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CV映像と三次元地図 ご説明資料 平成21年7月 株式会社 岩根研究所

CV映像と三次元地図 - iwane.com · 目 次 はじめに cv(カメラベクトル)映像について. 撮影方法. 完全な全周囲映像 cv映像から生まれる各種応用技術と可能性

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CV映像と三次元地図

ご説明資料

平成21年7月

株式会社 岩根研究所

目 次

■ はじめに

■ CV(カメラベクトル)映像について

■ 撮影方法

■ 完全な全周囲映像

■ CV映像から生まれる各種応用技術と可能性

□ CV応用技術 (実用化段階)

・ 地図とリンクした映像(ビデオGIS)

・ 揺れ止め表示(制御)

・ 画像の揺れ解析による、車両乗り心地評価

・ 画像の揺れ解析による、勾配データ等路面状況の解析

・ 任意点の緯度経度高度表示

・ フレーム内の三次元計測

・ フレーム間の三次元計測

・ 対象物ロックオン表示

・ 実写映像とCGの合成

・ 三次元CGのアイコン化及び属性登録(CVタグ)

・ 実写対象物のアイコン化及び属性登録

・ 洪水シミュレーション

・ 道路工事許認可の為のシミュレーション

・ 景観検討

・ オルソ画像の自動生成

・ CV映像から対象物のCGの生成、三次元地図の手動生成

◇ CV映像技術の総集編としての新商品ALV( Active Link Vision )

◇ iiCosmo

◇ グーグルアースとALVリンク

◇ 超広角映像

□ CV応用技術(開発中)

・ RCG - Real Computer Graphics -

・ 背景の削除、背景抽出

・ 動画像から三次元CGを自動的に生成(視点変更可能な画像作成)

・ 移動体検出と移動体の動作解析

・ リアルタイムCG合成

・ 車両認識

・ 三次元空間における対象物認識(例:交通標識自動認識)

・ PRM(Parts Reconstruction Method)による三次元認識 1

・ PRM(Parts Reconstruction Method)による三次元認識 2

■ CV映像を利用した三次元地図の今後

◇ 第1段階処理のCV映像三次元地図

◇ 第2段階処理のCV映像三次元地図

◇ 三次元地図の全国道路データベースの潜在需要

◇ 次世代カーエレクトロニクスに於ける三次元地図とALVの役割

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■はじめに

弊社は、ロボットの目、すなわち視覚情報による人工知能実現を目指しています。

そのために、現在は画像からの三次元空間解析、三次元画像認識を当面の課題として

研究開発を行っています。

人工知能の最初の応用として、カーエレクトロニクスへの応用を考えております。

当面の目標としては、将来の車両の自動運転につながる自動案内装置が考えられます。

有効な車両自動案内や自動運転のためには、走行する三次元空間における自車両の

位置を数cm精度で求める必要があります。

また、同等の精度で比較するための三次元地図を必要とします。この精度の車両位

置検出を実現するために、弊社では全周囲動画映像を利用しカメラ位置を高精度に求

める技術の開発を行いました。

弊社が利用したカメラは、高精細な全周囲動画映像を取得するため六個のCCDを持

つもので、それぞれのCCDで取得した映像を合成することで全周囲映像を作り出す仕

組みを取っています。

弊社では、カメラキャリブレーションから画像処理、動画像作成、全周囲動画映像

の三次元化までの一連の技術を独自に開発し、その高度化と応用技術開発を進めてい

ます。

この精度のリアルタイム計測において従来のGPSの精度不足は明らかであり、概略

位置取得のためにのみ利用されます。

メルカトール図法で展開された全周囲映像

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弊社の技術の特徴は、全周囲動画映像からカメラ位置を自動的に高精度に求めることにあります。弊社では、全周囲動画映像を360度の水平方向のみでなく仰角俯角映像も持つことから、4πビデオ映像と呼んでいます。また、この4πビデオ映像を画像処理し、4πビデオ映像から三次元情報を取得できる三次元化映像をCV映像と呼んでいます。

CVとは、カメラベクトルのことです。また、このカメラベクトルを求める演算をCV演算と言います。また、CV値とは撮影カメラの6自由度を持つカメラベクトルを意味し、映像の各フレームの三次元位置を三次元姿勢(CV値)を意味します。

CV値はGPSとIMUからでも取得できますが、弊社は4πビデオ映像を用いて、カメラの位置と姿勢を数学的解析により精度の良いCV値を求めています。

4πビデオ映像はまた映像の各ピクセル座標がカメラ中心からの方向を示してお

り、古典的な三角測量の線形代数の範囲で処理可能であり、しかも演算に必要な特徴点を全方向に対して取得できるので演算精度が向上するという優れた特徴を持っています。

C V 映 像

通 常 映 像

各フレームに対応する

カメラ位置( X ,Y ,Z)と

姿勢(θ x,θ y ,θ z)を

画像から取得

CV映像とは

映 像 の み

見 る だ け中間処理映像として様々な技術展開が可能

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■ CV(カメラベクトル)映像について

全周カメラ

移動

対象物

各フレームの位置(X, Y, Z)と姿勢(θx, θy, θz)

さらに特記すべきはCV映像を取得するには複数カメラは必要なく、単一カメラで良いということです。CV演算は原理的に単一カメラで処理が出来るため、装置がきわめて単純化されるという優れた特徴があります。

この方法により映像の各フレームに対応するカメラ位置(X,Y,Z)と姿勢(θx,θy,θz)の三次元データが映像の全フレームについて求められ、それが映像データに付加され、新しい概念のCV値付加全周映像、即ちCV映像を取得しています。

ここで映像の各フレームがCV値を持ったことで映像はいつでも三次元化が可能な状況になっています。このことからCV映像を2.5次元映像と呼ぶこともできます。

全フレームのカメラ位置と姿勢が既知となったことで、カメラ移動近傍の対象物を広範囲の視角からとらえ、対象物の三次元座標や、三次元形状を座標と共に読み取ることが可能となります。又映像があたかもCGであるかのように、様々な映像の加工が可能になるという優れた特徴を持っています。

カメラベクトル(CV値)と映像 CV値と映像から抽出された特徴点

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■ 撮影方法

弊社の撮影方法の特徴は、カメラ1台とPCのみを搭載できれば、どこでも撮影可能であるということです。 GPS・IMUを必要とせず、カメラのみで行うことができ

ます。

6個のCCDレンズのついた

全周カメラを使用します。

車両の上にカメラを設置して撮影します。

車内にPCを設置します。 撮影風景

映像を確認しながら、リアルタイムで設定を調整します。

天気・路面等すべての状況を確認し合いながら、撮影します。

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◇ 完全な全周囲映像

独自の歪み補正技術により、六個のCCDから取得した映像を、歪みのない全周囲

映像に合成しています。また、車両やカメラによる死角が発生するため、元の映像には道路面に撮影されない範囲が存在しますが、前後のフレームから最適な画像を三次元的に抽出し、自動的に合成することにより、死角のない完全な映像を提供しています。

完全な全周囲映像

撮影位置に穴のある映像 死角のない映像

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■ CV映像から生まれる各種応用技術と可能性

弊社がこれまで人工知能実現のために開発してきたCV映像関連技術は、これまで

困難とされてきた、人工知能実現の技術的課題と製造コストを一気に解決する可能性を持っています。弊社では、このCV映像応用技術として以下に示すような技術を産み出しています。

□ CV応用技術(実用化段階)

・ 地図とリンクした映像(ビデオGIS)弊社は、国土交通省殿の国道事務所殿に4π映像、CV映像を併せて8,000km強の納

入実績を持っています。これは、GIS地図と映像がリンクしたシステムであり、道路維持管理、交通安全対策等に利用されています。

・ 揺れ止め表示(制御)

CV演算により、撮影時のカメラの三次元の揺れを高精度で検出できます。セン

サーを使用しない画像からの揺れ情報の検出に応用が期待できます。また、揺れデータから映像の揺れを止めて表示することが可能となり、また将来は、リアルタイムで取得した揺れデータにより、カメラが固定されている車両自身を制御して、車両の揺れを止めることも可能です。

揺れ検出量

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frame

回転

量差

分(d

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揺れ止め制御

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0 98 196

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回転

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・ 画像の揺れ解析による、車両乗り心地評価

車載したカメラの三次元の揺れを検出して車両の揺れを評価できることを利用し、道路の荒さ評価、及び道路面状況を含めた車両の乗り心地評価への応用が可能です。

さらには、揺れまで再現するドライビングシミュレータを実現できます。

実写映像にCGを合成し、CGの揺れにより車両の揺れ状況を再現した例

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・ 画像の揺れ解析による、勾配データ等路面状況の解析

車載したカメラの三次元の揺れを検出できることを利用して、道路勾配の取得等道路面の調査にも利用可能です。

CV映像から作成したオルソ画像に勾配をプロット(単位 %)

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・ 任意点の緯度経度高度表示

CV映像はカメラ座標を持っているので、カメラ座標との関係から各画素は直角座標系として表示可能です。特に、三点以上の基準点を用いてCV映像をキャリブレーションすれば、CV映像内の任意の点を公共座標で表示することが可能となります。当然、撮影時にGPS等を用いることで、公共座標を持ったCV映像も作成可能です。

・ フレーム内の三次元計測

CV映像の各フレームはカメラ位置を持っているので、フレーム内の任意の位置の座

標を求めることが可能となり、さらに任意の二点間の距離を計測することが可能となります。

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・ 対象物ロックオン表示

CV映像中の対象物はその三次元座標を特定できるので、映像として移動する対象物

を画枠内の任意の位置に固定して観察することが可能です。例えば、移動する映像中の目的の対象物を常に画枠の中央に固定して表示することが可能となります。また、表示し、観察するだけではなく、常に画像の固定された位置で計測、解析することが可能となります。

・ フレーム間の三次元測量

CV映像の各フレームはカメラ位置を持っているので、各フレーム間距離は既知とな

り、さらにフレーム内の各画素は既知となり、任意のフレーム間の任意の二点間の距離が演算で求められます。撮影した映像の全フレームがCV値により三次元空間で関連付いています。

計測起点指定 計測終点指定

動画を再生し計測点が近くなってから終点指定

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・ 実写映像とCGの合成

カメラ位置が演算で求められることから、CGを既知のカメラ位置から観察した位置に配置することで、CGと動画映像を矛盾無く合成することが可能です。

・ 三次元CGのアイコン化及び属性登録(CVタグ)

映像とCGの合成機能により、目的の対象物に三次元アイコンを貼り付け、対象物をアイコンとして用いることが出来きます。映像中のCGをクリックすることで、例えば検索した結果をウェブページで表示する等、任意の属性データをCGアイコンに関連付けて付加することができます。

CV映像とCG合成表示の利用例

・目的の対象物を矢印アイコンで示す

・通りの名称を三次元看板で表示

・目的のビルのCG看板を空間に配置

・検索結果を映像中にCG矢印で示す

・各種案内利用

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・ 洪水シミュレーション

実写をCGのように使ってシミュレーションを行うことができます。例えば、洪水シミュレーションにおいて、水をCGで表現し実写映像内でCGを合成し、洪水シミュレーションを行うことが可能となります。

・ 実写対象物のアイコン化及び属性登録

CV映像中の対象物は三次元的に特定されているので、対象物をそのままアイコンと

することが可能です。例えば、画像中のビルをクリックするとそのビルのウェブページを表示することが可能となるなど、任意の属性データを実写映像に付加することができます。

構造物や建物他映像内の対象物すべてが属性情報の器となる

CV映像中の対象物を映像そのままアイコンとして利用例

画像中のビルをクリックするとそのウェブページを表示

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・ 景観検討

実写映像へのCG合成により、方面看板の大きさの検討に利用されています。

その他、電柱地中化や町並みの変更時の景観検討に利用できます。

・ 道路工事許認可のためのシミュレーション

道路工事現場の現況確認と工事時の保安機材の配置をシミュレーション出来ます。実映像に保安機材を配置出来るので許認可手続がスムースに行えます。

地図上に配置された保安機材を自動的に映像中に反映

既設の方面看板を一旦消去 大きさデザインの異なるCGを配置し検討

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・ オルソ画像の自動生成

車載したカメラからの映像から、道路面のオルソ画像の自動生成が可能です。通常の地図の自動作成に利用できます。

・ 映像から対象物のCG生成、三次元地図の手動生成

CV映像中では、映像としての対象物を計測しながらなぞることで、対象物の座標を取得できるので、三次元CGの形状を映像から取得することが出来ます。このことでCG作成は単純化され、また同様にして、三次元地図が生成できます。また、作成されたCGまたは三次元地図は、いつでもCV映像と重ねて表示することができます。

実写映像から作成された三次元モデル

三次元モデルと実写映像の合成実写映像から

作成された三次元モデル

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◇ CV映像技術の総集編としての新商品ALV(Active Link Vision)

CV映像基本技術を全て網羅した商品がALVです。ALVは上記様々な技術を組み合わせて利用することが出来る汎用のライブラリを持った商品です。

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GPS受信機

GPSの緯度経度位置を表示

ALVをカーナビとして利用

前述の技術以外にも、今後開発される基本技術も統合できるように設計されています。例えば、ALVは絶対座標で管理されているので、車両の座標を入力すればそのままカーナビとしても使用できます。

ALVの表示例 (地図、航空写真、複数CV映像) ALV表示例 (地図、CV映像)

ALV CG合成 ALV 計測

CVタグは、三次元位置情報を持った情報タグであり、CVタグは、映像内のどこにでも置くことが出来ます。CVタグに様々な情報を動画にリンクして利用者独自の三次元GISデータベースの構築が可能です

既存データベースシステム標識台帳等各種管理DBS

経路案内情報等図面・写真各種文書等

用途に応じた情報の登録・編集

HPへリンク

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ALVをドライビングシミュレータとして利用ハンドル、ブレーキ、アクセルの各ペダルを取り付ければドライビングシミュレータに早変わりします。そしてそれらを現在開発中(後述)の三次元地図とリンクすることも出来ます。

マルチディスプレイ

ハンドル・ブレーキ・アクセル

ALVのCVタグ

マルチディスプレイ

ハンドル・ブレーキ・アクセル

◇ iiCosmo

CV映像の基本技術をWeb上に実現し、地図データベースの上で実現されようと

している二次元の自己増殖型データベース (Web2.0) を三次元の空間に拡張す

ることを提案します。 現在、アルファー版として公開しています。

iiCosmoのWeb上映像 全周囲360°の映像を操作可能

CVタグの多様性

映像内に様々なCVタグ(3DCG)を配置できます。

CVタグを検索し、ジャンプすることも可能です。

ユーザーによるCVタグ情報の登録。Web上で情報共有ができます。

CVタグから、他のWebサイトに直接アクセスできます。

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◇ グーグルアースとALVリンクALVの地図エンジンとしてグーグルアースを利用することで、CV映像を利用した

操作性の良い直感的なアプリケーションが地球規模で提供可能となります。

グーグルアース画面1 グーグルアース画面2

グーグルアース画面3 ALV画面に切り替え

ALVの機能利用

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◇ 超広角映像

新開発「スーパービュー300」による画角300度の超広角映像の特徴は、

単に広い範囲が見えるというだけではなく、我々の実際の視覚体験にきわめて近い臨場感と三次元把握が出来ることにあります。超広角映像を動画として見てください。画像に顔を近づけて、片眼で画像の真ん

中付近を見ると、実体験に近い臨場感を味わうことが出来ます。 画像に顔を近づけることは画角が現実の画角に近づくことを意味します。また片眼で見ることの意味は、平面的画像による現実とは異なる両眼視差を排除

し、運動視差を優先させて視覚系の情報処理の三次元的把握を活性化させることにより、大画面効果と相まって優れた臨場感を得ることが出来ることにあります。

海中道路 沖縄

サンプル

全周囲360°映像

超広角300°映像

前 後左 右

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・ RCG - Real Computer Graphics -全周囲カメラを車載、航空機(ヘリコプター等)に搭載し、撮影した全周映像から

地形の三次元モデルを自動的に作成します。また、GPS・IMUを必要とせず、すべての

処理を動画像からのみ行い、正確な三次元モデルを作成できることが大きな特徴です。具体的には、画像内特徴点の高精度長フレームトラッキング技術を特徴としています。

□ CV応用技術(開発中)

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自動抽出した特徴点の高精度トラッキング。

特徴点を自動的につなぎ合わせ三次元ポリゴンを作成します。

作成されたポリゴンには、動画像をテクスチャとしてマッピングされているため、どの動画のどのフレームに於いてもCGと動画の関係は正確に位置づけられます。

三次元形状の自動生成

テクスチャの自動生成

・ 背景の削除、背景抽出

CV演算により、カメラの視点方向を固定することで、対象物を抽出したり、背景を削

除したりすることが可能です。

街灯削除と背景抽出例

見る角度に応じて、動画像より自動的に最適なテクスチャを貼り替えて表示するため、より自然で、リアルなCG表示が可能となりました。

テクスチャの自動貼替

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・ 動画像から三次元CGを自動的に生成(視点変更可能な画像作成)

CV映像を利用して動画像の全画素の三次元座標を求めることで、動画像内の対象物を三次元CG化することが出来ます。

これは単一カメラで取得した動画像から自動的に三次元画像を連続的に生成するという夢の技術ということが出来ます。

この様にして生成された三次元画像はそのまま三次元地図として利用できることはもちろん、さらには大きな画像圧縮効果をも持ち合わせており、画像配信にも最適です。

弊社では既にアルゴリズムとしては確立し、実験的には成功して現在商品化に向けて鋭意開発中です。

生成前

生成前 生成後

生成後

視点移動例三次元CGとなった画像を様々な視点から見ることができます

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・ 移動体検出と移動体の動作解析

CV映像を利用して、動画像より移動体を検出し、追跡します。これまでは自車両のCV値でしたが、移動体のCV値(移動体の位置と姿勢のデータ)を求めることが出来る

ようになりました。このことにより移動するカメラに映っている他の移動体の動作の解析(6自由度の取得)が可能となりました。もちろん固定カメラ位置からの解析は当然可能となります。

移動体追跡

移動体のタイヤ軌跡と撮影車両軌跡(同時に移動体の揺れ解析)

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・ リアルタイムCG合成

リアルタイムに映像内の移動体のCV値(位置と姿勢データ)を検出し、それに合わせて3DCGを合成することができます。

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・ 車両認識

固定カメラからの映像をリニア画像に変換し解析して、車両の種類特定とその移動軌跡を検出します。ここでは、車種(大型トラック、バス、普通トラック、普通車、バイク)、色(白、灰色、黒)、速度、加速度、軌跡を検出しています。加えて、車両にコード付けをして、検出結果をCG画像としてモニタ可能としています。

認識結果 認識結果のCGアニメーション表示

認識モニタ画面

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・ 三次元空間における対象物認識(例:交通標識自動認識)

CV映像を利用してあらかじめ空間の解析を行い、認識対象物、検索範囲を特定して

自動的に対象物を認識することが可能です。認識された対象物は、公共座標を三次元位置情報として持つことができ、画像認識と三次元地図生成の自動化も可能となります。

看板の意味を表示

認識結果をCGに置換

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三次元認識用カメラ

トランプの配置

カメラに接続されたコンピュータ

トランプカードの認識とルール理解によるトランプゲーム

三次元認識結果をCG表示

・ PRM(Parts Reconstruction Method)による三次元認識 1

トランプルール理解による勝ち負けの判断

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市街地モデル内での車両認識 モデル内の車両

車両認識用データベース

事故

車両に認識結果の3DCG表示

事故の状況判断と3DCG表示

・ PRM(Parts Reconstruction Method)による三次元認識 2

■ CV映像を利用した三次元地図の今後

映像は見るためのものですが、「CV映像」は見るためだけの映像ではなく、計測するための映像と言うことが出来ます。

従ってCV映像はそのまま三次元地図として用いることが出来ますし、さらには目的に応じて処理することで多目的の三次元化地図とすることが出来ます。特にCV映

像を三次元地図として利用する視点で検討すると以下のような処理段階が考えられます。

◇ 第一段階処理のCV映像三次元地図

現実映像を撮影し、CV処理を施し、「CV映像」とし、PCにインストールして持ち

歩くことが可能となったことで、三次元地図として様々な応用が考えられるようになりました。

一つの例として、工事現場を「CV映像」としてPCにインストールして持ち歩けば、

いつでも、どこでも、映像内の任意の一点を指定することで、緯度経度高度を表示したり、映像内の二点間の三次元計測が画像フレーム内のみならず複数の画像のフレーム間でも可能となり、映像をCGのように扱うことで映像とCGとの合成が可能となり、また映像からCGを生成したり、設計段階ではさまざま完成予想図を条件を変えて動画像の中にはめ込んでシミュレーションすることが可能となりました。

また「CV映像」の中の対象物はCGと同じように座標を特定できるので、映像内の

対象物に属性を付加することが出来ます。つまり映像中の対象物を特定して、その属性を記録したり、検索したり、表示したりすることが出来ます。

例として、カーナビゲーションに「CV映像」を配信すれば、その場の三次元計測や、映像内のビルや施設の属性データを瞬時に取得できることになります。

さらに、「CV映像」は三次元地図としての機能を持っているので、走行車両からリアルタイム映像を取り込み、三次元地図としてのCV映像と比較し、CV映像上に走行車両の走行軌跡を表示することが可能となり、GPSによるものよりも高い精度で車

両位置をリアルタイムで特定できます。これは自動運転及び人工知能の一歩手前の技術です。

また、走行中の自車両をCV映像中に前から、及び後から、交差点の他方向から観察できます。

走行中車両のCG表示(後ろから) 走行中車両のCG表示(交差点の他方向から)

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◇ 第二段階処理のCV映像三次元地図

車両に積載したカメラと三次元地図を自動比較し、自車両の位置を正確に求めることを目的とするのであれば、人間が見る必要がないことから、映像の大部分を省略することが出来ます。CV映像中の交通に関係する道路標識、道路表示、行き先案内板等を前もって認識して、その三次元座標と属性、及びCV映像中の座標の手がかりとなる特徴部分の三次元座標を記録したCV映像を三次元地図として利用することができます。

第一段階のCV映像よりもかなりのデータ量が減少するので扱いやすくなります。

車両のコンピュータがリアルタイム画像として取り込んだ画像をこの三次元地図と比較し、現在の位置と姿勢を高精度で求めることが出来ます。交通標識等の情報を三次元地図に記録した情報と比較して、確認して車両に伝えて制御することが可能となります。またCV値から道路勾配も前もって把握でき、エンジンの負荷を制御することができます。

三次元地図はリアルタイムで取り込んだ画像の標識等と位置のみ成らずその属性をも比較して、データの自動更新も可能となります。

この第二段階の三次元地図は更新が自動化されることになり、一度作成するとその後は自動更新でデータを更新して利用できていくことになります。

実用性を考慮した三次元地図

弊社では、近未来に最も実用性が高い三次元地図として、前記第一段階処理と前記第二段階処理の合成したものであると考えて現在開発を進めています。

即ち、コンビュータが利用し、自動更新が可能である三次元地図であり、同時に人間が見ることも考えた三次元地図です。

◇ 三次元地図の全国道路データベースの潜在需要

近未来を考えるとき、三次元地図の全国道路データベース構築の必要性に迫られています。

三次元地図のデータベースがあり、上記自動更新技術と相まって、三次元地図の世界はもうすぐそこまで来ています。

弊社は、三次元地図は今後近未来の産業のプラットホームとして各分野で利用され、現在の地図以上に無くては成らない存在になると考えています。

三次元地図は従来の地図とは異なり、現実の世界にそのままリンクして現実の世界とシームレスに利用されるようになります。三次元地図は現実世界と完全に対応しているためにこれまでの地図の概念とは異なります。そこには新しい概念が生まれ、その利用も新らしいものになります。その最初の利用が車両との関係で成ることは明らかです。

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◇ 近未来のカーエレクトロニクスに於ける三次元地図とALVの役割

上記三次元地図を車載し、ALVとリンクすることで進化した次世代カーナビゲーションによる高度なアシストと情報サービスが可能となり、自動運転まで進化します。

当該技術により例えば以下のようなサービスが可能となります。

・高精度による自車両位置と姿勢の検出と表示(数cm精度の位置と姿勢の検出)

・リアルタイムで取り込んだ実写映像を情報の窓口としてALVにリンクします。車内からの予約、情報取得だけではなく、記録し、更新映像として利用できます。

・対向車両との通信と運転情報の交換

工事中や行き先方向の交通情報を情報通信により対向車から映像を含めて取得します。

・近隣の複数の車両の位置関係を取得し、近未来を予想します。これは事故の回避技術として、利用できます。

・歩行者ナビとの連動により、目的地まで確実に案内します。

・目的地までの案内はもちろんですが、途中経路を画像で案内します。

・信号、標識、地物の自動認識、障害物を自動認識します。自動運転に利用できますが、アシスト情報として人間が見落とした交通情報をアシストします。

・リアルタイムに取り込んだ映像から三次元地図の自動更新を行い、他車両にも配信出来ます。

・三次元地図による自動運転と自律型自動運転との併用により、より確実な自動運転につながります。

次世代カーナビ表示イメージ

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車両間通信

次世代カーナビ表示イメージ

次世代カーナビ表示イメージ