8
1 図 3:T 型マトリックス図 ◎5 点 ○3 点 △1 点 CVA 初療システムの構築 独立行政法人地域医療機能推進機構 九州病院 特殊外来 渡邊 わたなべ はる サークル名 いそげ!CVA(カバ)ちゃん!!(平成 27 年 4 月結成) 部署 特殊外来 QC ストーリー 問題解決型 リーダー 渡邊 春菜 活動内容 質 効率 安全 患者サービス サブリーダー 野寄 真紀 月あたりの会合回数 2回 メンバー 14 名 平均会合時間 60 分 平均会合出席率 80% 1.0 1.0 0.8 ウエイト付け 1.0 1.0 0.8 0.8 0.8 CS 向上に つながるか 院長方針 評価項目 問題点 改善要求度 メンバー能力 沿 14 CVA(脳血管障害)の 対応に統一性がない 19 33 1 9 家族を含めた看護が難しい 18 27 2 12 診療の待ち時間が多い 10 22 3 脳外科・神経内科の入院患者数は増加傾向にあり、 平成 26 年度は第 3 位であった。その多くは脳血管障害 (以下 CVA)を疑う患者であり、CVA 患者の評価と管理 は、米国心臓病協会(以下 AHA)のガイドラインで早期 に CVA と認知し治療を開始することが重要であると規定 されている。救急外来では AHA のアルゴリズムに基づい たフローチャートが作成されているが活用できておらず、 初期対応が統一出来ていない。そこで、初療体制を見 直すことで医療の質の向上に繋がると考えた。 当院は、46 診療科 575 床の急性期型 基幹病院であり、二次救急医療施設とし ての役割を担っている。救急車搬入台数 は年々増加しており、平成 27 年度は 5791 台であった。救急外来の診療体制は、初期 診療を救急担当医が行い、その後専門医へ コンサルテーションを行っている。 2.テーマ選定と背景 図 2:平成 26 年度の救急外来での入院科内訳 (作成日 平成 27 年 5 月 10 日 担当全員) 1.施設紹介 4358 4824 5046 5285 5791 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 H23 H24 H25 H26 H27 脳血管疾患入院患者 は全体で第3位 図 1:救急車台数推移 (作成日 平成 27 年 5 月8日 担当福島) (作成日 平成 27 年 5 月8日 担当福島) (年) (台)

CVA 初療システムの構築...CVA 初療システムの構築 独立行政法人地域医療機能推進機構 九州病院 特殊外来 渡邊わたなべ ... CS 向上に つながるか

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

  • 1

    図 3:T型マトリックス図 ◎5点 ○3点 △1点

    CVA初療システムの構築

    独立行政法人地域医療機能推進機構 九州病院 特殊外来 渡邊わたなべ

    春は る

    菜な

    サークル名 いそげ!CVA(カバ)ちゃん!!(平成 27年 4月結成)

    部署 特殊外来 QC ストーリー 問題解決型

    リーダー 渡邊 春菜 活動内容 質 効率 安全 患者サービス

    サブリーダー 野寄 真紀 月あたりの会合回数 2回

    メンバー 14名 平均会合時間 60分 平均会合出席率 80%

    評価点

    1.0 1.0 0.8 ウエイト付け 1.0 1.0 0.8 0.8 0.8

    評価点

    総評価点

    順位

    CS 向上に

    つながるか 院長方針 評価項目

    問題点

    改善要求度 メンバー能力

    サービスの

    向上

    病院の方針に

    沿っている

    患者の不満を

    解決できる

    緊急度

    重要度

    実現度

    自分たちで

    解決できるか

    6ヶ月で解決

    できるか

    14 ◎ ◎ ◎ CVA(脳血管障害)の

    対応に統一性がない ◎ ◎ ○ ◎ ○ 19 33 1

    9 ◎ ○ △ 家族を含めた看護が難しい ○ ◎ ○ ◎ ◎ 18 27 2

    12 ◎ ○ ◎ 診療の待ち時間が多い ○ ◎ △ △ △ 10 22 3

    脳外科・神経内科の入院患者数は増加傾向にあり、

    平成 26 年度は第 3 位であった。その多くは脳血管障害

    (以下 CVA)を疑う患者であり、CVA 患者の評価と管理

    は、米国心臓病協会(以下 AHA)のガイドラインで早期

    に CVA と認知し治療を開始することが重要であると規定

    されている。救急外来ではAHAのアルゴリズムに基づい

    たフローチャートが作成されているが活用できておらず、

    初期対応が統一出来ていない。そこで、初療体制を見

    直すことで医療の質の向上に繋がると考えた。

    当院は、46 診療科 575 床の急性期型

    基幹病院であり、二次救急医療施設とし

    ての役割を担っている。救急車搬入台数

    は年々増加しており、平成 27 年度は 5791

    台であった。救急外来の診療体制は、初期

    診療を救急担当医が行い、その後専門医へ

    コンサルテーションを行っている。

    2.テーマ選定と背景

    図 2:平成 26 年度の救急外来での入院科内訳

    (作成日 平成 27 年 5 月 10 日 担当全員)

    1.施設紹介

    4358

    48245046

    5285

    5791

    0

    1000

    2000

    3000

    4000

    5000

    6000

    H23 H24 H25 H26 H27

    脳血管疾患入院患者

    は全体で第 3位

    図 1:救急車台数推移

    (作成日 平成 27 年 5 月8日 担当福島)

    (作成日 平成 27 年 5 月8日 担当福島)

    (年)

    (台)

  • 2

    対象期間:平成 26年 9月~11月

    対象者:CVA疾患で入院となった 50名

    〈わかったこと〉 来院から頭部 CT実施まで平均27分と目標時間を大幅に超過していた。

    3.活動計画

    4.現状把握

    頭部 CT実施 即時の

    全般的評価 即時の

    神経学的評価 専門医の判読 治療開始

    (目標時間) 10分以内 45分以内 60分以内 20分以内

    図 4:目標時間と現状

    図 5:シンシナティ病院前脳卒中スケール

    旧 CT室(平成 26 年 9 月~11 月 n=50)

    新 CT室(平成 27 年 2 月~4月 n=44) 図 6:Door To CT Time と CT室の距離

    内容

    目次項目が見つかりません。

    (作成日 平成 27年 6月 29日 担

    当全員)

    表 1:活動計画 (作成日 平成 27年 6月 29日 担当全員)

    〈わかったこと〉

    「顔面の弛緩・腕の動揺・言語の異常」 の全てが評価できている症例はたったの4割!

    〈わかったこと〉 CT 室までの距離は短縮されたが、CT 撮影時間は短縮できてなかった。

    (作成日 平成 27 年 6 月 29 日 担当全員)

    救急外来

    1)来院から頭部 CT実施までの時間

    活動ステップ H27 年

    6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月

    H28 年

    1~5 月 6~7 月 担当者

    テーマ選定 全員

    現状把握 全員

    目標設定 野寄

    要因解析 福島

    対策立案 濵田・福田

    対策実施 河野・渡邊・有田

    効果確認 村上・野寄

    歯止めと標準化 全員

    反省と今後の課題 全員

    2)神経症状の観察の現状

    予定 実施

    3)Door To CT Time(来院から CT撮影時間までの時間)と

    CT室までの距離の検証

    救急外来

    5m

    図 7:CVA 記録用紙の使用率

    内容

    目次項目が見つかりません。

    (作成日 平成 27年 6月 29日 担

    当全員) 図 8:CVA フローチャートの周知率

    内容

    目次項目が見つかりません。

    4)記録用紙の使用率

    ん=n

    〈わかったこと〉 CVA記録用紙は 1割しか使用されていなかった。

    〈わかったこと〉 スタッフの 8割が CVAフローチャートの存在・目標時間を知らなかった。

    新 CT室

    平成 27年 2月新 CT室が完成!

    平均 27分

    使用して いる 5 人

    使用して

    いない

    45人n=50

    H27年 4 月

    知らない

    27人

    知っている

    7人

    5)CVAフローチャートの周知率の検証

    ん=n n=34 H27年

    4 月

    55m

    平均 27分 救急外来

    旧 CT室

  • 3

    これらは真の要因と考える

    いつまでに 平成 27年 12月 24日までに 何を CVAシステム起動基準に該当する全ての患者の Door To CT Timeを

    どうする 全例 20分以内にする 根拠 当院の CVAフローチャートでは AHAのアルゴリズムを取り入れ、10分以内に神経学的

    評価、20分以内に CT撮影を行うことを推奨している。そのため、CT撮影時間を短縮することができれば、その後の治療開始までの時間短縮に繋がり、CVA患者の医療の質の向上にもつながると考えた。

    対象期間:平成 26年 9月~12月

    対象者:CVA疾患で入院となった 50名

    (作成日 平成 27 年 8 月 15 日 担当 古野・福島)

    初療に個人差がある

    患者

    環境・システム

    看護師 医師 放射線技師

    Walk inトリアージ 電子カルテ 画像センター

    時間内は受付から撮影までに時間がかかる

    受付が必要

    予約患者と重なる

    CTがすぐに撮影できない時がある

    時間外はCTが1台しか稼動して

    いないCT室の

    準備が出来ていない

    立ち上げに時間がかかる

    安静を保てないことあり

    嘔吐・不穏

    意識レベル低下のため

    神経学的所見がとりにくい

    家族が来ておらず確認に時間を要す

    日付が変わるとオーダーを入れ直す

    手間がかかる

    緊急度が低くなる

    看護師の知識不足

    看護師によって緊急度が変わる

    症状によってクラークの報告に差がある

    CVAガイドラインを周知していない

    記録に時間がかかる

    身体的所見の記入に時間がかかる

    記録用紙が使いにくい

    他の救急車・重傷者Walk inの対応を行う看護師の

    経験年数が異なる

    CVAに対する知識不足

    CVA患者に対するオーダー内容が統一化されていない

    他の救急患者の初療も同時に行う

    研修医が初療を行う専門科医師は

    オンコール体制

    オーダーの内容が医師により異なる

    画像センターから離れたところで業務を行うことがある

    撮影する場所が不明確なこと

    がある

    時間外は技師が1人しかいない

    カルテの作り直しがある

    画像センターまで距離がある

    他病棟の撮影がある

    他の撮影していることがある

    アセスメント不足

    トリアージをする前に診察が始まる

    神経学的所見の把握に時間がかかる

    他患者の撮影で不在

    詳しい病歴を説明できない

    症状が不安なことがある

    JTASに詳細な評価項目がない

    検査に行く準備に時間を要す

    モニター類の整備

    症状が不明確

    装置が故障することが

    ある

    連絡の不備

    患者確認に時間がかかることがある

    受付まで距離がある

    時間外は医事課

    人数が少ない

    トリアージする看護師が救急車対応をしなければならない

    CVA患者の知識不足

    トリアージ専従者がいない

    看護師の経験年数が異なる

    必要物品が初療室に配置されていない

    移動用モニターが処置室に置いてない

    個人差がある

    観察が統一できていない

    観察項目が記録用紙に記載されていない

    意識障害の記録用紙を使用していない

    パスが周知できていない

    対応Nsが変わる時があるため状態把握に時間を要す

    患者対応と同時に記録できない

    慣れてないスタッフがいる

    家族に連絡が取れず確認ができない

    家族に連絡が取れない時の

    対応が統一されていない

    オーダーに統一性がない

    医師間の連携不足

    医師がそれぞれ所見や問診をとる 検査の優先順位が

    分からない

    高齢者何が異常か分からない

    すぐに診察出来ないことがある

    他患者の診察 担当性

    でない

    カルテを開くのに

    時間がかかる

    ルートキープに時間を要す場合

    がある

    看護師の経験年数が異なる

    診察が優先され確認に時間を要す

    他の救急車Walk inの対応を行う

    発症から時間が経っている場合が

    ある

    受診までに時間がかかる

    家族を待ってからの受診

    自宅で経過を診ていた

    独り暮らしのため発見が遅れることが

    ある救急車来院患者に比べ検査までに時間を要す

    受付が必要

    問診記入トリアージ

    人によって位置調整に時間を要す

    経験年数が異なる

    バイタル不安定

    受付に連絡をしてもでないことがある

    受付が混雑している

    外来カルテがすぐに届かないことがある

    カルテが見つからない

    飲酒

    認知症

    症状が軽徴

    他院で診断がついている場合、検査が後回しになることがある

    典型的な症状でない

    トリアージが遅れることがある

    他の業務に追われる

    患者独りで来院の場合受付に時間を要す

    クラークの経験年数が異なる

    すぐに撮影できない

    観察が不十分

    処置・検査の優先順位が判断しにくい

    トリアージする看護師が救急車対応をしなけ

    ればならない

    Door

    To

    CT

    が20分を超えている

    カルテ作成に時間がかかる

    Time

    対象患者のトリアージが

    即時に出来ない

    脳血管症状を特定出来ない

    6.要因分析

    5.目標設定

    医師は 34名の患者を異常ありと評価しているのに対し、看護師は 14名しか異常ありと捉えていなかった。

    自力来院患者は事前情報が少なく看護師が First Touch しない場合もあるため、検査まで時間を要すことがある。

    7.重要要因の検証

    図 10:医師・看護師の CPSSでの評価の差

    1:観察が不十分

    図 11:自力来院患者と救急車患者 Door To CT Timeの平均

    ※その他の重要要因も同様に検証した

    2:救急車来院患者に比べ検査までに時間を要す

    表2:目標設定 (作成日 平成 27年 7月 10 日 担当 村上・野寄)

    (作成日 平成 27 年 8 月 5 日 担当 古野・福島)

    34

    14

    0 10 20 30 40

    医師

    看護師

    (人)

    59

    23

    0 20 40 60 80

    自力来院

    救急車

    (分)

    図9:要因分析

    (n=45)

    n=

    (n=5)

    n=

  • 4

    8.対策の立案 (作成日 平成 27 年 8 月 30 日 担当 福田・濱田)

    9.対策実施 表 3:対策実施 (作成日 平成 27年 9月 1 日 担当 河野・渡邊・有田)

    図 12:対策立案 ◎5 点 ○3 点 △1 点 13 点以上採用

    対策1:勉強会 対策2・3・7:CVAシステム起動基準 主催者:神経内科医師

    脳外科医師

    図 13:勉強会風景写真

    図 14:CVA システム起動基準

    CVA の中で、最も愛護的な対応が必要であるくも

    膜下出血を早期に認知するために、OTTAWA

    RULE を取り入れた。

    効果実現性

    持続性

    合計

    評価実施 対策

    必要な観察が出来る知識を習得する

    CVA勉強会を実施する ◎ ◎ ◎ 15 ★ 1観察が不十分

    必要な観察項目を明確にする

    観察項目を統一するCPSS・OTTAWA評価スケールを作成する

    ◎ ◎ ◎ 15 ★ 2

    DoorToCTTimeが20分を超えないためには

    看護師 記録に時間がかかる必要な記録内容を

    明確にする記録内容を統一する

    CVA記録用紙を修正する

    ◎ ◎

    CVAガイドラインを周知する

    ○ ○

    医師 初療に個人差がある初療内容の統一を図る CVAシステムの

    運用方法を決めるCVAシステム起動基準を

    作成する◎ ◎

    放射線技師

    すぐに撮影できない連絡方法の見直し

    CVAシステム起動時の連絡方法を決める

    CVAシステム起動時に連絡を入れる

    ◎ 15 ★ 4

    処置・検査の優先順位が判断しにくい

    優先順位を明確にする

    必要な検査・処置を明示する

    フローチャートを修正する

    ◎ ◎ ◎ 15 ★ 5

    ○ 9初療内容を明確化する CVAマニュアルを

    作成する◎ ◎ ◎ 15 ★ 8

    ◎ 15 ★ 3

    Walk inトリアージ

    救急車患者に比べ検査までに時間を要している

    CVAによる症状を即時に判断する

    トリアージを即時に行うCVAシステム起動基準と評価スケールを配置する

    ◎ ◎ ◎ 15 ★ 7

    ◎ ○ ◎ 13 ★ 10

    時間内は受付から撮影までに時間がかかる

    手続き方法を見直す

    連絡系統を確認する連絡系統図を作成する

    ◎ ◎ ◎ 15 ★ 6

    画像センター

    13番CT室を使用する ◎ ○ ○ 11CT撮影がすぐに行えない場合がある

    撮影室の確保CVAシステム起動時に

    撮影室を決める 撮影室を電話で知らせてもらう

    ◎ ◎ ○ 13 ★ 9

    参加者:救急外来医師

    救急外来看護師

    研修医

    対策8:CVAマニュアル

    図 15:CVA マニュアル

    除外基準

    (1)OTTAWA RULE(頭痛と①~⑤の中で2つ以上該当)

         (発症直後に、ピークに達する頭痛)

    (2)CPSS(シンシナティ病院前脳卒中スケールで1つ以上該当)

    項目

    顔面の下垂

    上肢の動揺

    言語

    指示内容

    歯を見せるように、あるいは笑顔を指示

    目を閉じさせ10秒間上肢をまっすぐに伸ばすように指示

    「瑠璃(るり)も波璃(はり)も照らせば光る」(例)を繰り返す

    よう指示

    正常

    両側が等しく動く

    左右とも同じように挙がる、または全く

    挙がらない

    正しい言語を明瞭に話す

    ④項部硬直⑤40歳以上

    片側がもう一側のように動かない

    片側が挙がらないがもう一方と比べてふらふら下がる

    不明瞭な言語、間違った言葉、あるいは

    全く話さない

    異常

    CVAちゃん システム起動基準

    ①生理学的評価に異常あり   ②痙攣   ③外傷   ④小児   ⑤診断あり

    ①高血圧(160/100mmHg以上)②嘔吐③労作時発症雷鳴頭痛

    表面に起動基準、裏面に MMT をのせたポケットカード

    をスタッフ全員に配布

    初療に必要な知識・技術を記載したマニュアルを作成。

  • 5

    放射線担当技師4892

    放射線担当技師4250

    CT撮影

    CT撮影

    CVAシステム起動基準に該当する患者が来院

    CTオーダー

    時間外

    時間内

    連絡のみで

    受付不要

    平成 27年 10 月 13日より対策実施スタート

    対策実施後 1か月経過したところで 3つの問題発生

    これを踏まえて追加対策を立案

    表 4:実施後の問題 (作成日 平成 27年 11 月 20 日 担当全員)

    対策5:CVA フローチャート 対策4:CVA 記録用紙

    対策6・9・10:CT 室への連絡

    図 16:CVA 記録用紙 図 17:CVA フローチャート

    現病歴 患者プロフィール

    10分以内

    CVAフローチャート

    血圧降圧開始(140㎜Hg 以下目標)

    ※目標血圧にならなくてもCT撮影へ

    脳血管障害の症状

    OTTAWACPSS

    該当せず 1項目以上該当 3項目以上該当     該当せず

    通常診療      通常診療

    SAH初期評価現病歴 既往歴

    発症時間 バイタルサイン測定点滴確保 採血5本 EKG

    *刺激を最小限に愛護的に実施

    初期評価現病歴 既往歴

    発症時間 バイタルサイン測定点滴確保 採血5本 EKG

    CVAシステム起動CVA記録用紙使用

    CT室へファーストコール

    CVAシステム起動CVA記録用紙使用

    CT室へファーストコール

    CT室へセカンドコール CT室へセカンドコール

    胸写(ポータブル) 胸写(ポータブル)

    CT撮影

        入院

    薬剤投与・アドナ・トランサミン・ファモチジン

    脳内出血 クモ膜下出血

    神経内科コンサルト

    tPA非適応 tPA適応

    血圧降圧

    脳外科コンサルト

        薬剤投与  ・アドナ  ・トランサミン  ・ファモチジン

    生食2ルート目確保右腕尺骨側

     手術 ICU入院

    CTA

    20分以内 CT撮影

    必要時薬剤投与

    アルテプラーゼ投与

    症状改善した場合帰宅

    発症時間4.5時間以上経過

    発症時間4.5時間未満

    MRI NIHSS評価

    体重測定

    CTA

     ICU入院     入院

    脳梗塞疑い

    図 18:連絡系統図

    <来院までの情報>

    既往歴:

    自立 要介助(       )

    無 有(           )

    良好 異常(         )

    無 有(          )

    無 有(          )

    患者確認: 記録担当: Te l

    顔のゆがみ 上肢拳上 構音障害□正常  □異常 □正常  □異常 □正常  □異常

    □有  □無 □ 有 □ 無

    高血圧(160/100↑) 嘔吐 労作時発症□有  □無 □有  □無 □有  □無

    項部硬直 40歳以上□有  □無 □有  □無

    : : : : : 時間

    呼吸数   : サイン

    SPO2

    心拍数

    血圧( R / L ) / / / / /

    体温

    意識レベル( JCS / GCS )

    上肢MMT( R / L ) / / / / /

    下肢MMT( R / L ) / / / / /

    瞳孔( R / L )mm / / / / /

    対光反射( R / L ) / / / / /

    酸素

    □採血 (生化/CBC/BS/凝固/血型) (  :   )           へ  病名:             

    □X-P(胸部ポータブル) (  :  )          内容 :

    □除毛 □最終飲食時間:(   )月(   )日(   :   )

    □臍処置 □足首(    )㎝ 腓腹筋(     )cm

    □ネームバンド装着 □身長(    )㎝ 体重(     )㎏

    □アレルギーバンド装着 □義歯( 無 ・ 有 ・ 除去 )

    術前チ

    ェック

    家族来院

    家族連絡

    酸素流量(L/min ) (N/M/RM)

    四肢脱力

    □血糖(   mg/dl) (   :  )    □12誘導心電図 (  :  )

    □頭部CTA/MRI (  :  )

    観察項目

    薬剤

    ソルラクト/生食    ml部位(   ) (  )G

    コミュニケーション

    雷鳴頭痛+2項目以上の該当

    □ 有  □ 無

    <病状説明とその反応>(   )科  Dr(      )

    経過記録/処置

    専門医診察(  :  ) 入院・OPE(  :  )

    1項目以上の該当□ 有  □ 無

    CVA起動

    □ 有  □ 無

    <患者プロフィール>

    検査

    サイン

      発症/最終安否時間  (   :   )

    症状消失・軽快後発症時間<4.5時間

    (                    )

    CPSS

    OTTAWA

    雷鳴頭痛□有 □無

    ソルラクト/生食    ml部位(   ) (  )G

    来院時間(救急車/独歩) (  :   ) CT撮影(  :  ) コンサルト(  :  )

    時間

    ADL

    アレルギー

    昨年度 TQM で改

    善した病状説明と

    転機の記載欄

    CVAシステム

    起動の有無

    観察項目が統一で

    き、継時的に記入

    できる

    CPSS・OTTAWA

    チェック

    CPSS・OTTAWA

    RULEに沿った

    フローを作成

    現病歴

    患者プロフィール一覧

    呼吸数

    SpO2

    心拍数

    血圧( R / L )

    体温

    意識レベル(JCS / GCS)

    上肢MMT( R / L )

    下肢MMT( R / L )

    瞳孔( R / L )mm

    対光反射( R / L )

  • 6

    平成 27年 11 月 24日~12 月 24日対策を追加して実施

    【追加対策】

    表 5:追加対策 (作成日 平成 27 年 11 月 23 日 担当全員)

    □ CPA □ 痙攣 □ 外傷 □ 小児 □診断有

    高血圧(160/100↑)

    *次の除外基準に該当する場合には、CVA起動は該当なしとする

    *該当なし通常診療へ

    ★無呼吸・気道閉塞の可能性

    ★呼吸努力の増加★文節単位の会話★増悪する吸気時喘鳴★SPO2<90%

    ★著明に蒼白で冷たい皮膚★発汗、弱い、微弱な脈触知★低血圧:SBP

  • 7

    0

    2

    4

    6充実性

    チームワーク

    行動変容

    意識変容

    リスク回避

    病院への貢献

    実施前 実施後

    25 3 3

    0 10 20 30

    「初療に個人差がある」は重要要因であった。

    20分以下

    31人

    21分以上

    1人

    012345充実性

    チームワーク

    行動変容

    意識変容

    リスク回避

    病院への貢献

    実施前 実施後

    20分以下

    24人

    21分以上

    26人20分以下

    42人

    【無形効果】

    図 24:無形効果レーダーチャート

    図 27:医師の評価

    2)医師と看護師の評価項目の内訳

    【波及効果】

    1)来院経路別 Door To CT Time の比較

    図 25:救急車搬送患者の Door To CT Time

    目 標 達 成!!

    (作成日 平成 27 年 12 月 25日 担当 野寄)

    (作成日 平成 27 年 12 月 25日 担当野寄)

    病院の貢献に繋がる活動ができた

    ABCDEの異常を即時に 評価できるようになった

    CVAの初期対応に自信がついた

    CVAフローチャートを活用することで初療を統一することができた

    医師・放射線技師と協力することで CVAシステムを起動する

    ことができた

    神経学的評価を積極的に行えるようになった

    3)CVA評価シートで評価した割合

    10.効果の確認

    H27年

    10/13~11/17

    n=32

    H26年

    9月~11月

    n=50

    【有形効果】Door To CT Time

    図 23:対策実施前後の頭部 CT撮影時間

    H27年

    11/24~12/24

    n=42

    対策実施前:平均27分

    (作成日 平成 27 年 12 月 25日 担当全員)

    対策実施後:平均 13分 追加対策実施後:平均 10分

    25

    3

    3

    0 10 20 30

    CPSS

    四肢脱力

    発症時間

    21

    10

    0 10 20 30

    CPSS

    症状なし

    4

    0 20 40 60 80 100

    追加対策実施後

    追加対策実施前

    救急車搬送患者と 自力来院患者のDoor To CT Timeの差がなくなった!

    CVAを疑った全ての患者に対し、CPSS・OTTAWA RULEで評価できていた。

    追加対策後の起動評価シートを使用して評価すると CVA患者を見落とさなかった!

    図 29:評価師シートで評した割合

    図 26:自力来院患者の Door To CT Time

    図 28:看護師の評価

    10

    23

    0 10 20 30

    追加対策実施後

    対策実施前

    10

    59

    0 20 40 60 80

    追加対策実施後

    対策実施前

    (人) (人)

    (分) (分)

    (%)

    100

    (n=50)

    n=

    (n=32)

    n=

    (n=3)

    n=

    (n=50)

    n=

    (n=5)

    n=

    (n=57)

    n=

    対象:追加対策実施後の患者(n=42)のうち、CVAで入院した患者(n=31)

  • 8

    チームで CVAの早期診断・早期治療のために今後も継続し取り組む!

    Door To CT Time 平均 12分 目標達成!(n=57)

    =

    対象期間:平成 28年1月~5月

    11.標準化と管理の定着

    12.反省と今後の課題 表 7:反省と今後の課題 (作成日 平成 27 年 12月 25 日 担当 福田 濵田)

    表 6:標準化と管理の定着 (作成日 平成 27 年 12 月 25 日 担当 古野 福島)

    13.追跡調査 (作成日 平成 28 年 6 月 15 日 担当 野寄)

    2)アルテプラーゼ療法適応患者の Door To CT Time

    図 31:アルテプラーゼ療法適応患者の Door To CT Time

    1)治療開始時間

    図 30:治療開始時間

    アルテプラーゼ療法適応患者の Door To CT Time は 11分→8分へと短縮!

    対策を継続して実施することで、専門医オンコール体制にも関わらず、少しずつ治療開始時間も短縮されてきている。

    8

    11

    0 2 4 6 8 10 12

    対策実施後

    対策実施前

    62

    68

    58 60 62 64 66 68 70

    追跡調査

    対策実施後

    (分)

    (分)

    (n=32)

    n=

    (n=23)

    n=

    (n=3)

    n=

    (n=5)

    n=