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- 48 -
図Ⅱ-2-27.カキ個体密度とカキ分布量(上)、平均殻高と平均殻付重量(下)
図Ⅱ-2-28.カキ個体密度とカキ分布量(上)、平均殻高と平均むき身重量(下)
0
5
10
15
20
25
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000
カキ個体数(/㎡)
カキ
重量
(kg
/㎡)
鹿島市沖
六角川沖
0
5
10
15
20
25
0 20 40 60 80
カキ平均殻高(mm)
カキ
平均
殻付
重量
(g)
鹿島市沖
六角川河口
0
5
10
15
20
25
0 20 40 60 80
カキ平均殻高(mm)
カキ
平均
殻付
重量
(g)
鹿島市沖
六角川河口2008/5-6
2008/9-10
0
5
10
15
20
25
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000
カキ個体数(/㎡)
カキ
重量
(kg/
㎡)
鹿島市沖
六角川沖
2008/5-62008/9-10
0
1
2
3
4
5
0 20 40 60 80
カキ平均殻高(mm)
カキ
平均
むき
身重
量(g)
鹿島市沖
六角川河口
0
1
2
3
4
5
6
7
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000
カキ個体数(/㎡)
カキ
むき
身重
量(kg/
㎡)
鹿島市沖
六角川沖
0
1
2
3
4
5
0 20 40 60 80
カキ平均殻高(mm)
カキ
むき
身重
量(g
)
鹿島市沖
六角川河口
0
1
2
3
4
5
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000
カキ個体数(/㎡)
カキ
むき
身重
量(k
g/㎡
)
鹿島市沖
六角川沖
2008/5-6
2008/9-10
2008/5-6
2008/9-10
- 49 -
② 平成 21 年度調査結果
平成 21 年度に実施した佐賀県東部海域で調査を実施した計 49 の調査地点で、カキ礁の存在
が確認されたのは、調査点8、10、12、27、29、31、33、34、35、37、38、39、42、43 の
地点であった。筑後川沖及び早津江川河口域ではカキ礁が分布したが、1977 年にカキ礁が分布
した沖合域にはカキ礁が分布せず、サルボウ、アサリ等の分布域となっていた(表Ⅱ-2-14)。
また、調査地点 15 と 45 はかつてのカキ礁の痕跡としてのカキ殻が分布したが、生きたカキは
分布しなかった。
カキ礁が分布した調査地点 33、35、38、42 の各地点のカキ礁の水中写真と採取されたカキ
の写真を写真Ⅱ-2-9~写真Ⅱ-2-12 に示す。いずれの地点でも、古いカキ殻にカキの稚貝、幼貝
が付着しているが、大きく成育したカキの分布は希であり、カキ礁が発達している状況はうか
がえなかった。
図Ⅱ-2-29 及び表 2-3-2 にカキ分布密度(カキ重量 kg/㎡)を示した。カキの分布密度の最
大は調査地点 38 の 18.7kg/㎡であった。
カキ礁生物分布広域調査の結果から、佐賀県有明海東部海域のカキ礁の分布状況が明らかに
なった。この結果をもとに、GIS データベースに搭載された 2006 年撮影の航空写真のモザイ
ク合成写真と、現地調査結果から判定されるカキ礁の分布範囲を確定し、図Ⅱ-2-30 に示した。
- 50 -
写真Ⅱ-2-9.調査地点 33におけるカキ礁と採取されたカキ等
大型の古いカキ殻に小型のカキが付着していた。
写真Ⅱ-2-10.調査地点 35におけるカキ礁と採取されたカキ等
古いカキ殻が多く分布。カキ殻に小型のカキが少し付着していた。
写真Ⅱ-2-11.調査地点 38におけるカキ礁と採取されたカキ等
最もカキの分布量が多かった。
写真Ⅱ-2-12.調査地点 42におけるカキ礁と採取されたカキ等
小型のカキが多く分布していた。
- 51 -
表Ⅱ-2-14.カキ礁生物分布広域調査の結果一覧
東経
北緯
度分
秒度
分秒
113
014
3133
831
2009/
10/
10
7:5
17:5
6泥
-0.
00
213
015
1533
933
2009/
10/
10
11:4
511:
48
泥0.
00
ハイガイ
313
015
2433
856
2009/
10/
10
8:3
68:3
9泥
-0.
00
3+13
015
21.
133
96.
720
09/
10/
10
12:0
712:
09
泥0.0
00.
00
ユム
シ
413
015
3633
842
2009/
10/
10
8:5
99:0
2泥
0.0
00.
00
ユム
シ
513
015
4333
821
2009/
10/
10
9:1
79:1
9貝
殻、
砂0.0
00.
00
613
015
49.
533
831.2
2009/
10/
10
9:3
69:4
0砂
0.0
00.
00
サル
ボウ
++、
アサ
リ1、
タイラキ
゙1、
コケ
ガラ
ス+
713
015
5133
830
2009/
10/
10
9:4
79:5
2砂
泥0.0
00.
00
サル
ボウ
+、
アサ
リ+、
コケ
ガラ
ス+、
古い
カキ
殻
813
016
633
827
2009/
10/
10
10:0
210:
05
-カ
キ礁
163.9
52.
62
913
016
733
813
2009/
10/
10
10:2
010:
23
泥0.0
00.
00
生物
少な
い
1013
016
1133
81.
520
09/
10/
10
10:3
410:
36
-カ
キ礁
58.
71
0.94
スミ
ノエ
ガキ
1113
016
12.
833
758.4
2009/
10/
10
10:4
410:
47
泥0.0
00.
00
サル
ボウ
+、
コケ
ガラ
ス+
1213
016
2833
821
2009/
10/
10
11:0
011:
05
-カ
キ礁
127.6
72.
04
カキ
礁
1313
016
35.
533
752
2009/
10/
10
16:3
816:
40
泥0.0
00.
00
サル
ボウ
+、
コケ
ガラ
ス+
1413
016
35.
533
731.5
2009/
10/
10
16:2
316:
26
砂泥
0.0
00.
00
サル
ボウ
+、
アサ
リ+、
コケ
ガラ
ス+
1513
016
39.
633
727.4
2009/
10/
10
16:0
816:
11
カキ
殻0.0
00.
00
カキ
殻に
サル
ボウ
+、
コケ
ガラ
ス+
1613
016
46.
533
723.7
2009/
10/
10
15:4
515:
47
貝殻
砂+
泥0.0
00.
00
アサ
リ稚
貝2
1713
016
5333
724
2009/
10/
10
15:2
615:
29
泥0.0
00.
00
サル
ボウ
+、
コケ
ガラ
ス+
1813
016
5733
725
2009/
10/
10
15:1
515:
17
泥0.0
00.
00
サル
ボウ
+、
シオ
フキ
+、コケ
ガラ
ス+、
アサ
リ稚
貝+
1913
016
5933
839
2009/
10/
10
11:2
011:
23
泥0.0
00.
00
ハイガイ
2013
017
15.
733
86.
220
09/
10/
10
12:2
412:
27
泥0.0
00.
00
ハイガイ
2、
ユム
シ2
2113
017
3733
732
2009/
10/
10
15:0
015:
03
貝殻
砂+
泥0.0
00.
00
サル
ボウ
+、
アサ
リ3、
コケ
ガラ
ス+
2213
017
4633
714
2009/
10/
10
14:4
714:
50
泥0.0
00.
00
サル
ボウ
+、
アサ
リ1、
イタホ
゙ガキ
+
2313
018
133
719
2009/
10/
10
14:3
114:
34
泥0.0
00.
00
サル
ボウ
殻
2413
017
4433
65
2009/
10/
11
7:5
07:5
2砂
泥0.0
00.
00
シオ
フキ
、サ
ルホ
゙ウ、
アサ
リ、
ツメタガイ
カキ
重量
(kg/
㎡)
備考
(他
生物
の分
布等
)調
査地
点調
査年
月日
試料
採取
時刻
試料
採取
時刻
底質
カキ
礁判
定カ
キ重
量g
- 52 -
表Ⅱ-2-14.(続き) カキ礁生物分布広域調査の結果一覧
東経
北緯
度分
秒度
分秒
25130
1816
33
651
2009
/10/
11
15:5
415:
58
砂泥
0.00
0.0
0サ
ルホ
゙ウ+、
シオ
フキ
1、
アサ
リ+
26130
1826
33
88
2009
/10/
10
14:0
014:
08
砂泥
0.00
0.0
0サ
ルホ
゙ウ+、
カキ
殻+
27
130
1833
33
753
2009
/10/10
13:3
713:
39
-カ
キ礁
54.6
00.8
7カ
キ
28
130
1857
33
726
2009
/10/11
14:3
514:
38
砂泥
0.00
0.0
0サ
ルホ
゙ウ+、
ユム
シ
29
130
199
33
812
2009
/10/10
13:0
313:
04
-カ
キ礁
347
.05
5.5
5カ
キ
30
130
1921
33
657
2009
/10/11
14:1
814:
19
砂泥
0.00
0.0
0サ
ルホ
゙ウ+
31130
1930
33
551
2009
/10/
11
8:3
08:
35-
カキ
礁82.1
01.3
121
年生
まれ
カキ
のみ
、イタホ
゙ガキ
+
31+
130
19
25.
633
542.4
2009
/10/11
15:1
815:
20
-カ
キ礁
34.5
80.5
5イタホ
゙ガキ
32130
1949
33
610
2009
/10/
11
8:5
69:
01砂
泥4.
400.0
7コケ
ガラ
ス+、
アサ
リ+、
イタホ
゙ガキ
33
130
1950.2
33
745.7
2009
/10/11
13:3
013:
35
-カ
キ礁
609
.40
9.7
5カ
キ
34
130
1955
33
824
2009
/10/10
12:4
712:
49
-カ
キ礁
173
.90
2.7
8カ
キ
35
130
200
33
718
2009
/10/11
13:5
013:
55
-カ
キ礁
294.1
44.7
1カ
キ礁
の密
度低
い
35+
130
20
17.
533
728.8
2009
/10/11
14:0
314:
10
-カ
キ礁
256
.93
4.1
1カ
キ
36130
202
33
69
2009
/10/
11
9:1
49:
16砂
泥0.
000.0
0サ
ルホ
゙ウ+、
コケ
ガラ
ス+、
マガキ
稚貝
37
130
2023
33
751
2009
/10/11
12:2
312:
30
-カ
キ礁
577
.39
9.2
4カ
キ
38
130
2028
33
745
2009
/10/11
12:1
412:
20
-カ
キ礁
1169
.60
18.7
1カ
キ
39
130
2035
33
742
2009
/10/11
12:0
112:
05
-カ
キ礁
653
.53
10.4
6カ
キ
40130
2028
33
75
2009
/10/
11
9:3
09:
36砂
泥0.
000.0
0貝
類な
し
41
130
2032.7
33
820.1
2009
/10/11
12:5
513:
00
砂泥
0.00
0.0
0シオ
フキ
+、
アサ
リ貝
殻
41+
130
20
34
33
820.6
2009
/10/11
13:1
013:
15
砂泥
0.00
0.0
0ア
サリ貝
殻(吹
き寄
せら
れた
もの
?)
42
130
2042
33
759
2009
/10/11
12:3
012:
35
-カ
キ礁
890
.94
14.2
6カ
キ
43
130
2048
33
740
2009
/10/11
11:5
011:
55
-カ
キ礁
482
.90
7.7
3カ
キ
44
130
2111
33
733
2009
/10/11
11:3
511:
40
泥0.0
00.0
0生
物な
し
45
130
2126.5
33
76.2
2009
/10/11
10:1
610:
19
泥カ
キ殻
0.00
0.0
0生
きた
カキ
礁で
はな
い。
スミノ
エガキ
殻、
アサ
リ殻
カキ
重量
(kg/
㎡)
備考
(他
生物
の分
布等
)調
査地
点調
査年
月日
試料
採取
時刻
試料
採取
時刻
底質
カキ
礁判
定カ
キ重
量g
- 53 -
図Ⅱ-2-29.佐賀県有明海東部海域のカキの分布量(カキ殻付重量 kg/㎡)
図Ⅱ-2-30.佐賀県有明海東部海域のカキ礁の分布
(2006 年撮影航空写真及び 2009 年現地調査に基づいて作成)
0
0
00
0
0
0
0
0
0
0
00
0
0
0
00
000
00
0
000
0
0
0
0
0
7.73
9.24
4.11
4.71
2.78
9.75
0.07
0.551.31
5.55
0.87
2.04
0.94
2.62
14.26
10.4618.71
筑後川
200910カキ礁広域調査(kg/㎡)
カキ重量kg
0.0 - 2.0
2.1 - 6.0
6.1 - 10.0
10.1 - 14.0
14.1 - 18.0
筑後川
2006年カキ礁2006年カキ礁
- 54 -
4)有明海奥部のカキ礁の地形調査
(1)調査目的
佐賀県鹿島沖に現存するカキ礁の1㎞×2㎞の範囲について、海底地形調査を実施し、カキ
礁の地形断面形状及び全体地形を把握することを目的とした。
(2)調査方法
調査海域は、図Ⅱ-2-31 に示す No.1から No.4の数字で囲まれた範囲とし、海図上の水深0
mの地点(図 2-1-1、No.2 の地点)を基準点として設定した。この地点に調査時間中の水位変
動を記録するための潮位計(JFEアレック超小型メモリー深度計、図 2-2-32)を調査日の調
査開始前に設置し、調査終了後に回収を行い、調査日毎の地盤調査データの補正に使用した。
地盤調査は、地元業者の漁船を用船し、この船に音響測深機(本多電子 HE-6721 型、DG
PS付)及び記録用パソコン(図 2-2-33)を積み込み、調査対象海域を東西南北及びカキ礁に
直行する形で航走することで、調査海域内の位置と水深を記録した。
図Ⅱ-2-31.有明海奥部に設けた調査範囲及び潮位計設置位置
図Ⅱ-2-32.潮位測定に用いた超小型深度計
8
7
6
5
4
3
2
1
0m0m
2
潮位計設置位置1
3
4
8
7
6
5
4
3
2
1
0m0m
2
潮位計設置位置1
3
4
- 55 -
図Ⅱ-2-33.測深機(本多電子 HE-6721 型、DGPS付き)と記録用パソコン
本地形調査システムは、対象海域を 200×200 のグリッド(1辺の長さ 0.004 分、南北方向
で約 7.4m)に分割し、この分割されたグリッドの位置と時々刻々DGPSで計測されている
船の位置が一致したグリッド番号に、そこで計測された水深が記録されるようになっている。
したがって、すべてのグリッドを通過することができれば、7.4m間隔の詳細なデータが把握で
き、地形全体の水深変化を推定できる。
なお、位置データを取得するために3秒程度の時間を有することから、船の航走速度が3~
4ノットの場合には、1グリッドの幅は3秒以上かかる幅、すなわち 4.5mから6m程度必要
となるため、1 グリッドの1辺を 0.004 分に設定した。
今調査の対象海域を東西方向が1㎞、南北方向が2㎞としたので、北部の海域と南部の海域
に分けて調査を行った。調査は、平成 21 年8月、9月、10 月の大潮時に実施し、合計8日間
行った。調査日毎に計測されたグリッド毎の水深データは、調査日、時間によって変化する潮
位変動を含んでいるため、潮位変動分を減じて修正し、全ての調査データを統合した。この際、
調査日の時刻毎の潮位を基準点で計測された水深として、この値をグリッド毎に記録されてい
る時間と水深から減じて、基準点の水深を 3.5mとした場合の調査海域の水深を求めた。なお、
測深器の送受波器の位置が水面から 0.25mの位置となっていたことから、前述により得た水深
に 0.25mを加えて真の水深とした。
(3)調査結果
航走記録した結果を図Ⅱ-2-34 に示した。調査はカキ礁の分布範囲を全て航走できるように
大潮の満潮時に実施したが、調査は満潮前後の3~4時間と短時間となるため、カキ礁が顕著
な形で存在する場所を中心に計測した。
① カキ礁の断面形状
カキ礁の断面形状は、10 月に実施したカキ礁に直交する形で記録したデータから解析した。
図Ⅱ-2-35 に断面形状を把握するために航走した航跡示した。全部で 12 本の航走を行い、東か
らライン No.1~No.12 として、それぞれの断面形状を図Ⅱ-2-36~図Ⅱ-2-37 に示した。
- 56 -
結果から、調査線上には1mから 1.5mの深み(澪)が確認された。また、カキ礁と判定さ
れる凹凸は 0.5m程度であった。
なお、本海域には澪の印、漁場の区分やナルトビエイ等の害敵生物の侵入防止などの目的の
ため、竹あるいは合成樹脂製の杭などの突起物が設置されており、場合によってこれを海底と
して記録している可能性がある。このため、明らかに突起物と考えられる記録については修正
もしくは削除した。
図Ⅱ-2-34.カキ礁地形調査の全航跡
図Ⅱ-2-35.カキ礁地形調査(断面調査)の航跡
No.2
- 57 -
図Ⅱ-2-36.各調査ライン(ライン No.1~No.6)の海底地形
1017地形①
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
33.0575
33.0579
33.0584
33.0589
33.0594
33.0599
33.0604
33.0609
33.0614
33.0620Latitude
Dept
h(m
)
1017地形②
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
33.0
578
33.0
583
33.0
588
33.0
593
33.0
599
33.0
605
33.0
611
33.0
616
Latitude
Dept
h(m
)
1017地形③
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
33.0575
33.0581
33.0586
33.0591
33.0596
33.0602
33.0608
33.0613
33.0619
Latitude
Dept
h(m
)
1017地形④
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
33.05
74
33.05
78
33.05
84
33.05
89
33.05
95
33.06
00
33.06
05
33.06
11
33.06
17
Latitude
Dep
th(m
)
1017地形⑤
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
33.0574
33.0579
33.0586
33.0592
33.0597
33.0602
33.0607
33.0613
33.0618
Latitude
Dept
h(m
)
1017地形⑥
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
33.0
574
33.0
581
33.0
586
33.0
591
33.0
596
33.0
601
33.0
609
33.0
614
33.0
619
Latitude
Depth
(m)
- 58 -
図Ⅱ-2-37.各調査ライン(ライン No.7~No.12)の海底地形
1017地形⑦
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
33.0
573
33.0
578
33.0
582
33.0
589
33.0
593
33.0
598
33.0
603
33.0
608
33.0
614
33.0
620Latitude
Dep
th(m
)
1017地形⑧
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
33.0574
33.0581
33.0586
33.0591
33.0598
33.0604
33.0609
33.0615
33.0620
Latitude
Dept
h(m
)
1017地形⑨
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
33.0573
33.0578
33.0583
33.0588
33.0594
33.0601
33.0606
33.0611
33.0617
33.0622Latitude
Dept
h(m
)
1017地形⑩
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
33.0573
33.0579
33.0584
33.0590
33.0594
33.0599
33.0605
33.0609
33.0615
33.0620
Latitude
Dept
h(m
)
1017地形⑪
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
33.0
574
33.0
579
33.0
584
33.0
589
33.0
595
33.0
600
33.0
606
33.0
611
33.0
617
Latitude
Dep
th(m
)
1017地形⑫
-3.0
-2.5
-2.0
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
33.0
574
33.0
579
33.0
586
33.0
590
33.0
596
33.0
600
33.0
606
33.0
611
33.0
617
33.0
622Latitude
Dept
h(m
)
- 59 -
② 鹿島市地先カキ礁域の地形形状
Excel 型式で収録されたデータ中から水深および各水深を計測した時間、各水深の緯度・経
度に関するデータを取り出した。取得した水深のデータ数は 18,781 である。そしてこれらの
水深データに対して、水位計により計測した潮位の変化を補正して、潮位観測基準面からの水
深データに相当するように変換した。
続いて平面的な計測範囲を考慮して、北緯 33.053 度、東経 130.088 度を原点とする東西・
南北の直交座標のうち東側 600m、北側 1,200m の範囲を対象に、5m間隔の格子状データと
なるよう処理を施した。緯度・経度をメートルに単位変換するに当たっては、緯度 1°を
40,000/360km、経度のそれを 40,000×cos(33.053°)/360km として換算した。こうして作成
した計測水深の格子状データ数は 11,911(Excel 型式データのうち 63.4%に相当)で、対象と
した東西方向 120、南北方向 240 の計 28,800 格子のうち 41.4%に計測値が該当する。この格
子状データには未計測分が含まれることから、空間分布の予測手法である Kriging 法を用いる
ことで補間を施して地形図(図Ⅱ-2-38)を作成した。
この図から、北部 Y=1200m付近と Y=400m付近に、塩田川と浜川の川筋が明確に確認でき、
これらの川筋の間に5筋の澪が確認できる。前述の(4)①に示した断面形状において確認さ
れた深みは、この澪筋に相当する。また、Y=400mから Y=1000m、X=250mから X=500mの
範囲には複雑な地形変化が確認される。これは、「かきひび建て養殖業」としてのカキ礁が維
持管理されている漁業権漁場であるが、実際に視認されているカキ礁の形状とは異なる結果と
なった。この原因としては、分布するカキ礁の幅が約 10mから 15mであるのに対して、水深
データの取得時のグリッド幅を約 7.4mとしたことから、断面方向のカキ礁上の水深データが
1点ないし2点であったことから、断面形状を正確に評価できなかった可能性がある。改善の
ためには、グリッド幅を短く設定することや、全体グリッドの位置を調整して、水深取得地点
の間隔を短くする必要が有る。
- 60 -
図Ⅱ-2-38.有明海奥部の鹿島市地先のカキ礁の地形
- 61 -
5)有明海奥部のカキ礁の地盤高調査
(1)調査目的
有明海奥部の佐賀県鹿島市地先に分布するカキ礁についてその基盤的情報であるカキ礁の地
形及び地盤高に関する情報を収集することを目的とした。
(2)調査方法
1)カキ礁地形調査と同じカキ礁において、RTK-GPS測量の一種で、高精度で、より
簡便な方法であるVRS-GPS測量(図Ⅱ-2-39、図Ⅱ-2-40)によりカキ礁の地盤高を測定
するとともに、分布するカキ(シカメガキ、マガキ、スミノエガキ等)を採取した。
VRS-GPS測量は、GPS衛星からのデータ及び電子基準点のデータをもとに、ネット
ワーク通信を用いて、仮想の基準点を設け、それをもとに観測点の位置を測定する方法で、現
地に基準点を設置せずに、観測点のみで位置測定ができる。この方法によるとデータ通信のた
めの通信費が必要であるが、陸上の基準点から遠く離れた干潟等においても、数分程度の短時
間で観測が可能である。
図Ⅱ-2-39.VRS-GPS測量の概念図
図Ⅱ-2-40. VRS-GPS測量によるカキ礁の位置と地盤高の測定
GPS衛星
計算機関センター
電子基準点
電子基準点
観測点
仮想基準点
GPS観測データ
GPS観測データ
単独測位データ
仮想観測点データ
GPS衛星
計算機関センター
電子基準点
電子基準点
観測点
仮想基準点
GPS観測データ
GPS観測データ
単独測位データ
仮想観測点データ
GPSアンテナ
GPS本体 VRS測位用
データ通信装置
VRS-GPSによるカキ礁の地形測量
- 62 -
カキ礁における位置と地盤高の測定は、VRS-GPSの観測装置のGPSアンテナを三脚
等で測定地点に設置し、アンテナの位置(緯度、経度)と高さ(GPS アンテナ高)を計測する。我
が国の標高は東京湾平均海面を基準とし、これをジオイド(重力の等ポテンシャル面=水準面)
としている。カキ礁の地盤高は、GPSで計測した高さからジオイド高(ジオイドの回転楕円
体からの高さ)を差し引いてカキ礁の標高を求め、これを潮位表基準面(大浦 標高-2.46cm)
からの高さに補正して求めた。
観測地点の標高=((GPS アンテナ標高)+(GPS ジオイド高))-(観測地点のジオイド高)-(アンテナ高)
観測地点の地盤高(潮位表基準面からの高さ)
=観測地点の標高-(潮位表基準面の標高:大浦 -2.46m)
(3)調査結果
調査は、鹿島市地先の浜川河口域の佐賀県有明海漁業協同組合鹿島市支所が管理するかきひ
び建て養殖漁業権漁場(有区第 2008 号)の南西端の浜川筋に位置するカキ礁で実施した(図
Ⅱ-2-41)
図Ⅱ-2-41.カキ礁地盤高調査を行ったカキ礁(図中の赤線で囲ったカキ礁)
図Ⅱ-2-42.カキ礁地盤高調査における断面観測位置
6
5
2
0m
0m
0 200 400 m
鹿島地先
有区第2008号
- 63 -
このカキ礁においてカキ礁の長軸に直交する方向に、図Ⅱ-2-42 に示す7つの断面を取るよ
うにVRS-GPSにより測量した(図Ⅱ-2-43、図Ⅱ-2-44)。
このカキ礁では地盤高により分布するカキの種が異なり、汀線近くの低い地盤にはマガキに
スミノエガキが混在して分布し、カキ礁の頂上部にはマガキが分布していた(図Ⅱ-2-44)。
カキ礁の断面地形を図Ⅱ-2-45 及び図Ⅱ-2-46 に、カキ礁の等高線図を図Ⅱ-2-47 に示す。調
査したカキ礁は頂上部が奥側で 2.0m、沖側で 1.7mの高さにあり、周囲の干潟面から 0.5m程
度の高さで、緩やかな弧の形状であった。
図Ⅱ-2-43.地盤高調査を行ったカキ礁の全景と VRS-GPS 測量
図Ⅱ-2-44.鹿島市地先カキ礁におけるカキの分布状況
マガキ、スミノエガキ
マガキ
マガキ、スミノエガキ
- 64 -
図Ⅱ-2-45.鹿島市地先カキ礁の断面図
断面1
1
1.5
2
2.5
33.0
9302
33.0
9304
33.0
9306
33.0
9308
33.0
9310
33.0
9312
33.0
9314
33.0
9316
33.0
9318
33.0
9320
33.0
9322潮
位表
基準
面高
(m
)
断面3
1
1.5
2
2.5
33.
0929
0
33.
0929
2
33.
0929
4
33.
0929
6
33.
0929
8
33.
0930
0
33.
0930
2
33.
0930
4
33.
0930
6
33.
0930
8
33.
0931
0潮位
表基
準面
高(m
)
断面2
1
1.5
2
2.5
33.0
929
8
33.0
930
0
33.0
930
2
33.0
930
4
33.0
930
6
33.0
930
8
33.0
931
0
33.0
931
2
33.0
931
4
33.0
931
6
33.0
931
8潮位
表基
準面
高(m
)
断面4
1
1.5
2
2.5
33.0
928
0
33.0
928
2
33.0
928
4
33.0
928
6
33.0
928
8
33.0
929
0
33.0
929
2
33.0
929
4
33.0
929
6
33.0
929
8
33.0
930
0
潮位
表基
準面
高(m
)
断面5
1
1.5
2
2.5
33.0
926
8
33.0
927
0
33.0
927
2
33.0
927
4
33.0
927
6
33.0
927
8
33.0
928
0
33.0
928
2
33.0
928
4
33.0
928
6
33.0
928
8
潮位
表基
準面
高(m
)
断面6
1
1.5
2
2.5
33.
0926
4
33.
0926
6
33.
0926
8
33.
0927
0
33.
0927
2
33.
0927
4
33.
0927
6
33.
0927
8
33.
0928
0
33.
0928
2
33.
0928
4
潮位
表基
準面
高(m
)
断面7
1
1.5
2
2.5
33.0
925
6
33.0
925
8
33.0
926
0
33.0
926
2
33.0
926
4
33.0
926
6
33.0
926
8
33.0
927
0
33.0
927
2
33.0
927
4
33.0
927
6
潮位
表基
準面
高(m
)
- 65 -
図Ⅱ-2-46.鹿島市地先カキ礁の断面図
図Ⅱ-2-47.鹿島市地先カキ礁の地形
(上:測量地点、下:等高線図、図中の数字は潮位観測基準面からの高さ(m))
156m
縦断面
1
1.5
2
2.5
130
.152
30
130
.152
40
130
.152
50
130
.152
60
130
.152
70
130
.152
80
130
.152
90
130
.153
00
130
.153
10
130
.153
20
130
.153
30
130
.153
40
130
.153
50
130
.153
60
130
.153
70
130
.153
80
130
.153
90
130
.154
00
潮位
表基
準面
高(m
)
156m
縦断面
1
1.5
2
2.5
130
.152
30
130
.152
40
130
.152
50
130
.152
60
130
.152
70
130
.152
80
130
.152
90
130
.153
00
130
.153
10
130
.153
20
130
.153
30
130
.153
40
130
.153
50
130
.153
60
130
.153
70
130
.153
80
130
.153
90
130
.154
00
潮位
表基
準面
高(m
)
- 66 -