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方形波発振器の結合 2003 / 3 / 17 三回生課題演習 B8 後期 理学部 学生番号1912 橋坂 昌幸

方形波発振器の結合 - 京都大学 · 4. 実験Ⅱ:結合した場合の出力波形 4.1 実験方法 次に、二つのs.w.g を用意し、それらを抵抗によって下図2のように結合して、この場

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方形波発振器の結合

2003 / 3 / 17

三回生課題演習 B8 後期

理学部 学生番号1912 橋坂 昌幸

Page 2: 方形波発振器の結合 - 京都大学 · 4. 実験Ⅱ:結合した場合の出力波形 4.1 実験方法 次に、二つのs.w.g を用意し、それらを抵抗によって下図2のように結合して、この場

1. abstract

自然界の結合振動子系をモデル化したものとして方形波発振器を取り上げて調べた。特

に、今回はオペアンプの出力同士をつなげ、その場合にも引き込み同調現象が起こること

を確かめ、単体の場合の発振器の挙動との比較を行った。

2.introduction

電気回路は歴史的によく研究されていることからモデル方程式との対応を考えやすい対

象である。そのため、自然現象を電気回路によってモデル化するという考え方が古くから

ある。例えば自然界には様々な興味深い振動子があるが、適当に物理量を対応させること

によって、それらを簡単な方形波発振器(以下 S.W.G)にモデル化することができる。

ところで自然界にある多くの振動子について、複数の振動子を結合することによって興

味深い非線形現象が観測されることが知られているが、今回の実験ではそのような自然界

にある結合振動子系の現象を意識して、S.W.G の結合系について実験を行い、そこに現れ

る現象を観測した。特に、振動子の特徴的な量である周波数について注目し、S.W.G 単体

の場合と、結合系の場合の比較を行った。

3. 実験Ⅰ:S.W.G 単体の周期と周波数

3.1 周期と周波数の理論値

左図1は S.W.G の回路図である。この回路におい

て、オペアンプは理想的には V0として、

V0 = E sgn(V+-V) (1.1)

を出力する。

V1+は抵抗 Rfおよび Rs によって決まり、

00fs

s ßVVRR

RV =

+=+ 

(1.2)

0 < β < 1 (1.3)

図1. S.W.G 回路図

また、V は時刻tの関数であり、V0が-E から+E に入れ替わる瞬間をt=0 とすると、

次に V0の値が入れ替わる時刻t=T/2 までの V の式は、

V(t) = dtdV

RCE −

初期条件 V(0) = -βE (1.4)

Page 3: 方形波発振器の結合 - 京都大学 · 4. 実験Ⅱ:結合した場合の出力波形 4.1 実験方法 次に、二つのs.w.g を用意し、それらを抵抗によって下図2のように結合して、この場

なる微分方程式を解いて得られ、

V(t) = E - ( 1+β)E e-t/ RC (1.5)

である。逆に V0がt=0に+E から-E に入れ替わると置いても同様に V を求めることが

できる。

これより、V0が-E から+E に入れ替わる瞬間から、次に-E から+E に入れ替わる瞬

間までを方形波 V0の周期 T と考えることにすると、この方形波の周期 T 及び周波数fは、

ß1ß1

2RClogT−+

= (1.6)

T1

f = (1.7)

となる。

これらの式を確かめるために、まず実際に図1の回路を組み、その周期と周波数をオシ

ロスコープで V0及び V を観測することで測定し、理論値(1.6)(1.7)との比較を行った。

各抵抗、及びコンデンサーには次のものを用いた。

R・・・可変抵抗器

Rf =81.3kΩ , Rs =480kΩ , C = 0.47μF

3.2 実験Ⅰ結果、及び考察

式(1.6)及び(1.7)で求めた周期 T 及び周波数fの理論値と、オペアンプの出力 V0及び入

力 V で実際に測定した値を示したものが次の図2である。

図2.S.W.G 単体の周期と周波数

周波数fの理論値と測定値

0123456

0 100 200 300 400 500抵抗R(Ω)

周波

数f(

Hz)

周波数f理論値 Voで測定したf Vで測定したf

周期Tの理論値と測定値

0200400600800

10001200

0 100 200 300 400 500抵抗R(Ω)

周期

T(m

s)

周期Tの理論値 Voで測定した周期 Vで測定した周期

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この図より、オペアンプの出力 V0で測定した場合の実験結果は理論値とよく一致してい

るが、入力 V で測定した場合の結果は大きく理論値からずれていることが分かる。

この原因については次のような理由によると思われる。

オシロスコープは理想的には抵抗無限大の測定装置であるが、実際にはその抵抗値は有

限であるから、入力 V で測定している際の回路図は現実には次の図3のようになっている

と考えられる。このオシロスコープの抵抗に電流が流れるために、コンデンサに電荷がた

まる速度は小さくなる。この測定の影響により、入力にオシロスコープをつなげた場合、

周期は長くなり、周波数は小さくなっていると考えら

れる。

このことから、S.W.G の周期や周波数を測定する場

合、出力 V0で測定をした方が測定の影響を小さくでき

ることが分かる。

図3.オシロスコープによる

入力電圧の測定

4. 実験Ⅱ:結合した場合の出力波形

4.1 実験方法

次に、二つの S.W.G を用意し、それらを抵抗によって下図2のように結合して、この場

合のオペアンプの出力波形 V10及び V20を観測した。

図4.S.W.G 結合系の回路図

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この回路では次のような回路素子を用いた。

R1=103.1kΩ R1f =81.2kΩ R1s =480kΩ C1 =0.47μF

R2f = 81.2kΩ R2s =480kΩ C2 = 0.47μF

R2 …可変抵抗器(0~1000kΩ)

Rx…可変抵抗器(0~10kΩ)

4.2 実験Ⅱ結果、及び考察(出力波形)

結合系について回路方程式を用いて考える時、最も簡単な場合は結合抵抗 Rx が0kΩ、

すなわち短絡の場合である。この時、回路方程式より二つのオペアンプの出力は一致して

いると考えることができる。

以下の図5及び図6は二つの S.W.G を短絡した場合の出力波形の結果である。図5は

S.W.G の周波数が比較的近い場合、図6は比較的大きく異なっている場合である。

この結果より、二つの S.W.G の周波数が比較的近い場合にはもとの一つの場合の方形波

と同じ波形だが、大きく異なっている場合には一つの場合とは異なる、より複雑な矩形波

となっていることが分かる。

さらに、図5の方形波の周期及び周波数は、結合する前の周波数の高い方の S.W.G の周期

と周波数に等しくなってい

る。すなわち、この場合、周

期の高い方の S.W.G への強

制引き込み同調になってい

る。

これに対し、図6のような

波形になった場合には周期

と周波数は結合前の2つの

S.W.G のどちらの周波数と

もことなっていて、相互引き

込み同調になっていた。

強制引き込み、あるいは相

互引き込みになった領域につ

いては、図7に示されたよう

になっていた。

図5.R2=108.7kΩ,Rx=0kΩの時の出力波形

-15.00-10.00-5.000.005.00

10.0015.0020.00

1 101 201 301 401 501 601 701 801 901 1001時間t(ms)

電位

(V)

V10 V20

図6.R2=148.7kΩ,Rx=0kΩの時の出力波形

-15.00-10.00-5.000.005.00

10.0015.0020.00

1 101 201 301 401 501 601 701 801 901 1001時間t(ms)

電位

(V)

V10 V20

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このように S.W.G 結合系での

出力は単体の場合に比べはるか

に複雑なものとなっている。単体

の場合には回路方程式から周期

や周波数は計算することが出来

たが、オペアンプの出力が図6の

ような複雑な矩形波になってい

ることから分かるように、2つの

オペアンプの出力に対する入力

の条件が単体の場合と違うもの

となるため、単体の場合と同じ回路方程式から計算することは困難である。従って、まず

は二つのオペアンプの出力に対する入力の条件を求める必要がある。

そこで、二つの S.W.G について、そのオペアンプの出力及び入力を同時に観測し、出力

に対する入力の条件がどのようになっているかを見ると、次の図8、図9のようになって

いた。

これらの図より、結合系でのオペアンプの出力をまとめると、次のようになる。

ⅰ)二つのオペアンプの入力が共に

0VV >− −+ または 0VV <− −+

なる条件を満たすならば、二つの

オペアンプは同じ+E あるいは-E

を出力する。

ⅱ)一方のオペアンプの入力の差の

符号のみが入れ替わった時、もう

一方が出力反転の条件を満たさな

いまま出力が反転する場合と、も

う一方のオペアンプの入力も同じ

条件を満たすようになるまで一定

の電圧降下が起こり両方が同じ条

件を満たすまで出力が反転しない

場合(電圧降下が起こった場合の

出力を aE± とおく。 ( )1a0 << )

の二つの場合がある。

図8.R2=127.4kΩ,Rx=0kΩの場合の入力・出力

-10.00

-5.00

0.00

5.00

10.00

1 101 201 301 401 501 601 701 801 901 1001

時間t(ms)

電位

(V)

V1+ V2+ V1 V2

図9.R2=148.7kΩ,Rx=0kΩの場合の入力・出力

-10.00

-5.00

0.00

5.00

10.00

1 101 201 301 401 501 601 701 801 901 1001時間t(ms)

電位

(V)

V1+ V2+ V1 V2

図7.短絡した場合の強制引き込みと相互引き込み

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

0 0.5 1 1.5結合前の周波数比 f2/f1

f1に

対す

る結

合後

の周

波数

 f/

f1

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オペアンプの出力の条件が分かれば周期と周波数は回路方程式から計算できるが、二つ

の出力に対する入力の条件が異なっている時の場合わけがいかにして決まるのか、あるい

はその時の電圧降下の係数αがどのように決まるのかを理解するには回路方程式とは別の

アプローチが必要である。この二つの疑問点が解決されれば、二つの S.W.G が強制引き込

みになるかあるいは相互引き込みになるかを決定することができ、また相互引き込み同調

の場合の周期も計算することができる。

なお、今までは結合抵抗 Rx が0kΩの場合について見ていたが、Rx が有限の場合も同

じように見ることができると思われる。例えば次の波形はRx=0.538kΩの時のものである。

この結果から分かるように、Rx が有限の値をとる場合にもオペアンプ出力は Rx=0kΩ

の場合と同じようになっている。ただし、二つの S.W.G 間には有限な抵抗値が存在するの

で、二つのオペアンプの入力が異なっていれば出力は別々の値を取りうる。この時の出力

間の電位差は結合抵抗 Rx 及びそこを流れる電流による。

5. 実験Ⅲ:結合による周期と周波数の変化

5.1 実験方法

図4の回路を用い、二つの S.W.G の周期と周波数の測定を行った。

測定は、Rx の値が0kΩ(短絡)、0.538kΩ、1.080kΩ、2.038kΩの四つの場合につ

いて、R2の値を変化させながらオシロスコープで V10及び V20を観測して行った。

図10.R2=191.0kΩ,Rx=0.514kΩ

-15.00

-10.00

-5.00

0.00

5.00

10.00

15.00

20.00

1 101 201 301 401 501 601 701 801 901 1001

時間t(ms)

電位

(V)

V10 V20 V1 V2

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5.2 実験Ⅲ結果、及び考察

前の実験で分かったように、結合系ではオペアンプの出力に対する入力の条件が変わり、

周期と周波数は単体の場合から変化する。この様子を調べた結果が次のグラフである。

図12.Rx=0.538kΩ結合での周波数比f2/f1の変化

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2

結合前の周波数比f2/f1

結合

後の

周波

数比

f2/f

1

図13.Rx=1.080kΩ結合での周波数比f2/f1の変化

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2

結合前の周波数比f2/f1

結合

後の

f2/f

1

図11.Rx=0Ω結合での周波数比f2/f1の変化

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2結合前の周波数比f2/f1

結合

後の

周波

数比

f2/f

1

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これらの結果はいずれの場合にも「悪魔の階段(devil’s staircase)」と呼ばれる同調現象

の特徴的な様子を示している。どの場合にも、1:1、2:1、3:1などに同期する領

域が顕著に表れているが、特に結合抵抗 Rx が小さい場合ほどそれら一つ一つの同期する領

域は広くなり、Rx=0kΩでは(当然ながら)必ず1:1に同期している。逆に Rx が大き

くなっていくとより様々な周波数比での同調が見られたが、各領域は狭くなり、もとの周

波数比からの変化の度合いは小さくなっていった。

これらのグラフを重ね合わせたグラフを次に示す。

図15.異なる結合抵抗Rxの場合のグラフの重ね合わせ

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2結合前のf2/f1

結合

後の

f2/f

1

Rx=0kΩ Rx=0.538kΩ Rx=1.080kΩ Rx=2.038kΩ Rx=3.200kΩ

図14.R=2.038kΩで結合した時の周波数比f2/f1の変化

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2結合する前のf2/f1

結合

後の

f2/f

1

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この図より、Rx が大きくなるとこのグラフは次第に傾き1の直線に近づいていくことが

分かる。これは、Rx を大きくしていくと、抵抗∞、すなわち結合がない場合に帰着するこ

とからも容易に予想することができる。

結合の強さに応じて引き込み同調の安定な周波数比の様子は様々だが、全体として結合

が弱い時には同調は起こりにくく、結合が強くなるに従いファーリーの樹で上のほうに現

れる整数比での同調が強くなっていった。

特定の周波数比での同期が見られたことから、結合系のオペアンプは引き込み同調によ

り系全体が安定となるように出力していると考えられる。すなわち、前の実験で場合分け

された入力の条件と出力について、これらはそれぞれの引き込み同調の起こりやすさと関

連して系が安定となるように選択されていることが考えられる。

5まとめと疑問点

これまでの結果をまとめると、次のようになる。

・図4のような S.W.G の結合系では、オペアンプは実験Ⅱでまとめたような電圧を出力す

る。この時、どの条件が選択されるかということ、及び電圧降下の係数αは回路方程式か

らは求まらない。

ファーリーの樹

sqrp

sr

qp

++

=⊕

0/1 1/1

1/3

1/2

2/3

1/4 2/5 3/5 3/4

分数は引き込み周波数の比を

表す。

上にある分数での引き込みほど

起こりやすい。

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・これら二つの問題は、引き込み同調の起こりやすさと関連し、オペアンプはもっとも系

が安定となるような入力の条件及び出力の大きさを選択する。

・引き込み同調の起こりやすさは、大まかにはファーリーの樹に現れる周波数比に従って

いた。

以上のことが分かっているが、疑問点として次のようなことが残った。

・ 引き込み同調による系の安定性が具体的にどのように表されるか?

・ 電圧降下の係数αがどのように決まるか?

この二つの点、特に引き込み同調による系の安定性を具体的に何らかのパラメーターで

表すことができれば、この系の結合振動子系としての周期及び周波数について理解でき

るであろう。

6予想

上にあげた疑問点を解決するための手段として、次のような方法を考えている。

ⅰ)電流測定によるアプローチ

オペアンプの出力から流れ出る電流を測定することにより、結合抵抗 Rx の値から二つ

のオペアンプの出力間の電位差を論じることができる。

ⅱ)出力波形の観察

図6からも分かる

ように、オペアンプの出

力波形は結合系では電

圧の正負によって非対

称になっている。この電

圧降下による波形の非

対称性は、電源電圧を変

えることにより反転し

て逆に負の側が電圧降

下を起こすことがすで

に観測されている。(図

16)結合抵抗 Rx の値

とこの電源電圧の値の関係による波形の変化を調べることにより、電圧降下の係数αと

系の安定性の関係が分かると予想している。

ⅲ)熱損失からの考察

図16.電源電圧E=6V、R2=198kΩ、Rx=0kΩの時

-6.00

-4.00

-2.00

0.00

2.00

4.00

6.00

1 101 201 301 401 501 601 701 801 901 1001

時間(ms)

出力

電圧

(V)

V10 V20

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系の単位時間あたりの熱損失が最小となる時に系が最も安定となるという現象がある

が、この回路においても安定性がそのような熱損失の面から決まっている可能性がある。

ⅳ)オペアンプの中身の考察

今回の実験の興味の領域を越えることではあるが、実際にはこの系は電子回路である

から、オペアンプの中身まで考慮に入れて考えれば系の振る舞いは原理的には解析でき

ると予想される。

7感想

電子回路のような対象でも、回路方程式を解くだけではなく、別の様々なアプローチが

可能であることが分かり、自由な方法で議論することができることを実感できて、大変興

味深かった。