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部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化 平成 21 6 医薬品評価委員会 統計・DM 部会 発行 医薬出版センター

総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

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部会資料

総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

平成 21 年 6 月

日 本 製 薬 工 業 協 会 E

医薬品評価委員会 統計・DM 部会

発行 医薬出版センター

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目 次

1. はじめに .......................................................................................................................... 1 2. 総括報告書作成に関する実態調査と現状の課題 ............................................................ 2

2.1. アンケート概要 ................................................................................................................. 2 2.2. 総括報告書の実態と作成プロセスの課題 ......................................................................... 2

2.2.1. 回答会社の背景 ......................................................................................................... 2 2.2.2. アンケート結果 ......................................................................................................... 2

3. 総括報告書とは何か ~総括報告書のあるべき姿~ ...................................................... 6 3.1. 総括報告書に関連するガイドラインと規制 ..................................................................... 6 3.2. 総括報告書を取り巻くガイドラインなどの歴史的経緯 ................................................... 8 3.3. 総括報告書のあるべき姿 ~利用者と要求事項~ ........................................................... 9 3.4. あるべき姿実現のためのアプローチ .............................................................................. 10

3.4.1. シノプシスの適正化と CTD2.7.6 作成 ................................................................... 10 3.4.2. 考察と全般的結論(13 章)のあり方について ....................................................... 10 3.4.3. おもに結果部分の本文中(10~13 章)での図表のあり方について ....................... 11

3.5. 総括報告書の品質と品質基準の考え方 .......................................................................... 12 3.5.1. 総括報告書の品質とは ............................................................................................. 12 3.5.2. 総括報告書の品質確認のアプローチ ....................................................................... 14 3.5.3. 結論に対する影響を考えた実践例 ~総括報告書の修正~ ................................... 15

4. 品質を維持し効率よく総括報告書を作成するための方策 ........................................... 16 4.1. プロセスについて ........................................................................................................... 16 4.2. 総括報告書作成上の問題点と原因の分析 ....................................................................... 17 4.3. 総括報告書作成上の問題点に対する改善策 ................................................................... 18

4.3.1. 図表に対する要求事項の明確化 .............................................................................. 19 4.3.2. 図表の設計・開発 .................................................................................................... 20 4.3.3. 優先度付けによる労力の効率的利用 ....................................................................... 22 4.3.4. 図表の標準化 ........................................................................................................... 23

4.4. 解析プログラマの役割 .................................................................................................... 25 5. 終わりに ........................................................................................................................ 28 6. 参考文献 ........................................................................................................................ 29 7. 付録 ............................................................................................................................... 31

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1. はじめに

臨床試験の実施に関わる多くの重要な ICH ガイドラインが施行され,日本の臨床開発はずいぶ

ん様変わりした。1990 年代後半から今日までの約 15 年は激動の 15 年として記憶に残ることで

あろう。日本単独開発が主流であった時代から,ブリッジングによる海外臨床試験データの活用,

国際共同治験への参加による全世界同時申請へと開発計画自体も大きく変化してきた。また,ブ

ロックバスター(年間売上 1000 億円以上)の特許切れにともなう独占的販売権の消失が 2010 年

前後の数年間に集中している,いわゆる 2010 年問題が喫緊の要事となっており,医薬品産業の

研究開発において効率や生産性を飛躍的に向上させる必要性が高まっている。FDA のクリティカ

ル・パス・オポチュニティー・リストが指摘しているように,臨床試験プロセスを合理化

(streamlining)することも大きな課題となっている。臨床試験データを扱う業務は細分化が進

み,早くから専門的な業務として独立していたデータマネジメントや試験統計家の業務に加えて,

総括報告書やコモン・テクニカル・ドキュメント(以下,CTD)に用いる解析帳票類の作成に特

化したプログラミング業務,総括報告書や CTD を作成するライティング業務の重要性が認識され

るようになり,日本においても,これら業務の専任者を置く企業も増えている。これらの業務は

審査資料としての報告書作成をおもな目的とする レポーティング業務 と呼ぶべき業務を担って

いる。統計・DM 部会では,「レポーティング業務の効率化」というテーマに今回初めて取組み,

タスクフォースとして活動を行ってきた。活動の初期段階では,現状を把握し改善点を明確にす

るために,統計・DM 部会参加会社へのアンケートを実施した(アンケート結果は,本報告書に

添付)。アンケートによって明らかとなった改善点をふまえ,現在では CTD の一部として位置づ

けられるようになった総括報告書の内容および求められる品質の確認,それをふまえて効率化の

推進方法を検討した。検討の途中では,同様にデータ品質をテーマとしているデータマネジメン

トのタスクフォースと共同で統計・DM 部会シンポジウム「これからのデータマネジメント,解

析プログラミング,メディカルライティング-品質もコストもスピードも妥協しないプロセス管

理に向けて-」(2008 年 11 月 21 日,東京)を開催し,公開の場での討議を行った。そこでの

議論もふまえさらなる議論を重ねて作成したのが本報告書である。 また,欧米では一般に製造業(工業製品,ソフトウェア開発など)やサービス業にて用いられ

てきた品質マネジメント(品質経営)を導入する医薬品企業が増えている 1,2ことからレポーティ

ング業務への品質マネジメントの適用についても参考までに添付した。

1

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2. 総括報告書作成に関する実態調査と現状の課題 2.1. アンケート概要

総括報告書(Clinical Study Report, 以下 CSR)作成プロセスにおけるプログラミング業務

およびライティング業務の効率化の検討に先立ち, 日本における CSR および業務の標準化の現

状を把握するために,会員会社に対してアンケート調査を実施した。 対象 :日本製薬工業協会医薬品評価委員会 統計・DM 部会参加会社 方法 :Web 形式(日本製薬工業協会医薬品評価委員会 会員用ページ) 実施時期 :平成 20 年 1 月 10 日~1 月 31 日 有効回答数 :60 社

2.2. 総括報告書の実態と作成プロセスの課題 アンケート回答の全集計結果は巻末の付録に掲載した。ここでは,アンケート結果を要約し,

そこから浮かび上がった CSR の実態と作成プロセス(図 2-1)の課題について考察した。

図 2-1 CSR 作成プロセスの一例

2.2.1. 回答会社の背景

回答会社 60 社は,内資系 44 社,外資系 16 社であった。また,年間の CSR 作成数は「1-3本」が 20 社(33.3%),それ以上が 39 社(65.0%)であり,「1~3 本」と回答した 20 社中 19 社

が内資系の会社であった。

2.2.2. アンケート結果 以下に,アンケート結果から何点かを抜粋して解説する。

2.2.2.1 CSR の位置づけ 作成した CSR の位置づけ としては表 2-1 に示すように CTD 第 5 部としての利用以外に,「論

文作成資料」および「次試験計画の判断資料」などとして位置づけているという回答があった (複

解析プログラム検証

解析プログラム開発

図表作成

図表点検

図表引渡

CSR(1~9章)作成

CSR(10章~)案作成

CSR(10章~)作成

CSRレビュー

CSRQC

CSRQA

CSR完成

署名

データ固定

設計解析計画書

2

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数回答選択可)。

表 2-1 社内での CSR の位置づけ

N(%) CTD の一部 52(86.7)

論文作成資料 25(41.7)

次試験計画の判断資料 20(33.3)

情報公開の参考情報 15(25.0)

開発継続/中止の判断資料 10(16.7)

その他 2( 3.3)

(複数回答選択可) CSR 本文の記載スタイル としては,「結果を淡々と記載し,考察は試験の主目的に応じた程度

の簡単な記載」が 35 社(58.3%)ある一方,特に考察記述の面に着目してみると「CTD や次試

験を意識し,考察を充実させた記載」としている会社も 5 社(8.3%)あった。20 社(33.3%)が

「特に決まったスタイルはない(作成担当者により異なる)」としていた。

2.2.2.2 CSR のボリューム CSR 本文ページ数(1~13 章)は,臨床第Ⅰ相試験では「100 未満」34 社(56.7%),探索的試

験および検証的試験では「100 以上~150 未満」[それぞれ 30 社(50.0%),26 社(43.3%)]

と回答した会社が最も多かったが,150 ページ以上作成している会社も探索的試験で 13 社

(21.7%),検証的試験で 23 社(38.3%)あり,会社間でバラツキがみられた。 また,CSR 本文中(10~13 章)に記載している図表数 はいずれの相の試験についても「10 以上

~30 未満」との回答が最も多かったが,検証的試験では 50 以上との回答も 18 社(30.0%)あっ

た。また,14 章の図表数 については臨床第Ⅰ相試験では「50 未満」または「50 以上~150 未満」

[24 社(40.0%)],探索的試験および検証的試験では「50 以上~150 未満」[ともに 24 社(40.0%)]という回答が最も多かったが,探索的試験,検証的試験では150以上との回答も30~40%みられ,

CSR 本文と同様に会社間でバラツキがみられた。 一方,統計解析計画書に計画された図表のうち CSR に使用されない図表 が 10%以上ある,と回

答した会社は 7 社(11.7%)で,ほとんどの会社が,使用されない図表は 10%未満との回答であ

った。 ページ数や図表数の少ない CSR のほうが必ずしもよいとは言えないが,より少ないボリューム

で CSR を完成させている会社もあるということは,事実としてとらえておくべきである。

2.2.2.3 CSR に使用される言語 CSR の言語 としては,文章を英語で作成している会社が 9 社[15%,内資系:1 社,外資系 8

社(外資系会社の 50.0%)]あり,図表についても英語で作成している会社が 13 社(21.7%)あ

った。文章あるいは図表の言語が英語であることについて当局からのクレームを受けたという会

社はなかった。

2.2.2.4 CSR 完成時期とリソース データ固定から CSR 完成までの平均的時間 としては,「3 ヶ月以内」25 社(41.7%,「2 ヶ月

3

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以内」回答会社 2 社を含む),「6 ヶ月以内」27 社(45.0%)であり,ほとんどの会社が「6 ヶ

月以内」に CSR を完成させていた。そのリソースとして,図表作成などの プログラミング専任者

がいる会社は 19 社(31.7%,人数の中央値 5 人),また,メディカルライティング(MW)専任者 が

いる会社は 30 社(50.0%,人数の中央値 6.5 人)であった。

表 2-2 プログラミング専任者 専任者

CSR 年間作成 計 未回答 1~3 本 4~15 本 16 本以上

N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) いない 41(68.3) 0( 0) 19(95.0) 20(64.5) 2(25.0) いる 19(31.7) 1(100) 1( 5.0) 11(35.5) 6(75.0)

表 2-3 MW 専任者

専任者

CSR 年間作成 計 未回答 1~3 本 4~15 本 16 本以上

N(%) N(%) N(%) N(%) N(%) いない 29(48.3) 0( 0) 16(80.0) 13(41.9) 0( 0) いる 30(50.0) 1(100) 3(15.0) 18(58.1) 8(100) 未回答 1( 1.7) 0( 0) 1( 5.0) 0( 0) 0( 0)

2.2.2.5 CSR への図表の取り込み

解析部門から提供された図表について,CSR14~16 章へ「手を加えない」で取り込んでいる会社

が 44 社(73.3%)であったが,CSR 本文では,「手を加えない」会社は 25 社(41.7%)であった。

「体裁(書式,フォントなど)を整えて」掲載している会社が 28 社,「別途,表を作成している」

会社も 7 社あり,計 35 社(58.3%)で図表に手を加えていた。 本アンケート結果によれば,CSR 本文および 14 章として,試験あたり中央値として 240 以上

の図表が作成されている。CSR に取込むとき何らかの手を加えている会社は,このような多数の

図表の再点検をしていることになる。

2.2.2.6 標準化の実態 CSR 作成に係るプログラミング業務あるいは MW 業務において標準化されている業務(複数回答

選択可)としては,「CSR テンプレート」および「統計解析計画書テンプレート」が比較的高い

割合であった。ついで「解析出力作成ツール」,「図表テンプレート」や「解析用データ構造」が

多かったが,逆に 5 割の会社ではこれらが標準化されていない実態がわかった。一方,「CSR へ

の解析結果の取り込み手法」について標準化している会社は少なかった。 また,「処理・計算アルゴリズム」の標準化は最も低く,プロトコールごとにプログラムを作成

していることがわかる。 また,プログラミング業務,MW 業務が「ほとんど標準化されていない」と回答した会社も 8

社(13.3%)あった。標準化に関しては,年間 CSR 作成数の多い会社ほどより多く対応している

傾向がみられた。

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表 2-4 標準化されている業務 CSR 年間作成数

計 N(%)

1~3 本 N(%)

4~15 本 N(%)

16 本以上 N(%)

CSR テンプレート 44(73.3) 10(50.0) 26(83.9) 7(87.5) 統計解析計画書テンプレート 37(61.7) 7(35.0) 25(80.6) 5(62.5) 解析出力作成ツール 26(43.3) 3(15.0) 17(54.8) 6(75.0) 図表テンプレート 25(41.7) 2(10.0) 18(58.1) 5(62.5) 解析用データ構造 24(40.0) 4(20.0) 14(45.2) 6(75.0) バリデーション手法 21(35.0) 3(15.0) 12(38.7) 6(75.0) CSR への解析結果の取込み手法 13(21.7) 3(15.0) 6(19.4) 4(50.0) 処理・計算アルゴリズム 11(18.3) 0( 0.0) 8(25.8) 3(37.5) ほとんど標準化されていない 8(13.3) 5(25.0) 2( 6.5) 1(12.5)

(複数回答選択可) CDISC 標準の実装 については,「ほぼ実装段階」は 5 社(8.3%)とまだ少ないものの,「一

部実装」および「実装を検討中」の会社を含めると約 75%が何らかの導入あるいは導入検討を進

めていることがわかった。 平成 9 年 2 月に製薬工業協会(以下,製薬協)から発行された 「治験総括報告書作成の手引き」

(以下,製薬協版 CSR 作成の手引き)については,27 社(45.0%)が「手引きとして使用」し

ており,「教育的な参考資料」としての利用も含めると,約 75%の会社が利用していることがわか

った。特に,CSR 年間作成数が少ない会社や内資系会社で手引きとして使用している割合が高か

った(年間 CSR 作成本数 1~3 本:60%,内資系:54.5%,外資系:18.8%)。

2.2.2.7 CSR 作成上の課題 CSR 作成にあたって 業務量を削減したい,あるいは,ボトルネックと感じている業務 (複数回答選

択可)についての質問おいては,CSR 作成業務では,「CSR の点検・レビュー」,「CSR への

図表の貼りこみ」などが多かった。一方,図表作成関連業務では「解析用データ・図表仕様ある

いはプログラム仕様の作成」,「図表の仕様変更にともなう修正」などが多かった。いずれの作

業においてもとくに問題がないと回答した会社は 10%未満で,ほとんどの会社が改善すべき業務

があると考えていることがわかった。

表 2-5 CSR 作成に関する業務

N (%) CSR の点検・レビュー 35 (58.3) CSR への図表の貼りこみ 21 (35.0) CSR 文章の作成 18 (30.0) CSR の図表の作りこみ 13 (21.7) その他 6 (10.0) 特にない 5 (8.3)

表 2-6 .図表作成に関連する業務

N (%) 解析用データ・図表仕様あるい

はプログラム仕様の作成 27 (45.0)

図表の仕様変更にともなう修正 22 (36.7) 図表の MW 担当者への引渡し前

点検 21 (35.0)

プログラム開発 16 (26.7) プログラムの動作検査 11 (18.3) その他 3 ( 5.0) 特にない 4 ( 6.7)

(複数回答選択可)

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3. 総括報告書とは何か ~総括報告書のあるべき姿~

前章で明らかとなったように,CSR のあり方や位置づけは,企業間でかなりの多様性がある。

効率のよい CSR 作成プロセスを製薬業界全体で考える出発点として,CSR に対する認識を共有

しておくことが重要である。そのために,CSR の利用者と,CSR に求められる役割について考え,

不必要な構成要素を排除し可能な限りスリム化された CSR を考える。

3.1. 総括報告書に関連するガイドラインと規制 CSR に対する規制上の要求事項は,治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドライン(以

下,E3 ガイドライン,平成 8 年)と医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 (以下,GCP,平成 9 年)の 2 つのガイドラインで規定され,「新医薬品の製造又は輸入の承認申請に際し承認

申請書に添付すべき資料の作成要領について」(以下,CTD ガイドライン,平成 13 年)によっ

て申請資料中の CSR の位置づけが規定されている。 1)E3 ガイドライン

「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドラインについて」(平成 8年 5月 1日 薬審第 335号)より抜粋

本ガイドラインに記載された治験の総括報告書は,患者を対象として実施された治療薬,予防

薬又は診断薬(以下,薬剤又は治療と略す)の個々の治験についての臨床及び統計上の記述,提

示及び分析内容を一つの報告書に統合した「統合された」詳細報告書である。 (略)

本ガイドラインは,完備していて,不明瞭な点がなく,きちんと整理され,かつ審査が容易な

報告書の作成のために,治験依頼者を支援することを目的としている。 (略)

報告書には,付録を含めて,人口統計学的データ及び基準値を含む十分な個別患者データ並び

に解析方法の詳細を提示すること。それにより,審査当局が望むときには,特に重要な解析をや

り直すことも可能になる。さらに,全ての解析,表及び図に関しては,それらがどの患者集団を

もとに作られたかが明確に同定できる情報を本文中又は図表の一部分に含むことが重要である。 (略)

以下に示した指針は詳細なものであり,申請後のデータの説明や解析の追加要求を可能な限り

少なくできるように,通常提出されるべき情報が何であるかを申請者に示すことを目的としてい

る。 治験依頼者にこのような CSR を作成してほしいという規制当局の意図は,E3 ガイドラインの

次の記述で表現されている。 ①個々の治験についての臨床及び統計上の記述,提示及び分析内容を一つの報告書に統合した

「統合された」詳細報告書 ②完備していて,不明瞭な点がなく,きちんと整理され,かつ審査が容易な報告書 申請後のデータの説明や解析の追加要求を可能な限り少なくできるように,通常提出されるべ

き情報が何であるかを申請者に示すことを目的として,E3 ガイドラインには詳細な指針が示され

ている。

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2)GCP 「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成 9 年 3 月 27 日厚生省令第 28 号)」,より抜粋 (総括報告書) 第二十五条 治験依頼者は,治験を終了し,又は中止したときは,その結果等を取りまとめた

文書(以下「総括報告書」という。)を作成しなければならない。 (記録の保存等) 第二十六条 治験依頼者は,次に掲げる治験に関する記録(文書及びデータを含む。)を被験薬

に係る医薬品についての製造若しくは輸入の承認を受ける日(第二十四条第三項の規定により通

知したときは,通知した日後三年を経過した日)又は治験の中止若しくは終了の後三年を経過し

た日のうちいずか遅い日までの期間適切に保存しなければならない。 一 治験実施計画書,契約書,総括報告書その他この省令の規定により治験依頼者が作成した文書

又はその写し 二以降省略 (17) 第 25 条関係 総括報告書は,「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドライン」(平成 8 年 5 月 1 日薬

審第 335 号)に従って作成すること。 総括報告書には,第 23 条第 3 項に規定する当該治験に係る監査証明書を添付して保存するもの

とすること。 以下のような審査管理課長通知 (平成 20 年 10 月 1 日 薬食審査発第 1001001 号)により,治

験依頼者は①試験が中止・終了したときは,CSR を手順書に従い作成すること,②内容は E3 ガ

イドラインに従うこと,③規制当局の求めに応じて提出できるように保存することの 3 つが求め

られている。 「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」の運用について(平成 20 年 10 月 1 日 薬食審

査発第 1001001 号)より抜粋 (総括報告書) 第 25 条 治験依頼者は、治験を終了し、又は中止したときは、総括報告書(治験の結果等を取

りまとめた文書をいう。以下同じ。)を作成しなければならない。

1 治験依頼者は、治験を終了したとき、又は中止したときは、その結果等を取りまとめた総括報

告書を手順書に従って作成すること。 2 総括報告書の構成及び内容については、「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドライ

ン」(平成 8 年 5 月 1 日付け薬審第 335 号厚生省薬務局審査課長通知)に従ったものであること。 3 総括報告書は、規制当局の求めに応じて提出できるよう保存しておくこと。 4 総括報告書は、第 23 条第 3 項に規定する当該治験に係る監査証明書を添付して保存すること。

3)その他 CTD ガイドラインには CSR はコモン・テクニカル・ドキュメント(CTD)の第 5 部として添

付することが明記されている。

新医薬品の製造又は輸入の承認申請に際し承認申請書に添付すべき資料の作成要領について (医薬審発第 889 号, 平成 13 年 6 月 21 日)より抜粋 第三 承認申請書に添付すべき資料の構成 (略) 5.第5部(臨床試験報告書)(規則第18条の3第1項第1号への一部及びトに相当する。) (1)目次

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(2)臨床試験一覧表 (3)臨床試験報告書及び関連情報(治験の総括報告書等をいう。) (4)参考文献 (以下省略) (別紙 5)医薬品の承認申請のための国際共通化資料コモン・テクニカル・ドキュメント臨床 第 5 部( モジュール 5)- 臨床試験報告書- 序文 「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドライン(E3)」が公表されているが,この第 5部では,医薬品承認申請のための国際共通化資料(CTD)における総括報告書,その他臨床デー

タ及び参考文献の配列に関する指針を示すものである。これら CTD 資料の配列は,承認申請書類

の作成及び当局による審査を容易にするものである。(以下省略)

3.2. 総括報告書を取り巻くガイドラインなどの歴史的経緯 旧 GCP(「医薬品の臨床試験の実施に関する基準」(平成元年 10 月 2 日薬発第 874 号薬務

局長通知))下においても CSR の作成は必要とされていた。しかし,旧 GCP には薬事法を根拠

法とする現在の GCP のような拘束力はなく,建前上の CSR 作成責任は治験総括医師にあり,CSRの記載内容の規定も極めて限られたものだった 3。平成 8年にE3ガイドラインが通知された当時,

製薬協では,日本にとって不慣れな欧米流の CSR をどのように日本の製薬業界に根付かせるかを

議論していた。その検討の結果が,平成 9 年に製薬協より発行された「製薬協版 CSR 作成の手引

き」であった。各企業の CSR 執筆担当者が E3 ガイドラインの理解を深め,CSR の各項には何を

どの程度記載すればよいのかを考えるための参考資料として,この手引きが一定の役割を果たし

たことは疑う余地がない。しかし,その一方で,読者に対して CSR を具体的にイメージさせるこ

とを配慮したために,手引きとしては親切すぎていた。ガイドラインが規定している「なければ

ならないもの」に加えて,文章の記載例や図表例などで“Nice to have”的なもの,つまり「あ

ったほうがいい(かもしれない)もの」も含んでいた。本報告書で,我々が提示したいと考えて

いる CSR のあるべき姿は,「あったほうがいい(かもしれない)もの」を可能な限り排除したも

のである。「製薬協版 CSR 作成の手引き」は社内教育の資料としての価値は今日においてもある

かもしれないが,我々が考えるあるべき姿はその延長線上にはない。 平成 13 年に, CTD ガイドラインが通知されて以降,承認審査のための審査資料として CTD

が正式に採用されることになった。 CTD においては,臨床評価のまとめは,CTD 第 2 部の 2.5(臨床概括評価)および 2.7(臨床

概要)に記載され,CSR は CTD 第 2 部の根拠資料である第 5 部としての位置づけとなった。こ

の CSR の位置づけの変化は,CSR に必須な構成要素は変わらなくとも,CSR の記載内容に大き

な変化を与えることになる。個々の試験を総括した CSR は,候補品のリスク・ベネフィット・バ

ランス全体に関する主張を展開する場としてはふさわしくなくなった。それにふさわしい場所は

開発全体を俯瞰して総括する CTD 第 2 部であり,CSR は「一つの試験がどのような試験だった

のか,その試験から得られた事実は何だったのかを正確に伝える役割を担う」だけで十分という

存在に変化したというのが,我々の解釈である。E3 ガイドラインも,製薬協版 CSR 作成の手引

きも,CTD ガイドラインによって CSR の位置づけが変化することを先取りしていたわけではな

い。 CSR の位置づけの変化に対応して,CSR に含めるべきもの,つまり構成要素や記載内容を現在

の視点で見直し,その結果,高品質な CSR を効率よく作成できるプロセスを企業が構築する一助

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にしたいというのが本報告書の狙いである。

3.3. 総括報告書のあるべき姿 ~利用者と要求事項~ CSR を最終的に利用するのは規制当局である。審査を円滑に進行させ,上市時期についての企

業の予測に大きな誤算を生じさせないという意味で,企業にとってビジネス・クリティカルな充

足すべき要求事項は規制当局の要求に尽きる。しかし,その十分性を曇らせる原因が製薬企業の

社内にある。アンケート結果にもあったように,CSR が製薬企業の社内資料として利用されてい

る実態である。利用者のニーズに応じて CSR に対する要求事項は異なってくる可能性がある。 CSR に対する要求事項は図 3-1 に示すように, ①当局の要求事項(E3 ガイドライン), ②治験依頼者がガイドラインから解釈・推測した当局の要求事項, ③治験依頼者の状況に応じた要求事項(製薬企業が追記したい事項) に大別できると考えられる。

図 3-1 3つの CSRへの要求事項の関係

また,これらの 3 つの要求事項は,包含関係の外側であればあるほど CSR に対する要求事項が

多くなる関係にある。ただし,それぞれの要求事項の境界線は解釈を行う担当者や組織によって

異なるため,図 3-1 は①~③の関係のみを示していると考えていただきたい。 規制当局の要求事項(図 3-1 中①)は,E3 ガイドラインに示されている。要求事項を増やし

ているのは,各企業や CSR 作成者による規制当局の要求事項である E3 ガイドラインの拡大解釈

である。しばしば,CSR 作成に関わる人々は,後から不備を指摘されることがないように当局の

要求を過大に解釈する傾向があり,開発組織として過去の開発品の成功体験や失敗体験に基づい

て追加される図表や CSR の記述もありうる。図 3-1 の②(三日月形の部分)がこれに相当する。 さらに,社内資料として活用することが求められる,もしくは次試験や CTD などを強く意識し

て考察へ多くの書込みをするような CSR が社内で求められる場合には,①,②より多くの内容が

CSR に盛り込まれ,図 3-1 で示す③(三日月形の部分)を含んだ CSR が作成されることになる。

つまり③は社内資料としての要求ではあるが,規制当局の要求ではない。そのような CSR に対す

る要求事項をどこまでのレベルに設定するかは各企業が決定する事項であり,本来,製薬協がそ

の決定に口を挟むべきことではない。しかし,③のみの目的で作成される図表や文章であっても,

実務レベルでは,規制上本当に必要な情報(要求事項の①)と同じレベルのプログラム・バリデ

ーションやレビュー,QC/QA などの品質確保のための業務が行われている可能性がある。このこ

とを我々は見逃してはならないと考えている。 また,③にのみ含まれる情報は,社内の意思決定には有用かもしれないが承認審査には必要な

い情報である。そして,そのような情報には,当該試験結果が明らかとなった時点における結果

①当局の要求事項

②治験依頼者が解

釈・推測した当局の

要求事項

③治験依頼者の状況

に応じた要求事項

9

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の解釈などが含まれるであろう。承認審査の観点からは,そのような情報は CTD 第 2 部の根拠

資料である CSR に記載する必要はなく,社内資料として CSR とは別に作成することで対応でき

るし,開発の学習過程のなかで次試験の計画の理由付けとして重要な意味を持つものであるなら,

CTD 第 2 部に記載することで対応できる。 我々が考える CSR のあるべき姿には,③は含まれていない。規制要求として①は含めなければ

いけない。検討の余地は②にある。ガイドラインを適切に解釈した上で,過度の記載はないか,ど

こを削ることが可能なのかなどを検討し,治験依頼者が解釈・推測した要求事項②をよりスリム

化し最適化していくことが CSR のあるべき姿につながると我々は考えている。スピードアップや

効率化のために削ることを検討するのではなく,必要な情報を取捨選択することがスピードアッ

プや効率化に大きく寄与するという考え方である。CSR の記載事項や記載内容を簡潔にわかりや

すくすることで,臨床試験受託機関(Contract Research Organization ,CRO)への CSR 作成

業務の委託を容易にする環境を作ることもできる。

図 3-2 CSR のあるべき姿(図中 点線で囲まれた部分)

3.4. あるべき姿実現のためのアプローチ

ここでは,図 3-2 の要求事項②を「CSR のあるべき姿」へ近づける太い矢印,つまり CSR の

ボリュームを減らすアプローチの例をあげる。本節で取り上げるのは以下の 3 つである。

シノプシスの適正化と CTD2.7.6 作成 考察と全般的考察(13 章)のあり方について おもに結果部分の本文中(10~13 章)での図表のあり方について

3.4.1. シノプシスの適正化と CTD2.7.6作成

CSR のシノプシスは,「一つの試験がどのような試験だったのか,その試験から得られた事

実は何だったのか」を読者(利用者)が短時間で理解できるようにするためのものである。また,

CTD ガイドラインによれば,CTD2.7.6 には,個々の CSR のシノプシス(CSR 第 2 章の内容)

を再掲することになっている。 我々は,承認申請時に作成する CTD2.7.6 に CSR のシノプシスを最大限活用し,不足分を補う

手法(補遺形式)を提案する。

3.4.2. 考察と全般的結論(13章)のあり方について CSR の考察と全般的結論にどの程度の内容を記載するかは,各社意見が分かれるところである。

本報告書では CSR 中の考察は可能な限り簡潔にすることを提案する。 E3 ガイドラインに,発展的

考察は CSR ではなく申請資料(CTD 第 2 部と解釈できる)への記載でもよいとの記載があるた

①当局の要求事項

②治験依頼者が解釈・推測した当局の要求事項

本報告書が目指すCSRのあるべき姿

①当局の要求事項

②治験依頼者が解釈・推測した当局の要求事項

本報告書が目指すCSRのあるべき姿

10

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めである。

薬審第 335 号「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドラインについて」 (平成 8 年 5 月 1 日)より抜粋

CSR 13.考察と全般的結論 (前略) 考察及び結論では,全ての新しい又は予想外の所見を明確にし,その意義について説明すること。

さらに,関連する測定値間の不一致など,可能性のある全ての問題について論じること。また,

他の既存のデータを考慮し,結果の臨床的適切性及び重要性についても論じること。個々の患者

又はリスクグループに対する個別の有益性又は特に必要とされる注意事項,及び今後の治験実施

のためのあらゆる意味合いを明らかにすること。あるいはそのような考察は,申請資料全体を参

照している安全性,有効性の要約(integrated summaries)に示してもよい。

臨床開発は平均的には 7 年から 10 年かかると言われている。臨床開発早期に行われた試験の

CSR 作成時点での解釈や考察が,承認申請時点まで有効である保証はない。開発戦略が変更にな

る可能性もある。科学の進歩にともない CSR 作成時点での解釈や考察が不十分なものであったこ

とが明らかになる可能性もある。詳細な考察を行った場合は,CSR とは別に保存しておき,CTD第 2 部を作成する際に活用するほうが効率的である。 また,CSR は臨床試験の数だけ作成されるが,CTD の作成は 1 回である。個々の CSR で毎回

同様な考察を練り上げるよりも,CTD の 1 回に集約したほうが効率がよい。

3.4.3. おもに結果部分の本文中(10~13章)での図表のあり方について CSR 本文中に図表(in-text table)を挿入することは,それによって CSR の利用者が CSR の

内容を理解しやすくなるならば非常に有用である。理解の助けにならない図表の挿入は,効果が

ないばかりか作成に労力を要するだけでまったくのムダである。したがって,図表を CSR 本文中

に挿入しようとするときには,その効果について十分に吟味した上で行うべきであり,前例にな

らうなど機械的な挿入を行うべきではない。 なお,投稿論文や CTD 第 2 部では,本文中に図表が存在する構造が一般的である。一方,CSR

では統計解析計画書に従って各評価項目に対する図表があらかじめ用意されており,それらが

CSR14 章(もしくは 16 章)に添付されることから,本文中ではそれらを参照するだけにとどめ,

本文中への図表の挿入を省略することも可能であると考えられる。 一般に CSR 14 章の図表は詳細なものが多いことから,本文中では簡潔にまとめた図表を記載

する,もしくは本文中には一切記載しないなどアプローチはいくつか考えられる。本文中に挿入

するために,CSR の筆者が,詳細な表を要約して新たな表を作成することは避けるべきである。

もちろん,CSR に必要な表は基本的にはすべてあらかじめ計画されているべきであり,もし本文

中に挿入する予定の表がある場合には,同様に作成が計画されていなければならない。 また,我々は,本文中(11 章および 12 章の結果部分)の表として,14 章に添付しているもの

とまったく同じ表を挿入している事例についても討議した。読み手が,いちいち後ろに戻って図

表を見るのが面倒であることに対して便宜を図るための対応ということであるが,同じ表が同一

文書に 2 つ同時に存在しているのは冗長であり,両者の一致性を確認する必要性も生じる。この

ような図表の一致性の確認作業,不一致が発覚したときに発生する修正作業は余計な業務にほか

ならない。方策としては,たとえば 14 章をその他の章とは別冊にすれば,本文と図表を同時に閲

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覧することが可能である。もし別冊にすることによって,1 冊になっているよりもかえってみや

すくなるのであれば,検討の価値はあると考える。なお,電子化が進んだ CSR ではハイパーリン

ク構造により,他の箇所にある図表などの参照が容易になるので,再掲や in-text table の配慮は

不要になる。

3.5. 総括報告書の品質と品質基準の考え方 3.5.1. 総括報告書の品質とは

品質の定義は,石川馨,ジョセフ・ジュランらが提唱し ISO 9000 にも反映されている「対象

固有の特性群が,顧客の要求を,どの程度満たしているかの程度」とするのが一般的である。対

象とは製品やサービスを指し(さらに進んで,これらを生み出すプロセス,プロセスの設計,製

品やサービスの企画を指すこともある),顧客とは製品やサービスを最終的に利用する最終顧客

と,「後工程はお客様」と表現される業務上の直接の顧客を指す。仕事のプロセス自体は,これ

らすべてを考慮に入れて,最終顧客の要求を満たすように設計されなければならない 4。品質管

理や品質マネジメントがこれまで扱ってきた対象は,工場で生産される工業製品やサービス,こ

れらを産み出すプロセス,計画,企画が主であった。我々が扱っている文書や情報の品質という

ものは,学問的にもまださほど手垢のついていない,一般化が十分になされていない難しい領域

である。 一般的な品質の定義をあてはめれば,CSR の品質は,「CSR という文書が,最終顧客である規

制当局や,直接の顧客である社内の意思決定者などの要求をどの程度満たしているかの程度」と

考えることができる。規制当局の要求は端的に表現すれば「試験計画,試験計画の変更ならびに

試験結果が正確に記述されており,得られた結果から導かれる判断や考察が科学的,論理的で妥

当なものであること」であり,詳細は E3 ガイドラインに示されている。ガイドラインには普遍

性や一般性が必要であり,個別の状況をすべて網羅する性質のものではない。ガイドラインの運

用は,ガイドラインの意図を汲み取り,解釈や類推することを常に伴う。前節で述べた,図 3-2の要求事項②を最適化していくことは規制当局の要求に対する解釈や類推を精査して絞り込んで

いくことに相当する。 CSR など申請資料の品質については,医薬審第 1058 号「新医薬品等の申請資料の信頼性の基

準の遵守について」( 平成 10 年 12 月 1 日)において「申請資料における誤記載,転記ミス等

の誤りが多く見受けられ,迅速な承認審査の妨げとなる事例も見受けられている」とあるように,

誤記載,転記ミスなどの誤りの多さが審査を非効率にしていることに対して,規制当局から悲鳴

ともとれるメッセージが発信された。医薬品業界としては恥ずべき通知である。このような事態

を招かないための対処方法は,(1)誤りが起きにくい CSR 作成プロセスを作ること,その上で

(2)点検をきちんと行うことの2つに大きく分けることができるであろう。 (1) 誤りが起きにくい CSR 作成プロセスを作ること CSR への要求事項②を適正化することによって(図 3-2),不要な業務,過剰な業務,煩雑な

業務を減らし,業務を効率化し,必要な業務にリソースを集中させることができるようになる。

利用可能性が低い CRF 上のデータ項目を排除しておくことは,データ収集後に発生するあらゆる

整合性確認作業を元から絶つことができるので効果は大きい。利用可能性が低い解析結果の帳票

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類を排除することも同様に意味がある。データ収集から解析結果の図表類作成までのプロセスを

標準化することは品質向上と効率改善を確実にもたらす 5。また,解析結果の帳票類から CSR 本

文への数値の転記など,ヒューマン・エラーの原因になりやすい作業を可能な限り排除すること

も品質の作りこみに貢献する。 (2) 点検をきちんと行うこと 誤りが起きにくい CSR 作成プロセスを作った上で,品質確認のための点検が確実に行われる手

順を整備することが重要である。品質確認のための点検を行う視点は,正確性と妥当性という2

つに分けられる。 ①正確性 専門知識を持たない人でも確認可能な数字や文章(内容)の一致性を意味する。CSR 本文中の

数値や文章と比較を行い,一致性を確認する対象となる帳票類や文書が存在する。発見された誤

り(不一致)の数を分子とし,確認した数値や文章の数を分母としてエラー率を算出することが

可能である。 ②妥当性 文章が論理的に「おかしくない」「誤っているとは言えない」ことで確認するほかに方法のな

いもので,解析結果の説明や解釈,文章の論理構造,用語の正しい使い方,文章のわかりやすさ

などがこれにあてはまる。この視点からの点検には専門知識が必要であろう。確認した対象(単

語,文章,複数の文章など)の数の特定が単純ではない場合があり,①正確性に示したような形

でエラー率を算出することが容易ではない。しかし,1ページあたり,10 ページあたり,100 ペ

ージあたりに発見された誤りの数という形の指標を考えることはできる。 正確性と妥当性の観点から CSR の各項目について点検の視点をまとめると表 3-1 のようにな

る。

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表 3-1 CSRの各項目での品質確認の視点

項目 判断基準

正確性 妥当性 試験計画 ・治験実施計画書・統計解析計画書と

矛盾がない。

試験計画の変更および

その理由 ・履歴と整合している。 ・予定されていた計画と事後の解析が

区別されている。 データ品質保証の手順

と方法 ・必要な記録が添付され,矛盾がない。

解析結果 ・図表・一覧表は固定データで解析さ

れ検証済である。 ・主要な評価項目の解析結果が正確で

ある。 ・CRF ならびに症例・データ取扱い

の記録と矛盾がない。 ・文章の記載と図表に矛盾がない。

有効性 ・試験の仮説がある場合は,その回答

がある。 ・計画された解析に基づいた解釈を主

としている。 ・主要評価項目の解析手法が妥当な手

法である。 ・副次評価項目ではその薬剤の特長と

なる解析結果から導かれる結論が頑

健である。 安全性 ・死亡,その他の重篤な有害事象の叙

述が記録と矛盾しない。 ・安全性データから導かれる結論が頑

健である。 添付資料 ・該当する記録・文書が添付されてい

全般 ・誤字・脱字がない。 ・事実に基づいた論調であり,結論に

飛躍がない。

具体的な品質確認事項については各社の状況に応じて整備,計画する必要はあるが,このよう

な視点で点検を計画・実行し,すべての確認事項が満たされたとき CSR の品質は満足なレベルに

達しているとみなすことができる。 これらの視点を明確に分け,品質確認やレビューを行うことが作業プロセスをわかりやすくし

てくれるであろう。正確性を確認する作業と妥当性を確認する作業では,必要な専門知識も経験

も異なる。正確性と妥当性に分けて評価することで,発見された誤りを分類することができ,原

因の分析にも役立つ。

3.5.2. 総括報告書の品質確認のアプローチ CSR の正確性の指標には,上で述べたようなエラー率を用いることができる。 しかし単純に,ゼロより大きい「許容できるエラー率」を設定すれば抜取検査などを用いるこ

とができ,品質確認に関わるリソースが削減できる,と考えるのであれば,それは品質改善に真

摯に向き合った態度とは言えない。 業務プロセスの品質の状況を把握せずに,安易に抜取検査などを用いて品質を確認することは

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避けなければならない。CSR に誤りが多く入りこむ可能性があるような業務状況下で抜取検査を

行えば,当然誤りが散見される。検査対象にならなかった箇所にも多くの誤りが含まれているこ

とを考えるべきである。そのような状況で「発見された誤りは修正すべきか?」「検査対象にな

らなかった箇所の誤りには目を瞑っていいか?」などの議論をすることには意味がない。 3.5.1 節でも示したように,まずは誤りが起こりにくい業務プロセスを作ることに注力すべきである。

そして,そのような安定的に高品質な CSR が作成できる体制とプロセスができた後に「許容でき

るエラー率」や抜取検査の導入は試みられるべきである。「高品質な CSR が安定して作成できる」

というのは「誤りがほとんど見つからず品質点検自体がムダとなるほど高い品質が維持できる」

ことを意味する。 誤りが多く含まれる可能性がある段階では,「エラーゼロを目指せ」のような号令をかけるこ

とには一理あるかもしれない。その方針が徹底されれば,品質が不良な製品が顧客に渡る可能性

が低くなるからである。しかし,そのようなスローガンだけでは本質的な品質改善にはつながら

ない。日本の品質管理,品質経営の父と言っても過言でない Edward Deming は企業の経営者層

を相手に言っている 6。 “A target such as “zero defects” is useless without a plan for the achievement of this

objective. In fact, these slogans and “programs” are usually counterproductive. Work to improve the system and provide information on that.”(「不良品ゼロ」のような目標は,それ

を達成するための計画を与えもしないでスローガンに掲げても有用ではない(使いものにならな

い)。実際,このようなスローガンや事業計画は,得てして非生産的である。システムを改善す

るため,そのための情報を与えるために(経営層は)働け) 「エラーゼロを目指せ」というスローガンは,不必要に手厚い品質確認作業を作り出す危険性

がある。誤りが多く発生する可能性がある段階では,Deming の意図を理解した上で,達成計画

を持って業務プロセス改善に着手すれば「エラーゼロを目指せ」は「エラーの発生を減らす」目

標にはなるかもしれない。しかし,誤りが起きにくい CSR 作成プロセスがある程度でき,品質を

きちんと確認することが定着した段階になると,「エラーゼロ」は実現不可能(その確認もでき

ない)であり,これを追求することは極めて非効率であることが実感をもって認識されるように

なるはずである。「エラーゼロ」は決して到達できない目標だからである。 このように品質改善が,ある程度まで進んだ状況では「エラーゼロ」以外の別の品質目標が必

要になる。 我々は,そのような誤りが起きにくい CSR 作成プロセスが定着した状況下での CSR の品質基準とし

て「CSR が,その結論に影響を与えるような重大な誤りを含まないこと」を提案したい。このような品質

基準を持つことにより,結論に影響を与える箇所とそうでない箇所とで,品質確認の作業の手厚

さにメリハリをつけること-たとえば,項目により 100%確認とするか一部の確認とするか,お

よびリソースの傾斜配分など-,ができるようになる。

3.5.3. 結論に対する影響を考えた実践例 ~総括報告書の修正~ 完成後の CSR に誤りが見つかり,後日その取扱いが問題になることがある。CSR は SOP で規

定されたプロセスで作成され,適切な点検・確認作業により品質が保証される。しかしながら,

適切なプロセスを経たとしても,人為的なエラーは完全には除去できない。人の目による確認作

業は誤りの 15%を見逃すという報告 7があるが,筆者らの経験では見逃し率はもっと高い可能性

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がある。 偶発的に発見された誤りがすでに完成した CSR の結論に対してどのような影響を及ぼすかを

分析し,その程度に応じた適切な対処法をとることができると考えられる。発見された誤りが,

試験結果の解釈に影響しない(考察・結論を変更する必要がない)と判断したのであれば,CSRの本体を修正せずに,誤りの存在を記録するにとどめるという対応もありうる(例:CSR 本体の

修正は行わず,正誤表の添付のみにとどめる,もしくは誤りを検出した旨の内部資料の作成にと

どめ,本文の修正や正誤表の添付を行わない,など)。

4. 品質を維持し効率よく総括報告書を作成するための方策 本章では,アンケート結果で示された CSR 作成上の問題やこれまで述べてきたことをふまえ,

CSR 品質を一定に維持し,効率的に作成するための方策を提案していきたい。 まず CSR の作成プロセスの概略を説明する。次に CSR の作成上の問題点を示し,原因の分析

を行い,原因となっている状況やプロセスの特定を行う。次いで,原因として特定された状況や

プロセスに対して改善策の提案を行っていく。 本資料での提案はアンケート結果を引用して,各社で共通すると思われるプロセスの問題点,

重要な課題を取り上げるようにしてはいるが,その内容については各社でそれぞれ最適化し,活

用していただきたい。

4.1. プロセスについて CSR 作成上の問題点の分析に先立ち,まず,CSR 作成プロセスの概略を示す。 プロセスとは ISO9000 では,インプットをアウトプットに変換する一連の活動のことを指す。

臨床試験の計画から CSR の完成(署名済 CSR 受領)までを一つのプロセスとして表すと図 4-1のように模式化できる。ただし,以降に図示する一連のプロセスは単純に模式化したものであり,

実際の CSR 作成業務に関わる担当者とプロセスとの関係については各社で役割や名称が異なる

と思われるので,それぞれの会社の状況に合わせて読み替えていただきたい。

前の臨床試験情報

署名済CSR

①臨床試験計画

②臨床試験実施

③CSR作成

プロセス

インプット アウトプット

図 4-1 臨床試験のプロセス

プロセスはいくつかのプロセスに分割することが可能である。図 4-1 の③の CSR の作成プロ

セスも図 4-2 のようにいくつかのプロセスに分けることができる。図 4-2 では,図表を作成する

プロセス(①解析プログラミングプロセス)と CSR の文章を作成し CSR を完成させるプロセス

(②メディカルライティングプロセス)を表示している。そして,それぞれのプロセスもさらに

いくつかのプロセスに分けて考えることができる。

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解析プログラム検証

解析プログラム開発

図表作成

図表点検

図表引渡

署名済CSR

データ

設計(図表仕様)

統計解析計画書

図表

CSR(1~9章)作成

CSR(10章~)案作成

CSR(10章~)作成

CSRレビュー

CSRQC

CSRQA

署名

図 4-2 CSR 作成プロセスの一例

図 4-2 ではプロセス間の連携も示している。 ①の解析プログラミングプロセスのインプット

は統計解析計画書とデータであり,アウトプットは図表である。②のメディカルライティングプ

ロセスのインプットは図表であり,アウトプットは署名済 CSR である。①の解析プログラミング

プロセスの担当者を解析プログラマと呼び,②のメディカルライティングプロセスの担当者を

MW 担当者と呼ぶことにすると,解析プログラミングプロセスの主たる顧客は,後工程で図表を

受け取り利用する MW 担当者となる。

4.2. 総括報告書作成上の問題点と原因の分析 CSR 作成における実態調査において,CSR 作成にあたってボトルネックと感じている業務には,

表 2-5 および表 2-6 にも示した通り,次のような回答が多かった。 図表作成関連業務として,

解析用データ・図表仕様あるいはプログラム仕様の作成 図表の仕様変更にともなう修正 図表の MW 担当者への引渡し前点検

CSR 作成に関する業務としては,

CSR の点検・レビュー CSR への図表の貼りこみ CSR 文章の作成

アンケートで回答の多かった業務は,担当者が負担を感じている業務であり,改善の必要性を

感じている業務である。アンケートでは,この原因についてまでは掘り下げた質問を設けていな

かったため,我々はこれらの業務がボトルネックとなっている原因について他のアンケート結果

も参考にしながら分析を行った。以下に分析結果を列挙する。

1. CSR の位置づけに関連して,CSR の要求事項の最適化が十分ではないため,必要以上の業務

が発生している 2. CSR 本文のボリュームについて考察などの記載内容や図表の掲載量が必要以上に多い 3. 図表の CSR に掲載することの必要性・重要性が十分に精査されていない

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場合によっては必要な図表が抜け漏れてしまうことがある 4. 実際に図表を作成する前の段階で具体的な詳細な図表の仕様がイメージできない

たとえば,図表を修正しないで CSR に取り込めるように,あらかじめ図表の仕様が定められ

ていない 5. 解析方法やデータの要約方法,図表レイアウトに関する記述が曖昧で一意に理解しにくい 6. 図表の仕様が確定する前に仕様どおりに図表が実現できるかどうか確認されていない 7. 必要以上に複雑な図表や見た目を極端に重視した図表が多い 8. 図表の仕様の変更が多い 9. 図表仕様書やプログラム仕様書への記載事項が膨大である 10. 図表の仕様が非常に曖昧な段階で図表作成のためのプログラムの開発を開始する 11. 図表レイアウトなど CSR 作成に係る業務の標準化がいまだ不十分 12. 図表を CSR に簡単に貼りこむためのツールがない これらの原因は独立にあるのではなく、互いにかかわりあい、結果として作業量の増大を招い

ている。たとえば、図表のイメージを早期に確定できないこと(4)や,仕様に関する記述が曖昧な

こと(5),実現可能性の確認不足(6)が度々の仕様変更を生み(8) 結果的に図表仕様の作成に多くの

時間が必要になってしまう。仕様が不明確なうちにプログラム開発を見切り発車してしまうこと

(10)や、見た目を極端に重視した結果が生んだ図表デザインの複雑さ(7)は、プログラムの誤りや

手戻りを発生しやすくするし、引渡し前の点検作業量の増加ももたらすであろう。タイミングの

悪い仕様変更は CSR の点検・レビュー業務にも影響する。図表が CSR に必要かどうかを十分に

精査していないこと(3)により「とりあえず」作成が依頼される図表が増加し,CSR に掲載する図

表の総数も増え(2)て,引渡し前の点検や CSR の点検・レビュー,図表の貼りこみ作業に時間が

かかるようになる。CSR に掲載する図表のレイアウトや仕様を十分に吟味していないことによっ

て(3),完成した図表に足りない情報があり,MW 担当者の手作業で追加され、CSR の点検作業

を複雑にする。 標準化の実態調査で示されたように,十分に CSR 作成プロセスが標準化されている会社は少な

い。その結果プロトコールごとに同じような、しかしバラバラな作業を繰り返すことも大きな負

担になっている。

4.3. 総括報告書作成上の問題点に対する改善策 先に列挙された原因のほとんどは図 4-2 に示した解析プログラミングプロセスの内,統計解析

計画書から設計のプロセスに集中していた。言いかえれば,図表の設計プロセスを充実させ効率

化させることによってCSR作成業務の改善と同時にCSRの品質を向上させることが期待できる。 本章では,図 4-3 に示したような解析プログラミングプロセスにおける①要求事項の明確化お

よび②設計・開発のプロセスに焦点をあて,以下にあげるような品質確保の方策を提案する。

当該臨床試験で,どのような図表が必要かを十分に吟味し明確にする 図表の内容や解析方法,レイアウトも含め,仕様を抜け漏れなく明確化する

また,CSR を完成させるまでには,その1ページもしくは1図表であってもその作成と品質確

保に対して多くの労力が費やされている。解析プログラミング作業に先立って優先度をつけて労

力を効率的に利用する方策および標準化によって効率化を図る方策についても提示する。

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①要求事項の明確化

統計解析計画書

図表モックアップ

図表仕様レビュー

図表試作

図表作成

図表点検

図表引渡

データ固定

仕様作成

②設計・開発

③製造 ④引渡し

仕様確定

解析プログラム開発

解析プログラム検証

図 4-3 解析プログラミングプロセスの例

4.3.1. 図表に対する要求事項の明確化

設計に取り掛かる前に必要なことは,次のような後工程の図表の利用者からの要求事項を明確

にしておくことである。 どのような目的で使用される図表なのか どのような解析方法,要約方法がとられるのか どのデータ,どの集団を使用するのか CSR のどこに配置したいのか これらを具体的に「漏れがなく,曖昧ではなく,かつ,相反することがない」 8ように説明した

文書,たとえば,統計解析計画書,モックアップ図表などを用意して,具体的な設計に入る前の

段階で,図表に関して作成者と利用者が共通の認識を持つことが重要である。 実際に、図表の設計に際して明確にすべきことは後の章で説明する。 ここで,要求事項を明確化する主体は統計解析計画書やモックアップ図表の筆者(通常は試験

統計家)であり,図表の利用者である CSR の執筆に関わる MW 担当者や臨床開発担当者である

が,図表の作成者である解析プログラマからのインプットも設計を具体化するという視点から重

要である。 後のプロセスで作業のムダを発生させないために大切なことは,この段階で CSR に必要とされ

る図表をできる限り絞込みをすること,および要求が明確にならない図表に対して仕様作成や解

析プログラム開発へと作業を進めないことである。 たとえば,原則として「将来的に CTD や照会事項,書面調査などで必要になるかもしれない図

表」や「とりあえず作成しておく図表」は,その必要性や要求事項が明確でない場合には,その

段階から準備することは避けるべきである。図表は要求事項が明確になった時点でそれに合致し

た図表を作成するほうが,結果的に作り直しのムダが減り,点検の負荷も少なくなるなど効率的

である。 参考までにタスクフォースチームで議論となった事例を以下に紹介する。 例 1) 有害事象と併用薬をリンクさせた一覧表の要否 当該一覧表は、信頼性調査で併用薬処方の妥当性を確認するために必要との理由で CSR 用の図

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表の中に含められることも多い。一般に有害事象と併用薬処方とのリンク付けや確認に手間のか

かる図表である。しかし,CSR として必要であるかを改めて吟味し,他の資料で代用できないか,

書面調査までに余裕を持って作成することで十分ではないのかなど検討の余地は多い。 例 2)治験実施計画書逸脱一覧にどこまでの詳細な内容を含めるか 試験結果に影響を及ぼす重要な逸脱の一覧の作成は必須であるが,それ以外のマイナーな逸脱

の一覧に関しては,必ずしも CSR の付録に含まれる必要はなく,他の治験関連資料で信頼性調査

に対応可能かどうか検討すべきである。

4.3.2. 図表の設計・開発 ISO9000 では,「設計・開発」を「要求事項を製品,プロセスまたはシステムの規定された特性

または仕様書に変換する一連のプロセス」と定義している。 解析プログラミングプロセスにおいては,このプロセスは仕様の作成および解析プログラム開

発を指す(図 4-3②)。 設計では,示された要求事項をどのように実現するかを説明した仕様書-たとえばプログラム

仕様書-を用意する。仕様書の作成は図表作成者(ここでは解析プログラマ)が行う。 仕様書において図表作成に必要な項目が抜け漏れなく,明確に記載されていれば,ミスの発生

や手戻りを減らすことができ,解析プログラム開発や検証に要する労力を節約することができる。 特に,図表作成を外部の業者に委託する場合には,追加修正や手戻りに伴うムダやミスを減ら

すことにもつながり,仕様書は重要な位置づけの文書となる。

4.3.2.1 図表仕様のレビュー 図表の仕様を作成していく過程で,「設計・開発の結果が要求事項を満たせるかどうかを評価

する」ことや設計の「問題を明確にし,必要な処理を提案する」ことが,その後の作業を効率的

に進めていく上で有効である。ISO9001 ではこれを「設計・開発のレビュー」と呼んでいる 8。 このプロセスで大切なことは,要求されたことが実現される設計となっているかどうか,そし

て,設計どおりの図表の実現可能性を確認することである。 基本的には,図表の仕様書をもとに要求事項が反映されているかどうかを確認することが中心

となる。このとき少なくとも主要な図表について図表の試作品の準備をしておくと仕様を確定す

る際に効果的である。ここでいう「試作品」とは,実際に解析プログラムを通して作成された図

表のドラフト版を指し,「図表が要求事項を満たすように実現されているか」,「要求どおりに

作成できない点は何か」を非常に具体的に確認することができるようになる。 図表の試作品作成には時間を要するが,結果的に,図表の完成度を上げ,誤りの発生を予防す

ることにつながる。 但し,この確認の段階で多くの追加・変更が発生するような場合には,前工程の統計解析計画

書の完成度が低かった,あるいは,要求事項の明確化が不十分であった可能性が高いので,思い

切ってそのプロセスに戻り再度検討すべきである。試作品の作成→レビュー→修正のサイクルが

頻回に発生する事態は,コストやスピードの点でも避けなければならない。大切なことは,設計

をレビューし問題点を解決しながら解析プログラム開発および検証を進めていくことである。

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4.3.2.2 図表の設計に際して明確にすべきこと ここでは,図表に対する要求事項や図表仕様として明確にすべき事項について,留意点と共に

説明する。 (1) 図表に対する要求事項として明確にすべき事項 図表に対する要求事項は,一般的には統計解析計画書やモックアップ図表に記載される。統計

解析計画書は、治験実施計画書に記されている解析の主要な特徴のより技術的な詳細を述べた文

書であり、主要変数、副次変数、その他のデータに関する統計解析を実行するための詳細な手順

を含むものである(ICH-E9 用語集)。つまり、統計解析を実行する上で必要な主要変数,副次

的変数やその他の解析変数の導出定義,変数変換定義,ベースライン定義,タイムウィンドウの

定義,解析集団,部分集団の定義,データの取扱いに関する定義の詳細などの諸定義も含まれる。 統計解析計画書には、規制当局が要求したときには提出できる形で作成すべきとされ、試験結

果の解釈を助ける技術文書としての側面と、図表の作成の作業を助ける要求仕様書としての側面

がある。技術文書としての統計解析計画書の顧客は規制当局であり、事前規定の査証を与えるた

めに統計解析計画書を完成させた日付、改訂の履歴が重要視される(E9の 5.1節解析の事前明記、

Q&A Q10)。要求仕様書としての統計解析計画書の顧客は次工程を担う解析プログラマや MW担当者であり、試験結果の解釈には影響を与えない。この意味で、技術文書としての統計解析計

画書のような事前規定の査証や改訂履歴のようなレベルの要求はない。図表の体裁の詳細(モッ

クアップ図表)や図表タイトル一覧、フットノートの詳細などは別の文書としてまとめ、統計解

析計画書の改訂とは別の運用をすることも可能である 9。GCP 上の必須文書ではないが、図表の

利用者と作成者の間で作成すべき図表について共通の認識を持つためにモックアップ図表を用い

ることは有効である。 モックアップ図表は,作成されるべき図表がイメージできるように,具体的なレイアウトとと

もに,盛り込むべき変数や統計量の指定や表示形式の概略が提示されていることが望ましい。同

時に図表のタイトルリストが提示されていることも,図表の全体数を把握する上で望ましい。 (2) 図表仕様として明確にすべき事項 図表の詳細仕様の設計段階で確定すべき事項としては以下があげられる。 統計解析計画書やモックアップ図表をもとに,さらに解析プログラムの作成が可能となるよう

に具体的に仕様書に記載されなくてはならない。

解析変数の導出,変数変換,ベースライン値などの新規変数作成のアルゴリズム 解析のために別途解析データを作成する場合には,解析データの構造,変数属性などの仕様 解析対象集団の構成やデータの取扱いに関するアルゴリズム 解析項目(解析変数)および必要に応じて分類方法およびアルゴリズム 解析方法や必要な統計量算出に関する解析プログラムコーディングと関連した定義 タイトル,脚注の内容,行タイトル,列タイトル,ラベル名のような図表構成要素の詳細内

容 文字数や数値の表示桁数,表示位置 表示言語 その他解析プログラムと関連した定義事項

モックアップ図表およびそれに伴う図表仕様が標準化されている場合には,標準化されている

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事項については簡素化して仕様書に記載することが可能である。

4.3.3. 優先度付けによる労力の効率的利用 限られた労力を効率的に利用しようとするとき,作業に優先度を設定することで「重要なこと

にリソースを集中させる」ことが可能になる。このような考え方は,プロセスの結果に影響を及

ぼしている要因は多数あるが一般には少数の影響度の大きい要因によって占められており,その

影響の大きい要因に焦点をあてて手を打てば大きな効果が得られるという,というパレート原則

の考えに基づいている。10,11 優先度付けの効用は次の通りである。

大して重要でないところでのムダながんばりを低減する 重要なところ,本当に手間をかけたいところに十分なリソースを配置できる 結果的に品質の向上につながる このような優先度を設定するための指針としてリスクの概念を導入すると見通しがよくなる。 リスクとは一般に「危害が発生する確率」と「それが顕在化した場合の重大性」の組み合わせ

であると認識されている 13。このことは,危害の重大性が大きくても発生する確率が非常に低け

れば高度なリスクとしては評価されない,一方で,危害の重大性がそれ程大きくなくても頻発す

る場合には高度なリスクとして評価されることを示している。 解析プログラミングプロセスにおけるリスクとは,「誤りの発生しやすさ」と「誤りが発見さ

れた場合の試験結果やその解釈に対する影響の大きさ」との組み合わせであると解釈することが

できる。 解析プログラムに対するリスク評価を事例として示すと,次のようになる。 「誤りの発生しやすさ」は,プログラムにおける処理アルゴリズムの複雑さや定型化された処

理であるか否かという観点などから,少なくとも何段階かのグレード付けはできる。「誤りが発

見された場合の試験結果やその解釈に対する影響の大きさ」は,プログラムにおける処理アルゴ

リズムが試験結果の上で重要な変数の生成に関与しているか否か,あるいは,プログラムによっ

て作成される図表の試験成績上の重要性という観点などから判断することができる。 このような観点から,例えば,「プログラムにおける処理アルゴリズムが複雑」でかつ「プロ

グラムにおける処理アルゴリズムが試験結果の上で重要な変数の生成に関与している」と判断さ

れた解析プログラムは「高度なリスクを有する」と評価されることになる。 また,リスクマネジメントの考え方に従えば,リスクを評価するだけではなく,リスクの評価

結果(たとえば,高度,中等度,軽度など)に応じたリスク低減のための活動を決めておかなけ

ればならない。 解析プログラミングプロセスにおいては,リスクを低減あるいは予防するために,「リスク程

度に応じて作業内容に選択肢を設ける」,「人手をかける」などの対応を事前に決めておく,と

いうことになる。 例えば,リスクが高度であると評価された解析プログラムについては,仕様書に詳細レベルま

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でを必ず記載する,検証作業では定型的な検証のほかに表示された数値の検算を追加する,複数

の人間で確認をするなどの対応が考えられるであろう。また,リスクが軽度であると評価された

解析プログラムについては,処理が定型化されていれば仕様書への記載は簡易でよいとする,検

証作業では定型的な検証のみとする,という対応が考えられる。 このようにリスクの程度に応じて作業レベルを決めておくことで,作業にかける労力を把握し

効率的に業務を進めることが容易となる。 更に重要度の高い図表や使用頻度の高い図表,およびそれらを生成する解析プログラムの標準

化を進めることによって,リスクを低減することができ,リソースのより効率的な配分が可能に

なり,全体の品質が高まるはずである。 4.3.4. 図表の標準化

前節でも述べたように解析プログラミングプロセスのリスクを低減させ,効率的なリソース配

分を行うためには,図表の標準化の推進は欠かせない。 標準化は「自由に放置すれば多様化,複雑化,無秩序化する事柄を少数化,単純化,秩序化す

る行動」,「与えられた状況の下で最大限の秩序を実現するため,共通かつ繰返し使用するため

の取決めを確立する活動」である 14。図表についても,単純化,少数化し,繰返し使用できる標

準を考えていくことが望ましい。 本項では,解析プログラミングプロセスの標準化の一つとして,図表のレイアウトや解析プロ

グラムの標準化について考える。 図表の標準化の目標は以下の通りである。

顧客要求事項を満たした標準図表レイアウトを作成することで,図表に対する一定の品質を

確保する 図表レイアウトを「考える」作業から「選ぶ」作業へ切り替える

早期に解析出力イメージをつかみやすくし,図表レイアウトに悩むことに費やす時間を

削減する 仕様書作成の効率改善

図表について個別の細かい取決め事項を減らし,仕様書の記載量を減少することにより,

仕様作成にかかる労力を軽減し,仕様書の確定を早くする 図表作成処理の単純化/標準化に貢献する 後工程での手直しを減少させる 標準の利用率を高め,業務を単純化させ,図表作成作業の全体の作業量を減少させる

4.3.4.1 図表に対する要求事項

図表の標準化を考える上で,まず,図表に必要な機能特性や要素について述べ,ついで標準化

に際して事前に取決めておくことが望ましい一般的事項について述べる。 以下の 1 から 6 は How to report Statistics in medicine12で示されている図表の機能の抜粋で

ある。これらは図表に備わっていて当然の品質,「あたり前品質」11,とも考えられる。この書

籍には,その他の構成などの考え方もガイドラインとして示されているので参考にされたい。

1. 大量のデータを圧縮し要約すること 2. データを文章で表現するより以上にきちんと整理し構成した形で,正しい数値を明確にわかり

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やすく表示すること 3. それぞれの値やグループ化されたデータを比較できるようにすること 4. 特定の情報をより容易ですばやく理解できるようにすること 5. さまざまな計算を容易にすること 6. 図の場合,表などでは表現することが難しい,データのパターンやそこからの逸脱を明らかに

する これらの機能を満たし,さらに,品質管理上の観点から,

図表の特定を可能にすること 版管理がされており,トレーサビリティがあること が備わっていることが望ましい。

4.3.4.2 標準図表作成上の留意点 一般的事項 どの図表にも共通な事項については,はじめに一般的事項として取決め,図表の利用者と作成

者で合意しておくことが望ましい。 先の書籍には図表のおもな構成要素として,以下の項目があげられている。

図表の識別番号 図表タイトル 脚注 行タイトル 列タイトル グラフの軸タイトル 変数ラベル名

標準化を考える上では,上記の図表の構成要素に関して,文字数,表示言語,数値の表示桁数,

表示位置,図表サイズを規定しておくことが望ましい。 さらに,電子ファイルとしての形式(Ascii text, doc, pdf など),電子ファイルなどの命名規

則のような,どの図表にも共通する事項については,事前に定義しておくことが望ましい。 また,図表タイトル,脚注,行タイトル,列タイトル,ラベル名などに関しては,MW 担当者

が CSR で使用する用語と整合するよう,スタイルガイドなどとすり合わせることも有用である。 図表サイズ(表示する文字の大きさや縦横の文字数)や図表をページに収める向き(縦置きか

横置きか)などの規定については,MW 担当者が作成された図表を変更することなく,そのまま

CSR に貼り付けるまたは組み込めることを念頭に置いて決定する必要がある。 たとえば,図表の向きに関しては,CSR の 12 章までに載せる図表は縦置きが利用しやすい,

14 章や 16 章の図表は,縦向きと横向きの混合ではなく,統一した向きで設計するほうがムダが

少ないなど,効率の面も考慮し,「原則」として明示しておくことを推奨したい。

4.3.4.3 標準図表作成上の留意点 レイアウト 先に示した図表の機能を満たし,単純で繰返し使用ができることを念頭に置き,まずは,徹底

的に図表レイアウトをパターン化してみることである。 図表レイアウトに対する要求事項のほとんどは 3 章のあるべき姿で示した図 3-1 の②に相当す

る部分であり,会社ごとに要求事項を整理し最適化する必要がある。無数にある図表のパターン

から,「やりすぎ」や「好み」の部分をできるだけそぎ落とし,必要なものを犠牲にせず,解析

結果の表現として何が最も重要なのかを見極める。

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先に示したように図表に関する要求事項はシンプルなものである。レイアウトもあまり複雑

なもの,凝ったものにしないことが望ましい。標準レイアウトを複雑にすると,対応する解析プ

ログラムも同時に複雑化してしまうことが考えられ,それがミスの誘因となり,図表の品質に影

響を及ぼしてしまう可能性があるためである。 図表をパターン化するためには様々なアプローチがある。過去に作成した図表から洗い出して

いく方法もあるであろうし,E3 ガイドラインの章立てに沿って図表を分類し,患者背景や有害事

象などの非有効性項目の図表レイアウトから着手する方法もある。また,図表のなかでどのよう

な情報を比較し表示させるか,という立場で,表示パターンを分類していく方法もある。 また,標準図表レイアウトの決定後には,基本的にはそれをカスタマイズせず使用することが

重要である。それにより,解析結果ごとに,あと 1 行入れば 1 ページに収まるとか,あと何文字

入るように変更はできないかなど,図表の品質とは本質的に関係ないところでの不毛な議論を回

避し,そのための新たな作業の発生を予防できることが期待されるからである。

4.3.4.4 標準解析プログラム作成上の留意点 最後に標準解析プログラムに関する留意点を述べる。 標準解析プログラムに対する要求事項は,図表標準レイアウトを実現させること,および処理

手順のパターン化や構成の単純化を推し進め,プログラミングを効率化すること,ミスを減らし,

品質を安定させることである。同時に定期的な見直しや修正が容易で,拡張性の高い解析プログ

ラムの設計が望まれる。過剰な汎用性は目指す必要はなく,処理を単純化することに重点を置い

て設計することが望ましい。 「標準」には将来的な改訂や拡張があることを見込んだ設計をしておく必要がある。なぜなら

ば規制や解析方法などの要求事項は時代と共に変化するのが常であり,科学技術の進歩によって

も要求事項は変化していくものであるからである。「標準」もそのような要求事項の変化に応じ

て最適化されていかなければならない。そして,標準は,画一的で不変なものではなく,常に改

善・維持されていくものとして考えていく必要がある。「いかにすばやく,的確に変化に対応し

ていくことができるか」ということが,業務効率の上でも品質維持の上でも重要なポイントとな

る。従って、標準解析プログラムはメンテナンスのしやすさも重要な要件である。詳細は文献を

参考されたい 15。 このような変遷を捉え、柔軟に対応していくという点で,「標準」の作成に関わる人財には十

分な技術やスキルおよび経験が必要とされる。

4.4. 解析プログラマの役割 品質マネジメントの観点では,プロセスの整備や標準化だけではなく,それらの運用に関わる

「人」も重要な品質マネジメントの要素として考えられている。 メディカルライターに対する役割や人財像は,国内でもここ数年役割や人財像が広く議論され

てきており,アンケート結果からも専任者を置いている会社は約半数となっている。一方,解析

プログラミングプロセスでの解析プログラマについては,その存在自体の認識も低く実態調査の

結果からも,専任者を置いている企業は少なかった。その役割を統計担当者が兼ねていたり,派

遣要員がその業務を担っている現状がタスクフォースチーム内の議論からもうかがえた。 我々は,解析プログラマは単にプログラムコードを作成するだけの要員とはとらえておらず,

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解析プログラミングプロセスのなかで果たす役割は大きく,そして重要であると考えている。 ここでは,解析プログラマの人財像について,FDA の要望により米国 PhRMA の BDMTG

(Biostatistics and Data Management Technical Group)が 2008 年 3 月 11 日に米国製薬企業

におけるプログラマの役割,スキルなどを説明した資料をもとに述べる 16。FDA には審査官とし

て多くの統計家が携わっているが,FDA は審議官(統計担当)が審査に際して多くの時間を解析

プログラミングに割いている現状を憂慮し,PhRMA へ製薬企業におけるプログラマの役割につ

いて紹介を依頼した。 PhRMA の資料においては製薬会社の新薬開発部門で働くプログラマとしてデータマネジメン

トプログラマ(Data Management Programmers),統計解析プログラマ(Statistical Programmers),システムプログラマ(System Programmers)の3つの役割が紹介されている。

ここでは統計解析プログラマに絞って内容を紹介する。 統計解析プログラマの役割は CSR に必要な解析作業と申請業務(データの併合を含む)がほぼ

半々とされている。FDA へは CDISC に準拠したデータを申請時に申請資料とあわせて提出する

こともあり,このような業務比率となっていることが考えられる。2年以上の統計パッケージ(SASや S-Plus など)の使用経験と統計,生命科学またはコンピュータ・サイエンスの学位が最低限と

して要求されている。ベンチマーキングの結果として製薬業界で働いているプログラマの半数以

上は8年以上の実務経験があるとの報告も示されている。 そのようなスキル,経験を持った統計解析プログラマは統計担当者と協力しながら解析業務を

進めていくが,あわせて社内標準(データ構造,出力形式,業務手順など)に準拠することの重

要性にもふれられている。 実際,解析プログラマが組織としてどのぐらいの人数存在しているのかについては,2003 年に

PhRMA が実施したアンケート結果として示されている。実際のところ組織の規模によっても大

きく異なるとされているが,統計担当者の人数に近い数の統計解析プログラマが存在しているこ

とがうかがえる。 表 4-1 プログラマ要員数

Median Staffing Levels*

Total Staff <100 Total Staff ≥100

No of Companies Participating N=10 N=10

Clinical Data Managers 12 103

Data Base Programmer 7.5 27

Statistical Programmer 13.5 97

Statistician 16.5 109

*Based on BDMTG survey in 2003 解析プログラマとして専任者を置くべきかどうかについては,開発品目数や試験数,組織形態

によって異なると思われるが,我々のアンケートの結果を見る限り,CSR の年間作成数が多くな

るほど専任者を置く企業は多い(表 2-2)。CSR を効率的に多く作成するという視点に立った場

合には,統計担当者と解析プログラマとの分業・協働の体制が必要である。 解析プログラミングのプロセスを有効に機能させ,品質を維持するためには,プロセスの手順

や道具,コンピュータシステムをそろえるだけでは十分ではない。それらを運用して一定品質の

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図表を効率的に作成できる人財が必要である。つまり,要求事項を理解し,設計仕様を作成でき,

実現できることできないことを明確に判断できるスキルがあり,シンプルで事故の少ない解析プ

ログラムの作成や標準を提案でき,適切な検証を計画・実行できるようなスキルおよび力量を持

った人財を育成していくことが不可欠なのである。 先に紹介した PhRMA の資料に示されているように理想的には,統計解析の知識を有し,統計

解析の内容に応じた適切な解析プログラミングができるスキルがあり,同時にコンピュータ・サ

イエンスの知識,製品製造に関する品質管理の知識,品質管理手法の実践のスキルを有する人財

が望ましい。さらに統計解析分野のスキルもあわせ持つような非常に高度なスキルレベルの人財

が望まれるが,実際には,すべての要件を高いレベルで有する人財を育成することは容易ではな

い。今後,継続的にこのような人財の育成に取組むことが重要となる。

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5. 終わりに

業務プロセスにおける効率追求は企業の規模によらず,すべての企業でその価値を共有できる

活動である。業務プロセスのサイクル・タイムが短縮したり,これにかかる費用が減少したりす

れば,限られたリソースを他のプロジェクトの業務に振り分けることができるからである。しか

し,その一方で,臨床開発業務に携わる“我々の製品たる情報”の品質が犠牲にされることはあ

ってはならない。効率追求のために品質の作りこみや品質確認の手を緩めるという考え方をすれ

ば,効率と品質は両立しえないようにみえる。しかし,日本発の品質経営(品質マネジメント)

には,ムダな業務や煩雑な業務を排除し品質を高めていく努力を組織全体で継続的に行っていく

ことによって,結果として効率も上がるという考え方がある。このような考え方が臨床開発業務

には導入されるべきである。 我々は,本報告書において CSR の作成プロセスに焦点をあて,効率と品質を両立させるための

考え方や方法を議論した。アンケートの結果から業界横断的な傾向として,CSR 作成プロセスに

見過ごすわけにはいかない程のムダが潜んでいることが明らかとなった。そこで,CSR の利用者

と,CSR に求められる役割について現在の視点で再考し,不必要な構成要素を排除し可能な限り

スリム化された CSR を考えた。品質についても考察し,(1)誤りが起きにくい CSR 作成プロ

セスを作ること,(2)点検をきちんと行うことの重要性を説いた。品質が低く“製品”に誤り

を多く含む可能性がある段階では,根本的な見直しを行い,誤りが起きにくい CSR 作成プロセス

を作ることに注力し,同時に点検をきちんと行い品質確認をすることが重要である。点検自体が

ムダなほど品質が十分に高まった段階では,エラーゼロ以外の品質目標や品質基準を考えること

もできる。具体的にどのように CSR 作成プロセスを改善していくかの提案として,欧米の大企業

を中心に臨床開発業務への適用が進みつつある品質マネジメントについても参考までに紹介した。

一つの理想的なプロセスをあらゆる企業で導入することは現実的ではないので,それぞれの企業

で自社に合ったやり方を考える必要がある。そのような組織全体としての取組みを行うときに本

報告書が参考になれば幸いである。 CDISC 標準が業界内で浸透すると,データ獲得後のデータ・プロセッシングは業界全体で標準

化が進み,社内および社外のデータ交換に関わる業務の煩雑さはかなり解消されることが期待さ

れる。CDISC の Protocol Representation はプロトコールに含まれる情報のデータ化を行うこと

を最初の目標としているが,近い将来,非有効性データに関する汎用性の高い帳票類の標準も追

加される予定である。CSR 作成プロセスの改善を行っていくときに,既存の CDISC 標準群

(CDASH, ODM, LAB, SDTM, ADaM)とともに Protocol Representation の動向にも注目する

ことをお奨めしたい。

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ヤモンド社; 2000 27. 迫田勝明, 眞木和俊, 林美穂, “図解シックスシグマ流“強い現場”をつくる「問題解決型」病

院経営”. (株)日本医療企画; 2006 28. 青木保彦, “シックスシグマ導入戦略”.ダイヤモンド社; 1998

30

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7. 付録

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A. 効率化の進め方について 付録目次 A. 効率化の進め方について ............................................................................................. 2

A.1. 現状分析と改善計画の策定 .............................................................................................. 2 A.1.1. プロセスマップの作成 .............................................................................................. 2 A.1.2. 改善計画の策定 ......................................................................................................... 2

A.2. 導入を加速させるための方策 ........................................................................................... 3 A.2.1. コミュニケーションプラン ....................................................................................... 3 A.2.2. マインド・チェンジ .................................................................................................. 3 A.2.3. 教育訓練 .................................................................................................................... 4 A.2.4. プロセスを定着させる .............................................................................................. 4

A.3. 導入したプロセスを磨く .................................................................................................. 5 A.3.1. プロセスを評価する .................................................................................................. 5 A.3.2. ムダの分析と排除 ...................................................................................................... 5 A.3.3. 欠陥の分析と縮小化 .................................................................................................. 6 A.3.4. 完全性の追求 ............................................................................................................. 8

A.4. 定着(維持)とさらなる改善 ........................................................................................... 8 A.5. ツールなどの事例紹介 ...................................................................................................... 9

A.5.1. 業務改善手法シックスシグマの総括報告書作成プロセスへの適応事例 ................. 9 A.5.2. シックスシグマにおける改善活動のステップ(DMAIC) ...................................... 9 A.5.3. シックスシグマで用いられるツール ....................................................................... 11

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A. 効率化の進め方について この章では,効率化を推進するために必要なステップとして,以下を説明する。

現状分析と改善計画の策定 導入を加速させるための方策 プロセスの定着 プロセスを磨く

また,特に現状分析と改善計画の策定の具体例として,品質管理手法の一つであるシックスシ

グマの手法を CSR 作成プロセス(特に解析および帳票に関わるところ)を対象に適用した事例

をA.5に示した。実際の適用において参考にしていただきたい。 A.1. 現状分析と改善計画の策定

漠然と効率化を進めるといってもどこから手をつけてよいかわからず,たとえば CSR という

複数の部門が関わるような業務においては他部署の担当業務のあら捜しになりがちである。しか

し,CSR という成果物を作り上げる製造プロセスという考え方に立つと,ISO 9001,ISO 14001,ISO 27001,JIS Q 15001 などの管理システムや最近よく知られているトヨタカイゼン,リーン

生産方式,シックスシグマというような手法が適用できる。すでに臨床試験にこのような方法を

適用した論文もいくつか報告されている 17, 18, 19。

A.1.1. プロセスマップの作成 改善点を明らかにするためには,最初のステップとして現状分析がある。たとえば,シックス

シグマでは現状分析のためにプロセスマップを作成する。プロセスマップとは,プロセスの流れ

を把握するために,あらゆる活動,意思決定ポイント,再作業,引継ぎなど,プロセスに含まれ

るあらゆる要素を洗い出し,業務の流れの順番や因果関係を図示したものである。 プロセスマップに含まれる情報は SIPOC と呼ばれる,サプライヤー(Supplier),インプット

(Input),プロセス(Process),アウトプット(Output),顧客(Customer)という 5 つの

要素がある。特定した業務プロセスを分解し,SIPOC ダイアグラムにマッピングして把握する

ことによりムダや欠陥の発見につながる。

A.1.2. 改善計画の策定 次に顧客の要求事項の整理が必要となる。顧客の要求(期待)を測定可能かつ定量的な指標(数

値)に置換えることで,現状の問題(欠陥)レベルの測定とその改善目標の設定ができる。CSRを例題に考えると“CSR で使用する解析図表をできるだけ早く作成し,品質の担保をする”とい

ったユーザー要求事項(Voice Of Customer、VOC )に対し,顧客の声を反映した重要な改善項

目(Critical To Quality、CTQ)を定める。 目標が定まり,改善したいプロセスが明確になった後,起こるであろう品質問題の原因を事前

に予測し対応を検討することが必要となる。ここでは問題が発生したときの影響を大きさや,そ

の工程自体の重要性を顧客の立場になって分析することが必要となる。ここで用いることのでき

る手法として,起こる可能性のある品質問題の原因を事前に予測して問題を未然に防止する事前

管理の手法,すなわち FMEA(Failure Mode and Effect Analysis)がある。

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A.2. 導入を加速させるための方策 A.2.1. コミュニケーションプラン

新規導入または変更するプロセスが決定したら,まず初めにコミュニケーションプランの作成

を奨める。 ここでいうコミュニケーションとは,会社で働く個人,組織が,ある業務を進めるための過程

を指し,関係する担当者(「ステークホルダー」という)が,一方通行や押付けでない,双方向

コミュニケーションで情報を共有することである。 つまりコミュニケーションプランを作成するとは,CSR 作成に関係するステークホルダーの責

任と役割および意思決定の権限を明確にし,適切な人物がその業務プロセスに確実に参加するよ

う留意し,必要に応じて教育を提供するプランを作成することである。また,コミュニケーショ

ンプランは,文書化しておくことを奨める。 CSR 作成には複数の担当者や組織が関わるため,部門を超えた賛同とサポートが必要となる。

コミュニケーションプランを作成しておくと,個人,組織間で効果的なコミュニケーションを図

ることができ,プロセス管理の手助けとなり,プロセスも早く定着する。 コミュニケーションプランに盛り込むべき要素としては次の事項があげられる。 1) 改善の必要性 2) 改善内容 3) 責任と役割

意思決定の権限は,業務プロセスのライフサイクルを通じて,担当者,組織間で移行する

ため,常に担当者が業務プロセスにおける責任と役割,意思決定の権限を理解し,受け入

れておく必要がある。プロセスを変更したが誰に責任や権限があるのかわからないといっ

た場合,担当者が苦労し,間違った判断,運用をしてしまう可能性がある。 4) 緊急時の対応

通常のコミュニケーションプランを作成するほかに,問題が発生した場合の緊急時コミュ

ニケーションプランも忘れずに作成しておく必要がある。緊急時対応は後回しにされるこ

とが多く,特にタイムリーな決断を下すための権限については議論されないまま放置され

ることが多い。担当者は問題が発生したときに,意思決定の権限が誰にあるのかを慌てて

把握しようとし,ミスを起こしやすくなる。 また,コミュニケーションに必要な情報をどの程度までまとめておくかを決めておくことで,

情報の効率的な伝達,有効利用および情報伝達ミスの低減ができる。 業務プロセスの結果が目にみえる成果として結実できれば,各担当者が責任感や役割,周りと

の関わりを自覚することになる。 コミュニケーションプランを上手く活用することで,関係するステークホルダーを目標に向か

ってまとめることができ,組織全体に達成感を与えることができる。

A.2.2. マインド・チェンジ トヨタカイゼン,リーン生産方式,シックスシグマなどの活動が目指すところは,企業の業務

プロセス改善,既存プロセスの洗練によるコスト削減,効率化,品質向上,より高い顧客価値の

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提供などに用いられてきた。しかし最近では,業務の枠を超えた企業変革の発見,財務実績の向

上,イノベーション体質の組織構築を目指す経営者の武器として使用されているケースが増えて

いる。変化する市場にスピーディに対応し,成功させるためには,業務改善を超えた企業全体の

イノベーションが必要だと考える経営者が増えたからであろうか。しかし,日本の多くの企業の

文化は「イノベーション実現のための変化を受容しにくい企業文化」であると思われる。先輩社

員から引き継いだ考え方や業務手順を大切に守り続け,変化を好まない,安定した企業体質に納

まっており,企業全体のイノベーションを妨げる最大の障害要因となっている。 トヨタカイゼン,リーン生産方式,シックスシグマなどを社内に導入し成功に導くためには,

イノベーションが必要であり,その底力となるのがマインド・チェンジとリーダーシップである。 この最大の障害要因を排除するために必要と思われることをまとめる。 1) イノベーションを起こせる組織を構築し,継続的なイノベーションを行えるプロセス,ル

ール,仕組みが必要である。 2) 社員ひとりひとりの思考,働き方,マインドの変革を進める努力をしなくてはならない。

そのためには,強力なリーダーシップが必要である。 3) 強力なリーダーシップが,社員の幅広い,精力的な参加を促し,共通のビジョン,目標に

向かっての全社活動となり,イノベーションの実現となる。 ここでいう強いリーダーシップとは,プロセス改善を推進する強い意志を持ち,従来のシステ

ムや慣習を打破して改善を推進するだけの熱意と行動力,そして権限を発揮することである。こ

のようなプロジェクトの推進者のことをチェンジ・エージェントと呼ぶ。 チェンジ・エージェントは,抵抗勢力となった関係者に対して,プロセス効率化の目的と意義,

必要性を理解させ,改善への協力者に変化させる役割を担っている。これが実を結んだとき,プ

ロセスの効率化は大きく加速し,プロセスが会社に根付いたといえる。

A.2.3. 教育訓練 優れた人財は,一朝一夕に出来上がるものではなく,企業が継続して教育する努力が必要であ

り,これを怠るとすぐに現場力は弱体化してしまう。そのため「あたり前のことをあたり前にで

きる」担当者を育成することから始め,改善について真剣に議論する場や,チェンジ・エージェ

ントなどの人財を育てる仕組みを提供し,現場力の強化に努める必要がある。 推進のキーマンとなるリーダーやチェンジ・エージェントはもちろん,効率化の推進に参加す

るすべての関係者が効率化の目的や意義,必要性を十分に理解し,効率化を推進するための方法

論や具体的に起こすべき行動をスキルとして身に付ける必要がある。 そのためには教育システムを構築することが重要である。しかし,現実問題として要件を満た

す人財が育つまでには,長期にわたるトレーニング期間の確保や専任担当者の配置,多数プロジ

ェクトの実行,成功体験を積ませるなどが必要であり,時間とコストがかかる。教育システムが

構築されていない場合には人財育成が滞り,プロセス改善が停止してしまう場合も少なくない。 A.2.4. プロセスを定着させる 改善のためのプロジェクト活動を通し,成果と実績を積み上げ,この活動を習慣化させる以外

にプロセスを定着させる方法はない。

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たとえば,あるプロジェクトでの成功体験により利益実感を持った担当者は,「他にもっと効

率的なよい方法はないのか」などの向上心や好奇心,あるいはチャレンジ精神を持つようになる。

やがてプロセス改善活動へとつながる努力や提案を行い,プロセス改善を実現するようになり,

これが習慣化する。このように現場主体で築かれた習慣は周囲の人の行動を変え,組織を変え,

最終的には企業を変えるような改善活動として定着する。 継続的な定着のためには,企業目標がしっかりしており,経営層が積極的に関わっていること

が重要である。 また,プロジェクトを推進する際に,プロジェクト活動をサポートするための窓口や事務局な

どを設置し,プロジェクトを進めるうえでの不安を解消し,担当者に安心感を与えるとともに,

問題を吸い上げ,改善につながるようにフォローする活動も重要である。 どの企業もスタート当初は長期にわたるトレーニング期間の確保や専任担当者の配置,多数の

プロジェクトの実行が必要となり,時間とコストが必要になる。根気強くこの活動を続けること

で,プロセス改善活動の考え方が組織に浸透して,組織全体にわたって継続的な改善を実現でき

る組織と確固たる活動プロセスが定着する。 A.3. 導入したプロセスを磨く A.3.1. プロセスを評価する

プロセスは,一度構築し導入に成功したらそれで終わりというものではない。完璧なプロセス

は存在しないし,より完成度の高いプロセスであっても時代や環境の変化によって劣化する。ま

た,プロセスのアウトプットに対する要求事項も変化することがあり,既存プロセスでは要求事

項を満足できなくなってしまうこともある。そのため,継続的にプロセスの評価を行い,ムダや

欠陥などの問題点をいち早く発見し改善していくことが重要である。 プロセスを評価するためには,まずアウトプットに対する最新の要求事項を十分に理解する必

要がある。CSR 作成プロセスにおいては,最終アウトプットである CSR に対する要求事項はも

とより,プロセスを構成する各工程のアウトプットに対する要求事項についても十分に理解しな

くてはならない。そうすることで,各工程単位で評価することが可能となり,具体的な改善活動

を進めやすくなる。 プロセスを可視化することもプロセスを評価する上で非常に重要である。各工程について,イ

ンプットとアウトプットを特定し,当該工程にかかる時間やコスト,不良発生率など具体的な数

値で表すことにより工程は可視化される。これにより,各工程およびプロセス全体を定量的に評

価することが可能となる。 A.3.2. ムダの分析と排除 ムダはあらゆるところに存在する。CSR 作成プロセスにおいても,徹底的に分析すれば必ずム

ダが見出される。品質マネジメントにおいて引用されることの多いトヨタ生産方式の 7 つのムダ

(作りすぎのムダ,手待ちのムダ,運搬のムダ,加工そのもののムダ,在庫のムダ,動作のムダ,

不良をつくるムダ)になぞらえるだけでも以下のように多くのムダが考えられる。 作りすぎのムダ:

余計な図表(意図不明または念のための図表),必要以上の考察 手待ちのムダ:

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解析指示の遅れ,解析結果出力の遅れ 運搬のムダ:

出力後の図表配置決定(図表の並べ替え) 加工そのもののムダ:

必要以上に見栄えにこだわった図表,細かすぎる体裁指定,MW による図表の作りこみ 在庫のムダ:

余計な図表への対応(CSR に掲載しない場合の図表管理,掲載する場合の配置) 動作のムダ:

過剰な検査,プログラム作成開始後の仕様変更 不良をつくるムダ:

作成図表の手戻し,過剰記載によるエラー

これらのムダを廃除(トヨタ生産方式における用語。「排除」では取り除くが横によけておく

だけという印象を持ち得るので,取り除いて捨て去るという意味を持たせるため「廃除」が用い

られる。)することがプロセスの効率化につながる。 CSR 作成プロセスからムダを廃除するための手順の一例を以下に示す。

① 要求事項の定義 最終アウトプットである CSR に対する要求事項を明確に定義する。要求事項が明確

でなければ適切な作成プロセスを構築することは不可能だからである。 ② プロセスマップの作成

要求事項を過不足なく満たす作成プロセスを構築するのに必要と思われるすべての

工程を集めプロセスマップを作成する。 ③ 淀みのない CSR 作成プロセスの作成

各工程を徹底的に分析し不要な工程を廃除する。残った工程に対しても優先順位を

追求して本当に必要な工程のみを抽出する。それらの工程間の相互関係を整理した

上で,再度プロセスマップを作成し,淀みなく流れる CSR 作成プロセスを再構築す

る。

以上により,ムダを廃除した効率的な CSR 作成プロセスを構築することが可能である。しか

し,CSR 作成プロセスを改善しても,全体として効率化が十分とはいえないこともある。その一

因として,プロセスを構成する各工程にムダが内在することが考えられる。これに対しては,個々

の工程を 1 プロセスとみなし,上述の手順を利用して改善を図ることが可能である。このように

して,CSR 作成プロセスやそれを構成する各工程から徹底的にムダを廃除することにより,全体

として大幅な効率化の実現が可能となる。 また,このようにして構築されたプロセスは,ほとんどの場合,より工程数が少なく単純なプ

ロセスとなるため,人為的エラーが発生する機会も減少し,より効率的な品質確保が可能になる

というメリットもある。

A.3.3. 欠陥の分析と縮小化 ムダを廃除したプロセスを構築した後,プロセスそのものに内在する欠陥を洗い出し対応する

ことにより,さらに効率化することが可能である。ここでいう欠陥とは,不良品やその発生原因

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だけを指すわけではない。プロセスやそれを構成する各工程にかかる時間やコスト,品質などさ

まざまな要素について,理想とするあるいは目標とする状態とのギャップがある場合,それらす

べてを欠陥と定義する。こう定義すると,欠陥は CSR 作成プロセスを構成するあらゆる工程に

存在する。たとえば,以下のようなものはすべて欠陥としてとらえることができる。

時間としての欠陥 解析図表の引渡し時期の MW 担当者が要求する納期からの遅れ 解析プログラム開発に要する時間の見積もり時間からの延長

コストとしての欠陥 解析プログラム開発費用の予算オーバー

品質としての欠陥 許容レベル品質に達していない解析図表の品質レベル 図表タイトルなどの文字化け

その他の欠陥 図表詳細仕様と実際の解析図表の齟齬(表示情報やレイアウトなど) 利用しにくい解析図表(利用目的を考慮しない図表サイズなど)

これらの欠陥を最小化することにより,効率化を推進することが可能である。ただし,あらゆ

る工程のあらゆる欠陥を一律に改善するのは効果的でない。プロセス全体に及ぼす影響度を分析

し,最も影響の大きい欠陥に焦点を絞るべきである。なぜなら,プロセス全体での欠陥の大きさ

の大半は,ごく一部の欠陥によって占められているからである。これはパレートの法則として知

られる普遍的現象であり,この現象をシックスシグマではパレート原則と呼んでいる。つまり,

影響の大きな欠陥を改善することにより,効率よくプロセス全体を改善することができるのであ

る。 改善対象とした欠陥への改善アプローチとしては,平均的な欠陥の縮小化もさることながら,

バラツキの縮小化を目指すことが非常に重要である。いくら平均値を改善してもバラツキが大き

ければ欠陥の発生を防ぐことはできないが,逆に,平均値を大きく改善できなくともバラツキを

徹底的に小さくすれば欠陥の発生を抑制することができるからである。 事例として,解析図表の引渡し時期について考えてみる。 たとえば目標とする引渡し時期がデータ固定から 1.5 ヶ月であるとして,実際の平均値が 1.5

ヶ月に近い状態であったとしても,試験ごとにみるとほとんどの試験では 1 ヶ月であるにもかか

わらず,いくつかの試験では平均を大きく超過する 5 ヶ月,6 ヶ月の納期遅れがあるのであれば,

これらの試験の遅れを抑制するほうがクレームを減らすという点ではより効果的である。 バラツキを縮小するためには,バラツキの原因を分析し,一つ一つそれをつぶしていく必要が

ある。このときにもパレート原則を利用することにより,効率よく改善することが可能である。

バラツキを縮小するための具体的な手法については,シックスシグマの手法などを参考にすると

よい。また,バラツキを縮小する方法としては標準化も有力な手段となる。標準化により,プロ

セスは単純化,秩序化されバラツキを抑制することができる。

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このようにして,バラツキを抑制し安定したプロセスを構築することにより,プロセスは管理

しやすくなり,さらなるプロセス改善の推進が容易となる。

A.3.4. 完全性の追求 上記の一連の活動によって,プロセスの効率化を推進することができる。しかし,このように

して効率化されたプロセスであっても,やはり完璧なプロセスとなるわけではなく,改めて評価

すると,プロセスのどこかにムダや欠陥が新たに発見される。そのため,これらの活動を継続的

に繰返し実施することにより,完全性を追求したプロセス効率化を継続的に図っていくことが非

常に重要である。 A.4. 定着(維持)とさらなる改善

ここまで効率化の進め方について述べてきたが,効率化は一度行えば永遠に有効というもので

はなく,その活動を繰返す必要がある。顧客の要求事項が時間の経過のなかで変化していくから

である。 CSR についても,平成 8 年の ICH E3 ガイドラインの通知以降,申請承認書に添付する文書が

申請概要から CTD に変わり,また世界同時開発が進むことで,日本の治験の CSR も欧米でもそ

のまま利用し日本の治験の結果を海外でも活用したいというように顧客の要求事項が変遷して

いる。 効率化の推進は容易ではない。その最大の要因は人である。CSR 作成プロセスには多くの関係

者が携わっており,これらの関係者が効率化推進の阻害要因となり得るのである。CSR 作成プロ

セスを効率化することに反対する関係者はおそらくいないだろう。しかし,具体的な効率化の策

を提示すると,必ずと言ってよいほど反対する関係者がいる。効率化策そのものに問題がある場

合もあるが,多くの場合は,自らのスタイルややり方を変更しなくてはならないことに対する抵

抗感や,自らが関係する工程への負荷の増大に対する不満がおもな反対理由となる。特に,自ら

が携わる工程に対する部分最適化を推進している関係者ほど抵抗感や不満は強く,効率化推進へ

の大きな抵抗勢力となる。このような関係者がいるなかで,プロセスの効率化を推進していくた

めのいくつかの方策が参考文献の章に示した参考図書で紹介されている。

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A.5. ツールなどの事例紹介 A.5.1. 業務改善手法シックスシグマの総括報告書作成プロセスへの適応事例 この節では,最初にシックスシグマの手法を紹介し,その後,実際に CSR 作成を対象プロセ

スとしてシックスシグマ手法を適用し,プロセス導入・改善を成功に導くキーポイントを順に示

す。ひととおり読み終えたころには,プロセス導入・改善を実現するために何をしなくてはいけ

ないのかの具体的なイメージが描けていることと期待している。 ちなみにシックスシグマとは,グローバルスタンダードの経営変革手法であり,コアプロセス

を改善し,企業のパフォーマンスを飛躍的に向上させることを目的とした経営革新を実現させる

ための手法である。プロセスの平均値向上を試みるよりも,バラツキを抑えることに力点を置き,

品質のバラツキを小さく抑えることで,COPQ(Cost Of Poor Quality)を低く抑えるなど,バ

ラツキの抑制に主眼がおかれた活動である。

A.5.2. シックスシグマにおける改善活動のステップ(DMAIC) DMAIC モデルとは,Define(定義), Measure(測定), Analyze(分析), Improve(改善), Control(定着)から構成されている。シックスシグマでは,このステップに沿って,プロセス改善およ

び品質管理を進めている。

Define定義

取り組むべき課題の定義

Measure測定

現状調査とデータ収集

Analyze分析

データ分析と改善点の特定

Improve改善

改善策の決定と実行

Control定着

効果の確認と定着管理

Define定義

取り組むべき課題の定義

Measure測定

現状調査とデータ収集

Analyze分析

データ分析と改善点の特定

Improve改善

改善策の決定と実行

Control定着

効果の確認と定着管理

図 A-1 DMAIC

下記に各ステップでの活動内容の詳細を示す。

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(ア) 定義(Define) 【活動】 ① 企業戦略と顧客要求に基づき,実施すべきプロセス,課題を定義する。 ② 組織のビシネス目標に関するプロジェクトの目標と範囲を設定する。

【ツール】 SIPOC(プロセスマップ)

課題やインパクトを持ったプロセスステップを特定するために,ハイレベルの

プロセスマップを作成し,プロセスを分析する。 VOC CTQ Tree

(VOC:Voice Of Customer/CTQ:Critical To Quality) 顧客のニーズと要求事項を明らかにするデータを集め(顧客の声), 顧客の声を反映した重要な改善項目を洗い出す。 ※SIPOC,VOC,CTQ については,次節で説明する。

(イ) 測定(Measure)

CTQ(Critical to Quality:品質評価上で最も重視される点)に影響を与える重要な

業務プロセスを発見し,CTQ と対比しながら発生した欠陥を測定する。 【活動】 ① 改善すべき対象プロセスの現状データを,VOC 評価基準に沿って収集し事実認識

を行う。 ② 目標を指標化し,目標と事実とのギャップを確認する。 ③ 目標点数,期待点数などの評価基準を設定し,問題の所在や原因を特定し,ベー

スラインプロセス能力を把握する。 【ツール】

ゲージ R&R(Role and Responsibility) おもに製造業での測定法の有効性をテストする一般的な方法である。一つの測

定法をさまざまな環境で繰返し実施し,「正確性」「反復性」「再現性」「安定性」

の 4 つの基準に照らして判定する。

(ウ) 分析(Analyze) ここでの分析は,欠陥はなぜ発生するのか理解するために行うものである。抽出した

課題が,各部分機能の最適化を図ること(部分最適)で済むのか,システム・組織の全

体の最適化を図ること(全体最適)が必要かといった視点から優先順位づけ,重みづけ

をし,集約した要因の因果関係を特定し,重要課題を決定する。 【活動】 ① 現行パフォーマンスと目標とのギャップの原因を分析する。 ② 目標達成のための主要因分析を行うため,主要因,潜在的要因を特定し,原因/

結果の関連を評価し,優先順位を設定する。 ③ 分析の結果,定義(Define)で決めたプロジェクトの目標と範囲に変更があれば

変更する。

(エ) 改善(Improve) 主要変数を特定し,それら変数が CTQ に及ぼす影響を数値化する。主要変数の最大

許容範囲の限界を特定する。業務プロセスで主要変数のバラツキを測れるかどうかにつ

いて確認し,許容範囲の限界内にバラツキが納まるように業務プロセスを変更する。 【活動】

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① 現行と目標のギャップを埋めるために特定された主要因の解決策を創出・選択

する。 ② プロセスに変更を加えた場合のリスクを評価する。 ③ パイロットで予行を実施し,達成時期,評価基準,推進責任者などマイルストー

ンを設定した実施計画を作成する。 ④ 解決策を実行し,業務プロセスの変更を行う。

【ツール】 FMEA(Failure Mode and Effect Analysis)

事前に予想されるあらゆる故障モードを列挙し,そのなかから周囲への影響度

の高い故障モードを抽出し,事前に対策を講じようとする信頼性解析の手法の

ことである。 ※FMEA については,次節で説明する。

(オ) 定着(Control)

ここでは改善結果定着のための管理をするために,主要変数を特定し,それら変数が

CTQ に及ぼす影響を数値化し,継続的にそれら変数をモニタリングする。 【活動】 ① 解決策の実行後,結果を数値化し,継続的にモニタリングするチェックポイント

を設け,改善成果を維持する管理プロセスを作成する。 ② 改善・革新された結果を標準化・文書化して定着させる。 ③ 業務プロセスが定着したら,さらなる挑戦的な計画を策定する。

シックスシグマは,DMAIC を何度も何度も繰返しループさせることによりプロセス改善およ

び品質管理改善を行うことで,業務プロセスの品質や商品の品質を高めていくよう維持するもの

である。

A.5.3. シックスシグマで用いられるツール 次に,いくつかの代表的なツール,SIPOC,VOC CTQ Tree,FMEA について紹介する。 ツール1:プロセスマップ(SIPOC)

プロセスマップとは,プロセスの流れを把握するために,あらゆる活動,意思決定ポイント,

再作業,引継ぎなどプロセスに含まれるあらゆる要素を洗い出し,現状分析し,業務の流れの順

番や因果関係を図示したものである。 ここではプロセスマップツールとして最も解かりやすく,よく利用されている SIPOC ダイア

グラムを紹介する。SIPOC ダイアグラムは,図のような 5 つの要素[サプライヤー(Supplier),インプット(Input),プロセス(Process),アウトプット(Output),顧客(Customer)]

からなっている。 特定した業務プロセスを分解し,SIPOC ダイアグラムにマッピングして,把握することで組

織の中心的な活動が明らかになり,ムダや欠陥の発見につながる。 解析プログラミング業務を例にして,SIPOC ダイアグラムにマッピングすると図 A-3のよう

になる。

A-11

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 プロセス

サプライヤーSupplier

インプットInput

プロセスProcess

アウトプットOutput

顧客Customer

Input 1活動 2活動

3活動

判断 Output

3活動

図 A-2 SIPOC ダイアグラム

Suppliers Input Process Output Customer

データマネジメントグループ

CRF電子データ

臨床開発部・薬事部

申請資料作成部署

入力変数設計書

臨床開発部 ・薬事部

(申請資料作成部署) 集計表出力テンプレート(Mock-up)

集計表

解析用データセット作成プログラム

集計表出力用プログラム

解析用データセット

【現状】解析用データセットの標準型がなく,プロトコールごとに解析担当者が任意に作成

【あるべき姿】標準型(デフォルト)を決め,必要に応じて追加変更(オプション)を行う.

【現状】集計表出力テンプレートの仕様を統計解析GとCRDの間でやりとりしながらプログラムを最終化.

【あるべき姿】何種類かの標準出力プログラムが用意されており,その中から選択・実行.必要に応じて追加変更(オプション)を行う.

【現状】集計表出力用プログラムの一部として作成.

【あるべき姿】CRFデータと解析用データセットの標準型(デフォルト)に対応する標準的処理プログラムを用意し,必要に応じて追加変更(オプション)を行う.

解析用データセット作成プログラム

集計表出力用プログラム

解析用データセット

主プロセス

副プロセスバリデー

ション

図 A-3 解析プログラミング業務 SIPOC ダイアグラム

また SIPOC ダイアグラムを作成するときのポイントをあげる。 1) プロセスの目的を明確にする ・ このプロセスの目的は何か? ・ このプロセスが存在する意味を持っているのか,なくてもよいのか? ・ このプロセスの結果・成果は何か?

2) サプライヤー/インプット(Supplier /Input) ・ サプライヤーは誰で,何を供給してくれるのか? ・ 行っている活動の,情報・製品はどこから来るのか? ・ プロセス・フローのどこに影響を与えるのか? ・ プロセスと結果にどんな影響を及ぼすのか?

3) プロセス(Process) ・ 個別のインプットに対して何が起こるのか? ・ どんな活動が起こりうるか,起こっているのか?

A-12

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4) アウトプット(Output) ・ 何をこのプロセスで作るのか,何がこのプロセスのアウトプットなのか? ・ どの時点でこのプロセスは終了・完結するのか?

5) カスタマー(Customer) ・ 誰がこのプロセスのカスタマーか? ・ このプロセスから生み出されるアウトプットは誰がどのように使うのか?

ツール2:顧客の要求事項の整理(VOC CTQ Tree)

(VOC:Voice Of Customer/CTQ:Critical To Quality) VOC CTQ Tree とは,顧客の要求(期待)を測定可能かつ定量的な指標(数値)に置換えるこ

とで,現状の問題(欠陥)レベルの測定とその改善目標の設定ができる。 “CSR で使用する解析図表をできるだけ早く作成し,品質の担保をする”といった VOC(ユ

ーザー要求事項)に対し,CTQ(顧客の声を反映した重要な改善項目)を洗い出した VOC CTQ Tree の事例を図 A-4に紹介する。

図 A-4 VOC CTQ Tree の事例

また VOC では,抽象的で曖昧な漠然としたコメントや,感情的なコメントがフィードバック

されることがほとんどである。顧客要求事項を特定していく手順をあげておく。

1) VOC を,類似した意見,共通の意見にグループ化する。 2) グループ化したのコメントを整理して,そのグループの声を代表するような VOC を決め

る。 3) グループ化した VOC ごとに,顧客の要求事項にとっての主要問題点(心配,価値,期待)

を洗い出し,書き出す。

A-13

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4) 顧客にとっての主要問題点ごとに,顧客要求を,測定可能かつ具体的なくくりでグループ

化する。

ツール3:FMEA(Failure Mode and Effect Analysis) FMEA とは,設計や工程計画の段階で,「起こるであろう品質問題の原因を事前に予測して,

問題を未然に防止する事前管理の手法である。故障モードの発生頻度,影響度,検出難易度など

の評価項目・評価基準に基づき重要度を明らかにして,顧客の立場に立って優先順位を明確にす

ることにより,設計段階で使用時に発生する問題を明らかにして事前に解決できたり,問題のあ

りそうな工程の事前対策にもなる。FMEA は,データ収集を優先順位付けする必要のあるとき,

または品質の保証に影響するかどうか明確さに欠けるときに使用する。 解析プログラミング業務を例にして,FMEA を作成すると図 A-5のようになる。

図 A-5 FMEA の事例

一般的な FMEA の作成手順は下記のようになる。 1) 対象となるシステムに対して各部品,構成要素を調べ,対象となるものを決定する。 2) 各部品などの考えられる故障モードを知り,その原因を調べる。 3) 故障モードによるシステムの損害度を評価する。 4) 故障の確率を推定しシステムの損害度の結果と総合し,総合した評価値(危険優先度など)

を求める。 5) 総合した評価値による優先度に従って企画,設計上の改善・施策を検討する。 6) 解析を行うときに,下記のようなワークシートを作成し,必要事項を記入する。

A-14

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装 機 区 故 故 故 故 故 緊 致置 能 分 障 障 障 障 障 急 命名 モ 原 部 最 検 の 発 度 度

| 因 分 終 出 重 生 ラド 的 シ 方 要 頻 ン

影 ス 法 性 度 ク響 テ と

ム 対へ 策の 案影響

故障の影響

コード 年 月 日 解析者名 設計者名

図 A-6 FMEA ワークシート

A-15

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B.総括報告書作成に関する実態調査アンケート

全集計結果

付録目次

B. 総括報告書作成に関する実態調査アンケート全集計結果 .................................................... 2 B.1. はじめに ......................................................................................................................... 2 B.2. アンケート概要 ................................................................................................................ 2

B.2.1. 対象,方法および回答数 ......................................................................................... 2 B.3. アンケート結果の要約 ..................................................................................................... 2 B.4. アンケート集計の方法 ..................................................................................................... 4

B.4.1. 解析方法 ................................................................................................................. 4 B.4.2. データの取扱い ....................................................................................................... 4

B.5. アンケート集計結果 ......................................................................................................... 6 B.6. アンケートに対する探索的な解析結果 ........................................................................... 47

B.6.1. CSR 作成と会社背景 ............................................................................................. 47 B.6.2. CSR 図表数の現状 ............................................................................................... 49 B.6.3. CSR 作成関連業務の現状 .................................................................................... 51

B.7. その他 CSR 作成の現状 ............................................................................................... 55 B.7.1. CSR の生産効率の推定 ........................................................................................ 55

B.8. CSR 図表作成に対する生産効率 ................................................................................. 56 B.8.1. CSR 作成上の問題点 ............................................................................................ 56

B-1

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B. 総括報告書作成に関する実態調査アンケート全集計結果

B.1. はじめに 治験総括報告書(以下 CSR)の作成には,臨床担当者,メディカルライター,統計解析担当者,

プログラマーなどが関わっている。CSR 作成に対するプログラミング業務およびライティング業

務に対する効率化の検討にあたって,各社の現状を把握する必要があると考えた。今回,日本製

薬工業協会医薬品評価委員会の統計・DM 部会に参加している製薬会社を対象として,作成され

ている CSR の現状,背景および業務の標準化の程度などについてアンケート調査を行い,その結

果をまとめるとともに探索的な解析を行った。

B.2. アンケート概要 B.2.1. 対象,方法および回答数

1) 対象 :日本製薬工業協会医薬品評価委員会 統計・DM 部会参加会社 2) 方法 :Web 形式(日本製薬工業協会医薬品評価委員会 会員用ページ)

対象会社に対して,医薬品評価委員会会員用ページにてアンケートを実施した。

回答されたデータは,回答会社名を伏せた上で本タスクフォースに電子記録形式

にて提供された。 3) 実施時期 :平成 20 年 1 月 10 日~1 月 31 日 4) 有効回答数 :60 社

B.3. アンケート結果の要約

今回のアンケートの結果,おもに以下のような結果が得られた。なお,アンケート質問ごとの

集計結果は「5. アンケート集計結果」に,探索的な解析結果については,「6. アンケートに対す

る探索的な解析結果」に記載した。また,解析時に行ったデータの取扱いについては「4. アンケ

ート集計の方法」に記載した。 (1)回答会社背景 今回,統計・DM 部会加盟会社にアンケートを依頼し,60 社から回答があった。内資系/外資

系別(Q1)では,内資系会社 44 社(73.3%),外資系会社 16 社(26.7%)からの回答であった。

また,年間作成 CSR(Q2)別では,「1~3 本」が 20 社(33.3%),それ以上が 39 社(65.0%)

であった。

(2)作成している CSR の現状 CSR 本文のページ数としては,それぞれの試験で下記の回答が最も多かった。(Q3,Q5,Q7) 臨床第Ⅰ相: 「100 未満」34 社(56.7%),中央値(80) 探索的試験: 「100 以上~150 未満」30 社(50.0%),中央値(125) 検証的試験: 「100 以上~150 未満」26 社(43.3%),中央値(125) CSR 本文の平均的な図表数(タイトル数)としては,それぞれの試験で下記の回答が最も

多かった。(Q9,Q11,Q13) 臨床第Ⅰ相: 「10 以上~30 未満」40 社(66.7%),中央値(20) 探索的試験: 「10 以上~30 未満」26 社(43.3%),中央値(40) 検証的試験: 「10 以上~30 未満」21 社(35.0%),中央値(40) CSR14 章(本文中に含めないが,引用する表,図およびグラフ)の平均的な図表数(タイ

トル数)としては,それぞれの試験で下記の回答が最も多かった。(Q15,Q17,Q19) 臨床第Ⅰ相: 「50 未満」,「50 以上~150 未満」共に 24 社(40.0%),中央値(100)

B-2

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探索的試験: 「50 以上~150 未満」24 社(40.0%),中央値(100) 検証的試験: 「50 以上~150 未満」24 社(40.0%),中央値(100)

CSR 文章の言語(Q26~Q29)としては,50 社(83.3%)が日本語で作成しており,英語

で作成している会社は 9 社[15%,内訳,内資系:1 社,外資系 8 社(外資系会社の 50.0%)]

であった。また,図表の言語としては,英語と回答された会社が 13 社(21.7%)あった。

これらの結果から,文章は日本語で作成しているが図表については英語表記をしている会

社もあることがうかがえた。

(3)CSR 作成関連業務の現状 CSR 本文(10~13 章)への解析結果の平均的な取り込み方法(Q32)として,「別途,表

を作成」と回答した会社は 7 社(11.7%)であり,多くの会社では「手を加えない」また

は「体裁整形」等の方法により効率化している様子がうかがえた。また,CSR(14~16 章)

に対する同様な質問(Q33)に対しては,多くの会社では「手を加えない」(44 社,73.3%)

で作成されていた。 データ固定から CSR 完成までの平均的時間(Q37)としては,「6 ヶ月以内」と回答した

会社が最も多かった(27 社,45%)。内資系/外資系別では,内資系会社が「6 ヶ月以内」

が最も多かった(22 社,50%)のに対して,外資系会社では「3 ヶ月以内」が最も多かっ

た(8 社,50%)。 図表作成関連業務として,業務量削減あるいはボトルネックと感じている業務(Q40)と

しては,「解析用データ・図表仕様あるいはプログラム仕様の作成」(27 社,45.0%),「図

表の仕様変更に伴う修正」(22 社,36.7%)等が多かった。 CSR 作成業務として,必要以上に時間がかかっているあるいはボトルネックと感じている

業務(Q42)としては,「CSR の点検・レビュー」(35 社,58.3%),「CSR への図表の貼り

こみ」(21 社,35.0%)等が多かった。 図表作成等のプログラミング専任者(Q44)がいる会社は 19 社(31.7%,中央値 5 人),

また,MW 専任者(Q46)がいる会社は 30 社(50.0%,中央値 6.5 人)であった。 プログラミング業務あるいは MW 業務において標準化されている業務(Q56)としては,

「CSR テンプレート」(44 社,73.3%)および「統計解析計画書テンプレート」(37 社,

61.7%)が比較的高い割合であった。一方,最も低い割合であったのは,「処理・計算アル

ゴリズム」(11 社,18.3%)であり,「ほとんど標準化されていない」と回答した会社が 8社(13.3%)あった。 CDISC 標準に準拠したデータ標準化(Q58)に対しては,「ほぼ実装段階」または「一部

実装」と回答した会社が 16 社(26.7%)であった。 「治験総括報告書作成の手引き」の活用状況(Q59)としては,「手引きとして使用」と回

答した会社が 27 社(45.0%)であり,特に,内資系会社での割合が高かった(54.5%,外

資系:18.8%)

B-3

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B.4. アンケート集計の方法 B.4.1. 解析方法 各アンケート回答に対して集計するとともに,内資系会社/外資系会社,または年間 CSR 作成

数にて層別解析を実施した。また,一部のデータについては以下の取扱いに従って読み替え等を

行い,アンケート結果間の関連性について探索的な解析をあわせて実施した。

B.4.2. データの取扱い 1)欠測値の取扱い 原則として,欠測値は欠測としてそのまま用いることとし,以下の場合を除いては特別な補完

は行わなかった。 専任者の人数について

• 解析プログラム作成専任者の有無(Q44)として,「いない」と回答されていた場合,人

数(Q45)の値はゼロとして取り扱った。 • MW 専任者の有無(Q46)と人数(Q47)についても同様に取り扱った。

2)外れ値の取扱い 回答中に,質問文に対する誤解または回答時の入力ミスにより外れ値ではないかと考えられる

データに対して,一部の解析では以下のような補正を行った上で実施した(生産性の解析では補

正していない値にて実施した。)。 リソース(人月)について

• リソースとして「20人月以上」との回答に対しては,人日での記載が懸念されたため,記

載リソース÷20 として補正した値を算出し,一部の解析に使用した。 • 0 人月の場合には,生産性の計算時には欠測値として扱う。

3)ページ数および図表数に係るデータの読み替え Q07. CSR 本文ページ数,Q13. CSR 本文の図表数,Q19. CSR 14 章の図表数については分類

変数型の選択肢としていたが,分類カテゴリの上限については具体的な量についても回答を得た

ため,下表に示すようにカテゴリの再分類を行った。さらに,簡単のため各分類幅のほぼ中央値

を代表値として読み替えを行い使用した。 Q07. CSR 本文ページ数

質問 回答 読み替え分類 読み替え中央値 Q07 100 未満 100 未満 70 Q07 100 以上~150 未満 100 以上~150 未満 125 Q07 150 以上~200 未満 150 以上~200 未満 175 Q07 200 以上 200 以上~300 未満 250 Q08 300-500 300 以上~500 以下 350 Q08 300~400 300 以上~500 以下 350 Q08 230 200 以上~300 未満 250 Q08 250 200 以上~300 未満 250 Q08 290 200 以上~300 未満 250 Q08 300 300 以上~500 以下 350

B-4

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Q13. CSR 本文の図表数 質問 回答 読み替え分類 読み替え中央値 Q13 10 未満 10 未満 8 Q13 10 以上~30 未満 10 以上~30 未満 20 Q13 30 以上~50 未満 30 以上~50 未満 40 Q13 50 以上 50 以上~100 未満 75 Q14 100~200 100 以上~200 以下 150 Q14 60-70 50 以上~100 未満 75 Q14 約 80 50 以上~100 未満 75 Q14 50 50 以上~100 未満 75 Q14 60 50 以上~100 未満 75 Q14 65 50 以上~100 未満 75 Q14 70 50 以上~100 未満 75 Q14 80 50 以上~100 未満 75 Q14 90 50 以上~100 未満 75 Q14 100 100 以上~200 以下 150 Q14 137 100 以上~200 以下 150 Q14 140 100 以上~200 以下 150 Q14 150 100 以上~200 以下 150

Q19. CSR 14 章の図表数

質問 回答 読み替え分類 読み替え中央値 Q19 50 未満 50 未満 30 Q19 50 以上~150 未満 50 以上~150 未満 100 Q19 150 以上~300 未満 150 以上~300 未満 225 Q19 300 以上 300 以上~400 以下 350 Q20 300-400 300 以上~400 以下 350

4)その他のデータ読み替え

(1)CSR ボリューム(ページ数,平均的な図表数) CSR ボリュームに関して,カテゴリ上限以上の数値が回答記載されていた場合には,この

数値を考慮した読み替えを行い,CSR ボリュームに関する集計では,読み替え後の値を用

いた。また,「3)ページ数および図表数に係るデータの読み替え」にて説明した中央値へ

の読み替えについても同様に行った。

(2)その他 CSR 文章および掲載図表中の言語,並びに海外委託先の国名に対する回答(その他)につ

いて,可能な範囲で回答内容から読み替えを行いカテゴリ化した。

B-5

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B.5. アンケート集計結果

今回実施したアンケートの内容,およびアンケートに対する回答について,必要に応じて,内

資/外資および年間 CSR 作成本数 3 以下,4 以上 15 以下,16 以上で層別した上で集計した結果

を以下にまとめた。

〓〓〓 総括報告書作成,プログラミング業務に関するアンケート 〓〓〓 総括報告書(以下,CSR)作成およびプログラミング業務の効率的な業務の進め方,体制について,検

討の参考にさせていただきます。よろしくご協力のほどお願いいたします。 以降の質問については,特に断りがない限りは検証的試験を想定してご回答をお願いいたします。 また,質問中に示されている CSR の章番号は ICH E3 治験総括報告書の構成と内容に関するガイド

ラインに示された章番号に対応させています。 例.14 章 本文中には含めないが,引用する表,図およびグラフ 図表のタイトル数のカウントについては一試験あたりの平均的な数としてご回答下さい。原則として図表

目次にある図表タイトル数をカウントしてください。この際,解析対象集団だけが異なる同一内容の図表

出力は解析対象集団ごとに異なるタイトルとして数えますが, 臨床検査値のグラフや集計のように出

力形式(様式)が同じで,かつ,検査項目ごとに,1 タイトルとして図表を提示するような図表の場合は,

検査項目数に関わらず1タイトルとしてカウントしてください。

B-6

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アンケート質問 Q1. 会社情報 ............................................................................................................................... 9 Q2. 年間作成する CSR は何試験ぐらいですか(臨床第 I 相試験~第 III 相試験) ...................... 9 Q3. 臨床第 I 相試験での CSR 本文のページ数 CSR 本文(1~13 章)の平均的なページ数は 10 Q4. 具体的にどれくらい(上の質問で「200 以上」とお答えの場合) ............................................. 10 Q5. 探索的試験での CSR 本文のページ数 CSR 本文(1~13 章)の平均的なページ数は ...... 11 Q6. 具体的にどれくらい(上の質問で「200 以上」とお答えの場合) ............................................. 11 Q7. 検証的試験での CSR 本文のページ数 CSR 本文(1~13 章)の平均的なページ数は ....... 12 Q8. 具体的にどれくらい(上の質問で「200 以上」とお答えの場合) ............................................. 12 Q9. 臨床第 I 相試験の CSR 本文の平均的な図表数 CSR(10~13 章)の平均的な図表数(タイトル

数)は ................................................................................................................................ 13 Q10. 具体的にどれくらい(上の質問で「50 以上」とお答えの場合) ............................................... 13 Q11. 探索的試験の CSR 本文の平均的な図表数 CSR(10~13 章)の平均的な図表数(タイトル数)は

.......................................................................................................................................... 14 Q12. 具体的にどれくらい(上の質問で「50 以上」とお答えの場合) ............................................... 14 Q13. 検証的試験のCSR 本文の平均的な図表数 CSR(10~13章)の平均的な図表数(タイトル数)は

.......................................................................................................................................... 15 Q14. 具体的にどれくらい(上の質問で「50 以上」とお答えの場合) ............................................... 15 Q15. 臨床第 I 相試験での CSR(14章)の平均的な図表数 CSR(14 章 本文中に含めないが,引用す

る表,図及びグラフ)の平均的な図表数(タイトル数)は ....................................................... 16 Q16. 具体的にどれくらい(上の質問で「300 以上」とお答えの場合) ............................................. 16 Q17.探索的試験での CSR(14 章)の平均的な図表数 CSR(14 章)の平均的な図表数(タイトル数)は

.......................................................................................................................................... 17 Q18. 具体的にどれくらい(上の質問で「300 以上」とお答えの場合) ............................................. 17 Q19. 検証的試験での CSR(14章)の平均的な図表数 CSR(14 章)の平均的な図表数(タイトル数)は

.......................................................................................................................................... 18 Q20. 具体的にどれくらい(上の質問で「300 以上」とお答えの場合) ............................................. 18 Q21. データベース固定後に統計解析計画書へ追加,もしくは修正・変更される図表の平均的な図表数

(タイトル数) ....................................................................................................................... 19 Q22. 具体的にどれくらい(上の質問で「50 以上」とお答えの場合) ............................................... 19 Q23. 統計解析計画書に計画された図表のうち,CSR(10~16 章)に全く使用されない図表 ........ 20 Q24.統計解析計画書に計画された図表が CSR に使用されない主な理由は何か(複数回答可) (質問

23 で「ある」あるいは「ほとんどない」とお答えの場合) .......................................................... 20 Q25.「その他」の理由(上の質問で「その他」とお答えの場合) ........................................................ 20 Q26. CSR の文章の言語の標準は ............................................................................................. 21 Q27. 「その他」の理由(上の質問で「その他」とお答えの場合) ...................................................... 21 Q28. CSR 掲載図表中の言語の標準は ..................................................................................... 22 Q29. 「その他」の理由(上の質問で「その他」とお答えの場合) ...................................................... 22 Q30. CSR 文章あるいは図表の言語の問題で当局からクレームを受けたことがありますか(ここ 2~3 年

以内),(CSR 文章あるいは図表が日本語以外の言語の場合) ........................................... 23 Q31. 具体的に(上の質問で「ある」とお答えの場合) .................................................................... 23 Q32. CSR 本文(10~13 章)への解析結果の平均的な取り込み方法 解析部門から提供された帳票に

ついて ............................................................................................................................... 24 Q33. CSR (14~16 章)への解析結果の平均的な取り込み方法 解析部門から提供された帳票につい

て ...................................................................................................................................... 25 Q34. CSR 本文(10~13 章)の平均的な記載スタイル ................................................................ 26 Q35. 社内において承認後 CSR はどのように利用されているか(社内での「位置づけ」) (複数回答可)

.......................................................................................................................................... 27 Q36. 具体的に(上の質問で「その他」とお答えの場合) ................................................................ 28 Q37.データ固定から CSR 完成(医学専門家が署名できる状態)までにかかる平均的な時間 ........ 29 Q38. 図表作成業務(主にプログラミング関連業務)にかかるリソース 平均して延べ何名程度で何ヶ月

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(人月)かをご回答ください ................................................................................................. 30 Q39. CSR 文書作成業務にかかるリソース 平均して延べ何名程度で何ヶ月(人月)かをご回答ください

.......................................................................................................................................... 30 Q40. 図表作成に関連する業務の内,業務量を削減したい,あるいはボトルネックになっていると感じる

業務を選択(2 つまで) ........................................................................................................ 31 Q41. 具体的に(上の質問で「その他」とお答えの場合) ................................................................ 32 Q42. CSR 作成に関する業務の内,必要以上に時間がかかっていると感じる,あるいはボトルネックにな

っていると感じる業務を選択(2 つまで) ............................................................................... 33 Q43. 具体的に(上の質問で「その他」とお答えの場合) ................................................................ 34 Q44. 図表作成等のプログラミング専任者は ................................................................................ 35 Q45. 人数(上の質問で「いる」とお答えの場合) ........................................................................... 35 Q46. CSR 作成の MW 専任者は ............................................................................................... 36 Q47. 人数(上の質問で「いる」とお答えの場合) ........................................................................... 36 Q51. 海外 CRO への委託を行っている場合,委託業務全体に対する割合(%) ............................ 39 Q52. CSR に関する MW 業務の委託の割合(常駐委託も含む) .................................................. 40 Q53. CSR に関する MW 業務の海外 CRO への委託 ................................................................ 41 Q55. 海外 CRO への委託を行っている場合,委託業務全体に対する割合(%) ............................ 42 Q56. プログラミング業務あるいはMW業務において具体的に標準化されていると思われるもの(複数回

答可) ................................................................................................................................. 43 Q57. 具体的に(上の質問で「その他」とお答えの場合) ................................................................ 44 Q58. CDISC に準拠したデータ標準化を行っている ................................................................... 45 Q59. 平成 9 年 2 月に JPMA から発行された「治験総括報告書作成の手引き」を活用している ... 46

B-8

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Q1. 会社情報

統計・DM 部会加盟会社にアンケートを依頼し,60 社から回答があった。内資系/外資系別の内訳で

は,内資系会社 44 社(73.3%),外資系会社 16 社からの回答であった。

会社情報 N (%)

内資系会社 44(73.3)

外資系会社 16(26.7)

回答会社数 60

アンケート回答会社の内資/外資比率

内資系会社

外資系会社

Q2. 年間作成する CSRは何試験ぐらいですか(臨床第 I相試験~第 III 相試験)

年間作成 CSR N(%)

1 本~3本 20(33.3)

4 本~15 本 31(51.7)

16 本~30本 4( 6.7)

31 本以上 4( 6.7)

未回答 1( 1.7)

計 60

年間作成するCSRの試験数

1本~3本

4本~15本

16本~30本

31本以上

未回答

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Q3. 臨床第 I相試験での CSR本文のページ数

CSR 本文(1~13章)の平均的なページ数は

Q 03a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

100 未満 34 (56.6) 22 (50.0) 12 (75.0) 15 (75.0) 14 (45.1) 5 (62.5) - -

100 以上~150 未満 18 (30.0) 16 (36.3) 2 (12.5) 5 (25.0) 10 (32.2) 2 (25.0) 1 (100.0)

150 以上~200 未満 7 (11.6) 6 (13.6) 1 (6.2) - - 6 (19.3) 1 (12.5) - -

未回答 1 (1.6) - - 1 (6.2) - - 1 (3.2) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

59

105(32.9)

80

80 , 175

臨床第I相試験でのCSR本文のページ数

100未満

100以上~150未満

150以上~200未満

未回答

臨床第I相試験でのCSR本文のページ数

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

100未満

100以上~150未満

150以上~200未満

未回答

Q4. 具体的にどれくらい(上の質問で「200以上」とお答えの場合)

「200 以上」と回答された会社はなかった。

B-10

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Q5. 探索的試験での CSR本文のページ数

CSR 本文(1~13章)の平均的なページ数は

Q 05a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

100 未満 15 (25.0) 11 (25.0) 4 (25.0) 6 (30.0) 6 (19.3) 3 (37.5) - -

100 以上~150 未満 30 (50.0) 20 (45.4) 10 (62.5) 10 (50.0) 16 (51.6) 3 (37.5) 1 (100.0)

150 以上~200 未満 8 (13.3) 7 (15.9) 1 (6.2) 2 (10.0) 5 (16.1) 1 (12.5) - -

200 以上~300 未満 3 (5.0) 3 (6.8) - - 1 (5.0) 2 (6.4) - - - -

300 以上~500 以下 2 (3.3) 1 (2.2) 1 (6.2) - - 1 (3.2) 1 (12.5) - -

未回答 2 (3.3) 2 (4.5) - - 1 (5.0) 1 (3.2) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

58

134.5(58.2)

125

80 , 350

探索的試験での CSR本文のページ数

100未満

100以上~150未満

150以上~200未満

200以上~300未満

300以上~500以下

未回答

探索的試験での CSR本文のページ数

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資100未満

100以上~150未満

150以上~200未満

200以上~300未満

300以上~500以下

未回答

Q6. 具体的にどれくらい(上の質問で「200以上」とお答えの場合)

「200 以上」と回答された会社から具体的なページ数として以下の回答があった。 • 200~300,230,280(各 1 社) • 300~500,365(各 1 社)

B-11

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Q7. 検証的試験での CSR本文のページ数

CSR 本文(1~13章)の平均的なページ数は

Q 07a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

100 未満 10 (16.6) 6 (13.6) 4 (25.0) 4 (20.0) 5 (16.1) 1 (12.5) - -

100以上~150未満 26 (43.3) 21 (47.7) 5 (31.2) 10 (50.0) 13 (41.9) 2 (25.0) 1 (100.0)

150以上~200未満 15 (25.0) 10 (22.7) 5 (31.2) 3 (15.0) 8 (25.8) 4 (50.0) - -

200以上~300未満 3 (5.0) 2 (4.5) 1 (6.2) 1 (5.0) 1 (3.2) 1 (12.5) - -

300以上~500以下 5 (8.3) 4 (9.0) 1 (6.2) 2 (10.0) 3 (9.6) - - - -

未回答 1 (1.6) 1 (2.2) - - - - 1 (3.2) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

59

155.5(72.3)

125

80,350

検証的試験でのCSR本文のページ数

100未満

100以上~150未満

150以上~200未満

200以上~300未満

300以上~500以下

未回答

検証的試験でのCSR本文のページ数

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

100未満

100以上~150未満

150以上~200未満

200以上~300未満

300以上~500以下

未回答

Q8. 具体的にどれくらい(上の質問で「200以上」とお答えの場合)

「200 以上」と回答された会社から具体的なページ数として以下の回答があった。

• 230,250,290(各 1 社) • 300(3 社) • 300~400,300~500(各 1 社)

B-12

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Q9. 臨床第 I相試験の CSR本文の平均的な図表数

CSR(10~13章)の平均的な図表数(タイトル数)は

Q 09a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

10 未満 4 (6.6) 4 (9.0) - - 3 (15.0) 1 (3.2) - - - -

10 以上~30 未満 40 (66.6) 28 (63.6) 12 (75.0) 15 (75.0) 19 (61.2) 5 (62.5) 1 (100.0)

30 以上~50 未満 10 (16.6) 9 (20.4) 1 (6.2) 2 (10.0) 6 (19.3) 2 (25.0) - -

50 以上~100 未満 3 (5.0) 2 (4.5) 1 (6.3) - - 2 (6.5) 1 (12.5) - -

未回答 3 (5.0) 1 (2.2) 2 (12.5) - - 3 (9.6) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

57

25.6(14.6)

20

8 , 75

臨床第I相試験のCSR本文の平均的な図表数

10未満

10以上~30未満

30以上~50未満

50以上~100未満

未回答

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

臨床第I相試験のCSR本文の平均的な図表数

10未満

10以上~30未満

30以上~50未満

50以上~100未満

未回答

Q10. 具体的にどれくらい(上の質問で「50 以上」とお答えの場合)

「50 以上」と回答された会社から具体的なページ数として以下の回答があった。

50(2 社)

B-13

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Q11. 探索的試験の CSR本文の平均的な図表数

CSR(10~13章)の平均的な図表数(タイトル数)は

Q 11a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

10 未満 2 (3.3) 2 (4.5) - - 1 (5.0) 1 (3.2) - - - -

10 以上~30 未満 26 (43.3) 18 (40.9) 8 (50.0) 11 (55.0) 11 (35.4) 3 (37.5) 1 (100.0)

30 以上~50 未満 18 (30.0) 13 (29.5) 5 (31.2) 4 (20.0) 10 (32.2) 4 (50.0) - -

50 以上~100 未満 6 (10.0) 5 (11.4) 1 (6.3) 3 (15.0) 3 (9.7) - - - -

100以上~200以下 6 (10.0) 4 (9.0) 2 (12.5) 1 (5.0) 4 (12.9) 1 (12.5) - -

未回答 2 (3.3) 2 (4.5) - - - - 2 (6.4) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

58

44.9(40)

40

8 , 150

探索的試験のCSR本文の平均的な図表数

10未満

10以上~30未満

30以上~50未満

50以上~100未満

100以上~200以下

未回答

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

探索的試験のCSR本文の平均的な図表数

10未満10以上~30未満30以上~50未満50以上~100未満100以上~200以下未回答

Q12. 具体的にどれくらい(上の質問で「50 以上」とお答えの場合)

「50 以上」と回答された会社から具体的なページ数として以下の回答があった。

• 50,60,70,75,80(各 1 社) • 100(2 社) • 116,130,150,100~200(各 1 社)

B-14

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Q13. 検証的試験の CSR本文の平均的な図表数

CSR(10~13章)の平均的な図表数(タイトル数)は

Q 13a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

10 未満 3 (5.0) 2 (4.5) 1 (6.2) 1 (5.0) 1 (3.2) 1 (12.5) - -

10 以上~30 未満 21 (35.0) 16 (36.3) 5 (31.2) 8 (40.0) 12 (38.7) 1 (12.5) - -

30 以上~50 未満 16 (26.6) 13 (29.5) 3 (18.7) 8 (40.0) 4 (12.9) 3 (37.5) 1 (100.0)

50 以上~100 未満 11 (18.3) 5 (11.4) 6 (37.5) 2 (10.0) 7 (22.6) 2 (25.0) - -

100以上~200以下 7 (11.6) 6 (13.6) 1 (6.2) 1 (5.0) 5 (16.1) 1 (12.5) - -

未回答 2 (3.3) 2 (4.5) - - - - 2 (6.4) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

58

51(42.4)

40

8 , 150

検証的試験のCSR本文の平均的な図表数

10未満

10以上~30未満

30以上~50未満

50以上~100未満

100以上~200以下

未回答

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

検証的試験のCSR本文の平均的な図表数

10未満

10以上~30未満

30以上~50未満

50以上~100未満

100以上~200以下

未回答

Q14. 具体的にどれくらい(上の質問で「50 以上」とお答えの場合)

「50 以上」と回答された会社から具体的なページ数として以下の回答があった。

• 50,60,80(各 2 社) • 65,60~70,70,90(各 1 社) • 100(3 社) • 137,140,150,100~200(各 1 社)

B-15

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Q15. 臨床第 I相試験での CSR(14章)の平均的な図表数

CSR(14 章 本文中に含めないが,引用する表,図及びグラフ)の平均的な図表数(タイ

トル数)は

Q 15a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

50 未満 24 (40.0) 18 (40.9) 6 (37.5) 8 (40.0) 14 (45.1) 2 (25.0) - -

50 以上~150 未満 24 (40.0) 17 (38.6) 7 (43.7) 8 (40.0) 11 (35.4) 4 (50.0) 1 (100.0)

150以上~300未満 10 (16.6) 8 (18.1) 2 (12.5) 4 (20.0) 4 (12.9) 2 (25.0) - -

未回答 2 (3.3) 1 (2.2) 1 (6.2) - - 2 (6.4) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

58

92.6(68.9)

100

30 , 225

臨床第I相試験でのCSR(14章)の平均的な図表数

50未満

50以上~150未満

150以上~300未満

未回答

臨床第I相試験でのCSR(14章)の平均的な図表数

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資50未満

50以上~150未満

150以上~300未満

未回答

Q16. 具体的にどれくらい(上の質問で「300以上」とお答えの場合)

「300 以上」と回答された会社はなかった。

B-16

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Q17.探索的試験での CSR(14章)の平均的な図表数

CSR(14章)の平均的な図表数(タイトル数)は

Q 17a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

50 未満 14 (23.3) 11 (25.0) 3 (18.7) 4 (20.0) 10 (32.2) - - - -

50 以上~150 未満 24 (40.0) 17 (38.6) 7 (43.7) 8 (40.0) 12 (38.7) 3 (37.5) 1 (100.0)

150 以上~300 未満 19 (31.6) 14 (31.8) 5 (31.2) 8 (40.0) 7 (22.5) 4 (50.0) - -

300 以上~400 以下 1 (1.6) - - 1 (6.2) - - - - 1 (12.5) - -

未回答 2 (3.3) 2 (4.5) - - - - 2 (6.4) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

58

128.4(81.8)

100

30 , 350

探索的試験でのCSR(14章)の平均的な図表数

50未満

50以上~150未満

150以上~300未満

300以上~400以下

未回答

探索的試験でのCSR(14章)の平均的な図表数

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資50未満

50以上~150未満

150以上~300未満

300以上~400以下

未回答

Q18. 具体的にどれくらい(上の質問で「300以上」とお答えの場合)

「300 以上」と回答された会社から具体的なページ数として以下の回答があった。

• 383(1 社)

B-17

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Q19. 検証的試験での CSR(14章)の平均的な図表数

CSR(14章)の平均的な図表数(タイトル数)は

Q 19a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

50 未満 10 (16.6) 8 (18.1) 2 (12.5) 4 (20.0) 5 (16.1) 1 (12.5) - -

50 以上~150 未満 24 (40.0) 16 (36.3) 8 (50.0) 5 (25.0) 16 (51.6) 2 (25.0) 1 (100.0)

150 以上~300 未満 23 (38.3) 18 (40.9) 5 (31.2) 11 (55.0) 7 (22.5) 5 (62.5) - -

300 以上~400 以下 1 (1.6) - - 1 (6.2) - - 1 (3.2) - - - -

未回答 2 (3.3) 2 (4.5) - - - - 2 (6.4) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

58

141.8(80.5)

100

30 , 350

検証的試験でのCSR(14章)の平均的な図表数

50未満

50以上~150未満

150以上~300未満

300以上~400以下

未回答

検証的試験でのCSR(14章)の平均的な図表数

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資50未満

50以上~150未満

150以上~300未満

300以上~400以下

未回答

Q20. 具体的にどれくらい(上の質問で「300以上」とお答えの場合)

「300 以上」と回答された会社から具体的なページ数として以下の回答があった。

• 300~400(1 社)

B-18

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Q21. データベース固定後に統計解析計画書へ追加,もしくは修正・変更される図表の平

均的な図表数(タイトル数)

Q 21a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

なし 5 (8.3) 4 (9.0) 1 (6.2) 1 (5.0) 4 (12.9) - - - -

10 未満 34 (56.6) 25 (56.8) 9 (56.2) 11 (55.0) 16 (51.6) 6 (75.0) 1 (100.0)

10 以上~20 未満 12 (20.0) 8 (18.1) 4 (25.0) 4 (20.0) 8 (25.8) - - - -

20 以上~50 未満 8 (13.3) 7 (15.9) 1 (6.2) 4 (20.0) 2 (6.4) 2 (25.0) - -

未回答 1 (1.6) - - 1 (6.2) - - 1 (3.2) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

データベース固定後に統計解析計画書へ追加,もしくは修正・変更される図表の平均的な図表数(タイトル数)

なし

10未満

10以上~20未満

20以上~50未満

未回答

データベース固定後に統計解析計画書へ追加,もしくは修正・変更される図表の平均的な図表数(タイトル数)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資なし

10未満

10以上~20未満

20以上~50未満

未回答

Q22. 具体的にどれくらい(上の質問で「50 以上」とお答えの場合)

「50 以上」と回答された会社はなかった。

B-19

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Q23. 統計解析計画書に計画された図表のうち,CSR(10~16章)に全く使用されない図表

Q 23a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

ない 29 (48.3) 20 (45.4) 9 (56.2) 10 (50.0) 15 (48.3) 3 (37.5) 1 (100.0)

ほとんどない

(10%未満) 24 (40.0) 18 (40.9) 6 (37.5) 7 (35.0) 14 (45.1) 3 (37.5) - -

ある(10%以上) 7 (11.6) 6 (13.6) 1 (6.2) 3 (15.0) 2 (6.4) 2 (25.0) - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

統計解析計画書に計画された図表のうち,CSR(10~16章)に全く使用されない図表

ない

ほとんどない(10%未満)

ある(10%以上)

統計解析計画書に計画された図表のうち,CSR(10~16章)に全く使用されない図表

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

ない

ほとんどない(10%未満)

ある(10%以上)

Q24.統計解析計画書に計画された図表が CSR に使用されない主な理由は何か(複数回答可)

(質問 23で「ある」あるいは「ほとんどない」とお答えの場合)

Q24 Total

N (%)

使用用途が不明確なまま「とりあえず」作成されたため 19 (31.6)

同様な内容の図表があり,最終的に不要と判断されたため 15 (25.0)

探索的解析の結果,最終的に使用されなかった 10 (16.6)

その他 4 (6.6)

Q25.「その他」の理由(上の質問で「その他」とお答えの場合)

「その他」と回答された会社からの理由として以下の回答があった。 • 文章のみで表示する事項の集計のため。 • 図表を使うまでもなく説明できると判断された場合(ex. 2 例しかない中止脱落理由の表) • 結論を導くためのデータを確認する必要があるため,解析項目に含めるが,結論を記載す

るために全ての図表は必要ないため。 • 文章で記載するので充分と判断されるため。

B-20

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Q26. CSRの文章の言語の標準は

Q 26a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

日本語 50 (83.3) 42 (95.4) 8 (50.0) 19 (95.0) 25 (80.6) 5 (62.5) 1 (100.0)

英語 9 (15.0) 1 (2.2) 8 (50.0) 1 (5.0) 6 (19.3) 2 (25.0) - -

日本語又は英語 1 (1.6) 1 (2.2) - - - - - - 1 (12.5) - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

CSRの文章の言語の標準

日本語

英語

日本語又は英語

CSRの文章の言語の標準

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

日本語

英語

日本語又は英語

Q27. 「その他」の理由(上の質問で「その他」とお答えの場合)

「その他」と回答された会社からの理由として以下の回答があった。

• 日本語から英語に移行中 • 日本語又は英語 • この 1 年は英語が標準,その前は日本語

B-21

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Q28. CSR掲載図表中の言語の標準は

Q 28a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

日本語 46 (76.6) 40 (90.9) 6 (37.5) 19 (95.0) 21 (67.7) 5 (62.5) 1 (100.0)

英語 13 (21.6) 4 (9.0) 9 (56.2) 1 (5.0) 9 (29.0) 3 (37.5) - -

日本語又は英語 1 (1.6) - - 1 (6.2) - - 1 (3.2) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

CSR掲載図表中の言語の標準は

日本語

英語

日本語又は英語

CSR掲載図表中の言語の標準は

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

日本語

英語

日本語又は英語

Q29. 「その他」の理由(上の質問で「その他」とお答えの場合)

「その他」と回答された会社からの理由として以下の回答があった。

• 日本語から英語に移行中 • この 1 年は英語が標準,その前は日本語 • なお,今後はほとんどの図表が英語表記になる。

B-22

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Q30. CSR文章あるいは図表の言語の問題で当局からクレームを受けたことがありますか

(ここ 2~3 年以内),(CSR文章あるいは図表が日本語以外の言語の場合)

Q 30a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

日本語以外での作

成経験はない 29 (48.3) 24 (54.5) 5 (31.2) 10 (50.0) 16 (51.6) 3 (37.5) - -

ない 26 (43.3) 15 (34.0) 11 (68.7) 7 (35.0) 13 (41.9) 5 (62.5) 1 (100.0)

未回答 5 (8.3) 5 (11.3) - - 3 (15.0) 2 (6.4) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

CSR文章あるいは図表の言語の問題で当局からクレームを受けたことがありますか

日本語以外での作成経験はないない

未回答

CSR文章あるいは図表の言語の問題で当局からクレームを受けたことがありますか

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

日本語以外での作成経験はない

ない

未回答

Q31. 具体的に(上の質問で「ある」とお答えの場合)

「ある」と回答された会社はなかった。

B-23

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Q32. CSR本文(10~13章)への解析結果の平均的な取り込み方法

解析部門から提供された帳票について

Q 32a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

①手を加えない 25 (41.6) 19 (43.1) 6 (37.5) 9 (45.0) 14 (45.1) 2 (25.0) - -

②体裁整形 28 (46.6) 21 (47.7) 7 (43.7) 9 (45.0) 13 (41.9) 5 (62.5) 1 (100.0)

③ 別途表を作成 7 (11.6) 4 (9.0) 3 (18.7) 2 (10.0) 4 (12.9) 1 (12.5) - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

アンケートの選択肢 ① 原則手を加えることなく CSR に取り込んでいる ② 体裁(書式,フォント等)を整えてから CSR に取り込んでいる,もしくは取り込んだ後に体裁整形 ③ CSR 上に数字等を手入力するなどして別途表を作成している

CSR本文(10~13章)への解析結果の平均的な取り込み方法

① 手を加えない

② 体裁整形

③ 別途表を作成

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

CSR本文(10~13章)への解析結果の平均的な取り込み方法

① 手を加えない

② 体裁整形

③ 別途表を作成

B-24

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Q33. CSR (14~16章)への解析結果の平均的な取り込み方法

解析部門から提供された帳票について

Q 33a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

① 手を加えない 44 (73.3) 31 (70.4) 13 (81.2) 14 (70.0) 23 (74.1) 6 (75.0) 1 (100.0)

② 体裁整形 15 (25.0) 12 (27.2) 3 (18.7) 6 (30.0) 7 (22.5) 2 (25.0) - -

③ 別途表を作成 1 (1.6) 1 (2.2) - - - - 1 (3.2) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

アンケートの選択肢 ① 原則手を加えることなく CSR に取り込んでいる ② 体裁(書式,フォント等)を整えてから CSR に取り込んでいる,もしくは取り込んだ後に体裁整形 ③ CSR 上に数字等を手入力するなどして別途表を作成している

CSR (14~16章)への解析結果の平均的な取り込み方法

① 手を加えない

② 体裁整形

③ 別途表を作成

CSR (14~16章)への解析結果の平均的な取り込み方法

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

① 手を加えない

② 体裁整形

③ 別途表を作成

B-25

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Q34. CSR本文(10~13章)の平均的な記載スタイル

Q 34a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

① 結果を淡々と 35 (58.3) 25 (56.8) 10 (62.5) 12 (60.0) 20 (64.5) 3 (37.5) - -

② 考察を充実 5 (8.3) 4 (9.0) 1 (6.2) - - 3 (9.6) 1 (12.5) 1 (100.0)

③ 特にない 20 (33.3) 15 (34.0) 5 (31.2) 8 (40.0) 8 (25.8) 4 (50.0) - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

アンケートの選択肢 ① 結果を淡々と記載し,考察は試験の主目的に応じた程度の簡単な記載 ② CTD や次試験を意識し,考察を充実させた記載 ③ 特に決まった記載スタイルはない(作成担当者により異なる)

CSR本文(10~13章)の平均的な記載スタイル

① 結果を淡々と

② 考察を充実

③ 特にない

SR本文(10~13章)の平均的な記載スタイル

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

① 結果を淡々と

② 考察を充実

③ 特にない

B-26

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Q35. 社内において承認後 CSRはどのように利用されているか(社内での「位置づけ」)

(複数回答可)

Q35 Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

① CTD の一部 52 (86.6) 36 (81.8) 16 (100.0) 14 (70.0) 29 (93.5) 8 (100.0) 1 (100.0)

② 次試験計画の

判断資料

20 (33.3) 13 (29.5) 7 (43.7) 8 (40.0) 9 (29.0) 3 (37.5) 0 0.0

③ 開発継続/中止の

判断資料

10 (16.6) 6 (13.6) 4 (25.0) 3 (15.0) 5 (16.1) 2 (25.0) 0 0.0

④ 論文作成資料 25 (41.6) 16 (36.3) 9 (56.2) 7 (35.0) 13 (41.9) 4 (50.0) 1 (100.0)

⑤ 情報公開の参考情報 15 (25.0) 8 (18.1) 7 (43.7) 3 (15.0) 9 (29.0) 2 (25.0) 1 (100.0)

⑥ その他 2 (3.3) 1 (2.2) 1 (6.2) 1 (5.0) 1 (3.2) 0 0.0 0 0.0

アンケートの選択肢 ① CTD の一部として位置づけられている ② 次試験計画の判断資料として位置づけられている ③ 開発継続/中止の判断資料として位置づけられている ④ 論文作成資料となっている ⑤ 情報公開の参考情報となっている ⑥ その他

社内において承認後CSRはどのように利用されているか

0% 20% 40% 60% 80% 100%

① CTDの一部

② 次試験計画の判断資料

③ 開発継続/中止の判断資

④ 論文作成資料

⑤ 情報公開の参考情報

⑥ その他

Yes

No

B-27

Page 76: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

0% 20% 40% 60% 80% 100%

① CTDの一部

② 次試験計画の判断資料

③ 開発継続/中止の判断資料

④ 論文作成資料

⑤ 情報公開の参考情報

⑥ その他

社内において承認後CSRはどのように利用されているか (外資)

Yes No

0% 20% 40% 60% 80% 100%

① CTDの一部

② 次試験計画の判断資料

③ 開発継続/中止の判断資料

④ 論文作成資料

⑤ 情報公開の参考情報

⑥ その他

社内において承認後CSRはどのように利用されているか (内資)

Yes No

Q36. 具体的に(上の質問で「その他」とお答えの場合)

「その他」と回答された会社からの理由として以下の回答があった。

• 次の治験関連資料を作成するための資料 • CSR 作成時期が要因で,リアルタイムの判断資料としては別の資料を作成している。次の

次の試験計画の参考資料としては用いることがある。

B-28

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Q37.データ固定から CSR完成(医学専門家が署名できる状態)までにかかる平均的な時間

Q 37a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

2 ヶ月以内 2 (3.3) 1 (2.2) 1 (6.2) 1 (5.0) 1 (3.2) - - - -

3 ヶ月以内 23 (38.3) 15 (34.0) 8 (50.0) 9 (45.0) 10 (32.2) 4 (50.0) - -

6 ヶ月以内 27 (45.0) 22 (50.0) 5 (31.2) 6 (30.0) 18 (58.0) 3 (37.5) - -

6 ヶ月以上 7 (11.6) 5 (11.3) 2 (12.5) 4 (20.0) 2 (6.4) 1 (12.5) - -

未回答 1 (1.6) 1 (2.2) - - - - - - - - 1 (100.0)

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

データ固定からCSR完成(医学専門家が署名できる状態)までにかかる平均的な時間

2ヶ月以内

3ヶ月以内

6ヶ月以内

6ヶ月以上

未回答

データ固定からCSR完成(医学専門家が署名できる状態)までにかかる平均的な時間

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資2ヶ月以内

3ヶ月以内

6ヶ月以内

6ヶ月以上

未回答

B-29

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以下に示すとおり,リソース(人月)の値については参考程度に留めていただきたい。 リソース(人月)については回答が 0~52 人月とばらつきが大きく,タスクフォース内で回答結果の解

釈に関する検討がされた。アンケート中で業務委託を行っている場合や作業範囲などについて明確な

定義を示していなかったため,適切な回答が得られていない可能性があると考えられた。そのため,以

下の集計では読み替えた数値を併記した。

Q38. 図表作成業務(主にプログラミング関連業務)にかかるリソース

平均して延べ何名程度で何ヶ月(人月)かをご回答ください

基本統計量 Q38 Q38(読み替え)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

58

6.4(9.4)

4

0 , 52

58

4.4(3)

4

0 , 12

Q39. CSR文書作成業務にかかるリソース

平均して延べ何名程度で何ヶ月(人月)かをご回答ください

基本統計量 Q39 Q39(読み替え)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

57

6.7(9.5)

3

1 , 46

57

4.1(2.8)

3

1 , 12

B-30

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Q40. 図表作成に関連する業務の内,業務量を削減したい,あるいはボトルネックになっ

ていると感じる業務を選択(2 つまで)

Q40 Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

特にない 4 (6.6) 1 (2.2) 3 (18.7) 1 (5.0) 3 (9.6) 0 0.0 0 0.0

解析用データ・図表仕様あるいはプ

ログラム仕様の作成

27 (45.0) 22 (50.0) 5 (31.2) 9 (45.0) 16 (51.6) 2 (25.0) 0 0.0

プログラム開発 16 (26.6) 12 (27.2) 4 (25.0) 4 (20.0) 10 (32.2) 2 (25.0) 0 0.0

プログラムの動作検査 11 (18.3) 9 (20.4) 2 (12.5) 5 (25.0) 5 (16.1) 1 (12.5) 0 0.0

図表の MW 担当者への引渡し前

点検

21 (35.0) 17 (38.6) 4 (25.0) 8 (40.0) 9 (29.0) 4 (50.0) 0 0.0

図表の仕様変更に伴う修正 22 (36.6) 16 (36.3) 6 (37.5) 9 (45.0) 8 (25.8) 5 (62.5) 0 0.0

その他 3 (5.0) 2 (4.5) 1 (6.2) 1 (5.0) 2 (6.4) 0 0.0 0 0.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

特にない

解析用データ・図表仕様あるいはプログラム仕様の作成

プログラム開発

プログラムの動作検査

図表のMW担当者への引渡し前点検

図表の仕様変更に伴う修正

その他

図表作成に関連する業務の内,業務量を削減したい,あるいはボトルネックになっていると感じる業務

(2つまで)

Yes

No

B-31

Page 80: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

0% 20% 40% 60% 80% 100%

特にない

解析用データ・図表仕様あるいはプログラム仕様の作成

プログラム開発

プログラムの動作検査

図表のMW担当者への引渡し前点検

図表の仕様変更に伴う修正

その他

図表作成に関連する業務の内,業務量を削減したい,

あるいはボトルネックになっていると感じる業務(2つまで) (外資)

Yes

No

0% 20% 40% 60% 80% 100%

特にない

解析用データ・図表仕様あるいはプログラム仕様の作成

プログラム開発

プログラムの動作検査

図表のMW担当者への引渡し前点検

図表の仕様変更に伴う修正

その他

図表作成に関連する業務の内,業務量を削減したい,

あるいはボトルネックになっていると感じる業務(2つまで) (内資)

Yes

No

Q41. 具体的に(上の質問で「その他」とお答えの場合)

「その他」と回答された会社からの理由として以下の回答があった。

• 図表数:nice to have の図表まで作ってしまう傾向がまだある • 治験ごとにデータベース変数名が統一されておらず,毎回,すべての変数属性の確認が必

要であり,全体を通してみると,重複した業務を行っているように感じる。 • 結果の転記と確認

B-32

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Q42. CSR作成に関する業務の内,必要以上に時間がかかっていると感じる,あるいはボト

ルネックになっていると感じる業務を選択(2つまで)

Q42 Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

特にない 5 (8.3) 2 (4.5) 3 (18.7) 0 0.0 4 (12.9) 1 (12.5) 0 0.0

CSR 文章の作成 18 (30.0) 16 (36.3) 2 (12.5) 9 (45.0) 9 (29.0) 0 0.0 0 0.0

CSR への図表の貼りこみ 21 (35.0) 18 (40.9) 3 (18.7) 7 (35.0) 11 (35.4) 2 (25.0) 1 (100.0)

CSR の図表の作りこみ 13 (21.6) 11 (25.0) 2 (12.5) 5 (25.0) 5 (16.1) 2 (25.0) 1 (100.0)

CSR の点検・レビュー 35 (58.3) 26 (59.0) 9 (56.2) 13 (65.0) 17 (54.8) 5 (62.5) 0 0.0

その他 6 (10.0) 3 (6.8) 3 (18.7) 1 (5.0) 2 (6.4) 3 (37.5) 0 0.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

特にない

CSR文章の作成

CSRへの図表の貼りこみ

CSRの図表の作りこみ

CSRの点検・レビュー

その他

CSR作成に関する業務の内,必要以上に時間がかかっていると感じる,

あるいはボトルネックになっていると感じる業務を選択(2つまで)

Yes

No

B-33

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0% 20% 40% 60% 80% 100%

特にない

CSR文章の作成

CSRへの図表の貼りこみ

CSRの図表の作りこみ

CSRの点検・レビュー

その他

CSR作成に関する業務の内,必要以上に時間がかかっていると感じる,

あるいはボトルネックになっていると感じる業務を選択(2つまで)

(内資)

Yes

No

0% 20% 40% 60% 80% 100%

特にない

CSR文章の作成

CSRへの図表の貼りこみ

CSRの図表の作りこみ

CSRの点検・レビュー

その他

CSR作成に関する業務の内,必要以上に時間がかかっていると感じる,

あるいはボトルネックになっていると感じる業務を選択(2つまで)

(外資)

Yes

No

Q43. 具体的に(上の質問で「その他」とお答えの場合)

「その他」と回答された会社からの理由として以下の回答があった。

• 本社のレビュー及びサイン • CSR として必要とは思われないような図表に対する作りこみに要する時間。 • CSR の付録作成(特に 16.1 章) • 元資料作成に関する関連部署との調整 • 14~16 章の整備

B-34

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Q44. 図表作成等のプログラミング専任者は

Q 44a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

いる 19 (31.6) 8 (18.1) 11 (68.7) 1 (5.0) 11 (35.4) 6 (75.0) 1 (100.0)

いない 41 (68.3) 36 (81.8) 5 (31.2) 19 (95.0) 20 (64.5) 2 (25.0) - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

図表作成等のプログラミング専任者は

いない

いる

図表作成等のプログラミング専任者は

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

いない

いる

Q45. 人数(上の質問で「いる」とお答えの場合)

基本統計量 Q45 Q45(読み替え)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

17

7.2(7.6)

5

1 , 30

58

2.1(5.2)

0

0 , 30

B-35

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Q46. CSR作成の MW専任者は

Q 46a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

いる 30 (50.0) 17 (38.6) 13 (81.2) 3 (15.0) 18 (58.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

いない 29 (48.3) 26 (59.0) 3 (18.7) 16 (80.0) 13 (41.9) - - - -

人数不明 1 (1.6) 1 (2.2) - - 1 (5.0) - - - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

CSR作成のMW専任者は

いない

いる

未回答

CSR作成のMW専任者は

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

いない

いる

未回答

Q47. 人数(上の質問で「いる」とお答えの場合)

基本統計量 Q47 Q47(読み替え)

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

24

6.7(4.7)

6.5

1,20

53

3(4.6)

0

0,20

B-36

Page 85: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

Q48. CSR に関する統計/プログラミング業務の委託の割合(常駐委託も含む)

Q 48a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

ほぼなし 14 (23.3) 12 (27.2) 2 (12.5) 3 (15.0) 11 (35.4) - - - -

30%未満 8 (13.3) 5 (11.3) 3 (18.7) - - 7 (22.5) 1 (12.5) - -

30~50%未満 9 (15.0) 6 (13.6) 3 (18.7) 4 (20.0) 3 (9.6) 2 (25.0) - -

50~80% 9 (15.0) 6 (13.6) 3 (18.7) 5 (25.0) 4 (12.9) - - - -

ほぼ全試験 19 (31.6) 14 (31.8) 5 (31.2) 7 (35.0) 6 (19.3) 5 (62.5) 1 (100.0)

未回答 1 (1.6) 1 (2.2) - - 1 (5.0) - - - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

Q 48a Total プログラミング専任者

いる いない

N (%) N (%) N (%)

ほぼなし 14 (23.3) 5 (26.3) 9 (21.9)

30%未満 8 (13.3) 3 (15.7) 5 (12.1)

30~50%未満 9 (15.0) 2 (10.5) 7 (17.0)

50~80% 9 (15.0) 2 (10.5) 7 (17.0)

ほぼ全試験 19 (31.6) 7 (36.8) 12 (29.2)

未回答 1 (1.6) - - 1 (2.4)

Total 60 (100.0) 19 (100.0) 41 (100.0)

統計/プログラミング業務の委託の割合

ほぼなし

30%未満

30~50%未満

50~80%

ほぼ全試験

未回答

統計/プログラミング業務の委託の割合

0% 20% 40% 60% 80% 100%

いる

いない

ほぼなし

30%未満

30~50%未満

50~80%

ほぼ全試験

未回答

B-37

Page 86: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

Q49. CSR に関する統計/プログラミング業務の海外 CRO への委託 Q 49a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

実施してない 48 (80.0) 38 (86.3) 10 (62.5) 16 (80.0) 26 (83.8) 5 (62.5) 1 (100.0)

将来的には実施を予

定 3 (5.0) 1 (2.2) 2 (12.5) 1 (5.0) 2 (6.4) - - - -

実施している 9 (15.0) 5 (11.3) 4 (25.0) 3 (15.0) 3 (9.6) 3 (37.5) - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

Q 49a Total プログラミング専任者

いる いない

N (%) N (%) N (%)

実施してない 48 (80.0) 14 (73.6) 34 (82.9)

将来的には実施を予定 3 (5.0) 1 (5.2) 2 (4.8)

実施している 9 (15.0) 4 (21.0) 5 (12.1)

Total 60 (100.0) 19 (100.0) 41 (100.0)

統計/プログラミング業務の海外CROの委託の割合

実施してない

将来的には実施を予定

実施している

0% 20% 40% 60% 80% 100%

いる

いない

統計/プログラミング業務の海外CROの委託の割合

実施してない

将来的には実施を予定

実施している

B-38

Page 87: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

Q50. 海外 CRO への委託を行っている場合,委託先の国名 Q 50a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

実施していない 51 (85.0) 39 (88.6) 12 (75.0) 17 (85.0) 28 (90.3) 5 (62.5) 1 (100.0)

米国 4 (6.7) 2 (4.5) 2 (12.5) 2 (66.6) - - 2 (100.0) - -

英国 2 (3.3) 2 (4.5) - - 1 (33.3) 1 (33.3) - - - -

米国,オランダ,英国 1 (1.7) 1 (2.3) - - - - 1 (33.3) - - - -

米国、英国、中国 1 (1.7) - - 1 (6.3) - - 1 (33.3) - - - -

インド*) 1 (1.7) - - 1 (6.3) - - - - 1 (12.5) - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

*) ただし CROではなく弊社サイト

統計/プログラミング業務の委託先の国名

実施していない

米国

英国

米国,オランダ,英国

米国、英国、中国

インド*)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

いる

いない

統計/プログラミング業務の委託先の国名 実施していない

米国

英国

米国,オランダ,英国

米国、英国、中国

インド*)

Q51. 海外 CROへの委託を行っている場合,委託業務全体に対する割合(%)

基本統計量 Q51

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

8

35.1(42)

15

0 , 100

Q 50a Total プログラミング専任者

いる いない

N (%) N (%) N (%)

実施していない 51 (85.0) 15 (78.9) 36 (87.8)

米国 4 (6.7) 2 (10.5) 2 (4.9)

英国 2 (3.3) - - 2 (4.9)

米国,オランダ,英国 1 (1.7) - - 1 (2.4)

米国、英国、中国 1 (1.7) 1 (5.3) - -

インド*) 1 (1.7) 1 (5.3) - -

Total 60 (100.0) 19 (100.0) 41 (100.0)

B-39

Page 88: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

Q52. CSRに関する MW業務の委託の割合(常駐委託も含む)

Q 52a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

ほぼなし 26 (43.3) 20 (45.4) 6 (37.5) 8 (40.0) 16 (51.6) 1 (12.5) 1 (100.0)

30%未満 16 (26.6) 11 (25.0) 5 (31.2) 2 (10.0) 9 (29.0) 5 (62.5) - -

30~50%未満 7 (11.6) 3 (6.8) 4 (25.0) 2 (10.0) 4 (12.9) 1 (12.5) - -

50~80% 6 (10.0) 6 (13.6) - - 5 (25.0) 1 (3.2) - - - -

ほぼ全試験 5 (8.3) 4 (9.0) 1 (6.2) 3 (15.0) 1 (3.2) 1 (12.5) - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

Q 52a Total MW 専任者

いる いない 人数不明

N (%) N (%) N (%) N (%)

ほぼなし 26 (43.3) 15 (50.0) 11 (37.9) - -

30%未満 16 (26.6) 10 (33.3) 6 (20.6) - -

30~50%未満 7 (11.6) 3 (10.0) 4 (13.7) - -

50~80% 6 (10.0) 1 (3.3) 5 (17.2) - -

ほぼ全試験 5 (8.3) 1 (3.3) 3 (10.3) 1 (100.0)

Total 60 (100.0) 30 (100.0) 29 (100.0) 1 (100.0)

CSRに関するMW業務の委託の割合

ほぼなし

30%未満

30~50%

50~80%

ほぼ全試験

0% 20% 40% 60% 80% 100%

いない

いる

CSRに関するMW業務の委託の割合

ほぼなし

30%未満

30~50%

50~80%

ほぼ全試験

B-40

Page 89: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

Q53. CSRに関する MW業務の海外 CROへの委託

Q 53a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

実施してない 50 (83.3) 36 (81.8) 14 (87.5) 16 (80.0) 27 (87.0) 6 (75.0) 1 (100.0)

将来的には実施を予

定 4 (6.6) 2 (4.5) 2 (12.5) 1 (5.0) 1 (3.2) 2 (25.0) - -

実施している 6 (10.0) 6 (13.6) - - 3 (15.0) 3 (9.6) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

Q 53a Total MW 専任者

いる いない 人数不明

N (%) N (%) N (%) N (%)

実施してない 50 (83.3) 24 (80.0) 25 (86.2) 1 (100.0)

将来的には実施を予定 4 (6.6) 3 (10.0) 1 (3.4) - -

実施している 6 (10.0) 3 (10.0) 3 (10.3) - -

Total 60 (100.0) 30 (100.0) 29 (100.0) 1 (100.0)

CSRに関するMW業務の海外CROへの委託

実施してない

将来的には実施を予定

実施している

0% 20% 40% 60% 80% 100%

いない

いる

CSRに関するMW業務の海外CROへの委託

実施してない

将来的には実施を予定

実施している

B-41

Page 90: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

Q54. 海外 CRO への委託を行っている場合,委託先の国名 Q 54a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

実施していない 54 (90.0) 38 (86.4) 16 (100.0) 17 (85.0) 28 (90.3) 8 (100.0) 1 (100.0)

米国 2 (3.3) 2 (4.5) - - 2 (10.0) - - - - - -

英国 2 (3.3) 2 (4.5) - - 1 (5.0) 1 (3.2) - - - -

米国,オランダ,英国 1 (1.7) 1 (2.3) - - - - 1 (3.2) - - - -

シンガポール 1 (1.7) 1 (2.3) - - - - 1 (3.2) - - - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

Q 54a Total MW 専任者

いる いない 人数不明

N (%) N (%) N (%) N (%)

実施していない 54 (90.0) 27 (90.0) 26 (89.7) 1 (100.0)

米国 2 (3.3) 1 (3.3) 1 (3.4) - -

英国 2 (3.3) - - 2 (6.9) - -

米国,オランダ,英国 1 (1.7) 1 (3.3) - - - -

シンガポール 1 (1.7) 1 (3.3) - - - -

Total 60 (100.0) 30 (100.0) 29 (100.0) 1 (100.0)

MW業務の委託先の国名

実施していない

米国

英国

米国,オランダ,英国

シンガポール

0% 20% 40% 60% 80% 100%

いる

いない

MW業務の委託先の国名

実施していない米国英国米国,オランダ,英国シンガポール

Q55. 海外 CROへの委託を行っている場合,委託業務全体に対する割合(%)

基本統計量 Q55

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

5

48(47.6)

20

10 , 100

B-42

Page 91: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

Q56. プログラミング業務あるいは MW業務において具体的に標準化されていると思われる

もの(複数回答可)

Q56 Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

① ほとんど標準化されてい

ない 8 (13.3) 8 (18.1) 0 0.0 5 (25.0) 2 (6.4) 1 (12.5) 0 0.0

② 解析用データ構造 24 (40.0) 12 (27.2) 12 (75.0) 4 (20.0) 14 (45.1) 6 (75.0) 0 0.0

③ 解析出力作成ツール 26 (43.3) 14 (31.8) 12 (75.0) 3 (15.0) 17 (54.8) 6 (75.0) 0 0.0

④ 処理・計算アルゴリズム 11 (18.3) 4 (9.0) 7 (43.7) 0 0.0 8 (25.8) 3 (37.5) 0 0.0

⑤ 図表テンプレート 25 (41.6) 12 (27.2) 13 (81.2) 2 (10.0) 18 (58.0) 5 (62.5) 0 0.0

⑥ バリデーション手法 21 (35.0) 11 (25.0) 10 (62.5) 3 (15.0) 12 (38.7) 6 (75.0) 0 0.0

⑦ CSR への解析結果の取

り込み手法 13 (21.6) 8 (18.1) 5 (31.2) 3 (15.0) 6 (19.3) 4 (50.0) 0 0.0

⑧ 統計解析計画書テンプ

レート 37 (61.6) 22 (50.0) 15 (93.7) 7 (35.0) 25 (80.6) 5 (62.5) 0 0.0

⑨ CSR テンプレート 44 (73.3) 28 (63.6) 16 (100.0) 10 (50.0) 26 (83.8) 7 (87.5) 1 (100.0)

アンケートの選択肢 ① ほとんど標準化されていない ② 解析用データ構造 ③ 解析出力作成ツール(システム,マクロプログラム等) ④ 解析出力作成ツール以外の処理・計算アルゴリズム ⑤ 解析出力形式(図表テンプレート) ⑥ プログラムバリデーションの手法 ⑦ CSR への解析結果の取り込み手法 ⑧ 統計解析計画書テンプレート(少なくとも書式,見出し等が定められたもの) ⑨ CSR テンプレート(少なくとも書式,見出し等が定められたもの)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

① ほとんど標準化されていない

② 解析用データ構造

③ 解析出力作成ツール

④ 処理・計算アルゴリズム

⑤ 図表テンプレート

⑥ バリデーション手法

⑦ CSRへの解析結果の取り込み手法

⑧ 統計解析計画書テンプレート

⑨ CSRテンプレート

プログラミング業務あるいはMW業務において具体的に標準化されていると思われるもの(複数回答可)

Yes

No

B-43

Page 92: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

0% 20% 40% 60% 80% 100%

① ほとんど標準化されていない

② 解析用データ構造

③ 解析出力作成ツール

④ 処理・計算アルゴリズム

⑤ 図表テンプレート

⑥ バリデーション手法

⑦ CSRへの解析結果の取り込み手法

⑧ 統計解析計画書テンプレート

⑨ CSRテンプレート

プログラミング業務あるいはMW業務において具体的に標準化されていると思われるもの(複数回答可)

(外資)

Yes

No

0% 20% 40% 60% 80% 100%

① ほとんど標準化されていない

② 解析用データ構造

③ 解析出力作成ツール

④ 処理・計算アルゴリズム

⑤ 図表テンプレート

⑥ バリデーション手法

⑦ CSRへの解析結果の取り込み手法

⑧ 統計解析計画書テンプレート

⑨ CSRテンプレート

プログラミング業務あるいはMW業務において具体的に標準化されていると思われるもの(複数回答可)

(内資)

Yes

No

Q57. 具体的に(上の質問で「その他」とお答えの場合)

「その他」として回答された会社はなかった。

B-44

Page 93: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

Q58. CDISCに準拠したデータ標準化を行っている

Q 58a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

ほぼ実装段階にある 5 (8.3) 2 (4.5) 3 (18.7) 2 (10.0) 3 (9.6) - - - -

一部実装している 11 (18.3) 8 (18.1) 3 (18.7) 3 (15.0) 7 (22.5) 1 (12.5) - -

実装を検討中 28 (46.6) 21 (47.7) 7 (43.7) 6 (30.0) 15 (48.3) 6 (75.0) 1 (100.0)

予定なし 16 (26.6) 13 (29.5) 3 (18.7) 9 (45.0) 6 (19.3) 1 (12.5) - -

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

CDISCに準拠したデータ標準化を行っている

ほぼ実装段階

一部実装

実装を検討中

予定なし

CDISCに準拠したデータ標準化を行っている

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資

ほぼ実装段階

一部実装

実装を検討中

予定なし

B-45

Page 94: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

Q59. 平成 9年 2月に JPMAから発行された「治験総括報告書作成の手引き」を活用してい

Q 59a Total 会社情報 年間 CSR 作成数

内資系 外資系 1~ 3 本 4~15 本 16 本~ 未回答

N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%)

①手引きとして使用 27 (45.0) 24 (54.5) 3 (18.7) 12 (60.0) 13 (41.9) 2 (25.0) - -

② 教育資料的な参

考資料 19 (31.6) 13 (29.5) 6 (37.5) 6 (30.0) 10 (32.2) 3 (37.5) - -

③ 特に参考にはして

いない 14 (23.3) 7 (15.9) 7 (43.7) 2 (10.0) 8 (25.8) 3 (37.5) 1 (100.0)

Total 60 (100.0) 44 (100.0) 16 (100.0) 20 (100.0) 31 (100.0) 8 (100.0) 1 (100.0)

アンケートの選択肢 ① CSR 文章記載方法および図表形式なども含め手引きとして使用している ② 教育資料的な面も含め参考にすることがある ③ 特に参考にはしていない

平成9年2月にJPMAから発行された「治験総括報告書作成の手引き」を活用している

①手引きとして使用

② 教育資料的な参考資料

③ 特に参考にはしていない

平成9年2月にJPMAから発行された「治験総括報告書作成の手引き」を活用している

0% 20% 40% 60% 80% 100%

内資

外資①手引きとして使用

② 教育資料的な参考資料

③ 特に参考にはしていない

B-46

Page 95: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

B.6. アンケートに対する探索的な解析結果 アンケートに対する回答から,CSR の作成,およびプログラミング業務並びにライティング業

務の実態を把握するために,おもに,検証的試験に対する回答を対象として探索的に解析を行っ

た。 B.6.1. CSR 作成と会社背景 B.6.1.1 CSR の位置付けとの関連性 今回のアンケートの結果,CSR 本文の平均的なページ数は,該当する臨床試験の相に起因する

理由以外に,会社によって大きな違いが認められた(Q.3~Q.8)。会社間の違いがみられた理由

として,CSR スタイルの影響(例えば,CSR 本文ページには CSR 本文図表を記載しないスタイ

ルなど)も考えられるが,各社における CSR の位置付けや記載スタイルなどが,CSR ページ数

に対して何らかの影響を与えているのか否か,探索的に解析を実施した。

(1)CSR の位置付けによる CSR 本文ページ数への影響 GCP に従い治験ごとに CSR が作成されるが,完成した CSR の社内での利用目的(位置付け)

についてアンケートを行った(Q.35)。この利用目的が実際に作成されている CSR 本文のペー

ジ数に影響を与えている可能性が考えられたため,これらの関係について解析を行った(表 1)。この結果,利用目的と CSR 本文ページ数の間に明らかな関連性は認められなかった。

表 1 CSR の位置付けによる CSR 本文ページ数への影響

CSR本文の

ページ数

CTDの一

次試験計

画の判断

資料

開発継続/

中止の判

断資料

論文作成

資料

情報公開

の参考情

その他

~100 9(17.3) 4(20.0) 3(30.0) 6(24.0) 4(26.7) 1(50.0)

100~150 22(42.3) 8(40.0) 4(40.0) 10(40.0) 7(46.7) 1(50.0)

150~200 14(26.9) 4(20.0) 2(20.0) 5(20.0) 3(20.0) 0

200~300 3(5.8) 0 0 1(4.0) 0 0

300~500 4(7.7) 3(15.0) 1(10.0) 2(8.0) 0 0

計 52 20 10 25 15 2

N (%)

(2)CSR の位置付と完成時期 完成した CSR の社内での利用目的(位置付け)によっては,CSR の完成時期への社内要求が

あることも考えられたため,これらの関係について解析した(表 2)。この結果,利用目的と CSRの完成時期の間に明らかな関連性は認められなかった。

表 2 CSR の位置付けと完成時期

CSR完成時

CTDの一部 次試験計

画の判断

資料

開発継続/

中止の判

断資料

論文作成

資料

情報公開

の参考情

その他

2 か月以内 1( 1.9) 1( 5.0) 1(10.0) 1( 4.0) 1( 6.7) 1(50.0)

3 か月以内 20(38.5) 8(40.0) 4(40.0) 11(44.0) 8(53.3) 1(50.0)

6 か月以内 25(48.1) 9(45.0) 4(40.0) 9(36.0) 4(26.7) 0

6 か月以上 5( 9.6) 2(10.0) 1(10.0) 3(12.0) 1(6.7) 0

計 52 20 10 25 15 2

N (%)

B-47

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B.6.1.2 会社背景と CSR 本文ページ数との関連性 (1)CSR の記載スタイルによる CSR 本文ページ数への影響 この CSR 本文の記載スタイルが,CSR 本文のページ数に影響を与えているのかについて解析

を行った(表 3)。この結果,CSR 本文の記載スタイルとして「特に決まった記載スタイルはな

い」と回答した会社の 20%では,200 ページ以上の CSR 本文を作成しており,「結果を淡々」と

回答した会社と較べ割合が高かった。

表 3 CSR の記載スタイルによる CSR 本文ページ数への影響

CSR本文の

ページ数

結果を淡々と

記載

考察を充実

した記載

決まった

スタイルなし

~100 6(17.1) 1(20.0) 3(15.0) 10(16.7)

100~150 16(45.7) 3(60.0) 7(35.0) 26(43.3)

150~200 10(28.6) 0 5(25.0) 15(25.0)

200~300 1( 2.9) 0 2(10.0) 3( 5.0)

300~500 2( 5.7) 1(20.0) 2(10.0) 5( 8.3)

計 35 5 20 60

N (%) (2)MW 専任者の有無と CSR 本文ページ数との関連性 MW の有無と CSR 本文ページ数の関係を検討するために,内資・外資ごとに解析した(表 4)。

この結果,MW 専任者のいる会社の方が CSR 本文ページ数が多かった。

表 4 MW 専任者の有無と CSR 本文ページ数との関連性

内資・外資 MW 専任者 N Mean (SD) Median (Min,Max)

内資 いない

いる

25

17

138.0 (58.5)

187.1 (86.3)

125 (80,350)

175 (80,350)

外資 いない

いる

3

13

95.0 (26.0)

164.2 (72.3)

80 (80,125)

175 (80,350)

B.6.1.3 会社背景と CSR 図表数との関連性 (1)プログラム作成専任者の有無と CSR 本文記載図表数との関連性 プログラム作成専任者の有無と CSR 本文中図表数を検討するために,内資・外資ごとに解析し

た(表 5)。この結果,内資ではプログラム作成専任者のいる会社の方が CSR 本文中図表数が多

かったが,外資では大きな差はなかった。

表 5 プログラム作成専任者の有無と CSR 本文記載図表数との関連性

内資・外資 プログラム専任者 N Mean (SD) Median (Min,Max)

内資 いない

いる

35

7

42.5 (38.1)

92.1 (55.5)

20 ( 8,150)

75 (40,150)

外資 いない

いる

5

11

57.0 (25.6)

49.4 (41.8)

75 (20,75)

40 ( 8,150)

B-48

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(2)プログラム作成専任者の有無と CSR14 章記載の図表数との関連性 プログラム作成専任者の有無と CSR4 章中の図表数を検討するために,内資・外資ごとに解析

した(表 6)。CSR14 章中の図表数とプログラム作成専任者の有無との間には関連は見られなか

った。

表 6 プログラム作成専任者の有無と CSR14 章記載の図表数との関連性

内資・外資 プログラム専任者 N Mean (SD) Median (Min,Max)

内資 いない

いる

35

7

143.1 (80.3)

125.7 (72.5)

100 (30,225)

100 (30,225)

外資 いない

いる

5

11

136.0 (123.4)

150.5 (74.2)

100 (30,350)

100 (30,225)

B.6.2. CSR 図表数の現状

治験結果としての図表は,16 章の付録を除いて,CSR 本文中または「14. 本文中には含めない

が,引用する表,図およびグラフ」に記載される。各社が CSR にどの程度の図表を記載している

のか,その現状を知るために探索的に解析を実施した。

B.6.2.1 CSR 図表数の推定と背景 今回のアンケートでは CSR 図表数としてはカテゴリ選択方式としていたため,具体的な数値と

しての回答は得られていない。探索的に CSR に記載されているおおまかな図表数の現状を推測す

るためにカテゴリデータの読み替えを行った上で,CSR 本文記載図表と 14 章記載図表の総計を

算出し,会社背景ごとに解析を行った(表 7)。 CSR 図表数の中央値は,外資系会社 175 図表に対し内資系会社 245 図表と,内資系会社で多く

の図表を作成している様子がうかがえた。

表 7 CSR 図表数の推定

基本統計量 内資系 外資系 計

N

平均(SD)

中央値

Min,Max

42

191.0(88.0)

245.0

50 , 300

16

197.7(78.8)

175.0

105 , 390

58

192.8(84.9)

239.0

50 , 390

CSR 記載図表の総数について,内資系,外資系別のヒストグラムを図 1 に示した。ヒストグラ

ムを眺めてみると,内資系,外資系に関係なく,作成している CSR 図表数に大きなばらつきが認

められた。

B-49

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(1)CSR に記載されなかった図表

図 1 CSR 図表数(本文+14 章)の内資系/外資系会社別の分布

上記の CSR 記載図表の総数のばらつきに会社背景が関与しているのか,特に,比較的多くの図

表を作成している会社背景について,年間 CSR の作成数を要因として,240 図表数を境として層

別してみたが,明らかな関連性は認められなかった(表 8)。

表 8 CSR 年間作成数と図表数

【内資系会社】 CSR図表数 CSR年間作成数

1 本~3本 4 本~15 本 16 本~30本 31 本以上 未回答 計

240未満 9(47.4) 9(50.0) 0 0 1(100) 19(45.2)

240以上 10(52.6) 9(50.0) 1(100) 3(100) 0 23(54.8)

計 52 20 10 25 1 42

N (%) 【外資系会社】 CSR図表数 CSR年間作成数

1 本~3本 4 本~15 本 16 本~30本 31 本以上 未回答 計

240未満 0 7(63.6) 3(100) 0 0 10(62.5)

240以上 1(100) 4(36.4) 0 1(100) 0 6(37.5)

計 1 11 3 1 0 16

N (%) B.6.2.2 CSR 図表の記載箇所 作成された CSR 図表を本文中に記載するのか,「14. 本文中には含めないが,引用する表,図

およびグラフ」として記載するのか,については各社各様の考え方に基づいて作成されているも

のと考えられる。今回のアンケート結果としての CSR 本文の図表数と 14 章図表数の関係につい

て図表数(タイトル数)の中央値を用いて解析した結果を以下にまとめた(表 9)。

内資系

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

30

60

90

120

150

180

210

240

270

300

330

360

390

次の

級CSR図表数(本文+14章)

頻度

外資系

0

2

4

6

8

10

30

60

90

120

150

180

210

240

270

300

330

360

390

次の

CSR図表数(本文+14章)

頻度

B-50

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臨床第Ⅰ相:CSR 本文(20 図表)/14 章(30 あるいは 100 図表)という組み合わせが多か

ったが,14 章に 225 図表記載している会社もあった。 探索的試験:CSR 本文図表を少なくして 14 章に多くの図表を記載している会社(例えば,8:

225,20:225 など),逆に,CSR 本文中に多くの図表を記載して 14 章記載は少ない会社(例え

ば,75:30,150:2 など),会社によって CSR のどの項に図表を掲載するかについての考え方

の違いが認められた。 検証的試験:探索的試験と同様の傾向が認められた。

表 9 CSR 図表の記載箇所

臨床第Ⅰ相試験(平均的な図表数は中央値として集計) CSR(14章)図表数

CSR本文図表数 30 100 225 計

8 3 0 1 4

20 17 18 5 40

40 3 5 2 10

74 1 1 1 3

計 24 24 9 57

探索的試験(平均的な図表数は中央値として集計) CSR(14章)図表数

CSR本文図表数 30 100 225 350 計

8 0 1 1 0 2

20 6 12 8 0 26

40 3 8 7 0 18

75 3 1 2 0 6

150 2 2 1 1 6

計 14 24 19 1 58

検証試験(平均的な図表数は中央値として集計) CSR(14章)図表数

CSR本文図表数 30 100 225 350 計

8 0 2 1 0 3

20 6 8 7 0 21

40 1 4 10 1 16

75 2 4 5 0 11

150 1 6 0 0 7

計 10 24 23 1 58

B.6.3. CSR 作成関連業務の現状 B.6.3.1 CSR への図表の取り込み方法

CSR 作成のためには,本文を作成するとともに統計解析担当者により作成された図表を CSRに取り込み,最終的に一つの文書として作成しなければならない。この図表の取り込み方法とし

ては,取り込み後の品質管理の方法も考慮して,各社,工夫されて実施されていると考えられる。

特に,統計解析業務として品質管理された図表を,改めて CSR に取り込むときに,その方法によ

っては作業ミス等によるリスクも考えられ,この取り込み方法については図表作成から CSR 作成

までの業務効率に大きな影響を与えるものと考えられる。そこで,この CSR への図表の取り込み

B-51

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方法の現状について,探索的に解析を行った。 (1)CSR への図表の取り込み方法の現状

CSR 本文への図表の取り込み方法(Q.32)と CSR14~16 章への図表の取り込み方法(Q.33)の組み合わせについて集計した(表 10)。この結果,図表の取込み方法として,「CSR 本文へ

原則,手を加えない」と回答した全ての会社が CSR14 章以降についても「原則,手を加えない」

と回答されていた。この「原則,手を加えない」という方法と比較すると,「体裁整形後」や「別

途作成」の方法では,CSR 取込み後の図表に対して,再度,品質管理を行う必要もあり,この点,

各担当者の業務量が多くなっている可能性が考えられる。

表 10 CSR への図表の取り込み方法

CSR本文への取り込み方法

CSR14 章への取込み 原則,手を加えない 体裁整形後 別途作成 計

原則,手を加えない 25(100.0) 15(53.6) 4(57.1) 44

体裁整形後 0( 0.0) 13(46.4) 2(28.6) 15

別途作成 0( 0.0) 0( 0.0) 1(14.3) 1

計 25 28 7 60

N (%) (2)CSR 図表数と CSR への取り込み方法 各社が作成している CSR 本文または 14 章への平均的な図表数と,その CSR への取り込み方

法(Q.32)との関連性について解析してみたが,明らかな関連性は認められなかった(表 11)。

表 11 CSR 図表数と CSR への取り込み方法

【CSR 本文図表数】 CSR本文への取り込み方法

本文の図表数 原則,手を加えない 体裁整形後 別途作成 計

< 10 1( 4.0) 1( 3.6) 1(14.3) 3

10~30 8(32.0) 10(35.7) 3(42.9) 21

30~50 8(32.0) 7(25.0) 1(14.3) 16

50~100 4(16.0) 5(17.9) 1(14.3) 10

100~200 4(16.0) 2( 7.1) 1(14.3) 7

50 以上 0( 0.0) 1( 3.6) 0( 0.0) 1

未回答 0( 0.0) 2( 7.1) 0( 0.0) 2

計 25 28 7 60

N (%) 【CSR14 章図表数】 CSR14 章への取り込み方法

CSR14 章の図表数 原則,手を加えない 体裁整形後 別途作成 計

< 50 6(14.0) 4(28.6) 0( 0.0) 10

50~150 18(41.9) 5(35.7) 1(100.0) 24

150~300 18(41.9) 5(35.7) 0( 0.0) 23

300~400 1( 2.3) 0( 0.0) 0( 0.0) 1

計 43 14 1 58

N (%)

B-52

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(3)CSR への図表の取り込み方法と CSR 完成時期 CSR本文または 14章への取込み方法とCSRの完成時期との間の関連性について解析した結果

をに表 12 示した。この結果,図表の取込み方法として,「体裁整形後の取込み」,「別途表を

作成」と回答した会社のそれぞれ 14.3%,28.6%が,CSR 完成時期が「6 ヶ月以上」と回答した

のに対し,「原則,手を加えない」会社では「6 ヶ月以上」は 4.0%であった。

表 12 CSR への図表の取り込み方法と CSR 完成時期

【CSR 本文への図表の取込み方法と CSR 完成時期】 CSR本文への取り込み方法

CSR完成時期 原則,手を加えない 体裁整形後 別途作成 計

未回答 0 1( 3.6) 0 1

2 ヶ月以内 0 1( 3.6) 1(14.3) 2

3 ヶ月以内 10(40.0) 11(39.3) 2(28.6) 23

6 ヶ月以内 14(56.0) 11(39.3) 2(28.6) 27

6 ヶ月以上 1( 4.0) 4(14.3) 2(28.6) 7

計 25 28 7 60

N (%) 【CSR14 章への図表の取込み方法と CSR 完成時期】

CSR14 章への取り込み方法

CSR完成時期 原則,手を加えない 体裁整形後 別途作成 計

未回答 1( 2.3) 0 0 1

2ヶ月以内 2( 4.5) 0 0 2

3 ヶ月以内 17(38.6) 6(40.0) 0 23

6 ヶ月以内 20(45.5) 6(40.0) 1(100.0) 27

6 ヶ月以上 4( 9.1) 3(20.0) 0 7

計 44 15 1 60

N (%) B.6.3.2 CSR 作成関連業務の標準化の実態

CSR 作成関連業務を効率よく進めるためには,業務の標準化が一つの重要なポイントとなる。

各社の標準化の実態と,実際に作成している CSR との関連性について探索的に解析を行った。

B-53

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(1)CSR 年間作成数と標準化業務の実態 1 年間に作成する CSR の本数が多い会社では,要員数の確保のみならず会社として統一的な

CSR を効率よく作成するためにも関連業務の標準化がより進んでいるのではないかと考え,これ

らの関連性を明らかにするために CSR 年間作成数にて層別した(表 13)。この結果,CSR 作成

本数が多い会社(16 本以上)では,50%以上の会社で多くの業務標準化が行われているが,年間

作成数の少ない会社(1~3本)では,標準化されている業務の割合が少ないように考えられた(50%以上と回答した標準化業務は CSR テンプレートのみ)。

表 13 CSR 年間と標準化業務の関連性

CSR年間作成数

標準化業務 1~3本 4~15 本 16~30本 31 本以上 計

ほとんど標準化されていない 5(25.0) 2(6.5) 0 1(25.0) 8

解析用データ構造 4(20.0) 14(45.2) 3(75.0) 3(75.0) 24

解析出力作成ツール 3(15.0) 17(54.8) 3(75.0) 3(75.0) 26

処理・計算アルゴリズム 0 8(25.8) 2(50.0) 1(25.0) 11

図表テンプレート 2(10.0) 18(58.1) 2(50.0) 3(75.0) 25

プログラムバリデーション手法 3(15.0) 12(38.7) 3(75.0) 3(75.0) 21

CSRへの解析結果の取込み手法 3(15.0) 6(19.4) 2(50.0) 2(50.0) 13

SAPテンプレート 7(35.0) 25(80.6) 3(75.0) 2(50.0) 37

CSRテンプレート 10(50.0) 26(83.9) 4(100.0) 3(75.0) 43

計 20 31 4 4 59

N (%) 次に,CSR の年間作成数と標準化されている業務数との関係を表 14 に示す。CSR 年間作成数

が「1~3 本」の会社では 25.0%が「ほとんど標準化されていない」,1 業務(30.0%),2 業務

(15.0%)と回答されていたことに対して,「16 本以上」の会社では,7 業務以上の会社もあっ

た(全て標準化と回答した会社が 2 社)。

表 14 CSR 年間作成数と標準化している業務数の関連性

CSR作成数

標準化して

いる業務数

1~3本 4~15 本 16~30本 31 本以上 計

0 5(25.0) 2( 6.5) 0 1(25.0) 8

1 6(30.0) 1( 3.2) 0 0 7

2 3(15.0) 6(19.4) 1(25.0) 0 10

3 4(20.0) 5(16.1) 0 0 9

4 2(10.0) 3( 9.7) 0 0 5

5 0 2( 6.5) 1(25.0) 0 3

6 0 8(25.8) 0 1(25.0) 9

7 0 4(12.9) 1(25.0) 0 5

8 0 0 1(25.0) 1(25.0) 2

計 20 31 4 4 59

N (%)

B-54

Page 103: 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業 …...部会資料 総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務および ライティング業務の効率化

B.7. その他 CSR 作成の現状

CSR 作成に関わるその他の現状について探索的に解析を行った。 (1)CSR 言語 ここ数年,グローバル開発に取り組む会社が多くなってきたが,現状として CSR がどのような

言語で作成されているのか,特に,今後の動向を推測する上でも興味あるところである(Q.26,Q27)。この言語について,CSR 全体としての言語について解析した結果を表 15 に示した。こ

の結果,日本語で CSR 文章を作成している会社のうち,図表を英語としている会社は 8%程度あ

った。

表 15 CSR 言語

CSR文章

(日本語)

CSR文章

(英語)

CSR文章

(日本語/英語)

図表(日本語) 46(92.0) 0 0 46(76.7)

図表(英語) 4( 8.0) 8(88.9) 1(100.0) 13(21.7)

図表(日本語/英語) 0 1(11.1) 0 1(1.7)

計 50 9 1 60

N (%) B.7.1. CSR の生産効率の推定

リソース(人月)の値については以下の理由から参考程度に留めていただきたい。リソース(人

月)については回答が 0~52 人月とばらつきが大きく,タスクフォース内で回答結果の解釈に関

する検討がされた。アンケート中で業務委託を行っている場合や作業範囲などについて明確な定

義を示していなかったため,適切な回答が得られていない可能性があると考えられた。そのため,

以下の解析は読み替えた数値を利用している。

B.7.1.1 CSR 本文作成に対する生産効率 CSR 本文作成業務に係るリソース(人月)について CSR 年間作成数との関係について内資・

外資別に解析した結果を表 16 に示した。

表 16 CSR 年間作成数と CSR 本文作成リソースの関連性

内資・外資 CSR年間作成数 N Mean (SD) Median (Min,Max)

内資

1~3

4~15

16~30

31 以上

19

19

0

3

5.1 (3.3)

3.9 (2.9)

-

2.7 (0.6)

4 (1.1,12)

3 (2.0,12)

-

3 (2, 3)

外資

1~3

4~15

16~30

31 以上

1

11

3

1

4 (-)

3.9 (2.3)

2 (0)

3 (-)

4 (4, 4)

3 (1, 7)

2 (2, 2)

3 (3, 3)

B-55

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B.8. CSR 図表作成に対する生産効率

CSR に記載する図表作成業務に係るリソース(人月)について CSR 年間作成数との関係につ

いて内資・外資別に解析した結果を表 17 に示した。

表 17 CSR 年間作成数と CSR 図表作成リソースの関連性

内資・外資 CSR年間作成数 N Mean (SD) Median (Min,Max)

内資

1~3

4~15

16~30

31 以上

19

19

1

3

4.8 (3.3)

2.9 (2.1)

3.0 ( - )

3.7 (2.1)

4 ( 0,12)

2 ( 0, 8)

3 ( 3, 3)

3 ( 2, 6)

外資

1~3

4~15

16~30

31 以上

1

11

3

1

12.0 (-)

4.8 (2.4)

7.0 (3.6)

9.0 (-)

12 (12,12)

5 ( 1,10)

8 ( 3,10)

9 ( 9, 9)

B.8.1. CSR 作成上の問題点 B.8.1.1 CSR 未使用図表の背景 今回のアンケートの結果,CSR 本文の平均的な図表数(タイトル数)は,会社によって大きな

ばらつきが認められた。この会社間の違いの理由として,CSR 本文に記載すべき図表の種類・範

囲についてのスタイル(例えば,主要な図表のみ本文に記載し,その他については「14. 本文中

には含めないが,引用する表,図およびグラフ」に記載して引用するスタイルなど)も考えられ

たが,その他各社における CSR 図表作成の効率に関わると考えられる事項(未使用の図表数,ボ

トルネック)について,探索的に解析を行った。 (1)CSR に記載されなかった図表 CSR に記載する図表については,統計解析計画書の作成段階から作成すべき帳票やそのレイア

ウトについての協議,プログラムの作成,作成された帳票に対する品質管理等,多くの労力を要

する。このようにして作成された図表が結果的に CSR に利用されなかった場合,ムダな時間を費

やしていたことになる。 今回,計画されていた図表のうち CSR に全く使用されなかった図表の割合についてアンケート

を行った(Q.23)。約 90%の会社では,「ない」または「ほとんどない(10%未満)」と回答さ

れており,多くの会社では,作成されたものの使用されない図表数はそれほど多くなかった。一

方,「ある(10%以上)」と回答された会社が約 12%あり,作成された図表に対する割合は少な

いものの,図表数として数百枚の図表を作成しているような会社にとっては,改善する余地があ

るのではないかと考えられた。結果的に使用されない図表については,計画段階からコントロー

ルしておくことが重要と考えられる。この点について MW 専任者の有無による効果に関して,そ

の関連性について集計を行ったが,明らかな関連性は認められなかった(表 18)。

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表 18 MW 専任者の有無と CSR 未使用図表の関連性

CSR未使用図表の MW 専任者の有無

割合 いない いる 未回答 計

ない 13 (44.8) 16 (53.3) 0 (0.0) 29 (48.3)

10 未満 13 (44.8) 11 (36.7) 0 (0.0) 24 (40.0)

10 以上 3 (10.3) 3 (10.0) 1 (100) 7 (11.7)

回答会社数 29 30 1 60

N (%) CSR 本文+CSR14 章に使用されなかった図表数(中央値による推定) CSRに使用されない図表の割合

未使用図表数 10%未満 10%以上

平均値 16.7 17.0

SD 8.2 9.7

中央値 15.8 18.0

MIN,MAX 5, 26.5 5, 30

回答会社数 22 7

計画されていたものの CSR に全く使用されなかった図表の数は,結果的に,臨床担当者,統計

解析担当者および品質管理担当者等の業務効率に影響する。Q.23 質問にて使用されない図表は

「ない」と回答された会社を除いた会社を対象として,使用されなかった図表の割合とその理由

の関連性について解析した(表 19)。この結果,使用されなかった理由として,「同様な図表が

あり最終的に不要と判断されたため」,「仕様用途が不明確なままとりあえず作成されたため」

と回答しており,使用されなかった図表が「ある(10%以上)」と回答した会社と「ほとんどな

い(10%未満)」と回答した会社とも同様であった。 使用されなかった理由から,計画段階において臨床担当者と統計解析担当者等の間で十分に協

議することにより,最終的に使用されないような図表を削減できる可能性があると考えられた。

表 19 未使用図表の割合とその理由

使用されなかった理由 CSRに使用されない図表の割合

10%未満 10%以上

用途不明確(とりあえず作成) 14 (58.3) 5 (71.4)

同様な図表(最終的に不要) 10 (41.7) 5 (71.4)

探索的解析図表(未使用) 8 (33.3) 2 (28.6)

その他 3 (12.5) 1 (14.3)

回答会社数 24 7

N (%) (2)CSR 記載スタイルおよび図表の取り込み方法とボトルネックとの関連性 図表作成または CSR 作成の関連業務のうち,業務量を削減したい(ボトルネック)と感じる業

務についてアンケートを行った(Q.40,Q.42)。 CSR への図表の取り込み方法とボトルネックと考える業務との関連性について解析した結果

を表 20 に示した。この結果,CSR 本文への解析結果の取込み方法として「別途,作成」と回答

した会社では,「図表の作りこみ」(42.9%),「CSR の点検・レビュー」(100.0%)と回答し

ており,「原則,手を加えない」,「体裁整形」と回答した会社と比較して,特にこれらの点を

ボトルネックと感じている割合が多かった。

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表 20 図表の取り込み方法とボトルネック

CSR本文への取り込み方法

ボトルネック 原則,手を加え

ない

体裁整形後 別途作成 計

特にない 3 (12.0) 2 ( 7.1) 0 5

CSRへの図表の貼りこみ 6 (24.0) 13 (46.4) 2 ( 28.6) 21

CSR図表の作りこみ 4 (16.0) 6 (21.4) 3 ( 42.9) 13

CSRの点検・レビュー 13 (52.0) 15 (53.6) 7 (100.0) 35

その他 1 ( 4.0) 5 (17.9) 0 6

計 25 28 7 60

N (%) 同様に,CSR 本文の記載スタイルとボトルネックとの間の関連性について解析した結果,記載

スタイルの違いによる影響はみられなかった(表 21)。

表 21 CSR 記載スタイルとボトルネック

CSR記載スタイル

ボトルネック 結果を淡々 考察を充実 スタイルなし 計

特にない 4(11.4) 0 1( 5.0) 5

CSR文章の作成 10(28.6) 1(20.0) 7(35.0) 18

CSRの点検・レビュー 21(60.0) 1(20.0) 13(65.0) 35

その他 2( 5.7) 1(20.0) 3(15.0) 6

計 35 5 20 60

N (%)

以上

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総括報告書作成プロセスにおける プログラミング業務およびライティング業務の効率化

資料作成者 タスクフォース 2

菊池 かずよ 中外製薬株式会社 (推進委員兼タスクフォースリーダー)

月田 あづさ サノフィ・アベンティス株式会社

(推進委員兼タスクフォースリーダー)

鹿野 哲司 旭化成ファーマ株式会社

青木 浩之 グラクソ・スミスクライン株式会社

照井 佳子 グラクソ・スミスクライン株式会社

野島 俊秋 興和株式会社

井上 博司 参天製薬株式会社

志藤 章仁 シェリング・プラウ株式会社

田口 賢治 富山化学工業株式会社

小嶋 祐子 日本イーライリリー株式会社 (~平成 20年 5月)

杉浦 めぐみ 日本イーライリリー株式会社 (平成 20年 5月~)

梅山 正登 日本ケミファ株式会社

中岡 隆平 日本新薬株式会社

石田 康直 日本臓器製薬株式会社 (~平成 20年 6月)

大畠 猛 バクスター株式会社

真野 章 ファイザー株式会社

森 美知代 ヤンセン ファーマ株式会社

小島 清孝 富士フイルム RIファーマ株式会社

北川 忠行 田辺製薬株式会社 (~平成 20年 1月)

監修

統計・DM 部会 部会長 東宮 秀夫 大日本住友製薬株式会社 同 副部会長 酒井 弘憲 田辺三菱製薬株式会社 同 副部会長 渡橋 靖 第一三共株式会社 同 副部会長 小宮山 靖 ファイザー株式会社

以上の資料作成に当たり、医薬品評価委員会 川口委員長ならびに本資料の査読を実施頂いた査

読担当の諸氏に感謝致します。