2
Case Study 大分県では、 2007年度に情報システム 全体最適化計画を策定しました。その 第1期としてまず取り組んだのは、部門 サーバの仮想化による集約です。その 背景には、コンピュータシステムのトレ ンドの変化があります。メインフレーム による集中処理からクライアント/サーバ 型の分散処理への移行を推進してきた 結果、県庁内では各課が独自にサーバ を導入するようになり、業務ごとにサーバ が 乱 立、台数 が膨れ上がってしまって いました。 そこで、2008年、富士 通のラックマウント型PCサーバ 「PRIMERGY RX600」 5台の上に「VMware Infrastructure 3」 で仮想化環境を構築し、各課のサーバを電算室に集約しまし た。その効果について、同県 商工労働部 情報政策課 システム 開発班 主査 吉良 智晃氏は、「2010年6月現在で50台ほどの 仮想サーバが稼働しています。運用開始から約2年が経ちます が、各 課 の 担 当者 からは『システム管 理の手間が 省け、ハード ウェア調達を考える必要がなくなった』と喜ばれています。 また、テストを仮 想 環 境 上で 行えるため、物 理 的 なテスト環 境 構 築にかかるコストを削減できるようになりました」と説明 します。 第1期の部門サーバ集約の実績によって、VMwareの長期運用 における信頼性を確認し、ノウハウを蓄積した大分県は、第2期 として基幹業務システムも仮想環境へ移行することを決断しま した。商工労働部 情報政策課 課長 山戸 康弘氏は、「2年間の システム運用の経験から、VMwareは非常に信頼できることが わかりました。また、世界中に多くのVMwareの仮想環境が 稼働している実績から見ても、データベースシステムなど大規模 な 基 幹 業 務 システムも 適 応 が 可 能 だ と 判 断 し、VMware vSphere 4を使うことにしました」と説明します。 基幹業務システム仮想化のハードウェアプラットフォームには、 富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 1800E」と、ブレードサーバ 「PRIMERGY BX900」が採用されました。「PRIMEQUEST」が 選ばれた理由は、メモリをはじめ主要な内部 コンポーネントが冗長化されており、ミッ ションクリティカルで高い堅牢性と安定性 が求められる基幹業務システムに最適 だったためです。加えて、 「オープンシステム と共に、メインフレームのOS、アプリケー ションをそのまま動かすことができる点も 評価しました。これにより、メインフレーム 資産のオープン化のための開発作業やテスト を1台の筐体内で行うことができ、コスト面 や業務効率の面で大きなメリットを得る ことができます」 (吉良氏)。 県庁内クラウドの構築に向け、 PRIMEQUEST, PRIMERGY, VMware vSphere 4で 基幹システムの仮想化を開始 大分県大分県では、2008年から開始した県庁内各課の部門サーバの仮想化集約に引き続き、第2期として2010年、富士通の基幹 IAサーバ「PRIMEQUEST 1800E」とブレードサーバ「PRIMERGY BX900」をプラットフォームとした、仮想化ソフト「VMware vSphere 4」による基幹業務システムの仮想化に着手しました。2010年9月稼働の人事管理システムを皮切りに、基幹システム を順次仮想化。第1期システムと統合し、県庁内クラウドを構築していく計画です。 課 題 脱メインフレームによる経費削減と運用管理負荷の軽減 地方自治体 サーバ:PRIMEQUEST 1800E、PRIMERGY BX900 仮想化ソフト:VMware vSphere 4 ストレージ:ETERNUS DX80 効 果 システムのオープン化、サーバ集約による導入、運用コストの低減 第1期仮想化システムとの統合運用管理の実現 将来的な民間クラウドサービス利用へのステップ 業 種 稼働環境(第2期分) 導入の背景 Background 情報システム全体最適化 第2期として基幹業務システムの オープン化と仮想化を計画 大分県商工労働部 情報政策課 課長 山戸 康弘氏 導入のポイント Point 基幹業務システムには、堅牢性と安定性から 「PRIMEQUEST」を選定 大分県商工労働部 情報政策課 システム開発班 主査 吉良 智晃氏

県庁内クラウドの構築に向け、 PRIMEQUEST, PRIMERGY, … › platform › server › primergy › ... · を順次仮想化。第1期システムと統合し、県庁内クラウドを構築していく計画です。

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Page 1: 県庁内クラウドの構築に向け、 PRIMEQUEST, PRIMERGY, … › platform › server › primergy › ... · を順次仮想化。第1期システムと統合し、県庁内クラウドを構築していく計画です。

お問い合わせ先

富士通コンタクトライン 0120-933-200受付時間9:00~17:30(土・日・祝日・年末年始を除く)

富士通株式会社 〒105-7123 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター

Case Study

 大分県では、2007年度に情報システム

全体最適化計画を策定しました。その

第1期としてまず取り組んだのは、部門

サーバの仮想化による集約です。その

背景には、コンピュータシステムのトレ

ンドの変化があります。メインフレーム

による集中処理からクライアント/サーバ

型の分散処理への移行を推進してきた

結果、県庁内では各課が独自にサーバ

を導入するようになり、業務ごとにサーバ

が乱立、台数が膨れ上がってしまって

いました。

 そこで、2008年、富士通のラックマウント型PCサーバ

「PRIMERGY RX600」5台の上に「VMware Infrastructure 3」

で仮想化環境を構築し、各課のサーバを電算室に集約しまし

た。その効果について、同県 商工労働部 情報政策課 システム

開発班 主査 吉良 智晃氏は、「2010年6月現在で50台ほどの

仮想サーバが稼働しています。運用開始から約2年が経ちます

が、各課の担当者からは『システム管理の手間が省け、ハード

ウェア調達を考える必要がなくなった』と喜ばれています。

また、テストを仮想環境上で行えるため、物理的なテスト環

境構築にかかるコストを削減できるようになりました」と説明

します。

 第1期の部門サーバ集約の実績によって、VMwareの長期運用

における信頼性を確認し、ノウハウを蓄積した大分県は、第2期

として基幹業務システムも仮想環境へ移行することを決断しま

した。商工労働部 情報政策課 課長 山戸 康弘氏は、「2年間の

システム運用の経験から、VMwareは非常に信頼できることが

わかりました。また、世界中に多くのVMwareの仮想環境が

稼働している実績から見ても、データベースシステムなど大規模

な基幹業務システムも適応が可能だと判断し、VMware

vSphere 4を使うことにしました」と説明します。

 基幹業務システム仮想化のハードウェアプラットフォームには、

富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 1800E」と、ブレードサーバ

「PRIMERGY BX900」が採用されました。「PRIMEQUEST」が

選ばれた理由は、メモリをはじめ主要な内部

コンポーネントが冗長化されており、ミッ

ションクリティカルで高い堅牢性と安定性

が求められる基幹業務システムに最適

だったためです。加えて、「オープンシステム

と共に、メインフレームのOS、アプリケー

ションをそのまま動かすことができる点も

評価しました。これにより、メインフレーム

資産のオープン化のための開発作業やテスト

を1台の筐体内で行うことができ、コスト面

や業務効率の面で大きなメリットを得る

ことができます」(吉良氏)。

県庁内クラウドの構築に向け、PRIMEQUEST, PRIMERGY, VMware vSphere 4で基幹システムの仮想化を開始

大分県様

 大分県では、2008年から開始した県庁内各課の部門サーバの仮想化集約に引き続き、第2期として2010年、富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 1800E」とブレードサーバ「PRIMERGY BX900」をプラットフォームとした、仮想化ソフト「VMware vSphere 4」による基幹業務システムの仮想化に着手しました。2010年9月稼働の人事管理システムを皮切りに、基幹システムを順次仮想化。第1期システムと統合し、県庁内クラウドを構築していく計画です。

課 題● 脱メインフレームによる経費削減と運用管理負荷の軽減 ● 地方自治体

● サーバ:PRIMEQUEST 1800E、PRIMERGY BX900

● 仮想化ソフト:VMware vSphere 4

● ストレージ:ETERNUS DX80

効 果

● システムのオープン化、サーバ集約による導入、運用コストの低減

● 第1期仮想化システムとの統合運用管理の実現

● 将来的な民間クラウドサービス利用へのステップ

業 種

稼働環境(第2期分)

導入の背景 Background

情報システム全体最適化 第2期として基幹業務システムのオープン化と仮想化を計画

大分県商工労働部情報政策課 課長

山戸 康弘氏

導入のポイント Point

基幹業務システムには、堅牢性と安定性から「PRIMEQUEST」を選定

計画の概要 Outline

2014年度までに基幹業務システムを順次仮想化、県庁内クラウドを構築

大分県商工労働部情報政策課 システム開発班

主査

吉良 智晃氏

ユーザプロフィール

大分県庁

本庁所在地:大分市大手町3丁目1番1号

職員数:4,135人(一般行政部門のみ)

http://www.pref.oita.jp/

人口約120万人。別府、由布院など全国的に有名な温泉地を擁し、農林水産業では一村一品運動で各地に特産品が生まれている。また、工業では高度成長期に大分市が新産業都市の指定を受け、大分臨海工業地帯を形成。近年は、電子機器産業等の誘致を積極的に進め、第二次産業の占める割合は全国平均を上回っている。

 こうして、2010年3月、第2期の基幹

業務システム仮想化用サーバとして

「PRIMEQUEST」と「PRIMERGY」が、

共用ストレージとして「ETERNUS」がそれ

ぞれ導入されました。データベースサーバ

など大量・高速処理を行うシステムは

「PRIMEQUEST」上で仮想化され、利用

者が直接アクセスするフロント部分のWeb

アプリケーションサーバは「PRIMERGY」

上で仮想化されます(図)。また、第1期

の「VMware Infrastructure 3」で動作

している仮想サーバ群と今回導入され

た第2期の「vSphere 4」で仮想化されるサーバ群は、「VMware

vCenter Server」で一元的に統合管理されます。さらに、第1期

で導入したストレージ「ETERNUS2000」の更新時にはVMware

Storage vMotionを活用し、システムを停止させることなく

「ETERNUS DX80」にデータ移行する予定です。

 現在、2010年9月のカットオーバーを目指して、教員を含め

2万人に上る県職員の人事関連情報を管理する人事情報システム

の、仮想環境への移行作業が進められています。その後も

庁内に閉じたシステムはすべて仮想化を前提にして整備に

取り組み、県庁内クラウドを構築していく考えです。商工労働部

情報政策課 システム開発班 課長補佐(総括) 秋月 保孝氏

は、「人事情報システムに続いて、予算編成システムと財務会計

システム、給与システムを仮想化することが予定されており、いず

れのシステムも2012年度にはvSphere上で稼働します。さら

に、2013年にリースアップを迎える文書管理システムも仮想化

する計画で、これにより、主要な基幹業務システムが、遅くとも

2014年度を目処に仮想環境に移行する予定です」と説明し

ます。

 また、商工労働部 情報政策課 参事 吉弘 好孝氏は、「県の

財政状況が厳しい中で、全体最適化計画を立て、費用削減に取り

大分県商工労働部情報政策課 システム開発班 課長補佐(総括) 

秋月 保孝氏

組んできました。その中軸を担うのが

VMware vSphereです。第1期分の部門

サーバ仮想化では着実にコスト削減の

実績を上げてきました。今後、基幹業務

システムを仮想化し、県庁内クラウドを

構築していくことで、ハードウェアコスト

と管理コストを合わせたICTコスト全体

を、少なくともさらに3割程度は減らす

ことができると考えています」と期待を語

ります。

大分県商工労働部情報政策課 参事

吉弘 好孝氏

 大分県では、県庁内クラウド構築後、仮想サーバ群については

民間企業が提供するIaaS(Infrastructure as a Service)サービス

利用へ移行することを検討しています。「今までは、サーバや

ストレージ機器を、リース契約期間である5年間の性能、容量拡張

を見越して導入していました。そのやり方では、結局はどうしてもリ

ソースが余ってしまい、投資が無駄になる場合がありました」

(山戸氏)。そこで、民間のクラウドサービスプロバイダーとSLA

(Service Level Agreement)契約を結ぶことで、県庁側ではリ

ソースについて考える必要がなくな

り、また、長期間利用するほど多大

な管理コスト削減効果が望めます。

「今、システムを仮想環境で構築し

ておけば、将来、システムを改修す

ることなくスムースにIaaSへ移行で

きます」(山戸氏)。

将来の展望 View

仮想化は民間企業が提供するIaaS利用へのステップ

VMware、VMwareロゴ、Virtual SMP、およびVMotionは、米国およびその他の地域におけるVMware, Inc.の登録商標または商標です。他のすべての名称ならびに製品についての商標は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。Copyright © 1994-2010 FUJITSUCopyright © 2010 VMware,Inc. All right reserved. Protected by one or more of US.Patent NO6,397,242 and patents pending.

製品・サービスについてのお問い合わせは

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テープライブラリ装置

LT60

統合サーバ監視

PRIMERGY RX200

バックアップサーバ/JOB監視サーバ

PRIMERGY RX300

ディスクアレイ装置

ETERNUS DX80

ファイバーチャネルスイッチ

SN200 Model600

ファイバーチャネルスイッチ

SN200 Model600

PRIMERGY BX920ブレードサーバ

サーバ台数:6台

WEBサーバ

APサーバ

WEBサーバ

APサーバ

VMware vSphere

OSⅣ/XSP用

VMware vSphere

VMware vSphere

予備ボード

システムボード:4枚1枚:OSⅣ/XSP用/2枚:vSphere 4/1枚:予備

PRIMEQUEST 1800E

図.基幹システム用仮想環境のシステム図

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お問い合わせ先

富士通コンタクトライン 0120-933-200受付時間9:00~17:30(土・日・祝日・年末年始を除く)

富士通株式会社 〒105-7123 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター

Case Study

 大分県では、2007年度に情報システム

全体最適化計画を策定しました。その

第1期としてまず取り組んだのは、部門

サーバの仮想化による集約です。その

背景には、コンピュータシステムのトレ

ンドの変化があります。メインフレーム

による集中処理からクライアント/サーバ

型の分散処理への移行を推進してきた

結果、県庁内では各課が独自にサーバ

を導入するようになり、業務ごとにサーバ

が乱立、台数が膨れ上がってしまって

いました。

 そこで、2008年、富士通のラックマウント型PCサーバ

「PRIMERGY RX600」5台の上に「VMware Infrastructure 3」

で仮想化環境を構築し、各課のサーバを電算室に集約しまし

た。その効果について、同県 商工労働部 情報政策課 システム

開発班 主査 吉良 智晃氏は、「2010年6月現在で50台ほどの

仮想サーバが稼働しています。運用開始から約2年が経ちます

が、各課の担当者からは『システム管理の手間が省け、ハード

ウェア調達を考える必要がなくなった』と喜ばれています。

また、テストを仮想環境上で行えるため、物理的なテスト環

境構築にかかるコストを削減できるようになりました」と説明

します。

 第1期の部門サーバ集約の実績によって、VMwareの長期運用

における信頼性を確認し、ノウハウを蓄積した大分県は、第2期

として基幹業務システムも仮想環境へ移行することを決断しま

した。商工労働部 情報政策課 課長 山戸 康弘氏は、「2年間の

システム運用の経験から、VMwareは非常に信頼できることが

わかりました。また、世界中に多くのVMwareの仮想環境が

稼働している実績から見ても、データベースシステムなど大規模

な基幹業務システムも適応が可能だと判断し、VMware

vSphere 4を使うことにしました」と説明します。

 基幹業務システム仮想化のハードウェアプラットフォームには、

富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 1800E」と、ブレードサーバ

「PRIMERGY BX900」が採用されました。「PRIMEQUEST」が

選ばれた理由は、メモリをはじめ主要な内部

コンポーネントが冗長化されており、ミッ

ションクリティカルで高い堅牢性と安定性

が求められる基幹業務システムに最適

だったためです。加えて、「オープンシステム

と共に、メインフレームのOS、アプリケー

ションをそのまま動かすことができる点も

評価しました。これにより、メインフレーム

資産のオープン化のための開発作業やテスト

を1台の筐体内で行うことができ、コスト面

や業務効率の面で大きなメリットを得る

ことができます」(吉良氏)。

県庁内クラウドの構築に向け、PRIMEQUEST, PRIMERGY, VMware vSphere 4で基幹システムの仮想化を開始

大分県様

 大分県では、2008年から開始した県庁内各課の部門サーバの仮想化集約に引き続き、第2期として2010年、富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 1800E」とブレードサーバ「PRIMERGY BX900」をプラットフォームとした、仮想化ソフト「VMware vSphere 4」による基幹業務システムの仮想化に着手しました。2010年9月稼働の人事管理システムを皮切りに、基幹システムを順次仮想化。第1期システムと統合し、県庁内クラウドを構築していく計画です。

課 題● 脱メインフレームによる経費削減と運用管理負荷の軽減 ● 地方自治体

● サーバ:PRIMEQUEST 1800E、PRIMERGY BX900

● 仮想化ソフト:VMware vSphere 4

● ストレージ:ETERNUS DX80

効 果

● システムのオープン化、サーバ集約による導入、運用コストの低減

● 第1期仮想化システムとの統合運用管理の実現

● 将来的な民間クラウドサービス利用へのステップ

業 種

稼働環境(第2期分)

導入の背景 Background

情報システム全体最適化 第2期として基幹業務システムのオープン化と仮想化を計画

大分県商工労働部情報政策課 課長

山戸 康弘氏

導入のポイント Point

基幹業務システムには、堅牢性と安定性から「PRIMEQUEST」を選定

計画の概要 Outline

2014年度までに基幹業務システムを順次仮想化、県庁内クラウドを構築

大分県商工労働部情報政策課 システム開発班

主査

吉良 智晃氏

ユーザプロフィール

大分県庁

本庁所在地:大分市大手町3丁目1番1号

職員数:4,135人(一般行政部門のみ)

http://www.pref.oita.jp/

人口約120万人。別府、由布院など全国的に有名な温泉地を擁し、農林水産業では一村一品運動で各地に特産品が生まれている。また、工業では高度成長期に大分市が新産業都市の指定を受け、大分臨海工業地帯を形成。近年は、電子機器産業等の誘致を積極的に進め、第二次産業の占める割合は全国平均を上回っている。

 こうして、2010年3月、第2期の基幹

業務システム仮想化用サーバとして

「PRIMEQUEST」と「PRIMERGY」が、

共用ストレージとして「ETERNUS」がそれ

ぞれ導入されました。データベースサーバ

など大量・高速処理を行うシステムは

「PRIMEQUEST」上で仮想化され、利用

者が直接アクセスするフロント部分のWeb

アプリケーションサーバは「PRIMERGY」

上で仮想化されます(図)。また、第1期

の「VMware Infrastructure 3」で動作

している仮想サーバ群と今回導入され

た第2期の「vSphere 4」で仮想化されるサーバ群は、「VMware

vCenter Server」で一元的に統合管理されます。さらに、第1期

で導入したストレージ「ETERNUS2000」の更新時にはVMware

Storage vMotionを活用し、システムを停止させることなく

「ETERNUS DX80」にデータ移行する予定です。

 現在、2010年9月のカットオーバーを目指して、教員を含め

2万人に上る県職員の人事関連情報を管理する人事情報システム

の、仮想環境への移行作業が進められています。その後も

庁内に閉じたシステムはすべて仮想化を前提にして整備に

取り組み、県庁内クラウドを構築していく考えです。商工労働部

情報政策課 システム開発班 課長補佐(総括) 秋月 保孝氏

は、「人事情報システムに続いて、予算編成システムと財務会計

システム、給与システムを仮想化することが予定されており、いず

れのシステムも2012年度にはvSphere上で稼働します。さら

に、2013年にリースアップを迎える文書管理システムも仮想化

する計画で、これにより、主要な基幹業務システムが、遅くとも

2014年度を目処に仮想環境に移行する予定です」と説明し

ます。

 また、商工労働部 情報政策課 参事 吉弘 好孝氏は、「県の

財政状況が厳しい中で、全体最適化計画を立て、費用削減に取り

大分県商工労働部情報政策課 システム開発班 課長補佐(総括) 

秋月 保孝氏

組んできました。その中軸を担うのが

VMware vSphereです。第1期分の部門

サーバ仮想化では着実にコスト削減の

実績を上げてきました。今後、基幹業務

システムを仮想化し、県庁内クラウドを

構築していくことで、ハードウェアコスト

と管理コストを合わせたICTコスト全体

を、少なくともさらに3割程度は減らす

ことができると考えています」と期待を語

ります。

大分県商工労働部情報政策課 参事

吉弘 好孝氏

 大分県では、県庁内クラウド構築後、仮想サーバ群については

民間企業が提供するIaaS(Infrastructure as a Service)サービス

利用へ移行することを検討しています。「今までは、サーバや

ストレージ機器を、リース契約期間である5年間の性能、容量拡張

を見越して導入していました。そのやり方では、結局はどうしてもリ

ソースが余ってしまい、投資が無駄になる場合がありました」

(山戸氏)。そこで、民間のクラウドサービスプロバイダーとSLA

(Service Level Agreement)契約を結ぶことで、県庁側ではリ

ソースについて考える必要がなくな

り、また、長期間利用するほど多大

な管理コスト削減効果が望めます。

「今、システムを仮想環境で構築し

ておけば、将来、システムを改修す

ることなくスムースにIaaSへ移行で

きます」(山戸氏)。

将来の展望 View

仮想化は民間企業が提供するIaaS利用へのステップ

VMware、VMwareロゴ、Virtual SMP、およびVMotionは、米国およびその他の地域におけるVMware, Inc.の登録商標または商標です。他のすべての名称ならびに製品についての商標は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。Copyright © 1994-2010 FUJITSUCopyright © 2010 VMware,Inc. All right reserved. Protected by one or more of US.Patent NO6,397,242 and patents pending.

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統合サーバ監視

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バックアップサーバ/JOB監視サーバ

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サーバ台数:6台

WEBサーバ

APサーバ

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OSⅣ/XSP用

VMware vSphere

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予備ボード

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図.基幹システム用仮想環境のシステム図