 2050年までに温暖化ガスの排出量を(2005年を基準として)半減させるという戦略の評価を行いました。このシナリオでは、 最も低コストでその目標を達成する方法として、 既存技術と新しい低炭素技術の組み合わせとCCSを広く用いる方法を検証していますが、 いずれもニッケル含有ステンレス鋼やニッケル合金が必要になります。

IEAブルーマップ戦略 32%

25%

24%

13%

6%

1.

3.

2.風力

原子力発電

アクティブ・パッシブ両方の太陽光エネルギー

水力発電

バイオマス

化石燃料とCCS

風力 ・ 太陽光エネルギー

原子力エネルギー

水力発電

バイオマス

本資料は読者への一般情報提供を目的としており、然るべき助言を確保せずして、如何なる特定の目的或いは用途のために使用若しくは依拠されるべきではない。本資料は専門的に見て正確であると信じられるものではあるが、ニッケル協会と同会員、同職員およびコンサルタントはあらゆる一般的な若しくは特定の目的のための適合性について何ら表明若しくは保証するものではなく、また本資料に示される情報に関して如何なる種類の義務若しくは責任を負うものではない。 2017年 無断複写・転載を禁じます。

二酸化炭素

二酸化炭素の貯留施設

Lor

二酸化炭素の排出

2

Kleijn R, et al., Metal requirements of low-carbon power generation, Energy (2011), doi:10.1016/ j.energy2011.07.003International Energy Agency. Energy technology perspectives. Paris: EIA; 2008

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NiNickel

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二酸化炭素 二酸化炭素

注:アクティブソーラーとは太陽熱を取り込むのに動力を使って機械的に行うシステムを言い、そうでないものをパッシブソーラーと呼ぶ。